JPH07141434A - 金属製品の製造原価増分費用算出装置 - Google Patents

金属製品の製造原価増分費用算出装置

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JPH07141434A
JPH07141434A JP28371493A JP28371493A JPH07141434A JP H07141434 A JPH07141434 A JP H07141434A JP 28371493 A JP28371493 A JP 28371493A JP 28371493 A JP28371493 A JP 28371493A JP H07141434 A JPH07141434 A JP H07141434A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属製品の製造仕様と実績との製造原価の差
異分析から増分費用を把握する。 【構成】 入力装置1から、ステンレス製品の入庫情報
が入力されると、実績情報データベース4に記憶され
る。製造原価における増分費用は、製造仕様データベー
ス5を参照して作成される標準製造ルートと、実績情報
データベース4を参照して作成される実績製造ルートと
の差異に基づいて算出される。原価情報データベース6
には、製造仕様に対応して原価を計算するための知識情
報が予め設定されている。判定エンジン7は、原価情報
データベース6を参照して、標準製造ルートに基づく標
準原価と、実績製造ルートに基づく実績製造原価とを算
出して対比することによって増分費用の算出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製品、特にステン
レス鋼板などの製造原価のうち、増分費用を算出するた
めの装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ステンレス鋼板などの金属製
品の製造は、需要家からの注文による本オーダと、需要
家からの注文を予想して行う先造りオーダとによって行
っている。これら両方のオーダに基づいて、製品の製造
に必要な製造仕様が設定され、設定された仕様に基づい
て製品の製造が行われる。
【0003】設定される製造仕様には、製品を作るため
の製造ルートと製造条件が入力され、製品の種類に応じ
て多種多様である。金属製品のたとえばステンレス鋼製
品の製造工程は、原料から製品の素材を作る製鋼工程、
その素材を熱間圧延する熱延工程、熱間圧延されたホッ
トコイルなどを焼鈍酸洗し、仕上ゲージにまで冷間圧延
する冷延工程、仕上ゲージまで圧延されたコールドコイ
ルなどを需要家の要求に応じて製品に仕上げる精整工程
とに分けられる。
【0004】このようなステンレス鋼製品の各製造工程
には、大概製造ラインにライン化され目的・機能の異な
る多種多様の各設備ラインが設置され、この各設備ライ
ン毎に単に機種や型式が異なるだけでなく設備仕様や能
力(能率)や生産性(生産効率)などが異なり差があ
る。
【0005】そこで、このような各製造工程において、
具体的に製品を作るための製造ルートと製造条件とを定
めた標準的な製造仕様を設定するには、まず製造ルート
として、製品を製造していく各設備ラインの名称や機種
や号機などを工程順に設定し、次いで製造条件として工
程順に設定された各設備ライン毎に種々の製造条件を設
定するのである。
【0006】また別のやり方で標準的な製造仕様を設定
することができる。製品としての製造可能範囲(仕様)
と需要家との間で取り決めた品質仕様とに従い過去から
の製造実績に基づいて、技術標準等により、標準的な製
造仕様が予め多種多様に設定されているとともにそれぞ
れ製造に要するコストが既知であり設定されている。
【0007】需要家からの製品の受注があった場合に、
このように予め多種多様に設定されている標準的な製造
仕様のうちで最も近似するものを選定し、この選定され
た製造仕様と対比するやり方である。対比した結果、こ
の選定された製造仕様に対して、製造ルート上で新たな
製造工程(新たな設備ライン)の追加や削減が必要とな
る場合と、製造ルート上では同じであってもいずれかの
製造工程(設備ライン)における製造条件が異なる場合
がある。このような対比結果、いずれの場合も、前記選
定された製造仕様に基づいて製造するに要する既知コス
トとは増減し異なるのである。
【0008】一方、このような需要家からの製品の受注
