JPH07159752A - カラー液晶表示装置 - Google Patents

カラー液晶表示装置

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JPH07159752A
JPH07159752A JP33973593A JP33973593A JPH07159752A JP H07159752 A JPH07159752 A JP H07159752A JP 33973593 A JP33973593 A JP 33973593A JP 33973593 A JP33973593 A JP 33973593A JP H07159752 A JPH07159752 A JP H07159752A
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JP
Japan
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liquid crystal
color
signal
crystal display
pair
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Application number
JP33973593A
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Inventor
Toshiharu Nishino
利晴 西野
Hideji Sato
秀司 佐藤
Koichi Tanaka
幸一 田中
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラーフィルタを用いることなく明るいカラ
ー液晶表示が行えるようにする。 【構成】 ラッチ回路18に入力される色情報を含んだ
表示信号と同期信号とをコントローラ部17に出力す
る。コントローラ部17は、入力された同期信号に基づ
いてタイミング制御信号を生成し、信号側駆動回路13
及び走査側駆動回路14に出力するとともに、駆動電圧
発生回路15に対して表示データの色信号を出力する。
駆動電圧発生回路15では、入力された色信号に基づい
て信号側駆動回路13及び走査側駆動回路14に出力す
る複数の駆動電圧を発生させる。信号側駆動回路13に
出力される信号電圧は、表示する色に応じて、例えば、
赤(Vr)、緑(Vg)、青(Vb)とがあって、TF
T液晶表示パネル12の走査線を1ラインずつ順次走査
するタイミングに合わせて信号線に所定の信号電圧を印
加することにより、カラー表示が行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー液晶表示装置に
係り、詳細には、液晶の複屈折性を利用してカラー表示
を行うカラー液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビ、パーソナルコンピュータ
あるいは腕時計などのディスプレイとして液晶表示装置
が知られており、表示色は白黒のみでなく、有彩色の表
示を行う液晶カラーテレビやコンピュータ端末のカラー
ディスプレイなどのカラー液晶表示装置が一般化してき
ている。
【0003】上記カラー液晶表示装置の液晶表示パネル
は、ガラス基板等で構成された液晶セルの上下面を一対
の偏光板で挟んで、一方の偏光板の外側にバックライト
を配置した透過型のものが一般的である。そして、その
場合、液晶セルの各画素に相当する位置には、RGBの
カラーフィルタが配置されており、各画素の液晶層をを
選択的に光透過状態とすることにより、カラー表示を行
っている。
【0004】このように、従来のカラー液晶表示装置で
は、液晶セルは光スイッチとして機能しており、光の着
色はカラーフィルタによりなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のカラー
液晶表示装置は、カラーフィルタを使ってバックライト
からの透過光を着色してカラー表示を行っている。しか
し、カラーフィルタは、一般に光透過率が小さいため、
従来のカラーフィルタを用いたカラー液晶表示装置では
透過光の光損失が大きく表示が暗くなる傾向があり、そ
れを補う為に高輝度の光源が必要となり、消費電力がア
ップするという問題があった。
