JPH07147988A - ひとリンパ球抗原複合体のDR−β−鎖部位を暗号化するDNAおよびその製造方法並びに診断判定方法および判定用生産物 - Google Patents

ひとリンパ球抗原複合体のDR−β−鎖部位を暗号化するDNAおよびその製造方法並びに診断判定方法および判定用生産物

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JPH07147988A
JPH07147988A JP6214865A JP21486594A JPH07147988A JP H07147988 A JPH07147988 A JP H07147988A JP 6214865 A JP6214865 A JP 6214865A JP 21486594 A JP21486594 A JP 21486594A JP H07147988 A JPH07147988 A JP H07147988A
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dna
hla
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Bernard F Mach
フランソワ マック ベルナール
Eric O Long
オリビエ ロング エリック
Claire T Wake
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Biomerieux SA
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    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6881Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for tissue or cell typing, e.g. human leukocyte antigen [HLA] probes
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ひとリンパ球抗原複合体のDRβ−Cを暗号
化するDNA配列に関し、診断判定方法および生産物に
これらDNA配列を使用するものであって、広範囲の病
気に対する個体の感受性および組織もしくは器官移植物
の供与体もしくは受容体としての個体の特性を決定する
際に有用な方法および生産物を得る。 【構成】 ひとリンパ球抗原複合体のDRβ−C、すな
わちDR部位の主要な多形質領域を暗号化するDNA配
列に関連するポリペプチド、およびその製造収集方法並
びにこれらポリペプチドに対して生じた抗体を使用する
改良方法および改良物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ひとリンパ球抗原複合
体のDRβ−鎖部位を暗号化するDNA配列に関するも
のである。さらに詳細には、本発明は、診断判定方法お
よび生産物にこれらDNA配列を使用することに関する
ものである。この種の方法および生産物は、広範囲の病
気に対する個体の感受性および組織もしくは器官移植物
の供与体もしくは受容体としての個体の特性を決定する
際に有用である。本発明のDNA配列は、さらにそれら
により暗号化されるポリペプチドの発現においても有用
である。
【0002】
【従来の技術】ひとリンパ球抗原(「HLA」)系は、
ひとにおける主要な組織適合性複合体である。したがつ
て、これは個体間の組織および器官移植物に対する最も
強いバリヤを構成し、明らかに自己と非自己とを区別す
る。さらに、HLA因子は、広範囲の病気に対する感受
性の増大に関連することが示されている。したがつて、
HLA系の抗原は、広範囲の病気に対する個人の感受性
を決定するための診断判定方法および生産物に使用さ
れ、かつ組織もしくは器官移植物の供与体もしくは受容
体としてのその特性を決定するのに使用される[エフ・
エツチ・バツハおよびジエー・ジエー・バンルード、
N.Engl.J.Med.、第295巻、第806〜
813頁(1976)]。
【0003】遺伝学的観点から、HLA系はかなり良く
特性化されている。たとえば、エル・ピー・ライダー等
「HLA病関連の遺伝学」、Ann.Rev.Gene
t.、第15巻、第169〜187頁(1981);ジ
エー・エル・ストローミンガー等、「免疫学における主
要な組織適合性複合体の役割」、エル・ドルフ編集、ガ
ーランド SPTM プレス社、第115〜172頁
(1981);テイー・ササズキ等、「主要な組織適合
性複合体における遺伝子と病気感受性との間の関係」、
Ann.Rev.Med.、第28巻、第425〜45
2頁(1977)を参照することができる。これは、染
色体6の短腕における約2センチモルガン(cM)の間
隔内に位置する多かれ少なかれ高度に多形質の一連の部
位からなつている。この系における3つの部位(HLA
−A,BおよびC)は、相互優性的に発現されるアロ抗
原の1種を暗号化する(種類1)。他の部位(HLA−
D/DR)は、高度に識別された多形性を有する相互優
性アロ抗原の第2の種類を暗号化する(種類2)。初期
成分の幾つかを制御する補完成分の他の3つの部位(C
2,C4およびBf因子)も、HLA系に属する(種類
3)。最後に、HLA複合体におけるIaと呼ばれる非
特異的領域が存在する。この領域IaはDR部位に関係
すると思われるが、これとは異なるものである。
【0004】HLA系の生物学は、まだ充分に理解され
ていない。種類1の因子は、赤血球以外の全ゆる組織に
分布している。種類2の因子は、実質的にβ−リンパ球
および単核食細胞に限定され、かつ種類3の補完因子は
C3因子、すなわち補完系における重要成分の活性化に
直接関係する。HLA−DR抗原は免疫学的現象、すな
わち免疫反応性、T−細胞抑制、T−細胞およびβ−細
胞の共働ならびにT−細胞と大食細胞の発現に関係する
ものと思われる[ビー・ベナセラフ、「免疫生物学にお
ける主要な組織適合性複合体の役割」、エム・イー・ド
ルフ編、ガーランド SPTM プレス社、第255〜
269頁(1981)]。
【0005】HLA−DR抗原は2種の非共有結合グリ
コシル化ペプチド鎖、すなわち分子量約35000の重
鎖すなわちα−鎖と分子量約29000の軽鎖すなわち
β−鎖とから構成され、これらは細胞膜を画成する[ス
トロミンガー等、上記;およびライダー等、上記]。細
胞内において、分子量約32000の第3のペプチド鎖
がα−鎖およびβ−鎖に関連する[デー・ジエー・シヤ
ロンおよびエツチ・オー・マツクデビツト、J.Ex
p.Med.、第152巻、第18s〜36s頁(19
80);ストロミンガー、上記]。軽鎖すなわちβ−鎖
はHLA−DR抗原の多形性を有する一方、α−鎖およ
び第3の鎖は種々異なる個体において同一であると思わ
れる[ジー・コルテ等、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA、第78巻、第534〜538頁
(1981);シヤロンおよびマツクデビツト、上
記]。数種の血清学的に異なるHLA−DR抗原が固定
されており(HLA−DR1乃至HLA−DR8)、か
つモノクローン抗体は同型接合細胞系内におけるDR抗
原の1部と定義されている[ヴイ・クワランタ等、ジヤ
ーナル・イミユノロジー、第125巻、第1421〜1
425頁(1980);エス・カレル等、モレキユラ・
イミユノロジー、第18巻、第403〜411頁(19
81)]。さらに、少なくとも2種のDRβ−鎖を、ペ
プチド分析により数種の同型接合細胞系において区別す
ることができる[アール・エス・アコラ等、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA、第78巻、第4
549〜4551頁(1981)]。
【0006】さらに、HLA−DRに近縁であるが同一
でない多形質Ia状の抗原を暗号化する種類の他の部位
も存在する[ジー・コルテ等、ネイチヤー誌、第292
巻、第357〜360頁(1981);ナドラー等、ネ
イチヤー誌、第290巻、第591〜593頁(198
1)]。これらの明確なサブ領域はDCと呼ばれ[アー
ル・トシ等、J.Exp.Med.、第148巻、第1
592〜1611頁(1978);デー・エー・シヤツ
ケルフオード等、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,第78巻、第4566〜4570頁(19
81)]、さらにSBと呼ばれる[エス・ジヨー等、
J.Exp.Med.、第156巻、第731〜743
頁(1982)]。DC抗原は、DR抗原との強い結合
不均衡にある。SB抗原は、二次的リンパ球反応を制御
しかつDR部位に対し中心的な領域で暗号化される。
【0007】現在、HLA−DR抗原は、抗血清での沈
殿により血清学的に単離される。したがつて、HLA−
DR決定子の正確な性質は未確定である。しかしなが
ら、これらの抗原は、組織もしくは器官移植物に対する
供与体および受容体の適合性を決定するための、或いは
広範囲の病気に対する個体の感受性を決定するための判
定方法および生産物に使用されている。たとえば、ライ
ダー等(上記)は、DR1乃至DR8判定に基づく次の
病気の感受性を報告している:
【0008】
【表1】
【0009】これらの判定から判かるように、D/DR
4につき陽性と判定された個体は、D/DR4につき陰
性と判定された個体よりも6.4倍高いインシユリン依
存性糖尿病を発生する危険がある。
【0010】或る場合には、さらに病気関連性の抗原を
有する患者において、この抗原を持たない患者における
よりもその病気が重度であることも示されている。たと
