JPH0715007U - 義歯床の研磨用保持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨材を入れた研磨槽を回転させ、この回転
する研磨材中に外部から固定された被研磨物を挿入して
研磨させるようにしたジャイロ研磨機を使用して義歯床
の片面即ち舌面のみを美麗に研磨できるようにした義歯
床の研磨用保持具を提供すること。 【構成】 金属杆を義歯床の粘膜面の外周部が載架でき
るように屈曲させて形成した支持枠の両端をロッドの両
端にそれぞれ固着し、同ロッドの両端部に形成された孔
に、支持枠に載架された義歯床の義歯部分を上方から押
えて固定する押え杆を挿通して締め付けネジにて任意位
置で締着固定すると共に、ロッドの中央部には研磨機の
研磨槽中で被研磨物を回転させるための回転軸に装着さ
せるための軸受をロッドが一定角度の範囲内で揺動する
ように設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金属床、レジン床等の義歯床を研磨するのに便利な保持具に関する ものである。

【０００２】

【従来技術及びその問題点】

通常の金属床、レジン床等の義歯床は舌が触れる舌面と口蓋の粘膜に触れる粘 膜面が表裏にあるが、表面の舌面は舌に直接触れるので、舌触りの点から鏡のよ うに滑らかな面となるように研磨しなければならないが、裏面の粘膜面は舌面と 同様に研磨してしまうと正確に設計加工された義歯床の口蓋への吸着力が甚だし く低下し、使用中義歯床の脱落を来す虞があるため、全面を略同じように研磨す るバレル研磨機を使用する場合は、義歯床全面を粘膜面として適当な研磨度に研 磨した後、舌面のみをバフ研磨等の人為的な作業で美麗に研磨していた。このよ うな人為的な作業で研磨することは長時間を要し、きわめて非能率であった。

【０００３】

【考案の目的】

本考案は、研磨材を入れた研磨槽を回転させ、この回転する研磨材中に外部か ら固定された被研磨物を挿入して研磨させるようにしたジャイロ研磨機を使用し て義歯床の片面即ち舌面のみを美麗に研磨できるようにした義歯床の研磨用保持 具を提供するものである。

【０００４】

【考案の開示】

本考案に係る義歯床の研磨用保持具は、金属杆を義歯床の粘膜面の外周部が載 架できるように屈曲させて形成した支持枠の両端をロッドの両端にそれぞれ固着 し、同ロッドの両端部に形成された孔に、支持枠に載架された義歯床の義歯部分 を上方から押えて固定する押え杆を挿通して締め付けネジにて任意位置で締着固 定すると共に、ロッドの中央部には研磨機の研磨槽中で被研磨物を回転させるた めの回転軸に装着させるための軸受をロッドが一定角度の範囲内で揺動するよう に設けたことを特徴とするものである。

【０００５】

【考案の作用】

義歯床の粘膜面側を支持枠に載せ、舌面側の義歯部分を押え杆で押さえてネジ を締着するだけで義歯床が保持具に固定される。 研磨作業中は、義歯床の歯茎に相当する部分が壁となって凸面となっている粘 膜面よりも凹面である舌面に研磨材が当たる確率が増えると共に、研磨材による 抵抗によって義歯床が揺動するため、舌面側が万遍なく美麗に研磨される。

