JPH07139472A - マイクロポンプの流体送りヘッド - Google Patents

マイクロポンプの流体送りヘッド

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JPH07139472A
JPH07139472A JP5287191A JP28719193A JPH07139472A JP H07139472 A JPH07139472 A JP H07139472A JP 5287191 A JP5287191 A JP 5287191A JP 28719193 A JP28719193 A JP 28719193A JP H07139472 A JPH07139472 A JP H07139472A
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diaphragm
port
micropump
fluid
flow
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Application number
JP5287191A
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English (en)
Inventor
Takahiro Yamada
田 孝 弘 山
Shinji Ando
藤 信 二 安
Yoshihiro Naruse
瀬 好 廣 成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinsangyo Kaihatsu KK
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Shinsangyo Kaihatsu KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力衝撃を少なくする。送出効率を高くす
る。送出量が正確でしかも低流量のマイクロポンプを実
現する。 【構成】 第1ポ−ト(11),第2ポ−ト(12)およびそれ
らを連通とする連通溝(13)を有する流路手段(10);それ
ぞれが、連通溝(13)の開口に表面が露出し通流溝(13)に
対して膨出/退避しうる、連通溝(13)に沿って第1ポ−
ト(11)から第2ポ−ト(12)の方向に配列された複数個の
ダイアフラム(21a〜21e);および、前ダイアフラム(21a
〜21e)に関して連通溝(13)の反対側に配設され、各ダイ
アフラムの裏面に対向する複数個の作動気体空間(22a〜
22e)を有するダイアフラム支持手段(20);を備え、流路
手段(10)の通流溝(13)は、その長手方向と直交する横断
面がダイアフラムの膨出形状に合った曲線の底面を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体を低い流速(流量
/時間)で送り駆動するマイクロポンプに関し、特に、
被駆動流体吸入用の第1ポ−トと送出用の第2ポ−トを
連通とする通流溝の開口に沿って複数個のダイアフラム
を配列し各ダイアフラムの裏側には作動気体空間を開け
た、マイクロポンプの流体送りヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば人工透析中に、透析装置に供給さ
れる生体血液あるいは透析装置より生体に戻される血液
をモニタする場合、連続モニタするのが好ましく、この
場合、血液を透析流路から分流してモニタ装置に供給す
ることが必要となる。モニタ装置で試薬などを加えた血
液は廃棄するので、モニタ装置には連続モニタが出来る
ように血液を連続供給しかつ可及的に低い流速で供給す
るのが好ましい。加えて、血栓を生じないように、また
測定,検査の精度を高くするために、圧力振動、特に衝
撃圧、は出来るだけ少ないのが好ましい。また、生体に
連続的に微量の薬剤又は補助液を注入する場合にも、連
続供給,低流速および低圧力振動が必要な場合がある。
【0003】この種の要望を満すため、従来は、弾力性
チュ−ブをロ−タ(3個又は4個の放射状に延びる回転
ア−ム)の先端に装着したロ−ラで加圧するロ−ラポン
プが提案されている。また、弾力性チュ−ブの延びる方
向に複数個の押し板を並べ、押し板のそれぞれを、電気
モ−タで回転駆動されるカム板で突き出し駆動し、カム
