JPH07146465A - カラー液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラーフィルタを用いないで明るいカラー表
示が得られるとともに表示色の切換えが簡単な構造で実
現できるカラー液晶表示装置を提供する 【構成】 駆動電圧Ｖ0，Ｖ1，Ｖ2に応じて異なる色を
表示する液晶表示体３と、色指定信号に応じて駆動電圧
Ｖ0，Ｖ1を相互に切り換え、これら駆動電圧Ｖ0，Ｖ1の
何れか一方と駆動電圧Ｖ2とから表示データに応じた駆
動電圧を選択する駆動制御回路５とを備えている。液晶
表示体３の各信号電極Ｙａ，…，Ｙｉ，…に２個ずつ接
続されたトランスファゲート５３ａ0，…，５３ｉ1，…
は、制御部５７の出力する表示データに対応してオン／
オフし、駆動電圧Ｖ0若しくは駆動電圧Ｖ1の何れか一方
と駆動電圧Ｖ2の何れかが選択される。また、制御部５
７の出力する色変換データに対応して、駆動電圧Ｖ0の
供給をオン／オフするＰＭＯＳ６０と、駆動電圧Ｖ1の
供給をオン／オフするＮＭＯＳ６１のオン／オフが切り
換わり、信号電極Ｙａ，…，Ｙｉ，…に印加される駆動
電圧Ｖ0，Ｖ1が切り換えられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラー液晶表示装置に
係り、詳細には、液晶の複屈折性を利用してカラー表示
を行うカラー液晶表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、テレビやパーソナルコンピュータ
や腕時計などにおける表示装置として、液晶表示装置が
公知であり、近年、液晶カラーテレビやコンピュータ端
末のカラーディスプレイなどのように、有彩色の表示を
行うことのできるカラー液晶表示装置も一般化してきて
いる。

【０００３】カラー液晶表示装置においては、一般に、
その表示体は、液晶セルを一対の偏光板で挟み、一方の
偏光板の外側にバックライト（照明光源）を配置した透
過型のものである。その場合の液晶セルは、相対峙する
一対の透明電極の間に液晶を挟んでできていて、その一
方の透明電極側に特定の波長光を選択的に透過させるカ
ラーフィルタが設けられている。

【０００４】そして、一対の透明電極間に印加する駆動
電圧をオン／オフすることによって、バックライトの光
が液晶表示体を透過したりしなかったりする。バックラ
イトの光は、液晶表示体の内のカラーフィルタを透過す
る際にそのカラーフィルタにより選択透過される特定の
色に着色される。その着色された透過光が液晶表示体か
ら出射して、カラーフィルタの色に着色された表示が得
られる。

【０００５】つまり、従来の液晶表示体では、液晶セル
は単に光スイッチとして機能しているだけであり、光の
着色はカラーフィルタによりなされている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カラー
フィルタは一般に光透過率が小さい為、上記従来のカラ
ーフィルタを用いるカラー液晶表示装置では透過光の光
損失が大きくなり、表示が暗くなる傾向がある。特に、
電卓や時計等のそれほど精細な表示を要しない簡易的な
表示部に用いる反射型の液晶表示装置は、専用の光源
（バックライト）を備えていない上に、カラーフィルタ
を設けた場合に反射前と反射後とで二度カラーフィルタ
を透過する為に光損失が顕著に多くなり、表示の明るさ
が極端に低下する。従って、反射型液晶表示装置のカラ
ーフィルタによるカラー化は極めて困難となる。

【０００７】又、カラーフィルタを用いる場合、カラー
フィルタを透過する光はそのカラーフィルタにより選択
透過（分光）された波長光の色を呈するだけで透過光の
色を変えることはできないから、表示色を変えるには分
光特性が異なる別のカラーフィルタを透過した光を混ぜ
る必要がある。従って、単に３〜５色程度の多色表示を
行う簡易マルチカラー液晶表示装置であっても、カラー
フィルタや液晶セル及びその駆動回路等の液晶表示装置
の構造が大幅に複雑化し高価なものとなる。