えば、多発性硬化症の経過は、D/DR2陰性の患者に
おけるよりもD/DR2陽性の患者においてより急速で
ある。さらに、或る種の病気の再発は、病気関連性抗原
につき陽性の患者においてより一般的である。要する
に、HLA−DR判定は、診断上および予測上の大きな
価値を有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の判定方法および生産物の使用、ならびにこれらが許容
しうる移植供与体および受容体と病気感受性の個体とを
同定する際もたらす重要な利点は著しく制約されてい
る。何故なら、現在の判定方法は複雑かつ時間のかかる
ものであり、またこの種の判定方法および生産物に対す
る有用かつ経済的な原料を供給するために入手しうるH
LA−DR抗原が不充分であるからである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ひとリンパ球
抗原複合体のDR−β−鎖、すなわちDR部位の主要な
多形質領域を暗号化するDNA配列に関連するポリペプ
チドおよびその製造方法並びにこれらポリペプチドに対
して生じた抗体を使用する改良方法および改良物を提供
することにより上記の問題を解決する。
【0013】
【作用】本発明により、HLA−DR軽鎖すなわちβ−
鎖を暗号化するDNA配列がHLA−DR判定方法およ
び生産物に使用するため初めて入手しうるようになっ
た。本発明のDNA配列は経済的かつ多量に生産されう
るだけでなく、判定方法および生産物におけるその使用
は前記HLA−DR抗原に基づく判定方法および生産物
を相当に単純化させかつそのコストを低減させる。たと
えば、本発明のDNA判定方法は簡単であり、10〜2
0ml程度に少ない血液で行うことができ、かつ数千回
の判定まで容易に規模拡大することができる。
【0014】最後に、本発明のDNA配列は、適当な宿
主におけるこれら配列の発現ならびにそれらにより暗号
化される特異的DRβ−鎖抗原の生産を他のHLA−D
R因子により汚染されることなく可能にし、これらを診
断剤、予防剤または治療剤として使用することを可能に
する。
【0015】
【実施例】本発明を一層充分に理解しうるよう、以下詳
細に説明する。本発明において次の用語を使用する。
【0016】ヌクレオチド:糖成分(ペントース)と燐
酸と含窒素複素環式塩基とよりなるDNAもしくはRN
Aのモノマ単位。この塩基はグリコシド炭素(ペントー
スの1´炭素)を介して糖成分に結合され、塩基と糖と
のこの結合をヌクレオチドと呼ぶ。塩基はヌクレオチド
を特性化する。4種のDNA塩基はアデニン
(「A」),グアニン(「G」),シトシン(「C」)
およびチミン(「T」)である。4種のRNA塩基は
A,G,Cおよびウラシル(「U」)である。
【0017】DNA配列:隣接するペントースの3´炭
素と5´炭素との間のホスホジエステル結合により互い
に結合されたヌクレオチドの線状列。
【0018】コドン:mRNAを介してアミノ酸、翻訳
開始信号または翻訳停止信号を暗号化する3個のヌクレ
オチド(トリプレツト)のDNA配列。たとえば、ヌク
レオチドトリプレツトTTA,TTG,CTT,CT
C,CTAおよびCTGはアミノ酸ロイシン(「Le
u」)を暗号化し、TAG,TAAおよびTGAは翻訳
停止信号であり、かつATGは翻訳開始信号である。
【0019】読枠:mRNAをアミノ酸配列に翻訳する
際のコドンのグループ。翻訳する際、適切な読枠を維持
しなければならない。たとえば、配列GCTGGTTG
TAAGは3つの読枠もしくは相に翻訳することがで
き、そのおのおのは次の異なるアミノ酸配列を与える:
【0020】
【化1】
【0021】ポリペプチド:隣接するアミノ酸のαアミ
ノ基とカルボキシ基との間のペプチド結合により互いに
結合されたアミノ酸の線状列。
【0022】ゲノム:細胞もしくはウイルスの全DN
A。これは特に細胞もしくはウイルスのポリペプチドを
暗号化する遺伝子、ならびにそのオペレータ、プロモー
タおよびたとえばシヤイン−ダルガルノ配列のような配
列を含むリボソーム結合および相互作用配列を包含す
る。
【0023】遺伝子:雛型もしくはメツセンジャRNA
(「mRNA」)を介して特異的ポリペプチドに特性的
なアミノ酸の配列を暗号化するDNA配列。
【0024】転写:遺伝子もしくはDNA配列からmR
NAを生成する過程。
【0025】翻訳:mRNAからポリペプチドを生成す
る過程。
【0026】発現:ポリペプチドを生成するためDNA
配列もしくは遺伝子により行なわれる過程。これは転写
と翻訳との組合せである。
【0027】プラスミド:完全「レプリコン」からなる
非染色体二重鎖DNA配列であつて、このプラスミドは
宿主細胞において複製される。プラスミドを単細胞生物
内に挿入すると、この生物の特性をプラスミドのDNA
の結果として変化もしくは形質転換させることができ
る。たとえば、テトラサイクリン耐性(TetR )に対
する遺伝子を有するプラスミドは、予めテトラサイクリ
ンに対し感受性の細胞をこれに耐性である細胞に形質転
換させる。プラスミドにより形質転換された細胞を「形
質転換体」と呼ぶ。
【0028】フアージもしくはバクテリオフアージ:細
菌性ウイルスであつて、その多くは蛋白質エンベロプも
しくはコートにカプセル化されたDNA配列よりなつて
いる(「カプシド蛋白質」)。
【0029】クローン化ベヒクル:プラスミド、フアー
ジDNAまたはその他のDNA配列であつて、これは宿
主細胞中に複製することができ、被覆蛋白質の複製およ
び生産のようなDNAの本質的生物機能の喪失を伴なう
ことなくまたはプロモータもしくは結合部位の喪失を伴
なうことなくDNA配列を決定可能に切断しうる1個も
しくは少数のエンドヌクレアーゼ識別部位により特性化
され、かつ形質変換細胞の同定に使用するのに適した標
識、たとえばテトラサイクリン耐性もしくはアンピシリ
ン耐性を有する。クローン化ベヒクルはしばしばベクタ
ーと呼ばれる。クローン化 :生物の集落またはこの種の生物もしくは配
列から無性増殖により生成されるDNA配列を得るため
の過程。
【0030】組換DNA分子もしくはヒブリドDNA
異なるゲノムからのDNAの断片よりなる分子であつ
て、前記ゲノムは生細胞の外部で末端結合されておりか
つ幾つかの宿主細胞に感染してそこに維持される能力を
有する。
【0031】発現制御配列:DNA配列もしくは遺伝子
の発現を、これら配列もしくは遺伝子に作用結合された
際、制御および調整するヌクレオチドの配列。これらは
lac系,trp系、フアージλの主オペレータおよび
プロモータ領域、fdコート蛋白質の制御領域ならびに
原始核もしくは成熟核細胞またはそのウイルスの遺伝子
の発現を制御することが知られたその他の配列を包含す
る。
【0032】図1は、染色体6ならびにこの染色体の短
腕におけるHLA部位の位置の略図である。HLA系の
複雑性に鑑み、種々のIa状抗原と種々のHLA−DR
抗原自身とを区別しうるmRNA翻訳分析を開発するこ
とが重要であつた。
【0033】例えば、うさぎ網状赤血球溶解物系のよう
な無細胞翻訳系は重合蛋白質を構成しない。他方、有爪
蛙ゼノプス・レビス(Xenopus laevis)
の卵細胞が各種蛋白質に対する翻訳系として使用されて
いる。したがつて、この系を選択して、DR抗原を暗号
化するmRNAにつき分析した。この系を使用して、H
LA−DR抗原の3つのポリペプチド鎖が卵細胞で組立
てられかつこれらから抗−DRモノクローン抗体により
免疫沈殿させうることを示した。したがつて、この卵細
胞系は、mRNA暗号化DR抗原を選択する方法を与え
る。
【0034】上記分析で同定されたmRNA暗号化DR
抗原の豊富なフラクシヨンを使用して、mRNAからc
DNAを調製し、これをクローン化させかつ選択し、そ
して本発明のDRβ−鎖抗原を暗号化するDNA配列を
含むクローンを単離した。次いで、これらDNA配列を
本発明の方法および生産物に使用して、組織および器官
移植物に対する適合性を決定すると共に各種の病気に対
する個体の感受性増大を決定した。さらに、これらDN
A配列を適当な宿主に使用して、それらの暗号化する抗
原を他のHLA−DR因子により実質的に汚染されるこ
となく生成させるのに有用であり、病気の診断、治療お
よび予防に使用することができる。
【0035】ポリA+ RNAを含有するHLA−DRの
調製 10%胎児牛血清とグルタミンとゲンタマイシンとを補
充したRPMI1640培地において、ひとβリンパ芽
球細胞系、すなわちラジ細胞(2種のDR遺伝子、DR
3およびDR6を有する異型接合細胞系)を増殖させた
(これについてはエス・カレル等によりモレキユラ・イ
ミユノロジー、第18巻、第403〜411頁(198
1)に実質的に記載されている)。細胞の生成物を追跡
するための標識を与えるため、50×106 個の細胞当
り1mCiのS35−メチオニンを補充した完成メチオニ
ン非含有培地において、2×106 個の細胞1mlの濃
度にて37℃で16時間培養することにより細胞を代謝
標識した。分析用として非グリコシル化DR分子を得る
ため、S35−メチオユンを添加する2時間前に2μg/
mlのツニカマイシンを添加した。
【0036】凍結細胞ペレツトを、氷冷した溶解緩衝液
(10mMトリス−HCl(pH7.6)、0.1M
NaCl、1%ノニデツトP40)(1ml緩衝液/1
8個細胞)において1分間隔で15秒間4回乱流させ
ることにより溶解させ、そしてこの溶解した細胞をベツ
クマンJ−6型遠心分離器(4500×g)にて遠心分
離した(4℃、4min、4000rpm)。次いで、
4mlの細胞質上澄液を次の濃度勾配にてSW41ポリ
アロマー管に加えた:10mMトリス−HCl(pH
7.4)、1mM EDTAにおける2ml CsCl
(5.7M);20mMトリス−HCl(pH7.
