JPH07150651A - 型枠兼用断熱パネルおよびその施工方法 - Google Patents

型枠兼用断熱パネルおよびその施工方法

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JPH07150651A
JPH07150651A JP29987093A JP29987093A JPH07150651A JP H07150651 A JPH07150651 A JP H07150651A JP 29987093 A JP29987093 A JP 29987093A JP 29987093 A JP29987093 A JP 29987093A JP H07150651 A JPH07150651 A JP H07150651A
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JP
Japan
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foam
sheet
heat insulating
insulating panel
formwork
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Application number
JP29987093A
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English (en)
Inventor
Ichiro Nakajima
一郎 仲嶋
Kumiko Osugi
久美子 大杉
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄骨鉄筋コンクリート造りあるいは鉄筋コン
クリート造りの断熱施工コンクリート打込みなどにおい
て、断熱パネルをコンクリート型枠として兼用して施工
することができる、主としてコンクリート建築物に使用
する型枠兼用断熱パネルを提供すること。 【構成】 発泡ポリスチレン系樹脂などからなるフォー
ム1の少なくとも片面にに、複数の開口2を有するシー
ト3を貼付け、フィルム3の開口2からフォーム1を露
出したものである。また、フィルム3の幅寸法を、フォ
ーム1の幅寸法より短くしている。このようなフォーム
1のシート3を貼付けた面にコンクリートを接触させて
施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄骨鉄筋コンクリー
ト造りあるいは鉄筋コンクリート造りの断熱施工コンク
リート打ち込み等において、断熱パネルをコンクリート
型枠として兼用して施工することができ、主にコンクリ
ート建築物に使用する型枠兼用断熱パネルおよびその施
工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の第1の型枠兼用断熱パネ
ルとしては、発泡スチロールの表面にエキスパンドメタ
ルをセメントペーストで一体化した複合構造のものがあ
る。この従来技術においては、発泡スチロールが断熱材
としての役割を果たし、エキスパンドメタルが補強材と
なり、セメントペーストがエキスパンドメタルの防錆と
接着の役割を果たしている。
【0003】この種の従来の第2の型枠兼用断熱パネル
としては、特開平3−208944号公報に開示されたものが
ある。この型枠兼用断熱パネルは、発泡ポリスチレン板
からなる断熱板の片面にプラスチックスフィルムを貼付
けて積層したものである。その使用態様としては、床下
空間を有する鉄筋コンクリート造構造物の1階床スラブ
の下面に断熱材を敷き詰める構成の施工において、床下
空間内に支保工を組み立てた後、この支保工上にプラス
チックスフィルムを下に向けて載置し、この型枠兼用断
熱パネル上に配筋し、コンクリートを打設して行なうも
のである。
【0004】この種の従来の第3の型枠兼用断熱パネル
としては、特公平5−47696 号公報に開示されるよう
に、フォームの両面に軟質面材を接着したものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の第1の
型枠兼用断熱パネルは、エキスパンドメタルによって断