【0006】一方、表示部の設置スペースが限られる小
型電卓や腕時計等では、上記したようなバックライトを
設けることが難しいため、従来は反射型のモノクロ表示
の液晶表示装置が使われていた。しかし、従来から上記
した小型電子機器についても表示部をカラー化したいと
いう要請はあったが、カラーフィルタを使って反射型カ
ラー液晶表示装置を構成すると、非常に表示が暗くなる
という問題がある。
【0007】すなわち、反射型カラー液晶表示装置にカ
ラーフィルタを使うと、入射光がカラーフィルタ(1回
目)を通って液晶層で選択透過され、反射板で反射され
た反射光が再度カラーフィルタ(2回目)を通って人の
目で視認されるため、通常でも弱い反射光を光透過率の
悪いカラーフィルタを2度も通過させることから、さら
に光が減衰し、鮮明なカラー表示が行えなくなることに
よる。
【0008】このように、反射型の液晶表示装置をカラ
ーフィルタを使ってカラー化するのは、非常に困難であ
った。
【0009】また、カラーフィルタは、偏光板等の他の
光学素子と同様に厚さ等の寸法やその組み付けに高精度
が要求されるため、液晶表示装置のコストアップの原因
ともなっていた。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、カラーフィルタを用いることなく明るいカラー
表示が行えるカラー液晶表示装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、所定の間隔
を隔てて対向配置された一対の透明基板と、該一対の透
明基板の内の一方の基板の対向面に所定の配列で形成さ
れた複数の画素電極と、他方の前記透明基板の対向面に
複数の画素電極に対向させて形成された対向電極と、前
記一対の透明基板間に液晶を封入して形成された液晶層
と、前記一対の透明基板の両外面側に夫々配置された偏
光板と、該画素電極の配列に対応させて複数の信号線と
複数の走査線が敷設され、これら信号線と走査線の各々
が夫々能動素子を介して対応する前記画素電極に接続さ
れ、前記能動素子を所定のタイミングで駆動し表示され
る色情報を含んだ表示データに対応して前記液晶層に液
晶駆動電圧を印加する液晶駆動回路とを備え、前記液晶
層を透過する光を液晶の複屈折作用により楕円偏光さ
せ、前記液晶層に印加する液晶駆動電圧を変えて液晶層
のリタデーションを変化させることにより楕円偏光の偏
光状態を変化させ透過光の色を変化させるカラー液晶表
示装置により解決される。
【0012】上記カラー液晶表示装置においては、一対
の偏光板の間に位相差板を設けてもよく、又、一方の偏
光板の外側に液晶層側に光を反射する反射板を設けても
よい。
【0013】又、上記課題は、所定の間隔を隔てて対向
配置された一対の透明基板と、該一対の透明基板の内の
一方の基板の対向面に所定の配列で形成された複数の画
素電極と、他方の前記透明基板の対向面に複数の画素電
極に対向させて形成された対向電極と、前記一対の透明
基板間に液晶を封入して形成された液晶層と、前記一対
の透明基板の一方の外面側に配置された偏光板と、前記
一対の透明基板の他方の外面側に配置され前記液晶層側
に光を反射する反射板と、該画素電極の配列に対応させ
て複数の信号線と複数の走査線が敷設され、これら信号
線と走査線の各々が夫々能動素子を介して対応する前記
画素電極に接続され、前記能動素子を所定のタイミング
で駆動し表示される色情報を含んだ表示データに対応し
て前記液晶層に液晶駆動電圧を印加する液晶駆動回路と
を備え、前記液晶層を透過する光を液晶の複屈折作用に
より楕円偏光させ、前記液晶層に印加する液晶駆動電圧
を変えて液晶層のリタデーションを変化させることによ
り楕円偏光の偏光状態を変化させ透過光の色を変化させ
るカラー液晶表示装置によっても解決される。
【0014】このカラー液晶表示装置においても、偏光
板と反射板との間に位相差板を設けてもよい。
【0015】
【作用】請求項1記載のカラー液晶表示装置では、透明
電極が対向配置された一対の透明基板間に液晶を封入し
て液晶セルを構成し、これを挟んで一対の偏光板が配置
される。
【0016】また、液晶セルの一方の透明電極は、複数
の画素電極に分割され、各画素電極には能動素子(例え
ば、TFT)を介して信号線と走査線が接続されてお
