JP6846747B2 - 流体制御弁 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧の印加によって屈曲動作する圧電素子を備える圧電ポンプなどの小型や薄型のポンプ等に装着される流体制御弁に関する。
近年、血圧測定用の腕帯(以下、「カフ」と略称する。)に空気を流入したり、排気したりする圧電ポンプを用いた手首型の血圧計はすでに販売されており、一般的な上腕型の血圧計とは異なり加圧時に血圧を測定する方法が採られている。
この種の血圧計で要求される機能に、血圧測定後は適切な排出速度で迅速に排気して手首を解放することが求められている。この圧電ポンプ式流体制御装置の例として、特許文献1が挙げられる。
国際公開第2013/157304号パンフレット
上記文献の技術は、流入した空気がカフへ繋がる空間と排気孔を塞ぐ空間に分かれて配分され、両方の空間は弁体の一部を弁筐体に接着剤等のシール材により固定することで分離する構造になっている。このため、空間を分離しなければならず、接着する工程が必要となり製造工数がかかるうえ、繰り返し可動する弁体の接着固定部分に繰り返し応力がかかり、弁体が変形や破損する可能性が高く、信頼性が低下するという問題があった。
また、血圧測定後は圧電ポンプが停止しカフ内圧により排気する構造であるが、圧電ポンプ側への空気の抜けが悪いとカフ内圧と圧電ポンプ内圧の差が少なくなり、排気に時間がかかる問題もあった。
本発明は上記問題を解決し、適切な排出速度を有し製造が簡単で信頼性の高い、圧電ポンプ式流体制御装置の流体制御弁を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために上位概念の発明1では、流体制御弁と圧電ポンプとを有する流体制御装置において、内部に相互に連通溝で横貫するように配設された第1の上部筐体空間と第2の上部筐体空間とを有し、第1の上部筐体空間は外部に貫通する排気孔に連通し、第2の上部筐体空間はカフに流体を送るカフ孔と連通してなる上部筐体と、
第1の上部筐体空間と対向する位置に設けられた第1の下部筐体空間と、第2の上部筐体空間と対向する位置に設けられた第2の下部筐体空間と、が台座部で分離して設けられており、カフ孔の略直下で第2の下部筐体空間の中央部に突出する突起部が形成されており、該突起部の天面は台座部と同一面に形成されており、第1の下部筐体空間又は第2の下部筐体空間のどちらかに貫通する流入孔を有する下部筐体と、
上部筐体と下部筐体との間に配設され、下面側が突起部と対向する位置で当接して塞がれる開孔が穿設されており、さらに下面側が台座部と当接し、上面側が前記第1の上部筐体空間内に突出した排気孔の下端面とは離間した状態で外周が密着固定された弁体と、
を備えたことである。
本発明1では、圧電ポンプで加圧されたときは、流体は流入孔から流れ込み弁体の下面側を押し上げ膨らみ、弁体の上面側と排気孔端面が圧接し排気孔を塞ぐと共に、弁体の下面側と台座部および突起部との間にできた空間により第1の下部筐体空間と第2の下部筐体空間とが連通し、流体が開孔を通して第2の上部空間に流れ込み加圧することによりカフを加圧する。
圧電ポンプが停止すると、カフ内の圧力により流体はカフ孔を通って弁体の上面側を加圧する力と弁体の弾性復元力により、弁体の上面側と排気孔端面が離間しできた隙間から流体が排気孔を通して外部に排気される一方、第1の下部筐体空間と第2の下部筐体空間とが連通したまま、内部の流体は弁体の下面側と台座部および突起部との間にできた空間から開孔を通して第2の上部空間に流れ込むように動作するため、流体の排出時間が非常に短時間で行える。
また、弁体の下面側は台座部および突起部とはシール材等で接着固定されておらず当接しているのみで、組み立て時において接着等の煩雑な作業が必要なく簡単に組み立てできるばかりでなく、弁体は接着固定されていないことにより動作時の繰り返し応力もかからないため、可動する弁体の信頼性が低下するという問題も発生しない。
本発明によれば、適切な排出速度を有し製造が簡単で信頼性の高い、圧電ポンプ式流体制御装置の流体制御弁を提供することができる。
(課題を解決するためのその他の手段)
上述の発明1における下位概念の発明2では、圧電ポンプから流体制御弁に繋がる流入孔が、流体制御弁の排気孔と弁体を挟んで構成した空間に連通し、排気孔の略直下に対向して配置したことである。