熱材としての発泡スチロールを補強する役割を果たす
が、エキスパンドメタルは錆易いので、セメントペース
トで全表面を覆うようにし、しかも発泡スチロールの表
面に接着しなければならず、発泡スチロールの全表面を
覆う以上のセメントペーストが多量に必要であるという
問題点がある。また、この結果、重量が重くなり運搬や
取付作業の妨げとなった。
【0006】上記した従来の第2の型枠兼用断熱パネル
は、プラスチックスフィルムの張力によって配筋作業時
や発泡ポリスチレン板上へのコンクリートの打設時の積
載荷重による引張力が負担され、コンクリートの型枠パ
ネルとして作用すると共に断熱材としても作用するが、
打設するコンクリートとフォームとの附着性を損なわな
いようにフィルムを下面にのみ貼付けていたので、フィ
イルムを貼付けても曲げ強度を効果的に高めることがで
きなかった。このため、フォームの曲げ剛性を高めるの
にフォームの厚みや密度を増さなければならず、コスト
高になるという問題がある。
【0007】また、プラスチックスフィルムの表面に
は、モルタル等の施工ができない。さらに、フォームは
局部圧縮強度が小さいので、作業員等がフォーム上を歩
行すると陥没し易く、曲げ強度の低下や厚みの減少によ
る断熱性の低下をまねくという問題がある。さらに、局
部圧縮強度が小さいので、鉄筋スペーサとして底面の大
きい特殊なスペーサが必要であった。また、ねじ込んだ
ビス等が簡単に抜け落ちるため、電気ボックス等をねじ
止めするのが困難であった。
【0008】上記した従来の第3の型枠兼用断熱パネル
は、軟質面材として紙を使用しているため耐水性に問題
があり、内部結露等が生じた場合、水分によりコンクリ
ートとパネルとの附着性が低下する恐れがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の型枠兼用
断熱パネルは、合成樹脂発泡体からなるフォームの少な
くとも片面に複数の開口を有するシートを貼付け、該シ
ートの開口からフォームを露出したものである。
【0010】請求項2記載の型枠兼用断熱パネルは、前
記フォームを発泡ポリスチレン系樹脂としたものであ
る。
【0011】請求項3記載の型枠兼用断熱パネルは、前
記シートが、合成樹脂フィルムからなるものである。
【0012】請求項4記載の型枠兼用断熱パネルは、前
記シートが、紙からなるものである。
【0013】請求項5記載の型枠兼用断熱パネルは、前
記シートが、不織布からなる請求項1記載の型枠兼用断
熱パネル。
【0014】請求項6記載の型枠兼用断熱パネルは、前
記シートが合成樹脂フィルムおよび紙の2層からなり、
合成樹脂フィルム側をフォームに接着したものである。
【0015】請求項7記載の型枠兼用断熱パネルは、前
記シートが、合成樹脂フィルムおよび不織布の2層から
なり、前記合成樹脂フィルム側を前記フォームに接着し
たものである。
【0016】請求項8記載の型枠兼用断熱パネルは、前
記シートが、アルミニウム箔および合成樹脂フィルムの
2層からなり、アルミニウム箔側をフォームに接着した
ものである。
【0017】請求項9記載の型枠兼用断熱パネルは、前
記シートが、アルミニウム箔および紙の2層からなり、
アルミニウム箔側をフォームに接着したものである。
【0018】請求項10記載の型枠兼用断熱パネルは、
前記シートが、アルミニウム箔および不織布の2層から
なり、アルミニウム箔側を前記フォームに接着したもの
である。
【0019】請求項11記載の型枠兼用断熱パネルは、
シートの幅寸法をフォームの幅寸法より短くしたもので
ある。
【0020】請求項12記載の型枠兼用断熱パネルの施
工方法は、合成樹脂発泡体からなるフォームの複数の開
口を有するシートを貼付けた面にコンクリートを打設す
るものである。
【0021】
【作用】請求項1記載の型枠兼用断熱パネルによると、
合成樹脂発泡体からなるフォームの少なくとも片面に複
数の開口を有するシートを貼付けているため、局部圧縮
強度および曲げ強度を向上することができる。また、シ
ートの開口からフォームを露出しているため、フォーム
のシートを貼付けた面のコンクリートとの附着性を損な
うことがない。
【0022】請求項2記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、フォームを発泡ポリスチレン系樹脂としているの
