JPH0714266B2 - 小型モータ - Google Patents
小型モータInfo
- Publication number
- JPH0714266B2 JPH0714266B2 JP59016547A JP1654784A JPH0714266B2 JP H0714266 B2 JPH0714266 B2 JP H0714266B2 JP 59016547 A JP59016547 A JP 59016547A JP 1654784 A JP1654784 A JP 1654784A JP H0714266 B2 JPH0714266 B2 JP H0714266B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- commutator
- brush
- motor
- sliding
- carbon
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01R—ELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
- H01R39/00—Rotary current collectors, distributors or interrupters
- H01R39/02—Details for dynamo electric machines
- H01R39/38—Brush holders
- H01R39/39—Brush holders wherein the brush is fixedly mounted in the holder
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K13/00—Structural associations of current collectors with motors or generators, e.g. brush mounting plates or connections to windings; Disposition of current collectors in motors or generators; Arrangements for improving commutation
- H02K13/006—Structural associations of commutators
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Motor Or Generator Current Collectors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、例えばテープレコーダ,ビデオテープレコー
ダなどのテープを駆動する為に使用される小型モータに
関するものである。
ダなどのテープを駆動する為に使用される小型モータに
関するものである。
従来例の構成とその問題点 一般に小型モータにおけるブラシは大きくわけて2種類
ある。
ある。
1つは弾性を有する導電材料、例えば銅,ベリリウム
銅,銅・チタン合金,リン青銅,洋白の薄板材、あるい
は線材に、貴金属合金(例えばAu,Pd,Pt,Ag,Cu等及びそ
れらの合金)をクラッド化、又は、薄板材,線材の一部
にスポット溶接等の手段によって接合した構造であり、
もう1つは前記に述べた薄板材、あるいは線材の一部に
焼結カーボンブラシ(例えば、Cカーボン,Agカーボン,
Cuカーボン,AgCuCカーボン、及びそれらの材料にSiC,Mo
S2,Pb,エポキシ系樹脂等を添加剤として配合したカーボ
ンブラシ)を導電性接着剤、スポット溶接、あるいは圧
着方式等の手段によって形成されているが、これらのブ
ラシを有する小型モータにおいては、コミュテータ回転
時にコミュテータ摺動部が不必要に振動し、これによっ
て、コミュテータ摺動部のコミュテータ・セグメントに
対する接触面に異常な溶着が生じることと、火花発生に
伴なう黒化物(カーボン及びブラシとコミュテータ・セ
グメント間で生ずる摺動摩耗粉が混りあったもの)と云
われる、異常現象を促進する異物が生成される事がしば
しば起り問題となる。
