JPH07139836A - ダブルコイル型ヒートポンプパッケージエアコン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒートポンプパッケージエアコンにおいて、
加湿・除湿効率の向上を図るとともに、マルチ型エアコ
ンにおける冷暖房同時運転を可能とする。 【構成】 二つに分割した熱交換器９ａ、９ｂを室内ユ
ニット５に設ける。屋外ユニット１からの高圧配管３を
膨張弁７を介して二つの熱交換器９ａ、９ｂにそれぞれ
配管接続し、接続配管３ａ、３ｂに開閉制御弁１１ａ、
１１ｂをそれぞれ設ける。膨張弁７の上流側の高圧配管
３をホットガスバイパス配管１３ａ、１３ｂにより二つ
の熱交換器９ａ、９ｂにそれぞれ配管接続し、それぞれ
のホットガスバイパス配管１３ａ、１３ｂに開閉制御弁
１５ａ、１５ｂを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、室内ユニットのコイル
を二つに分割し、それぞれのコイルにホットガスバイパ
ス機能を持たせたダブルコイル型ヒートポンプパッケー
ジエアコンに関する。

【０００２】

【従来の技術】ヒートポンプパッケージエアコンでは、
圧縮機を内蔵した一方のユニット（屋外ユニット）が屋
外に設置されるとともに、このユニットと同一の冷凍サ
イクルを構成する他方のユニット（室内ユニット）が室
内に設置される。この屋外ユニット、室内ユニットには
それぞれ一つの熱交換器（コイル）が備えられ、このコ
イルが蒸発器、或いは凝縮器として作用することによ
り、吸熱運転（冷房運転）又は排熱運転（暖房運転）が
行われる。

【０００３】室内ユニットには送風機、加湿器が備えら
れ、加湿器は一般的にコイルに対して通過空気の上流側
に配置されている。従って、加湿運転では、レタン空気
が加湿器により先ず加湿され、飽和状態となったレタン
空気がコイルにより加熱又は冷却されることにより、高
温多湿となった調和空気が居室に供給される。一方、除
湿運転においては、コイル温度を室温より若干下げる所
謂、弱冷房運転を行い、レタン空気の水蒸気をコイル表
面で凝縮させて除去することにより、低湿度の調和空気
を居室に供給していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ヒートポンプパッケージエアコンでは、一つのコイルが
設けられ、そのコイルに対して通過空気の上流側に加湿
器が配置されていたため、加湿運転を行う場合、レタン
空気を単に加湿するだけとなり、レタン空気温度が低い
場合、絶対湿度は低くなり、充分な水蒸気を含み得ない
ことから、加湿効率が低いものとなった。また、除湿運
転を行う場合、弱冷房運転が行われていたが、レタン空
気温度が低い場合、コイル温度を更に下げると、吹き出
し温度が低下して不快感が生じるため、コイルとレタン
空気との温度差が大きくとれず、充分な除湿を行うこと
ができなかった。このような問題を解決するものに、電
気ヒーターを設け、レタン空気中の水蒸気を一旦充分な
低温で凝縮させ、除去した後、電気ヒーターにより再熱
を行うシステムもあるが、電気容量が大きくなりランニ
ングコストが著しく増大する問題があった。本発明は上
記状況に鑑みてなされたもので、室内ユニットのコイル
を二つに分割してそれぞれにホットガスバイパス機能を
持たせることで、これらコイルの加熱、冷却を自由に行
うことができるダブルコイル型ヒートポンプパッケージ
エアコンを提供し、もって、加湿・除湿効率の向上、マ
ルチ型エアコンにおける冷暖房同時運転の達成を目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るダブルコイル型ヒートポンプパッケージ
エアコンの構成は、屋外ユニットと室内ユニットを有す
るヒートポンプパッケージエアコンにおいて、室内ユニ
ットの熱交換器を二つに分割し、この二つの熱交換器を
通過空気流方向に並設して室内ユニットに設け、屋外ユ
ニットからの高圧配管を膨張弁を介してこの二つの熱交
換器にそれぞれ配管接続するとともに、膨張弁と二つの
熱交換器の間の接続配管に開閉制御弁をそれぞれ設け、
膨張弁の上流側の高圧配管をホットガスバイパス配管に
より二つの熱交換器にそれぞれ配管接続するとともに、
それぞれのホットガスバイパス配管に開閉制御弁を設け
たことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】室内ユニットの熱交換器が二つに分割され、ホ
ットガスバイパス配管により高圧配管がそれぞれの熱交
換器に直接配管接続され、それぞれのホットガスバイパ
ス配管に開閉制御弁が設けられることにより、二つの熱
交換機が自在に加熱、冷却運転可能となり、例えば、加
湿器の配設位置によっては、予備加熱、再熱運転が他の
熱源を用いることなく、当該冷凍サイクル内の熱の利用
のみによって可能となる。また、ヒートポンプマルチエ
アコンの場合では、一つの屋外ユニットに対して複数台
の室内ユニットが同一系統となり、通常、全ての室内ユ
ニットが同一の運転モード、例えば冷房運転に規制され
るが、ダブルコイル型ヒートポンプパッケージエアコン
では、ホットガスバイパス配管を介して高圧冷媒をコイ
ルへ直接供給することで、高圧冷媒の熱により加熱運転
が可能となる。従って、同一系統内において、冷暖同時
運転が可能となる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明に係るダブルコイル型ヒートポ
ンプパッケージエアコンの好適な実施例を図面を参照し
て詳細に説明する。図１は本発明ダブルコイル型ヒート
ポンプパッケージエアコンの構成概略図である。屋外ユ
ニット１には高圧配管３が接続され、高圧配管３は室内
ユニット５へと配管されている。室内ユニット５内の高
圧配管３には電動膨張弁７が設けられ、電動膨張弁７の
低圧側は二つに分割された第１コイル９ａ、第２コイル
９ｂにそれぞれ接続されている。電動膨張弁７と第１コ
イル９ａの間、及び電動膨張弁７と第２コイル９ｂの間
の接続配管３ａ、３ｂには制御弁（開閉制御弁）１１
ａ、１１ｂが設けられ、制御弁１１ａ、１１ｂはｏｎ／
ｏｆｆの二位置制御により接続配管３ａ、３ｂの開閉を
行う。