で、耐水性および断熱性を向上することができる。
【0023】請求項3記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、シートが合成樹脂フィルムからなるものの、開口が
設けられ、かつ、該開口からフォームを露出しているの
で、この露出したフォームの部分でコンクリートとの付
着性が生じ、しかも、合成樹脂フィルムによってフォー
ムの強度を向上させることができる。
【0024】請求項4記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、シートが紙からなるためコンクリート等との附着性
に優れ、しかもコンクリート等がシートの開口から露出
したフォームにも附着できるため、コンクリート等をシ
ートを張付けた面に一層強固に附着させることができ
る。
【0025】請求項5記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、シートが不織布からなるため、コンクリートとの接
着性が良く、しかも、安価である。
【0026】請求項6記載の型枠兼用断熱パネルは、シ
ートが、合成樹脂フィルムおよび紙の2層からなり、合
成樹脂フィルム側をフォームに接着したものであるた
め、紙にコンクリートが強固に附着させることができ
る。しかも、コンクリートの余剰水を紙で吸収すること
ができる。また、合成樹脂フィルムにより、フォームの
局部圧縮強度および曲げ強度を向上することができる。
【0027】請求項7記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、前記シートが合成樹脂フィルムおよび不織布の2層
からなり、前記合成樹脂フィルム側を前記フォームに接
着したものであるから、安価でしかもフォームの強度を
向上できる。
【0028】請求項8記載の型枠兼用断熱パネルは、シ
ートが、アルミニウム箔および合成樹脂フィルムの2層
からなり、アルミニウム箔側をフォームに接着したもの
であるため、耐水性を向上でき、さらにフォームおよび
アルミニウム箔と、アルミニウム箔および合成樹脂フィ
ルムとを熱ラミネーション等の手段により接着すること
ができる。また、アルミニウム箔により、フォームの強
度をより向上できる。
【0029】請求項9記載の型枠兼用断熱パネルは、シ
ートが、アルミニウム箔および紙の2層からなり、アル
ミニウム箔側をフォームに接着したものであるため、紙
にコンクリートを強固に附着させることができる。しか
も、コンクリートの余剰水を紙で吸収することができ
る。さらに、耐水性が向上でき、フォームおよびアルミ
ニウム箔と、アルミニウム箔および紙とを熱ラミネーシ
ョン等の手段により接着することができる。また、アル
ミニウム箔により、フォームの強度をより向上できる。
【0030】請求項10記載の型枠兼用断熱パネルは、
前記シートが、アルミニウム箔および不織布の2層から
なり、アルミニウム箔側を前記フォームに接着したもの
であるから、比較的安価にかつフォームの強度をより向
上できる。さらに、耐水性を向上でき、フォームおよび
アルミニウム箔と、アルミニウム箔および不織布とを熱
ラミネーション等の手段により接着することができる。
【0031】請求項11記載の型枠兼用断熱パネルによ
ると、シートの幅寸法をフォームの幅寸法より短くして
いるので、両端部におけるコンクリート等との附着性を
向上することができる。
【0032】請求項12記載の型枠兼用断熱パネル施工
方法によると、フォームのシートを貼付けた面をコンク
リート打設面としているので、壁等を形成する場合に、
打設するコンクリートの型枠として利用することができ
る。すなわち、この型枠兼用断熱パネルと、別途準備し
たコンクリート型枠等との間に壁厚の空間を形成し、こ
の空間内部にコンクリートを打設し、さらにコンクリー
トが硬化した後、コンクリート型枠を取り外すことによ
り、壁を形成することができる。
【0033】
【実施例】図1および図2に示すように、この発明の一
実施例の型枠兼用断熱パネル10は、合成樹脂発泡体から
なるフォーム1の両面に複数の開口2を有するシート3