銅,銅・チタン合金,リン青銅,洋白の薄板材、あるい
は線材に、貴金属合金(例えばAu,Pd,Pt,Ag,Cu等及びそ
れらの合金)をクラッド化、又は、薄板材,線材の一部
にスポット溶接等の手段によって接合した構造であり、
もう1つは前記に述べた薄板材、あるいは線材の一部に
焼結カーボンブラシ(例えば、Cカーボン,Agカーボン,
Cuカーボン,AgCuCカーボン、及びそれらの材料にSiC,Mo
S2,Pb,エポキシ系樹脂等を添加剤として配合したカーボ
ンブラシ)を導電性接着剤、スポット溶接、あるいは圧
着方式等の手段によって形成されているが、これらのブ
ラシを有する小型モータにおいては、コミュテータ回転
時にコミュテータ摺動部が不必要に振動し、これによっ
て、コミュテータ摺動部のコミュテータ・セグメントに
対する接触面に異常な溶着が生じることと、火花発生に
伴なう黒化物(カーボン及びブラシとコミュテータ・セ
グメント間で生ずる摺動摩耗粉が混りあったもの)と云
われる、異常現象を促進する異物が生成される事がしば
しば起り問題となる。
小型モータのブラシでは、コミュテータ・セグメントに
摺接するコミュテータ摺動部が、例えばモータケースの
蓋などに設けられた支持手段により支持されているブラ
シ基部と一体に成形されたものがある。その種のブラシ
とコミュテータ・セグメントとの接触状態を第1図に示
す。
摺接するコミュテータ摺動部が、例えばモータケースの
蓋などに設けられた支持手段により支持されているブラ
シ基部と一体に成形されたものがある。その種のブラシ
とコミュテータ・セグメントとの接触状態を第1図に示
す。
第1図において、ブラシ支持手段1に支持されたブラシ
基部2から、折り曲げられたコミュテータ摺動部3が伸
びている。このコミュテータ摺動部3は、ブラシ基部2
から折り曲げられていることによって弾性を有し、コミ
ュテータ・セグメント4に押圧された状態で接触してい
る。そして、この押圧力は、ブラシ基部2とコミュテー
タ摺動部3との折り曲げ角を適当に選ぶことによって、
必要な値にすることができる。また、コミュテータ・セ
グメント4は、絶縁筒5を介してモータ回転軸6に固定
され、モータの回転とともに回転する。
基部2から、折り曲げられたコミュテータ摺動部3が伸
びている。このコミュテータ摺動部3は、ブラシ基部2
から折り曲げられていることによって弾性を有し、コミ
ュテータ・セグメント4に押圧された状態で接触してい
る。そして、この押圧力は、ブラシ基部2とコミュテー
タ摺動部3との折り曲げ角を適当に選ぶことによって、
必要な値にすることができる。また、コミュテータ・セ
グメント4は、絶縁筒5を介してモータ回転軸6に固定
され、モータの回転とともに回転する。
このように、回転するコミュテータ・セグメント4とコ
ミュテータ摺動部3が摺接していることから、両者の間
で電気火花が発生し易く、この電気火花の発生に伴って
電気ノイズや、コミュテータ摺動部3上に溶着が発生す
るなど、不都合な状態が生じることになる。そして、こ
の溶着の発生はブラシの寿命を短くするのみでなく、各
コミュテータ・セグメント4と接触し始める位置及び離
れる位置(第1図のa部)に溶着が生じると、この溶着
によってコミュテータ・セグメント4の表面を擦過して
損傷を与え、さらにこの擦過によって生じた切削屑が、
互いに隣り合うコミュテータ・セグメント4の間のギャ
ップ部に溜り、そのためにコミュテータ・セグメント相
互間が導通されるという不都合が発生し、モータの性能
そのものまで低下してしまうという欠点があった。な
お、前記コミュテータ摺動部のa部において電気火花が
よく発生する。
ミュテータ摺動部3が摺接していることから、両者の間
で電気火花が発生し易く、この電気火花の発生に伴って
電気ノイズや、コミュテータ摺動部3上に溶着が発生す
るなど、不都合な状態が生じることになる。そして、こ
の溶着の発生はブラシの寿命を短くするのみでなく、各
コミュテータ・セグメント4と接触し始める位置及び離
れる位置(第1図のa部)に溶着が生じると、この溶着
によってコミュテータ・セグメント4の表面を擦過して
損傷を与え、さらにこの擦過によって生じた切削屑が、
互いに隣り合うコミュテータ・セグメント4の間のギャ