り、液晶駆動回路により能動素子を駆動して液晶に液晶
駆動電圧を印加することにより、液晶分子の配向を変化
させる。
【0017】その場合、色情報を含んだ表示データに応
じた液晶駆動電圧を印加して液晶層のリタデーションを
変化させ、液晶の複屈折作用による楕円偏光の偏光状態
を変化させ、透過光の色を変化させる。
【0018】従って、本発明の請求項1記載の透過型カ
ラー液晶表示装置は、カラーフィルタを用いることなく
カラー表示を行うことが可能となり、光の透過損失の少
ない明るいカラー表示画像が得られる。
【0019】特に、本発明では、個々の画素電極に夫々
薄膜トランジスタ(TFT)などの能動素子を通して液
晶に所定の電圧を印加するアクティブマトリクス駆動を
組み合わせて用いているため、楕円偏光による透過光の
色の制御性が容易かつ良好となる。
【0020】請求項2記載の発明では、一対の偏光板と
の間に偏光作用を持った位相差板を配設したため、波長
毎の楕円偏光状態のズレが助長されて色の分離が容易と
なり、制御性がさらに向上する。
【0021】請求項3記載の発明では、一方の偏光板の
外側に液晶層側へ光を反射する反射板を具備したため、
カラーフィルタを使わないで明るいカラー表示を行うこ
とが可能な反射型カラー液晶表示装置が得られる。この
反射型のカラー液晶表示装置は、バックライトを必要と
しないため、カラー液晶表示装置の低コスト化、薄型化
及び低消費電力化が達成される。
【0022】請求項4記載の発明では、一対の透明基板
の両外側に偏光板と反射板を設けた反射型の液晶セル構
造としたため、光が入射する際と、反射板で反射された
後の二度に亘り偏光板を通過するので、偏光板が1枚で
済み、反射型のカラー液晶表示装置の低コスト化及び薄
型化を図ることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0024】図1〜図7は、本発明の一実施例としての
カラー液晶表示装置を示す図である。本実施例では、液
晶セルにツイスト角が180°〜270°でツイスト配
向された超ねじれネマティック型セル(STN:Super
Twisted Nematic )を採用し、液晶駆動法として能動素
子に薄膜トランジスタ(TFT)を使って各画素単位の
液晶層毎に電圧を印加するアクティブマトリクス駆動方
法により液晶駆動するものである。
【0025】まず、構成を説明する。
【0026】図1は、本実施例に係るカラー液晶表示装
置11のTFT液晶表示パネル12とその周辺回路を示
すブロック図である。図1において、カラー液晶表示装
置11は、TFT液晶表示パネル12、信号側駆動回路
13,13、走査側駆動回路14、駆動電圧発生回路1
5、キー入力部16、コントローラ部17、ラッチ回路
18から構成されている。
【0027】駆動電圧発生回路15は、図示しない電源
電圧、又は必要に応じて電源電圧をDC−DCコンバー
タにより昇圧した所定の電圧から適当な負荷を介して、
赤の色情報を含む表示データに対応する駆動電圧(V
r)、緑の色情報を含む表示データに対応する駆動電圧
(Vg)、青の色情報を含む表示データに対応する駆動
電圧(Vb)を生成し、その駆動電圧Vr、Vg、Vb
を信号側駆動回路13に出力する。
【0028】キー入力部16は、カラー液晶表示装置1
1の操作に必要な各種キーで構成されており、コントロ
ーラ部17に対して液晶表示に関するキー入力指示を行
ったり、画像調整等を行うものである。
【0029】コントローラ部17は、信号側駆動回路1
3及び走査側駆動回路14を制御するCPU( Central
Processing Unit ) などから構成され、キー入力部16
で液晶表示開始が指示されると、ラッチ回路18に入力
されるクロックパルス(CLK)、水平同期信号(Hs
ync)及び垂直同期信号(Vsync)に基づいて信
号側駆動回路13及び走査側駆動回路14を制御する各
種タイミング制御信号を生成して信号側駆動回路13及
び走査側駆動回路14に出力する。そして、走査側駆動
回路14における1フレーム内の1フィールド毎の走査
線の順次走査タイミングを制御するとともに、信号側駆
動回路13における1フレーム内の1フィールド毎の信
号線の上述した駆動電圧Vr、Vg、Vbのサンプリン
グタイミングを制御する。
【0030】ラッチ回路18は、ラッチ回路18に入力