を貼付け、シート3の開口2からフォーム1を露出した
ものである。
【0034】フォーム1は、合成樹脂を発泡させて、例
えば、矩形の板状に成形加工したものである。フォーム
1を構成する合成樹脂材料としては、ポリスチレン,ポ
リエチレン,ポリプロピレンまたはポリウレタン等の発
泡体が挙げられる。これらのうち、発泡ポリスチレン系
樹脂からなるフォームは、気泡がそれぞれ独立している
ので、切断した表面においても吸水性は有しなく耐水性
に優れており、表面の凹凸の部分でコンクリートとの付
着性に優れ、しかも比較的強度が高いことから最適であ
る。発泡倍率は限定されるものではないが、好ましくは
20〜50倍の範囲内である。フォーム1の板厚は、曲げ強
度と断熱性能の2つの要素に影響を与えるので、使用目
的に応じて適宜選択されるが、通常の使用状態では15〜
300mm程度、好ましくは25〜50mmの範囲内で設定する場
合が多い。
【0035】シート3としては、第1にポリエステル,
ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリエチレンあるいは
ポリエステルテレフタレート等の合成樹脂フィルムや炭
酸カルシウム紙、ライナー紙、表面防水処理紙あるいは
クラフト紙等の紙、更には不織布からなるシートが挙げ
られる。第2に前記した合成樹脂フィルムと紙あるいは
不織布とからなる2層構造のものが挙げられる。第3に
ポリエステルのアルミラミシート,ポリプロピレンのア
ルミラミシート,ポリスチレンのアルミラミシート,ポ
リエチレンのアルミラミシートまたはポリエステルテレ
フタレートのアルミラミシート等のアルミニウム箔と合
成樹脂フィルムのアルミラミシートが挙げられる。第4
にアルミニウム箔と前記紙あるいは不織布とからなる2
層構造のものが挙げられる。
【0036】これら第1乃至第4に挙げたシートの内で
も特に、引張り強度および引張り弾性係数が大きく、曲
げ強度に優れじん性のあるポリエステルシート,ポリエ
ステルテレフタレートなどの合成樹脂フィルムと紙から
なるシートやアルミニウム箔と紙の2層からなるシート
が好ましい。
【0037】また、第1乃至第4の各シートの厚みは5
〜1000μ程度、好ましくは30〜300μの範囲であり、第
2に挙げた各シートを使用する場合には、それぞれのポ
リエステル,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリエチ
レンなどの合成樹脂フィルム側をフォーム1に接着し、
第3に挙げた各アルミラミシートを使用する場合には、
それぞれのアルミニウム箔側の面をフォーム1に接着
し、第4に挙げたシートを使用する場合にはアルミニウ
ム箔側をフォーム1に接着する。
【0038】シート3の開口2は、直径5乃至100mm程
度、好ましくは20乃至50mmの範囲の円形穴であり、シー
ト3全体の面積の5乃至〜75パーセント、好ましくは15
乃至30パーセントの面積を占めたものである。開口2の
形状は、特に限定されるものでなく三角形,菱形または
その他の多角形でもよいが、強度面では円形のものを等
間隔に配置するのが最適である。この開口2は、シート
3全体に亘って略均一に分布している方が好ましい。開
口2の配置は千鳥状にする方が強度上有利である。フォ
ーム1とフィル3の貼付けは、接着剤等を用いた接着あ
るいは熱ラミネーションによって行うのが一般的であ
る。
【0039】施工する際には、コンクリートを打設する
側にシート3が面するように型枠兼用断熱パネル10を配
置する。そして、床スラブを形成する場合には、支保工
を組立て、その上に型枠兼用断熱パネル10を配設してコ
ンクリートを打設する。
【0040】また、壁を形成する場合には、図3に示す
ように型枠兼用断熱パネル10と別途準備したコンクリー
ト型枠7との間に壁厚の空間を形成し、この空間内部に
コンクリート6を打設し、コンクリート6が硬化して予
め配筋した鉄筋8および型枠兼用断熱パネル10の表面と
固着した後、コンクリート型枠7を取り外す。これによ
って、型枠兼用断熱パネル10は硬化したコンクリート6
の一面に固着することになる。そして、必要に応じて型
枠兼用断熱パネル1の他面にモルタル9を塗って壁を仕
上げる。この仕上げには、他にGLボンドによる石膏ボ
