JPH0664343A - 熱転写材料 - Google Patents

熱転写材料

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JPH0664343A
JPH0664343A JP5089462A JP8946293A JPH0664343A JP H0664343 A JPH0664343 A JP H0664343A JP 5089462 A JP5089462 A JP 5089462A JP 8946293 A JP8946293 A JP 8946293A JP H0664343 A JPH0664343 A JP H0664343A
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JP
Japan
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dye
thermal transfer
group
general formula
image
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Pending
Application number
JP5089462A
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English (en)
Inventor
Mitsugi Tanaka
貢 田中
Toru Kamosaki
徹 鴨崎
Tomoyoshi Tateishi
朋美 立石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0664343A publication Critical patent/JPH0664343A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い転写濃度と画像ボケのない熱転写材料を提
供する。 【構成】支持体上に色素層を有する色素供与材料と支持
体上に受像層を有する受像材料とからなる熱転写材料で
あり、色素層中にジエン(又はジエノフィル)を有する
色素を含有し、受像層中にジエノフィル(又はジエン)
化合物を含有し、ジエン(又はジエノフィル)を有する
色素が熱移行して受像層中のジエノフィル(又はジエ
ン)化合物とディールス・アルダー反応を行なうことを
特徴とする熱転写材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は色素供与材料と受像材料
とからなる熱転写材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーハードコピーに関する技術として
は現在、熱転写法、電子写真法、インクジエット法等が
精力的に検討されている。熱転写法は装置の保守や操作
が容易で、装置および消耗品が安価なため、他の方式に
比べて有利な点が多い。熱転写方式にはベースフィルム
上に熱溶融性インク層を形成させた熱転写色素供与材料
を熱ヘッドにより加熱して該インクを溶融し、熱転写受
像材料上に記録する方式と、ベースフィルム上に熱移行
性色素を含有する色素供与層を形成させた熱転写色素供
与材料を熱ヘッドにより加熱して色素を熱転写受像材料
上に熱移行転写させる方式とがあるが、後者の熱移行転
写方式は熱ヘッドに加えるエネルギーを変えることによ
り、色素の転写量を変化させることができるため、階調
記録が容易となり、高画質のフルカラー記録には特に有
利である。
【0003】上記熱移行転写方式で使用する色素は熱ヘ
ッドの負担を小さくするため、また記録速度を上げるた
め、できるだけ熱移行しやすい色素が望ましいが、熱移
行しやすい色素は、長期の保存中あるいは高温、高湿の
環境下において、受像層中で移動して画像の鮮鋭度が低
下したり、接触物に移行し汚染したりして、転写後の記
録の保存安定性に問題があり、これらを満足させる方法
が待望されていた。
【0004】これらの問題を解決するために熱反応によ
る受像層中での色素の保存安定化を目的とした出願がな
されてきているが、その中では特開昭60−26006
0号、同60−260381号および同60−2603
91号が優れている。しかしながらこれらにしても色素
の受像層中の保存安定性が充分ではない、転写濃度が出
にくい、色素供与層中での保存安定性が充分ではない、
受像層の白地が経時により酸化着色しやすい、素材安全
性上の問題がある等の欠陥を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠陥を
克服した色素供与材料と受像材料とからなる新規な熱転
写材料を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
支持体上に色素層を有する色素供与材料と、支持体上に
受像層を有する受像材料とからなる熱転写材料であり、
色素層中にジエンを有する色素を含有し、受像層中にジ
エノフィル化合物を含有し、ジエンを有する色素が熱移
行して、受像層中のジエノフィル化合物とディールス・
アルダー反応を行なう、又は色素層中にジエノフィルを
有する色素を含有し、受像層中にジエン化合物を含有
し、ジエノフィルを有する色素が熱移行して受像層中の
ジエン化合物とディールス・アルダー反応を行なうこと
を特徴とする熱転写材料によって達成された。本発明に
おけるディールス・アルダー反応は熱転写時の温度が高
い時に進行することが好ましいが、転写後、経時により
室温下進行してもよい。本発明に用いられるジエン部お
よびジエノフィル部は公知のディールス・アルダー反応
に用いられるもの、例えばDienes in the Diels-Alder
Reaction (FrancescoFringuelli, Aldo Taticchi 著、
1990年 John Wiley & Sons, Inc 出版)、Organi
c Reactions vol 4 p.1〜173、同vol 5 p.13
6〜192などに記載されているものは何でも使用可能
である。
【0007】上記熱転写材料における好ましい組合せの
一つはジエンを有する色素が一般式(I)で表わされ、
ジエノフィル化合物が一般式(II)又は(III) で表わさ
れるものである。一般式(I) A−(B−X)n ここでAは色素本体部を表わし、Bは単結合又は2価の
連結基を表わし、XはCR1 (R2 )=CR3 −CR4
=CR5 (R6 )を表わす。ここでR1 〜R6は水素原
子又は非金属原子団を表わす。R1 とR5 および/又は
3 とR4 および/又はR1 とR2 および/又はR3
4 および/又はR1 とR2 および/又はR5 とR6
よび/又はR1 とR3 および又はR4 とR5 は一緒にな
って炭素環又はヘテロ環を形成してもよい。BとはR1
〜R6 のいずれとでも結合してよいし、又はR1 〜R6
のいずれかに代って直接ジエン骨格と結合してもよい。
その中でもBとR1 又はR2 との結合が特に好ましい。
nは1〜3の整数を表わす。一般式(II) CR7 (R8 )=CR9 (R10) ここでR7 〜R10は水素原子又は非金属原子団を表わ
す。但し、R7 〜R10のすべてが水素原子であることは
ない。R7 とR9 および/又はR7 とR8 および/又は
9 とR10および/又はR8 とR9 は一緒になって炭素
環又はヘテロ環を形成してもよい。一般式(III) CR11≡CR12 ここでR11、R12は水素原子又は非金属原子団を表わ
す。但し、R11、R12が両方とも水素原子であることは
ない。R11とR12は一緒になって炭素環又はヘテロ環を
形成してもよい。
【0008】好ましい組合せの他の一つはジエノフィル
を有する色素が一般式(IV)で表わされ、ジエン化合物が
一般式(V)で表わされるものである。一般式(IV) A−(B−Y)n ここでA、B、nは一般式(I)のそれらと同意であ
る。YはCR13(R14)=CR15(R16)又はCR17
CR18を表わす。R13〜R18は水素原子又は非金属原子
団を表わす。R13とR15および/又はR13とR14および
/又はR15とR16および/又はR14とR16又R17とR18
は一緒になって炭素環又はヘテロ環を形成してもよい。
BとはR13〜R18のいずれとでも結合してよいし、又は
13〜R18のいずれかに代って直接ジエノフィル骨格と
結合してもよい。一般式(V) CR19(R20)=CR21−CR22=CR23(R24) ここでR19〜R24は水素原子又は非金属原子団を表わ
す。但しR19〜R24のすべてが水素原子であることはな
い。R19とR23および/又はR21とR22および/又はR
19とR20および/又はR23とR24および/又はR20とR
24は一緒になって炭素環又はヘテロ環を形成してもよ
い。
【0009】一般式(I)について詳しく述べる。Aは
色素本体部を表わし、公知の色素ならなんでもよい。例
えばアゾ系、アゾメチン系、アントラキノン系、ナフト
キノン系、メチン系、キノフタロン系などが挙げられ
る。Aで表わされるアゾ系色素としては例えば一般式
(VI)で表わされるもの、一般式(VI)
