JPH07149013A

JPH07149013A - 記録装置

Info

Publication number: JPH07149013A
Application number: JP5298348A
Authority: JP
Inventors: Noriyuki Aoki; 典之青木; Atsushi Saito; 篤斉藤; Katsumi Obana; 克己小花; Yasuhiko Ikeda; 靖彦池田; Keizo Sasai; 敬三笹井; Shigeyuki Sugiyama; 杉山　　茂行; Akio Okubo; 明夫大久保
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1993-11-29
Filing date: 1993-11-29
Publication date: 1995-06-13

Abstract

(57)【要約】【目的】排出積載後のシートの巻き込みを防止して装
置の信頼性を向上させた記録装置を提供する。【構成】排出ローラ24の芯金部24ｂに段差部24ｃを形
成すると共に、該段差部24ｃにゴム部24ａの外径より小
径でゴム部24ａとフレーム壁部28ａとの隙間を塞ぐ巻き
込みストッパー27を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は複写機，プリンター等の
記録装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の記録装置の構成を図６に示す。カ
セット51内に積載収納された複数枚の記録紙52は、給紙
ローラ53によって最上側より１枚ずつ繰り出される。上
記記録紙52は搬送ローラ54によって更にシート搬送方向
下流側に搬送され、一時的に停止しているレジストロー
ラ55に搬送される。このレジストローラ55は、記録紙52
の先端部をローラ対のニップ部に突き当てて斜行を補正
すると共に、記録部56における記録紙52の搬送速度を決
定するものである。上記記録部56は画像情報に応じて記
録紙52にインク像やトナー像を記録するものでインクジ
ェット記録方式や電子写真記録方式等が用いられる。記
録後の記録紙52は送りローラ対57によって搬送ガイド58
上を搬送され、排出部59に設けられた排出ローラ60及び
これに押圧する排出コロ61によって排出トレイ62上に排
出され積載される。

【０００３】上記排出部59の構成を図７に示す。排出部
59において、排出ローラ60はゴム等の摩擦係数の高い材
質よりなるローラ60ａを芯金60ｂに軸方向に複数個嵌め
込んだものであり、排出フレーム63に回転可能に支持さ
れている。上記排出ローラ60と排出フレーム63との隙間
に排出トレイ62に排出された記録紙52の後端を巻き込む
のを防止するため、排出フレーム63の芯金60ｂに対向す
る位置にリブ64を設けている。また排出コロ61はプラス
チック等の材質が用いられており、図示しないバネ等に
よってローラ60ａに押圧されている。

【０００４】また図６に示すように、排出トレイ62上に
積載される記録紙52が確認できるように排出トレイ62を
装置手前側に設けているが、送りローラ対57は装置本体
の内部に位置するため、画像形成された記録紙52を排出
トレイ62に排出するためには、上記送りローラ対57より
所定距離下流側に離れた位置に排出ローラ60を設ける必
要があり、該排出ローラ60によって搬送される記録紙62
を排出トレイ62上に排出する。

【０００５】

【発明が解決しようとしている課題】上記従来技術にお
いては、排出部59において排出ローラ60と排出フレーム
63との位置関係は、排出ローラ60が回転動作をするため
に排出ローラ60と排出フレーム63との間に隙間を設けな
くてはならず、この隙間に排出トレイ62上に排出積載さ
れた記録紙52の後端が入り込んで巻き込むおそれがある
ため、図７に示すように排出フレーム63の芯金60ｂに対
向する位置に幅方向に複数箇所にリブ64が設けられてい
る。しかしながら、記録紙52の排出トレイ62上の積載枚
数が多くなった時や、記録後の記録紙52のカールによっ
て、リブ64の上側より記録紙52が入り込む場合には、巻
き込んでしまうおそれがあった。

【０００６】これを解決するために、図８に示すように
排出フレーム63に上記芯金60ｂを覆うＬ字状のリブ65を
設けて排出ローラ60と排出フレーム63との隙間を完全に
塞ぐ形状にすると、該リブ65の上側からの記録紙52の侵
入に対して有効となる。しかしながら、上記リブ65は排
出フレーム63に一体形成し難い形状であり、金型構造も
複雑化して製造コストが上昇し、また組立性も低下する
おそれがあった。

