JPH07147407A - 薄膜トランジスタ素子およびその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ素子およびその製造方法

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JPH07147407A
JPH07147407A JP29303993A JP29303993A JPH07147407A JP H07147407 A JPH07147407 A JP H07147407A JP 29303993 A JP29303993 A JP 29303993A JP 29303993 A JP29303993 A JP 29303993A JP H07147407 A JPH07147407 A JP H07147407A
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真弓 井上
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弘 江崎
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伸行 坪井
Tatsuhiko Tamura
達彦 田村
Mamoru Takeda
守 竹田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】第1の絶縁膜の耐フッ酸性と絶縁耐圧を達成す
ることができる薄膜トランジスタ素子およびその製造方
法を提供する。 【構成】絶縁性基板1上に形成された第1の電極2と、
この第1の電極2の表面に陽極酸化により形成した耐圧
性のある層と耐フッ酸性のある層を含む2層以上の第1
の絶縁膜3と、この第1の絶縁膜3上に陽極酸化以外の
手段によって形成された第2の絶縁膜4と、この第2の
絶縁膜4上に形成されたチャンネルストッパ層6を含む
半導体層5と、この半導体層5上に形成された第2の電
極7とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示装置等に利
用できる薄膜トランジスタ素子およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置を構成するアクティ
ブマトリクス基板における薄膜トランジスタ(以下TF
Tと略する)の構造を、図2の部分断面図を用いて説明
する。非晶質シリコン薄膜トランジスタは、ガラスや石
英などの絶縁性基板1上に第1の電極たとえばアルミニ
ウムからなるゲ−ト電極8が形成され、そのゲ−ト電極
8を覆うようにしてアルミニウムを陽極酸化することに
よって第1のゲ−ト絶縁膜9が形成され、さらに窒化シ
リコンの第2のゲ−ト絶縁膜10を介して非晶質シリコ
ン半導体層(a−Si層)11とチャンネルストッパ層
12が形成され、チタンおよびアルミニウムからなるソ
−ス電極13aおよびドレイン電極13bがリンを含む
非晶質シリコン半導体層(n+ a−Si層)11a,1
1bを介して形成されている。
【0003】このようなTFTの製造方法における製作
工程の例は図3に示す通りである。まず、図3(a)の
ように絶縁性基板1上にアルミニウム(Al)を製膜し
て、フォトリソグラフィ技術によりゲ−ト電極8を形成
する。次に図3(b)のようにゲ−ト電極8の必要部分
に陽極酸化することにより、酸化アルミニウム(AlO
x)の第1のゲ−ト絶縁膜9を形成する。次に図3
(c)のようにTFTの主材料である窒化シリコン(S
iNx )からなる第2のゲ−ト絶縁膜10、非晶質半導
体層(a−Si層)11、チャンネルストッパ層12お
よびソ−ス・ドレイン電極13a,13bと半導体間で
オ−ミック接触を得るためのn+ a−Si層11a,1
1bをプラズマCVD法により連続製膜し、図3(d)
のようにTFTを形成する部分以外のチャンネルストッ
パ層12とa−Si層11およびn+a−Si層11
a,11bをエッチング除去する。最後に図3(e)の
ようにAlを製膜してフォトリソグラフィ技術によりソ
−ス電極13aおよびドレイン電極13bを形成し、T
FTのチャンネル部上のn+ a−Si層11a,11b
を除去してTFTが完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来例は、陽極酸化によって形成された第1のゲ−ト絶縁
膜9において、後工程のチャンネルストッパ層12の形
成のためのBHFエッチング中に、たとえば図3(c)
の第2のゲ−ト絶縁膜10の欠陥部17などによる陽極
酸化膜である第1のゲート絶縁膜9の露出部で、図3
