JPH07144478A - 色素固定化方法 - Google Patents
色素固定化方法Info
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- JPH07144478A JPH07144478A JP5315990A JP31599093A JPH07144478A JP H07144478 A JPH07144478 A JP H07144478A JP 5315990 A JP5315990 A JP 5315990A JP 31599093 A JP31599093 A JP 31599093A JP H07144478 A JPH07144478 A JP H07144478A
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Abstract
染着後の色素の拡散が起こりにくい色素固定化方法を提
供する。 【構成】 色素にジエンまたはジエノフィルを用い、こ
の色素とディールス・アルダー反応を行なうように固体
材料中にジエノフィルまたはジエンを含有させ、色素と
上記化合物との間のディールス・アルダー反応により色
素を固体材料中に固定化する。
Description
を含有するものも含む。)を固体材料中に染着する際の
ディールス・アルダー反応を用いた、新規な色素固定化
方法に関する。
型熱転写法、銀塩カラー拡散転写法、インクジェット記
録法、染色法などの種々の分野で用いられている。
速度が大きいか、あるいは染着濃度が高いか、あるいは
染着速度が大きく、かつ染着濃度が高いかのいずれかで
あり、しかも染着後、経時で、その色素が動きにくいこ
とが肝要である。ところが、分子量が小さく固体材料中
へ拡散しやすく、染着しやすい色素は、染着後経時で動
きやすい欠点を有する。これに対し、染着後経時で動き
にくい色素は染着しにくい。
の方法が検討されてきた(例えば、特開昭60−260
060号、同60−260381号、同60−2603
91号、同62−97887号、同59−78893
号、 International Symposiumon Polymeric Amine and
Ammonium Salts. (1979.1X.24-26) P.145-148, Photog
r.Sci.Eng.,20,155(1976),特開昭57−64591
号、特公昭62−11678号、 J.Soc.Dyers & Colou
rists,79,21(1963) など)。しかし、いずれにおいても
満足できるものではない。
材料中に染着する際、染着しやすく、しかも染着後、経
時によっても色素の拡散が起こりにくい、ディールス・
アルダー反応を用いた、新規な色素固定化方法を提供す
ることにある。
(1)〜(3)の本発明により達成される。 (1)色素を固体材料に染着するに際し、前記色素にジ
エン部を有する色素を用い、前記固体材料にジエノフィ
ルを含有させ、前記色素と前記ジエノフィルとの間でデ
ィールス・アルダー反応を行なわせるか、または前記色
素にジエノフィル部を有する色素を用い、前記固体材料
中にジエンを含有させ、前記色素と前記ジエノフィルと
の間でディールス・アルダー反応を行なわせるかのいず
れかにより前記固定材料中に前記色素を固定化するディ
ールス・アンダー反応を用いた色素固定化方法。 (2)前記色素が下記一般式(I)で表わされる、ジエ
ン部を有する色素であり、前記ジエノフィルが下記一般
式(II)または(III) で表わされる化合物である上記
(1)の色素固定化方法。 一般式(I) A−(B−X)n [上記一般式(I)において、Aは色素本体部を表わ
し、Bは単結合または2価の連結基を表わす。XはCR
1 (R2 )=CR3 −CR4 =CR5 (R6 )を表わ
す。ここで、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
は、それぞれ水素原子または非金属原子団を表わす。R
1 とR5 、R3 とR4 、R1 とR2 、R1 とR3 (ある
いはR2 とR3 )およびR4 とR5 (あるいはR4 とR
6 )の組合せのうちの1種以上は一緒になって環を形成
してもよい。XとBとは、XのR1 〜R6 のいずれかで