により、標準的な製造仕様を設定し、この製造仕様に基
づいて各製造工程(各設備ライン)毎に設定されている
製造条件を実施し果たしながら、順次工程推進していく
際に、たとえば圧延工程などで傷などの表面欠陥が発生
すると、この設定された製造仕様の製造ルートにない疵
取工程を追加したり、また圧延工程の製造条件として設
定パススケジュール上では5パス圧延であったものが形
状修正のため7パスに変更することがある。
【0009】このように設定された製造仕様の製造ルー
トにない新たな工程を追加したり製造条件を変更したり
することは、前記選定された製造仕様に基づいて製造す
るに要する既知コストとは増加し異なるのである。
【0010】図7および図8は、ステンレス鋼板などの
金属製品の製造コストの内容を示す。一般に金属製品の
製造コストには、前述のような種々の要因によって、標
準的な製造仕様に基づいて製造するに要する標準コスト
以外に標準外コストが発生する。この標準外コストは、
図8に示すように、単位重量当たりの製品を得るために
必要であった素材の重量と、標準的な製造仕様における
素材の重量との差を表す単重差に基づく増分Aと、製造
工程が変化したことによる標準外ルート増分Bとに分け
られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】金属製品の製造コスト
は、図7および図8に示すように、標準コストと標準外
コストとの和として把握される。標準コストは、受注活
動や生産計画を行うときに基準となる製造コストであ
り、その精度の向上が望ましい。このためには、標準外
コストの内容をさらに細かく分析して、改善の可能性を
検討しやすくする必要がある。
【0012】従来の製造原価計算方法は、製品の製造実
績に基づいて、各部門、工程、設備および製品毎に実績
原価を集計している。このため、各製品毎に、標準的な
製造仕様の設定どおりに製造されたときの標準コストと
の差異分析を行うことができず、どれくらいの増分費用
が発生したかを把握することができない。
【0013】特開平4−52219号公報、特開平4−
52220号公報および特開平4−52221号公報な
どには、過去の実績に基づき、鉄鋼製品の製造可否を判
定する技術が提案されている。しかしながら、仮に製造
が可能と判断されたときに、実際に製品の製造を行い、
予定どおりの製造コストで製造が可能であったか否かを
分析することはできない。この分析結果は受注活動や生
産計画を行う上で重要であるだけでなく、高品質の鉄鋼
製品を安価に安定供給して行く上でも非常に重要であ
る。
【0014】本発明の目的は、標準的な製造仕様に基づ
く製造原価と製造実績に基づいて算出される製造原価と
を対比し、その差異分析からどれくらいの増分費用が発
生したかを把握することができる金属製品の製造原価増
分費用算出装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属製品を製
造するための標準的な製造仕様情報が予め設定される仕
様設定手段と、金属製品の製造仕様に対応して、原価を
計算するために必要な知識情報が予め設定される原価設
定手段と、金属製品の製造実績に基づく実績情報を入力
する実績入力手段と、実績入力手段への入力に応答し、
仕様設定手段および原価設定手段を参照して、標準的な
製造仕様に対応する原価に対して、製造実績に基づく実
績情報に対応する原価の増分を算出する算出手段とを含
むことを特徴とする金属製品の製造原価増分費用算出装
置である。
【0016】本発明の前記算出手段は、前記算出手段
は、金属製品の製造実績に基づく実績情報を前記実績入
力手段に入力すると、原価を計算するための知識情報と
標準的な製造仕様情報とから、それぞれ算出した実績原
価情報と製造仕様原価情報とを対比させることによっ
て、製造原価の増分費用を算出することを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明に従えば、実績入力手段に金属製品の製
造実績に基づく実績情報を入力すると、算出手段は、仕
様設定手段に設定されている標準的な製造仕様情報と、
原価設定手段に設定されている原価を計算するために必
要な知識情報とを参照して、標準的な製造仕様に対応す
る原価と、製造実績に基づく実績情報に対応する原価と
の差を増分費用として算出する。金属製品の製造実績に
基づいて増分費用が算出されるので、製造原価の管理が