【０００８】加えて、カラーフィルタは、偏光板等の他
の光学素子と同様に厚さ等の寸法やその組み付けに高精
度が要求され、液晶表示装置のコストアップの原因とな
る。

【０００９】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、カラーフィルタを用いな
いで明るいカラー表示が得られるとともに表示色の切換
えが簡単な構造で可能なカラー液晶表示装置を提供する
ことにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、対向する一対の電極間に液晶層が介装さ
れてなる液晶セルの、少なくとも光が入射する側の面
に、直接又は位相差板を介して偏光板が配置されてなる
液晶表示体を備え、前記液晶層を透過する光を液晶の複
屈折作用により楕円偏光させ、前記液晶層に印加する液
晶駆動電圧を変えて液晶層のリタデーションを変化させ
ることにより楕円偏光の偏光状態を変化させ透過光の色
を変化させるカラー液晶表示装置であって、色指定信号
を発生する色指定入力手段と、少なくとも前記一対の電
極の一方に供給する為の３種類以上の相異なる大きさの
駆動電圧を発生する駆動電圧発生回路と、前記駆動電圧
から前記一対の電極に供給する駆動電圧を前記色指定信
号に応じて切り換える駆動電圧切換手段と、供給される
駆動電圧から表示データに対応する駆動電圧を選択する
電圧選択手段と、前記一対の電極間に前記電圧選択手段
が選択した駆動電圧からなる液晶駆動電圧を印加する液
晶駆動回路と、を備えたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】上記カラー液晶表示装置によれば、印加する駆
動電圧値に対応して異なる色を表示する液晶表示体の電
極に、表示データに対応して印加される駆動電圧を色指
定信号に応じて切り換えて印加するので、カラーフィル
タを用いることなく、前記電極に印加する駆動電圧の種
類数に対応した色数のカラー表示が可能となる。

【００１２】従って、カラーフィルタを用いる場合に較
べて、カラーフィルタによる光の透過損失がなくなるの
で、明るい表示が得られ、透過型は勿論、バックライト
を必要としない反射型の液晶表示体においてもカラー表
示が可能となり、液晶表示装置の低廉化、薄型化及び低
消費電力化が達成される。

【００１３】又、例えばキー等で入力された色指定信号
に応じて駆動電圧を３種類以上に切り換えるから、簡単
な構造の液晶セルや駆動回路により操作者の好みに対応
できる３〜５色程度のマルチカラー表示が可能となる

【００１４】

【実施例】本発明に係るカラー液晶表示装置の一実施例
を図１乃至図３に基き、以下に説明する。

【００１５】図１には、本発明に係るカラー液晶表示装
置の一例の断面が模式的に示されている。同図に示すよ
うに、このカラー液晶表示装置１は、液晶表示体３及び
それの駆動を行う駆動制御回路５を備えており、液晶表
示体３に印加する駆動電圧値に応じて異なる色により表
示を行うものである。

【００１６】液晶表示体３は、液晶セル３０を一対の上
偏光板４０及び下偏光板４１で挟み、さらに液晶セル３
０と上偏光板４０との間に位相差板４２を介装するとと
もに、下偏光板４１の下面（液晶表示体３の裏面）に反
射板４３を設けた反射型のものである。

【００１７】液晶セル３０は、一対の透明基板３１，３
２をシール材３３を介して接合し、その内部に液晶層３
４を封入したものである。透明基板３１，３２の相対峙
する面には、夫々予め透明電極３６，３８が形成されて
おり、さらに各透明電極３６，３８を被うように夫々配
向膜３７，３９が形成されている。

【００１８】配向膜３７，３９は、液晶分子の配向方向
を規制する為に設けてあり、例えば配向膜３７，３９表
面を布で擦るラビング等の配向処理を施すことにより、
その配向処理方向に液晶分子の長軸方向が沿うように近
接する液晶分子の配向方向を規制する。これにより、液
晶層３４の液晶分子３４ａの配列状態が、一方の透明基
板３１から他方の透明基板３２に向けて１８０゜〜２７
０゜の角度で捩れる様に並んだ状態となる。即ち、液晶
セル３０は、超捩れネマティック（ＳＴＮ）型液晶セル
である。

【００１９】上記位相差板４２は、上偏光板４０を透過
した直線偏光を楕円偏光させるもので、その光学軸（進
相軸又は遅相軸）を、位相差板４２に隣接する上偏光板
４０の透過軸４０ａに対して所定角度斜めにずらした状
態で配置されている。

【００２０】図２には、上記液晶セル３０における配向
処理方向と上記位相差板４２の光学軸と上記偏光板４
０，４１の透過軸の組合せの一例が、各構成要素毎に模
式的平面図でされている。同図において、片矢印付直線
３１ａ，３２ａは夫々液晶セル３０における下側配向膜
３７及び上側配向膜３９に施された配向処理方向であ
り、両矢印付直線４０ａ，４１ａは夫々上偏光板４０及
び下偏光板４１の透過軸であり、直線４２ａは位相差板
４２の光学軸である。なお、直線Ｓは表示面の左右方向
に沿う基準線であり、説明の便宜上設けた。

【００２１】図２に示すように、液晶セル３０の配向処
理方向３１ａ，３２ａは、基準線Ｓに対して互いに逆方
向に所定角度θずつ傾いた方向に設定されており、これ
により液晶分子３４ａの配向状態は、下側の透明基板３
１側から上側の透明基板３２側に向かって矢印Ｔで示す
角度と方向にツイストした配向状態となる。

【００２２】また、位相差板４２の光学軸４２ａは、こ
こでは遅相軸であり、基準線Ｓに対して所定の傾き角ψ
で斜めに交差している。さらに、この実施例において
は、上下一対の偏光板４０，４１の透過軸４０ａ，４１
ａは互いに略平行であり、位相差板４２の光学軸４２ａ
に対して傾き角φだけ斜め方向にずれている。