板の配列によりチュ−ブに蠕動運動を起こさせてチュ−
ブを絞るようにしてチュ−ブ内流体を送り出すフィンガ
−ポンプが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のロ−ラポンプお
よびフィンガ−ポンプのいずれも、弾力性チュ−ブを押
し、チュ−ブの復元力で被駆動流体の吸入を行なうの
で、その原理上、低流量化に限度がある。低流量とする
ためにチュ−ブを細径にする程チュ−ブの寸法誤差や、
ロ−ラ,押し板等の取付誤差による流量のばらつきが大
きくなり、流量調節がむつかしくなる。またチュ−ブの
弾力性の低下に伴なって送出流量が低下しかつ流量変動
を生じ易い。また、圧力衝撃はチュ−ブの弾力である程
度吸収されるがこの衝撃吸収能力が低下する。
【0005】本発明は、圧力衝撃を少なくすることを第
1の目的とし、送出効率を高くすることを第2の目的と
し、送出量が正確でしかも低流量のマイクロポンプを実
現することを第3の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロポンプ
の流体送りヘッドは、第1ポ−ト(11),第2ポ−ト(12)
およびそれらを連通とする連通溝(13)を有する流路手段
(10);それぞれが、前記連通溝(13)の開口に表面が露出
し該通流溝(13)に対して膨出/退避しうる、前記連通溝
(13)に沿って第1ポ−ト(11)から第2ポ−ト(12)の方向
に配列された複数個のダイアフラム(21a〜21e);およ
び、前記ダイアフラム(21a〜21e)に関して前記連通溝(1
3)の反対側に配設され、各ダイアフラムの裏面に対向す
る複数個の作動気体空間(22a〜22e)を有するダイアフラ
ム支持手段(20);を備え、前記流路手段の通流溝(13)
は、その長手方向と直交する横断面が前記ダイアフラム
の膨出形状に合った曲線の底面を有する。なお、カッコ
内には、理解を容易にするために、図面に示し後述する
実施例の対応要素の記号を、参考までに記入した。
【0007】
【作用】作動気体空間(22a〜22e)のそれぞれの気体圧
を、第1ポ−ト(11)に近いものから第2ポ−ト(12)に近
いものの方向に高圧ピ−クが推移する関係に位相差をも
って振動させると、高圧ピ−クが第1ポ−ト(11)に近い
作動気体空間(22a)から第2ポ−ト(12)に近い作動気体
空間(22b)に順次に移動する。この作動気体空間(22a〜2
2e)の圧力振動に対応して、ダイアフラム(21a〜21e)は
高圧力では連通溝(13)に対して膨出し低圧力では連通溝
(13)より退避し、第1ポ−ト(11)に近いダイアフラム(2
1a)から第2ポ−ト(12)に近いダイアフラム(21b)に膨出
が順次に移動する。これにより連通溝(13)の流体は第1
ポ−ト(11)から第2ポ−ト(12)に向けて絞り出される。
【0008】作動気体空間(22a〜22e)の気体は可圧縮性
(圧力が高くなると収縮し低下すると膨張する:これは
実質上すべての気体で言えること)であるので、仮に作
動気体空間(22a〜22e)にパルス的(2値的)に圧力が加
わっても、それによってダイアフラムに加わる圧力は、
作動気体空間(22a〜22e)の気体の収縮/膨張によりサイ
ン波(正弦波)状に平滑化されて、ダイアフラム(21a〜
21e)の膨出/退避運動は滑らかかつ柔らかであり、これ
により送り出される流体に、ダイアフラムの往復振動よ
りも高い周波数領域の圧力振動又は圧力衝撃を実質上生
ずることがない。送り出される流体はより静流に近いも
のとなる。
【0009】前述の絞り出し駆動において、通流溝(13)
は、その長手方向と直交する横断面がダイアフラム(21a
〜21e)の膨出形状に合った曲線の底面を有するので、ダ
イアフラムは通流溝(13)を密閉するように膨出する。こ
れにより、横断面において膨出したダイアフラムと通流
溝(13)の底面との間に実質上隙間を生じず、したがって
下流側の被駆動流体が上流側に逃げることが実質上な
く、ダイアフラムの振動に対する被駆動流体の送り量が
多い。すなわち送出効率が高い。
【0010】作動気体空間(22a〜22e)の気体が可圧縮性
であるので、ダイアフラムには尖頭的な圧力は加わら
ず、ダイアフラムが圧力衝撃で破壊する確率が低い。し
たがってダイアフラムは薄い小サイズのものとしうる。
ダイアフラムを薄く小サイズにする程、低流量となる。