される上記した同期信号や色情報を含む表示信号をラッ
チして、必要に応じたデータをコントローラ部17に出
力するものである。
【0031】TFT液晶表示パネル12は、図2の斜視
図に示されるように、上側ガラス基板21と下側ガラス
基板22とが液晶層を封入する微細間隔(数μm間隔)
を隔てて対向配置され、そのガラス基板21、22の各
対向面側には、ITOなどの透明導電材料からなる共通
電極23と複数の画素電極24とがそれぞれ配設されて
いる。
【0032】画素電極24は、下側ガラス基板22の対
向側表面にマトリクス状に配列設置され、各画素電極間
には、縦方向に信号線26が横方向に走査線27が夫々
1本づつ敷設されている。即ち、夫々平行に延在する複
数の信号線26と複数の走査線27が互いに直交するよ
うにマトリクス状に敷設されている。そして、1個の画
素電極に能動素子である薄膜トランジスタ(以下、TF
Tという)25が1個づつ配設されている。各TFT2
5のゲート電極は、対応する走査線27にソース電極は
対応する信号線26に、ドレイン電極は対応する画素電
極24に、夫々接続されている。
【0033】液晶層28は、その液晶分子の配列状態
が、一方のガラス基板31から他方のガラス基板31に
向けて180゜〜270゜の角度でねじれるように並ん
だ状態となっている。即ち、本実施例における液晶セル
20は、超ねじれネマティック(STN)型液晶セルで
ある。
【0034】位相差板29は、上側偏光板30を透過し
た直線偏光を楕円偏光させるもので、その光学軸(進相
軸又は遅相軸)を、位相差板29に隣接する上側偏光板
30の透過軸(30a)に対して所定角度斜めにずらし
た状態で配置されている。
【0035】上側偏光板30と下側偏光板31は、液晶
パネルに入射する入射光のうち吸収軸方向の偏光成分を
遮断し、それと直交する偏光成分を透過させるものであ
る。反射板32は、下側偏光板31の下面に設けられ、
上側偏光板30から入射し、液晶セル20と下側偏光板
31を透過してくる光を液晶セル20側に反射するもの
である。
【0036】図3は、図1及び図2に示したTFT液晶
表示パネル12の断面構成図であり。図2と同一部又は
相当部には同一符号を付して、説明を省略する。
【0037】図3に示すように、液晶セル20の各ガラ
ス基板21、22の内側表面に配設された共通電極23
及び画素電極24の表面には、それぞれ配向膜41、4
2が液晶分子の配向方向を規制するために設けてあり、
例えば、この配向膜41、42の表面を布で擦るラビン
グ法等の配向処理を施すことにより、その配向処理方向
に液晶分子の長軸方向が沿うように近接する液晶分子の
配向方向が規制される。これにより、液晶層28の液晶
分子28aの配列状態が、一方の透明基板21から他方
の透明基板22に向けて180゜〜270゜の角度でね
じれるように並んだ状態となる。
【0038】また、液晶セル20は、上下のガラス基板
21、22を所定間隔で対向配置させて、その周囲をシ
ール材43で封止することにより構成され、図示しない
液晶注入口から液晶が注入されて形成される。
【0039】図4は、上記液晶セル20における配向処
理方向と上記位相差板29の光学軸と上記偏光板30、
31の透過軸の組合せの一例を、各構成要素毎の平面図
で模式的に示した図である。
【0040】図4(a)及び(d)における両矢印付直
線30a、31aは、それぞれ上側偏光板30及び下側
偏光板31の透過軸であり、図4(b)の直線29aは
位相差板29の光学軸である。
【0041】図4(c)における片矢印付直線28b,
28cは、それぞれ液晶セル26における上側配向膜4
1及び下側配向膜42に施された配向処理方向である。
【0042】なお、図4中の一点鎖線Sは表示面の左右
方向に沿う基準線であり、説明の便宜上設けたものであ
る。
【0043】図4(c)に示すように、液晶セル20の
配向処理方向28b,28cは、基準線Sに対して互い
に逆方向に所定角度θ3 ずつ傾いた方向に設定されてお
り、これにより液晶分子28aの配向状態は、下側ガラ
ス基板22側から上側ガラス基板21側に向かって矢印
θ4 で示す角度と方向にツイストした配向状態となる。
【0044】また、位相差板29の光学軸29aは、こ
こでは遅相軸であり、基準線Sに対して所定の傾き角θ
2 で斜めに交差している。さらに、この実施例において