【００２３】以上の構成の液晶表示体３を有するカラー
液晶表示装置１は、位相差板４２の偏光作用と液晶セル
３０の偏光作用とにより、液晶表示体３に入射し、反射
板４３で反射されて液晶表示体３の外に出射する光が着
色されるものであり、その際、液晶セル３０に印加する
電圧の大きさを駆動制御回路５において変えることによ
り、表示色を任意に変え得るようになっている。

【００２４】その着色機構について以下に説明する。外
部からの光は、上偏光板４０の透過により直線偏光とな
り、さらに位相差板４２を透過する過程で、位相差板４
２の光学軸４２ａの位置等の光学的配置条件とリタデー
ションの値に応じた偏光作用を受けて楕円偏光となる。
その楕円偏光は、液晶セル３０を通る過程で、さらに液
晶セル３０の光学的配置条件とリタデーションの値に応
じた偏光作用を受けて、その偏光状態が変わる。

【００２５】そして、位相差板４２及び液晶セル３０に
よる偏光作用を受けた楕円偏光が下偏光板４１に入射す
ると、その楕円偏光のうち、下偏光板４１の透過軸４１
ａに一致する偏光成分の波長光だけが下偏光板４１を透
過する。それ故、下偏光板４１から出射する光（直線偏
光）は、着色された状態となる。その色相は、主に位相
差板４２のリタデーションと液晶セル３０のリタデーシ
ョンとによって決まる。

【００２６】さらに、下偏光板４１を通った光は、反射
板４３で反射されて、上述した光経路と逆の経路で液晶
表示体３の上面側に出射するため、この出射光の色によ
る表示が得られる。

【００２７】なお、位相差板４２のリタデーションは、
位相差板４２の屈折率異方性Δｎと板厚ｄとの積Δｎ・
ｄによって決まり、また液晶セル３０のリタデーション
は、液晶層３４の屈折率異方性Δｎと液晶層厚ｄとの積
Δｎ・ｄと液晶分子３４ａの配向状態とによって決ま
る。従って、液晶セル３０に印加する電圧値を変えて液
晶分子３４ａの配向状態を変化させることにより、液晶
セル３０のリタデーションが変わり、液晶セル３０にお
ける偏光作用が変化する。

【００２８】具体的には、液晶セル３０に電圧を印加し
ていない時には、液晶表示体３に入射した光は、位相差
板４２の偏光作用と、液晶分子３４ａの初期のツイスト
角Ｔに応じた偏光作用とを受け、それに応じた楕円偏光
となる。そして、下偏光板４１を透過し、反射板４３で
反射され、逆の経路を経て、液晶表示体３の上面側に出
射する。その時の表示色は、上記位相差板４２及び初期
のツイスト角Ｔで配向してなる液晶層３４の両者のリタ
デーションに応じた色となる。

【００２９】また、液晶セル３０の透明電極３６，３８
間に電圧を印加すると、その電圧値を大きくしていくの
にともなって液晶分子３４ａは初期のツイスト状態から
徐々に立ち上っていく。その立ち上がった配向状態に応
じて液晶セル３０のリタデーションが変化し、液晶表示
体３に入射した光は、位相差板４２の偏光作用と、液晶
セル３０の変化したリタデーションに応じた偏光作用と
を受け、それに応じた楕円偏光となる。そのため、その
時の表示色は、上述した液晶セル３０に電圧を印加して
いない時の色とは異なる。

【００３０】さらに、液晶セル３０に、液晶分子３４ａ
がほぼ垂直に立上り配向する大きさの電圧を印加した時
には、液晶セル３０のリタデーションもほぼ“０”とな
る。よって、液晶セル３０による偏光作用がなくなり、
液晶表示体３に入射した光は、位相差板４２の偏光作用
のみによる楕円偏光となる。そして、その楕円偏光は、
下偏光板４１、反射板４３及びその逆の経路を経て、液
晶表示体３から出射し、位相差板４２のリタデーション
に応じた色に着色される。

【００３１】上述した各配置角度θ、ψ、φについて
は、特に限定しないが、例えば、θは３０゜、Ｔは２４
０゜、ψは４５゜、φは４５゜程度が好ましい。また、
位相差板４２のリタデーションは１２４０nm程度で、液
晶セル３０のΔｎは０．１２３８で、ｄは６．８μｍで
あって、その時のΔｎ・ｄが８４２nm程度が好ましい。
その場合に上記構成の液晶表示体３においては、一対の
電極間に印加される実効駆動電圧が１．０Ｖ以下、１．
６Ｖ、２．３Ｖ以上程度の時に、夫々青色、黄色、赤色
の表示が得られる。