Bと結合してもよく、またR1 〜R6 のいずれかに代っ
て直接ジエン骨格にBが結合してもよい。nは1〜3の
整数を表わす。] 一般式(II) CR7 (R8 )=CR9 (R10) [上記一般式(II)において、R7 、R8 、R9 および
R10はそれぞれ水素原子または非金属原子団を表わす。
ただし、R7 〜R10のすべてが水素原子であることはな
い。R7 とR9 (あるいはR7 とR10)、R7 とR8 、
R9 とR10およびR8 とR9 (あるいはR8 とR10)の
組合せのうちの1種以上は一緒になって環を形成しても
よい。] 一般式(III ) CR11≡CR12 [上記一般式(III )において、R11およびR12はそれ
ぞれ水素原子または非金属原子団を表わす。ただし、R
11およびR12がともに水素原子であることはない。] (3)前記色素が下記一般式(IV)で表わされる、ジエ
ノフィル部を有する色素であり、前記ジエンが下記一般
式(V)で表わされる化合物である上記(1)の色素固
定化方法。 一般式(IV) A−(B−Y)n [上記一般式(IV)において、Aは色素本体部を表わ
し、Bは単結合または2価の連結基を表わす。YはCR
13(R14)=CR15(R16)またはCR17≡CR18を表
わす。ここで、R13、R14、R15、R16、R17およびR
18はそれぞれ水素原子または非金属原子団を表わす。Y
がCR13(R14)=CR15(R16)であるとき、R13と
R15(あるいはR13とR16)、R13とR14、R15とR16
およびR14とR16(あるいはR14とR15)の組合せのう
ちの1種以上は一緒になって環を形成してもよく、Yが
CR17≡CR18であるとき、R17とR18とは一緒になっ
て環を形成してもよい。YとBとは、YのR13〜R18の
いずれとでBと結合してもよく、またR13〜R18のいず
れかに代って直接ジエノフィル骨格と結合してもよい。
nは1〜3の整数を表わす。] 一般式(V) CR19(R20)=CR21−CR22=CR23(R24) [上記一般式(V)において、R19、R20、R21、
R22、R23およびR24は、それぞれ水素原子または非金
属原子団を表わす。ただし、R19〜R24のすべてが水素
原子であることはない。R19とR23(あるいはR20とR
23)、R21とR22、R19とR20、R23とR24およびR20
とR24(あるいはR19とR24)の組合せのうちの1種以
上は一緒になって環を形成してもよい。]
に説明する。本発明の色素固定化方法は、ディースル・
アルダー反応を利用するものである。
ienes in the Diels-Alder Reaction ( Francesco Frin
guelli, Aldo Taticchi 著,1990年, John Wiley
& Sons, Inc 出版)などに記載されているように、ジエ
ンとジエノフィル(親ジエン体)が反応して6員環の付
加体をつくる反応をいう。この場合、ジエンまたはジエ
ノフィル単独に比べて付加体は分子量が大きくなり拡散
もしにくくなる。しかもディールス・アルダー反応は酸
や塩基などの触媒もいらず、一般に、熱(室温も可)の
みですみやかに反応が進み、生じた付加体も安定であ
る。
料中に染着するに際し、上記反応に従い、色素がジエン
であるとき、固体材料中にジエノフィルを含有させ、両
者を反応させるか、あるいは色素がジエノフィルである
とき、固体材料中にジエンを含有させ、両者を反応させ
るかして色素を固体材料中に固定化する。すなわち、固
体材料中に染着した色素は、その色素がジエンまたはジ
エノフィルであるかに応じ、固体材料中のジエノフィル
またはジエンと反応し、分子量が大きく拡散しにくい、
6員環の付加体を有する色素となる。これにより、経時
での色素の拡散・移動が抑制される。一方、反応前の色
素は分子量が小さく拡散しやすく、このため染着速度が
大きく、染着しやすい。
ンまたはジエノフィルは、通常、耐拡散性基(バラスト
基)を有するものであることから、反応後の色素は耐拡
散性基によって、より拡散しにくいものとなる。
模式的に示すと以下のようになる。
困難とされていた染着のしやすさと染着後の色素の拡散
・移動の抑制との両立を図ることが可能になった。ディ