【０００７】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決し、排出積載後のシートの巻き込みを防止して装置の
信頼性を向上させた記録装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記従来技術の課題を解
決し、以下に述べる実施例に適用される本発明の代表的
な手段は、画像情報に応じてシートに像を記録するため
の記録手段と、前記記録手段にシートを搬送するための
搬送手段と、記録後のシートを排出するための排出手段
と、を有し、前記排出手段は、芯金部に搬送部を嵌合さ
せた排出回転体をフレーム部に回転可能に装備してお
り、前記芯金部に段差部を形成すると共に、該段差部に
搬送部の外径より小径で搬送部とフレーム部との隙間を
塞ぐ巻き込み防止手段を設け、前記フレーム部に前記巻
き込み防止手段の回転範囲を規制する規制手段を設けた
ことを特徴とする。

【０００９】

【作用】上記手段によれば、芯金部に段差部を形成する
と共に、該段差部に搬送部の外径より小径で搬送部とフ
レーム部との隙間を塞ぐ巻き込み防止手段を設けたこと
により、排出後のシートの後端を排出手段の搬送部とフ
レーム部との隙間に巻き込むことを防止できる。

【００１０】

【実施例】次に図面を参照して本発明に係る記録装置の
一実施例について説明する。本実施例では記録装置とし
てファクシミリ装置を用いて説明する。図１はファクシ
ミリ装置の概略構成を示す説明図、図２は排出部の拡大
説明図、図３は排出部の斜視説明図である。

【００１１】（全体構成）

【００１２】先ず図１を参照してファクシミリ装置の概
略構成について説明する。ファクシミリ装置は、原稿画
像を読み取る原稿読取部Ａと画像情報に応じて記録シー
トに記録を行なう記録部Ｂとを装備している。

【００１３】先ず原稿読取部Ａの構成について説明する
と、図１において１は原稿載置台であり、原稿を画像面
を下側にして積載する。原稿載置台１に積載された原稿
は幅方向に移動可能なスライダー１ａによって位置決め
が行なわれる。２は予備搬送ローラであり、上記原稿載
置台１に積載された原稿を予備搬送する。３ａは分離ロ
ーラであり、これに押圧する分離押圧片３ｂとの協働作
用により、予備搬送された原稿を１枚ずつ分離搬送す
る。４ａ，４ｂは原稿搬送ローラ，原稿搬送コロであ
り、分離搬送された原稿を読取位置に搬送する。５は密
着型センサであり、原稿搬送ローラ４ａ及び原稿搬送コ
ロ４ｂによって挟持されて搬送された原稿画像を読み取
る。６ａ，６ｂは原稿排出ローラ，原稿排出コロであ
り、画像読取後の原稿を搬送して装置上面に形成された
原稿排出トレイ７に排出する。また上記原稿読取部Ａの
上面にはテンキーや各種ファンクションキーが設けられ
た操作パネルＣが設けられている。

【００１４】次に記録部Ｂの構成について説明すると、
図１において８は記録シートＰを複数枚積載収納可能な
カセットである。このカセット８は装置下部に着脱可能
に装着されている。上記カセット８は記録シートＰを収
納する筐体状の本体ケース８ａ内に記録シートＰを積載
する中板８ｂを装備している。この中板８ｂは後述する
給送ローラ９と対向配置されている加圧バネ８ｃにより
裏面より上方に付勢されている。８ｄは分離爪であり、
記録シートＰの先端部を係止する。８ｅは後端規制板で
あり中板８ｂに積載された記録シートＰの長さ方向後端
位置を規制する。８ｆはサイド規制板であり中板８ｂに
積載された記録シートＰの幅方向側端位置を規制する。

【００１５】９は給送ローラであり、上記カセット８に
積載収納された記録シートＰを前記分離爪８ｄとの協働
作用によって最上側の１枚のみを分離給送する。この給
送ローラ９は、半月形状をしており、記録シートＰと接
触して給送する円弧面９ａと記録シートＰに所定の間隔
を隔てて対向する平面部９ｂとを有しており、給送待機
時においては、平面部９ｂを記録シートＰに対向させた
状態にある。また給送時には、図示しない１回転バネク
ラッチ等により１回転だけ回転して記録シートＰを繰り
出す。

【００１６】10は搬送ローラであり、上記給送ローラ９
によって分離給送された記録シートＰを巻き付けるよう
に搬送する。上記搬送ローラ10の周囲には搬送コロ11，
12が押圧しており、記録シートＰを搬送ローラ10に十分
巻き付くように挟持しながら後述する記録手段に搬送す
る。13は反転ガイドであり、上記搬送ローラ10より所定
量大きな曲率を有するガイド面によって反転搬送される
記録シートＰをガイドする。この反転ガイド13は装置本
体に対して開閉可能に取り付けられている。