【００３２】次に、上記液晶表示体３において、オフ時
の色、即ち背景色を２色に切り換えて計３色の表示を行
なうように構成された駆動制御回路５の一例を説明す
る。

【００３３】図３には、その回路構成の一例が示されて
いる。同図に示すように、駆動制御回路５は、シフトレ
ジスタ５０、ラッチ回路５１、複数のデコーダ５２ａ，
…，５２ｉ，…、及び複数のトランスファゲート５３ａ
0，５３ａ1，…，５３ｉ0，５３ｉ1，…からなる信号電
極駆動回路、駆動電圧発生回路５４、走査電極駆動回路
５５、キー入力部５６、制御部５７及び同期制御回路５
８を有している。なお、図３においては、液晶表示体３
の表示部ＭＤは、走査電極Ｘａ，…，Ｘｇと信号電極Ｙ
ａ，…，Ｙｉ，…とによる単純マトリクス表示構成とな
っており、駆動制御回路５により時分割駆動される。

【００３４】トランスファゲート５３ａ0，５３ａ1の各
出力端子は共通接続されて信号電極Ｙａに、またトラン
スファゲート５３ｂ0，５３ｂ1の各出力端子は共通接続
されて信号電極Ｙｂに、というように、トランスファゲ
ート５３ａ0，５３ａ1，…，５３ｉ0，５３ｉ1，…は２
個ずつ組となって、各信号電極Ｙａ，…，Ｙｉ，…に接
続されている。

【００３５】各信号電極Ｙａ，…，Ｙｉ，…に接続され
た各組の一方のトランスファゲート５３ａ0，…，５３
ｉ0，…群について説明する。それら一方のトランスフ
ァゲート５３ａ0，…，５３ｉ0，…群の各非制御端子
は、夫々、共通の電源線Ｌ4に接続され、この電源線Ｌ4
は２本の電源線Ｌ0，Ｌ1に分岐されて駆動電圧発生回路
５４に接続されている。

【００３６】これら分岐電源線Ｌ0，Ｌ1には、夫々、後
述する駆動電圧切換手段を構成するスイッチング素子と
してのＰＭＯＳ６０とＮＭＯＳ６１が介設されている。
従って、それら一方のトランスファゲート５３ａ0，
…，５３ｉ0，…群の各非制御端子には、駆動電圧発生
回路５４から電源線Ｌ0を通じて出力される駆動電圧Ｖ0
か、又は電源線Ｌ1を通じて出力される駆動電圧Ｖ1の何
れか一方の駆動電圧が夫々印加される。

【００３７】また、上記一方のトランスファゲート５３
ａ0，…，５３ｉ0，…群の各制御端子は、各信号線Ｌａ
0，…，Ｌｉ0，…を介して各デコーダ５２ａ，…，５２
ｉ，…に接続されており、各デコーダ５２ａ，…，５２
ｉ，…の出力する各制御信号に対応してそれら一方のト
ランスファゲート５３ａ0，…，５３ｉ0，…群は夫々オ
ン／オフする。そして、それら一方のトランスファゲー
ト５３ａ0，…，５３ｉ0，…群のうちオンしたゲート
は、その非制御端子の入力（即ち、駆動電圧Ｖ0又は駆
動電圧Ｖ1）を出力端子から出力する。

【００３８】次に、各信号電極Ｙａ，…，Ｙｉ，…に接
続された各組の他方のトランスファゲート５３ａ1，
…，５３ｉ1，…群について説明する。それら他方のト
ランスファゲート５３ａ1，…，５３ｉ1，…群の各非制
御端子は、夫々、電源線Ｌ2を介して駆動電圧発生回路
５４に接続されており、それら他方のトランスファゲー
ト５３ａ1，…，５３ｉ1，…群の各非制御端子には、電
源線Ｌ2を介して、駆動電圧Ｖ2が夫々印加される。

【００３９】また、上記他方のトランスファゲート５３
ａ1，…，５３ｉ1，…群の各制御端子は、各信号線Ｌａ
1，…，Ｌｉ1，…を介して各デコーダ５２ａ，…，５２
ｉ，…に接続されており、各デコーダ５２ａ，…，５２
ｉ，…の出力する各制御信号に対応してそれら他方のト
ランスファゲート５３ａ1，…，５３ｉ1，…群は夫々オ
ン／オフする。そして、それら他方のトランスファゲー
ト５３ａ1，…，５３ｉ1，…群のうちオンしたゲート
は、その非制御端子の入力（即ち、駆動電圧Ｖ2）を出
力端子から出力する。

【００４０】つまり、デコーダ５２ａ，…，５２ｉ，…
及びトランスファゲート５３ａ0，５３ａ1，…，５３ｉ
0，５３ｉ1，…により電圧選択手段が構成されており、
その電圧選択手段は、表示データに対応して、駆動電圧
Ｖ0又は駆動電圧Ｖ1の内から駆動電圧切換手段により選
ばれた何れか一方の駆動電圧と、駆動電圧Ｖ2とから何
れか一方を選択する。

【００４１】ところで、上記シフトレジスタ５０は、信
号電極Ｙａ，…，Ｙｉ，…の数に対応したビット数のレ
ジスタで構成されており、データ線ＤLを介して制御部
５７に接続されている。そして、シフトレジスタ５０
は、同期制御回路５８から入力される同期制御信号に同
期して、制御部５７から入力される各信号電極Ｙａ，
…，Ｙｉ，…に対応した表示データを取り込んでラッチ
回路５１に出力する。