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R25は水素原子又は非金属原子団
を表わし、R26はアリール基又はヘテリル基を表わし、
27は水素原子、アルキル基又はアリール基、ヘテリル
基を表わし、R28はアルキル置換されてもよいアミノ基
又は水酸基を表わす。これらの具体例は特開平1−22
5592号、同2−24191号、特開昭63−111
094号、同63−122594号、同63−1821
91号、同63−182190号等に記載されている。
また式中、*は色素本体部Aと連結基Bとが結合可能な
箇所を表わし、連結基Bは*印の付いた何れか一箇所と
結合する)(以下、*印は上記色素の場合と同じ意味を
表わすものとする。)一般式(VII) で表わされるもの、
一般式(VII)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R29はヘテリル基又はアリール基
を表わし、R30は水素原子又は非金属原子団を表わし、
31、R32は水素原子、アルキル基又はアリール基を表
わし、n2 は1〜4の整数を表わす。これらの具体例は
特開昭62−55194号、同62−211190号、
特開平3−205189号などに記載されている。Bと
の結合はR29〜R32いずれとでもよいが特にR29、R31
とが好ましい。)一般式(VIII)で表わされるもの等が挙
げられる。一般式(VIII)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R33はアリール基又はヘテリル基
を表わし、R34はアルキル基を表わし、R35はシアノ
基、カルバモイル基、アシル基を表わし、R36はアルキ
ル基を表わす。これらの具体例は特開昭61−2445
95号、同62−290583号、特開平3−8885
1号などに記載されている。Bとの結合はR33〜R36
ずれとでもよいが特にR33とが好ましい。)
【0016】Aで表わされるアゾメチン系色素としては
例えば一般式(IX)で表わされるもの、一般式(IX)
【0017】
【化4】
【0018】(式中R37、R38は水素原子又は非金属原
子団を表わし、R39はアルキル基又はアリール基で置換
されてもよいアミノ基又は水酸基を表わし、Yは含窒素
ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群を表わし、
3 は1〜4の整数を表わす。これらの具体例は特開昭
64−63194号、特開平2−208094号、特開
平3−205189号、特開平2−265791号、特
開平2−310087号、特開平2−53866号など
に記載されている。Bとの結合はR37、R38、R39、Y
いずれとでもよいが特にR39のアルキルアミノ基又はY
とが好ましい。)一般式(X)で表わされるもの、一般
式(X)
【0019】
【化5】
【0020】(式中R40、R41、R43は水素原子又は非
金属原子団を表わし、R42はアルキル基又はアリール基
により置換されてもよいアミノ基又は水酸基を表わし、
Zは含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群
を表わし、n4 は1〜4の整数を表わす。これらの具体
例は特願平2−330774号、同3−162325号
などに記載されている。Bとの結合はR40〜R43、Zい
ずれとでもよいが特にR42のアルキルアミノ基、R41
はZとが好ましい。)一般式(XI)で表わされるもの、一
般式(XI)
【0021】
【化6】
【0022】(式中R44、R45は非金属原子団を表わ
し、R46は水素原子又は非金属原子団を表わし、R47
アルキル基又はアリール基により置換されてもよいアミ
ノ基又は水酸基を表わし、n5 は1〜4の整数を表わ
す。これらの具体例は特開平2−155693号、同1
−110565号、同2−668号、同2−28264
号、同2−53865号、同2−53866号、EP4
36736A1号などに記載されている。Bとの結合は
44〜R47いずれとでもよいが特にR47のアルキルアミ
ノ基とが好ましい。一般式(XII) で表わされるもの、一
般式(XII)
【0023】
【化7】
【0024】(式中R48、R49、R50は水素原子又は非
金属原子団を表わし、R51はアルキル基又はアリール基
により置換されてもよいアミノ基又は水酸基を表わし、
6は1〜4の整数を表わす。これらの具体例は特開昭
63−205288号などに記載されている。Bとの結
合はR48〜R51いずれとでもよいが特にR51のアルキル
アミノ基、又はR48とが好ましい。)一般式(XIII)(又
はXIV)で表わされるもの、一般式(XIII)、一般式(XIV)
【0025】
【化8】
【0026】(式中R52、R53、R54、R55、R56、R
58、R59、R60は水素原子又は非金属原子団を表わし、
57、R61はアルキル基又はアリール基により置換され
てもよいアミノ基又は水酸基を表わし、Qは炭素環又は
含ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群を表わ
し、n7 、n8 は1〜4の整数を表わす。これらの具体
例は特開昭61−22993号、同61−31292
号、同61−35994号、同61−57651号、同
62−191191号、同64−20194号、特開平
2−98492号などに記載されている。Bとの結合は
52〜R61、Qいずれとでもよいが特にR57、R61のア
ルキルアミノ基、又はR54又はR58とが好ましい。)一
般式(XV)で表わされるもの、一般式(XV)
【0027】
【化9】
【0028】(式中R62はアシル基又はカルバモイル基
を表わし、R63、R64は水素原子又はアルキル基又はア
リール基を表わし、R65は水素原子又は非金属原子団を
表わし、R66はアルキル基又はアリール基により置換さ
れてもよいアミノ基又は水酸基を表わし、n9 は1〜4
の整数を表わす。これらの具体例は特開平1−1765
90号、同1−176589号、同1−176591
号、同3−92386号、特願平3−170310号な
どに記載されている。Bとの結合はR62〜R66いずれと
でもよいが特にR66のアルキルアミノ基又はR63とが好
ましい。)
【0029】Aで表わされるアントラキノン系色素とし
ては例えば一般式(XVI) で表わされるもの、一般式(XV
I)
【0030】
【化10】
【0031】(式中R67は水素原子又は非金属原子団を
表わし、n10は1〜6の整数を表わす。これらの具体例
は特開昭59−227948号、同63−249694
号、同63−15790号、同61−255897号、
同60−151097号、EP−365392号、特開
平3−120096号、同1−135690号、同1−
183584号などに記載されている。Bとの結合はR
67のいずれとでもよいが特に1位又は4位のR67とが好
ましい。)
【0032】Aで表わされるナフトキノン系色素として
は例えば一般式(XVII)で表わされるもの、一般式(XVII)
【0033】
【化11】
【0034】(式中R68は水素原子又は非金属原子団を
表わし、n11は1〜4の整数を表わす。これらの具体例
は特開昭60−151098号などに記載されている。
Bとの結合はR68のいずれとでもよいが特に5位のR68
とが好ましい。)
【0035】Aで表わされるメチン系色素としては例え
ば一般式(XVIII) で表わされるもの、一般式(XVIII)
【0036】
【化12】
【0037】(式中R69はアリール基又はヘテロ環基を
表わし、R70は水素原子又はシアノ基を表わす。これら
の具体例は特開昭64−47587号、同60−239
290号、同60−28451号、同62−19618
6号、同60−53564号、同60−31563号、
同63−141799号、特開平2−579号、同3−
230994号、特開昭61−163895号、特開平
3−197185号などに記載されている。Bとの結合
はR69とである。)一般式(XIX) で表わされるもの、一
般式(XIX)
【0038】
【化13】
【0039】(式中R71は水素原子又は非金属原子団を
表わし、R72はシアノ基、アリール基、ヘテロ環基又は
置換ビニル基を表わし、Gはヘテロ環基を形成するのに
必要な非金属原子群を表わす。これらの具体例は特開平
2−6559号、同2−3450号、同2−20809
3号、同2−215595号、同2−215594号、
特開昭63−74685号、同63−74688号、特
開平2−258298号、特開昭64−42286号、
同60−156760号、同64−42286号、同6
2−273265号、同62−220557号、特開平
2−175294号、同3−49993号、同1−19
6396号、同1−196395号などに記載されてい
る。Bとの結合はR71、R72、Gいずれとでもよいが特
にGとが好ましい。)
【0040】Aで表わされるキノフタロン系色素として
は例えば一般式(XX)で表わされるもの、一般式(XX)
【0041】
【化14】
【0042】(式中R73は水素原子又はハロゲン原子を
表わし、R74は水素原子又は非金属原子団を表わし、n
12 は1〜4の整数を表わす。これらの具体例として