ールス・アルダー反応は、上記のように公知の反応であ
るが、色素の染着に用いることは知られておらず、また
色素の染着に用いて上記のような効果が得られることは
知られていない。
生成する化合物の同定は、例えば固体材料中のディール
ス・アルダー反応物を適当な溶媒(アセトン等)により
抽出した後、カラムクロマトグラフィーなどにより単離
精製し、核磁気共鳴スペクトルまたはマススペクトルを
測定することなどにより行なうことができる。
びジエノフィルのジエノフィル部は、公知のディールス
・アルダー反応(ヘテロ原子部分が反応に関与するヘテ
ロディールス・アルダー反応も含む。)に用いられるい
ずれのものであってもよい。なお、ジエンは共役二重結
合(1,3−ジエン)をもつ化合物である。
きの好ましい組合せは、色素が一般式(I)で表わさ
れ、ジエノフィルが一般式(II)または(III )で表わ
されるものである。
し、Bは単結合または2価の連結基を表わし、Xはジエ
ン部であり、CR1 (R2 )=CR3 −CR4 =CR5
(R6 )を表わす。ここでR1 〜R6 は水素原子または
非金属原子団を表わす。R1とR5 、R3 とR4 、R1
とR2 、R5 とR6 、R1 とR3 (あるいはR2 とR
3 )およびR4 とR5 (あるいはR4 とR6 )の組合せ
のうちの1種以上は一緒になって炭素環またはヘテロ環
(フラン等)などの環を形成してもよい。XとBとはX
のR1 〜R6 のいずれとでBと結合してもよいし、また
R1 〜R6 のいずれかに代って直接ジエン骨格にBが結
合してもよい。その中でもBとR1 またはR2 との結合
が特に好ましい。
原子団を表わす。ただし、R7 〜R10のすべてが水素原
子であることはない。R7 とR9 (あるいはR7 と
R10)、R7 とR8 、R9 とR10およびR8 とR9 (あ
るいはR8 とR10)の組合せのうちの1種以上は一緒に
なって炭素環またはヘテロ環(マレイミド等)などの環
を形成してもよい。
原子団を表わす。ただし、R11、R12が両方とも水素原
子であることはない。R11とR12は一緒になって炭素環
またはヘテロ環などの環を形成してもよい。
フィルを用い、この色素が一般式(IV)で表わされ、ジ
エンが一般式(V)で表わされるものである。
同義である。YはCR13(R14)=CR15(R16)また
はCR17≡CR18を表わす。ここでR13〜R18は水素原
子または非金属原子団を表わす。YがCR13(R14)=
CR15(R16)であるとき、R13とR15(あるいはR13
とR16)、R13とR14、R15とR16およびR14とR
16(あるいはR14とR15)の組合せのうちの1種以上は
一緒になって炭素環またはヘテロ環(マレイミド等)な
どの環を形成してもよい。YがCR17≡CR18であると
き、R17とR18とは一緒になって炭素環またはヘテロ環
などの環を形成してもよい。YとBとはYのR13〜R18
のいずれとでBと結合してもよいし、またR13〜R18の
いずれかに代って直接ジエノフィル骨格と結合してもよ
い。
原子団を表わす。ただし、R19〜R24のすべてが水素原
子であることはない。R19とR23(あるいはR20と
R23)、R21とR22、R19とR20、R23とR24およびR
20とR24(あるいはR19とR24)の組合せのうちの1種
以上は一緒になって炭素環またはヘテロ環(フラン等)
などの環を形成してもよい。
およびこれと反応させるジエノフィルまたはジエンの具
体例としては特願平5−89462号明細書に記載され
たものが挙げられ、それらを使用できる。
るジエンであり、これと一般式(II)で表わされるジエ
ノフィルとの組合せや、色素が一般式(IV)で表わさ
れ、かつYがCR13(R14)=CR15(R16)であるジ
エノフィルであり、これと一般式(V)で表わされるジ
エンとの組合せなどが好ましい。色素がジエンであると
きのジエン部としては、フラン、ブタジエンなどが好ま
しく、このとき組合せて用いられるジエノフィルのジエ
ノフィル部としてはマレイミド、マレイン酸エステルな
どが好ましい。また、色素がジエノフィルであるときの
ジエノフィル部およびこれと組合せて用いられるジエン
のジエン部は、上記と同様のものが好ましいものとして
挙げられる。具体的には、後記実施例に掲載されるもの