【００４２】ラッチ回路５１は、信号電極Ｙａ，…，Ｙ
ｉ，…の数に対応したビット数のラッチ回路で構成され
ている。そして、ラッチ回路５１は、同期制御回路５８
から入力される同期制御信号に同期して、シフトレジス
タ５０から入力される表示データをラッチしてデコーダ
５２ａ，…，５２ｉ，…に出力する。

【００４３】デコーダ５２ａ，…，５２ｉ，…は、ラッ
チ回路５１から入力される表示データをデコードし、夫
々の信号線Ｌａ0，Ｌａ1，…，Ｌｉ0，Ｌｉ1，…に、表
示データに対応した上記各トランスファゲート５３ａ
0，５３ａ1，…，５３ｉ0，５３ｉ1，…のオン／オフ用
の制御信号（具体的には、ハイ・ローの信号）を出力す
る。

【００４４】駆動電圧発生回路５４は、電源電圧、又は
必要に応じて電源電圧をＤＣ−ＤＣコンバータにより昇
圧して得られる所定値の電圧、から適当な負荷を介して
上記駆動電圧Ｖ0，Ｖ1，Ｖ2を生成し、その駆動電圧Ｖ
0，Ｖ1，Ｖ2を夫々電源線Ｌ0，Ｌ1，Ｌ2を通じて出力す
る。また、駆動電圧発生回路５４は、走査電極駆動回路
５５に走査電極Ｘａ，…，Ｘｇの選択・非選択用の電圧
を電源線Ｌ3を介して供給する。

【００４５】制御部５７は、キー入力部５６から入力さ
れた入力データに基いて表示データを生成しデータ線Ｄ
Lを介してシフトレジスタ５０に出力するとともに、キ
ー入力部５６から入力された色指定信号に基いて色変換
データを作成しデータ線ＤCを介して色切換回路５９に
出力する。また、制御部５７は、同期制御回路５８に制
御信号を出力する。

【００４６】本例の表示データは、１ビットで構成され
たデータであり、各画素のオン／オフを規定する。又、
色変換データも１ビットで構成されたデータであり、駆
動電圧Ｖ0と駆動電圧Ｖ1との間での切換えを規定する。

【００４７】色切換回路５９は、制御部５７から入力さ
れる色変換データに基いて、色切換回路５９に接続され
たＰＭＯＳ６０及びＮＭＯＳ６１のゲートのオン／オフ
を制御するハイ・ロー信号を生成しＰＭＯＳ６０及びＮ
ＭＯＳ６１に出力する。ここで、ＰＭＯＳ６０及びＮＭ
ＯＳ６１は、エンハンスメント形ＦＥＴでスイッチング
素子として機能する。

【００４８】色切換回路５９は、色変換データが“１
（ハイ）”の時に、ハイ信号をＰＭＯＳ６０及びＮＭＯ
Ｓ６１に出力する。そのハイ信号により、ＰＭＯＳ６０
はオフし、一方ＮＭＯＳ６１はオンする。それによっ
て、電源線Ｌ1が導通し、上記一方のトランスファゲー
ト５３ａ0，…，５３ｉ0，…群の各非制御端子に駆動電
圧Ｖ1が印加される。

【００４９】また、色変換データが“０（ロー）”の時
には、色切換回路５９はロー信号をＰＭＯＳ６０及びＮ
ＭＯＳ６１に出力する。そのロー信号により、ＰＭＯＳ
６０はオンし、一方ＮＭＯＳ６１はオフする。それによ
って、電源線Ｌ0が導通し、上記一方のトランスファゲ
ート５３ａ0，…，５３ｉ0，…群の各非制御端子に駆動
電圧Ｖ0が印加される。

【００５０】つまり、色切換回路５９、ＰＭＯＳ６０及
びＮＭＯＳ６１により、駆動電圧切換手段が構成されて
おり、その駆動電圧切換手段で一方の組のトランスファ
ゲート５３ａ0，５３ｂ0，…，５３ｉ0，…に供給され
る駆動電圧が変わり、本例では背景色が変わるようにな
っている。

【００５１】走査電極駆動回路５５は、同期制御回路５
８からの同期制御信号に同期して走査信号を生成する。
そして、走査電極駆動回路５５は、その走査信号に基づ
いて走査電極Ｘａ，…，Ｘｇを線順次に走査し、上記駆
動電圧発生回路５４で生成した印加電圧（走査電圧）を
印加していく。

【００５２】なお、同期制御回路５８は、同期制御信号
を生成してシフトレジスタ５０、ラッチ回路５１及び走
査電極駆動回路５５に出力する。また、キー入力部５６
は、文字キーやテンキーや各種関数キーなどを備えてお
り、例えばこの液晶表示装置１が電卓等の表示部として
使用される場合には種々の関数や数値等のデータ及び前
記色指定命令の入力に供せられる。