4)、2mM EDTAにおける40%〜20%(W/
V)の直線濃度におけるCsCl4.2ml;および2
0mMトリス−HCl(pH7.4),0.1M Na
Cl,4mM EDTAにおける5%(W/V)蔗糖溶
液0.8ml。14℃にて濃度勾配を均衡化させた後、
RNAをパレツト化させた(14℃、14時間、370
00rpm)。大型RNA調製物につき、SW27チユ
ーブを14℃にて26000rpmで16時間使用し
た。
【0037】チユーブからRNAを回収するため、チユ
ーブを転倒させそして底部を切除した。次いで、RNA
を10mMトリス−HCl(pH7.4)、1mM E
DTAに溶解させ、混合物を0.3M酢酸ナトリウム
(pH5.0)に調整しそしてRNAを2容量のエタノ
ールで沈殿させた。再びRNAを10mMトリス−HC
l(pH7.4)、1mM EDTAおよび1%SDS
に溶解させ、これを100℃にて2分間加熱し、そして
混合物を室温まで冷却した。1容量の10mMトリス−
HCl(pH7.4)、1mM EDTA、1M Na
Clを加えた後、RNAをオリゴ(dT)セルロースカ
ラム(コラポラテイブ・リサーチ社)に加え、そしてポ
リA+ RNAフラクシヨンをH2 Oで溶出させそしてこ
れをEDTAの不存在下にエタノールで2回沈殿させた
(図2)。
【0038】緩衝液系(25mMクエン酸ナトリウムに
おける6M尿素(pH3.8)を用いてポリA+ RNA
をアルガロース−尿素ゲルにおいて寸法分画した(これ
についてはローゼン等により、バイオケミストリー(ワ
シントン)、第14巻、第69〜78頁(1975)に
実質的に記載されている)(図2)。この緩衝液系は高
能力および高分解能の分画化によく適している。さら
に、これは充分に変性する[エツチ・レーラツハ等、バ
イオケミストリー、第16巻、第4743〜4751頁
(1977)]。
【0039】ポリA+ RNAの分画化を行なうため、5
00μgのポリA+ RNAを100μlの10mMトリ
ス−HCl(pH7.4)、1mM EDTA、0.5
%SDSに溶解させ、200μlのDMSO(99%)
を加え、そしてこの溶液を1mM EDTAおよびpH
8.0に調整した。次いで、この溶液を45℃にて5分
間加熱し、4×0.5cmのスロツトに加えた(2.5
%アガロースゲル)。このゲルをブロムフエノールブル
ーがゲルの底部に達するまで冷所中で36時間電気泳動
にかけた。種々の寸法のフラクシヨン(700×160
0ヌクレオチド長さ)を得るため、2mmのスライスを
ゲルに沿って切断し、これらフラクシヨンを4mlの1
0mMトリス−HCl(pH7.4)、10mM ED
TA、0.5%NaCl,0.1mg/mlイー・コリ
tRNAにおいてウルトラ−ツラツクスで分散させた。
分散懸濁物を0.5%SDSまで調整した後、これを1
晩振とうし、次いでポリA+ RNAを上澄液からオリゴ
(dT)−セルロース小カラムにおけるクロマトグラフ
イーにより単離し、そしてこれをEDTAの不存在下に
エタノールで2回沈殿させた。調製ゲル電気泳動の前
に、資料中に3´末端標識されたラジmRNAを含ませ
ることにより回収を監視した。
【0040】種々のポリA+ RNAフラクシヨンのHL
A−DR活性(もしあれば)を分析するため、このRN
Aを卵細胞中に移殖し、そして生成物を3種のモノクロ
ーン抗体D1 −12,D4 −22およびBT2.2 で免疫沈
殿させた。この分析において、段階6の卵細胞をゼノプ
ス・レビスの卵巣から、CA++を含有しないOR2培地
における0.2%粗製コラゲナーゼ(シグマー社C−0
130)中で攪拌しながら室温にて90〜120分間培
養した後単離した[ワラツク等、J.Exp.Zoo
l.、第184巻、第321〜334頁(197
3)]。次いでこれら卵細胞に20ngのポリA+ RN
Aの50nlを注入し(これについてはヴイ・エー・モ
ア、ジヤーナル・モレキユラー・バイオロジー、第61
巻、第63〜103頁(1971)に実質的に記載され
ている)、そしてこれを0.5m Ci/mlのS35
メチオニンと50単位/mlペニシリンとストレブトマ
イシンとを含有するOR2培地において24時間培養し
た。培養後、卵細胞をホモゲナイズした(これについて
はランジヤーおよびツアラーによりProc.Nat
l.Acad.Sci.USA、第75巻、第6073
〜6077頁(1978)に実質的に記載されてい
る)。ただし1mlの緩衝液を50個の卵細胞当りに使
用した**
【0041】 これらのモノクローン抗体およびその
活性は既に報告されている[エス・カレル等、モレキユ
ラ・イミユノロジー、第18巻、第403〜411頁
(1981)(D1 −12,D4 −22);アール・エス・
アコラ等、ヨーロピアン・ジヤーナル・イミユノロジ
ー、第12巻、第166〜169頁(1982)(BT
2.2)]。** 分析用として非グリコシル化生成物を調製するた
め、卵細胞を50μg/mlのツニカマイシンの存在下
で培養し、これらに40μg/mlのツニカマイシンを
含有するRNA(50nl)を注入し、そして5μg/
mlのツニカマイシンを含有するDR培地において24
時間培養した。これについてはコールマン等により、ヨ
ーロピアン・ジヤーナル・バイオケミストリー、第11
3巻、第339〜348頁(1981)に実質的に記載
されている。
【0042】卵細胞ホモゲナイズ物からの上澄液を0.
15M NaCl、0.25%ノニデツトP40により
2mlに調整し、そしてこれをレンチルレクチン−セフ
アローズ(フアルマシア社)の1mlカラムに加えた。
このカラムを同じ緩衝液で激しく洗浄した後、0.1M
α−メチルマノシドを含有する同じ緩衝液でグリコシル
化物質を溶出させた(1.3%S35−メチオニン含有物
を合併フラクシヨン中に溶出させた)。その後のクロー
ン化実験においてはレンチルカラムを省略した。
【0043】次いで、レンチルレクチンカラムからのグ
リコシル化物質をトリス−HCl(pH7.0)および
1%アブロテニン(シグマ社)にpH8.0に調整し、
そして1ml当り20μlのPX63腹水液を加えた。
冷所中で2時間以上培養しかつ過剰の蛋白質A−セフア
ロース(フアルマシア社)の存在下でさらに2時間培養
した後、1ml当り20μlの抗−DRモノクローン抗
体(D1 −12,D4 −22,BT2.2 )の混合物を腹水液
として加えた。これは注入した卵細胞当り1μlの腹水
液に相当する。4℃にて1晩培養した後、試料を3分間
遠心分離し(エツペンドルフマイクロ分離器)、そして
ペレツトを捨てた。この遠心分離は、分析における凝集
物質に基づく大きいバツクグランドを避けるために重要
である。
【0044】次いで、蛋白質A−セフアロースを上澄液
に加え、そして培養を4時間続けた。遠心分離により免
疫沈殿物を集め(マイクロ分離)、約400μlの50
mMトリス−HCl(pH7.4)、5mM EDT
A、0.15M NaCl、1%ノニデツトP40、1
0mMメチオニン、1%アブロテニンで2回洗浄し、約
400μlの同じ緩衝液(ただしアブロテニンと0.1
5M NaClとを含有せず、0.5MのNaClを含
有する)で3回、さらに約400μlの10mMトリス
−HCl(pH7.4)、1mM EDTA、0.15
M NaCl、0.5%ノニデツトP40で2回洗浄し
た。
【0045】次いで、免疫沈殿物を25μlの0.5M
トリス−HCl(pH8.8)、1M蔗糖、5mM E
DTA、0.01%ブロムフエトルブルー、3%SDS
および8.3mMジチオスレイトールの中に100℃に
て3分間加熱することにより溶解させ、そしてこの溶液
を12%ポリアクリルアミドSDSゲルに加えた。この
ゲルを二次元で電気泳動にかけ、第一次元においては非
平衡pH濃度勾配の電気泳動にかけた(これについては
ピー・ゼツト・オーフアレル等、セル誌、第12巻、第
1133〜1142頁(1977)に実質的に記載され
ている)。これらゲルを10%トリクロル酢酸中で固定
し、エンハンス(ニユー・イングランド・ヌクレア社)
で処理し、20%メタノールおよび3%グリセリン中で
洗浄し、そして乾燥させた。乾燥ゲルを予備フラツシユ
されたコダツクX−ARフイルムに強化スクリーン(C
awo社)を用いて−70℃で露出させた。
【0046】この分析により、HLA−DRのα−鎖、
中間鎖およびβ−鎖を暗号化するRNAを含有するフラ
クシヨンとして、mRNA1200−1300ヌクレオ
チド長さを有するフラクシヨン31を同定した。このフ
ラクシヨンのRNAを全ポリA+ RNAにつき約20倍
濃縮させた。
【0047】寸法分画したRNAの分析は、ラジ細胞か
らの翻訳RNAおよびDR抗原の多数回の事前分析に基
づく。これらの分析から、卵細胞はHLA−DRのα−
鎖、中間鎖およびβ−鎖を暗号化するRNAを翻訳し、
これら抗原をグリコシル化させ、かつこれらを組立てる
ことを確認した。さらに、組立物はモノクローン抗体D
1 −12,D4 −22およびBT2.2 により免疫沈殿された
が、β−鎖のみがBT2.2 により抗原組立物が変性され
た後に免疫沈殿されたことを確認した。また、α−鎖は
35000〜36000の明確な分子量を有し、中間鎖
は約33000の明確な分子量を有し、かつβ−鎖はS
DS−ポリアクリルアミドゲルにおいて31000およ
び29000の明確な分子量を有することを確認した。
さらに、非グリコシル化物質は次の通りである:300
00および29000(α−鎖)、2700(中間鎖)
並びに27000および26000(β−鎖)。
【0048】cDNAクローンの作成 1.HLA−DR cDNAの調製 フラクシヨン31のポリA+ RNAの単一鎖cDNAコ
ピーを調製するため、CH3 Hgを5mMまで加えるこ
とによりRNAを変性させ、そしてこの混合物を室温で
1分間静置した。次いで、この変性RNAに1ml/4
0μgRNAの緩衝液(50mMトリス−HCl(pH
8.3)、10mM MgCl2 、70mM KCl、
30mM β−メルカブトエタノール、4mMピロ燐酸
ナトリウム)と0.5mM dGTP、dATPおよび
dTTPと0.3mM α−P32−dCTP(〜0.5
μCi/nモル)と40μg/mlのオリゴ(dT)1
2−18(コラボラテイブ・リサーチ社)と300単位
/mlの逆転写酵素(ライフ・サイエンス社)とを加
え、この混合物を37℃にて10分間および42℃にて
60分間加熱した[ワーリ等、Dev.Biol.、第
67巻、第371〜383頁(1978)](図
2)。この混合物へEDTAを10mMまで加えかつ
SDSを0.1%まで加えることにより反応を停止さ
せ、そして混合物をフエノール/クロロホルム/イソア
ミルアルコール(100:99:1)で抽出した。水相
をセフアデツクスG−50超微粒カラムにより10mM
トリス−HCl(pH7.6)、1mM EDTAで洗
浄した。次いで、溶出された混合物をNaOHにて0.