【０００８】電動膨張弁７の上流側の高圧配管３には二
本に分岐されたホットガスバイパス配管１３ａ、１３ｂ
が接続され、ホットガスバイパス配管１３ａは制御弁１
１ａと第１コイル９ａとの間の接続配管３ａに接続され
る一方、ホットガスバイパス配管１３ｂは制御弁１１ｂ
と第２コイル９ｂとの間の接続配管３ｂに接続されてい
る。つまり、屋外ユニット１からの高圧冷媒は、電動膨
張弁７を通過することなく、直接、第１コイル９ａ、第
２コイル９ｂへ供給可能となっているのである。ホット
ガスバイパス配管１３ａ、１３ｂには比例制御弁（開閉
制御弁）１５ａ、１５ｂが設けられ、比例制御弁１５
ａ、１５ｂは高圧冷媒の流量を比例制御できるようにな
っている。

【０００９】第１コイル９ａと第２コイル９ｂの間には
加湿器１７が設けられ、加湿器１７は第１コイル９ａに
より予備加熱されたレタン空気に対して加湿が行えるよ
うになっている。第２コイル９ｂの通過空気流の下流側
には送風機１９が設けられ、送風機１９は第１コイル９
ａ、加湿器１７、第２コイル９ｂを順次通過した空気を
調和空気として送気するようになっている。第１コイル
９ａ、第２コイル９ｂ、制御弁１１ａ、１１ｂ、ホット
ガスバイパス配管１３ａ、１３ｂ、比例制御弁１５ａ、
１５ｂを主な部材として、ダブルコイル型ヒートポンプ
パッケージエアコン２１が構成されている。

【００１０】このように構成されたダブルコイル型ヒー
トポンプパッケージエアコン２１の作用を説明する。図
２は第１、第２コイルが共通運転の場合の説明図であ
る。一般の冷房、暖房運転の場合、比例制御弁１５ａ、
１５ｂが閉じられ、制御弁１１ａ、１１ｂが開かれる。
これにより、第１コイル９ａ、第２コイル９ｂは、共に
冷房、或いは暖房運転となり、通常のヒートポンプパッ
ケージエアコンと同様に運転されることになる。但し、
この場合においても、暖房時、加湿が行われる際には、
第１コイル９ａにより予備加熱（プレヒート）されたレ
タン空気が加湿されることになり、低温のレタン空気に
加湿を行う従来に比べ、加湿効率が向上することにな
る。

【００１１】図３は第１コイル冷却、第２コイル加熱運
転の場合の説明図である。除湿運転の場合、制御弁１１
ａ、比例制御弁１５ｂが開かれる一方、制御弁１１ｂ、
比例制御弁１５ａが閉じられる。これにより、第１コイ
ル９ａには電動膨張弁７を通過した低温冷媒が供給され
るとともに、第２コイル９ｂには電動膨張弁７を通過し
ない高温ガスが直接供給されることになる。つまり、第
１コイル９ａは冷却運転、第２コイル９ｂは加熱（再
熱）運転になるのである。従って、再熱が可能となるこ
とから、レタン空気を充分な低温で除湿することがで
き、電気ヒーターを用いることなく、除湿効率が高めら
れる。このような再熱除湿運転が可能となることから、
特に梅雨期には低いランニングコストで快適な環境が得
られることになる。