容易となり、費用増分の発生した原因の解明および改善
が容易となる。
【0018】また本発明に従えば、算出手段は、実績原
価情報と製造仕様原価情報とを対比させることによって
製造原価の増分費用を算出する。これによって増分費用
の発生原因を容易に分析することができ、製造コストの
低減や、製造技術の向上、さらには製造コストを配慮し
た鉄鋼製品の価格決定や受注活動とか、生産計画や作業
指示を行うことができる。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の概略的な構成を
示す。キーボードなどを含む入力装置1は本発明の実績
入力手段を構成する。CRT(「陰極線管」の略称)出
力装置2およびプリンタ出力装置3は、算出された原価
の増分費用や分析結果などを表示する。これらの入出力
装置1〜3は、コンピュータのハードウェア上にソフト
ウェアによって実現される実績情報データベース4、製
造仕様データベース5、原価情報データベース6および
判定エンジン7を含む増分費用判定システム8に接続さ
れる。この増分費用判定システム8を構成するコンピュ
ータには、演算装置と内部および外部記憶装置などが含
まれる。製造仕様データベース5は、仕様設定手段を構
成し、原価情報データベース6は、原価設定手段を構成
する。判定エンジン7は、算出手段を構成する。
【0020】図2は、図1に示す実施例の動作を示す。
ステップ10では、1つのステンレス鋼製品の製造が終
了し、倉入れされて出荷可能となったことが入庫情報と
して前記入力手段1から増分費用判定システム8に入力
される。ステップ20では、実績情報データベース4を
参照して、入庫されたステンレス鋼製品についての実績
製造ルートが作成される。ステップ30では、原価情報
データベース6を参照して、実績製造ルートに対応する
実績製造原価が作成される。ステップ40では、製品仕
様データベース5を参照して、標準製造ルートが作成さ
れる。ステップ50では、標準製造ルートに従って作業
を行ったと仮定したときの標準製造原価が原価情報デー
タベース6を参照して作成される。次にステップ60で
標準製造原価と実績製造原価とを対比して、標準実績原
価の判定を行う。
【0021】図3は、図2に示す動作をより詳細に示
す。ステップ10のステンレス製品の入庫情報入力は、
ステンレス鋼製品が1品目毎に添付される検査票に記載
される情報を図1に示す入力装置1から入力して行う。
原価計算はコイルNo.単位の検査票毎に実績製造ルー
トと標準製造ルートとに分けて行われる。実績製造ルー
トでは、実績情報データベース4として、実績製造履歴
が作成される。ステップ30の実績製造原価作成では、
実績製造履歴に基づく各工程別原価計算32が行われた
後で実績製造原価34が算出される。
【0022】標準製造ルートでは、ステップ40の標準
製造ルート作成として、仕様展開42において標準的な
製造仕様情報に基づき仕様展開42が行われ、標準的な
製造条件44が設定される。設定された製造条件44と
実績情報データベース内の実績製造履歴とが対比され、
その差異46から成分転用費用48と幅ロス費用49が
算出される。
【0023】成分転用費用48とは、実際に製造したス
テンレス鋼製品がその製造仕様によって定められている
成分濃度を満足しないようなときに、他のより条件が緩
和される製品に転用させるときに発生する費用である。
幅ロス費用49は、ステンレス鋼帯を圧延するときの定
尺幅と製品の幅との差に基づいて発生する。特に、何ら
かの事情によって製品の幅をとるのに必要な定尺幅より
も大きな定尺幅の原材料を使用すると、幅ロス費用49
が増大する。
【0024】標準製造ルートにおける製造原価は、ステ
ップ50内の、工程別原価計算52と標準製造ルート製
造原価54を経て算出される。ステップ60の標準実績
原価判定では、実績製造ルート製造原価34と標準製造
ルート製造原価54とを対比し、その差異62を求め
て、標準外製造ルート費用64を算出する。
【0025】図4は、或るステンレス鋼製品についての
具体的な標準製造ルートと、実績製造ルートとを示す。
図4(1)は標準製造ルートを示し、図4(2)は実績
製造ルートを示す。「AP」は酸洗焼鈍工程を示し、
「ZM」は圧延工程を示し、「SKP」は調質圧延工程
を示し、「SL」はスリット工程を示し、「CB」はサ
ービステール溶接工程を示し、「RP」は手直し研摩工
程を示し、「BA」は光輝焼鈍工程をそれぞれ示す。ま