5Nとなし、これを37℃で30分間培養し、それぞれ
5MのHOAcおよび1Mのトリス−HCl(pH7.
6)の0.1容量で中和し、そして単一鎖cDNAをエ
タノール沈殿させた。遠心分離によりcDNAを回収し
た後、これを50μlの0.5N NaOH中に再懸濁
させ、37℃にて30分間培養し、そしてこれを0.9
M NaCl、0.1M NaOH、2mM EDTA
中で4mlの5〜20%アルカリ性蔗糖濃度勾配にて層
状化させた。この層状化されたcDNAをSW60ロー
タ(50000rpm、1℃、7.5時間)にて寸法分
画し、そして1000ヌクレオチド以上の長さを有する
cDNAを含有するフラクシヨンを集めた。集めたDN
Aを中和し、そして上記と同様に沈殿させた(図2)。
【0049】上記の集めたフラクシヨンからcDNAを
68℃で90秒間加熱しかつ氷中で急冷させて変性させ
ることにより二重鎖cDNAを調製した。次いで、次の
反応混合物を調整した:単一鎖cDNA(40μg/m
l)、50mMトリス−HCl(pH8.3)、10m
M MgCl2 、70mM KCl、30mMβ−メル
カブトエタノール、0.5mMのそれぞれdNTPおよ
び300単位/mlの逆転写酵素。この混合物を37℃
で10分間および42℃で90分間加熱した。EDTA
を10mMまで加えることにより再び反応を停止させ、
そしてこれをフエノール/クロロホルム/イソアミルア
ルコール(100:99:1)で抽出し、そしてセフア
デツクスG−50カラムにて10mMトリス−HCl
(pH7.6)、1mM EDTAでクロマトグラフに
かけた。
【0050】 ピロ燐酸ナトリウムの添加は沈殿を生
ぜしめ、この沈殿は反応を停止させると消失する。二重
鎖cDNA調製物におけるヘヤピンループを60mM
NaCl、6mM NaOAc(pH4.8)、0.5
mM ZnCl2 、〜30μg/ml二重鎖cDNA、
100単位/mlS1 ヌクレアーゼ(P−Lバイオケミ
カルス社)を含有する反応混合物において混合物を37
℃で30分間加熱することによりS1 ヌクレアーゼで処
理した。EDTAを10mMまで加えかつトリス−HC
l(pH7.6)を100mMまで加えることにより反
応を停止させ、混合物をフエノール/クロロホルム/イ
ソアミルアルコール(100:99:1)で抽出し、そ
してこれをセフアロースCL−GBカラムにより10m
Mトリス−HCl(pH7.6)、1mM EDTAで
洗浄して精製した。次いで、cDNAを上記と同様にE
tOHにて沈殿させた。
【0051】2.HLA−DR cDNAのクローン化 広範囲の宿主/クローン化ベヒクル組合せ物を使用し
て、二重鎖cDNAをクローン化させることができる。
さらに、それぞれ特異的クローン化ベヒクルにおいて、
種々の部位を選択することにより二重鎖cDNAを挿入
することができる。本発明のDNA配列をクローン化さ
せるためには、これら各種の代替物から本発明の範囲を
逸脱することなく当業者により特定的に選択することが
できる。
【0052】初期のクローン化研究において、細菌性プ
ラスミドpBR322(エフ・ポリバール等、「新規な
クローン化ベヒクルIIの作成および特性化。多目的ク
ローン化方式」、ジーン誌、第2(2) 巻、第95〜11
4頁(1977);ジエー・ジー・サツトクリフ、「D
NA配列から得られるpBR322制限地図;4361
ヌクレオチド対長さまでの正確なDNA寸法標識」、
ヌクレイツク・アシツド・リサーチ、第5巻、第272
1〜2728(1978))。さらに、PstI部位
[エル・ピラ・コマロフ等、「ブロインシユリンを合成
する細菌性クローン」、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA、第75巻、第3727〜3731
頁(1978)]、dC/dG切断[エル・ピラ・コマ
ロフ等、上記]およびイー・コリHB101を選択し
た。
【0053】a.PstI−開裂されたdG−切断pB
R322の調製 標準条件を用いてPstIによりpBR322を切断し
た。次いで、20mMK−カコジル酸塩、50mMトリ
ス−HCl(pH6.9)、10mM MgCl2 、1
mM dGTP、200μg/ml線状化pBR322
および25単位/ml末端トランスフエラーゼの反応混
合物を調製した。この混合物を37℃にて45分間加熱
した後、EDTAを10mMまで加えかつSDSを0.
5%まで加えて反応を停止させ、そしてこの混合物を氷
中で15分間急冷し、遠心分離(マイクロ遠心分離器、
2分間、4℃)によりdC切断されたHLA−DR c
DNAにアニールさせるため上澄液を調製した(図
2)。
【0054】b.dC切断HLA−DR cDNAの調
dC切断物を、200mM K−カコジル酸塩,50m
Mトリス−HCl(pH6.9)、1mM dCTP、
100μg/ml BSA(ペンテツクス社)、〜2μ
g/ml cDNAおよび125単位/ml末端デオキ
ヌクレオチジルトランスフエラーゼ(P−Lバイオケミ
カルス社)を含有する反応混合物において37℃でこの
混合物を1〜6分間加熱することにより上記と同様に調
製されたcDNAへ加えた。少量部を用いることによ
り、最適な反応時間を選択した(通常約4分間)。次い
で、この時間を使用してcDNAを切断した。再びED
TAを10mMまで加えかつSDSを0.5%まで加
え、さらに混合物を氷中で15分間急冷することにより
反応を停止させた。dC切断されたcDNAを単離して
これを遠心分離によりdG切断されたPst−開裂pB
R322へアニールさせた(マイクロ遠心分離器、2分
間、4℃)。
【0055】c.dC切断cDNAおよびdG切断pB
R322のアニール化 上記のように調製した40ngのdC切断cDNAと、
上記のように調製した250ngのdG切断されたPs
t開裂pBR322とをアニール化用緩衝液(10mM
トリス−HCl(pH7.6)、1mM EDTA、
0.2M NaCl)において68℃で2時間混合し、
次いで徐々に冷却した(図2)。
【0056】上記のように調製された組換DNA分子の
僅かのものが、実際にHLA−DRのβ−鎖、すなわち
軽鎖、すなわちHLA−DR座の主たる多形質領域を暗
号化するDNA配列を含有することが了解されよう。事
実、大部分のクローン化された種類は、HLA−DRに
対し或いはそのβ−鎖に対し無関係である。
【0057】3.ヒブリドによるイー・コリHB101
のトランスフエクシヨン 競合イー・コリHB101(recA- )を上記のヒブ
リドにより形質転換させた(これについては、デイー・
モリソンによりジヤーナル・バクテリオロジー、第13
2巻、第349〜351頁(1977)に記載されてい
る)。
【0058】プラスミドpBR322はアンピシリン耐
性とテトラサイクリン耐性とを暗号化する遺伝子を含
み、かつ前者の遺伝子はPstI部位におけるcDNA
挿入により失活されるので、PstI部位にcDNA挿
入物を有する組換DNA分子で形質転換された集落を、
そのように形質転換されていない集落から選択すること
ができる。したがつて、上記のように形質転換されたイ
ー・コリ菌体を10μg/mlのテトラサイクリンを含
有する洗浄かつオートクレープ処理されたシユライヒヤ
ーおよびシユエルのニトロセルロースフイルターに塗沫
した[デイー・ハナハンおよびエム・メセルソン、ジー
ン誌、第10巻、第63〜67頁(1980)]。この
方法を用いて550種のcDNAクローンを作成した
(図2)。
【0059】HLA−DR cDNAを含有するクロー
ンの選別 特定の組換DNA分子を含有するクローン、すなわちH
LA−DR−β−鎖関連のDNA挿入物を含有するクロ
ーンにつき、クローンの保存物を選別するには幾つかの
方法がある。これらの方法は当業界で充分周知されてい
る。初期のクローン選別において、ポリA+ RNAに対
する高基準の陽性ヒブリド化選択をジアゾベンジルオキ
シメチル紙(シユライヒヤーおよびシユエル)において
使用するよう選択した。本発明の方法はゴールドベルク
等、メソツド・エンチモロジー、第68巻、第206〜
220頁(1979)の方法から改変させた。ヒブリド
化に対する実験基準としては、50個の集落の保存物に
おいて1個のDR−β−cDNA−関連クローンを検出
しうると予想した。
【0060】550個の選別したクローンをそれぞれ5
0個のクローンの11群に分け、これらを10μg/m
lのテトラサイクリンを補充したL−培地で増殖させ
た。次いで、クロラムフエニコール(50μg/ml)
によりプラスミドを1晩処理し、そして慣用の清澄溶菌
物CsCl濃度勾配法を使用してこれら保存物からプラ