【００１２】図４は第１コイル加熱、第２コイル冷却運
転の場合の説明図である。冷房時における加湿運転の場
合、制御弁１１ｂ、比例制御弁１５ａが開かれる一方、
制御弁１１ａ、比例制御弁１５ｂが閉じられる。これに
より、第１コイル９ａには電動膨張弁７を通過しない高
温ガスが直接供給されるとともに、第２コイル９ｂには
電動膨張弁７を通過した低温冷媒が供給されることにな
る。つまり、第１コイル９ａは加熱運転、第２コイル９
ｂは冷却運転になるのである。冬期のインテリアゾーン
における冷房運転の場合、レタン空気が一旦加熱される
ことにより、低温のレタン空気に直接加湿を行っていた
従来に比べ、加湿効率が向上することになる。

【００１３】図５はマルチエアコン系統における運転状
況の説明図である。第１、第２コイルが共に加熱運転の
場合、比例制御弁１５ａ、１５ｂが共に開かれ、制御弁
１１ａ、１１ｂが共に閉じられる。これにより、第１コ
イル９ａ、第２コイル９ｂには高温ガスが供給され、加
熱運転が可能となる。ヒートポンプマルチエアコンにお
いて、冬期、同一系統の室内ユニット５ｂ、５ｃが冷房
運転であるが、一部暖房負荷が発生する場合（例えば、
ペリメータゾーンの室内ユニット５ａの場合）、第１コ
イル９ａ、第２コイル９ｂに高温ガスが供給されること
で、冷暖同時運転が可能になるのである。

【００１４】このように上述のダブルコイル型ヒートポ
ンプパッケージエアコン２１では、コイルが第１コイル
９ａ、第２コイル９ｂに二分割され、それぞれのコイル
が冷却、加熱運転を自在に行えるようになっているの
で、予備加熱及び再熱運転が行えるようになるととも
に、ヒートポンプマルチエアコンにおいては、一部の室
内ユニット５ａが逆サイクルで運転でき、冷暖同時運転
が可能になる。

【００１５】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るダブルコイル型ヒートポンプパッケージエアコンによ
れば、室内ユニットの熱交換器を二つに分割し、ホット
ガスバイパス配管で高圧配管をそれぞれの熱交換器に直
接配管接続したので、二つの熱交換機が自在に加熱、冷
却運転可能となり、予備加熱、再熱運転が他の熱源を用
いることなく行えるため、ランニングコストを増大させ
ずに加湿・除湿効率を向上させることができる。また、
ヒートポンプマルチエアコンの場合では、ホットガスバ
イパス配管を介して高圧冷媒をコイルへ直接供給できる
ので、当該系統が冷房運転時、特定の室内ユニットの加
熱運転が可能となり、同一系統内において、冷暖同時運
転が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明ダブルコイル型ヒートポンプエアコンの
構成概略図である。

【図２】第１、第２コイルが共通運転の場合の説明図で
ある。

【図３】第１コイル冷却、第２コイル加熱運転の場合の
説明図である。

【図４】第１コイル加熱、第２コイル冷却運転の場合の
説明図である。

【図５】マルチエアコン系統における運転状況の説明図
である。

【符号の説明】

１ 屋外ユニット ３ 高圧配管 ３ａ、３ｂ 接続配管 ５ 室内ユニット ７ 電動膨張弁（膨張弁） ９ａ 第１コイル（熱交換器） ９ｂ 第２コイル（熱交換器） １１ａ、１１ｂ 制御弁（開閉制御弁） １３ａ、１３ｂ ホットガスバイパス配管 １５ａ、１５ｂ 比例制御弁（開閉制御弁） ２１ ダブルコイル型ヒートポンプパッケージエアコン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋外ユニットと室内ユニットを有するヒ
   ートポンプパッケージエアコンにおいて、 室内ユニットの熱交換器を二つに分割し、 該二つの熱交換器を通過空気流方向に並設して室内ユニ
   ットに設け、 前記屋外ユニットからの高圧配管を膨張弁を介して該二
   つの熱交換器にそれぞれ配管接続するとともに、該膨張
   弁と該二つの熱交換器の間の接続配管に開閉制御弁をそ
   れぞれ設け、 前記膨張弁の上流側の高圧配管をホットガスバイパス配
   管により前記二つの熱交換器にそれぞれ配管接続すると
   ともに、それぞれの該ホットガスバイパス配管に開閉制
   御弁を設けたことを特徴とするダブルコイル型ヒートポ
   ンプパッケージエアコン。