がある。
るジエンであり、これと一般式(III) で表わされるジエ
ノフィルとの組合せや、色素が一般式(IV)で表わさ
れ、かつYがCR17≡CR18であるジエノフィルであ
り、これと一般式(V)で表わされるジエンとの組合せ
も好ましい。色素がジエンであるときのジエン部は上記
と同様のものが好ましく、ジエノフィルとしては一般式
(III) において、R11、R12が置換アルキルアミノカル
ボニル基または置換アルキルオキシカルボニル基などで
あるものが好ましい。また色素がジエノフィルであると
きのジエノフィル部はR17、R18の一方が水素原子であ
り、一方がアミノカルボニルもしくはオキシカルボニル
誘導基などであるものが好ましく、このとき組み合わさ
れるジエンのジエン部は上記と同様のものが好ましい。
これらの具体例についても後記実施例に記載されてい
る。
は、通常室温(15〜30℃)程度の温度で行なって十
分であり簡便であるが、加熱する場合などもあり、一般
的には0〜300℃の温度範囲とすればよい。好ましく
は15〜100℃である。また、反応時間は1ミリ秒〜
200時間程度である。
り、色素の分子量は、反応前において通常200〜50
0程度であるものが、一般的には反応後において反応前
のものの1.3〜4倍程度に増加する。ただし、色素と
反応させるジエンまたはジエノフィルがポリマー型(例
えば後記実施例中のV−9、分子量約10万)の場合は
ポリマーの分子量により、この範囲に限らず、500倍
程度にもなる。一般にこのようなポリマー型のものを用
いた場合は、ポリマーの分子量によるが、50〜200
0倍程度になる。
はジエノフィルは、常温(25℃程度)で固体であるも
のが好ましい。特に融点が50〜250℃程度であるも
のが好ましい。
ノフィルは、耐拡散性基を有するものが好ましいが、耐
拡散性基はその総炭素原子数が6以上、特に6〜20で
あるものが好ましい。さらには上記のようなポリマー型
のものであってもよい。
できるものなら何でもよい。好ましくは高分子材料が挙
げられる。それらの具体例は特願平5−89462号明
細書に記載されており、ポリエステル樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合物、ポリ酢酸ビニル、アセテートなど
が好ましいものとして挙げられる。
いてもよいし、支持体[例えば紙(レジンコート紙を含
む。)、布、プラスチックフィルム(ポリエチレンテレ
フタレート等のフィルム)、金属板、ガラス板]上に塗
布された形で用いてもよい。
ンは固体材料への導入はどのように行なってもよい。例
えば、固体材料中への内部添加、含浸、塗布などがあ
り、さらには、高分子の主鎖または側鎖中にジエノフィ
ル部またはジエン部を導入したものをそのまま固体材料
として用いるような方法によってもよい。
ジエンとを含有する塗布液を調製し、上記の支持体上に
塗膜を形成するなどしてジエノフィルやジエンを導入す
る方法や、紡糸の際の原液に固体材料とともにジエノフ
ィルまたはジエンを含有させて導入する方法などが好ま
しい。この場合の塗膜の膜厚(乾燥膜厚)は1〜50μ
m 程度とする。このような導入方法を採用することによ
って、ジエノフィルまたはジエンの固体材料への均一な
分散が可能になり、色素の固定化が確実になる。
る溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等の脂
肪族ケトン系、トルエン等の芳香族炭化水素系、酢酸エ
チル等のエステル系などが挙げられる。
る固体材料とジエノフィルまたはジエンとの合計含有量
は3〜50wt% 程度とする。また、紡糸方法は公知の方
法に従って行なえばよい。
入した後における固体材料に対するジエノフィルまたは
ジエンの比、ジエノフィルまたはジエン/固体材料は重
量比で1/10〜1/1程度とすることが好ましい。こ
のような量比とすることによって、固体材料に対するジ
エノフィルまたはジエンの量が適正となり、色素の固定
化を確実に行なうことができる。これに対し、ジエノフ
ィルまたはジエンの量が少なくなって、上記の比が小さ
くなると色素の固定化が不十分となりやすい。またジエ
ノフィルの量が多くなって、上記の比が大きくなると、
無駄になる。