(d)のように第1のゲート絶縁膜9がフッ酸によって
エッチングされ、第1のゲ−ト絶縁膜9が薄くなること
により、低耐圧部が発生するという問題点があった。
【0005】これに対して、耐フッ酸性に優れた第1の
ゲート絶縁膜9を形成しようとすると、膜表面の凹凸が
大きくなって、絶縁耐圧を低下させるという問題点もあ
った。その結果、図2のようにゲート電極8−ドレイン
電極13b間が短絡15する可能性があった。
【0006】したがって、この発明の目的は、第1の絶
縁膜の耐フッ酸性と絶縁耐圧を達成することができる薄
膜トランジスタ素子およびその製造方法を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の薄膜トランジ
スタ素子は、絶縁性基板上に形成された第1の電極と、
この第1の電極の表面に陽極酸化により形成した耐圧性
のある層と耐フッ酸性のある層を含む2層以上の第1の
絶縁膜と、この第1の絶縁膜上に陽極酸化以外の手段に
よって形成された第2の絶縁膜と、この第2の絶縁膜上
に形成されたチャンネルストッパ層を含む半導体層と、
この半導体層上に形成された第2の電極とを備えたもの
である。
【0008】請求項2の薄膜トランジスタ素子の製造方
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の電解液
の有機溶媒に、第1層は水を30%以下含み、第2層は
水を60%以上含むことにより、耐圧性のある層と耐フ
ッ酸性のある層を形成するものである。請求項3の薄膜
トランジスタ素子の製造方法は、請求項1記載の薄膜ト
ランジスタ素子の製造方法であって、第1の絶縁膜を形
成する陽極酸化時の電流値が、第1層は1mA/cm2
より大きく、第2層は1mA/cm2 以下とすることに
より、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を形成する
ものである。
【0009】請求項4の薄膜トランジスタ素子の製造方
法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法
であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の温度
が、第1層は30℃以下であり、第2層は50℃以上と
することにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層
を形成するものである。請求項5の薄膜トランジスタ素
子の製造方法は、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子
の製造方法であって、第1の絶縁膜の少なくとも一層を
形成する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含むもので
ある。
【0010】請求項6の薄膜トランジスタ素子の製造方
法は、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に
おいて、第1の電極をAlまたはTaを主成分とした薄
膜とするものである。
【0011】
【作用】請求項1の薄膜トランジスタ素子によれば、第
1の電極上に陽極酸化により形成する第1の絶縁膜を、
耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を含む2層以上に
形成したため、第2の絶縁膜の欠陥部などによりチャン
ネルストッパ層の形成の際のBHFエッチング中に欠陥
部等を通して第1の絶縁膜がエッチングされ、低耐圧部
が発生するのを防止でき、このため耐フッ酸性と絶縁耐
圧を同時に向上できるので、ゲート電極とソース電極間
等の短絡を防止することができる。
【0012】請求項2の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電解液の有機溶媒に、第1層は水を30%以下含み、第
2層は水を60%以上含むことにより、耐圧性のある層
と耐フッ酸性のある層を形成するため、ゲート電極とソ
ース電極間等の短絡のない薄膜トランジスタ素子が形成
できるので、歩留りを向上することができる。
【0013】請求項3の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電流値が、第1層は1mA/cm2 より大きく、第2層
は1mA/cm2 以下とすることにより、耐圧性のある
層と耐フッ酸性のある層を形成するため、請求項2と同
作用がある。
【0014】請求項4の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