ップ部に溜り、そのためにコミュテータ・セグメント相
互間が導通されるという不都合が発生し、モータの性能
そのものまで低下してしまうという欠点があった。な
お、前記コミュテータ摺動部のa部において電気火花が
よく発生する。
この最大の原因はブラシの振動である。即ち、ブラシの
振動で電気火花が頻繁に起こり、これによって溶着の発
生が促進され、摺動面の荒れを招く。荒れが大きくなる
に従って更に電気火花の発生が増加し、ついにはモータ
の要求特性を得ることが不可能となり、起動停止に至る
ものがある。一般に、コミュテータ摺動部3の材質は前
記のごとく貴金属合金ブラシ、あるいは焼結カーボンブ
ラシであり、コミュテータ・セグメント4の材質は、Ag
Cu,AgCd,AgCuCd,Cu,Au合金、AgPd合金、AgCuTi合金など
であり、貴金属合金ブラシを使用した場合、これらは、
両者がほぼ同様の材質であることから摺動抵抗が1.0と
もなり、摺動界面で擦過傷が発生し易い不利な組合せで
ある。また、焼結カーボンブラシを使用した場合は貴金
属合金ブラシを使用した時に比べて摺動抵抗は小さくな
るといえども、擦過傷の危険性はあり、又、カーボンブ
ラシを構成する配合材料中にはSiO2等の不純物が混入さ
れており、貴金属合金ブラシと同様に摺動界面で擦過傷
が発生し易い不利な組合せになっている。
振動で電気火花が頻繁に起こり、これによって溶着の発
生が促進され、摺動面の荒れを招く。荒れが大きくなる
に従って更に電気火花の発生が増加し、ついにはモータ
の要求特性を得ることが不可能となり、起動停止に至る
ものがある。一般に、コミュテータ摺動部3の材質は前
記のごとく貴金属合金ブラシ、あるいは焼結カーボンブ
ラシであり、コミュテータ・セグメント4の材質は、Ag
Cu,AgCd,AgCuCd,Cu,Au合金、AgPd合金、AgCuTi合金など
であり、貴金属合金ブラシを使用した場合、これらは、
両者がほぼ同様の材質であることから摺動抵抗が1.0と
もなり、摺動界面で擦過傷が発生し易い不利な組合せで
ある。また、焼結カーボンブラシを使用した場合は貴金
属合金ブラシを使用した時に比べて摺動抵抗は小さくな
るといえども、擦過傷の危険性はあり、又、カーボンブ
ラシを構成する配合材料中にはSiO2等の不純物が混入さ
れており、貴金属合金ブラシと同様に摺動界面で擦過傷
が発生し易い不利な組合せになっている。
これらの欠点の原因となっている電気火花を抑制する手
段を有していない第2図(a)に示した構造のもの、即
ちコミュテータ摺動部3に振動減衰対策を何ら講じてい
ないものは、コミュテータ摺動部の振動が大きく、従っ
て常温の使用でも溶着が容易に発生し、寿命の長い、品
質のすぐれたものは得がたい。また第2図(b)に示し
たような、コミュテータ摺動部3に振動防止用ゴム7を
粘着剤8で貼付けたものは、常温での振動吸収がよく、
火花の発生をおさえることができるが使用上限温度の60
℃近くになると粘着剤の粘性が著しく低下し、防振ゴム
7の摺動部への接着力が減少し、振動吸収能力が低下し
て火花の発生が多くなり、寿命の短い、品質の不安定な
ものとなってしまう。さらに第2図(c)に示したよう
な、コミュテータ摺動部3に振動防止用シート9を、基
材10の両面に粘着剤8を塗布した構成の接着材11で貼付
けたものは、上記第2図(b)の例と比較すると、高温
での粘着剤の粘性の低下が、ある程度小さいものの充分
とは云えず、高温での長寿命、高品質を得ることは出来
ない。
段を有していない第2図(a)に示した構造のもの、即
ちコミュテータ摺動部3に振動減衰対策を何ら講じてい
ないものは、コミュテータ摺動部の振動が大きく、従っ
て常温の使用でも溶着が容易に発生し、寿命の長い、品
質のすぐれたものは得がたい。また第2図(b)に示し
たような、コミュテータ摺動部3に振動防止用ゴム7を
粘着剤8で貼付けたものは、常温での振動吸収がよく、
火花の発生をおさえることができるが使用上限温度の60
℃近くになると粘着剤の粘性が著しく低下し、防振ゴム
7の摺動部への接着力が減少し、振動吸収能力が低下し
て火花の発生が多くなり、寿命の短い、品質の不安定な
ものとなってしまう。さらに第2図(c)に示したよう