【００１７】Ｄは記録手段であり、上記搬送ローラ10に
より搬送された記録シートＰにインク像を記録するもの
である。この装置における記録手段としては、記録ヘッ
ドからインクを吐出して記録するインクジェット記録方
式を用いている。即ち、この記録ヘッドは微細な液体吐
出口（オリフィス）、液路及びこの液路の一部に設けら
れるエネルギー作用部と、該作用部にある液体に作用さ
せる液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手段
を備えている。

【００１８】このようなエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用
いた記録方法、レーザー等の電磁波を照射して発熱さ
せ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発
生手段を用いた記録方法、あるいは発熱抵抗体を有する
発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体
を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等が
ある。

【００１９】その中でも熱エネルギーによって液体を吐
出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッ
ドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するた
めの液体吐出口（オリフィス）を高密度に配列すること
ができるために高解像度の記録をすることが可能であ
る。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段とし
て用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、且
つ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上
が著しいＩＣ技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に
活用出来、高密度実装化が容易で、製造コストも安価な
ことから有利である。

【００２０】本実施例では、記録ヘッドとインクタンク
とを一体にしたディスポーザブルタイプのインクジェッ
トカートリッジ14が用いられており、該インクジェット
カートリッジ14をキャリッジ15に搭載して記録シートＰ
の幅方向に走行させて記録を行なう。16はプラテン板で
あり、上記インクジェットカートリッジ14に対向して設
けられており、記録シートＰを記録位置において裏面側
より支持する。

【００２１】17はプラテンローラであり、上記プラテン
板16よりシート搬送方向上流側に配置され記録シートＰ
をプラテン板16上に搬送する。18はプラテンローラ17に
押圧して従動する押圧コロである。19は上ガイドであ
り、前記搬送ローラ10により搬送された記録シートＰを
プラテンローラ17及び押圧コロ18間に導く。20はエッジ
センサであり、記録シートＰの先端位置を検出する。2
1，22は送りローラ，拍車であり、プラテン板16のシー
ト搬送方向下流側に配置され、記録終了後の記録シート
Ｐを下流側に搬送する。上記拍車22は送りローラ21に対
向して設けられており、記録シートＰの記録面に接触し
てもインクが転写されることがない材質が用いられてい
る。

【００２２】23は記録後の記録シートＰを裏面側よりガ
イドする下ガイドであり、記録シートＰを排出部に導
く。24は排出ローラであり、前記送りローラ21によって
搬送された記録シートＰを記録シート排出トレイ25に排
出する。前記送りローラ21は装置本体の内部に配置され
ているため、画像形成された記録シートＰを記録シート
排出トレイ25に排出するために、送りローラ21より所定
距離下流側に排出ローラ24を設けて記録シート排出トレ
イ25に積載される記録シートＰを確認できるように構成
されている。26は拍車コロであり、上記排出ローラ24に
押圧して従動回転して両者の協働作用によって記録シー
トＰを搬送して記録シート排出トレイ25上に排出する。
この拍車コロ26も、記録シートＰの記録面に接触しても
インクが転写されることがない材質が用いられている。

【００２３】（排出部の構成）

【００２４】次にシート排出部の構成について図２及び
図３を参照して説明する図３に示すように、排出ローラ
24は、記録シートＰの搬送部であるゴム部24ａが芯金部
24ｂの軸方向に複数箇所に嵌め込まれている。上記芯金
部24ｂには外径の小さな段差部24ｃが軸方向に複数箇所
に形成されており、該段差部24ｃには巻き込みストッパ
ー27が取り付けられている。28は排出フレームであり上
記排出ローラ24を回転可能に支持している。