上述の発明2によれば、流体の流入孔が排気孔の略直下に配置されており、流入圧力を直接弁体に伝達することができ、排気孔を塞ぎやすくすることができるため動作が安定する利点がある。
上述の発明1における下位概念の発明3では、排気孔部に別体の調整用ボスを設け、排気孔における単位時間あたりの排気流量を調整できる構造としたことである。
上述の発明3によれば、単位時間あたりの排気の流量すなわち排気時間を任意に調整することができるため、部品や製造のバラツキによる排気時間のバラツキをなくすことができ、製造コストを低減できると共に、品質が安定する利点がある。
本発明の第1の実施の形態を示す流体制御弁を実装した流体制御装置の斜上方から見た分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示す流体制御弁を実装した流体制御装置の斜下方から見た分解斜視図である。 図1のX−X断面矢視図である。 本発明の第1の実施の形態を示す流体制御弁の動作説明図である。 本発明の第2の実施の形態を示す流体制御弁を実装した流体制御装置の断面図と要部分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態を示す流体制御弁の動作説明図である。 本発明の第3の実施の形態を示す流体制御装置の断面図である。 本発明の第4の実施の形態を示す流体制御弁の部分断面斜視図である。 従来の流体制御弁を実装した流体制御装置を模式化した断面図である。 図9の従来の流体制御弁の動作説明図である。 排気孔での流速のシミュレーションモデルを示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果によるカフ孔と排気孔の各圧力と流速の関係を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1から図3は本発明の第1の実施の形態を示す。流体制御装置1は上部の流体制御弁10と下部の圧電ポンプ20で構成され図示せぬ手段で固定されている。さらに、流体制御弁10は上部筐体11と下部筐体12を有し、間にシリコーンゴムや薄膜のポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate:PET)樹脂などのプラスチックから成る可撓性の弁体13を挟み込んで外周はネジなどで強固に密封締結されている。
上部筐体11はカフ2に連結されるカフ孔11aと排気孔11bを有し、筐体内側のカフ孔11a下方には凹状の第2の上部筐体空間11dが、排気孔11b下方には同様に凹状の第1の上部筐体空間11cが設けられ連通溝11eで繋がっている。さらに、排気孔11bは下方に突出部を有し排気孔端面11fが形成されている。
下部筐体12には弁体13を挟んで排気孔11bと対向した位置に凹状の第1の下部筐体空間12bが設けられ、その略中央に流入孔12aが設けられている。さらに、カフ孔11aと対向した位置には、同様に凹状の第2の下部筐体空間12dが設けられ、第1の下部筐体空間12bと台座部12eで分離されている。第2の下部筐体空間12dの略中央には下部筐体から突起部12cが突出し、この突起部12cの端面は、台座部12eと同一高さになっている。
上記の上部筐体11と下部筐体12の間には弁体13が挟まれており、カフ孔11aの略直下で下部筐体12の突起部12cの略中央に位置した場所に弁体13に弁体開孔13aが設けられている。通常の状態では図3に示すように弁体13の弁体下面13cは突起部12c及び台座部12eと当接し弁体開孔13aは閉じた状態となっている。
一方、圧電ポンプ20の概略構成は、スペーサ21とベース板23で間に圧電振動体22を挟んで固定した構造となっている。スペーサ21は中央部にスペーサ開孔21aを有し溝部21bを介して流入孔12aと連結できるように構成されている。
圧電振動体22は金属製の弾性薄板で一部に連結腕部24aを有する振動板24と、その中央部分の振動板底面24bの反対面に配置したチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電素子25で構成され、接着等で固着されてユニモルフ構造の圧電振動体を構成している。