な、コミュテータ摺動部3に振動防止用シート9を、基
材10の両面に粘着剤8を塗布した構成の接着材11で貼付
けたものは、上記第2図(b)の例と比較すると、高温
での粘着剤の粘性の低下が、ある程度小さいものの充分
とは云えず、高温での長寿命、高品質を得ることは出来
ない。
なお、この機器の使用雰囲気温度は、−10℃〜+60℃で
使用するものが多い。また、印加電圧が30Vを越えるモ
ータでは、たとえ後述する黒化物の溶着がコミュテータ
摺動部に発生しても、印加電圧が高いためにブラシとコ
ミュテータ・セグメントとの間の電気的導通を十分にと
ることができ、問題とはならない。
使用するものが多い。また、印加電圧が30Vを越えるモ
ータでは、たとえ後述する黒化物の溶着がコミュテータ
摺動部に発生しても、印加電圧が高いためにブラシとコ
ミュテータ・セグメントとの間の電気的導通を十分にと
ることができ、問題とはならない。
発明の目的 本発明は、コミュテータ摺動部と、コミュテータ・セグ
メントの摺動性の改善を図り、コミュテータ・セグメン
ト表面の擦過損傷によるモータ寿命の短縮を防止し、ま
た、テープレコーダ等の機器等へ組込まれた場合のワウ
・フラッターの低減が得られる高性能の小型モータを提
供するものである。
メントの摺動性の改善を図り、コミュテータ・セグメン
ト表面の擦過損傷によるモータ寿命の短縮を防止し、ま
た、テープレコーダ等の機器等へ組込まれた場合のワウ
・フラッターの低減が得られる高性能の小型モータを提
供するものである。
発明の構成 前記目的を達成するために、本発明は薄板状あるいは線
状、金属弾性体からなるブラシ基部及び、このブラシ基
部から延設され、あるいは、このブラシ基部の一部に固
設されたコミュテータ摺動部を有するブラシを備えた小
型モータにおいて、モータケース内の一部、例えばブラ
ケット上のコミュテータ摺動部の近傍に、エーテルを含
浸させた部材、例えばフェルトを接着剤で固着あるいは
圧着方式等の手段で設置する。このエーテルはベンゼン
環を有しない、リニアーな炭素結合を有するか、側鎖を
有し、その分子構造中に単数又は複数個の‐C-O-結合を
有するエーテルであり、1気圧下での、その沸点が100
℃付近の物質から250℃付近のものを使用状況によって
適切なものを選定すると特に有効であり、300℃程度の
ものまで使用可能である。このエーテルが雰囲気温度に
より蒸気となりモータケース内はエーテルの雰囲気下と
なるように構成する。なお、モータ構成を簡単にするた
め、前記ブラシまたはコミュテータ摺動部に前記エーテ
ルを直接塗布する構成を用いてもよい。
状、金属弾性体からなるブラシ基部及び、このブラシ基
部から延設され、あるいは、このブラシ基部の一部に固
設されたコミュテータ摺動部を有するブラシを備えた小
型モータにおいて、モータケース内の一部、例えばブラ
ケット上のコミュテータ摺動部の近傍に、エーテルを含
浸させた部材、例えばフェルトを接着剤で固着あるいは
圧着方式等の手段で設置する。このエーテルはベンゼン
環を有しない、リニアーな炭素結合を有するか、側鎖を
有し、その分子構造中に単数又は複数個の‐C-O-結合を
有するエーテルであり、1気圧下での、その沸点が100
℃付近の物質から250℃付近のものを使用状況によって
適切なものを選定すると特に有効であり、300℃程度の
ものまで使用可能である。このエーテルが雰囲気温度に
より蒸気となりモータケース内はエーテルの雰囲気下と
なるように構成する。なお、モータ構成を簡単にするた
め、前記ブラシまたはコミュテータ摺動部に前記エーテ
ルを直接塗布する構成を用いてもよい。
実施例の説明 第3図、第4図及び第5図は、それぞれ本発明の実施例
を示したものである。ここで、第1図のものと同一名称
部分には同一符号を付してあり、12はブラシ等を保持す
るブラケット、13はモータハウジング、14はエーテルを
含浸させたフェルトである。なお、コミュテータ摺動部
3はカーボンブラシで構成している。第3図の実施例で
は、フェルト14はブラケット12上のコミュテータ摺動部
3の近傍に配置されており、また第4図の実施例では、
ブラシ基部2上にフェルト14を取り付けてある。
を示したものである。ここで、第1図のものと同一名称
