JPH0714262Y2 - ロータリーストッパ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンベアによって連続的に搬送される容器等
の物品を、所定の数量毎に停止させるロータリーストッ
パに関するものである。

〔従来の技術〕

例えば、ケーサでは、容器を所定個数づつボトルグリッ
パによってつかんで箱詰めを行なうため、コンベア上を
連続して搬送される容器を所定個数だけケーサ内に送
り、後続の容器はコンベア上に一時停止させておくスト
ッパが必要である。

このような場合に用いられる従来のロータリーストッパ
は、コンベアの側部に配設された回転体に、コンベア上
を搬送される容器に係合する羽根を、円周方向等間隔に
設け、これら羽根によって割付けをして所定数の容器を
送った後、ストッパによって回転体を強制的に停止させ
て、後続の容器を停止させるようにしていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来のロータリーストッパを、軽量化され肉厚が薄
くなっているペットボルト等に用いると、回転体を急停
止させたときに、後続容器の押圧により、容器を変形、
損傷するおそれがあり、また、容器に係合して停止して
いる羽根よりも前方へその容器が押し出されてしまう場
合があった。さらに、一時停止後、再び容器を送り込む
場合に、ストッパを解除して直ちに搬送を開始すると容
器が転倒するおそれがあるため、別にブレーキを設けて
徐々に回転を再開するようにしなければならなかった。

本考案は、上記欠点を除くためになされたもので、停止
時の衝撃を緩和するとともに、容器送りの再開時の転倒
を防止することができるロータリーストッパを提供する
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係るロータリーストッパは、コンベアの側部に
配設された回転体と、この回転体の周囲に円周方向等間
隔で設けられて、コンベア上を搬送される物品に係合す
る複数枚の羽根と、上記回転体を停止させるストッパと
を備えており、コンベア上を連続的に搬送される物品を
所定数通過させた後、後続の物品を停止させるものであ
って、特に、上記羽根のうちすくなくとも一つを、回転
体に支持された２本の回転軸と、両回転軸に端部がそれ
ぞれ固定され、これら軸の回転とともに揺動するアーム
と、これらアームの揺動端にそれぞれ支持されたピン
と、これらピンに支持された羽根から成る可動羽根と
し、上記アームの揺動によって、その羽根の向きを変え
ることなく上記コンベアの進行方向に向かって移動可能
に構成するとともに、この可動羽根をコンベアの進行方
向後方側へ向かって付勢する付勢手段を設けたものであ
る。

〔作用〕

本考案に係るロータリーストッパでは、回転体を停止さ
せると同時に可動羽根を前方へ移動させることにより、
停止時の衝撃を吸収するとともに、回転を再開するとき
には、回転体の始動に対して可動羽根を徐々に後退復帰
させることにより、容器の急激な移動による転倒を防止
する。

〔実施例〕

以下、図示実施例により本考案を説明する。第１図は本
考案の一実施例に係るロータリーストッパの縦断面図、
第２図は横断面図、第３図は平面図である。図におい
て、（２）は容器を連続的に搬送するコンベア（４）の
側部に設けられた回転体である。この回転体（２）は、
回転軸（６）と上下フレーム（８），（10）を備えてお
り、その周囲には、円周方向等間隔で容器に係合可能な
羽根が設けられている。本実施例では、回転体（２）は
８枚の羽根を有しており、そのうち７枚は固定羽根（1
2）であり、残りの１枚が、後に詳述するように、半径
方向外方へかつ回転方向（第２図では時計回り）前方
（すなわち、コンベア（４）上の容器が進行する第２図
の矢印方向）へ向けて移動可能な可動羽根（14）となっ
ている。

回転体（２）の下側フレーム（10）には、下方へ向けて
突出するストッパピン（16）が固定され、一方、回転体
（２）の下方の機枠（18）には、第４図に示すように、
軸（20）を中心に回動可能なアーム（22）と、このアー
ム（22）の自由端寄りの部分に、ロッド（24）の先端が
連結されたシリンダ（26）が設けられており、このシリ
ンダ（26）の作動によってアーム（22）が揺動し、アー
ム（22）先端に設けられたストッパ（28）が上記ストッ
パピン（16）に係合した時に回転体（２）が停止する。

回転体（２）の上下フレーム（８），（10）間には、２
本の軸（30），（32）が回転可能に支持されている。回
転体（２）の中心寄りに位置する軸（30）には、上下２
つのアーム（34），（36）が、そして、その軸（30）の
半径方向外方に位置する軸（32）には、２つのアーム
（38），（39）が固定されている。これら両軸（30），
（32）にそれぞれ固定されたアーム（34），（36）およ
び（38），（39）は、平行な状態で、それぞれの揺動端
がピン（40）および（42）（43）によって上記可動羽根
（14）のフランジ（14a）に連結されている。なお、こ
の可動羽根（14）の前方部分は、容器の外面に沿う形状
を有している。また、上記半径方向外方側の軸（32）
は、回転体（２）の上側フレーム（８）よりも上方に突
出しており、この突出端（32a）にレバー（44）が固定
されており、上側フレーム（８）上に配設されたエアシ
リンダ（46）のロッド（48）がこのレバー（44）に連結
されている。