スミドDNAを調製した。次いで、プラスミドDNAを
0.5%ジエチルピロ炭酸エステルで処理し、これをセ
フアロースBカラム(10mMトリス−HCl(pH
7.6),1mM EDTA)に通して、小さい汚染性
RNA分子を除去した。プラスミドDNAを0.25N
HCl中で室温にて10分間部分的に処理し、混合物
を0.5NのNaOH、0.5M NaClまで調製
し、20分間培養し、HClで中和し、そしてDNAを
EtOHにより2回沈殿させた。次いで、調製されたジ
アゾベンジルオキシメチル紙(シユライヒヤーおよびシ
ユエル)を調製し、これに上記で調製されたDNAを共
融結合させた(これについてはゴールドベルク等、上記
により実質的に記載されている)。P32−標識DNAト
レーサを混合物中に含ませることによりDNAの滞留に
つき監視した。平均して15μgのDNAがそれぞれ1
cm2 のフイルタに結合された。
【0061】これらフイルタを50%ホルムアミド(2
回再結晶化させかつ脱イオン化したもの)、20mM
PIPES(pH6.4)、0.75M NaCl、2
mMEDTA、0.4%SDS、1%グリシン、0.3
mg/mlイー・コリtRNA、0.1mg/mlポリ
Aにおいて37℃で2〜4時間予備ヒブリド化させた。
ヒブリド化するため、11枚のフイルタを〜200ml
の同じ緩衝液(グリシン,tRNAおよびポリAを含ま
ない)において37℃で20時間にわたり300μgの
全ポリA+ RNA(上記のように調製)で処理した。次
いで、これらフイルタをヒブリド化緩衝液で37℃にて
30分間3回洗浄し、22℃で10mMトリス−HCl
(pH7.4)、1mM EDTA、0.1M NaC
l、0.1%SDSにて30分間3回洗浄し、次いで5
0℃にて10mMトリス−HCl(pH7.4)、1m
M EDTAにより10分間3回洗浄した。
【0062】ヒブリド化RNAを150μlの5mMト
リス−HCl(pH7.4)、0.5mM EDTA、
6μg/mlうさぎtRNAにより2つの部分に溶出
し、その際フイルタを含む溶液を98℃にて75秒間加
熱した。次いで、混合物を0.3M NaOAc(pH
5.0)まで調整し、そしてRNAをEtOHにより2
回沈殿させた。
【0063】上記からのRNAにHLA−DR α−鎖
および中間鎖(cDNA過剰の条件下で25μgのポリ
+ RNAから選択し、かつ卵細胞分析により確認)に
対するmRNAを補充し、そして補充されたRNAを卵
細胞に注入して上記と同様に分析した。RNAをこのよ
うに処理して免疫沈殿のレベルを増大させると共に、可
能なクローンを検出する機会を増大させた。卵細胞によ
り合成されたα−鎖および中間鎖抗原の存在を監視する
ため、各卵細胞抽出物の1/4を、遊離α−鎖および中
間鎖を結合する抗−DR−うさぎ血清133[カレル
等、モレキユラ・イミユノロジー、第18巻、第403
〜411頁(1981)]で免疫沈殿させた。各卵細胞
抽出物の残部3/4を抗−DR−モノクローン抗体(D
1 −12,D4 −22,BT2.2 )によつて免疫沈殿させ
た。11個の保存物のうち2個において、少量のDR−
抗原(β)が注入卵細胞で合成された
【0064】 幾つかの保存物においてはさらに37
000ダルトンのバンドも免疫沈殿された。この蛋白質
は同定しなかつた。
【0065】2種の陽性のものの各々を10個のクロー
ンからなる5群に分け、かつヒブリド化させて、これら
を上記と同様に分析した。元の2種の陽性のものの各々
から誘導された5群のうちの1群は、再び陽性であつ
た。次いで、2つの陽性の群の各々を、それぞれ1個の
クローンよりなる10群に分け、かつヒブリド化させて
これらを上記と同様に分析した。2つの陽性クローンを
選択した:クローン68およびクローン83−7。
【0066】クローン83−7はヒブリド化の条件下で
DR−β鎖mRNAを極めて効率的に選択した。このm
RNAは卵細胞において抗原を生成し、この抗原をαお
よび中間鎖RNAによる補充なしに抗−DRモノクロー
ン抗体(D1 −12,D4 −22,BT2.2 )により免疫沈
殿させた。逆に、クローン68−6はDR−β鎖mRN
Aの選択においてずつと効率が低かつた。クローン83
−7は180bpの挿入物を有し、かつクローン68−
6は470bpの挿入物を有した。これら挿入物はクロ
スヒブリド化しなかつた。
【0067】図3はDR領域におけるクローン83−7
のcDNA挿入物の位置およびIa状領域におけるクロ
ーン68−6のcDNA挿入物の位置を示している。I
a状領域をHLA部位の領域と呼び(図1)。クローン
68−6はIaと名付けられる。何故なら、これはHL
A/DRに関連するがそれと同一でない領域を示すから
である。
【0068】さらに、ゲル移動ヒブリド化によりこれら
2種のcDNAクローンに同族であるRNAを分析し
た。両cDNAクローンは長さ約1300ヌクレオチド
のポリA+ RNAとヒブリド化し、2種のβ−細胞系お
よび慢性リンパ白血病を有する患者からのβ−細胞で発
現されたが、3種のT細胞系、膵臓および肝臓には存在
しなかった。また、68−6cDNA挿入物は長さ16
50ヌクレオチドの他のRNAバンドにヒブリド化した
が、83−7cDNA挿入物は長さ1900ヌクレオチ
ドの他のRNAバンドにヒブリド化した。
【0069】クローン83−7および68−6にヒブリ
ド化するラジ由来のクローンの選別 クローン83−7および68−6のDNA挿入物を試料
として使用し、上記と同様に調製された全ポリA+ RN
A由来のクローン(ラジ細胞)の保存物を鋭意選別し
て、HLA−DR β暗号化領域から他の好ましいより
長くかつより完全なDNA配列を位置決定した。
【0070】PstIでの処理により2種のクローンの
プラスミドDNAから挿入物を切除し、これらを中性蔗
糖勾配遠心分離およびアクリルアミドゲル電気泳動によ
り精製した。溶出された断片をDEAEカラムに通し、
精製された挿入物を標識した(これについてはエム・グ
ルンシユタインおよびデイー・ホグネスにより「コロニ
ーヒブリド化:特異的遺伝子を含有するクローン化DN
Aの単離方法」、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、第72巻、第3961〜3965頁(19
75);リグビー等、ジヤーナル・モレキユラ・バイオ
ロジー、第113巻、第237〜251頁(1977)
に実質的に記載されている)。そして(α−P32)ヌク
レオチドおよびDNAポリメラーゼI(ベ−リンガーマ
ンハイム社)によつてニツク翻訳により2×108 cp
m/μg、まで精製した[リグビー等、上記]。次い
で、この試料を使用して、高基準条件(下記)を用いて
より長いヒブリド化関連cDNAクローンにつき保存物
を選別した。
【0071】この選別から、より長いcDNA挿入物を
含有する多数のクローンを単離した。これらクローンの
挿入物をDR−β1 、DR−β2 およびIa−β1 と名
付けた。これら挿入物により画成される領域を第3図に
示す。第3図に示したように、DNA挿入物DR−β1
およびDR−β2 はDR部位に関連する一方、Ia−β
1 はIa領域に関連する。
【0072】さらに、これらクローンの種々の断片を用
いて幾つかのヒブリド化基準でクロスヒブリド化実験を
行ない、選択された種々異なるcDNAクローン間の類
似性の程度を決定した。cDNAクローンの3´未翻訳
部分からのDNA配列は高基準(Tmより5℃低い)、
中間基準(Tmより24℃低い)または低基準(Tmよ
り43℃低い)においてクロスヒブリド化しなかつた。
【0073】逆に、DR β−鎖部位ではなくIa状領
域の第1領域を暗号化するクローンの5´末端における
DNA配列は、中間基準でクロスヒブリド化した。した
がつて、DR関連DNA配列はIa関連配列にクロスヒ
ブリド化しないが、Ia関連配列は他のIa関連配列に
クロスヒブリド化する。
【0074】cDNA挿入物の制限地図 各種の制限エンドヌクレアーゼによる単一および二重処
理を用いた制限分析により、各種のcDNAクローンの
HLA関連挿入物を地図化した。エンドヌクレアーゼの
供給業者(ニユー・イングランド・バイオラブ社、ベセ
スダ・リサーチ・ラボラトリー社、ベーリンガー社)に
より推奨される条件および緩衝液を使用し、そして得ら
れた断片をアガロースゲル上で分析した。
【0075】さらに図3は、選別工程において位置決定
された各種のcDNA挿入物の部分制限地図を示してい
る。勿論、図3に示された制限部位の実際の位置は不正
確である。慣用方法を用いるヌクレオチド配列は、他の
予測部位と同様に特定部位に適切に位置決定するであろ
う。
【0076】上記したように、ラジ細胞は異型接合性、