は、特開昭60−53565号、同63−189289
号、同63−182193号などに記載されている。B
との結合はR74とである)などが挙げられる。
【0043】Aで表わされる上記以外の色素を以下に記
す。一般式(XXI)
【0044】
【化15】
【0045】(式中、R75はヘテリル基又はアリール基
を表わし、R76は水素原子又は非金属原子団を表わし、
13は1〜4の整数を表わす。)
【0046】一般式(XXII)
【0047】
【化16】
【0048】(式中、R77は水素原子又は非金属原子団
を表わし、R78、R79は水素原子、アルキル基またはア
リール基を表わし、n14は1〜4の整数を表わす。)
【0049】一般式(XXIII)
【0050】
【化17】
【0051】(式中、R80はヘテリル基又はアリール基
を表わし、R81、R82は水素原子又は非金属原子団を表
わす。)
【0052】一般式(XXIV)
【0053】
【化18】
【0054】(式中、R83は水素原子又は非金属原子団
を表わし、R84はヘテリル基又はアリール基を表わ
す。)
【0055】一般式(XXV)
【0056】
【化19】
【0057】(式中、R85、R86は水素原子又は非金属
原子団を表わし、R87はヘテリル基又はアリール基を表
わし、n15は1〜4の整数を表わす。)
【0058】一般式(XXVI)
【0059】
【化20】
【0060】(式中、R88〜R91は水素原子又は非金属
原子団を表わし、n17〜n20は1〜4の整数を表わす。
【0061】一般式(I)又は(IV)のBは、単結合、
又は色素本体AとX又はYとを連結する2価の連結基で
あり、好ましくは一般式(XXVII) で表わされる。 *−(Z1 −L−)r −Z2 −** (XXVII) 一般式(XXVII)において、*はAと結合する位置を、*
*X又はYと結合する位置を表わし、Z1 、Z2 は各々
独立に単結合、−NH−、−O−、−S−、−CO−、
−SO2 −、−OCO−、−COO−、−NHCO−、
−CONH−、−SO2 NH−、−NHSO2 −、−S
2 O−、−OSO2 −、−OCOO−、−OCONH
−、−NHCOO−、−NHCONH−、−NHSO2
NH−、−OCOS−、−SCOO−、−OSO2 NH
−、又は−NHSO2 O−を表わす。Lは単結合、アル
キレン基(炭素数1〜6)、アリーレン基(例えばo−
フェニレン、p−フェニレン)、シクロアルキレン基
(例えば1,4−シクロヘキシレン)、2価のヘテロ環
基(例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペ
ラジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,
2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、スクシン
イミド、フタルイミド、オキサゾリジン−2,4−ジオ
ン、イミダゾリジン−2,4−ジオン、1,2,4−ト
リアゾリジン−3,5ジオン、ピリジン、チオフェン)
を表わし、さらにはこれらの基を複合した連結基であっ
てもよい。rは0または1〜3の整数を表わす。
【0062】Bはさらに好ましくは単結合または以下の
連結基が具体例として挙げられる。 *−CH2 −**、*−C2 4 −**、*−(C
2 3 −** *−C2 4 OC2 4 −**、*−NHCONH−*
*、*−NHCO−** *−CONH−**、*−CO−**、*−CONHC
2 −**、*−SO2 −**、*−C2 4 NHCO
−**、*−CH2 CONH**−*−NHCH2 CH
2 OCO−**、*−NH−**、*−O−**、*−
S−**、*−OCO−**、*−COO−**、*−
SO2 NH−**、*−NHSO2 −**、*−OCO
NH−**、*−NHCOO−**、*−C2 4 −C
O−**
【0063】CR1 (R2 )=CR3 −CR4 =CR5
(R6 )においてR1 〜R6 は水素原子、アルキル基
(炭素数1〜10。置換基を有するものを含む。例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル);アルコキ
シ基(炭素数1〜10。置換基を有するものを含む。例
えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ);ハロゲン原子;アシルアミノ基〔炭素数1〜10
のアルキルカルボニルアミノ基(置換基を有するものを
含む。例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピ
オニルアミノ、イソブチルアミノ、ヘキサハイドロベン
ゾイルアミノ、ピバロイルアミノ、トリフルオロアセチ
ルアミノ、ヘプタフルオロブチリルアミノ、クロロプロ
ピオニルアミノ、シアノアセチルアミノ、フェノキシア
セチルアミノ)、炭素数7〜15のアリールカルボニル
アミノ基(置換基を有するものを含む。例えばベンゾイ
ルアミノ、p−トルイルアミノ、ペンタフルオロベンゾ
イルアミノ、o−フルオロベンゾイルアミノ、m−メト
キシベンゾイルアミノ、p−トリフルオロメチルベンゾ
イルアミノ、2,4−ジクロロベンゾイルアミノ、p−
メトキシカルボニルベンゾイルアミノ、1−ナフトイル
アミノ)、炭素数2〜15のヘテリルカルボニルアミノ
基(置換基を有するものを含む。例えばピコリノイルア
ミノ、ニコチノイルアミノ、ピロール−2−カルボニル
アミノ、チオフェン−2−カルボニルアミノ、フロイル
アミノ、ピペリジン−4−カルボニルアミノ)〕;アル
コキシカルボニル基(炭素数2〜10。置換基を有する
ものを含む。例えばメトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル);シアノ基;アルコキシカルボニルアミノ基
(炭素数2〜10。置換基を有するものを含む。例えば
メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミ
ノ、イソプロポキシカルボニルアミノ、メトキシエトキ
シカルボニルアミノ、N−メチルメトキシカルボニルア
ミノ);アミノカルボニルアミノ基(炭素数1〜10。
置換基を有するものを含む。例えばメチルアミノカルボ
ニルアミノ、ジメチルアミノカルボニルアミノ、ブチル
アミノカルボニルアミノ);スルホニルアミノ基(炭素
数1〜10。メタンスルホニルアミノ、エタンスルホニ
ルアミノ、N−メチルメタンスルホニルアミノ、ベンゼ
ンスルホニルアミノ);カルバモイル基〔炭素数1〜1
0のアルキルカルバモイル基(置換基を有するものを含
む。例えばメチルカルバモイル、ジメチルカルバモイ
ル、ブチルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、
t−ブチルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイ
ル、シクロヘキシルカルバモイル、メトキシエチルカル
バモイル、クロロエチルカルバモイル、シアノエチルカ
ルバモイル、エチルシアノエチルカルバモイル、ベンジ
ルカルバモイル、エトキシカルボニルメチルカルバモイ
ル、フルフリルカルバモイル、テトラヒドロフルフリル
カルバモイル、フェノキシメチルカルバモイル)、炭素
数7〜15のアリールカルバモイル基(置換基を有する
ものを含む。例えばフェニルカルバモイル、p−トルイ
ルカルバモイル、m−メトキシフェニルカルバモイル、
4,5−ジクロロフェニルカルバモイル、p−シアノフ
ェニルカルバモイル、p−アセチルアミノフェニルカル
バモイル、p−メトキシカルボニルフェニルカルバモイ
ル、m−トリフルオロメチルフェニルカルバモイル、o
−フルオロフェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバ
モイル)、炭素数3〜15のヘテリルカルバモイル基
(置換基を有するものを含む。例えば、2−ピリジルカ
ルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジル
カルバモイル、2−チアゾリルカルバモイル、2−ベン
ズチアゾリルカルバモイル、2−ベンズイミダゾリルカ
ルバモイル、2−(4−メチル)ピリジルカルバモイ
ル、2−(5−メチル)1,3,4−チアジアゾリルカ
ルバモイル)〕;スルファモイル基(炭素数0〜10。
例えばメチルスルファモイル、ジメチルスルファモイ
ル、ブチルスルファモイル、フェニルスルファモイ
ル);アシル基〔炭素数1〜10のアルキルカルボニル
基(置換基を有するものを含む。例えばホルミル、アセ
チル、プロピオニル、ヘキサハイドロベンゾイル、ピバ
ロイル、トリフルオロアセチル、ヘプタフルオロブチリ
ル、クロロプロピオニル、シアノアセチル、フェノキシ
アセチル)、炭素数7〜15のアリールカルボニル基
(置換基を有するものを含む。例えばベンゾイル、p−
トルイル、ペンタフルオロベンゾイル、o−フルオロベ
ンゾイル、m−メトキシベンゾイル、p−トリフルオロ
メチルベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイル、p−