従って、エアシリンダ（46）が作動してロッド（48）が
伸びると、レバー（44）を介して軸（32）が回転し、こ
の回転とともにアーム（38），（39）が回転する。これ
らアーム（38），（39）は、ピン（42），（43）によっ
て可動羽根（14）のフランジ（14a）に連結されてお
り、しかも、このフランジ（14a）は、ピン（40）によ
って他方のアーム（34），（36）に連結されているの
で、外側のアーム（38），（39）が回動すると、両アー
ム（34），（36）および（38），（39）は平行な状態の
ままで同時に回動し、可動羽根（14）は、第５図に想像
線で示すように、その向きを変えることなく、半径方向
外方へかつ、コンベア（４）の進行方向へ移動する。上
記内側の軸（30）には、付勢手段としてのねじりコイル
スプリング（49）が設けられており、エアシリンダ（4
6）のエアが遮断されたときには、可動羽根（14）を後
退位置に復帰させるようになっている。

上記回転体（２）の下方には、回転体（２）の回転量を
検出する第１センサ（50）と、可動羽根（14）の位置を
検出する第２センサ（52）が設けられている。

以上の構成に係るロータリーストッパの作動について説
明する。コンベア（４）上を連続的に搬送される容器
（54）（第５図参照）は、各羽根（12），（14）に一個
づつ係合して回転体（２）を回転させる。この回転体
（２）の回転量を第１センサ（50）により検出し、所定
数の容器（54）をロータリーストッパの下流側に送り込
んだ後、下方のシリンダ（26）を作動させて、ストッパ
（28）により回転体（２）を停止させる。同時に第２セ
ンサ（52）で可動羽根（14）の位置を確認し、上方のエ
アシリンダ（46）を作動させる。これによりレバー（4
4）および軸（32）が回転し、この軸（32）の回転によ
り、上述のように両アーム（34），（36）と（38），
（39）が平行回転して、可動羽根（14）を第５図に想像
線で示す位置迄前進させて、後述の容器（54）を停止さ
せる。

上記回転体（２）はストッパ（28）によって急停止する
が、後方に待機する容器（54）は、可動羽根（14）とと
もに若干前進したのち停止するため、停止時の衝撃が緩
和される。また、可動羽根（14）の形状を容器（54）の
外面に沿う形状としているため、容器（54）を安定して
ホールドすることができる。

再び容器（54）を送り込む場合には、ストッパ（28）用
のシリンダ（26）を解除して回転体（２）を回転可能な
状態にするとともに、可動羽根（14）移動用シリンダ
（46）の供給エアも遮断する。すると、可動羽根（14）
に係合していた容器（54）および後続容器（54）の押圧
力により、回転体（２）が回転するとともに、ねじりコ
イルスプリング（49）によって可動羽根（14）は設定位
置（第１図の状態）に復帰する。従って、ロータリース
トッパが再度回転を始めて容器（54）を送り込む際に、
容器（54）が急激に前進を始めて転倒してしまうという
おそれがない。

なお、回転体（２）に設けられた羽根（12），（14）の
全体の枚数およびそのうちの可動羽根（14）の数は、上
記実施例に限定されるものではなく、その数を任意に設
定することにより、送り込む容器（54）の数を変更する
ことができる。また、本考案に係るロータリーストッパ
は、容器以外の物品にも適用しうることは言う迄もな
い。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、物品を変形、損傷等
することなく確実に停止させることができ、また、ブレ
ーキを設けなくとも物品を転倒させることなく搬送する
ことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例に係るロータリース
トッパを示すもので、第１図は縦断面図、第２図は横断
面図、第３図は要部の平面図、第４図はストッパの側面
図、第５図は上記ロータリーストッパの作動状態を示す
説明図である。 （２）……回転体、（４）……コンベア、（12）……固
定羽根、（14）……可動羽根、（28）……ストッパ、
（30），（32）……回転軸、（34），（36），（38），
（39）……アーム、（40），（42），（43）……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンベアの側部に配設された回転体と、こ
   の回転体の周囲に円周方向等間隔で設けられて、コンベ
   ア上を搬送される物品に係合する複数枚の羽根と、上記
   回転体を停止させるストッパとを備え、コンベア上を連
   続的に搬送される物品を所定数通過させた後、後続の物
   品を停止させるロータリーストッパにおいて、上記羽根
   のうちすくなくとも一つを、回転体に支持された２本の
   回転軸と、両回転軸に端部がそれぞれ固定され、これら
   軸の回転とともに揺動するアームと、これらアームの揺
   動端にそれぞれ支持されたピンと、これらピンに支持さ
   れた羽根から成る可動羽根とし、上記アームの揺動によ
   って、その羽根の向きを変えることなく上記コンベアの
   進行方向に向かって移動可能に構成するとともに、この
   可動羽根をコンベアの進行方向後方側へ向かって付勢す
   る付勢手段を設けたことを特徴とするロータリーストッ
   パ。