すなわちDR3/6である。したがつて、2種の異なる
配列DR−β1 およびDR−β2 がこれら細胞から生成
されるcDNAに存在するという事実は、これらクロー
ンを特性化する2種のDNA配列がβ−鎖暗号化配列の
異なる種類から生ずるということを明確に示していな
い。寧ろ、これら2種は異型接合細胞系の2種のDR型
の対立型種類である。
【0077】クローンDR−β1 にヒブリド化するIB
W9由来のクローンの選別 ヒブリド化試料としてDNA挿入物DR−β1 を使用し
て、ひとβ細胞系、IBW9から得られた全ポリA+
NAの20000個のクローンの保存物を選別した。こ
の保存物は、ラジ細胞保存物について前記したと同様に
調製した。IBW9は、血族関係によりHLAに対し元
来同型接合性であると思われた細胞系である。しかしな
がら、これはその後、2つの研究室によりDR4,W6
異型接合系として個々に分類された。
【0078】同型接合細胞系と思われるものを使用し
て、ラジ細胞のような異型接合細胞系に存在しうる対立
多形質性を検出するのが困難な上記の可能性を回避し
た。異型接合系に対比して、同型接合細胞系からのクロ
ーンに検出されるβ−鎖クローンは、定義において異な
るβ−鎖遺伝子族を示すであろう。しかしながら、上記
したように、本発明に使用した系統は実際には異型接合
系であった。
【0079】この異型接合細胞系由来の保存物を選別し
た結果、HLA−DR−関連DNA配列の4つの種類を
位置決定した。これら種類の暗号化配列を制限地図化
に基づきDR−β−A,DR−β−B,DR−β−Cお
よびDR−β−Dと名付けた。勿論、他のβ−鎖種類も
存在しうることを了解すべきである。たとえば、アコラ
(上記)は7種のこの種のものを予測している。このよ
うな種類は、本発明のDR−β1 ,DR−β2 ,DR−
β−A,DR−β−B,DR−β−CまたはDR−β−
D配列またはその断片を用いて高基準のヒブリド化にて
(実質的に上記したと同様)または他の同様な方法を用
いて選別しうるので本発明の1部である。
【0080】 これら挿入物を含むクローンをイー・
コリHB101(pBR322(Pst)/HLA−D
R−β−A乃至D)と命名し、これはそのPstI制限
部位に特定のHLA−DR−β関連DNA挿入物を有す
るpBR322からなる組換DNA分子により形質転換
されたイー・コリHB101菌体であることを意味す
る。
【0081】4種のDR−βクローンにおけるクローン
はその暗号化領域および非暗号化領域全体にわたり充分
にクロスヒブリド化する。これらは、極めて厳密に制限
地図およびクロスヒブリド化によつて区別することがで
きる(図4)。したがつて、これらは恐らく4種の異な
るDR−遺伝子から得られた4種のmRNAを示してい
る。これらはDR(4,W6)に対し異型接合細胞系か
ら得られるので、これら4種のDR−β遺伝子はDR−
鎖を暗号化する少なくとも2つの非対立部位を示すと思
われる。この結論は、さらにβ1 試料を用いて同じβ細
胞系から単離したゲノムDNAクローンの分析により裏
付けられる。
【0082】cDNA挿入物のヌクレオチド配列 ヌクレオチド配列を決定するため、上記のように、DN
A挿入物DR−β−A,DR−β−B,DR−β−Cお
よびDR−β−Dからの制限断片を調製し、これらをア
クリルアミドゲルから抽出し、そしてDEAEセルロー
スカラムで精製した。これら断片を(α−P32)コルジ
アピン−5´−トリホスフエート(アメルシヤム社)お
よび末端デオキシヌクレオチジルトランスフエラーゼ
(P−Lバイオケミカルス社)により3´標識し、或い
はこれらを牛の腸ホスフアターゼ(エス・クラークソン
による寄贈)およびポリヌクレオチドキナーゼ(P−L
バイオケミカルス社)により5´標識した。これら標識
された断片につき、マキサムおよびギルバートにより
「DNAの新規な配列決定方法」、Proc.Nat
l.Sci.USA、第74巻、第520〜564頁
(1977)に実質的記載されているように配列決定し
た。殆んどのcDNAについては両ストランドから配列
決定し、かつ標識末端として作用する殆んどの制限部位
についてはそれらを画成する断片を用いて配列決定し
た。
【0083】図5、図6、図7、図8および図9は、配
列決定方法およびcDNAクローンHLA−DR−β−
の暗号化ストランドのヌクレオチドおよびアミノ酸
配列を示している。クローンHLA−DR−β−Aにお
いて、35個のヌクレオチドが最初のATGトリブレツ
トに先行する。このATGは長さ266個のアミノ酸の
開放読枠における最初のコドンである。11個の連続し
た疎水性残基のコアを有する最初の29個のアミノ酸
は、ひとIa抗原のβ−鎖につき決定された部分アミノ
酸配列と高度の類似性を有する配列に先行する[デイー
・エー・シヤツケルフオード等、イミユノロジー・レビ
ユー、第66巻、第133〜187頁(1982)]。
したがつて、最初の29個のアミノ酸(図6においてN
o−1〜−29)は恐らく信号配列を示し、残部237
個のアミノ酸(図6、図7、図8および図9においてN
o1〜237)は成熟蛋白質(199個のアミノ酸)と
トランスメンブラン領域(22個のアミノ酸)と細胞質
末端(16個のアミノ酸)とを示す。図6、図7および
図8に示したように、暗号化配列の細胞外部分には4個
のシステインが存在する(位置15,79,117およ
び173)。
【0084】 このクローンに対する部分ヌクレオチ
ドおよびアミノ酸配列(AA79−95)は英国特許出
願第8222066号および第8230441号明細書
に示された。
【0085】図10、図11、図12および図13は、
クローンHLA−DR−β−Aから推定したアミノ酸配
列と、DR2同型接合系[エツチ・クラツチン等、ホツ
ペ・セイラース・ツアイトシユリフト・フイジオロジツ
シエ・ケミー、第362巻、第1665〜1699頁
(1981)]から単離されたIa抗原β−鎖につきク
ラツチンにより決定された配列と、DR3,W6細胞系
[デイー・ラルハンマー等、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA、第79巻、第3687〜369
1頁(1982)]から単離されたcDNAクローンに
より推定される配列とのアミノ酸配列比較を示してい
る。最後の配列は、DCβ−鎖クローンであると思われ
る。何故なら、その推定配列はDSβ−鎖[エス・エム
・ゴイエルト等、J.Exp.Med.、第156巻、
第550〜566頁(1982)]につき決定された
部分N−末端配列に匹敵するからである。
【0086】 DSおよびDC抗原は同一であり、か
つねずみI−A Ia抗原に対し極めて良好な類似性を
示すことがエス・エム・ゴイエルト等により、J.Ex
p.Med.、第156巻、第550〜566頁(19
82);アール・ボノおよびジエー・エル・ストロミン
ガー、ネイチヤー誌、第299巻、第836〜838頁
(1982)に記載されている。
【0087】図14および図15は、他のHLA−DR
−βクローン[HLA−DE−β−B]のヌクレオチド
およびアミノ酸配列を示している。さらに、このクロー
ンから推定されるアミノ酸配列は29個のアミノ酸より
なる推定信号配列と、237個の他のアミノ酸とを暗号
化領域に有する。
【0088】HLA−DR判定における本発明のcDN
A挿入物の使用 HLA−DR−β−鎖抗原またはその断片の種類を暗号
化するcDNA挿入物を、DR判定法およびキツトに使
用することができる。一般に、この種の判定方法は、
(1)慣用のエンドヌクレアーゼと条件とを用いて個体
のDNAを制限し、(2)制限DNAをたとえば慣用の
ゲルにおいて寸法分画し、(3)寸法分画されたDNA
を本発明のHLA−DR−β−鎖関連試料またはその断
片にヒブリド化し、かつ(4)ヒブリド化の領域を検出
する工程からなつている。
【0089】たとえば、この種の方法の1例として、確
立された細胞系からの4種の異なる個体[HLA−DR
につき3種の同型接合体(1/1,6/6,7/7)お
よび1種の異型接合体(3/6)]から高分子量DNA
を得た。このDNAを37℃にてEcoRI(ベーリン
ガー・マンハイム社)とHindIII (ベセスダ・リサ
ーチ・ラボラトリース社)またはBam HIにより、
標準緩衝液条件および1単位酵素/μg DNAを用い
て1晩処理した。EDTAにより反応を停止させ、制限
DNAをクロロホルムイソアミルアルコール(24:
1)により1回抽出し、そしてETOHで沈殿させた。
遠心分離の後、ペレツトを10mMトリス−HCl(p
H7.6)、1mM EDTA、0.1%SDS、0.