温度が、第1層は30℃以下であり、第2層は50℃以
上とすることにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性のあ
る層を形成するため、同作用がある。請求項5の薄膜ト
ランジスタ素子の製造方法によれば、請求項1記載の薄
膜トランジスタ素子の製造方法であって、第1の絶縁膜
の少なくとも一層を形成する際の陽極酸化時の電解液に
フッ素を含むため、請求項2と同作用がある。
【0015】請求項6の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項2、請求項3、請求項4または請求
項5において、第1の電極をAlまたはTaを主成分と
した薄膜とするため、請求項2、請求項3、請求項4ま
たは請求項5の作用のほか、第1の電極が単一層および
積層のいずれの場合でも、第1の絶縁膜の形成が容易に
できる。
【0016】
【実施例】この発明の第1の実施例を図1に基づいて説
明する。すなわち、図1は薄膜トランジスタ素子の製造
工程を示す部分断面図であり、1は薄膜トランジスタ素
子の絶縁性基板であり、ガラス基板を用いている。2は
絶縁性基板1上に形成されたストライプ状のAl膜のゲ
ート電極である第1の電極である。3は第1の電極2の
表面に陽極酸化により形成した耐圧性のある第1層3a
と耐フッ酸性のある第2層3bからなるAl2 3 のゲ
ート絶縁膜である第1の絶縁膜である。4は第1の絶縁
膜3上に陽極酸化以外の手段によって形成されたSiN
x (窒化シリコン絶縁膜)のゲート絶縁膜である第2の
絶縁膜である。5はa−Si層(非晶質シリコン半導体
層)の半導体層である。6はSiNx 膜のチャンネルス
トッパ層である。7は第1の電極2に直交したソース電
極である第2の電極である。
【0017】この実施例によれば、第1の電極2上に形
成する第1の絶縁膜3を陽極酸化により、耐圧性のある
第1層3aと耐フッ酸性のある第2層3bを含むため、
図1(d)のように第2の絶縁膜4の欠陥部17などに
よりチャンネルストッパ層6の形成の際のBHFエッチ
ング中に欠陥部17を通して第1の絶縁膜3がエッチン
グされ低耐圧部が発生するのを防止でき、耐フッ酸性と
絶縁耐圧を同時に向上できるので、ゲート電極である第
1の電極2とソース電極である第2の電極7間等の短絡
を防止することができる。
【0018】なお、第1の絶縁膜3は2層以上形成され
てもよい。つぎにこの薄膜トランジスタ素子の製造方法
について説明する。すなわち、図1に示すように、絶縁
性基板1としてのガラス基板上にAl膜を300nm形
成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第1の電
極2として図1(a)のようにゲ−ト電極を完成した。
陽極酸化法により、第1の絶縁膜3の第1層3aとして
図1(b)のようにAl2 3 膜(Alの陽極酸化膜)
を100nm形成した。陽極酸化条件はクエン酸アンモ
ニウムを主成分とし、エチレングリコ−ルを溶媒とする
電解液を30℃に加温し、電流密度5mA/cm2 、所
定電圧70Vまで定電流で行った。続いて第2層3bと
して図1(c)のようにAl2 3 膜を100nm形成
した。陽極酸化条件はクエン酸アンモニウムを主成分と
し、水を溶媒とする電解液を30℃に加温し、電流密度
0.5mA/cm2 、所定電圧140Vまで定電流で行
った。140V到達後は定電圧で電流値が初期の1%に
低下するまで延長した。
【0019】つぎに図1(d)のようにプラズマCVD
法により第2の絶縁膜4としてゲ−ト絶縁膜SiN
x (窒化シリコン絶縁膜)を200nm製膜するととも
に、半導体層5のa−Si(非晶質シリコン半導体層)
を50nmと、その上に設けられるチャンネルストッパ
層6のSiNx 膜を100nm連続製膜した。このチャ
ンネルストッパ層6のSiNx 膜を選択的にエッチング
し、図1(e)のようにチャンネルストッパ層6とし
た。Alの300nmをスパッタリング法で形成した
後、フォトリソグラフィとエッチングにより、図1
(f)のようにソース電極7を形成し、薄膜トランジス
タ素子を完成した。
【0020】また比較測定のため、第1の絶縁膜3を第
1層3aまたは第2層3bのどちらか一層としたサンプ
ルも用意した。これらのサンプルについて、ゲ−ト電極
2とソ−ス電極7間に50V印加したときのショ−ト発
生数を測定した。尚クロスポイントは一枚あたり10万
個有するものを用いた。その結果、第1の絶縁膜3の構
