JPH07143006A - デルタシグマ型a/dコンバータ - Google Patents

デルタシグマ型a/dコンバータ

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JPH07143006A
JPH07143006A JP28484593A JP28484593A JPH07143006A JP H07143006 A JPH07143006 A JP H07143006A JP 28484593 A JP28484593 A JP 28484593A JP 28484593 A JP28484593 A JP 28484593A JP H07143006 A JPH07143006 A JP H07143006A
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offset
input
delta
modulator
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Ichiro Fujimori
一郎 藤森
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Asahi Kasei Microdevices Corp
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Asahi Kasei Microsystems Co Ltd
Asahi Kasei Microdevices Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ΔΣ型A/Dコンバータにおいて、ΔΣ変調
器が微小AC入力または無入力の場合に、量子化データ
の量子化ノイズ中に発生するトーン成分が出力に現れな
いようにすること。 【構成】 5つの積分器6〜10は縦続接続され、それ
ぞれの出力は加算され、その加算結果Vaはコンパレー
タ15により、1ビットデータDに量子化される。1ビ
ットD/Aコンバータ16はデータDの極性に応じて、
+Vrefまたは−Vrefの量子化ステップを、積分
器6への入力から減算する。積分器6の入力側にDCオ
フセット電圧Vdcを加えることによって量子化ノイズ
のトーン成分の周波数をデジタルフィルタのパスバンド
外に移動させる。したがって、このトーン成分はデジタ
ルフィルタによってフィルタリングされ、折返しなどに
よってパスバンドに現れることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ,通信等の
分野において、デジタル信号処理を利用する場合に必要
となるデルタシグマ(ΔΣ)型A/D(アナログ/デジ
タル)コンバータに関し、さらに詳しくは、トーン性の
量子化ノイズの影響をなくすための手段を有するΔΣ型
A/Dコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】ΔΣ型A/Dコンバータでは、アナログ
入力を最終的に必要なワードレートおよびワード長のデ
ジタル出力に変換するために、まずアナログ入力を最終
ワードレートよりも速いレートでサンプリングし(これ
をオーバーサンプリングと言い、一般的に32倍以
上。)、さらにΔΣ変調によりパルス密度変調された量
子化データ(一般的に最終ワード長よりも低ビット)に
変換する。この量子化データに含まれる量子化ノイズ
は、オーバーサンプリングの効果により、最終的なデジ
タル出力のナイキスト周波数にあたる必要周波数帯域
(パルバンド)よりも広い帯域に分布している。また、
ΔΣ変調のノイズシェイピングの効果により、量子化ノ
イズはパスバンド付近の低周波数域では少なく、高周波
数域に集中している。ΔΣ変調器出力の量子化データは
このような性質を有するので、この量子化データをデジ
タルフィルタによりパスバンドに帯域制限し、同時に最
終的に必要なワードレートのデジタル出力にデシメーシ
ョンすれば、理論的には信号対雑音比(S/N)の高い
A/Dコンバータを実現することができる。
【0003】ΔΣ変調器のアナログ入力にDC入力を加
えた場合、出力の量子化データが周期的になる。これに
より通常は周波数に対してランダム(ホワイト)である
量子化ノイズが、トーン成分を持つようになる。量子化
器の分解能が低ビットになるほど、量子化ステップが大
きくなり、量子化ノイズの量が大きくなるので、トーン
性の量子化ノイズは、より顕著に現れる。また、アナロ
グ入力が量子化ステップに比べて十分に小さい微小AC