ード仕上げまたはプラスター仕上げ等がある。
【0041】また、天井を形成する場合には、型枠兼用
断熱パネル10を、水平姿勢とし且つシート3を貼付けた
面を下に向けて、建築物の所定位置に取付ける。この状
態で、型枠兼用断熱パネル10のシート3を貼付けた面
に、コンクリートやモルタルを塗り付ける。
【0042】以上のようにして、コンクリート6を打設
したり塗り付けると、シート3の開口2から露出したフ
ォーム1の表面の小さな凹部(図示せず)に入り込んで
附着し、さらにシート3の幅寸法をフォーム1の幅寸法
より短くしている場合には該フォーム1の両端部にも附
着する。このため、硬化したコンクリート6は、フォー
ム1およびシート3の両方に強固に固着することにな
る。シート3はフォーム1に始めから固着しているの
で、コンクリート6やモルタルよりも一層確固にフォー
ム1に固着することができる。また、シート3が合成樹
脂フィルムのみの場合には開口2から露出したフォーム
1に固着するが、この場合でも、開口2の面積を多い目
にしておけば、充分である。
【0043】以上のように構成した型枠兼用断熱パネル
10の実験例について説明する。フォーム1として押出し
法により形成した発泡ポリスチレン樹脂からなるフォー
ムを使用し、シート3として合成樹脂フィルムの内のポ
リエステルフィルムを使用し、開口2の直径を40mm,開
口率を25パーセントとした。フォーム1およびシート3
の貼付けは熱ラミネーションにより行った。
【0044】これについては、表1の記号A乃至Hの右
欄に記載した仕様の各型枠兼用断熱パネルについてそれ
ぞれ強度試験(JIS A 9511)を行って、表2の結果を得
た。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】また、上記と同じ型枠兼用断熱パネルを用
いて、厚みが150mmの普通コンクリートを打設し、硬化
後の附着強度の試験を行ったところ、約1kgf/cm2 (10t
/m2)であった。
【0048】この実験結果から判るように、型枠兼用断
熱パネル10は、曲げ強度が大きく破断しないことから、
コンクリート6の打設時において強い衝撃が加わった場
合でも十分に耐えることができる。また、フォーム1が
発泡ポリスチレン系樹脂からなる場合には、軽量化が図
れ、しかも運搬および施工の作業能率を向上を図ること
ができる。
【0049】さらに、シート3の開口2から露出したフ
ォーム1にコンクリート6が附着するため、フォーム1
のシート3を貼付けた面のコンクリート6との附着性を
損なうことがない。また、シート3の上面が水等で濡れ
た場合でも、開口2から露出したシート1の表面が滑り
止めとなるので、作業員等がシート3上を安全に歩行す
ることができる。
【0050】また、フォーム1を発泡ポリスチレン系樹
脂とし、シート3をポリスチレン系合成樹脂とした場合
には、耐水性および断熱性が向上する。しかも、フォー
ム1およびシート3は、接着剤等による接着の他に、熱
ラミネーション等の手段によって接着することが可能で
あるため、製造がきわめて簡単である。
【0051】また、シートを紙とした場合、紙はコンク
リート等との附着性に優れており、しかも打設するコン
クリート等がシートの開口から露出したフォームにも附
着できるため、コンクリート等をシートを張付けた面に
一層強固に附着させることができる。また、製造コスト
の低減を図ることができる。
【0052】なお、フォーム1の両面あるいは片面のみ
に開口2を有したシート3を貼付けてもよく、さらには
一面に開口2を有したシート3を貼付け他面に開口を有
しないシートを貼付けてもよい。また、一面に開口2を
有したシート3を貼付け他面に表面仕上材を貼付けても
よい。なお、両面にシートを貼付けた方が曲げ強度が強
くなり、局部圧縮強度も向上する。さらに両面にシート
を貼付けた場合、ビスの固定ができ合板型枠同様に電気
ボックス等の固定が可能である。また、シート3を貼付
けるのは、フォーム1の表面全体または一部分であって
もよい。また、シート3を2層以上としてもよく、この
場合にはコンクリート6と型枠兼用断熱パネル材1との
接着はより強固になり、且つ曲げ強度も一層向上するこ
とができる。