05%ブロムフエノールブルー、0.05%キシレンシ
アノールおよび5%グリセリン中に再懸濁させた。DN
Aを37℃にて4時間培養した後、これを65℃にて5
分間処理し、20mMグリシン,15mM NaOH
(pH8.3)における0.6%アガロースゲルに加え
た。これらゲルを60−100Vにて12時間処理し、
次いで0.2μのニトロセルロースフイルタ(シユライ
ヒヤーおよびシユエル)に移した(これについてはジー
・エム・バール等によりProc.Natl.Aca
d.Sci.USA、第76巻、第3683〜3687
頁(1979)に実質的に記載されている。)。
【0090】移動させた後、これらフイルタを4×SS
C(SSCは150mM NaCl、15mM クエン
酸ナトリウムである)において洗浄し、次いでこれらを
減圧オーブン内で80℃にて2時間処理した。次いで、
フイルタを5×SSC、5×デンハルツ試薬で65℃に
てゆつくりと振とうしながら1〜2時間、および1×デ
ンハルツ試薬、0.75M NaCl、5mM EDT
A、50mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH7)、10%
デキストラン硫酸塩、0.1%SDS、50μg/ml
ポリGおよび250μg/ml超音波変性されたDNA
にて65℃で2時間、順次に培養した。次いで、濾紙に
結合したDNAを1×デンハルツ試薬、0.75M N
aCl、5mM EDTA、50mM燐酸ナトリウム緩
衝液(pH7)および1×106 cpm/mlの本発明
のP32−標識cDNA試料において65℃で8〜12時
間ヒブリド化させた。
【0091】ヒブリド化の後、フイルタをそれぞれ5×
SSC、1×デンハルト試薬、0.1%SDS、0.1
%ピロ燐酸ナトリウムと、2×SSC、0.1%SDS
と、0.5×SSCと、0.1×SSCとにより2回洗
浄した(65℃、30分間)。次いで、乾燥したフイル
タを予備フラツシユしたコダツクX−ARフイルムに強
化スクリーン(Cawo社)を用いて−70℃にて48
時間露出させた。
【0092】図16はヒブリド化の結果を示している。
図16に見られるように、それぞれ異なるひとDNA
(DR7/7(レーン1)、DR6/6(レーン2)、
DR3/6(レーン3)およびDR11/1(レーン
4))は各制限エンドヌクレアーゼにつき異なる電気泳
動パターンを示す。したがつて、本発明の試料を用い
る種々のHLA/DR判定された個体からのDNAのサ
ウザンブロツトは、異なるHLA−DR特異性を有する
個体から簡単かつ経済的に区別することができる
さらに、この判定方法および生産物で得られた簡単なブ
ロツトパターンは従来の判定方法では可能でなかつたよ
うな判定を可能にし、したがつて従来のHLA−DR群
における各種のサブ群を同定しかつ区別することがで
き、しかも種々の病気に対するこれらサブ群の感受性を
より良好に決定することができる。
【0093】 図16のレーン5はねずみDNAであ
る。** 上記の「判定」方法は10〜20mlの血液を用
いて行うことができ、100回または1000回の試験
まで用意に規模拡大される。
【0094】勿論、特定の制限DNAのヒブリド化部分
の検出はP32−標識試料により行なう必要がないことを
了解すべきである。寧ろ、他のヒブリド化検出方法を同
等に使用することができる。この種の方法は、試料を染
色活性化剤、検出酵素、アビジンまたは他の検出手段に
結合させることを含む。
【0095】本発明のcDNA挿入物の合成試料を使用
する改良HLA−DR判定 短かい(19塩基)のオリゴヌクレオチドDNA断片を
用いるサウザンブロツトの条件下におけるヒブリド化
は、完全に適合する配列(同一もしくは対立)を非適合
配列(異なる配列または対立)から区別しうることを示
している。たとえば、ビー・ジエー・コナー等、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA、第80巻、
第278〜282頁(1983)。
【0096】本発明のHLA−DR−β−cDNAのヌ
クレオチド配列を分析し、そしてこれら配列内に配列の
相違(多形質的相違を含む)を示す少なくとも3つの領
域を確認した。これらの3つの領域は次の通りである:
(1)アミノ酸8〜14に対する暗号化配列;(2)ア
ミノ酸26〜32に対する暗号化配列;および(3)ア
ミノ酸72〜78に対する暗号化配列(図17)。さら
に、異なるDR−β鎖遺伝子ならびにDCおよびSBβ
−鎖遺伝子のうち同一である領域(アミノ酸39〜45
に対する暗号化配列)も確認した。
【0097】不適合の3つの領域(図17における黒
丸)を画成する合成オリゴヌクレオチド(19−化合
体)の試料を調製した。第9図の指示した領域は、2種
のHLA−DR−β cDNAクローンの3つの領域の
それぞれにつき調製した特定の19−化合体を示してい
る。これら19−化合体のそれぞれは2個以上の不適合
部分を有するので、各試料につきHLA−DR配列の明
確な区別を行なうことができる。さらに、19−化合体
を上記のように同族領域から調製して、陽性ヒブリド化
比較として使用することができる。
【0098】同様にして、他のHLA−DR−β鎖遺伝
子のうち不適合および同一の領域から19−化合体DN
A試料のコレクシヨンを作成することができる。かくし
て、それぞれの試料は所定のDR特異性に対し特定的で
ある。したがつて、試料コレクシヨンおよび比較のヒブ
リド化は、多数の個体の迅速かつ正確なDR判定を可能
にする。
【0099】本発明のDNA配列の発現 蛋白質の生産レベルは2つの主たる因子により支配され
る:すなわち細胞内のその遺伝子のコピー数およびこれ
ら遺伝子コピーが転写しかつ翻訳する効率である。転写
および翻訳の効率(これらは一緒になつて発現を構成す
る)は、通常、所望の暗号化配列の前方に位置するヌク
レオチド配列に依存する。これらのヌクレオチド配列ま
たは発現制御配列は、特にRNAポリメラーゼが反応し
て転写を開始する位置(プロモータ配列)およびリボソ
ームがmRNAと結合して相互反応し(転写生産物)翻
訳を開始する位置を規定する。この種の発現制御配列
は、必らずしも同等な効率で機能しない。したがつて、
所望の蛋白質に関する特異的暗号化配列を隣接するヌク
レオチド配列から分離し、そしてこれを他の発現制御配
列に融合させて高レベルの発現を得ることが有利であ
る。これが達成されると、新たに作成されたDNA断片
をマチルコピーのプラスミドまたはバクテリオフアージ
誘導体に挿入して、細胞内における遺伝子コピー数を増
大させ、かくして発現蛋白質の収率をさらに向上させる
ことができる。
【0100】したがって、広範囲の宿主−発現制御配列
のベクター組合せを使用して、本発明の方法により適当
な暗号化配列を挿入することによつてHLA−DR−β
鎖と同様なポリペプチドを生産することができる。たと
えば、有用なベクターは染色体、非染色体および合成の
DNA配列の断片からなり、たとえば col El,
pCRI,pBR322およびその誘導体を含めイー・
コリからの各種公知の細菌プラスミド、広範囲の宿主プ
ラスミド、たとえばRP4、フアージDNA、たとえば
多くのフアージλの誘導体ならびに上記の組合せから得
られるベクター、たとえばpBR322、フアージλの
一部および合成部分を含むベクターが包含される。有用
な宿主はたとえばイー・コリの菌株、たとえばイー・コ
リK12MC1061、イー・コリHB101、イー・
コリ×1776、イー・コリ×2282、イー・コリM
RCIのような細菌性宿主ならびにシユウドモナス、枯
草菌、高熱細菌およびその他細菌類、酵母およびその他
の真菌類の菌株、動物もしくは植物宿主、たとえば動物
(ひとを含む)もしくは植物の培養細胞またはその他の
宿主を包含することができる。有用な発現制御配列はイ
ー・コリのラクトースオペロンのオペレータ、プロモー
タならびにリボゾーム結合および相互作用配列(「la
c系」)、イー・コリのトリプトフアンシンセターゼ系
の対応する配列(「trp系」)、フアージλの主オペ
レータおよびプロモータ領域(OLL およびOR I
R )、フアージfdコート蛋白質の制御領域、または原
始核細胞もしくは成熟核細胞およびそのウイルスの遺伝
子の発現を制御かつ促進するその他の配列、或いは各種
のこれらの組合せを包含することができる。
【0101】勿論、必ずしも全ての宿主−発現制御配列
−ベクター組合せ物が、特定のHLA/DR暗号化配列
につき同等の効果を有するとは限らない。しかしなが
ら、上記したように、生物安全性の観点から特定の構造
につき本発明のHLA−DR−β暗号化配列に使用しう
る部位、発現すべきHLA−DR−β鎖ポリペプチドの
寸法、宿主細胞酵素による蛋白質分解に対するポリペプ
チドの感受性、精製の際除去するのが困難な宿主細胞蛋
白質によるポリペプチドの汚染、HLA−DR−β暗号
化配列の発現特性、たとえばDNA暗号化配列の構造お
よび発現制御配列に関する開始および停止コドンの位
置、ならびに当業者に認識されたその他の因子を考慮し
て、本発明のHLA/DR−β−鎖暗号化配列をベクタ
ーにおける発現制御配列へ作用結合させる適当な組合せ
を選択し、これを使用して宿主を形質転換させ、その宿
主を培養して挿入暗号化配列により暗号化されるポリペ
プチドを生産することができる。
【0102】DNA配列および発現制御配列をベクター
中に挿入するための種々の方法が当業界で知られてい
る。たとえば、これらは直接的結合、合成リンカ、エキ
ソヌクレアーゼおよびポリメラーゼ結合した修復反応に
続く結合、或いはDNAポリメラーゼによるDNA鎖の
延長および適当な単一鎖雛型の作成に続く結合を包含す
る。さらに、当業者はこれら方法の1種もしくはそれ以
上を選択して、本発明の範囲を逸脱することなく本発明
のDNA配列を発現させることができる。
【0103】さらに、本発明の選択宿主−発現制御配列
−ベクター組合せにおいて発現された実際のHLA/D
R−β−鎖暗号化配列は、標準のHLA−DR−β−鎖
抗原とは同一でない生産物を生成しうることを了解すべ
きである。たとえば、発現された暗号化配列は、HLA
−DR−β−鎖とは無関係なHLA−DR−β鎖プラス
メチオニンもしくはその他アミノ酸を暗号化しうるであ