にもかかわらず、流量のばらつきを実質上生じないのに
加えて、動気体空間(22a〜22e)に加える圧力振動の繰返
し周期の調整により流量を調整しうる。したがって所要
の低流量の、流量が可調整のマイクロポンプを実現しう
る。ダイアフラムは、前述のロ−ラポンプのチュ−ブの
ような経時的な形状変化を生じないので、送出量の経時
的な低下を実質上生じない。
【0011】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0012】
【実施例】図1に本発明の一実施例の外観を、その一部
を切除して示し、図2にそのII−II線横断面を示す。な
お、縦断面に関しては図3を参照されたい。流路部材1
0は、大略で、長方形の升形で底壁内面に、円筒体の周
面の一部を長手軸に沿って切り取ったような内空間を有
する通流溝13を有する。この通流溝13の底面の横断
面は、図2に示すように弧状である。この通流溝13の
左端に第1ポ−ト11が、右端に第2ポ−ト12が連通
している。流路部材10の内部には大略で長方形のシリ
コン板20が挿入されて、熱融着性の接着フィルム41
を介して流路部材10の底面に圧着されている。シリコ
ン板20には、通流溝13に対向する位置に5個の作動
気体室22a〜22eがエッチング加工により開けられ
ており、これらの気体室22a〜22eの、通流溝13
に対向する開口は、それぞれダイアフラム21a〜21
eで閉じられている。この実施例では、気体室22a〜
22eおよびダイアフラム21a〜21eを有するシリ
コン板20は次のようにして製造されたものである。
【0013】(a)250μm厚程度のシリコン板(シリコ
ン板20を複数個形成するための1つのシリコン板;以
下単にシリコン板と称す)の表,裏面にSiO2層を形
成する。このとき、シリコン板は、後に生成するダイア
フラムにたるみを持たせるために、1200°C程度にベ−
キングし、5000Å厚程度のSiO2層(表面のこの層
が、後にダイアフラムの下層となる)を形成する; (b)シリコン板の表面のSiO2層上に、スパッタ技
術により2000Å厚程度のNiCrSi層を形成する。この
NiCrSi層の一部は、後にダイアフラムの上層とな
る。このNiCrSi層の形成を終わるまで、ダイアフラ
ムにたるみを持たせるために、シリコン板を1200°C程
度に維持する; (c)シリコン板が常温程度まで冷えた後、NiCrSi
層の上にレジスト膜を形成し、これを露光しエッチング
してダイアフラム(21a〜21e)領域のみにレジスト膜を
残す; (d) ドライエッチング(逆スパッタ)により、レジ
スト膜の直下以外のNiCrSi層を除去する。このよう
にして残ったNiCrSi層とその直下のSiO2層がダイ
アフラム(2層構造)である。これら2層は、温度が下
がったことにより収縮しようとして比較的に大きな内部
応力(熱膨張係数が異なるので、SiO2層は圧縮応
力、NiCrSi層は引張応力)を生じているが、この段
階ではシリコン板の基体部に一体であるので、たるみを
生じない; (e) NiCrSi層上に残したレジスト膜を除去して
NiCrSiを露出させて、表,裏面に再度、作動気体室
22a〜22eを形成するためのレジスト膜を形成す
る; (f) 露光およびエッチングにより、シリコン板の裏
面の、NiCrSi層22対向部に、作動気体室22a〜
22e用の開口を形成し、更にエッチング(フッ酸処
理)により、該開口部(シリコン板20の裏面)のSiO2
層も除去し、次に表,裏面のレジスト膜を除去する; (g) 裏面のSiO2層の開口をエッチングして、表
面のSiO2層(ダイアフラムの下層)に達する穴すなわ
ち作動気体室22a〜22eを開ける。ダイアフラムの
SiO2層までエッチングすると、ダイアフラム(Si
2層+NiCrSi層)の拘束がなくなるので、SiO2
層に作用する圧縮応力が解放されてダイアフラムにたわ
みが生ずる; (h) 表,裏面のSiO2層を除去し、シリコン板
を、長方形の一単位毎(複数個)に切断分離する。分離
された1個が図3に示すシリコン板20である。再度図
1および図2を参照すると、シリコン板20の下面に
は、熱融着性の接着フィルム42を介して上中継板30
が圧着されている。上中継板30には作動気体室22a
〜22eに連通する気体通路31a〜31eが開けられ
ており、中継板30の下面には、気体通路31a〜31