部分には同一符号を付してあり、12はブラシ等を保持す
るブラケット、13はモータハウジング、14はエーテルを
含浸させたフェルトである。なお、コミュテータ摺動部
3はカーボンブラシで構成している。第3図の実施例で
は、フェルト14はブラケット12上のコミュテータ摺動部
3の近傍に配置されており、また第4図の実施例では、
ブラシ基部2上にフェルト14を取り付けてある。
また、第5図の実施例では、モータハウジング13にフェ
ルト14を装備したものである。なお、第5図において、
15はモータ回転軸6に取付けられる回転子鉄心、16は回
転子鉄心15に巻装された巻線、17はモータハウジング13
の内面に固定された永久磁石、18はモータ回転軸6を支
持する軸受である。
ルト14を装備したものである。なお、第5図において、
15はモータ回転軸6に取付けられる回転子鉄心、16は回
転子鉄心15に巻装された巻線、17はモータハウジング13
の内面に固定された永久磁石、18はモータ回転軸6を支
持する軸受である。
なお、これらの実施例は、いずれもブラシ基部2の先端
部にコミュテータ摺動部3を固着した構成になっている
が、第1図のようにブラシ基部2から曲げ延設されたコ
ミュテータ摺動部を有し、その摺動部の上にフェルト14
を装備してもよい。いづれの場合の実施例も、モータケ
ース内の雰囲気が、エーテルによる蒸気雰囲気になり雰
囲気ガスにより、ブラシ及びコミュテータ・セグメント
表面に吸着する事を目的としたものであり、その手段は
この限りではない。
部にコミュテータ摺動部3を固着した構成になっている
が、第1図のようにブラシ基部2から曲げ延設されたコ
ミュテータ摺動部を有し、その摺動部の上にフェルト14
を装備してもよい。いづれの場合の実施例も、モータケ
ース内の雰囲気が、エーテルによる蒸気雰囲気になり雰
囲気ガスにより、ブラシ及びコミュテータ・セグメント
表面に吸着する事を目的としたものであり、その手段は
この限りではない。
ところで、これまでの文献や実験などで、コミュテータ
摺動部とコミュテータ・セグメントの溶着し易い状態、
あるいは溶着や異常摩耗や導通不良の起こり易い状態が
解明されつつある。異常の起り易い状態は、ブラシ摺動
部とコミュテータ・セグメントが、摺動する部位の雰囲
気か、またはコミュテータ・セグメント自体へ不飽和環
状炭化水素が存在したり、吸着したりしている場合であ
る。この時、黒化物(カーボン及びブラシとコミュテー
タ・セグメント間で生ずる摺動摩耗粉が混りあったも
の)と云われる、異常現象を促進する異物が生成する。
摺動部とコミュテータ・セグメントの溶着し易い状態、
あるいは溶着や異常摩耗や導通不良の起こり易い状態が
解明されつつある。異常の起り易い状態は、ブラシ摺動
部とコミュテータ・セグメントが、摺動する部位の雰囲
気か、またはコミュテータ・セグメント自体へ不飽和環
状炭化水素が存在したり、吸着したりしている場合であ
る。この時、黒化物(カーボン及びブラシとコミュテー
タ・セグメント間で生ずる摺動摩耗粉が混りあったも
の)と云われる、異常現象を促進する異物が生成する。
この異物は、不飽和環状炭化水素が摺動部とコミュテー
タ・セグメント間のアークによって燃焼するとき、単位
体積当りのカーボン量が多く、不完全燃焼することと、
またその分子構造に起因するものであるが、生成カーボ
ンの結合状態が密となるため、硬質のカーボンが出来る
ためと思われる。また、不飽和環状炭化水素以外の炭化
水素の雰囲気、およびコミュテータ・セグメントへの吸
着では、その分子構造に起因するものであるが、生成す
るカーボンは軟質のものとなり、異常現象につながらぬ
事が解明されている。これらの現象をもとにして、微量
の炭化水素の吸着したコミュテータ・セグメントを用い
て長期間の運転実験を行なった。この実験で、 高温・低湿の場合のコミュテータ・セグメントに異常
摩耗の発生する確率が高い。
タ・セグメント間のアークによって燃焼するとき、単位
体積当りのカーボン量が多く、不完全燃焼することと、
またその分子構造に起因するものであるが、生成カーボ
ンの結合状態が密となるため、硬質のカーボンが出来る
ためと思われる。また、不飽和環状炭化水素以外の炭化