信号で、かつ中心点のずれとしてDCオフセットを含む
場合にも、AC信号にはDCオフセットによる周期性を
完全に崩す程の振幅がないので、やはりトーン性のノイ
ズは現れる。このトーン成分のうち、パスバンド内に位
置するものは、デジタルフィルタ部でフィルタリングさ
れることもなく、A/Dコンバータの出力にそのまま現
れる。
【0004】デジタルオーディオ用途では、許容最大振
幅に対して−60dBのAC入力をアナログ入力とした
場合のS/Nを、ダイナミックレンジとして定義するの
が一般的である。これは、微小AC信号でのノイズフロ
アの性質が重要となることを意味する。ΔΣ型A/Dコ
ンバータの場合、もしこのような微小ACのアナログ入
力にDC成分が含まれていれば、トーン成分がノイズフ
ロアに発生する。デジタルオーディオのシステムでは、
アナログ入力に、中心値のずれとしてDCオフセット
が、存在する可能性がある。実際に、ΔΣ型A/Dコン
バータにおいて、微小AC入力時のトーン性のノイズ
は、デジタルオーディオ用途では、しばしば聴感上問題
となっている。
【0005】トーン性の量子化ノイズが発生するメカニ
ズムを説明するために、図1のような1次のΔΣ変調器
の場合を考える。図1のΔΣ変調器は1次の積分器1、
周波数Fsで積分器1の出力をサンプリングするサンプ
ル/ホールド2、1ビット量子化器3、そして量子化器
3の出力に応じて正または負の量子化ステップ(+Vr
efまたは−Vref)を発生する1ビットD/Aコン
バータ4を有し、さらに積分器1の入力側において、減
算器5によって1ビットD/Aコンバータ4の出力を入
力信号から減算することにより、全体で負帰還ループを
構成している。入力x(t)にDC入力Vdcを与える
と、積分器1の出力は図2のV(t)のようにランプ波
形の繰り返しになり、1ビット量子化器2の出力D
(t)は量子化ステップとDC入力レベルの比に応じた
デューティ比の0,1パターンの繰り返しになる。図2
の例ではVdc/Vref=1/5なので、量子化デー
タは00001の繰り返しになる。量子化データが周期
的になると、量子化ノイズはホワイトではなくなり、図
3のようにトーン性のピークを持つ。DC入力がVdc
の時、トーン成分の間隔Ftoneは、
【0006】
【数1】Ftone=Fs/(Vref/Vdc) で与えられる。
【0007】トーン性の量子化ノイズの影響をなくすた
めに、従来の技術では次の二つの方法が取られている。
【0008】(従来方法1) アナログ入力に疑似ラン
ダム波形のディザを加算することにより、微少AC入力
時やDC(AC入力の中心ずれによるDC成分)入力時
でも量子化データがランダム化され、量子化ノイズのト
ーン性がなくなる。
【0009】(従来方法2) 量子化器を多ビット(2
ビット以上)にすることにより、量子化ステップが小さ
くなり、量子化ノイズの量が減るので、トーン性ノイズ
の影響が小さくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来方法1の
ように、アナログ入力に疑似ランダム波形を加算すると
言うことは、ノイズを加算するのと同じなので、S/N
が劣化すると言う欠点がある。
【0011】また、従来方法2の場合、2ビット以上の
量子化器を用いるが、1ビット量子化器では、1つのし
きい値レベルに対して正か負かを判断するので、固有の
性質として線形な量子化を行うことができる。2ビット
以上の量子化器では、いくつかの中間レベルに対して判
断をするので、中間レベルの誤差のため、完全に線形な
量子化をすることはできない。この量子化器の非線形性
は、A/Dコンバータの特性には歪率として現れる。
【0012】このように、従来の方法では、S/Nまた
は歪率を劣化させることなく、トーン性の量子化ノイズ
の影響をなくすことができなかった。
【0013】従って、本発明の目的は、S/Nや歪率な
どのA/Dコンバータの特性を劣化させることなく、ト
ーン性の量子化ノイズの影響をなくすことができるΔΣ
型A/Dコンバータを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、アナログ入力をオーバーサンプリング
し、デルタシグマ変調された量子化データに変換するデ
ルタシグマ変調部と、該デルタシグマ変調部からの量子
化データを周波数帯域が制限されたデジタル出力に変換
するデジタルフィルタ部とを有するデルタシグマ型A/
Dコンバータにおいて、前記量子化データに含まれる量
子化ノイズのトーン成分の周波数を、前記デジタルフィ
ルタ部の周波数帯域外に移動させるように前記デルタシ
グマ変調部の積分器入力側にDCオフセットを加える手
段を具えたことを特徴とする。
【0015】さらに本発明は、前記DCオフセットの影
響が、前記デジタル出力のDCオフセットとして現れな
いようにDCオフセットをキャンセルする手段を有する
ことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明では、量子化ノイズのトーン成分の周波
数を、デルタシグマ変調部の入力側の積分器入力に意図
的にDCオフセットを加えることによって制御し、デジ
タルフィルタのパスバンド外、すなわち、減衰域(スト
ップバンド)に移動させている。ここで加えられるDC
オフセットは、アナログ入力に含まれる可能性のある、
中心値のずれによるDCオフセットを、考慮した値でな
ければいけない。DCオフセット加算によってストップ
バンドに移動したトーン成分は、他の量子化ノイズと同
様にフィルタリングされるので、折返しなどによってパ
スバンドに現れることはない。従って、A/Dコンバー
タの性能は、アナログ入力が微小AC入力でもトーン性
の量子化ノイズの影響を受けない。
【0017】また本発明では、DCオフセットを入力に
加えて、トーン成分を制御しているので、ランダム波形
のディザを加えた場合のように、S/Nの劣化を招くこ
ともない。
【0018】さらに本発明では、DCオフセットは、デ
ジタルフィルタ部の出力側でキャンセルしている。従っ
て、A/Dコンバータのデジタル出力にはDCオフセッ
トは現れない。
【0019】さらにまた本発明では、トーン成分の影響
を軽減するために、量子化ノイズの量を減少させる必要
がないので、多ビットの量子化器を使用することによる
歪率の増大を招くこともない。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0021】(実施例1)実施例1として、本発明を5
次のΔΣ変調器に適用した場合を示す。
【0022】図4は5次のΔΣ変調器のブロックダイア
グラムである。5次ΔΣ変調器は、5つの非反転積分器
6〜10、a1からa5のゲイン段、b1とb2のフィ
ードバックゲイン段、4つの加算器11〜14、1ビッ
ト量子化器(コンパレータ)15、そして1ビットD/
Aコンバータ16から構成される。5つの積分器6〜1
0は縦続接続され、それぞれの出力V1からV5は、ゲ
イン段a1からa5を通った後、加算器14で加算さ
れ、その加算結果Vaはコンパレータ15により、1ビ
ットデータDに量子化される。1ビットD/Aコンバー
タ16は1ビットデータDの極性に応じて、+Vref
または−Vrefの量子化ステップを、加算器11にお
いて積分器6への入力から減算する。このように5つ積
分器6〜10を含む負帰還ループを構成している。
【0023】積分器8の出力は、フィードバックゲイン
段b1を通り、加算器12において積分器7への入力か
ら減算される。これにより、積分器7と8を含む第1ロ
ーカルフィードバックループL1が構成される。同じよ
うに、フィードバックゲイン段b2と加算器13によ
り、積分器9と10を含む第2ローカルフィードバック
ループL2が作られている。2つのローカルフィードバ
ックL1,L2があることにより、量子化ノイズシェイ
プ中に複素共役根のゼロ点が2組存在する。
【0024】このような構成のΔΣ変調器のアナログ入
力換算に、DCオフセット電圧を加えるためには、いず
れかの積分器の入力側またはフィードバック系中にDC
電圧Vdcを加えれば良いが、ここでは加算器11の入
力にDC電圧Vdcを加えた。この時、量子化ノイズの
トーン成分は次式のFtoneの間隔でDCからサンプ
リング周波数Fsまで分布する。
【0025】
【数2】Ftone=Fs/(Vref/Vdc) 図4の5次ΔΣ変調器を用いて、デジタルオーディオ用
のΔΣ型A/Dコンバータを構成するために、Fton
e=33kHzとなるようにVref/Vdcを決め
た。ここで、Fs=3072kHzである。このΔΣ変
調器で、アナログ入力Vinをゼロ入力とした時の、1
ビット量子化データDに含まれる量子化ノイズのパワー
スペクトラムを、DCから50kHzに関して図5に示
す。デジタルオーディオの用途では、一般的にパスバン
ドはDCから22kHzである。そこで、このΔΣ変調
器とともに使用するデジタルフィルタのストップバンド
は、28kHzから1/2Fsに設定している。したが
って、DCに最も近い周波数のトーン成分から28kH
z以上であれば、折返しなどにより、トーン成分がパス
バンドに現れることはない。ここでは、アナログ入力の
中心値のずれによるDCオフセットを考慮して、5kH