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の型枠兼用断熱パネルによ
ると、合成樹脂発泡体からなるフォームの片面または両
面に複数の開口を有するシートを貼付けているため、局
部圧縮強度および曲げ強度を向上することができる。し
たがって、コンクリートの打設時において強い衝撃が加
わった場合でも十分に耐えることができ、しかも床スラ
ブを形成する場合において鉄筋等に高い強度を要求する
ことがなく、施工費および材料費の節減を図れる。
【0054】また、フォームが合成樹脂発泡体からなる
ので、軽量でしかも運搬や施工の作業能率の向上を図る
ことができる。また、シートの上面が水等で濡れた場合
でも、開口が滑り止めとなるので、作業員等がシート上
を安全に歩行することができる。また、シートの開口か
らフォームを露出しているので、フォームのシートを貼
付けた面のコンクリートとの附着性を損なうことがな
い。また、両面にシートを貼付けた場合、ビスの固定が
でき合板型枠同様に電気ボックス等の固定が可能であ
る。
【0055】請求項2記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、フォームを発泡ポリスチレン系樹脂としているの
で、耐水性および断熱性を向上することができる。
【0056】請求項3記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、シートが合成樹脂フィルムからなるものの、開口が
設けられ、かつ、該開口からフォームを露出しているの
で、この露出したフォームの部分でコンクリートとの付
着性が生じ、しかも、合成樹脂フィルムによってフォー
ムの強度を向上させることができる。
【0057】請求項4記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、シートが紙からなるため、コンクリート等との附着
性に優れ、しかもコンクリート等がシートの開口から露
出したフォームにも附着できるため、コンクリート等を
シートを張付けた面に一層強固に附着させることができ
る。また、コンクリートの余剰水を吸水できる。更に製
造コストの低減を図ることができる。
【0058】請求項5記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、シートが不織布からなるため、コンクリートとの接
着性が良く、しかも、安価である。
【0059】請求項6記載の型枠兼用断熱パネルは、シ
ートが、合成樹脂フィルムおよび紙の2層からなり、合
成樹脂フィルム側をフォームに接着しているため、紙に
コンクリートを強固に附着させることができる。しか
も、コンクリートの余剰水を紙が吸収するため、内部結
露等が生じても、コンクリートの強度が低下することが
ない。
【0060】また、合成樹脂フィルムにより、フォーム
の局部圧縮強度および曲げ強度を向上できるため、ンク
リートの打設時において強い衝撃が加わった場合でも十
分に耐えることができ、しかも床スラブを形成する場合
において鉄筋等に高い強度を要求することがなく、施工
費および材料費の節減を図れる。
【0061】請求項7記載の型枠兼用断熱パネルによる
と、前記シートが合成樹脂フィルムおよび不織布の2層
からなり、前記合成樹脂フィルム側を前記フォームに接
着したものであるから、請求項6の合成樹脂フィルムと
同じ効果が得られるのに加えて、安価でしかもフォーム
の強度を向上できる。
【0062】請求項8記載の型枠兼用断熱パネルは、シ
ートが、アルミニウム箔および合成樹脂フィルムの2層
からなり、アルミニウム箔側をフォームに接着している
ため、耐水性および断熱性を向上することができる。さ
らに、フォームおよびアルミニウム箔と、アルミニウム
箔および合成樹脂フィルムとを熱ラミネーション等の手
段により接着できるため、製造が極めて簡単である。ま
た、アルミニウム箔を使用したことにより曲げ強度が強
くなる。
【0063】請求項9記載の型枠兼用断熱パネルは、シ
ートが、アルミニウム箔および紙の2層からなり、アル
ミニウム箔側をフォームに接着しているため、紙にコン
クリートを強固に附着させることができる。しかも、コ
ンクリートの余剰水を紙が吸収するため、内部結露等が