ろう。或いは、発現されたDNA配列は、HLA−DR
−β鎖の1部のみ、或いはメチオニンもしくはその他の
アミノ酸と共に暗号化しうるであろう。これらの作成お
よび生産物も本発明に包含される。たとえば、HLA−
DR−β−鎖状のポリペプチドを暗号化するヌクレオチ
ド配列により形質転換された宿主は、その化合物のみを
生産しうるか、または他のアミノ酸と融合させうるか、
或いはその生産物を分泌することができる。発酵培養物
から単離した後、または慣用の処理方法、たとえば開
裂、合成結合またはその他周知の方法による処理の後、
生産物がHLA−DR−β−鎖抗原の免疫学的もしくは
生物学的活性を示すことのみが必要とされる。
【0104】精製後の上記HLA−DR−ポリペプチド
またはそれに対して生成される抗体を使用して、慣用の
HLA−DR判定法もしくはキツトにおいて個体を判定
するのに使用することができ、或いはその他の診断、予
防もしくは治療剤もしくは方法に使用することができ
る。
【0105】本発明の方法により作成される微生物およ
び組換DNA分子は、メリーランド州・ロツクビル在の
アメリカン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨンに19
82年7月28日付けで寄託され、かつ次のDR−β−
A、DR−β−BおよびDR−β−C:
【0106】
【化2】
【0107】として同定された培養物を例とする。
【0108】これら培養物は、それぞれ寄託番号ATC
C39164、39163および39165を得てい
る。
【0109】以上、本発明の多くの具体例につき説明し
たが、この基本構成を改変して本発明の方法および組成
物を使用する他の具体例を与えうることが明らかであ
る。したがって、本発明の範囲は上記実施例のみに限定
されることなく、種々の改変をなしうることが了解され
よう。
【0110】
【発明の効果】ひとリンパ球抗原複合体のDR−β−鎖
部位の免疫学的もしくは生物学的活性を示すポリペプチ
ドおよびその製造方法並びに診断判定方法および判定用
生産物につき開示する。β−鎖DR部位を暗号化するD
NA配列は、簡単かつ効率的な判定方法および生産物に
おいて有用であり、かつ診断、予防および治療剤に使用
するHLA−DR−β−鎖の抗原の免疫学的もしくは生
物学的活性を示すポリペプチドを発現するのに有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】染色体6および短腕上のHLA部位の位置を示
す略図である。
【図2】本発明のクローン化法における一具体例の略図
である。
【図3】本発明のクローン83−7,68−6,DR−
β1 ,DR−β2 およびIa−βの部位制限地図であ
り、この地図に示された制限部位は正確でないが、慣用
のヌクレオチド配列はこれらの部位の正確な位置の決定
を可能にすることを示す。
【図4】HLA−DR−β−A,HLA−DR−β−
B,HLA−DR−β−CおよびHLA−DR−β−D
のcDNA配列の部位制限地図である。
【図5】cDNA配列HLA−DR−β−Aの配列決定
方法を示す説明図である。
【図6】cDNA配列HLA−DR−β−Aのヌクレオ
チドおよびアミノ酸配列を示す説明図である。
【図7】図6と同じcDNA配列HLA−DR−β−A
のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示す説明図であ
る。
【図8】図6と同じcDNA配列HLA−DR−β−A
のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示す説明図であ
る。
【図9】図6と同じcDNA配列HLA−DR−β−A
のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示す説明図であ
る。
【図10】cDNA配列HLA−DR−β−Aから推測
されるアミノ酸配列と、DR2の同型接合系から単離さ
れたIa抗原β−鎖につきクラツチンにより決定された
アミノ酸配列と、DR3,W6細胞系からラールハンマ
ーにより単離されたcDNAクローンから推測されるア
ミノ酸配列との比較図である。
【図11】図10と同じcDNA配列HLA−DR−β
−Aから推測されるアミノ酸配列と、DR2の同型接合
系から単離されたIa抗原β−鎖につきクラツチンによ
り決定されたアミノ酸配列と、DR3,W6細胞系から
ラールハンマーにより単離されたcDNAクローンから
推測されるアミノ酸配列との比較図である。
【図12】図10と同じcDNA配列HLA−DR−β
−Aから推測されるアミノ酸配列と、DR2の同型接合
系から単離されたIa抗原β−鎖につきクラツチンによ
り決定されたアミノ酸配列と、DR3,W6細胞系から
ラールハンマーにより単離されたcDNAクローンから
推測されるアミノ酸配列との比較図である。
【図13】図10と同じcDNA配列HLA−DR−β
−Aから推測されるアミノ酸配列と、DR2の同型接合
系から単離されたIa抗原β−鎖につきクラツチンによ
り決定されたアミノ酸配列と、DR3,W6細胞系から
ラールハンマーにより単離されたcDNAクローンから
推測されるアミノ酸配列との比較図である。
【図14】cDNA配列HLA−DR−β−Bのヌクレ
オチドおよびアミノ酸配列を示す説明図である。
【図15】図14と同じcDNA配列HLA−DR−β
−Bのヌクレオチドおよびアミノ酸配列を示す説明図で
ある。
【図16】本発明の判定方法の一具体例を使用して判定
された4種の個体(DR7/7,6/6,3/6および
1/1)からのDNAのサウザンブロツト図である。
【図17】cDNAクローンHLA−DR−β−Aおよ
びHLA−DR−β−Bの暗号化領域間におけるヌクレ
オチド配列不適合の3つの領域を示す説明図であり、黒
丸はヌクレオチド不適合を示し、かつ枠はこれら配列か
ら調製された19−化合体を示す。
フロントページの続き (72)発明者 クライア テレス ウエイク アメリカ合衆国、マサチューセッツ 02145、ソマービル、キッダー ストリー ト 33番

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DNA挿入物DR−β−C(ATCC
    39165)、DR−β−C(ATCC 39165)
    のDNA挿入物の発現部分、およびHLA−DR部位の
    β−鎖抗原の免疫学的もしくは生物学的活性を示すポリ
    ペプチドをコードするこれらの断片よりなる群から選択
    されるヌクレオチド配列を有するDNA。
  2. 【請求項2】 DNAが、ひとリンパ球抗原複合体のH
    LA−DR部位のβ−鎖抗原の免疫学的もしくは生物学
    的活性を示すポリペプチドをコードするヌクレオチド配
    列を有しており、かつ前記DNAはDNA挿入物DR−
    β−C(ATCC 39165)、DR−β−C(AT
    CC 39165)のDNA挿入物の発現部分、および
    HLA−DR部位のβ−鎖抗原の免疫学的もしくは生物
    学的活性を示すポリペプチドをコードするこれらの断片
    よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するこ
    とを特徴とする組換DNA分子。
  3. 【請求項3】 DNA挿入物が前記組換DNA分子の発
    現比較配列と作用的に結合することを特徴とする請求項
    2記載の組換DNA分子。
  4. 【請求項4】 DNAが、ひとリンパ球抗原複合体のH
    LA−DR部位のβ−鎖抗原の免疫学的もしくは生物学
    的活性を示すポリペプチドをコードするヌクレオチド配
    列を有しており、かつ前記DNAを単離することよりな
    る組換DNA分子で形質転換した宿主を培養する工程よ
    りなるひとリンパ球抗原複合体のHLA−DR部位のβ
    −鎖抗原の少なくとも一つをコードするヌクレオチド配
    列を有するDNAの製造方法において、前記DNAは、
    DNA挿入物DR−β−C(ATCC 39165)、
    DR−β−C(ATCC 39165)のDNA挿入物
    の発現部分、およびHLA−DR部位のβ−鎖抗原の免
    疫学的もしくは生物学的活性を示すポリペプチドをコー
    ドするこれらの断片よりなる群から選択されるヌクレオ
    チド配列を有することを特徴とするDNAの製造方法。
  5. 【請求項5】 判定すべき個体から単離したDNAを少
    なくとも1種の制限エンドヌクレアーゼによって制限
    し、制限されたDNAを寸法分画し、寸法分画されたD
    NAを、ひとリンパ球抗原複合体のHLA−DR部位の
    β−鎖抗原の免疫学的もしくは生物学的活性を示すポリ
    ペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するDNA
    にヒブリド化し、かつヒブリド化の領域を検出する工程
    で、前記DNAは、DNA挿入物DR−β−C(ATC
    C 39165)、DR−β−C(ATCC 3916
    5)のDNA挿入物の発現部分、およびHLA−DR部
    位のβ−鎖抗原の免疫学的もしくは生物学的活性を示す
    ポリペプチドをコードするこれらの断片よりなる群から
    選択されるヌクレオチド配列を有することを特徴とする
    HLA−DR判定方法。
  6. 【請求項6】 DNAが、ひとリンパ球抗原複合体のH
    LA−DR部位のβ−鎖抗原の免疫学的もしくは生物学
    的活性を示すポリペプチドをコードするヌクレオチド配
    列を有しており、かつ前記DNAはDNA挿入物DR−
    β−C(ATCC 39165)、DR−β−C(AT
    CC 39165)のDNA挿入物の発現部分、および
    HLA−DR部位のβ−鎖抗原の免疫学的もしくは生物
    学的活性を示すポリペプチドをコードするこれらの断片
    よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するこ
    とを特徴とするHLA−DR判定キット。
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