【０００６】

【実施例】

図１は、本案保持具に義歯床を取り付ける状態を表す斜視図、図２は、同義歯 床を取り付けた状態を表す斜視図、図３は、同保持具を研磨機に装着した状態を 表す底面図、図４は、本案保持具を装着する湿式または乾式のジャイロ研磨機の 縦断側面図である。１は、義歯床Ｔの粘膜面の外周部が載架できるように屈曲さ せて形成した支持枠、２は、前記支持枠の両端をそれぞれ固着したロッドで、そ の両端部側に後述の押え杆の直線部を挿通する孔２１、２１が穿ってある。３、 ３は、金属杆の一端部を義歯床Ｔの義歯部分を押えるのに都合が良いように屈曲 して成形した押え杆で、その直線部を前記ロッド２の孔２１、２１にそれぞれ挿 通してロッドに設けられた締め付けネジ４、４によって締着固定する。ロッド２ の中央部には後述の研磨機の研磨槽中で被研磨物を回転させるための回転軸に装 着させるための軸受５が設けてあり、この軸受は前記ロッド２が一定角度の範囲 内で揺動するように構成してある。Ａは、本案保持具が装着されるジャイロ研磨 機で、モータＭ１の回転によって研磨槽Ａ’を水平回転させ、内部の研磨材が一 方向に流れる所謂研磨材の循環流を形成させる。Ｂは、研磨槽Ａ’の中央部上方 から研磨材中に押し込まれるギヤボックスで、これに一体固着の取付板Ｂ’上に モーターＭ２が取り付けられ、モータＭ２の回転によりギヤボックスＢの下方の 水平方向に延びる回転軸Ｂ”が回転するように構成されており、この回転軸に前 記ロッド２の軸受５が装着されるようになっている。

【０００７】 本案保持具による義歯床の取付方法について説明すれば、先ず義歯床の粘膜面 側の外周部を支持枠２に載せ、その後ロッド２の孔２１、２１に予め直線部を挿 通しておいた押え杆３、３を下方にずらせて下方の屈曲させた部分で舌面側の義 歯部分を押え、締め付けネジを締着すれば義歯床が保持具に固定される。

【０００８】 この義歯床を固定した保持具の軸受５を前記研磨機Ａの回転軸Ｂ”に図３のよ うに装着し、研磨槽Ａ’の研磨材中に押し込んで図４の如くセットし、両モータ Ｍ１、Ｍ２を回転させて研磨作業を開始する。研磨作業中は、義歯床はそのセッ トされた位置で回転するだけで研磨材の流れに従動することがないので、研磨材 の当たりは強く、義歯床の歯茎に相当する部分が壁となって凸面となっている粘 膜面よりも凹面である舌面に研磨材が当たる確率が増えると共に、研磨材による 抵抗によって義歯床が揺動するため、舌面側が万遍なく美麗に研磨される。

【０００９】

【考案の効果】

本考案に係る義歯床の研磨用保持具によれば、金属杆を義歯床の粘膜面の外周 部が載架できるように屈曲させて形成した支持枠の両端をロッドの両端にそれぞ れ固着し、同ロッドの両端部に形成された孔に、支持枠に載架された義歯床の義 歯部分を上方から押えて固定する押え杆を挿通して締め付けネジにて任意位置で 締着固定すると共に、ロッドの中央部には研磨機の研磨槽中で被研磨物を回転さ せるための回転軸に装着させるための軸受をロッドが一定角度の範囲内で揺動す るように設けたものであるから、義歯床の粘膜面側を支持枠に載せ、舌面側の義 歯部分を押え杆で押さえてネジを締着するという簡単な操作で義歯床を保持具に 固定することができ、研磨作業中は、義歯床の歯茎に相当する部分が壁となって 凸面となっている粘膜面よりも凹面である舌面に研磨材が当たる確率が増えると 共に、研磨材による抵抗によって義歯床が揺動するため、舌面側が万遍なく美麗 に研磨されるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案保持具に義歯床を取り付ける状態を表す斜
視図である。

【図２】同義歯床を取り付けた状態を表す斜視図であ
る。

【図３】同保持具を研磨機に装着した状態を表す底面図
である。

【図４】本案保持具を装着する湿式または乾式のジャイ
ロ研磨機の縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 保持枠 ２ ロッド ３ 押え杆 ４ 締め付けネジ ５ 軸受

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ６１Ｃ 13/01

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属杆を義歯床の粘膜面の外周部が載架
   できるように屈曲させて形成した支持枠１の両端をロッ
   ド２の両端にそれぞれ固着し、同ロッドの両端部に形成
   された孔２１、２１に、支持枠１に載架された義歯床の
   義歯部分を上方から押えて固定する押え杆３、３を挿通
   して締め付けネジ４、４にて任意位置で締着固定すると
   共に、ロッド２の中央部には研磨機の研磨槽中で被研磨
   物を回転させるための回転軸に装着させるための軸受５
   をロッド２が一定角度の範囲内で揺動するように設けた
   ことを特徴とする義歯床の研磨用保持具。