【００５３】以下に、上記構成の駆動制御回路５の作用
を、図３を参考にして、具体的に説明する。ここでは、
上述した液晶表示体３の表示部ＭＤの内の図示される部
分に、“Ｖ”（画素ＸａＹｉ−画素ＸｇＹａ方向のハッ
チを付した画素）を表示する場合を例に挙げる。画素Ｘ
ａＹａ−画素ＸｇＹｉ方向のハッチを付した画素は、
“Ｖ”の表示の背景である。

【００５４】また、液晶表示体３においては、各角度
θ、Ｔ、ψ、φ、位相差板４２のリタデーション及び液
晶セル３０のΔｎ・ｄの値は上記例示した値とする。そ
して、駆動電圧発生回路５４から各トランスファゲート
に出力される駆動電圧Ｖ0，Ｖ1，Ｖ2は、時分割駆動に
より何れも実効値で夫々１．０Ｖ以下、１．６Ｖ、２．
３Ｖ以上の電圧が一対の電極間に印加される様に設定さ
れるとする。この場合、表示データ及び色変換データ
と、上記駆動電圧値（実効値）と、表示色との関係は表
１のようになっている。

【表１】

【００５５】先ず、キー入力部５６から“Ｖ”を黄色の
背景に赤色で表示させる命令（データ）が入力される
と、制御部５７は表示データを作成しデータ線ＤLを介
してシフトレジスタ５０に出力するとともに、同期制御
回路５８に制御信号を出力する。そして、シフトレジス
タ５０は、同期制御回路５８から順次入力される同期制
御信号に同期して、表示データを取り込む。又、制御部
５７は、色切換回路５９に色変換データ“１”を出力
し、駆動電圧Ｖ1を選択する。

【００５６】例えば、走査電極Ｘａに関する画素の表示
について述べると、シフトレジスタ５０の、信号電極Ｙ
ａ，Ｙｉに対応したビットに表示データ“１”が入力さ
れ、その他の信号電極Ｙｂ，…，Ｙｈに対応したビット
に表示データ“０”が入力される。

【００５７】そして、シフトレジスタ５０は、その各ビ
ットに表示データを取り込むと、同期制御回路５８から
の同期制御信号に同期して、それら表示データをラッチ
回路５１に出力する。

【００５８】ラッチ回路５１は、同期制御回路５８から
の同期制御信号に同期して、シフトレジスタ５０から入
力される各表示データをラッチしデコーダ５２ａ，…，
５２ｉ，…に出力する。

【００５９】デコーダ５２ａ，…，５２ｉ，…は、ラッ
チ回路５１から入力される各表示データをデコードし、
各トランスファゲート５３ａ0，５３ａ1，…，５３ｉ
0，５３ｉ1，…のオン／オフ用の制御信号を生成する。

【００６０】デコーダ５２ａ，５２ｉは、入力された表
示データが“１”であるので、印加実効電圧が２．３Ｖ
以上となる駆動電圧Ｖ2を印加すべく、電源線Ｌ2にトラ
ンスファゲート５３ａ1，５３ｉ1をオンさせるハイ信
号、電源線Ｌ4にトランスファゲート５３ａ0，５３ｉ0
をオフさせるロー信号を、夫々生成して出力する。

【００６１】また、その他のデコーダ５２ｂ，…，５２
ｈは、入力された表示データが“０”であるので、色切
換回路５９により選択されている駆動電圧、即ち印加実
効電圧が１．６Ｖとなる駆動電圧Ｖ1を印加すべく、電
源線Ｌ4にトランスファゲート５３ｂ0，…，５３ｈ0を
オンさせるハイ信号、電源線Ｌ2にトランスファゲート
５３ｂ1，…，５３ｈ1をオフさせるロー信号を、夫々生
成して出力する。

【００６２】一方、制御部５７は同期制御回路５８に制
御信号を出力し、同期制御回路５８は走査電極駆動回路
５５に同期制御信号を出力する。走査電極駆動回路５５
は、同期制御回路５８から入力される同期制御信号に同
期して、走査電極Ｘａ，…，Ｘｇを順次選択する走査信
号を生成し、先ず走査電極Ｘａにその走査信号を出力し
て走査電極Ｘａを選択する。その走査電極Ｘａの選択に
同期して、上記デコーダ５２ａ，…，５２ｉ，…は、上
述したような各トランスファゲート５３ａ0，５３ａ1，
…，５３ｉ0，５３ｉ1，…をオン／オフする制御信号を
出力する。

【００６３】この後、走査電極駆動回路５５が走査電極
Ｘｂ，…，Ｘｎを順次選択し、この選択タイミングに同
期して上記と同様の表示データに応じた駆動電圧が各信
号電極Ｙａ〜Ｙｍに出力される同様の動作が繰り返さ
れ、一フレームの表示駆動動作が終了する。この一フレ
ームの表示駆動動作が所定回数繰り返されることによ
り、例えば走査電極Ｘａ上の画素ＸａＹａと画素ＸａＹ
ｉはその電極間に２．３Ｖ以上の実効電圧が印加されて
赤色の表示となり、走査電極Ｘａ上の他の画素には１．
６Ｖの実効電圧が印加されて黄色の表示（背景）とな
る。