eの中心を通る微細溝32(図2)が刻まれている。こ
の微細溝32は、ピン先で引掻いた程度の、Oリング
(図3の、上中継板30に接するもの)によっては閉塞
されない細幅,浅底のものである。
【0014】以上のように、流路部材10の内部には、
シリコン板20および上中継板30がこの順に挿入され
て、これら3部材10,20および30が一体に固着さ
れている。これが流体送りヘッドである。
【0015】図3に、上述の流体送りヘッドの一使用態
様、すなわち、該流体送りヘッドを組込んだマイクロポ
ンプを示す。上中継板30に接続された下ケ−ス80
は、上が開いた大略で升形のものであり、底壁にはプラ
ンジャ73a〜73eの上下動を許す抜穴がある。これ
らの抜穴を基準にソレノイド70a〜70eが下ケ−ス
80に収納されている。ソレノイド70aは、コア71
a,それを周回する電気コイル72aおよびプランジャ
73aで構成されており、プランジャ73aの細径部が
コア71aを貫通し、コア71aの外方に円板状の当て
頭がありこれが該細径部と共にプランジャ73aと一体
である。他のソレノイド70b〜70eも、70aの構
造および寸法が同一である。ソレノイド70a〜70e
の上述の当て頭には、シリコンゴム製の薄膜60が載せ
られ、この薄膜60上に下中継板50が載っている。下
中継板50には、ソレノイド70b〜70eの当て頭に
よる薄膜60の突上げを許す気体室51a〜51e,こ
れらの気体室51a〜51eを気体通路31a〜31e
に連通とするための気体通路、および、上中継板30の
気体通路31a〜31eと下中継板50の気体通路31
a〜31eとを実質上気密に結合するためのOリング収
納穴が開けられている。Oリング収納穴にはOリングが
はめ込まれている。
【0016】以上のように、下ケ−ス80の内部には、
5個のソレノイド70a〜70e,薄膜60および下中
継板50が、下からこの順に収納されている。この下ケ
−ス80の上開口に、上述のようにシリコン板20およ
び中継板30を組込んだ流路部材10を押し込むことに
より、上中継板30がOリングを介して下中継板50を
押し下げて薄膜60を押しそしてソレノイド70a〜7
0eを下ケ−ス80の内底面に押す。この押し状態で流
路部材10の爪欠溝15,16内に下ケ−ス80の爪8
1,82が進入して、流路部材10と下ケ−ス80とが
一体となる。
【0017】なお、下ケ−ス80に対して流路部材10
をやや強い力で引き上げると、爪81,82が爪欠溝1
5,16から外れて、流路部材10は下ケ−ス80から
外れる。このように両者を脱着可能な結合としているの
は、医療用の輸液ポンプとして使用する場合に、感染防
止のためディスポ(使い捨て)にするためである。
【0018】流路部材10を下ケ−ス80に装着すると
き、上中継板30がOリングに密着した後の更なる下方
への押しにより、気体室51a〜51eから作動気体室
22a〜22eの気体(この実施例では空気)空間の圧
力が上昇してダイアフラム21a〜21eが膨出したま
まとなるとか、あるいはその時膨出しなくても、その後
の温度上昇により前記空間の圧力が上昇してダイアフラ
ム21a〜21eが膨出する。このように膨出した状態
でプランジャ73aを上駆動すると前記空間の圧力が更
に上昇してダイアフラム21aが破裂することがあり得
る。破裂しない場合は、プランジャ73aの往復動に対
してダイアフラム21aの膨出/退避ストロ−クが小さ
く、ポンピング能力が著しく低下する。このような現象
を防ぐために、上中継板30には微細溝32が刻まれて
いる。流路部材10を下ケ−ス80に装着するとき、上
中継板30がOリングに密着した後の更なる下方への押
しにより、気体室51a〜51eから作動気体室22a
〜22eに至る空間の気圧が大気圧より高くなるときに
は微細溝32−上中継板30/下中継板50間のギャッ
プ−流路部材10/下ケ−ス80間ギャップを通して前
記空間の空気がケ−ス外に逃げる。流路部材10を下ケ
−ス80に装着した後の、温度上昇,低下により前記空
間の圧力が上昇又は低下するときにも同様な経路で、前
記空間と外気の間に通流を生ずる。したがって、非使用
時にはダイアフラム21a〜21eは常時所定のたわみ
形状(図3)を維持する。
【0019】ダイアフラム21a〜21eは、非使用状
態において、上述のSiO2層形成時のシリコン板のベ−
キングにより、常温では図2および図3に示すようにた