メトキシカルボニルベンゾイル、1−ナフトイル〕、炭
素数1〜10のアルキルチオ基(置換基を有するものを
含む。例えばメチルチオ、エチルチオ)、炭素数6〜1
5のアリールチオ基(置換基を有するものを含む。例え
ばフェニルチオ)、または炭素数2〜15のジアルキル
アミノ基(例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ)を
表わす。R1 〜R6 のなかで好ましいものは水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコ
キシ基である。R1 とR5 が一緒になって炭素環又はヘ
テロ環を形成するものも好ましい。特に好ましいものを
一般式(XXVIII)で表わす。
【0064】
【化21】
【0065】ここでR2 〜R6 は上述と同意である。Q
1 は−CR92(R93)−、−O−、−S−、又は−NR
94−を表わす。R92、R93はR1 と同意であり、R94
水素原子、アルキル基(炭素数1〜5)、アリール基
(炭素数6〜10)、アシル基(炭素数1〜5)を表わ
す。Bとの結合はR2 とが好ましい。nは1が好まし
い。
【0066】一般式(II)について詳しく説明する。R7
〜R10はR1 と同意である。R7 〜R10で好ましいもの
は水素原子又は電子吸引性基(好ましくはハメットσp
値が0.2以上)である。それらの例としてハロゲン原
子、エステル基(炭素数2〜40。置換基を有するもの
を含む。例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、オクチルオキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカ
ルボニル、フェノキシカルボニル、p−オクタデシルオ
キシフェノキシカルボニル)、シアノ基、カルバモイル
基(炭素数1〜40。置換基を有するものを含む。例え
ばメチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ブチル
カルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、オクタデ
シルカルバモイル、ベンジルカルバモイル、フェニルカ
ルバモイル、p−トルイルカルバモイル、4,5−ジク
ロロフェニルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素
数0〜40。例えばメチルスルファモイル、フェニルス
ルファモイル)、アシル基(炭素数1〜40。例えばア
セチル、フェノキシアセチル、ベンゾイル)、スルホニ
ル基(炭素数1〜40。例えばメチルスルホニル、オク
チルスルホニル、フェニルスルホニル)又はニトロ基が
挙げられる。R7 とR9 が一緒になって炭素環又はヘテ
ロ環を形成するのも好ましい。特に好ましいものを一般
式(XXIX)で表わす。
【0067】
【化22】
【0068】ここでR8 、R10は上述と同意である。Q
2 は−O−、−S−又は−NR95−を表わす。R95は水
素原子、アルキル基(炭素数1〜40)、アリール基
(炭素数6〜50)を表わす。一般式(XXIX)の化合物
は、互いに適当な連結基(上述のBで表わされる)によ
り結合されて、ビス型又はトリス型を形成してもよい。
また一般式(XXIX)を側鎖および又は主鎖に含むポリマー
型としても用いられる。その場合ホモポリマー型、コポ
リマー型いずれでもよい。
【0069】一般式(III) について詳しく説明する。R
11、R12はR1 と同意である。R11、R12のなかで好ま
しいものは水素原子又は電子吸引性基(好ましくはハメ
ットσp 値が0.2以上)である。これらのなかでも好
ましいものはエステル基(炭素数2〜40。置換基を有
するものを含む。例えばメトキシカルボニル、ヘキサデ
シルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p−オ
クタデシルオキシフェノキシカルボニル)、カルバモイ
ル基(炭素数1〜40。置換基を有するものを含む。例
えばメチルカルバモイル、ブチルカルバモイル、オクタ
デシルカルバモイル、フェニルカルバモイル)が挙げら
れる。
【0070】ジエノフィル化合物としては一般式(II)で
表わされるものの方が一般式(III)で表わされるものよ
りも好ましい。一般式(II)および一般式(III) で表わさ
れる化合物中に特開平3−205189号に記載の褪色
抑制効果を有する原子団を内蔵させるとさらに好まし
い。
【0071】一般式(I)で表わされる色素のなかで特
に好ましいものは一般式(XXX)で表わされる。
【0072】
【化23】
【0073】ここでAは上述と同意であり、Wは−NH
−又は−O−である。
【0074】一般式(II)で表わされる化合物のなかで特
に好ましいものは一般式(XXXI)で表わされる。
【0075】
【化24】
【0076】ここでR96はアルキル基(炭素数1〜4
0。置換基を有するものを含む)、アリール基(炭素数
6〜50。置換基を有するものを含む)を表わす。
【0077】一般式(IV)について詳しく説明する。A、
B、nは上述と同意である。R13〜R16はR7 〜R10
同意であり、好ましい例もR7 〜R10と同意である。R
17、R18はR11、R12と同意であり、好ましい例も
11、R12と同意である。
【0078】一般式(V)について詳しく説明する。R
19〜R24はR1 〜R6 と同意であり、好ましい例もR1
〜R6 と同意である。一般式(V)の化合物は互いに適
当な連結基(上述のBで表わされる)により結合されて
ビス型又はトリス型を形成してもよい。また一般式
(V)の化合物を側鎖又は主鎖に含むポリマー型として
も用いられる。その場合、ホモポリマー型、コポリマー
型いずれでもよい。
【0079】一般式(IV)で表わされる色素のなかで特に
好ましいものは一般式(XXXII) で表わされる。
【0080】
【化25】
【0081】ここでA、Bは上述と同意である。
【0082】一般式(V)で表わされる化合物中に特開
平3−205189号に記載の褪色抑制効果を有する原
子団を内蔵させるとさらに好ましい。一般式(V)で表
わされる化合物のなかで特に好ましいものは一般式(XXX
III)で表わされる。
【0083】
【化26】
【0084】ここでWは−NH−又は−O−であり、R
30はアルキル基(炭素数1〜40。置換基を有するもの
を含む。)、アリール基(炭素数1〜40。置換基を有
するものを含む。)、ヘテリル基(炭素数2〜40。置
換基を有するものを含む。)、アミノ基(炭素数0〜4
0。置換基を有するものを含む。)、アルコキシ基(炭
素数1〜40。置換基を有するものを含む。)、アリー
ルオキシ基(炭素数6〜40。置換基を有するものを含
む。)を表わす。
【0085】以下に本発明に用いられる一般式(I)で
表わされる色素の具体例を示す。
【0086】
【化27】
【0087】
【化28】
【0088】
【化29】
【0089】
【化30】
【0090】
【化31】
【0091】
【化32】
【0092】
【化33】
【0093】以下に本発明に用いられる一般式(II)で表
わされる化合物の具体例を示す。
【0094】
【化34】
【0095】
【化35】
【0096】
【化36】
【0097】
【化37】
【0098】
【化38】
【0099】以下に本発明に用いられる一般式(III) で
表わされる化合物の具体例を示す。
【0100】
【化39】
【0101】以下に本発明に用いられる一般式(IV)で表
わされる色素の具体例を示す。
【0102】
【化40】
【0103】
【化41】
【0104】
【化42】
【0105】
【化43】
【0106】
【化44】
【0107】
【化45】
【0108】以下に本発明に用いられる一般式(V)で
表わされる化合物の具体例を示す。
【0109】
【化46】
【0110】
【化47】
【0111】
【化48】
【0112】これまでにAとして、色素の例のみを挙げ
たが、赤外吸収化合物、紫外吸収化合物、退色防止化合
物などの機能性化合物を色素に代って用いてもよい。
【0113】またこれまでにジエン部、又はジエノフィ
ル部について炭素骨格の例のみを挙げたがヘテロ原子
(N、S、Oが好ましい)を含むいわゆるヘテロディー
ルス・アルダー反応を行なうジエン部又はジエノフィル
部を有する色素又は化合物を用いてもよい。それらの具
体例を示す。
【0114】
【化49】
【0115】
【化50】
【0116】以下に本発明の色素の合成例を示す。 合成例1.色素I−1の合成 1−1.中間体 2−(N−フルフリルカルバモイル)
−1−ナフトールの合成2−フェノキシカルボニル−1
−ナフトール5.3g、フルフリルアミン6.0gおよ
びアセトニトリル25mlを2時間加熱還流した。室温に
放冷後これへかきまぜながら水を20ml徐々に加えた。
析出した結晶を濾取し、目的物4.0gを得た。 1−2.色素I−1の合成 上記で得た中間体2.0g、酢酸エチル120ml、イソ
プロパノール60ml、10%炭酸ナトリウム水溶液、お
よびp−(N,N−ジエチル)アニリン・硫酸塩2.2
gを室温下かきまぜ、これへ、過硫酸アンモニウム5.