成と欠陥数の関係を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】ここで、第1の実施例のサンプルは、第1
層3aが水系で第2層3bが非水系の場合の欠陥数と、
第1層3aが非水系で第2層3bが水系の場合の欠陥数
を示し、比較のためのサンプルは非水系の場合と水系の
場合の各欠陥数を示している。この表1より、第1の絶
縁膜3を2層構成としたものが良好であることがわかっ
た。
【0023】したがって、この薄膜トランジスタ素子の
製造方法によれば、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある
層を形成したため、ゲート電極2とソース電極7間の短
絡のない薄膜トランジスタ素子が形成できるので、欠陥
のない緻密な第1の絶縁膜3を得ることで、歩留りを向
上することができる。この発明の第2の実施例の薄膜ト
ランジスタ素子の製造方法について説明する。すなわ
ち、絶縁性基板1としてのガラス基板上にAl:Ta膜
を300nm形成し、フォトリソグラフィとエッチング
により第1の電極2としてゲ−ト電極を形成した。第1
の絶縁膜3のAl2 3 膜の第1層3aおよび第2層3
bは、表2に示したように、種々の陽極酸化条件とくに
電解液の溶媒の液組成(水:有機溶媒)と耐HF性の関
係に着目して、各々100nmの厚さに形成した。この
時の陽極酸化条件は、温度30℃、アジピン酸アンモニ
ウムの非水溶液を用いて、電流密度1mA/cm2 であ
った。その他は第1の実施例と同様である。
【0024】第1の絶縁膜3の膜質の評価は、チャンネ
ルストッパ層6の形成時に用いるBHF液によるエッチ
ング量と膜表面の凹凸の観察によって行った。第1層3
aと第2層3bの積層構成の良否の判定は、BHF液の
エッチング量では2分浸漬後の陽極酸化膜の残膜量が3
0nm以上のものを○、0より大きく20nm以下を
△、0以下を×とした。膜表面の凹凸は目検で白濁の感
じられるものを×とした。これら2点より両方を満足す
るものを○とした。
【0025】
【表2】
【0026】表2を参照すると、第1層3aと第2層3
bの液組成の構成が、第1層(水:有機溶媒)/第2層
(水:有機溶媒)として、20:80 /60:40 ,20:80 /8
0:20,30:70 /60:40 ,30:70 /80:20 の4種類でよい
結果が得られた。つぎに、実施例1と同様に4種類の積
層構成の薄膜トランジスタ素子を作製し、これらのサン
プルについてゲ−ト電極2とソ−ス電極7間に50V印
加したときのショ−ト発生数を測定した。その結果、い
ずれも欠陥数はゼロであった。
【0027】したがって、第1の絶縁膜3を形成する陽
極酸化時の電解液の溶媒として有機溶媒に、第1層3a
は水を30%以下含み、第2層3bは水を60%以上含
むことにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を
形成し得ることがわかる。これにより、第1の実施例と
同様の効果を得ることができる。この発明の第3の実施
例の薄膜トランジスタ素子の製造方法について説明す
る。すなわち、実施例2と同様に、ガラス基板上にA
l:Ta膜を300nm形成し、フォトリソグラフィと
エッチングにより第1の電極2としてゲ−ト電極を形成
した。第1の絶縁膜3のAl2 3 膜の第1層3aおよ
び第2層3bは、表3に示したように、種々の陽極酸化
条件とくに電流密度と耐HF性の関係に着目して、各々
100nmの厚さに形成した。この時の陽極酸化条件
は、温度30℃、アジピン酸アンモニウムの非水溶液を
用いて行った。その他は第1の実施例と同様である。ま
た膜質評価は実施例2と同様である。
【0028】
【表3】
【0029】表3を参照すると、第1層3aと第2層3
bの構成が、第1層の電流密度/第2層の電流密度とし
て、5mA/cm2 /0.1mA/cm2 ,5mA/cm2 /0.5mA/cm2 ,5m
A/cm 2 /1mA/cm2 ,10mA/cm2/0.1mA/cm2 ,10mA/cm2
0.5mA/cm2 ,10mA/cm2/1mA/cm2 の6種類でよい結果が
得られた。また実施例1と同様に6種類の積層構成の薄
膜トランジスタ素子を作製し、これらのサンプルについ
てゲ−ト電極2とソ−ス電極7間に50V印加したとき
のショ−ト発生数を測定した。その結果、いずれも欠陥
数はゼロであった。
【0030】したがって、第1の絶縁膜3を形成する陽
極酸化時の電流値が、第1層3aは1mA/cm2 より
大きく、第2層3bは1mA/cm2 以下とすることに
より、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を形成し得
ることがわかる。この発明の第4の実施例の薄膜トラン
ジスタ素子の製造方法について説明する。すなわち、実
施例2と同様に、ガラス基板上にAl:Ta膜を300
nm形成し、フォトリソグラフィとエッチングにより第
1の電極2としてゲ−ト電極を形成した。第1の絶縁膜
3のAl2 3 膜の第1層3aおよび第2層3bは、表
4に示したように、種々の陽極酸化条件とくに温度すな
わち電解液の浴温と耐HF性の関係に着目して、各々1
00nmの厚さに形成した。この時の陽極酸化条件は、
アジピン酸アンモニウムの非水溶液を用いて電流密度1
mA/cm2 で行った。その他は第1の実施例と同様で
あり、また膜質評価は実施例2と同様である。
【0031】
【表4】
【0032】表4を参照すると、第1層3aと第2層3
bの構成が、第1層の温度/第1層の温度として、20℃
/50℃,20℃/60℃,30℃/50℃,30℃/60℃,の4種
類でよい結果が得られた。また実施例1と同様に4種類
の積層構成で薄膜トランジスタ素子を作製し、これらの
サンプルについてゲ−ト電極2とソ−ス電極7間に50
V印加したときのショ−ト発生数を測定した。その結
果、いずれも欠陥数はゼロであった。
【0033】したがって、第1の絶縁膜3を形成する陽
極酸化時の温度が、第1層3aは30℃以下であり、第
2層3bは50℃以上とすることにより、耐圧性のある
層と耐フッ酸性のある層を形成し得ることがわかる。こ
の発明の第5の実施例の薄膜トランジスタ素子の製造方
法について説明する。すなわち、実施例2と同様に、ガ
ラス基板上にAl:Ta膜を300nm形成し、フォト
リソグラフィとエッチングにより第1の電極2としてゲ
−ト電極を形成した。第1の絶縁膜3のAl2 3 膜の
第1層3aおよび第2層3bは、表5に示したように、
種々の陽極酸化条件とくに電解液の添加剤の種類と耐H
F性の関係に着目して:各々100nmの厚さに形成し
た。この時の陽極酸化条件は、アジピン酸アンモニウム
の非水溶液を用いて、温度30℃、電流密度1mA/c
2 で行った。その他は第1の実施例と同様であり、ま
た膜質評価は実施例2と同様である。
【0034】
【表5】
【0035】表5を参照すると、第1層3aと第2層3
bの構成が、第1層の添加剤/第2層の添加剤として、
なし/HF,NH4 F/なし,NH4 F/NH4 F,N
4F/HF,の4種類でよい結果が得られた。また実
施例1と同様に4種類の積層構成で薄膜トランジスタ素
子を作製し、これらのサンプルについてゲ−ト電極2と
ソ−ス電極7間に50V印加したときのショ−ト発生数
を測定した。その結果、いずれも欠陥数はゼロであっ
た。
【0036】したがって、第1の絶縁膜3の少なくとも
一層を形成する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含む
ことにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を形
成し得ることがわかる。なお、第1の電極2はAlまた
はTaを主成分とした薄膜の単一層および積層構造にす
ると、第1の絶縁膜3の形成が容易にできる。
【0037】
【発明の効果】請求項1の薄膜トランジスタ素子によれ
ば、第1の電極上に陽極酸化により形成する第1の絶縁
膜を、耐圧性のある層と耐フッ酸性のある層を含む2層
以上に形成したため、第2の絶縁膜の欠陥部などにより
チャンネルストッパの形成の際のBHFエッチング中に
欠陥部等を通して第1の絶縁膜がエッチングされ、低耐
圧部が発生するのを防止でき、このため耐フッ酸性と絶
縁耐圧を同時に向上できるので、ゲート電極とソース電
極間等の短絡を防止することができるという効果があ
る。
【0038】請求項2の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電解液の有機溶媒に、第1層は水を30%以下含み、第
2層は水を60%以上含むことにより、耐圧性のある層
と耐フッ酸性のある層を形成するため、ゲート電極とソ
ース電極間等の短絡のない薄膜トランジスタ素子が形成
できるので、歩留りを向上することができる。
【0039】請求項3の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
電流値が、第1層は1mA/cm2 より大きく、第2層
は1mA/cm2 以下とすることにより、耐圧性のある
層と耐フッ酸性のある層を形成するため、請求項2と同
効果がある。
【0040】請求項4の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の製