【００２５】また図２に示すように、上記巻き込みスト
ッパー27は釣針形状をしており、段差部24ｃへの取り付
け側の内径は段差部24ｃの外径よりやや大きく、外径は
ゴム部24ａの径より小さく形成されている。上記巻き込
みストッパー27の自由端側は、上記排出ローラ24と排出
フレーム28との隙間を閉塞している。また上記排出フレ
ーム28には、フレーム壁部28ａが形成されており、排出
回転時に巻き込みストッパー27の自由端27ａを突き当て
る。更に上記排出フレーム28にはリブ28ｂが形成されて
おり、逆回転時に巻き込みストッパー27の取り付け端27
ｂを突き当てる。従って、巻き込みストッパー27が段差
部24ｃによって何れの方向に連れ回っても回転しないよ
うに回動範囲が規制されている。また上記巻き込みスト
ッパー27の取り付け側の内径は段差部24ｃの外径よりや
や大きいため、段差部24ｃに連れ回りし難く、外径はゴ
ム部24ａの径より小さく形成されているため、記録シー
トＰの搬送の妨げとなることはない。

【００２６】（記録動作）

【００２７】次に上述のように構成された記録装置の記
録動作について図１を参照して説明する。図示しない制
御部により記録開始信号が送信されると、図示しない駆
動部を起動して給送ローラ９及び搬送ローラ10を回転さ
せてカセット８内の記録シートＰを１枚ずつ繰り出した
後、搬送ローラ10で反転搬送しながら記録手段Ｄに搬送
する。記録手段Ｄでは、記録シートＰの上面にインクジ
ェットカートリッジ14より画像情報に応じてインクを吐
出して記録を行なう。記録後の記録シートＰは送りロー
ラ21及び拍車22によって挟持されて下ガイド23上を搬送
され、排出ローラ24及び拍車コロ26によって挟持されて
記録シート排出トレイ25に排出され、積載される。

【００２８】上記構成によれば、排出ローラ24の芯金部
24ｂに排出ローラ24と排出フレーム28との隙間を閉塞す
る巻き込みストッパー27を設けることによって、記録シ
ート排出トレイ25に排出積載後のシート後端を、排出ロ
ーラ24と排出フレーム28と隙間に巻き込むことなく整列
性を維持することができ、装置の信頼性を向上させるこ
とができる。また、上記巻き込みストッパー27はシート
搬送動作に影響を与えるおそれがなく、組立易い記録装
置を提供することができる。

【００２９】〔他の実施例〕

【００３０】次に前記実施例に示す記録装置の他例につ
いて図４及び図５を参照して説明する。尚、記録装置の
概略構成は前記実施例と同様であるので、同一部材には
同一番号を付して説明を援用する。

【００３１】前記実施例では巻き込みストッパー27を軸
方向に複数個配置したが、本実施例は図４に示すよう
に、巻き込みストッパー29をくし歯状に成形して一体形
状にしても良い。排出ローラ24は芯金部24ｂにゴム部24
ａを軸方向に複数箇所に嵌め込んで構成されており、ゴ
ム部24ａによって記録シートＰを搬送する。上記芯金部
24ｂの左右両端部には段差部24ｃが２箇所設けられてい
る。

【００３２】上記巻き込みストッパー29の段差部24ｃに
対する取り付け端29ｂ側は釣針形状に成形されており、
軸方向に位置決めを行なっている。また芯金部24ｂに対
する取り付け端側は該芯金部24ｂを覆う形状にし、ゴム
部24ａに相当する部分では、該ゴム部24ａを逃がすよう
にしてこれらを自由端29ａ側でつなげたくし歯状に成形
されている。

【００３３】また上記巻き込みストッパー29の取り付け
端29ｂの内径は、芯金部24ｂ及び段差部24ｃの径よりも
やや大きめに成形されており、前記実施例と同様に排出
回転時に巻き込みストッパー29の自由端29ａを排出フレ
ーム28のフレーム壁部28ａに突き当て、また逆回転時に
巻き込みストッパー29の左右両側の取り付け端29ｂを対
応する排出フレーム28に設けたリブ28ｂに突き当てて、
巻き込みストッパー29が何れの方向に連れ回っても回転
しないように回動範囲が規制されている。また上記巻き
込みストッパー29の取り付け端29側の外径はゴム部24ａ
の径より小さく形成されているため、記録シートＰの搬
送の妨げとなることはない。

【００３４】上記構成によれば、巻き込みストッパー29
をくし歯状に一体成形することにより、１部品として部
品数を減少させることができ、これに対応する排出ロー
ラ24の段差部24ｃや排出フレーム28に設けるリブ28ｂの
数を減少させることができ、構成を簡略化して製造コス
トを低減することができる。