は、上下一対の偏光板30,31の透過軸30a,31
aは、基準線Sに対してそれぞれθ1 、θ5 だけ斜めに
傾いている。
【0045】以上の構成の液晶表示パネル12を有する
カラー液晶表示装置11は、位相差板29の偏光作用と
液晶セル20の偏光作用とにより、液晶表示パネル12
に入射し、反射板32で反射されて液晶表示パネル12
の外に出射する光が着色されるものであり、その際、液
晶セル20に印加する液晶駆動電圧の大きさを変えるこ
とにより、表示色を任意に変えることができる。
【0046】次に、上記した着色原理について説明す
る。
【0047】図3に示すように、上方から液晶表示パネ
ル12に入射する光は、上側偏光板30を透過すること
により直線偏光となり、さらに位相差板29を透過する
過程で、位相差板29の光学軸29aの位置等の光学的
配置条件とリタデーション値に応じた偏光作用を受けて
楕円偏光となる。その楕円偏光は、液晶セル20を通る
過程で、さらに液晶セル20の光学的配置条件とリタデ
ーション値に応じた偏光作用を受けて、その偏光状態が
変化する。
【0048】そして、位相差板29及び液晶セル20に
よる偏光作用を受けた楕円偏光が下側偏光板31に入射
すると、その楕円偏光のうち、下側偏光板31の透過軸
31aに一致する偏光成分の波長光だけが下側偏光板3
1を透過する。それ故、下側偏光板31から出射する光
(直線偏光)は、着色された状態となる。その色相は、
主に位相差板29のリタデーション値と液晶セル20の
リタデーション値とによって決まる。
【0049】さらに、下側偏光板31を通った光は、反
射板32で反射されて、上述した光経路と逆の経路で液
晶表示パネル12の上面側に出射するため、この出射光
の色による表示が得られる。
【0050】なお、位相差板29のリタデーションは、
位相差板29の屈折率異方性Δnと板厚dとの積Δn・
dによって決まり、また液晶セル20のリタデーション
は、液晶分子28aの配向状態によって決まる。従っ
て、液晶セル20に印加する電圧値を変えて液晶分子2
8aの配向状態を変化させることにより、液晶セル20
のリタデーションが変わり、液晶セル20における偏光
作用が変化する。
【0051】具体的には、液晶セル20に電圧を印加し
ていない時には、液晶表示パネル12に入射した光は、
位相差板29の偏光作用と、液晶分子28aの初期のツ
イスト角θ4 に応じた偏光作用とを受け、それに応じた
楕円偏光となる。そして、下側偏光板31を透過し、反
射板32で反射され、逆の経路を経て液晶表示パネル1
2の上面側に出射する際の出射光の色は、上記位相差板
29及び初期のツイスト角θ4 で配向されてなる液晶層
28の両者のリタデーションに応じた色となる。
【0052】また、液晶セル20の透明電極23,24
間に電圧を印加し、その電圧値を少しずつ上げてゆくと
液晶分子28aが初期のツイスト状態から徐々に立ち上
がる。その立ち上がった配向状態に応じて液晶セル20
のリタデーションが変化し、液晶表示パネル12に入射
した光は、位相差板29の偏光作用と、液晶セル20の
変化したリタデーションに応じた偏光作用とを受け、そ
れに応じた楕円偏光となる。そのため、その時の表示色
は、上述した液晶セル20に電圧を印加していない時の
色とは異なる。
【0053】さらに、液晶セル20に、液晶分子28a
がほぼ垂直に立上り配向する大きさの電圧を印加した時
には、液晶セル20のリタデーションもほぼ“0”とな
る。よって、液晶セル20による偏光作用がほぼなくな
り、液晶表示パネル12に入射した光は、位相差板29
の偏光作用のみによる楕円偏光となる。そして、その楕
円偏光は、下側偏光板31、反射板32及びその逆の経
路を経て、液晶表示パネル12から出射し、位相差板2
9のリタデーションに応じた色に着色される。上述した
各角度θ1 、θ2 、θ3 、θ4 、θ5 については、例え
ば、θ1 は95゜、θ2 は140゜、θ3 は35゜、θ
4 は250゜、θ5 は80°程度が好適である。また、
位相差板29のリタデーションは430nm程度で、液
晶セル30のΔnは0.13で、液晶層厚dは6.8μ
mであって、その時のΔn・dが884nm程度が好ま
しい。その場合に上記構成の液晶表示パネル12におい
ては、液晶セル20に印加される実効駆動電圧値が1.