水素の雰囲気、およびコミュテータ・セグメントへの吸
着では、その分子構造に起因するものであるが、生成す
るカーボンは軟質のものとなり、異常現象につながらぬ
事が解明されている。これらの現象をもとにして、微量
の炭化水素の吸着したコミュテータ・セグメントを用い
て長期間の運転実験を行なった。この実験で、 高温・低湿の場合のコミュテータ・セグメントに異常
摩耗の発生する確率が高い。
コミュテータ・セグメントに10μg程度の炭化水素の
吸着がある場合、コミュテータ・セグメントの異常現象
が緩和され、小型モータの長寿命化がはかれる。(但し
継続的に炭化水素の補給がない場合のデータである。) との結果が得られた。(実験の結果を第6図に示す) そこで本発明では、上記現象を考慮して、第3図、第4
図、第5図の実施例で示したように、モータハウジング
13と、ブラケット12で囲まれた内部にエーテル類を含浸
させたフェルト14を配置したものである。このエーテル
類は、不飽和環状炭化水素とは、その分子構造の点で最
も異なり、そのため異常現象の1つである硬質の黒化物
生成に対して最も遠い存在となり、カーボン生成があっ
ても極めて軟質のものとなり、コミュテータ摺動部とコ
ミュテータ・セグメントの摺動抵抗を減ずるものであ
る。
吸着がある場合、コミュテータ・セグメントの異常現象
が緩和され、小型モータの長寿命化がはかれる。(但し
継続的に炭化水素の補給がない場合のデータである。) との結果が得られた。(実験の結果を第6図に示す) そこで本発明では、上記現象を考慮して、第3図、第4
図、第5図の実施例で示したように、モータハウジング
13と、ブラケット12で囲まれた内部にエーテル類を含浸
させたフェルト14を配置したものである。このエーテル
類は、不飽和環状炭化水素とは、その分子構造の点で最
も異なり、そのため異常現象の1つである硬質の黒化物
生成に対して最も遠い存在となり、カーボン生成があっ
ても極めて軟質のものとなり、コミュテータ摺動部とコ
ミュテータ・セグメントの摺動抵抗を減ずるものであ
る。
上記構成において、異常現象の発生する確率の高い高温
・低湿では、エーテル類の蒸気圧にみあった雰囲気がモ
ータケース内に得られる。このベンゼン環を有しない、
リニアーな炭化結合を有するか、側鎖を有するエーテル
類は、その分子構造中へ単数又は複数個の‐C-O-結合を
有しており、‐C-O-結合は、その極性力により、金属表
面へ強力に吸着する。
・低湿では、エーテル類の蒸気圧にみあった雰囲気がモ
ータケース内に得られる。このベンゼン環を有しない、
リニアーな炭化結合を有するか、側鎖を有するエーテル
類は、その分子構造中へ単数又は複数個の‐C-O-結合を
有しており、‐C-O-結合は、その極性力により、金属表
面へ強力に吸着する。
‐C-O-結合による吸着は、ファンデアワールスの引力に
より、吸着する有機ガスに比べて、強力に吸着してお
り、安定な吸着状態と云える。このエーテル類の吸着
で、Pt,Au,Pd,Ag等で出来た、触媒作用の強い、コミュ
テータ・セグメント及びブラシは、勿論のこと、Cuで出
来たそれ、また焼結カーボンブラシの表面及びそれ以外
の金属表面へも吸着し、表面への反応性の高いガス(ス
チレンモノマー,トルエン等)が付着する事を防止す
る。
より、吸着する有機ガスに比べて、強力に吸着してお
り、安定な吸着状態と云える。このエーテル類の吸着
で、Pt,Au,Pd,Ag等で出来た、触媒作用の強い、コミュ
テータ・セグメント及びブラシは、勿論のこと、Cuで出
来たそれ、また焼結カーボンブラシの表面及びそれ以外
の金属表面へも吸着し、表面への反応性の高いガス(ス
チレンモノマー,トルエン等)が付着する事を防止す
る。
これは‐C-O-結合の吸着力が、例えばウチレンモノマー
やトルエンのファンデアワールス吸着より強い吸着とな
るためである。また、ブラシ、コミュテータ・セグメン
ト間のアークで、燃焼が起る場合でも、エーテル類は、
その分子構造中へ酸素を有しており、不完全燃焼による
タール類の生成がほとんどなく、接触不良となる黒化物
の生成も微少で、よく燃焼し、接点障害を起こすことが
ない。
やトルエンのファンデアワールス吸着より強い吸着とな