【００６４】なお、図３の例においては、“Ｖ”は赤色
に表示され、背景は黄色に表示されている。この場合、
色変換データは“１”であり、色切換回路５９はＰＭＯ
Ｓ６０及びＮＭＯＳ６１にハイ信号を出力している。

【００６５】この状態で、キー入力部５６から背景色を
青色にする色指定命令が入力されると、制御部５７は色
変換データ“０”を作成しデータ線ＤCを介して色切換
回路５９に出力する。色切換回路５９は、制御部５７か
ら入力される色変換データ“０”に基いて、ロー信号を
生成しＰＭＯＳ６０及びＮＭＯＳ６１に出力する。その
ロー信号により、黄色の背景表示の時にオフしていたＰ
ＭＯＳ６０はオンし、一方オンしていたＮＭＯＳ６１は
オフする。

【００６６】それによって、電源線Ｌ1が遮断され、電
源線Ｌ0が導通される。そして、上記一方のトランスフ
ァゲート５３ａ0，…，５３ｉ0，…群の各非制御端子に
印加実効電圧が１．０Ｖ以下となる駆動電圧Ｖ0が印加
されて、黄色で表示されていた背景画素の色が青色に変
わる。

【００６７】以上、詳述したように、本実施例のカラー
液晶表示装置１によれば、従来のカラー液晶表示装置と
異なり、カラーフィルタを用いなくても液晶セル３０に
印加する駆動電圧の大きさを変えるだけで、異なる色を
表示することができる。この場合、カラーフィルタを使
用しない為に透過光量の損失が格段に少なくなり、表示
の明るさを充分高くすることができる。

【００６８】それ故、上記実施例における液晶表示体３
のように、バックライトを用いない反射型の表示体であ
っても表示の明るさは充分であり、実用上何等不都合を
生じない。従って、カラー液晶表示装置の低廉化、薄型
化及び低消費電力化が達成される。本発明のカラー液晶
表示装置は、特に、電卓や腕時計などにおいて３〜５色
程度で簡易的にカラー表示させる反射型のカラー液晶表
示装置に好適である。

【００６９】又、駆動電圧を供給する電源線を色指定信
号に応じて手動的に切り換えることにより表示色を切り
換える構成としたから、通常のオンオフ２値信号からな
る表示データにより、３色以上のマルチカラー表示を達
成することができ、駆動制御回路構造が簡単となってカ
ラー液晶表示装置が安価となる。

【００７０】なお、上記実施例においては、液晶表示体
３は反射型のものであるとしたが、反射板４３を設けず
に透過型のものとしてもよい。

【００７１】また、上記実施例においては、液晶セル３
０はＳＴＮ型セルであるとしたが、それに限定されるも
のではなく、例えば液晶分子配向のツイスト角度が９０
゜程度のねじれネマティック（ＴＮ）型セルや、ツイス
ト配向させずに基板に沿って一方向に配向させたホモジ
ニアスセルなどであってもよい。

【００７２】さらに、上記実施例においては、位相差板
４２を設けているが、位相差板はなくてもよい。また、
上偏光板４０と下偏光板４１の透過軸は平行に限らず、
直交していてもよい。そのような場合でも、上記各実施
例と同様に信号電極Ｙａ，…，Ｙｍに印加する電圧値を
変えることによってカラー表示可能である。

【００７３】さらにまた、上記実施例においては、表示
色が３色の場合について説明したが、４色以上でもよい
のは勿論である。また、ＰＭＯＳ６０及びＮＭＯＳ６１
を適当数設けて適当に配置することにより、２色間の色
の切換えに限らず、３色間以上の色の切換えも可能であ
る。

【００７４】さらに、上記実施例においては、背景色の
色換えについて説明したが、例えば表示部駆動電圧の供
給電源線を切り換える構成として“Ｖ”表示の色換えを
行うようにしてもよいし、表示部と背景部の双方の電源
線が切換え可能な構成とすることにより“Ｖ”表示と背
景の両方の色を同時に色換えするようにすることも可能
である。

【００７５】さらにまた、駆動電圧Ｖ0，Ｖ1の切換えを
行なうスイッチング素子は、上記実施例のＰＭＯＳ６０
及びＮＭＯＳ６１に限らず、色変換データに対応して駆
動電圧Ｖ0，Ｖ1の切換えを行なうことができれば、如何
なるものでもよい。

【００７６】また、本発明は、上記実施例のような単純
マトリクス方式に限らず、アクティブマトリクス方式や
セグメント表示方式などにも適用可能であり、さらに、
時分割駆動以外のスタティック駆動方式等にも同様に、
適用可能である。

【００７７】又さらに、信号電極Ｙａ，…，Ｙｉ，…に
印加する駆動電圧を所定の実効値が得られるように設定
することができれば、オン電圧を印加するパルスのパル
ス幅を変えたり、複数のフレームのうちオン電圧を印加
する回数を変えるなどしてもよく、その駆動形式は問わ
ない。