また、圧電振動体22の下方にはその中央部にベース板流入孔23aを有するベース板23が設けられ、そのベース板上面23bは振動板24の中央部分の振動板底面24bと図示せぬ微少な隙間を隔てて対向するように設けられている。
以降、作用について説明する。圧電素子25に高周波電圧を加えると圧電振動体22は図3中の矢印方向に湾曲振動し、ベース板流入孔23aから空気(流体の一種)が吸入され、振動により空いた振動板底面24bとベース板上面23bの隙間から連結腕部24aの開口した隙間を通過して、上方のスペーサ開孔21aの空間に搬送される。
図4は本発明の第1の実施の形態における流体制御弁10の動作を示している。図4(a)は動作前の定常状態を示している。この状態では、前述したように弁体13の弁体下面13cは突起部12c及び台座部12eと当接し弁体開孔13aは閉じた状態となっている。
図4(b)は圧電ポンプ20が作動し加圧された状態を示している。圧電ポンプ20が作動しはじめると、スペーサ開孔21aの空気は加圧され流入孔12aを通って第1の下部筐体空間12bに送り込まれる。この加圧により弁体13の弁体下面13cは図4(b)中の矢印方向に押し上げられ、弁体13はその弾性力に抗し上方に大きく膨らんだ状態となる。このとき弁体上面13bは上部筐体11の排気孔端面11fに押圧され排気孔11bが塞がれる。
この場合、弁体13は全体が上方に膨らんだ状態となっており、弁体下面13cは下部筐体12の台座部12eから浮き上がり、加圧された空気はその間隙を通過して図4(b)中の右から左の矢印方向に流れ、第2の下部筐体空間12dに流れ込む。さらに、加圧された空気は弁体下面13cを押し上げることにより、突起部12cとの間隙を通過して弁体開孔13aを通過し第2の上部筐体空間11dに流れ込む。
継続して圧電ポンプ20で加圧することにより、第2の上部筐体空間11dは加圧されカフ孔11aを通って図3に示すカフ2を加圧し膨らませる。このとき、加圧が継続している限り、第2の上部筐体空間11dの圧力が上昇しても、第1の下部筐体空間12bは常に加圧されており、弁体13の弁体上面13bは排気孔端面11fから離れることはなく、排気孔11bは塞がれたままである。
図4(c)は圧電ポンプ20が停止し、カフ2内の吸気が抜けていく状態を示している。圧電ポンプ20からの加圧が停止すると、第1の下部筐体空間12b内の空気は図3に示す振動板底面24bとベース板上面23bの微少な隙間からベース板流入孔23aを通ってゆっくり徐々に外部に抜けていき第1の下部筐体空間12b内の圧力が下がっていく。
この結果、第1の上部筐体空間11cの圧力により弁体13が下方に押し下げられ、弁体13の弾性復元力と相まって弁体上面13bが排気孔端面11fと離間し隙間が発生する。この隙間からカフ2内の空気と第2の上部筐体空間11d内の空気は、図4(c)中の弁体13上部の左から右への矢印方向に移動し排気孔11bから排出されていく。
カフ2内の空気と第2の上部筐体空間11d内の空気の排出が続くと、第1の上部筐体空間11cの圧力が徐々に低下し、弁体13は第1の下部筐体空間12bの圧力により押し戻される方向即ち弁体上面13bが排気孔端面11fに近づく方向に移動する。
このとき、第1の下部筐体空間12bの空気は、弁体下面13cと台座部12eの隙間を通って突起部12cと弁体開孔13aの隙間から、図4(c)中の右から左への矢印方向に移動し第2の上部筐体空間11d内に流れ込む。
この流れが続くと、再度第1の下部筐体空間12bの圧力が低下し、第1の上部筐体空間11cの圧力により弁体13が下方に押し下げられ弁体上面13bと排気孔端面11fとの隙間が広がり、カフ2内の空気と第2の上部筐体空間11d内の空気の排出が加速する。以下、この動作の繰り返しで、カフ2内の空気は第2の上部筐体空間11d、第1の上部筐体空間11cを通って排気孔11bから排出される。
最終的に、カフ2内の空気が殆ど抜けきると弁体13の弾性復元力により平坦となり弁体下面13cは突起部12c及び台座部12eと接触すると共に、弁体上面13bは排気孔端面11fと離間し、図4(a)の初期の状態に戻り一連の動作が完了する。