た、「(H)」は、ホットコイルの状態を示し、
「(I)」は初段を示し、「(F)」は最終段をそれぞ
れ示す。さらに「G」に続く数字はゲージ厚を示す。
【0026】図4に示す例では、実績製造ルートにおい
て圧延工程「ZM」を中心に標準製造ルートと大きく異
なる。この標準製造ルートと合致すべく実績製造ルート
では、鏡面仕上が要求される製品向に光輝焼鈍「BA」
を行ったけれども、表面傷が発生したので、手直し研摩
「RP」を行ってその表面疵を除去した材料を転用して
いることを示す。
【0027】このように標準製造ルートに対して実績製
造ルートにおける工程数が増加し大きく異なる場合は、
標準外コストは増大する。
【0028】また図4に示す標準製造ルート(1)と実
績製造ルート(2)とを対比して、「AP(F)」から
「SL」までのルートは全く同じであるが、これらの各
工程において製造条件が異なる場合には標準外コストが
発生し変化する。これは、製造仕様における標準製造ル
ートやその製造条件が、最終的に需要家との間で取り決
めた品質仕様や受注量や納期などに的中し満足させ得る
とともコストミニマムで材料の製造が可能となるよう
に、品質面、歩留面、的中率面、能率や生産性等の生産
効率面、コスト面、作業性や安全面等々を総合的に勘案
して、無理や無駄を省き出来るだけ良好に安定して順次
工程推進し製造できることを前提に設定されているが、
実績製造ルートではかかる前提に添うように順次工程推
進しようとするが前工程までの製造実績情報からかかる
前提に添うことができなくなったためにやむを得ず製造
ルートやその製造条件の変更を決定したり、あるいは前
述のごとく他の製造仕様から外れた材料を転用したりす
るからである。
【0029】たとえば図4に示す事例にあって表1に示
すように標準製造ルート(1)の調質圧延工程「SK
P」における製造条件においてはパス回数が1回であっ
たものが、製造実績に基づく製造実績ルートでは前工程
までの製造実績情報から需要家の要求する品質仕様(具
体的に伸びや硬さなど機械的性質の調整、光沢や粗さな
ど表面性状の調整、形状の調整、表面仕上の調整、…)
に対してパス回数が1回では満足できないと判断された
ためにパス回数を2回に増すことを決定し実施して製造
したのである。このような製造条件を変更する場合に
は、実施製造ルートの費用、コストは標準製造ルートの
それと比較して当然増大する。しかも、需要家の要求す
る品質仕様などに的中し仕上げるために予め設定されて
いる製造条件〔鋼種、作業種類(ドライ圧延/ウェット
圧延)、単重、ゲージ、幅、張力、圧延圧力、ラインス
ピード、パス回数、使用する合紙の種類やその使用条
件、…〕に対して製造実績上で変更され変化すれば、標
準外コストが発生し、この標準外コストを精度良く算出
するための指標としてかかる製造条件のうちの各項目別
に換算件数が合理的に設定されている。
【0030】
【表1】
【0031】図5は、図4に示すような標準製造ルート
と実績製造ルートとの製造ルートの差に基づく増分費用
の分析過程を示す。ステップ10のステンレス製品の入
庫情報入力では、コイルNo.単位の検査票に記載され
ている情報が入力される。検査票には各冷延コイル毎に
識別情報や製造実績履歴情報などが記録される。これら
の情報は、実績情報データベース4内の実績履歴として
記憶され、ステップ20の実績製造ルート作成で製造条
件として抽出される。また製造仕様データベース5内の
契約残ファイルを参照して、コイルNo.に対する製造
仕様が読出され、ステップ40の標準製造ルート作成に
おいて標準的な製造条件が設定される。
【0032】次に図3の工程別原価計算32,52に対
応して、個別原価計算システムが各製造条件に基づき、
ステップ70において実績単重ベースに基づく実績原価
34を図3の実績製造ルート製造原価34として算出
し、標準単重ベースに基づく標準原価54を図3の標準
製造ルート製造原価54として算出する。また標準単重
ベースに基づいて実績予定原価35もこのステップ70
で算出される。ステップ80では、実績単重ベースの実
績原価34と、標準単重ベースに基づく標準原価54と
の突合わせが行われ、ステップ90で増分工程コストが
判定される。さらにステップ100では実績単重ベース
の実績原価34と標準単重ベースの実績予定原価35と
が突合わされ、ステップ110の単重差による増分コス
トが分析用に算出される。なお、「単重」とは単位重量
を表す。
【0033】図5のステップ70で求められる実績原価