着方法はどのように行なってもよい。例えば色素を適当
な溶媒に解かして固体材料へ塗布、含浸させる方法や、
支持体(好ましくはプラスチックフィルム)上に色素
(色素前駆体も含む。)を含有する塗膜を形成し、この
塗膜表面と固体材料とを合わせ、加熱などの手段によっ
て色素を転写させる方法(例えば特願平5−89462
号明細書、同5−205397号明細書に記載のもの)
などが挙げられる。
液の色素含有量は0.5〜30wt%程度とすることが好
ましい。また、転写させる方法に用いられる色素塗膜の
膜厚(乾燥膜厚)は0.2〜10μm 程度とし、塗膜中
における色素含有量は10wt% 以上とすることが好まし
い。なお、上記における色素溶液、色素塗膜形成用塗布
液の調製に用いられる溶媒としては、前記と同様のもの
を例示することができる。また塗布液中の色素含有量は
0.5〜30wt% 程度とする。
フィルに対する比、色素/ジエンまたはジエノフィルは
モル比で1以下となるようにすればよく、通常は1〜
0.1の範囲とすることが好ましい。このような量比と
することによって、ディールス・アルダー反応による色
素の固定化が確実となる。これに対し、色素量が多くな
ってこの比が大きくなると色素の固定化が不十分となり
やすく、反対に色素量が少なくなってこの比が小さくな
ると、ジエンまたはジエノフィルが無駄になる。
法、銀塩カラー拡散転写法、インクジェット記録法、染
色法などの色素染着に用いることができる。これらの一
般的記載については、特開平2−98492号、同4−
20956号、同1−16679号、染料便覧(昭和4
9年10月30日発行、有機合成化学協会編)等を参照
することができる。
的に説明する。
をラミネートしたレジンコート紙を用意し、片面に下記
組成の固定材料用塗液−1をワイヤーバーコーティング
により乾燥時の厚みが10μm となるように塗布した。
乾燥は60℃のオーブン中で30分間行なった。
47(化3)の1%(w/w) 酢酸エチル溶液0.5mlをス
ポイトで滴下して染着した。
定材料を一昼夜20〜30℃の室温下に放置した後、上
記ポリエチレンをラミネートしたレジンコート紙を重ね
合せて80℃オーブン中に3日間放置したが、レジンコ
ート紙への色の移りはわずかであった。
こさない比較用色素a(化4)を用いる以外は実施例1
と全く同様の操作を行なった。
大きかった。
明らかなように、ディースル・アルダー反応を起こす実
施例1の色素では、色素の分子量が反応後において反応
前の1.8倍程度に増大するため、ディールス・アルダ
ー反応を起こさず、分子量の増加が期待できない比較例
1の色素に比較して、染着後の色移りが小さくなった。
I−1(化5)、I−8(化6)、I−26(化7)、
I−43(化8)、I−44(化9)を各々用いるほか
は、同様の操作を行なった。
シアンに、I−26を用いたものは黄色に、I−44を
用いたものはマゼンタに染着し、それらのレジンコート
紙への色の移りはわずかであった。
(化10)、II−23(化11)、II−44(化1
2)、III −2(化13)を各々用いる以外は実施例1
と全く同様の操作を行なった。
の移りは、わずかであった。
ールス・アルダー反応を起こさない比較用化合物b(化
14)またはc(化15)を各々用いる以外は実施例1
と全く同様の操作を行なった。
た。
35(化16)、またジエン部を有する色素I−47
(化3)のかわりにジエノフィル部を有する色素IV−1
(化17)を用いる以外は実施例1と全く同様の操作を
行なった。この場合、色の移りはわずかであった。
に、ディールス・アルダー反応を起こさない比較用色素
d(化18)を用いる以外は実施例4と全く同様の操作
を行なった。この場合、色の移りは大きかった。
9)、IV−22(化20)、IV−37(化21)、IV−
39(化22)、IV−34(化23)を用いる以外は実
施例4と全く同様の操作を行なった。
に、IV−37、IV−22を用いたものはマゼンタに、IV
−34を用いたものはシアンに染着し、それらのレジン
コート紙への色の移りはわずかであった。
4)、V−29(化25)、V−34(化26)を各々
用いる以外は実施例4と全く同様の操作を行なった。い
ずれの場合も、レジンコート紙への色の移りはわずかで
あった。
ルダー反応を起こさない比較用化合物e(化27)、f