7gを5分間かけて加えた。20分間反応させた後、酢
酸エチル層を分液した。ロータリーエバポレータで酢酸
エチル溶液を約20mlまで減圧濃縮した。これへメタノ
ール100ml加え室温下1時間かきまぜた。析出した結
晶を濾取し、mp134〜5℃目的物2.6gを得た。
【0117】合成例2.色素IV−1の合成 2−1.中間体 N−エチル−N−〔2−(1−マレイ
ミド)エチル〕−m−トルイジンの合成 N−エチル−N−(2−アミノエチル)−m−トルイジ
ン14.7gおよびトルエン300mlを80〜90℃に
保つように加熱攪拌した。これへ、無水マレイン酸およ
びトルエン60mlからなる溶液を1時間かけて滴下し
た。浴温を上げてトルエンを2時間かけて徐々に留去し
た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー
(展開溶媒ヘキサン,酢酸エチル1:1)で精製し、3
0.5gの目的物を得た。 2−2.色素IV−1の合成 アニリン0.93g、水10mlおよび塩酸2.5mlをか
きまぜながら氷浴で冷やし、これへ、亜硫酸ナトリウム
0.69g徐々に加えた後20分間反応させてジアゾニ
ウム塩溶液を合成した。2−1で得た中間体2.58
g、メタノール150mlおよび酢酸ナトリウム4.91
gをかきまぜながら氷浴で10℃以下に冷やし、これへ
上記ジアゾニウム塩溶液全量を加えた。10分間反応さ
せた後、析出した結晶を濾取した。これをアセトニトリ
ルより再結晶して、mp134〜5℃の目的物2.3g
を得た。
【0118】本発明の熱移行性色素は、支持体上の色素
供与層に含有させられ、熱転写色素供与材料とされ、熱
転写方式の画像形成に用いられる。次に本発明の熱移行
性色素を熱転写方式の画像形成に用いた場合について、
以下に詳しく述べる。通常フルカラーの画像を構成する
ためには、イエロー、マゼンタ、シアン3色の色素が必
要である。同一の色について、本発明の色素と従来公知
の色素とを混合して使用してもよい。また本発明の色素
の2種以上を同一の色として混合して使用してもよい。
また本発明の色素を1色又は2色に用い、他の2色又は
1色を従来公知の色素を用いてフルカラー画像形成して
もよい。
【0119】本発明の熱移行性色素の使用法について述
べる。熱転写色素供与材料はシート状または連続したロ
ール状もしくはリボン状で使用できる。イエロー、マゼ
ンタ、シアンの各色素は、通常各々独立な領域を形成す
るように支持体上に配置される。例えば、イエロー色素
領域、マゼンタ色素領域、シアン色素領域を面順次もし
くは線順次に一つの支持体上に配置する。また、上記の
イエロー色素、マゼンタ色素、シアン色素を各々別々の
支持体上に設けた3種の熱転写色素供与材料を用意し、
これらから順次一つの熱転写受像材料に色素の熱転写を
行うこともできる。本発明の色素は、各々バインダー樹
脂と共に適当な溶剤に溶解または分散させて支持体上に
塗布するか、あるいはグラビア法などの印刷法により支
持体上に印刷することができる。これらの色素を含有す
る色素供与層の厚みは乾燥膜厚で通常約0.2〜5μ
m、特に0.4〜2μmの範囲に設定するのが好まし
い。色素の塗布量は0.03〜5g/m2、好ましくは
0.1〜1.0g/m2である。
【0120】上記の色素と共に用いるバインダー樹脂と
しては、このような目的に従来公知であるバインダー樹
脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が高く、
しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないものが選
択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアク
リル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポリア
クリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリ
ル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例
えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレー
ト、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースト
リアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルブチラールなどの部分ケン化ポリビニルアルコー
ル)、石油系樹脂、ロジン誘導体、クマロン−インデン
樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン)などが用いられ
る。本発明においてこのようなバインダー樹脂は、例え
ば色素100重量部当たり約20〜600重量部の割合
で使用するのが好ましい。本発明において、上記の色素
およびバインダー樹脂を溶解または分散するためのイン
キ溶剤としては、従来公知のインキ溶剤がいずれも使用
できる。
【0121】熱転写色素供与材料の支持体としては従来
公知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラ
シン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、弗素ポ
リマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフィ
ン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプ
ロピレン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられ
る。熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜
30μmである。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。また、親水性のポリマーよりなる色素拡散防止層を
支持体と色素供与層の中間に設けてもよい。これによっ
て転写濃度が一層向上する。また、サーマルヘッドが色
素供与材料に粘着するのを防止するためにスリッピング
層を設けてもよい。このスリッピング層はポリマーバイ
ンダーを含有したあるいは含有しない潤滑物質、例えば
界面活性剤、固体あるいは液体潤滑剤またはこれらの混
合物から構成される。色素供与材料には背面より印字す
るときにサーマルヘッドの熱によるスティッキングを防
止し、滑りをよくする意味で、支持体の色素供与層を設
けない側にスティキング防止処理を施すのがよい。例え
ば、ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの
反応生成物、リン酸エステルのアルカリ金属塩または
アルカリ土類金属塩、および充填剤を主体とする耐熱
スリップ層を設けるのがよい。ポリビニルブチラール樹
脂としては分子量が6万〜20万程度で、ガラス転移点
が80〜110℃であるもの、またイソシアネートとの
反応サイトが多い観点からビニルブチラール部分の重量
%が15〜40%のものがよい。リン酸エステルのアル
カリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては東邦化学
製のガファックRD720などが用いられ、ポリビニル
ブチラール樹脂に対して1〜50重量%、好ましくは1
0〜40重量%程度用いるとよい。耐熱スリップ層は下
層に耐熱性を伴うことが望ましく、加熱により硬化しう
る合成樹脂とその硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブ
チラールと多価イソシアネート、アクリルポリオールと
多価イソシアネート、酢酸セルロースとチタンキレート
剤、もしくはポリエステルと有機チタン化合物などの組
合せを塗布により設けるとよい。色素供与材料には色素
の支持体方向への拡散を防止するための親水性バリヤー
層を設けることもある。親水性の色素バリヤー層は、意
図する目的に有用な親水性物質を含んでいる。一般に優
れた結果がゼラチン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ
(イソプロピルアクリルアミド)、メタクリル酸ブチル
グラフトゼラチン、メタクリル酸エチルグラフトゼラチ
ン、モノ酢酸セルロース、メチルセルロース、ポリ(ビ
ニルアルコール)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ア
クリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビ
ニル)との混合物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ
(アクリル酸)との混合物またはモノ酢酸セルロースと
ポリ(アクリル酸)との混合物を用いることによって得
られる。特に好ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モ
ノ酢酸セルロースまたはポリ(ビニルアルコール)であ
る。色素供与材料には下塗り層を設けてもよい。本発明
では所望の作用をすればどのような下塗り層でもよい
が、好ましい具体例としては、(アクリロニトリル/塩
化ビニリデン/アクリル酸)共重合体(重量比14:8
0:6)、(アクリル酸ブチル/メタクリル酸−2−ア
ミノエチル/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共
重合体(重量比30:20:50)、線状/飽和ポリエ
ステル例えばボスティック7650(エムハート社、ボ
スティック・ケミカル・グループ)または塩素化高密度
ポリ(エチレン−トリクロロエチレン)樹脂が挙げられ
る。下塗り層の塗布量には特別な制限はないが、通常
0.1〜2.0g/m2の量で用いられる。本発明におい
ては、熱転写色素供与材料を熱転写受像材料と重ね合わ
せ、いずれかの面から、好ましくは熱転写色素供与材料
の裏面から、例えばサーマルヘッド等の加熱手段により
画像情報に応じた熱エネルギーを与えることにより、色
素供与層の色素を熱転写受像材料に加熱エネルギーの大
小に応じて転写することができ、優れた鮮明性、解像性
の階調のあるカラー画像を得ることができる。また褪色
防止剤も同様にして転写できる。加熱手段はサーマルヘ
ッドに限らず、レーザ光(例えば半導体レーザ)、赤外
線フラッシュ、熱ペンなどの公知のものが使用できる。
レーザを用いるシステムでは、熱転写色素供与材料は、