上記の結果、弁体13が台座部12eと接着固定しシールされていないため、第1の下部筐体空間12bの加圧された空気が圧電ポンプ20側に抜けるだけでなく、第2の下部筐体空間12d、第2の上部筐体空間11dに回り込んで抜けるため、弁体13と排気孔端面11fの離間を早めることで、カフ2内の空気を急速に排気する動作となる。
また、弁体13は接着固定されておらず、上部筐体11と下部筐体12で挟みこんで固定するだけであり、組み立ての作業性が非常に良好で簡単に組み付けることができる。
さらに、弁体13は接着固定されていないため、繰り返し動作での繰り返し応力がかからず、疲労劣化等の問題も発生しないため信頼性が向上する効果がある。
一方、排気孔端面11fと弁体上面13b間に間隙を設け、圧電ポンプ20の加圧力で弁体13の弾性力に抗して押しつけ排気孔11bを塞ぐようにしたため、圧電ポンプ20が停止した場合は、カフ2内の圧力と弁体13の弾性復元力で弁体13と排気孔端面11fの離間を早め、空気を急速に排気できる効果があるばかりでなく、弁体13の材料も柔らかいシリコーンゴムばかりでなくPET樹脂等のプラスチック状の弾性フィルムも使うことができ、汎用性が広がる効果がある。
本発明の第2の実施の形態を図5に、その動作を図6にて説明する。流体制御弁30が図3と異なる点は、下部筐体32の流入孔32aの位置の違いである。第1の下部筐体空間32bは封鎖された空間となっており、流入孔32aは第2の下部筐体空間32dに設けられている。それに伴い、圧電ポンプ40のスペーサ41にはスペーサ開孔41aに繋がるように溝部41bが設けられ流入孔32aと繋がっている。
図6は加圧時の流体制御弁動作図であり、流入孔32aから流入した加圧空気は図6中の矢印に示すように第2の下部筐体空間32dから弁体13を押し上げ弁体下面13cと突起部32cの隙間から弁体開孔13aを通過して第2の上部筐体空間11dに流れ込む、と同時に図6中左から右への矢印方向に移動し第1の下部筐体空間32bを加圧する。
この結果、弁体13は上方に押し上げられ、弁体上面13bが排気孔端面11fに押しつけられ排気孔11bが塞がれ、圧電ポンプ40で加圧することにより、第2の上部筐体空間11d、カフ孔11aを通して加圧されカフ2が膨らむ。
加圧が終了し、圧電ポンプ40が停止すると、図4(c)と同様な空気の流れが発生し、カフ2内の空気は第2の上部筐体空間11d、第1の上部筐体空間11cを通って排気孔11bから排出され、最終的にカフ2内の空気が殆ど抜けきると弁体13の弾性復元力により平坦となり図4(a)と同様な状態に戻る。
なお、本発明の第2の実施の形態でも、前述の効果は同様であり、急速に排気できる効果があるばかりでなく信頼性が向上する効果も同様である。
本発明の第3の実施の形態を図7に示す。流体制御弁50は上部筐体51部分の排気孔周辺の構造が異なっている。上部筐体51には排気部分に開口部51hを有する環状突起51gが設けられ、その開口部51hと貫通するように排気筒52が取付けられている。
排気筒52は内面に排気孔52bを有し、筒外面52aが開口部51hと嵌合されて筒端面52fが弁体上面13bと距離Yの位置で図示せぬ手段で固定されているが、図中矢印方向に移動可能になっている。図示せぬ固定方法は、例えばねじ込み方法やゴムによるシール手段を用いた固定方法が考えられる。
流体制御弁50の動作は第1の実施の形態と同様に動作するが、排気筒52を矢印方向に移動可能に構成しており、図中の距離Yを可変にできるところに特徴を有している。この結果、部品の精度のバラツキや弁体13の板厚のバラツキ、弾性のバラツキ等で生じる排気時間のバラツキを、距離Yを変更することで調整できるようになっている。
この効果は、部品の寸法精度を大幅に向上しなくても済み、製造コストが大幅に下げられる効果がある。
本発明の第4の実施の形態を図8に示す。前述の第3の実施の形態と同様に上部筐体55部分の排気孔周辺の構造が異なっている。上部筐体55の排気孔部周辺は、上面に環状突起55gが突出しており排気孔55bと環状突起55gの突起孔55eはその中心がずれた構成となっている。その突起孔55eには同径の外周を有し軸芯のずれた貫通孔56aを有する偏心カラ56が回転可能に固定されている。
図8では、排気孔55bの軸芯55zと偏心カラ56の貫通孔56aの軸芯56zは最大に離れた状態であり軸芯はZの距離離れている。この状態から偏心カラ56を軸廻りに180度回転させると、軸芯55zと軸芯56zは一致し、ずれはなくなり排気孔55bの円と貫通孔56aの円が同軸に合わさる。