(化28)、g(化29)を各々用いる以外は実施例6
と全く同様の操作を行なった。この場合いずれも色の移
りは大きかった。
バーコーティングにより乾燥時の厚みが10μm となる
ように塗布した。乾燥は60℃のオーブン中で30分間
行なった。
IV−1(化17)の2%(w/w) 酢酸エチル溶液1mlをハ
ケで薄く塗りつけ染色した。
放置した後、30μm のポリエチレンテレフタレートフ
ィルムと重ね合せて、80℃オーブン中に3日間放置し
たがポリエチレンテレフタレートフィルムへの色の移り
は全く認められなかった。
ディールス・アルダー反応を起こさない比較用色素d
(化18)を用いる以外は実施例7と全く同様の操作を
行なった。この場合色の移りは大きかった。
子量は、反応後において、反応前の1.5〜2.5倍程
度に、また実施例7ではジエンにポリマー型のものを用
いるため500倍程度に増大したと考えられる。生成物
の確認は、アセトンにより反応物を抽出した後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより単離精製し、核磁
気共鳴スペクトル(NMR)またはマススペクトルを測
定することにより行った。
示す。
脂からなる耐熱滑性層を設けた厚さ5.5μm のポリエ
チレンテレフタレートフィルムを支持体とし、この支持
体の耐熱滑性層を設けた側と反対の側に下記組成の熱転
写色素供与層塗液をワイヤーバーコーティングにより、
乾燥後の厚みが0.8μm となるように塗布形成して熱
転写色素供与材料を得た。
の両面に30μm 、33μm の厚みにポリエチレンをラ
ミネートしたレジンコート紙を用意し、30μm の厚み
にラミネートされた面に下記組成の断熱層用塗液をワイ
ヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが10μm と
なるように塗布した。乾燥は100℃のオーブン中で1
0分間行なった。
材料と熱転写受像材料とを色素供与層と受像層が接する
ようにして重ね合わせ、熱転写色素供与材料の支持体の
支持体側からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッド
の出力0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15mse
c、ドット密度6ドット/mm の条件で熱印加を行ない、
熱転写受像材料の受像層に色素を像様に染着させた。こ
のとき得られた記録済の熱転写受像材料の、濃度が飽和
している部分(Dmax )を反射濃度測定機、X Rite ・
ステータスAフィルターを用いて色像の反射濃度を測定
した。また得られた画像を80℃オーブン中に1週間保
存し、保存後の像のにじみを目視で判定した。
保存後の像のにじみはほとんどなかった。
ィールス・アルダー反応を起こさない比較用色素h(化
31)を用いる以外は実施例8と全く同様の操作を行な
った。
保存後の像のにじみは非常に大きかった。
かなようにディールス・アルダー反応を起こす実施例8
ではディールス・アルダー反応を起こさない比較例6に
較べて、転写時のDmax が同等以上で、色素の分子量が
反応後において反応前の1.5倍程度に増大したため、
保存後の像のにじみが非常に小さかった。
5)のかわりにジエノフィル部を有する色素IV−1(化
17)、またジエノフィルII−10(化10)のかわり
にジエンV−34(化26)を用いる以外は実施例8と
全く同様の操作を行なった。
存後の像のにじみはほとんどなかった。
ディールス・アルダー反応を起こさない比較用色素d
(化18)を用いる以外は実施例9と全く同様の操作を
行なった。
存後の像のにじみは非常に大きかった。
例とともに示す。
(粒子径0.3〜0.4μm )43部(固形分重量比、
以下同じ)、気相法無水シリカ(粒子径12μm)17
部、スチレン−ブタジエン共重合物ラテックス12部、
ポリ酢酸ビニルラテックス18部、ポリメチルメタクリ
レート微粒子(粒子径約8μm )10部よりなる分散液
をかきまぜ、これにジエノフィルII−49(化2)(1
0部)を含む20%(w/w) 酢酸エチル溶液を加えた塗布
液を、市販未コート原紙(秤量64g/m2)に、固形分量