レーザ光を強く吸収する材料を含有することが好まし
い。熱転写色素供与材料にレーザ光を照射すると、この
吸収性材料が光エネルギーを熱エネルギーに変換し、す
ぐ近くの色素にその熱を伝達し、色素は熱転写受像材料
に転写される温度(熱移行温度)まで加熱される。この
吸収性材料は色素の下部に層を成して存在し、及び/又
は色素と混合される。レーザビームは元の画像の形状及
び色を表す電気信号で変調され、元の対象の色を再構成
するため熱転写色素供与材料上に存在する必要ある領域
の色素のみが加熱されて熱移行する。本プロセスの更に
詳しい説明は、英国特許2,083,726A号に記載
されている。英国特許2,083,726A号に、その
レーザシステム用として開示されている吸収性材料は炭
素である。
【0122】本発明において、熱転写色素供与材料は熱
転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種
プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気
記録方式、光磁気記録方式、光記録方式等による画像の
プリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリン
ト作成等に利用できる。熱転写記録方法の詳細について
は、特開昭60−34895号の記載を参照できる。本
発明の好ましい実施態様では、熱転写色素供与材料はポ
リエチレンテレフタレート支持体上にシアン色素、マゼ
ンタ色素およびイエロー色素を逐次繰返し領域で塗布し
たものからなり、前記熱転写工程を各色素毎に逐次実施
して三色の転写画像を形成する。勿論、この熱転写工程
を単色で実施した際には、モノクロームの転写画像が得
られる。熱転写色素供与材料から熱転写受像材料に色素
を熱転写するのに、アルゴンやクリプトンのようなイオ
ンガスレーザ、銅、金およびカドミウムのような金属蒸
気レーザ、ルビーやYAGのような固体レーザ、又は7
50〜870nmの赤外域で放出するガリウム−ヒ素の
ような半導体レーザ等の数種のレーザが使用できる。し
かしながら実際的には、小型、低コスト、安定性、信頼
性、耐久性及び変調の容易さの点で半導体レーザーが有
利である。
【0123】本発明の熱転写色素供与材料と組合わせて
用いられる熱転写受像材料は支持体上に色素供与材料か
ら移行してくる色素を受容する受像層を設けたものであ
る。この受像層は、印字の際に熱転写色素供与材料から
移行してくる熱移行性色素を受け入れ、熱移行性色素が
染着する働きを有している熱移行性色素を受容しうる物
質を単独で、またはその他のバインダー物質とともに含
んでいる厚み0.5〜50μm程度の被膜であることが
好ましい。熱移行性色素を受容しうる物質の代表例であ
るポリマーとしては次のような樹脂が挙げられる。
【0124】(イ)エステル結合を有するもの テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸などのジカルボ
ン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸
基、カルボキシル基などが置換していてもよい)と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール
Aなどの縮合により得られるポリエステル樹脂:ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのポ
リアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エス
テル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ポリ酢酸ビニル樹
脂:スチレンアクリレート樹脂:ビニルトルエンアクリ
レート樹脂など。具体的には特開昭59−101395
号、同63−7971号、同63−7972号、同63
−7973号、同60−294862号に記載のものが
挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製の
バイロン290、バイロン200、バイロン280、バ
イロン300、バイロン103、バイロンGK−14
0、バイロンGK−130、花王製のATR−200
9、ATR−2010などが使用できる。 (ロ)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 (ハ)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 (ホ)スルホン結合を有するもの ポリスルホン樹脂など。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂な
ど。 上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるい
は共重合体なども使用できる。また、特開平1−188
391号および同3−83685号に記載の塩基性化合
物及び/又は媒染剤を用いることもできる。
【0125】熱転写受像材料中、特に受像層中には、熱
移行性色素を受容しうる物質として、または色素の拡散
助剤として高沸点有機溶剤または熱溶剤を含有させるこ
とができる。高沸点有機溶剤および熱溶剤の具体例とし
ては特開昭62−174754号、同62−24525
3号、同61−209444号、同61−200538
号、同62−8145号、同62−9348号、同62
−30247号、同62−136646号に記載の化合
物を挙げることができる。熱転写受像材料の受像層は、
熱移行性色素を受容しうる物質を水溶性バインダーに分
散して担持する構成としてもよい。この場合に用いられ
る水溶性バインダーとしては公知の種々の水溶性ポリマ
ーを使用しうるが、硬膜剤により架橋反応しうる基を有
する水溶性のポリマーが好ましい。受像層は2層以上の
層で構成してもよい。その場合、支持体に近い方の層に
はガラス転移点の低い合成樹脂を用いたり、高沸点有機
溶剤や熱溶剤を用いて色素に対する染着性を高めた構成
にし、最外層にはガラス転移点のより高い合成樹脂を用
いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要最小限
にするかもしくは使用しないで表面のベタツキ、他の物
質との接着、転写後の他の物質への再転写、熱転写色素
供与材料とのブロッキング等の故障を防止する構成にす
ることが望ましい。受像層の厚さは全体で0.5〜50
μm、特に3〜30μmの範囲が好ましい。2層構成の
場合最外層は0.1〜2μm、特に0.2〜1μmの範
囲にするのが好ましい。
【0126】熱転写受像材料は、支持体と受像層の間に
中間層を有してもよい。中間層は構成する材質により、
クッション層、多孔層、色素の拡散防止層のいずれか又
はこれらの2つ以上の機能を備えた層であり、場合によ
っては接着剤の役目も兼ねている。色素の拡散防止層
は、特に熱移行性色素が支持体に拡散するのを防止する
役目を果たすものである。この拡散防止層を構成するバ
インダーとしては、水溶性でも有機溶剤可溶性でもよい
が、水溶性のバインダーが好ましく、その例としては前
述の受像層のバインダーとして挙げた水溶性バインダ
ー、特にゼラチンが好ましい。多孔層は、熱転写時に印
加した熱が受像層から支持体へ拡散するのを防止し、印
加された熱を有効に利用する役目を果たす層である。熱
転写受像材料を構成する受像層、クッション層、多孔
層、拡散防止層、接着層等には、シリカ、クレー、タル
ク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト、酸
化亜鉛、リトポン、酸化チタン、アルミナ等の微粉末を
含有させてもよい。熱転写受像材料に用いる支持体は転
写温度に耐えることができ、平滑性、白色度、滑り性、
摩擦性、帯電防止性、転写後のへこみなどの点で要求を
満足できるものならばどのようなものでも使用できる。
例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系な
どの合成紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト
コート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョ
ン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添
紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙
(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)などの紙支持
体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリスチレンメタクリレート、ポリカー
ボネート等の各種のプラスチックフィルムまたはシート
とこのプラスチックに白色反射性を与える処理をしたフ
ィルムまたはシート、また上記の任意の組合せによる積
層体も使用できる。
【0127】熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いても
よい。その例としては、K. Veenkataraman編「The Chem
istry of Synthetic Dyes 」第V巻第8章、特開昭61
−143752号などに記載されている化合物を挙げる
ことができる。より具体的には、スチルベン系化合物、
クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサ
ゾリル系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン
系化合物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベンゾ
オキサゾールチオフェン系化合物などが挙げられる。蛍
光増白剤は褪色防止剤と組み合わせて用いることができ
る。本発明において、熱転写色素供与材料と熱転写受像
材料との離型性を向上させるために、色素供与材料及び
/又は受像材料を構成する層中、特に好ましくは両方の
材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を含有させる
のが好ましい。離型剤としては、ポリエチレンワック
ス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形あるい
はワックス状物質:弗素系、リン酸エステル系等の界面