わみを持つ形状となっている。この状態で気体室22a
〜22eの圧力が上昇するとダイアフラムは通流溝13
に進入する方向に膨出し、通流溝13の底面にぴったり
接触する。仮に通流溝13が横断面が長方形のものであ
るとダイアフラムの膨出頂部が通流溝13の平面状の底
面に当るとそこで球形から平面形にダイアフラム頂部が
変形するので折り曲げ歪が繰返し加わってダイアフラム
寿命が短く、また底コ−ナ部で膨出したダイアフラムと
の間に略3角形状のすき間を生じこれを通して圧力が下
流側から上流側に抜けるので送出効率はその分低いが、
通流溝13が横断面が弧状であるので、折り曲げ歪を生
じないのでダイアフラムの寿命が長く、しかもポンピン
グ効率(ダイアフラムの振動に対する被駆動流体送出
量)が高い。
【0020】図4に、上述のソレノイド70a〜70e
の電気コイル72a〜72eに、ダイアフラム21a〜
21eを振動させるための通電を行なう電気回路を示
す。通電制御装置100のパルス発生器94は、ポテン
ショメ−タ95の抵抗値に対応する周期の電気パルスA
を発生する。通電制御装置100の回路要素が発生する
電気信号を図5に示すので、図5をも参照されたい。5
進カウンタ93がこの電気パルスAをカウントする。カ
ウンタ93は、初期状態(カウント値0)から、パルス
Aが1個到来する毎にカウント値1,2,3,4とカウ
ントアップしカウント値5になると自動的にカウント値
0に戻り、そしてまた1,2,・・とカウントアップす
る循環カウンタであり、カウント値0〜5を示すカウン
トデ−タがデコ−ダ92に与えられる。デコ−ダ92
は、カウントデ−タが0の間はその出力信号B0を高レ
ベルHに、他の出力信号B1〜B4は低レベルLに維持
する。カウントデ−タが1〜4のそれぞれのときは、出
力信号B1〜B4のそれぞれをHに、他の出力信号はL
に維持する。オアゲ−ト91a〜91eには、出力信号
B0〜B4の内の、H発生順で隣り合うものが与えら
れ、それらの出力は図5に示す信号C1〜C5となり、
これらの信号C1〜C5が、それぞれソレノイドドライ
バ90a〜90eに印加される。ソレノイドドライバ9
0a〜90eはそれぞれ信号C1〜C5のそれぞれがH
の間、電気コイル72a〜72eのそれぞれに通電す
る。
【0021】例えば、図5に示す時刻t1に電気コイル
72aに通電がある(C1=H)と、プランジャ73a
がコア71aに吸引されて、プランジャ73aの上端の
当て頭が薄膜60を気体室51aの内方に突上げる。こ
れにより気体通路31aを通して作動気体室22aの圧
力が上昇してダイアフラム21aが、たわみ形状(図
2,図3)から、被駆動通流溝13の内方に突出する膨
み形状となる。すなわちダイアフラム21aが流体流路
13に膨出する。これによりダイアフラム21aの上側
にあった被駆動流体は、一部は第1ポ−ト11の方向
に、一部はダイアフラム21bの方向に押される。
【0022】次の時刻t2では、ダイアフラム21aは
まだ膨出しているが電気コイル72bの通電が開始され
て上述と同様にしてダイアフラム21bが流体流路13
に膨出する。このときダイアフラム21bの上側の被駆
動流体は、ダイアフラム21aが膨出しているので、ほ
とんどがダイアフラム21cの方向に押される。
【0023】次の時刻t3では、電気コイル72aの通
電が止まるのでプランジャ73aが薄膜60の反発力で
下方に戻されこれにより室51aが負圧となって、ダイ
アフラム21aが退避するが、このとき入力ポ−ト11
の被駆動流体がダイアフラム21aによって吸入され
る。ダイアフラム21bは膨出しているので、ダイアフ
ラム21b側の被駆動流体は実質上吸引されない。ま
た、該時刻t3には電気コイル72cの通電が開始され
て上述と同様にしてダイアフラム21cが流体流路13
に膨出する。このときダイアフラム21cの上側の被駆
動流体は、ダイアフラム21bが膨出しているので、ほ
とんどがダイアフラム21dの方向に押される。
【0024】次の時刻t4では、電気コイル72bの通
電が止まるのでプランジャ73bが薄膜60の反発力で
下方に戻されこれにより室51bが負圧となって、ダイ
アフラム21bが退避するが、このときダイアフラム2
1a上の被駆動流体がダイアフラム21bによって吸入
される。ダイアフラム21cは膨出しているので、ダイ
アフラム21c側の被駆動流体は実質上吸引されない。