34は、次の第1式および第2式に従って算出される。
【0034】 実績原価(円/T)=基準原価×換算係数(実績単重ベース) ×基準歩留(%)÷100(%) …(1) 実績原価金額(円)=実績原価(円/T)×検査票実績コイル重量(kg) ÷1000 …(2) また、実績製造ルートで標準単重ベースの実績予定原価
および実績予定原価金額を、次の第3式および第4式に
従って算出する。
【0035】 実績予定原価(円/T)=基準原価×換算係数(標準単重ベース) ×基準歩留(%)÷100(%) …(3) 実績予定原価金額(円)=実績予定原価(円/T)×検査票実績コイル重量(kg) ÷1000 …(4) これらの算出結果から、次の第5式および第6式によっ
て表される単重差が求められる。
【0036】 実績原価コイル単重差総額(円)=実績原価金額−実績予定原価金額 …(5) 実績原価コイル単重差単価(円/T)=実績原価コイル単重差総額 ÷検査票製品重量×1000 …(6) ここで、単位重量をトン(T)単位とし、検査票に記載
される重量はkgで表すので、金額を表すときには1/
1000倍として調整している。一方、標準原価および
標準原価金額については、次の第7式および第8式によ
って算出する。
【0037】 標準原価(円/T)=基準原価×換算係数(標準単重ベース)×基準歩留(%) ÷100(%) …(7) 標準原価金額(円)=標準原価(円/T)×検査票実績コイル重量(kg) ÷1000 …
(8) 図5のステップ90において単重差による増分コストも
含まれる増分工程コストが、次の第9式および第10式
に従って算出される。
【0038】 標準外製造ルート増分費用総額(円)=実績原価金額−標準原価金額 …(9) 標準外製造ルート増分費用単価(円/T)=標準外製造ルート増分費用総額 ÷検査票製品重量×1000 … (10) 以上の計算に使用する基準原価、換算係数などは次の表
2のようにして予め設定される。
【0039】「区分」のうちの「J」は製造実績に基づ
く製造実績情報データを表し、「H」は標準的な製造仕
様における標準製造ルートやその製造条件に関するデー
タを表す。基準原価や換算係数は、同じ工程であって
も、異なった設備や号機で作業を行えば変化するし、ま
た同じ工程設備であっても異なった製造条件に基づいて
作業を行えば変化するのである。この基準原価は、作業
量に比例する比例費と、作業量に対応して段階的に変動
する準変動費、および固定費から構成される。
【0040】また換算係数は、前述のごとく工程とか設
備ラインや号機とかによって異なるだけでなく、ある1
つの工程をとってみても種々の換算係数が設定されてい
る。いずれにしても、その工程とか設備ラインや号機と
かによって、標準的な製造仕様における製造ルートや製
造条件に基づいて製造されるのであるが、このような製
造仕様における最も代表的なもの(1つとは限らず2〜
3設定される場合がある)の換算係数を1と設定し、こ
れに対して他の製造仕様のものの係数を合理的に設定す
るのである。このような換算係数には、具体的に、たと
えば工程、設備ライン(号機を含む)、作業種類、鋼種
鋳型、焼鈍条件、圧延条件、パス回数、重量(歩留)
などのほかに、能率、表面積〔(通板ゲージ、圧延後ゲ
ージ)×幅〕、消耗材料(合紙、研摩ベルト、…)、ロ
ール、燃料、酸類、電力、保護被膜、梱包等々、詳細に
設定されている。
【0041】
【表2】
【0042】図6は、図3により説明した幅ロス費用4
9についての考え方を示す。製品幅としてW0が必要な
とき、実績製造ルートでは図6(1)に示すように定尺
幅W1の素材を使用し、標準製造ルートでは図6(2)
に示すように定尺幅W2が設定されているとする。実績
製造ルートおよび標準製造ルートの幅ロスはそれぞれ△
W1,△W2である。△W1と△W2との差に基づいて
前記幅ロス費用49が発生する。
【0043】以上のようにして、実績製造原価と標準製
造原価との対比が行われる。対比結果である差異は、図
1に示すようにCRT出力装置2およびプリンタ出力装
置3から表示し、増分費用の判定の際に利用される。増
分費用の判定は、たとえば品種、鋼種、需要家、仕上、
ゲージ範囲、幅区分、形状、製造仕様、製造ロット番号
などの評価層別に行うことが可能である。このような評
価層別の分析によって、増分費用の発生要因を把握し、
増分費用発生の責任の帰属を明確にすることができ、諸
問題点の抽出や解決すべき課題の設定や対策技術の研究