活性剤:パラフィン系、シリコーン系、弗素系のオイル
類等、従来公知の離型剤がいずれも使用できるが、特に
シリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとして
は、無変性のもの以外にカルボキシ変性、アミノ変性、
エポキシ変性等の変性シリコーンオイルを用いることが
できる。その例としては、信越シリコーン(株)発行の
「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜18B頁に記
載の各種変性シリコーンオイルを挙げることができる。
有機溶剤系のバインダー中に用いる場合は、このバイン
ダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイソシアネートと
反応しうる基)を有するアミノ変性シリコーンオイル
が、また水溶性バインダー中に乳化分散して用いる場合
は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例えば信越シリ
コーン(株)製:商品名KF−100T)が有効であ
る。
【0128】本発明に用いる熱転写色素供与材料および
熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化され
ていてもよい。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合に
は、特開昭61−199997号、同58−21539
8号等に記載されている硬膜剤が使用できる。ポリエス
テル樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使
用が好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が使用に適している。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、ア
ジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン
系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニ
ルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤
(ジメチロール尿素など)、あるいは高分子硬膜剤(特
開昭62−234157号などに記載の化合物)が挙げ
られる。
【0129】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合
物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒ
ンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒン
ダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。
また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効
である。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系
化合物(米国特許第3,533,794号など)、4−
チアゾリドン系化合物(米国特許第3,352,681
号など)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−27
84号など)、その他特開昭54−48535号、同6
2−136641号、同61−88256号等に記載の
化合物がある。また、特開昭62−260152号記載
の紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属錯体として
は、米国特許第4,241,155号、同第4,24
5,018号第3〜36欄、同第4,254,195号
第3〜8欄、特開昭62−174741号、同61−8
8256号(27)〜(29)頁、特開平1−7556
8号、特開昭63−199248号等に記載されている
化合物がある。有用な褪色防止剤の例は特開昭62−2
15272号(125)〜(137)頁に記載されてい
る。受像材料に転写された色素の褪色を防止するための
褪色防止剤は予め受像材料に含有させておいてもよい
し、色素供与材料から転写させるなどの方法で外部から
受像材料に供給するようにしてもよい。上記の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせ
て使用してもよい。
【0130】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防
止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。例えば、サポニン(ステロイド系)、アル
キレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリ
エチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリ
エチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコー
ルソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールア
ルキルアミンまたはアミド類、シリコーンのポリエチレ
ンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えば
アルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルフェノー
ルポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル
類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性
剤:アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル
類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アル
キルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホア
ルキルポリエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリ
オキシエチレンアルキルリン酸エステル類などのカルボ
キシ基、スルホ基、フォスホ基、硫酸エステル基、リン
酸エステル基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤:
アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアル
キル硫酸あるいはリン酸エステル類、アルキルベタイン
類、アミンオキシド類などの両性界面活性剤:アルキル
アミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム
塩類、ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複素環第4
級アンモニウム塩類、および脂肪族あるいは複素環を含
むフォスフォニムあるいはスルホニウム塩類などのカチ
オン性界面活性剤を用いることができる。これらの具体
例は特開昭62−173463号、同62−18345
7号等に記載されている。また、熱移行性色素を受容し
うる物質、離型剤、褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増
白剤その他の疎水性化合物を水溶性バインダー中に分散
する際には、分散助剤として界面活性剤を用いるのが好
ましい。この目的のためには、上記の界面活性剤の他
に、特開昭59−157636号の37〜38頁に記載
の界面活性剤が特に好ましく用いられる。
【0131】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオ
ロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第
8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−13
5826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、ま
たはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四
フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂など
の疎水性フッ素化合物が挙げられる。熱転写色素供与材
料や熱転写受像材料にはマット剤を用いることができ
る。マット剤としては二酸化ケイ素、ポリオレフィンま
たはポリメタクリレートなどの特開昭61−88256
号(29)頁記載の化合物の他に、ベンゾグアナミン樹
脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビー
ズなどの特開昭63−274944号、同63−274
952号記載の化合物がある。
【0132】
【実施例】以下に本発明の詳細な実施例を示す。ただし
本発明の熱転写受像材料は以下に示す実施例に限られる
ものではない。
【0133】実施例1 (熱転写色素供与材料1の作製)片面に熱硬化アクリル
樹脂からなる耐熱滑性層を設けた厚さ5.5μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム(ルミラー:東レ製)
を支持体とし、この支持体の耐熱滑性層を設けた側と反
対の側に下記組成の熱転写色素供与層塗液をワイヤーバ
ーコーティングにより、乾燥後の厚みが0.8μmとな
るように塗布形成して熱転写色素供与材料1を得た。
【0134】 熱転写色素供与層塗液 色素I−1 4g ポリビニルブチラール樹脂(デンカブチラール5000−A:電気化学製) 4g メチルエチルケトン 40ml トルエン 40ml ポリイソシアネート(タケネートD110N:武田薬品製) 0.2ml
【0135】(熱転写受像材料1〜の作製)140
μmの紙の両面に30μm、33μmの厚みにポリエチ
レンをラミネートしたレジンコート紙を用意し、30μ
mの厚みにラミネートされた面に下記組成の断熱層用塗
液をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1