図8の状態のように偏心カラ56の軸芯56zがずれた状態では排気孔55bの円と貫通孔56aの円の重なり合った部分の面積が見かけ上の排気孔の面積となり、偏心カラ56を図中矢印方向に回転することにより、この見かけ上の排気孔の面積を可変させることにより排気孔からの空気の流出量を自由に制御できる。
この結果、部品の精度のバラツキや弁体13の板厚のバラツキ、弾性のバラツキ等で生じる排気時間のバラツキを、見かけ上の排気孔の面積を変更することで簡単に調整できるようになっている。この効果は、部品の寸法精度を大幅に向上しなくても済み、製造コストが大幅に下げられる効果がある。
図11及から図13は排気弁特性のシミュレーションを行った結果の一例であり、有限要素法シミュレーションソフトを使用し流体解析を行った。
シミュレーションモデルは図11に示してあるように、筐体モデル80にはカフ孔80aと排気孔80bが設けられ、排気孔端面80fとモデル底面80gの間隔の距離をHとし、距離Hを変化させてシミュレーションを行った。
このモデル底面80gは実際には弁体上面13bに対応しており、距離Hは排気孔端面11fと弁体上面13bの間隔を意味している。境界条件としてカフ内の空気の圧力をカフ孔の先端に、排気孔の先端は大気圧の定常分を除いた0kPaに設定した。
図12はシミュレーションのメッシュ分割、および解析により得られた流線と圧力の分布を表わしており、図12中で2つの円柱の左側がカフ孔で右側が排気孔である。
図13に、カフ孔の圧力を40kPaとして距離Hを変えたときの排気孔80bでの流速のシミュレーション結果を示す。シミュレーションは有限要素法で行われているため、距離Hを変えると要素分割も変わり流速を求める位置が一定しないため結果に揺らぎが見られる。
図13を見ると、距離Hが実際に使用する数μ〜40μ程度の場合に流速の変化は非常に大きく、部品の寸法精度を大幅に向上して作製しなければならないことから、本発明の第3の実施の形態や第4の実施の形態で説明した調整手段が非常に有効であることがわかる。
例えば、カフ内の空気の容量がV=100ccで圧力がP1=40kPaのときの排気時間tは下記の数式1で求めることができる。排気速度Sと排気時間tについては、次式の関係がある。(アルバック機工株式会社、小型真空ポンプカタログ、No.VP−1601参照)
Figure 0006846747
つぎに、本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形態、および従来の特許文献1を模式化した比較例と、を作製し排気時間を比較した。
特許文献1を模式化した構造は、図9の構造で、流体制御弁60は、上部筐体61、下部筐体62、弁体63で構成されている。弁体63の弁体下面63cは下部筐体62の台座部62eにシール材等の接着剤で接着されており、第1の下部筐体空間62bと第2の下部筐体空間62dは完全に分離されている。
また、定常状態で排気孔端面61fと弁体上面63bは接触しており、排気孔61bが塞がれた状態である。さらに、下部筐体62には第1の流入孔62aが第1の下部筐体空間62bと繋がり、第2の流入孔62gが第2の下部筐体空間62dと繋がっている。
図10は、従来の特許文献1を模式化した比較例の弁体63の動作を示す図で、図10(a)は圧電ポンプ70で空気を加圧している状態を示す。スペーサ開孔71aから空気が流入孔62aを通して第1の下部筐体空間62bに、流入孔62gを通して第2の下部筐体空間62dにそれぞれ送られる。第1の下部筐体空間62b内の空気は弁体下面63cを押し上げるが、弁体上面63bは既に排気孔端面61fと接触しているため押し付け逆止弁となる。
一方、流入孔62gを通った空気は第2の下部筐体空間62dを加圧し、弁体63は上方に押し上げられ、弁体63と突起部62cの隙間から第2の上部筐体空間61dに流れ込んでカフ孔61aを通してカフ2を膨らませる。
図10(b)は圧電ポンプ70が停止後にカフ2内の空気が抜けていく状態を示す。圧電ポンプ70が停止すると、スペーサ開孔71a内の空気は徐々に外部に漏れていき第1の下部筐体空間62b、第2の下部筐体空間62d内が減圧される。このとき、第2の上部筐体空間61dの圧力は弁体63を突起部62cに押し付け封止するが、第1の上部筐体空間61cの圧力は弁体上面63bを押圧し、図10(b)のように下方に押し付ける。