が10g/m2となるようにワイヤーバーを使用して塗布
し、インクジェット記録用紙−1を調製した。
ンク紙Aを、ノズル孔径50μm のヘッドを設置した静
電加速型インクジェット装置を用いて、ドット本数8本
/mmにてインクジェット記録を行なった。
Ω・cm (25℃)、粘度は7.0cp(25℃)であっ
た。このインク液の吐出性は良好であり、記録用紙−1
上に、鮮明で濃度の高いイエロー画像が得られた。
し、保存後の像のにじみを目視で判定したところ、保存
前とほとんど変化しなかった。
3)のかわりに、ディールス・アルダー反応を起こさな
い比較用色素a(化4)を用いる以外は実施例10と全
く同様の操作を行なった。
存後の像のにじみは非常に大きかった。
II−49(化3)のかわりに、ディールス・アルダー反
応を起こさない比較用化合物i(化32)を用いる以外
は、実施例10と全く同様の操作を行なった。
存後の像のにじみは非常に大きかった。
い以外は、実施例10と全く同様の操作を行なった。
存後の像のにじみは非常に大きかった。
ノフィルII−49(化2)をジエンV−34(化26)
に代えて、インクジェット記録用紙−2を調製した。
ンク液Bを、ノズル孔径50μm のヘッドを設置した静
電加速型インクジェット装置を用いて、ドット本数8本
/mmにてインクジェット記録を行なった。
Ω・cm (25℃)、粘度は7.1cp(25℃)であっ
た。このインク液の吐出性は良好であり、記録用紙−2
上に、鮮明で濃度の高いイエロー画像が得られた。
し、保存後の像のにじみを目視で判定したところ、保存
前とほとんど変化しなかった。
7)のかわりに、ディールス・アルダー反応を起こさな
い比較用色素d(化18)を用いる以外は、実施例11
と全く同様の操作を行なった。
存後の像のにじみは非常に大きかった。
ンV−34(化26)のかわりに、ディールス・アルダ
ー反応を起こさない比較用化合物g(化29)を用いる
以外は、実施例11と全く同様の操作を行なった。
存後の像のにじみは非常に大きかった。
ない以外は、実施例11と全く同様の操作を行なった。
存後の像のにじみは非常に大きかった。
す。
エノフィルII−49(化2)(2重量部)およびアセト
ン(78重量部)よりなる原液を紡糸機にいれ、直径
0.1mmの孔から射出して紡糸した。この糸を用いて繊
維−1を作製した。
としてアルキルナフタレンスルフォン酸ソーダ(Nekal)
を1.0g 、および水1リットルからなる染浴をよくか
きまぜながら40℃まで昇温した。10cm四方の上記繊
維−1を入れ、徐々に昇温して85〜90℃に達した
後、この温度で30分間染色した。その後、水洗、乾燥
した。高濃度のイエロー染色物が得られた。
80℃オーブン中1週間保存し、染色物から白いアセテ
ート繊維への色移りを目視で調べたが、わずかに色移り
が認められるだけであった。
ルス・アルダー反応を起こさない比較用色素a(化4)
を用いる以外は、実施例12と全く同様の操作を行なっ
た。
ート繊維への色移りは大きかった。
に、ディールス・アルダー反応を起こさない比較用化合
物i(化32)を用いる以外は、実施例12と全く同様
の操作を行なった。
ト繊維への色移りは大きかった。
用いない以外は、実施例12と全く同様の操作を行なっ
た。
ト繊維への色移りは大きかった。
かわりにジエンV−35(化16)を、また色素I−4
7(化3)のかわりに色素IV−1(化17)を用いる以
外は、実施例12と全く同様に行ない、高濃度のイエロ
ー染色物を得た。
80℃オーブン中1週間保存し、染色物から白いアセテ
ート繊維への色移りを目視で調べたが、わずかに色移り
が認められるだけであった。
ルス・アルダー反応を起こさない比較用色素d(化1
8)を用いる以外は、実施例13と全く同様の操作を行
なった。
ト繊維への色移りは大きかった。
ィールス・アルダー反応を起こさない比較用化合物j
(化33)を用いる以外は、実施例13と全く同様の操
作を行なった。
ト繊維への色移りは大きかった。
外は、実施例13と全く同様に行なった。
ト繊維への色移りは大きかった。
する際、ジエン部を有する色素とジエノフィルを含有す
る固体材料の組合せ、またはジエノフィル部を有する色
素とジエンを含有する固体材料の組合せを用いることに
より、色素染着後の固体材料において色素濃度を高くす