0μmとなるように塗布した。乾燥は100℃のオーブ
ン中で10分間おこなった。
【0136】 受像層用塗液 ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡製) 15g ポリエーテル変成シリコーンオイル (SH−3771:東レダウコーニング製) 1g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ製) 3g 化合物 II-1. または II-5. または II-6. または II-10. または II-23. または II-37.またはII−44 3g メチルエチルケトン 85ml トルエン 85ml
【0137】実施例2 (熱転写色素供与材料2の作製)実施例1の熱転写色素
供与材料1の色素を以下のように変えたものを塗布し熱
転写色素供与材料2−〜を得た。 熱転写受像材料は実施例1の熱転写受像材料1−(化
合物II−1添加)を用いた。
【0138】比較例1 熱転写色素供与材料は実施例1と同じものを用いる。 (熱転写受像材料2の作製)実施例1と同内容の支持体
の表面に、下記組成の受像層用塗液をワイヤーバーコー
ティングにより乾燥時の厚みが10μmとなるように塗
布した。乾燥は100℃のオーブン中で30分間おこな
った。
【0139】 受像層用塗液 ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡製) 15g ポリエーテル変成シリコーンオイル (SH−3771:東レダウコーニング製) 1g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ製) 3g 化合物 a 3g
【0140】
【化51】
【0141】 メチルエチルケトン 85ml トルエン 85ml
【0142】比較例2 熱転写色素供与材料は実施例1と同じものを用いる。 (熱転写受像材料3の作製)実施例1と同内容の支持体
の表面に、下記組成の受像層用塗液をワイヤーバーコー
ティングにより乾燥時の厚みが10μmとなるように塗
布した。乾燥は100℃のオーブン中でおこなった。
【0143】 受像層用塗液 ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡製) 15g ポリエーテル変成シリコーンオイル (SH−3771:東レダウコーニング製) 1g ポリイソシアネート(KP−90:大日本インキ製) 3g メチルエチルケトン 85ml トルエン 85ml
【0144】比較例3 (熱転写色素供与材料3の作製)熱転写色素供与材料は
実施例1の色素を以下に変えたものを用いる。 色素A
【0145】
【化52】
【0146】熱転写受像材料は実施例1の熱転写受像材
料1−(化合物II−1添加)を用いた。
【0147】実施例3 (熱転写色素供与材料3の作製)実施例1の熱転写色素
供与材料1の色素をIV−1に変えて熱転写色素供与材料
3を得た。
【0148】(熱転写受像材料3−〜の作製)実施
例1の熱転写受像材料1−〜の化合物をV−1また
はV−2またはV−4またはV−13またはV−30ま
たはV−31またはV−34に変えて熱転写受像材料3
−〜を得た。
【0149】実施例4 (熱転写色素供与材料4の作製)実施例3の熱転写色素
供与材料3の色素を以下のように変えたものを塗布し熱
転写色素供与材料4−〜を得た。 熱転写受像材料は実施例3の熱転写受像材料3−(化
合物V−1添加)を用いた。
【0150】比較例4 (熱転写受像材料4の作製)熱転写色素供与材料は実施
例3と同じものを用いる。比較例1の化合物aを化合物
bに変えて熱転写受像材料4を得た。 化合物b
【0151】
【化53】
【0152】比較例5 熱転写色素供与材料は実施例3と、また熱転写受像材料
は比較例2と同じものを用いた。
【0153】比較例6 (熱転写色素供与材料5の作製)熱転写色素供与材料は
実施例3の色素を以下に変えたものを用いた。 色素B
【0154】
【化54】
【0155】熱転写受像材料は実施例3の熱転写受像材
料3−(化合物V−1添加)を用いた。
【0156】上記のようにして得られた熱転写色素供与
材料と熱転写受像材料とを色素供与層と受像層が接する
ようにして重ね合わせ、熱転写色素供与材料の支持体側
からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力
0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15msec、ド
ット密度6ドット/mmの条件で熱印加をおこない、熱転
写受像材料の受像層に色素を像様に染着させた。このと
き得られた記録済の熱転写受像材料の、濃度が飽和して
いる部分(Dmax)を反射濃度測定機、X Rite ・ステー
タスAフィルターを用いて色像の反射濃度を測定した。
また得られた画像を80℃オーブン中に1週間保存し、
保存後の像のにじみを目視で判定した。判定基準は、像
が保存前とほとんど変化しないものを○、少しにじむも
のを△、非常ににじんでぼけるものを×とした。以上の
試験の結果を表1および表2に示す。
【0157】
【表1】
【0158】
【表2】
【0159】
【発明の効果】本発明によれば、ディールスアルダー反
応生成物を形成することにより、転写画像濃度が高くま
た転写画像保存時(特に高温)のにじみの少ない熱転写
材料を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】
【化24】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正内容】
【0092】
【化33】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正内容】
【0103】
【化41】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正内容】
【0104】
【化42】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正内容】
【0105】
【化43】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正内容】
【0107】
【化45】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正内容】
【0111】
【化48】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に色素層を有する色素供与材料
    と支持体上に受像層を有する受像材料とからなる熱転写
    材料であり、色素層中にジエンを有する色素を含有し、
    受像層中にジエノフィル化合物を含有し、ジエンを有す
    る色素が熱移行して受像層中のジエノフィル化合物とデ
    ィールス・アルダー反応を行なう、又は色素層中にジエ
    ノフィルを有する色素を含有し、受像層中にジエン化合
    物を含有し、ジエノフィルを有する色素が熱移行して受
    像層中のジエン化合物とディールス・アルダー反応を行
    なうことを特徴とする熱転写材料。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ジエンを有する色素
    が一般式(I)で表わされ、ジエノフィル化合物が一般
    式(II)又は(III) で表わされることを特徴とする熱転
    写材料。一般式(I) A−(B−X)n ここでAは色素本体部を表わし、Bは単結合又は2価の
    連結基を表わし、XはCR1 (R2 )=CR3 −CR4
    =CR5 (R6 )を表わす。R1 〜R6 は水素原子又は
    非金属原子団を表わす。R1 とR5 および/又はR3
    4 および/又はR1 とR2 および/又はR5 とR6
    よび/又はR1 とR3 および又はR4 とR5 は一緒にな
    って炭素環又はヘテロ環を形成してもよい。BとはR1
    〜R6 のいずれとでも結合してよいし、又はR1 〜R6
    のいずれかに代って直接ジエン骨格と結合してもよい。
    nは1〜3の整数を表わす。一般式(II) CR7 (R8 )=CR9 (R10) ここでR7 〜R10は水素原子又は非金属原子団を表わ
    す。但し、R7 〜R10のすべてが水素原子であることは
    ない。R7 とR9 および/又はR7 とR8 および/又は
    9 とR10および/又はR8 とR9 は一緒になって炭素
    環又はヘテロ環を形成してもよい。一般式(III) CR11≡CR12 ここでR11、R12は水素原子又は非金属原子団を表わ
    す。但し、R11、R12が両方とも水素原子であることは
    ない。R11とR12は一緒になって炭素環又はヘテロ環を
    形成してもよい。
  3. 【請求項3】 請求項1においてジエノフィルを有する
    色素が一般式(IV)で表わされ、ジエン化合物が一般式
    (V)で表わされることを特徴とする熱転写材料。一般
    式(IV) A−(B−Y)n ここでA、B、nは一般式(I)のそれらと同意であ
    る。YはCR13(R14)=CR15(R16)又はCR17
    CR18を表わす。R13〜R18は水素原子又は非金属原子
    団を表わす。R13とR15および/又はR13とR14および
    /又はR15とR16および/又はR14とR16、又R17とR
    18は一緒になって炭素環又はヘテロ環を形成してもよ
    い。BとはR13〜R18のいずれとでも結合してよいし、
    又はR13〜R18のいずれかに代って直接ジエノフィル骨
    格と結合してもよい。一般式(V) CR19(R20)=CR21−CR22=CR23(R24) ここでR19〜R24は水素原子又は非金属原子団を表わ
    す。但しR19〜R24のすべてが水素原子であることはな
    い。R19とR23および/又はR21とR22および/又はR
    19とR20および/又はR23とR24および/又はR20とR
    24は一緒になって炭素環又はヘテロ環を形成してもよ
    い。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5507839A (en) * 1993-11-22 1996-04-16 Fuji Photo Film Co., Ltd. Dye fixing method

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