造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時の
温度が、第1層は30℃以下であり、第2層は50℃以
上とすることにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性のあ
る層を形成するため、同効果がある。請求項5の薄膜ト
ランジスタ素子の製造方法によれば、請求項1記載の薄
膜トランジスタ素子の製造方法であって、第1の絶縁膜
の少なくとも一層を形成する際の陽極酸化時の電解液に
フッ素を含むため、請求項2と同効果がある。
【0041】請求項6の薄膜トランジスタ素子の製造方
法によれば、請求項2、請求項3、請求項4または請求
項5において、第1の電極をAlまたはTaを主成分と
した薄膜とするため、請求項2、請求項3、請求項4ま
たは請求項5の効果のほか、第1の電極が単一層および
積層のいずれの場合でも、第1の絶縁膜の形成が容易に
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の薄膜トランジスタ素
子の製造工程を示す部分断面図である。
【図2】従来の薄膜トランジスタ素子の部分断面図であ
る。
【図3】その薄膜トランジスタ素子の製造工程を示す部
分断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 第1の電極 3 第1の絶縁膜 3a 第1層 3b 第2層 4 第2の絶縁膜 5 半導体層 6 チャンネルストッパ層 7 第2の電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 達彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 竹田 守 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に形成された第1の電極
    と、この第1の電極の表面に陽極酸化により形成した耐
    圧性のある層と耐フッ酸性のある層を含む2層以上の第
    1の絶縁膜と、この第1の絶縁膜上に前記陽極酸化以外
    の手段によって形成された第2の絶縁膜と、この第2の
    絶縁膜上に形成されたチャンネルストッパ層を含む半導
    体層と、この半導体層上に形成された第2の電極とを備
    えた薄膜トランジスタ素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の
    製造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時
    の電解液の有機溶媒に、第1層は水を30%以下含み、
    第2層は水を60%以上含むことにより、耐圧性のある
    層と耐フッ酸性のある層を形成することを特徴とする薄
    膜トランジスタ素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の
    製造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時
    の電流値が、第1層は1mA/cm2 より大きく、第2
    層は1mA/cm2 以下とすることにより、耐圧性のあ
    る層と耐フッ酸性のある層を形成することを特徴とする
    薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の
    製造方法であって、第1の絶縁膜を形成する陽極酸化時
    の温度が、第1層は30℃以下であり、第2層は50℃
    以上とすることにより、耐圧性のある層と耐フッ酸性の
    ある層を形成することを特徴とする薄膜トランジスタ素
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の薄膜トランジスタ素子の
    製造方法であって、第1の絶縁膜の少なくとも一層を形
    成する際の陽極酸化時の電解液にフッ素を含むことを特
    徴とする薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1の電極がAlまたはTaを主成分と
    した薄膜である請求項2、請求項3、請求項4または請
    求項5記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
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