ることができ、かつ保存ないし経時による色素の拡散を
防止することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 色素を固体材料に染着するに際し、前記
色素にジエン部を有する色素を用い、前記固体材料にジ
エノフィルを含有させ、前記色素と前記ジエノフィルと
の間でディールス・アルダー反応を行なわせるか、また
は前記色素にジエノフィル部を有する色素を用い、前記
固体材料中にジエンを含有させ、前記色素と前記ジエノ
フィルとの間でディールス・アルダー反応を行なわせる
かのいずれかにより前記固定材料中に前記色素を固定化
するディールス・アンダー反応を用いた色素固定化方
法。 - 【請求項2】 前記色素が下記一般式(I)で表わされ
る、ジエン部を有する色素であり、前記ジエノフィルが
下記一般式(II)または(III) で表わされる化合物であ
る請求項1の色素固定化方法。 一般式(I) A−(B−X)n [上記一般式(I)において、Aは色素本体部を表わ
し、Bは単結合または2価の連結基を表わす。XはCR
1 (R2 )=CR3 −CR4 =CR5 (R6 )を表わ
す。ここで、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
は、それぞれ水素原子または非金属原子団を表わす。R
1 とR5 、R3 とR4 、R1 とR2 、R1 とR3 (ある
いはR2 とR3 )およびR4 とR5 (あるいはR4 とR
6 )の組合せのうちの1種以上は一緒になって環を形成
してもよい。XとBとは、XのR1 〜R6 のいずれかで
Bと結合してもよく、またR1 〜R6 のいずれかに代っ
て直接ジエン骨格にBが結合してもよい。nは1〜3の
整数を表わす。] 一般式(II) CR7 (R8 )=CR9 (R10) [上記一般式(II)において、R7 、R8 、R9 および
R10はそれぞれ水素原子または非金属原子団を表わす。
ただし、R7 〜R10のすべてが水素原子であることはな
い。R7 とR9 (あるいはR7 とR10)、R7 とR8 、
R9 とR10およびR8 とR9 (あるいはR8 とR10)の
組合せのうちの1種以上は一緒になって環を形成しても
よい。] 一般式(III ) CR11≡CR12 [上記一般式(III )において、R11およびR12はそれ
ぞれ水素原子または非金属原子団を表わす。ただし、R
11およびR12がともに水素原子であることはない。] - 【請求項3】 前記色素が下記一般式(IV)で表わされ
る、ジエノフィル部を有する色素であり、前記ジエンが
下記一般式(V)で表わされる化合物である請求項1の
色素固定化方法。 一般式(IV) A−(B−Y)n [上記一般式(IV)において、Aは色素本体部を表わ
し、Bは単結合または2価の連結基を表わす。YはCR
13(R14)=CR15(R16)またはCR17≡CR18を表
わす。ここで、R13、R14、R15、R16、R17およびR
18はそれぞれ水素原子または非金属原子団を表わす。Y
がCR13(R14)=CR15(R16)であるとき、R13と
R15(あるいはR13とR16)、R13とR14、R15とR16
およびR14とR16(あるいはR14とR15)の組合せのう
ちの1種以上は一緒になって環を形成してもよく、Yが
CR17≡CR18であるとき、R17とR18とは一緒になっ
て環を形成してもよい。YとBとは、YのR13〜R18の
いずれとでBと結合してもよく、またR13〜R18のいず
れかに代って直接ジエノフィル骨格と結合してもよい。
nは1〜3の整数を表わす。] 一般式(V) CR19(R20)=CR21−CR22=CR23(R24) [上記一般式(V)において、R19、R20、R21、
R22、R23およびR24は、それぞれ水素原子または非金
属原子団を表わす。ただし、R19〜R24のすべてが水素
原子であることはない。R19とR23(あるいはR20とR
23)、R21とR22、R19とR20、R23とR24およびR20
とR24(あるいはR19とR24)の組合せのうちの1種以
上は一緒になって環を形成してもよい。]
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