また、該時刻t4には電気コイル72dの通電が開始さ
れて上述と同様にしてダイアフラム21dが流体流路1
3に膨出する。このときダイアフラム21dの上側の被
駆動流体は、ダイアフラム21cが膨出しているので、
ほとんどがダイアフラム21eの方向に押される。
【0025】次の時刻t5では、電気コイル72cの通
電が止まるのでプランジャ73cが薄膜60の反発力で
下方に戻されこれにより室51cが負圧となって、ダイ
アフラム21cが退避するが、このときダイアフラム2
1b上の被駆動流体がダイアフラム21cによって吸入
される。ダイアフラム21dは膨出しているので、ダイ
アフラム21d側の被駆動流体は実質上吸引されない。
また、該時刻t5には電気コイル72eの通電が開始さ
れて上述と同様にしてダイアフラム21eが流体流路1
3に膨出する。このときダイアフラム21eの上側の被
駆動流体は、ダイアフラム21dが膨出しているので、
ほとんどが第2ポ−ト12の方向に押される。
【0026】次の時刻t6は、上述の時刻t1の状態と
同様となる。このようにして、時刻t1〜t6までを一
サイクルとするダイアフラム21a〜21eの膨出/退
避振動が同様に繰返えされ、被駆動流体は第1ポ−ト1
1から吸入されて第2ポ−トに送出される。隣り合うダ
イアフラムは、時間差をもって順次に膨出駆動される
が、両者が重複して膨出している期間があって、隣り合
う3個のダイアフラムに関して説明すると、中央のダイ
アフラムが膨出しているときに被駆動流体の送り方向に
関して下流側(第2ポ−ト12側)のダイアフラムを膨
出に上流側(第1ポ−ト11側)のダイアフラムを退避
に切換えるので、下流側のダイアフラムの膨出による正
圧(吐出圧)は上流側には実質上伝播せず、また上流側
のダイアフラムの退避による負圧(吸引圧)は下流側に
は実質上伝播せず、ダイアフラムの振動による被駆動流
体の送り効率が高い。ポテンショメ−タ95の抵抗値を
変更するとパルス発生器94が発生するパルスAの周期
が長又は短に変化し、一サイクルの時間(時刻t6−t
1)が長く又は短くなる。大略でいうと、長くなると送
出速度(流量/時間)は低く、短くなると送出速度は高
くなり、送出速度をポテンショメ−タ95で調整しう
る。
【0027】以上に説明した一使用態様のマイクロポン
プは、ソレノイドで薄膜60を往復駆動して作動気体空
間22a〜22eに気体圧力振動を与えるものである
が、ソレノイドに代えて、磁性流体を電気コイルの通電
により往復駆動し磁性流体の往復動による圧力振動を作
動気体空間22a〜22eに与えるようにしてもよい。
また、ロッドの先端を薄膜60に当て、ロッドの後端に
カムを当接してこのカムを電気モ−タで回転駆動するよ
うにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】作動気体空間(22a〜22e)の気体は可圧縮
性(圧力が高くなると収縮し低下すると膨張する:これ
は実質上すべての気体で言えること)であるので、仮に
作動気体空間(22a〜22e)にパルス的(2値的)に圧力が
加わっても、それによってダイアフラムに加わる圧力
は、作動気体空間(22a〜22e)の気体の収縮/膨張により
サイン波(正弦波)状に平滑化されて、ダイアフラム(2
1a〜21e)の膨出/退避運動は滑らかかつ柔らかであり、
これにより送り出される流体に、ダイアフラムの往復振
動よりも高い周波数領域の圧力振動又は圧力衝撃を実質
上生ずることがない。送り出される流体はより静流に近
いものとなる。
【0029】通流溝(13)は、その長手方向と直交する横
断面がダイアフラム(21a〜21e)の膨出形状に合った曲線
の底面を有するので、ダイアフラムは通流溝(13)を密閉
するように膨出する。これにより、横断面において膨出
したダイアフラムと通流溝(13)の底面との間に実質上隙
間を生じず、したがって下流側の被駆動流体が上流側に
逃げることが実質上なく、ダイアフラムの振動に対する
被駆動流体の送り量が多い。すなわち送出効率が高い。
【0030】作動気体空間(22a〜22e)の気体が可圧縮性
であるので、ダイアフラムには尖頭的な圧力は加わら
ず、ダイアフラムが圧力衝撃で破壊する確率が低い。し
たがってダイアフラムは薄い小サイズのものとしうる。
ダイアフラムを薄く小サイズにする程、低流量となる。
にもかかわらず、流量のばらつきを実質上生じないのに