るためである。また、ブラシ、コミュテータ・セグメン
ト間のアークで、燃焼が起る場合でも、エーテル類は、
その分子構造中へ酸素を有しており、不完全燃焼による
タール類の生成がほとんどなく、接触不良となる黒化物
の生成も微少で、よく燃焼し、接点障害を起こすことが
ない。
しかも、−10℃〜+60℃が通常の使用環境範囲となる小
型モータでは1気圧下での沸点が、100℃付近の物質か
ら250℃付近のものが特に有効であり、300℃程度のもの
まで用いることができる。エーテルの種類で記すると、 n−ブチルエーテル……143℃(1気圧下での沸点) オルト炭酸エチル……158℃(1気圧下での沸点) イソアミルエーテル……173.2℃(1気圧下での沸点) などである。
型モータでは1気圧下での沸点が、100℃付近の物質か
ら250℃付近のものが特に有効であり、300℃程度のもの
まで用いることができる。エーテルの種類で記すると、 n−ブチルエーテル……143℃(1気圧下での沸点) オルト炭酸エチル……158℃(1気圧下での沸点) イソアミルエーテル……173.2℃(1気圧下での沸点) などである。
前述のエーテル類は、ブラシ,コミュテータ表面へ吸着
し、単分子膜を形成するため、潤滑性も極めて向上し、
接触部分の摩耗も著しく減少する。(実験の結果を第6
図に示す。) なお、第6図において、A,Bは不飽和環状炭化水素を有
するスチレンモノマー雰囲気中の整流波形を示し、Aは
60℃,5%RHテスト前の整流波形、Bは60℃,5%RH100時
間テスト後の整流波形である。又、C,Dは炭化水素(ト
ルエン)をコミュテータ・セグメント表面に約10μg吸
着させた場合の確認結果を示し、Cは60℃,5%RHテスト
前の整流波形、Dは60℃,5%RH300時間テスト後の整流
波形である。さらに、E,Fは本発明にかかるエーテル類
雰囲気中の確認結果を示し、Eは60℃,5%RHテスト前の
整流波形、Fは60℃,5%RH1500時間テスト後の整流波形
である。
し、単分子膜を形成するため、潤滑性も極めて向上し、
接触部分の摩耗も著しく減少する。(実験の結果を第6
図に示す。) なお、第6図において、A,Bは不飽和環状炭化水素を有
するスチレンモノマー雰囲気中の整流波形を示し、Aは
60℃,5%RHテスト前の整流波形、Bは60℃,5%RH100時
間テスト後の整流波形である。又、C,Dは炭化水素(ト
ルエン)をコミュテータ・セグメント表面に約10μg吸
着させた場合の確認結果を示し、Cは60℃,5%RHテスト
前の整流波形、Dは60℃,5%RH300時間テスト後の整流
波形である。さらに、E,Fは本発明にかかるエーテル類
雰囲気中の確認結果を示し、Eは60℃,5%RHテスト前の
整流波形、Fは60℃,5%RH1500時間テスト後の整流波形
である。
発明の効果 以上の説明から明らかなように本発明によれば、下記の
効果を奏する。
効果を奏する。
エーテル類のコミュテータ・セグメント,ブラシ表面
へ吸着することにより、潤滑作用が働き、摺動部の異常
摩耗や擦過損傷が防止できる効果がある。
へ吸着することにより、潤滑作用が働き、摺動部の異常
摩耗や擦過損傷が防止できる効果がある。
スチレンモノマーやトルエン等のベンゼン環を有す
る、有機ガスがあってもブラシ及びコミュテータ・セグ
メント表面に吸着したエーテル類の皮膜で保護され、黒
化物の生成も微少となり、ブラシ、コミュテータ、セグ
メント間の接触不良を防止出来る。また接触不良を起さ
ないため電気ノイズの発生も減少し、接触不安定に伴な
う小型モータの速度の安定化も図られ、結果的には小型
モータが使用される機器のワウ・フラッターの低減が得
られる効果がある。
る、有機ガスがあってもブラシ及びコミュテータ・セグ
メント表面に吸着したエーテル類の皮膜で保護され、黒
化物の生成も微少となり、ブラシ、コミュテータ、セグ
メント間の接触不良を防止出来る。また接触不良を起さ
ないため電気ノイズの発生も減少し、接触不安定に伴な
う小型モータの速度の安定化も図られ、結果的には小型
モータが使用される機器のワウ・フラッターの低減が得
られる効果がある。
前記及びの結果、1V〜30V程度の比較的低電圧用
の小型モータの品質が向上し、寿命を大幅に延ばすこと