zのマージンを加え、DCに最も近いトーン成分を33
kHzにしている。
【0026】図6に図4の5次ΔΣ変調器をスイッチト
キャパシタ(SC)回路を用いて実現した例を示す。図
6において1,1B,2,2Bで示される半導体スイッ
チは図7のようなタイミングでオン/オフし、1ビット
D/Aコンバータ16は、量子化ステップを決める基準
電圧Vrefを、同一容量のキャパシタCrfを用いて
サンプリングする正転と反転の2つのSCブランチ16
A,16B、そして1ビット量子化データD(DBはD
の反転)で制御されるセレクタ16Cで構成される。S
Cブランチの各スイッチを制御する各クロックは図7の
ようなタイミング関係にあるので、Dが“1”の場合は
Vref*Crfの電荷が積分容量Ciから放電され、
DBが“1”の場合はVref*Crfの電荷をCiに
充電することになる。Dの極性に依存せず、充放電され
る電荷の絶対値は一定なので、線形な1ビットD/Aを
構成することができる。
【0027】1ビットD/Aコンバータ16によるCi
への電荷の充放電は積分器6のサミングノードVsを通
して行われる。アナログ入力VinがキャパシタCin
にサンプリングされた電荷もVsを通ってCiに伝達さ
れるので、Vsを通じて1ビットD/Aコンバータ16
の出力とアナログ入力が加算されたことになる。従っ
て、サンプリング毎に一定の電荷をVsを通してCiに
伝達すれば、DCオフセット電圧を加算したのと等価に
なる。図6では、キャパシタCdcでVrefをサンプ
リングするSCブランチによって、サンプリング毎にV
ref*Cdcの電荷をVsを通してCiへ伝達してい
る。この回路で、トーン性の量子化ノイイズの間隔Ft
oneは、
【0028】
【数3】Ftone=Fs/(Crf/Cdc) で与えられる。
【0029】図6では、シングルエンドのSC回路の例
を示したが、全差動型のSC回路にも同じ考え方で、本
発明を適用することが可能である。
【0030】(実施例2)図4のようなΔΣ変調器の1
ビット量子化データを、デジタルフィルタ部に入力し、
フィルタリングおよびデジメーションの信号処理を行う
と、ΔΣ変調器で加えられたDCオフセットは、そのま
まデジタルフィルタのデジタル出力のDCオフセットと
して現れる。ΔΣ変調器で加えられたDCオフセット
が、デジタル出力へ影響しないようなΔΣ型A/Dコン
バータのシステム構成を、実施例2として図8に示す。
なお、DC成分が問題にならない回路や、出力側に接続
される他回路でオフセットキャンセルする場合は図4の
構成でも差し支えない。
【0031】図8において、50は第1の選択スイッ
チ、51は図4のような5次ΔΣ変調器、52はデジタ
ルフィルタ、53は第1の選択スイッチ50と連動する
第2の選択スイッチ、54はオフセットレジスタ、55
は加算器である。
【0032】図8のシステムでは、ΔΣ型A/Dコンバ
ータのリセット解除時、または電源立ち上げ時にキャリ
ブレーション期間を設けることによって、DCオフセッ
トをキャンセルすることが可能となる。ΔΣ変調器51
の入力は、スイッチ50によってキャリブレーション時
(cal:on)には、アナログ入力のコモンモードで
あるシステムグランドに接続されている。この時、デジ
タルフィルタ52の出力はΔΣ変調器51のDCオフセ
ットを表すデータであり、これはオフセットコードとし
てスイッチ53を介してオフセットレジスタ54に記憶
される。キャリブレーション後の通常動作時(norm
al:on)では、ΔΣ変調器51の入力はスイッチ5
0を介して直接アナログ入力に接続される。この時、デ
ジタルフィルタ52の出力はΔΣ変調器51のDCオフ
セットを含む値となっているが、オフセットレジスタ5
4には、DCオフセット分を表すオフセットコードが記
憶されているので、オフセットコードをデジタルフィル
タ52の出力から加算器55によって減算し、A/Dコ
ンバータのデジタル出力とすれば、ΔΣ変調器51のD
Cオフセットの影響はデジタル出力に現れない。この方
法でキャンセルされるDCオフセットは、量子化ノイズ
のトーン周波数を制御するためのDCオフセットだけで
なく、アナログ回路素子の非対称性などによって発生す
るランダムなDCオフセットも含む。なお、この例では
1段のデジタルフィルタであるが、2段縦続接続タイプ
のデジタルフィルタの場合には、その中間にオフセット
レジスタ54,加算器55を設けてもよい。
【0033】(実施例3)一般的に、ΔΣ型A/Dコン
バータでは、Fsとパスバンドの比、すなわちオーバー
サンプリング比は大きい(32倍以上)、よってパスバ