開発に素早くかつ高精度に取り組み実績を上げることが
できるようになるので、その結果原価低減の推進を図る
ことができる。さらに、金属製品の増分費用の判定を人
間が介入することなく自動的に行うことができ、短期間
で判定結果を出力できるので、意思決定のアクションを
迅速にとることができる。さらに、このように分析し判
定された結果に従って受注活動や製造上で生産計画を立
てるときや、製造する製品の品種や種類の選択とその価
格の決定においても、増分費用がかかり過ぎるものの製
造可否と、造った場合に利益を得るための適正価格を設
定する目安を得ることができる。
【0044】なお、以上の実施例では、金属製品として
ステンレス鋼板の製造原価について説明したけれども、
他の鉄鋼製品や非鉄金属など、必ずしも製造仕様が満足
されるとは限らない金属製品の製造における製造原価の
増分費用を算出するために用いることができるのは勿論
である。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、標準的な
製造工程に基づく製造原価と、実際の製造工程に基づく
製造原価とを対比し、その差として算出される増分費用
を容易に把握することができ、その発生原因や理由を精
度良く解明することができる。増分費用の発生原因や理
由が分析されれば、製造原価の低減や改善すべき製造工
程の把握による製造技術の向上などを容易に図ることが
できる。
【0046】また本発明によれば、製造実績に基づく実
績情報を実績入力手段に入力すると、算出手段は、標準
的な製造仕様に基づく製造仕様原価情報と、製造実績に
基づく実績情報による実績原価情報とを対比させ、製造
原価の増分費用を精度よく算出することができる。これ
によって増分費用の発生分析や判定を簡単に、素早くか
つ精度よく行うことができ、その分析結果に基づいて製
造工程の改善などを重点に行い、製造技術の向上を図る
ことができる。鉄鋼製品などの受注活動やその製造上で
生産計画を立てたり実際の製造工程中で変更や転用する
ときなどに、効率よく優利に推進かつ展開することが可
能となり、高品質の鉄鋼製品などを安価に安定供給して
いくうえで非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略的な電気的構成を示す
ブロック図である。
【図2】図1の実施例の動作を示すフローチャートであ
る。
【図3】図1の実施例の動作の流れを示すブロック図で
ある。
【図4】製造工程における標準製造ルートと実績製造ル
ートとを対比して示す工程図である。
【図5】図3の動作における標準外製造ルート費用の算
出過程を示すフローチャートである。
【図6】図3に示す幅ロス費用の算出についての基本的
な考え方を示す図である。
【図7】一般的な製品の製造コストの内訳を示す図であ
る。
【図8】製品の製造コストの内訳を単重およびルートに
関連して二次元的に示す図である。
【符号の説明】
1 入力装置 2 CRT出力装置 3 プリンタ出力装置 4 実績情報データベース 5 製造仕様データベース 6 原価情報データベース 7 判定エンジン 8 増分費用判定システム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製品を製造するための標準的な製造
    仕様情報が予め設定される仕様設定手段と、 金属製品の製造仕様に対応して、原価を計算するために
    必要な知識情報が予め設定される原価設定手段と、 金属製品の製造実績に基づく実績情報を入力する実績入
    力手段と、 実績入力手段への入力に応答し、仕様設定手段および原
    価設定手段を参照して、標準的な製造仕様に対応する原
    価に対して、製造実績に基づく実績情報に対応する原価
    の増分を算出する算出手段とを含むことを特徴とする金
    属製品の製造原価増分費用算出装置。
  2. 【請求項2】 前記算出手段は、金属製品の製造実績に
    基づく実績情報を前記実績入力手段に入力すると、原価
    を計算するための知識情報と標準的な製造仕様情報とか
    ら、それぞれ算出した実績原価情報と製造仕様原価情報
    とを対比させることによって、製造原価の増分費用を算
    出することを特徴とする請求項1記載の金属製品の製造
    原価増分費用算出装置。
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