95V、2.15V、2.33Vの時に、それぞれ赤
色、緑色、青色の表示が得られる。このように、本実施
例のカラー液晶表示装置は、液晶セル20に印加する実
効駆動電圧値を制御することによって、所望の色を表示
することができる。
【0054】次に、本実施例のカラー液晶表示装置を用
いてカラー表示(赤、緑、青)を行う場合の動作を説明
する。
【0055】図1のTFT液晶表示パネル12は、図2
に示すように、液晶セル20の片側の透明電極が複数の
画素電極としてドットマトリクス状に配列されており、
各画素電極24は、夫々対応する信号線26と走査線2
7とに薄膜トランジスタ(TFT)25を介して接続さ
れている。これにより、TFT25は、信号線26と走
査線27とでトランジスタ動作が制御される。
【0056】図5〜7は、3色表示を行う場合の信号線
26と走査線27に印加する駆動電圧信号波形を示した
ものである。
【0057】図5は、走査線27に印加される駆動電圧
信号波形を示す図であり、(a),(b),(c)の順
序で線順次走査される。
【0058】TFT液晶表示パネル12の水平方向に配
設された走査線の数をNとし、フレーム時間をTfとし
た場合、図5(a)に示すように、1番目の走査線に
は、フレーム時間を走査線の数で除算したTf/Nの時
間だけ走査電圧VG が印加され、走査電圧を印加したT
FT25をオン状態とする。
【0059】一方、図6は、信号線26に印加される駆
動電圧信号波形を示す図である。
【0060】上記した図5(a)に示す1番目の走査線
に走査電圧VG を印加するタイミングに併せて、図6に
示す様に表示したい色に応じたVr(赤の信号電圧)、
Vg(緑の信号電圧)、Vb(青の信号電圧)の内の何
れかの信号電圧を印加すると、オンされたTFT25を
通して各画素電極に表示したい色に対応する信号電圧が
印加される。1ラインの走査が終了すると、TFT25
はオフ状態となり、その印加されていた信号電圧が保持
される。即ち、液晶層を画素電極と対向電極で挟んだ構
造は、1個の静電容量(コンデンサ)を形成し、信号電
圧の印加により所定の電荷が蓄積されて、TFTがオフ
されてもその電圧が保持される。その保持される時間
は、1フレーム時間Tfとなる。
【0061】このため、各画素における液晶分子28a
には、その信号線で印加された信号電圧とほぼ同じ実効
電圧がかかることになるので、制御性良く色出しを行う
ことができる。
【0062】図7は、画素電極24に一定の電荷が保持
されて一定の電圧が液晶にかかっている状態を示す液晶
駆動電圧波形を示す図である。
【0063】図7(a)は、赤を表示する場合の駆動電
圧波形であって、図5(a)に示すように、1ライン目
の画素電極24のTFT25を0〜Tf/Nまで走査線
27に走査電圧VG を印加することによってオン動作さ
せ、ここで、図6に示す信号電圧Vrを所定の信号線2
6に印加することにより、図7(a)に示すように1ラ
イン目の画素電極24に電圧Vrを安定してかけること
ができる。このため、当該画素の液晶分子28aは、配
向状態が変化して、赤が表示される。
【0064】また、2ライン目を走査する場合は、図5
(b)に示すように、画素電極24のTFT25にTf
/N〜2Tf/Nまで走査線27に走査電圧VG が印加
してオン動作させ、ここで、図6に示す、例えば信号電
圧Vgを所定の信号線26に印加することによって、図
7(b)に示すように、Tf/N以降は画素電極24に
信号電圧Vgを安定してかけることができる。このた
め、当該画素の液晶分子28aの配向状態が変化して、
前回の走査で印加された信号電圧Vbによる青色に変わ
って緑が表示される。
【0065】さらに、3ライン目を走査する場合は、図
5(c)に示すように、画素電極24のTFT25に2
Tf/N〜3Tf/Nまで走査線27に走査電圧VG
印加することによってオン動作させ、ここで、図6に示
す、例えば信号電圧Vbを所定の信号線26に印加する
ことによって、図7(c)に示すように、2Tf/N以
降は画素電極24に信号電圧Vbを安定してかけること
ができる。このため、当該画素の液晶分子28aの配向
状態が変化して、青が表示される。
【0066】以上述べたように、本実施例のカラー液晶
表示装置は、従来のカラー液晶表示装置と異なり、カラ
ーフィルタを用いなくても液晶セル20に印加する駆動
電圧を制御することによって、カラー表示を行うことが
できる。この場合、カラーフィルタを使用しないため、
透過光の光量の損失が格段に少なくなり、カラー表示の
明るさを充分高くすることができる。
【0067】また、上記実施例におけるTFT液晶表示
パネルのように、バックライトを用いない反射型のカラ
ー液晶表示装置としても充分な表示輝度を確保すること
が可能となり、実用上何等不都合を生じない。従って、
カラー液晶表示装置の低コスト化、薄型化及び低消費電
力化等を達成することができる。
【0068】また、例えば、電卓や腕時計などの小型電
子機器における反射型の液晶表示装置において、数色程
度のカラー表示を行う場合は、簡単な回路構成でその駆
動回路を構成することができる。
【0069】なお、上記実施例においては、液晶表示パ
ネル12を反射型として構成したが、反射板32を設け
ずに透過型としてもよく、或いは、反射板として、半透
明性の反射板を用いて反射型と透過型を兼用できるタイ
プとしてもよい。
【0070】また、上記実施例においては、表示色が3
色の場合について説明したが、2色でもよいし、4色以
上でもよいのは勿論である。表示色が多くなる場合に
は、表示データのビット数を増やし、駆動電圧発生回路
15から発生する信号電圧値の種類を増やせばよい。
【0071】さらに、上記実施例においては、位相差板
21が設られているが、位相差板21を設けなくてもカ
ラー液晶表示を行うことができる。その場合は、透過光
の偏光状態が変わるので、信号線に印加する電圧値もこ
れに応じて変える必要がある。 さらにまた、上記実施
例においては、上側偏光板40と下側偏光板41の透過
軸を基準線Sに対してそれぞれθ1 、θ5 だけずらした
が、平行あるいは直交するような関係にしてもよい。そ
の場合でも、上記実施例と同様に、信号線26に印加す
る電圧値を変えることによって表示色を変化させ、カラ
ー表示を行うことができる。
【0072】加えて、液晶分子の配向ねじれ角が90°
程度のTN型や基板に平行に配向したホモジニアス型の
液晶セルを用いる場合にも、本発明を適用できることは
勿論である。
【0073】
【発明の効果】本発明に係るカラー液晶表示装置は、透
明基板間に液晶を封止してなる液晶セルを挟んで一対の
偏光板が配置し、能動素子を用いたアクティブマトリク
ス駆動により、各画素毎の液晶層のリタデーションを変
化させてカラー表示を行うようにした。
【0074】このため、カラーフィルタを用いずに、カ
ラー表示を行うことができ、光の透過損失が少なくて済
み、明るいカラー表示画像が得られる。
【0075】また、液晶セルをTFT駆動するようにし
たため、表示したい色の電圧値を容易かつ正確に印加す
ることが可能となり、制御性良く色出しが行える。
【0076】さらに、液晶セルと偏光板との間に位相差
板を配設することにより、色の分離が容易となり、制御
性がさらに向上する。
【0077】また、反射板を具備した反射型の液晶表示
装置とした場合でも、カラーフィルタを使わないから明
るいカラー表示が得られ、充分に実用化することができ
る。この反射型のカラー液晶表示装置は、バックライト
を必要としないため、カラー液晶表示装置の低コスト
化、薄型化及び低消費電力化を達成することができる。
さらに、反射型の液晶表示パネルは、液晶セルの入射光
側にのみ偏光板を配置するだけで、入射してきた光と反
射板で反射された光とが1枚の偏光板を2度通過して出
射されるため、偏光板を1枚で済ませることができる。
従って、より明るい表示が得られるカラー液晶表示装置
をさらに低コスト化すると共に、薄型化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラー液晶表示装置
のTFT液晶表示パネルとその周辺回路を示すブロック
図である。
【図2】図1のTFT液晶表示パネルの構造を示す斜視
図である。
【図3】図1のTFT液晶表示パネルの断面構成図であ
る。
【図4】液晶セルにおける配向処理方向と位相差板の光
学軸と偏光板の透過軸の組合せ例を各構成要素毎の平面
図で模式的に示した図である。
【図5】走査線に印加される走査電圧波形を示す図であ
る。
【図6】信号線に印加される信号電圧波形を示す図であ
る。
【図7】画素電極に一定の電荷が保持されて一定の電圧
が液晶にかかっている状態を示す液晶駆動電圧波形を示
す図である。
【符号の説明】
11 カラー液晶表示装置 12 TFT液晶表示パネル 13 信号側駆動回路 14 走査側駆動回路 15 駆動電圧発生回路 16 キー入力部 17 コントローラ部 18 ラッチ回路 20 液晶セル 21 上側ガラス基板 22 下側ガラス基板 23 共通電極 24 画素電極 25 薄膜トランジスタ(TFT) 26 信号線 27 走査線 28 液晶層 28a 液晶分子 29 位相差板 30 上側偏光板 31 下側偏光板 32 反射板 41、42 配向膜 43 シール材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の間隔を隔てて対向配置された一対の
    透明基板と、 該一対の透明基板の内の一方の基板の対向面に所定の配
    列で形成された複数の画素電極と、 他方の前記透明基板の対向面に複数の画素電極に対向さ
    せて形成された対向電極と、 前記一対の透明基板間に液晶を封入して形成された液晶
    層と、 前記一対の透明基板の両外面側に夫々配置された偏光板
    と、 該画素電極の配列に対応させて複数の信号線と複数の走
    査線が敷設され、これら信号線と走査線の各々が夫々能
    動素子を介して対応する前記画素電極に接続され、前記
    能動素子を所定のタイミングで駆動し表示される色情報
    を含んだ表示データに対応して前記液晶層に液晶駆動電
    圧を印加する液晶駆動回路とを備え、 前記液晶層を透過する光を液晶の複屈折作用により楕円
    偏光させ、前記液晶層に印加する液晶駆動電圧を変えて
    液晶層のリタデーションを変化させることにより楕円偏
    光の偏光状態を変化させ透過光の色を変化させることを
    特徴とするカラー液晶表示装置。
  2. 【請求項2】一対の前記偏光板間に、 位相差板を配設することを特徴とする請求項1記載のカ
    ラー液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記偏光板の一方の外側に配置され、 前記液晶層側に光を反射する反射板を備えたことを特徴
    とする請求項1又は2記載のカラー液晶表示装置。
  4. 【請求項4】所定の間隔を隔てて対向配置された一対の
    透明基板と、 該一対の透明基板の内の一方の基板の対向面に所定の配
    列で形成された複数の画素電極と、 他方の前記透明基板の対向面に複数の画素電極に対向さ
    せて形成された対向電極と、 前記一対の透明基板間に液晶を封入して形成された液晶
    層と、 前記一対の透明基板の一方の外面側に配置された偏光板
    と、 前記一対の透明基板の他方の外面側に配置され前記液晶
    層側に光を反射する反射板と、 該画素電極の配列に対応させて複数の信号線と複数の走
    査線が敷設され、これら信号線と走査線の各々が夫々能
    動素子を介して対応する前記画素電極に接続され、前記
    能動素子を所定のタイミングで駆動し表示される色情報
    を含んだ表示データに対応して前記液晶層に液晶駆動電
    圧を印加する液晶駆動回路とを備え、 前記液晶層を透過する光を液晶の複屈折作用により楕円
    偏光させ、前記液晶層に印加する液晶駆動電圧を変えて
    液晶層のリタデーションを変化させることにより楕円偏
    光の偏光状態を変化させ透過光の色を変化させることを
    特徴とするカラー液晶表示装置。
  5. 【請求項5】前記偏光板と前記反射板間に位相差板を配
    設することを特徴とする請求項4記載のカラー液晶表示
    装置。
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