【００３５】また前記各実施例では、巻き込みストッパ
ー27，29の回動範囲を、排出回転時には排出フレーム28
のフレーム壁部28ａで、逆回転時にはリブ28ｂにより規
制していたが、図５に示すように、記録シート排出トレ
イ25のフレーム壁28ａの近傍にリブ30を形成して、該フ
レーム壁28ａとリブ30によって形成される溝に巻き込み
ストッパー27，29の自由端27ａ，29ａを嵌め込んで、い
ずれの排出ローラ24のいずれの回転時にも回転範囲を規
制するように構成することも可能である。

【００３６】尚、前述した各実施例では記録手段として
インクジェット記録方式を用いたが、記録信号に応じて
電気熱変換体に通電し、前記電気熱変換体によって印加
される熱エネルギーにより、インクに生ずる膜沸騰を利
用してインクに生ずる気泡の成長，収縮により、インク
を吐出口より吐出して記録を行うように構成すると更に
好ましい。

【００３７】その代表的な構成や原理については、例え
ば米国特許第 4723129号明細書、同第 4740796号明細書
に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ま
しい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュア
ス型の何れにも適用可能であるが、特にオンデマンド型
の場合には、液体（インク）が保持されているシートや
液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情
報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与え
る少なくとも１つの駆動信号を印加することによって、
電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッド
の熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信
号に一対一で対応した液体内の気泡を形成出来るので有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介
して液体を吐出させて、少なくとも１つの滴を形成す
る。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気
泡の成長収縮が行われるので、特に優れた液体の吐出が
達成出来、より好ましい。

【００３８】前記パルス形状の駆動信号としては、米国
特許第 4463359号明細書、同第 4345262号明細書に記載
されているようなものが適している。尚、前記熱作用面
の温度上昇率に関する発明の米国特許第 4313124号明細
書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録
を行うことが出来る。

【００３９】記録ヘッドの構成としては、前述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合せ構成（直線状液流路又は直角液流路）の他に熱
作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する
米国特許第 4558333号明細書、同第 4459600号明細書を
用いた構成も本発明に含まれるものである。

【００４０】また複数の電気熱変換体に対して、共通す
るスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示す
る特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸
収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭
59−138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果
は有効である。即ち、記録ヘッドの形態がどのようなも
のであっても、本発明によれば記録を確実に効率良く行
うことが出来るようになるからである。

【００４１】更に、記録装置が記録出来る記録媒体の最
大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドに対しても本発明は有効に適用出来る。そのような
記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
て、その長さを満たす構成や、一体的に形成された１個
の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良い。

【００４２】加えて、前述したシリアルタイプのもので
も、キャリッジに固定された記録ヘッド、或いはキャリ
ッジに装着されることで装置本体との電気的な接続や装
置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチッ
プタイプの記録ヘッド等を用いても良い。

【００４３】また本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドの回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定出来るので好まし
いものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッド
に対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧
或いは吸引手段、電気熱変換タイプ或いはこれとは別の
加熱素子或いはこれらの組合せによる予備加熱手段、記
録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定
した記録を行うために有効である。

【００４４】またキャリッジに搭載される記録ヘッドの
種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応
して１個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個数設けられるもの
であって良い。即ち、例えば記録装置の記録モードとし
ては黒色等の主流色のみの記録モードでなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成する複数個の組合せによるかいずれで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも適用し得
る。

【００４５】更に加えて、前述した実施例に於いてはイ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化若しくは液化するも
の、或いはインクジェット記録方式ではインク自体を30
℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘
性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般
的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をな
すものであれば良い。加えて、積極的に熱エネルギーに
よる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化
のエネルギーとして使用せしめることで防止するか、ま
たはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録シートに到達する時点で
はすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギーに
よって初めて液化する性質のインクを使用する場合も適
用可能である。

【００４６】このような場合のインクは、特開昭54− 5
6847号公報或いは特開昭60− 71260号公報に記載される
ような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形
物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向
するような形態としても良い。上述した各インクに対し
て最も有効なものは、前述した膜沸騰方式を実行するも
のである。

【００４７】更に、前述した記録装置の形態としては、
ファクシミリ装置に限らずコンピュータ等の情報処理機
器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等
と組み合わせた複写装置等の形態をとるもの等であって
も良い。