この結果、排気孔端面61fと弁体上面63bは離れ隙間ができることでカフ2内の空気はこの隙間を通って矢印方向に排気孔61bから抜けていく。但し、スペーサ開孔71a内の空気の抜けが遅いと、排気に時間がかかることが想定される。
実際の測定結果を下記表1に示す。
比較例は排気時間が大幅に長いことがわかる。
また、本発明の実施例では、第1の実施の形態の例が、弁体をPET樹脂フィルムとし、弾性係数を上げて強くしても十分使用できる結果となっている。
Figure 0006846747
以上、本発明の実施例として圧電ポンプに流体制御弁を装着した形態を説明したが、ポンプ部は他の原理に基づくポンプや流体等を送り込む機構を有するものなど実施形態はこれに限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成をとり得ることは勿論である。
1 流体制御装置
2 腕帯(カフ)
10、30、50、60 流体制御弁
11、51、55、61 上部筐体
11a、51a、55a、61a カフ孔
11b、55b、61b 排気孔
11c、51c、55c、61c 第1の上部筐体空間
11d、51d、55d、61d 第2の上部筐体空間
11e 連通溝
11f、55f、61f 排気孔端面
12、32、62 下部筐体
12a、32a 流入孔
12b、32b、62b 第1の下部筐体空間
12c、32c、62c 突起部
12d、32d、62d 第2の下部筐体空間
12e、32e、62e 台座部
13、63 弁体
13a、63a 弁体開孔
13b、63b 弁体上面
13c、63c 弁体下面
20、40、70 圧電ポンプ
21、41、71 スペーサ
21a、41a、71a スペーサ開孔
21b、41b 溝部
22、72 圧電振動体
23、73 ベース板
23a、73a ベース板流入孔
23b ベース板上面
24 振動板
24a 連結腕部
24b 振動板底面
25 圧電素子
51g、55g 環状突起
51h 開口部
52 排気筒
52a 筒外面
52b 排気孔
52f 筒端面
55e 突起孔
55z 軸芯
56 偏心カラ
56a 貫通孔
56z 軸芯
62a 第1の流入孔
62g 第2の流入孔
80 筐体モデル
80a カフ孔
80b 排気孔
80f 排気孔端面
80g モデル底面
Y 筒端面52fと弁体上面13bとの距離
Z 軸芯55zと軸芯56zのずれ量
H 排気孔端面80fとモデル底面80gの間隔距離

Claims (3)

  1. 流体制御弁と圧電ポンプとを有する流体制御装置において、
    内部に相互に連通溝で横貫するように配設された第1の上部筐体空間と第2の上部筐体空間とを有し、前記第1の上部筐体空間は外部に貫通する排気孔に連通し、前記第2の上部筐体空間はカフに流体を送るカフ孔と連通してなる上部筐体と、
    前記第1の上部筐体空間と対向する位置に設けられた第1の下部筐体空間と、前記第2の上部筐体空間と対向する位置に設けられた第2の下部筐体空間と、が台座部で分離して設けられており、前記カフ孔の略直下で前記第2の下部筐体空間の中央部に突出する突起部が形成されており、該突起部の天面は前記台座部と同一面に形成されており、前記第1の下部筐体空間又は前記第2の下部筐体空間のどちらかに貫通する流入孔を有する下部筐体と、
    前記上部筐体と前記下部筐体との間に配設され、下面側が前記突起部と対向する位置で当接して塞がれる開孔が穿設されており、さらに下面側が前記台座部と当接し、上面側が前記第1の上部筐体空間内に突出した排気孔の下端面とは離間した状態で外周が密着固定された弁体と、
    を備えた流体制御弁。
  2. 前記圧電ポンプから前記流体制御弁に繋がる前記流入孔が、前記流体制御弁の前記排気孔と前記弁体を挟んで構成された前記第1の下部筐体空間に連通し、前記排気孔の略直下に配置された請求項1に記載の流体制御弁。
  3. 前記上部筐体に、前記排気孔から排出される流体の流量調整手段を設けた請求項1又は請求項2に記載の流体制御弁。

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