生じてもコンクリートの強度が低下することがない。ま
た、紙をアルミニウム箔を介してフォームに接着するた
め、内部結露等が生じても、水分により紙とフォームと
の接着強度が低下することがない。
【0064】請求項10記載の型枠兼用断熱パネルは、
前記シートが、アルミニウム箔および不織布の2層から
なり、アルミニウム箔側を前記フォームに接着したもの
であるから、比較的安価にかつフォームの強度をより向
上できる。さらに、耐水性を向上でき、フォームおよび
アルミニウム箔と、アルミニウム箔および不織布とを熱
ラミネーション等の手段により接着することができる。
【0065】請求項11記載の型枠兼用断熱パネルによ
ると、シートの幅寸法をフォームの幅寸法より短くして
いるので、両端部におけるコンクリート等との附着性を
向上することができる。
【0066】請求項12記載の型枠兼用断熱パネル施工
方法によると、フォームのシートを貼付けた面をコンク
リート打設面としているので、壁等を形成する場合に、
打設するコンクリート等の型枠として利用できるので、
迅速且つ容易に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の型枠兼用断熱パネルの部
分斜視図。
【図2】この発明の一実施例の型枠兼用断熱パネルの部
分断面図。
【図3】この発明の一実施例の型枠兼用断熱パネルの施
工状態を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 フォーム 2 開口 3 シート

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂発泡体からなるフォームの少な
    くとも片面に複数の開口を有するシートを貼付け、該シ
    ートの開口から前記フォームを露出したことを特徴とす
    る型枠兼用断熱パネル。
  2. 【請求項2】 前記フォームが発泡ポリスチレン系樹脂
    である請求項1記載の型枠兼用断熱パネル。
  3. 【請求項3】 前記シートが、合成樹脂フィルムからな
    る請求項1記載の型枠兼用断熱パネル。
  4. 【請求項4】 前記シートが、紙からなる請求項1記載
    の型枠兼用断熱パネル。
  5. 【請求項5】 前記シートが、不織布からなる請求項1
    記載の型枠兼用断熱パネル。
  6. 【請求項6】 前記シートが、合成樹脂フィルムおよび
    紙の2層からなり、前記合成樹脂フィルム側を前記フォ
    ームに接着した請求項1または2記載の型枠兼用断熱パ
    ネル。
  7. 【請求項7】 前記シートが、合成樹脂フィルムおよび
    不織布の2層からなり、前記合成樹脂フィルム側を前記
    フォームに接着した請求項1または2記載の型枠兼用断
    熱パネル。
  8. 【請求項8】 前記シートが、アルミニウム箔および合
    成樹脂フィルムの2層からなり、前記アルミニウム箔側
    を前記フォームに接着した請求項1または2記載の型枠
    兼用断熱パネル。
  9. 【請求項9】 前記シートが、アルミニウム箔および紙
    の2層からなり、前記アルミニウム箔側を前記フォーム
    に接着した請求項1または2記載の型枠兼用断熱パネ
    ル。
  10. 【請求項10】 前記シートが、アルミニウム箔および
    不織布の2層からなり、前記アルミニウム箔側を前記フ
    ォームに接着した請求項1または2記載の型枠兼用断熱
    パネル。
  11. 【請求項11】 前記シートの幅寸法を前記フォームの
    幅寸法より短くした請求項1記載の型枠兼用断熱パネ
    ル。
  12. 【請求項12】 前記フォームの前記シートを貼付けた
    面にコンクリートを打設する請求項1記載の型枠兼用断
    熱パネルの施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002129682A (ja) * 2000-10-23 2002-05-09 Dow Kakoh Kk 型枠兼用断熱パネルおよび断熱構造体の施工方法

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