ンド外に量子化ノイズのトーンを移動するためのDCオ
フセット量は必然的に小さくなる。これは、図6のよう
にSC回路を用いてDCオフセットを加える場合は、C
rf/Cdcの比が大きくなることを意味する。一般的
に、半導体集積回路の製造プロセスでは、キャパシタの
容量比は面積比で決まり、面積が小さい程容量比の精度
は落ちる。また、製造プロセスのデザインルールで決ま
る最小面積以下のキャパシタは使用できないので、最大
面積比も制限される。このような製造プロセスの制限を
緩和する実施例3を図9に示す。
【0034】図9では、図6で用いられたCdcの代わ
りにT型に接続された3つのキャパシタCdc1,Cd
c2およびCdc3を用いてDCオフセットを決める電
荷を制御している。他の構成は図6と同じである。この
T型接続されたキャパシタネットワークから、サンプリ
ング毎にCiに伝達される電荷量Qtは、
【0035】
【数4】 Qt=Vref*Cdc1*Cdc3 /(Cdc1+Cdc2+Cdc3) で与えられる。例えばここで、Cdc1とCdc3を最
小単位容量1とし、Cdc2をその8倍の容量とすると
Qtは、Cdc1のみを使用した場合の電荷量Vref
*Cdc1の1/10になる。従って、T型接続により
等価的に1/10の容量を実現したことになる。このよ
うにキャパシタ面積を小さくせずに、T型接続された3
つのキャパシタの比を変えることにより、等価的に小さ
なキャパシタを実現することができる。この方法では、
プロセスで決まる最小容量面積の制限を受けず、また、
キャパシタの面積減少による精度の劣化を受けずに、自
由にDCオフセット量を制御できる。この方法による、
量子化ノイズのトーン成分の間隔Ftoneは、
【0036】
【数5】 Ftone=Fs/{Crf*(Cdc1+Cdc2+Cdc3) /(Cdc1*Cdc3)} で与えられる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、Δ
Σ型A/Dコンバータにおいて、ΔΣ変調器が微小AC
入力または無入力の場合に、量子化データの量子化ノイ
ズ中に発生するトーン成分が、A/Dコンバータのデジ
タル出力に現れないようにすること、すなわちA/Dコ
ンバータの特性に影響しないようにすることが可能であ
る。また本発明によれば、従来の方法のようにS/Nお
よび歪率などの特性の劣化を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】1次ΔΣ型変調器のブロック図である。
【図2】同変調器の動作波形を示す図である。
【図3】量子化ノイズのトーン成分を示す図である。
【図4】本発明の実施例にかかる5次ΔΣ変調器のブロ
ック図である。
【図5】同変調器の量子化ノイズのパワースペクトラム
を示す図である。
【図6】スイッチトキャパシタによる5次ΔΣ変調器を
示す図である。
【図7】図6におけるクロックのタイミングを示す図で
ある。
【図8】本発明の他の実施例のブロック図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例にかかるスイッチト
キャパシタによる5次ΔΣ変調器を示す図である。
【符号の説明】
6〜10 積分器 15 コンパレータ 16 1ビットD/Aコンバータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ入力をオーバーサンプリング
    し、デルタシグマ変調された量子化データに変換するデ
    ルタシグマ変調部と、該デルタシグマ変調部からの量子
    化データを周波数帯域が制限されたデジタル出力に変換
    するデジタルフィルタ部とを有するデルタシグマ型A/
    Dコンバータにおいて、 前記量子化データに含まれる量子化ノイズのトーン成分
    の周波数を、前記デジタルフィルタ部の周波数帯域外に
    移動させるように前記デルタシグマ変調部の積分器入力
    側にDCオフセットを加える手段を具えたことを特徴と
    するデルタシグマ型A/Dコンバータ。
  2. 【請求項2】 前記DCオフセットをキャンセルする手
    段を前記デジタルフィルタ部に設けたことを特徴とする
    請求項1に記載のデルタシグマ型A/Dコンバータ。
JP28484593A 1993-11-15 1993-11-15 デルタシグマ型a/dコンバータ Pending JPH07143006A (ja)

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