【００４８】尚、前述した記録手段としてインクジェッ
ト記録方式を用いた例を説明したが、本発明は記録方式
はインクジェット記録方式に限定する必要はなく、他に
も熱転写記録方式や感熱記録方式、更にはワイヤードッ
ト記録方式等のインパクト記録方式以外の記録方式であ
っても適用し得る。またシリアル記録方式に限定する必
要もなく、所謂ライン記録方式を用いても良い。

【００４９】

【発明の効果】本発明は、前述したように、芯金部に段
差部を形成すると共に、該段差部に搬送部の外径より小
径で搬送部とフレーム部との隙間を塞ぐ巻き込み防止手
段を設けたことにより、排出後のシートの後端を排出手
段の搬送部とフレーム部との隙間に巻き込むことを防止
できる。従って、排出積載後のシート整列性を維持する
ことができ、装置の信頼性を向上させることができる。
また、上記巻き込み防止手段はシート搬送動作に影響を
与えるおそれがなく、組立易い記録装置を提供すること
ができる。

【００５０】また前記巻き込み手段をくし歯状に一体成
形することにより、１部品として部品数を減少させるこ
とができ、排出手段の段差部やこれに対応するフレーム
部に設ける規制手段の数を減少させることができ、構成
を簡略化して製造コストを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ファクシミリ装置の概略構成を示す説明図であ
る。

【図２】排出部の拡大説明図である。

【図３】排出部の斜視説明図である。

【図４】他例に係る排出部の斜視説明図である。

【図５】他例に係る排出部の拡大説明図である。

【図６】従来の記録装置の構成を示す説明図である。

【図７】従来の排出部の拡大説明図である。

【図８】従来の排出部の拡大説明図である。

【符号の説明】

Ａ…原稿読取部Ｂ…記録部Ｃ…操作パネルＤ…記録手段１…原稿載置台１ａ…スライダー２…予備搬送ローラ３ａ…分離ローラ３ｂ…分離押圧片４ａ…原稿搬送ローラ４ｂ…原稿搬送コロ５…密着型センサ６ａ…原稿排出ローラ６ｂ…原稿排出コロ７…原稿排出トレイ８…カセット８ａ…本体ケース８ｂ…中板８ｃ…加圧バネ８ｄ…分離爪８ｅ…後端規制板８ｆ…サイド規制板９…給送ローラ９ａ…円弧面９ｂ…平面部 10…搬送ローラ 10ａ…ゴム部 10ｂ…芯金部 11，12…搬送コロ 13…反転ガイド 14…インクジェットカートリッジ 15…キャリッジ 16…プラテン板 17…プラテンローラ 18…押圧コロ 19…上ガイド 20…エッジセンサ 21…送りローラ 22…拍車 23…下ガイド 24…排出ローラ 24ａ…ゴム部 24ｂ…芯金部 24ｃ…段差部 25…記録シート排出トレイ 26…拍車コロ 27，29…巻き込みストッパー 27ａ，29ａ…自由端 27ｂ，29ｂ…取り付け端 28…排出フレーム 28ａ…フレーム壁部 28ｂ，30…リブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者池田靖彦東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内 (72)発明者笹井敬三東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内 (72)発明者杉山茂行東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内 (72)発明者大久保明夫東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】画像情報に応じてシートに像を記録する
ための記録手段と、前記記録手段にシートを搬送するための搬送手段と、記録後のシートを排出するための排出手段と、を有し、前記排出手段は、芯金部に搬送部を嵌合させた排出回転
体をフレーム部に回転可能に装備しており、前記芯金部
に段差部を形成すると共に、該段差部に搬送部の外径よ
り小径で搬送部とフレーム部との隙間を塞ぐ巻き込み防
止手段を設け、前記フレーム部に前記巻き込み防止手段
の回転範囲を規制する規制手段を設けたことを特徴とす
る記録装置。
【請求項２】前記巻き込み防止手段は、くし歯状に一
体成形されていることを特徴とする請求項１記載の記録
装置。
【請求項３】前記規制手段は、排出積載手段に一体的
に形成されていることを特徴とする請求項１記載の記録
装置。
【請求項４】前記記録装置は、記録手段が信号に応じ
てインクを吐出して記録を行うインクジェット記録方式
である請求項１記載の記録装置。
【請求項５】前記記録装置は、記録手段がインク吐出
用の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
ていることを特徴とする請求項４記載の記録装置。
【請求項６】前記記録装置は、記録手段が前記電気熱
変換体によって印加される熱エネルギーにより、インク
に生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させ
ることを特徴とする請求項５記載の記録装置。