【００７８】更に又、色指定の入力を音声で行うように
してもよい。この場合には、図４に示す様に、外部マイ
クロフォン６２、音声を分析して音声データを生成する
音声分析部６３、音声データ同士の比較を行う比較照合
部６４、音声データを記憶する音声データ記憶部６５及
び色指定スイッチ６６を設けて音声制御機構を構成し、
以下のような処理を行う。

【００７９】先ず、色指定スイッチ６６を音声登録側に
切り換え、外部マイクロフォン６２を通じて操作者によ
る「黄」と「青」の音声信号を音声分析部６３に入力し
て分析し、音声データとして音声データ記憶部６５に記
憶させておく。

【００８０】次に、色指定スイッチ６６を色指定側に切
り換え、外部マイクロフォン６２を通じて操作者が例え
ば「青」と音声入力すると、この音声による色指定信号
を音声分析部６３が分析して音声データを生成し、比較
照合部６４に出力する。

【００８１】一方制御部５７は、音声データ記憶部６５
に登録されている「黄」と「青」の登録音声データを順
次読み出して比較照合部６４に出力する。比較照合部６
４は、音声分析部６３から入力された音声データと制御
部５７から入力された登録音声データとを比較し、両音
声データが一致したときにその音声データに対応した一
致信号を制御部５７に出力する。制御部５７は、その一
致信号に対応した「青」色を指定する色変換データ
“０”をデータ線ＤCを通じて色切換回路５９に出力す
る。

【００８２】

【発明の効果】本発明に係るカラー液晶表示装置によれ
ば、印加する駆動電圧値に対応して異なる表示データに
対応して印加される駆動電圧を色指定信号に応じて切り
換えて印加するので、カラーフィルタを用いることな
く、前記電極に印加する駆動電圧の種類数に対応した色
数のカラー表示が可能であるとともに、簡単な構造の駆
動制御回路と液晶セルにより操作者の好みに対応できる
マルチカラー表示が可能となる。

【００８３】従って、透過型は勿論、バックライトを用
いない反射型の液晶表示体においてもカラー表示が可能
となり、カラー液晶表示装置の低廉化、薄型化及び低消
費電力化が達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るカラー液晶表示装置の一例の模式
断面図である。

【図２】そのカラー液晶表示装置の液晶セルにおける液
晶分子の配向方向と位相差板の光学軸と偏光板の透過軸
の組合せの一例を、各構成要素毎に示す模式図である。

【図３】そのカラー液晶表示装置における駆動制御回路
の一構成例を示す回路構成図である。

【図４】上記駆動制御回路の変形例を示す回路構成図で
ある。

【符号の説明】

Ｖ0，Ｖ1，Ｖ2 駆動電圧 Ｘａ〜Ｘｇ 走査電極 Ｙａ〜Ｙｉ 信号電極 １ カラー液晶表示装置 ３ 液晶表示体 ５ 駆動制御回路 ３０ 液晶セル ３１，３２ 透明基板 ３３ シール材 ３４ 液晶層 ３６，３８ 透明電極 ３７，３９ 配向膜 ４０ 上偏光板 ４１ 下偏光板 ４２ 位相差板 ４３ 反射板 ５０ シフトレジスタ ５１ ラッチ回路 ５２ａ〜５２ｉ デコーダ（電圧選択手段） ５３ａ0〜５３ｉ1 トランスファゲート（電圧選択手
段） ５４ 駆動電圧発生回路 ５５ 走査電極駆動回路 ５６ キー入力部 ５７ 制御部 ５８ 同期制御回路 ５９ 色切換回路（駆動電圧切換手段） ６０ ＰＭＯＳ（駆動電圧切換手段） ６１ ＮＭＯＳ（駆動電圧切換手段） ６２ 外部マイクロフォン ６３ 音声分析部 ６４ 比較照合部 ６５ 音声データ記憶部 ６６ 色指定スイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する一対の電極間に液晶層が介装さ
   れてなる液晶セルの、少なくとも光が入射する側の面
   に、直接又は位相差板を介して偏光板が配置されてなる
   液晶表示体を備え、 前記液晶層を透過する光を液晶の複屈折作用により楕円
   偏光させ、前記液晶層に印加する液晶駆動電圧を変えて
   液晶層のリタデーションを変化させることにより楕円偏
   光の偏光状態を変化させ透過光の色を変化させるカラー
   液晶表示装置であって、 色指定信号を発生する色指定入力手段と、 少なくとも前記一対の電極の一方に供給する為の３種類
   以上の相異なる大きさの駆動電圧を発生する駆動電圧発
   生回路と、 前記駆動電圧から前記一対の電極に供給する駆動電圧を
   前記色指定信号に応じて切り換える駆動電圧切換手段
   と、 供給される駆動電圧から表示データに対応する駆動電圧
   を選択する電圧選択手段と、 前記一対の電極間に前記電圧選択手段が選択した駆動電
   圧からなる液晶駆動電圧を印加する液晶駆動回路と、を
   備えたことを特徴とするカラー液晶表示装置。