加えて、動気体空間(22a〜22e)に加える圧力振動の繰返
し周期の調整により流量を調整しうる。したがって所要
の低流量の、流量が可調整のマイクロポンプを実現しう
る。ダイアフラムは、前述のロ−ラポンプのチュ−ブの
ような経時的な形状変化を生じないので、送出量の経時
的な低下を実質上生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の外観を示す斜視図であ
り、一部は破断して示す。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 図1に示す流体送りヘッドを組込んだマイク
ロポンプの一例を示す縦断面図である。
【図4】 図3に示す電気コイル72a〜72eに通電
する電気回路を示すブロック図である。
【図5】 図4に示す通電制御回路100の各部の電気
信号を示すタイムチャ−トである。
【符号の説明】
10:流路部材 11:第1ポ−ト 12:第2ポ−ト 13:連通溝 15,16:爪欠溝 20:シリコン板 21a〜21e:ダイアフラム 22a〜22e:気
体室 30:上中継板 31a〜31e:気
体通路 32:微細溝 41,42:接着フ
ィルム 50:下中継板 51a〜51e:気
体室 60:薄膜 70a〜70e:ソレノイド 71a:コア 72a〜72e:電気コイル 73a:プランジャ 80:下ケ−ス 81,82:爪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成 瀬 好 廣 愛知県刈谷市八軒町5丁目50番地 株式会 社アイシン・コスモス研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被駆動流体吸入用の第1ポ−トと送出用の
    第2ポ−トおよびそれらを連通とする通流溝を有する流
    路手段;それぞれが、前記通流溝の開口に表面が露出し
    該通流溝に対して膨出/退避しうる、前記通流空間に沿
    って第1ポ−トから第2ポ−トの方向に配列された複数
    個のダイアフラム;および、 前記ダイアフラムに関して前記通流溝の反対側に配設さ
    れ、各ダイアフラムの裏面に対向する複数個の作動気体
    空間を有するダイアフラム支持手段;を備え、 前記流路手段の通流溝は、その長手方向と直交する横断
    面が前記ダイアフラムの膨出形状に合った曲線の底面を
    有する;マイクロポンプの流体送りヘッド。
  2. 【請求項2】通流溝の底面は、その横断面が円筒体の一
    部をなす弧状であり、通流溝の長手方向には一直線状に
    平坦である、請求項1記載の、マイクロポンプの流体送
    りヘッド。
  3. 【請求項3】前記作動気体空間に連通する微細な気体逃
    げ流路を有する、請求項1又は請求項2記載の、マイク
    ロポンプの流体送りヘッド。
  4. 【請求項4】ダイアフラム支持手段はシリコン板であ
    り;ダイアフラムは、該シリコン板の熱膨張率より低い
    熱膨張率のものである;請求項1,請求項2又は請求項
    3記載の、マイクロポンプの流体送りヘッド。
  5. 【請求項5】ダイアフラムは、高温雰囲気で生成された
    SiO2層を含む、請求項4記載の、マイクロポンプの流
    体送りヘッド。
JP5287191A 1993-11-17 1993-11-17 マイクロポンプの流体送りヘッド Pending JPH07139472A (ja)

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US08/341,071 US5499909A (en) 1993-11-17 1994-11-17 Pneumatically driven micro-pump

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100469644B1 (ko) * 2002-02-27 2005-02-02 한국전자통신연구원 유체수송용 마이크로 펌프 및 그 제조 방법
JP2005522162A (ja) * 2002-03-18 2005-07-21 エスアールアイ インターナショナル 流体を移動させる電気活性ポリマーデバイス

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