が出来る。
の小型モータの品質が向上し、寿命を大幅に延ばすこと
が出来る。
第1図は従来例の構成図、第2図a〜cは、それぞれ従
来例のコミュテータ摺動部の構成を示す図、第3図及
び、第4図はそれぞれ本発明の実施例の構成図、第5図
a,bは本発明のさらに他の実施例にかかる小型モータの
縦断面図及び横断面図、第6図A〜Fは従来例及び本発
明の整流波形を示す図である。 3……コミュテータ摺動部、4……コミュテータ・セグ
メント、12……ブラケット、13……ハウジング、14……
エーテル類を含浸させたフェルト。
来例のコミュテータ摺動部の構成を示す図、第3図及
び、第4図はそれぞれ本発明の実施例の構成図、第5図
a,bは本発明のさらに他の実施例にかかる小型モータの
縦断面図及び横断面図、第6図A〜Fは従来例及び本発
明の整流波形を示す図である。 3……コミュテータ摺動部、4……コミュテータ・セグ
メント、12……ブラケット、13……ハウジング、14……
エーテル類を含浸させたフェルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 滋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (56)参考文献 Journal of Applied Physics Vol.19,No.1 P.1〜10,Jan,1948 AMERI CAN INSTITUTE OF PH YSICS
Claims (1)
- 【請求項1】ブラシ機構部とコミュテータを有し、ブラ
シとコミュテータが接触摺動する構造の小型モータにお
いて、モータケース内に、1気圧下での沸点が100℃付
近から250℃付近であり、かつリニアーな炭素結合を有
するか、側鎖を有し、その分子構造中に単数または複数
個の‐C-O-結合を有するエーテル類の雰囲気を持たせた
小型モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59016547A JPH0714266B2 (ja) | 1984-01-31 | 1984-01-31 | 小型モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59016547A JPH0714266B2 (ja) | 1984-01-31 | 1984-01-31 | 小型モータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60162447A JPS60162447A (ja) | 1985-08-24 |
JPH0714266B2 true JPH0714266B2 (ja) | 1995-02-15 |
Family
ID=11919290
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59016547A Expired - Lifetime JPH0714266B2 (ja) | 1984-01-31 | 1984-01-31 | 小型モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0714266B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009095261A (ja) * | 2007-10-15 | 2009-05-07 | Hamurii Kk | 実験動物用飼育装置 |
-
1984
- 1984-01-31 JP JP59016547A patent/JPH0714266B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JournalofAppliedPhysicsVol.19,No.1P.1〜10,Jan,1948AMERICANINSTITUTEOFPHYSICS |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60162447A (ja) | 1985-08-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |