JPH07138739A - 真空蒸着装置 - Google Patents
真空蒸着装置Info
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- JPH07138739A JPH07138739A JP28217993A JP28217993A JPH07138739A JP H07138739 A JPH07138739 A JP H07138739A JP 28217993 A JP28217993 A JP 28217993A JP 28217993 A JP28217993 A JP 28217993A JP H07138739 A JPH07138739 A JP H07138739A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】超高真空下で蒸着することが可能で品質の高い
成膜が可能な真空蒸着装置を提供する。 【構成】成膜室1と蒸発室2とがゲートバルブ8により
開閉自在に仕切られた真空容器Cと、前記真空容器内を
排気する真空ポンプと、前記成膜室1に配置された基板
5に所定の薄膜を成膜するための第1の成膜手段3と、
ゲッタ作用を有する薄膜を前記蒸発室2に成膜するため
の第2の成膜手段4とを有する。真空容器Cはアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金からなり、真空容器内を1
×10-5Pa以下の超高真空として蒸着を行う。第2の
成膜手段4は、蒸着源を加熱する電子銃を有し、ゲッタ
作用を有する薄膜はクロムCr、チタンTiである。
成膜が可能な真空蒸着装置を提供する。 【構成】成膜室1と蒸発室2とがゲートバルブ8により
開閉自在に仕切られた真空容器Cと、前記真空容器内を
排気する真空ポンプと、前記成膜室1に配置された基板
5に所定の薄膜を成膜するための第1の成膜手段3と、
ゲッタ作用を有する薄膜を前記蒸発室2に成膜するため
の第2の成膜手段4とを有する。真空容器Cはアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金からなり、真空容器内を1
×10-5Pa以下の超高真空として蒸着を行う。第2の
成膜手段4は、蒸着源を加熱する電子銃を有し、ゲッタ
作用を有する薄膜はクロムCr、チタンTiである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高真空下での蒸着が
可能な真空蒸着装置に関し、特に蒸発室の真空容器内の
真空度を高めることができる真空蒸着装置に関する。
可能な真空蒸着装置に関し、特に蒸発室の真空容器内の
真空度を高めることができる真空蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の真空蒸着装置における成膜時の圧
力は1×10-3〜1×10-4Pa程度である。これは真
空容器がガラス製もしくはステンレス製であり超高真空
を得るために必要な容器のベーキングが不可能かあるい
は困難であったこと、また到達真空度がそれほど高くな
い真空ポンプが採用されていたこと、さらには真空シー
ルに十分な配慮がなされていなかったこと等による。ま
た、蒸発源から放出される多量のガスにより超高真空状
態(例えば1×10-5Pa以下)が維持できないことも
理由の一つとして考えられている。
力は1×10-3〜1×10-4Pa程度である。これは真
空容器がガラス製もしくはステンレス製であり超高真空
を得るために必要な容器のベーキングが不可能かあるい
は困難であったこと、また到達真空度がそれほど高くな
い真空ポンプが採用されていたこと、さらには真空シー
ルに十分な配慮がなされていなかったこと等による。ま
た、蒸発源から放出される多量のガスにより超高真空状
態(例えば1×10-5Pa以下)が維持できないことも
理由の一つとして考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の真空蒸着装置で
は、成膜時の圧力を1×10-3〜1×10-4Pa程度に
しか維持できず、このような圧力下では、僅か1秒程度
で基板表面が残留ガス分子で覆われてしまうため、蒸着
された薄膜は結晶性、欠陥等の点で不十分なものとなっ
ている。そのため、従来の真空蒸着装置においては真空
度の改善が大きな課題であり各方面で種々の検討が進め
られている。本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、超高真空下で蒸着すること
が可能で品質の高い成膜が可能な真空蒸着装置を提供す
ることを目的とする。
は、成膜時の圧力を1×10-3〜1×10-4Pa程度に
しか維持できず、このような圧力下では、僅か1秒程度
で基板表面が残留ガス分子で覆われてしまうため、蒸着
された薄膜は結晶性、欠陥等の点で不十分なものとなっ
ている。そのため、従来の真空蒸着装置においては真空
度の改善が大きな課題であり各方面で種々の検討が進め
られている。本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、超高真空下で蒸着すること
が可能で品質の高い成膜が可能な真空蒸着装置を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の真空蒸着装置は、成膜室と蒸発室とがバル
ブにより開閉自在に仕切られた真空容器と、前記真空容
器内を排気する真空ポンプと、前記成膜室に配置された
基板に所定の薄膜を成膜するための第1の成膜手段と、
ゲッタ作用を有する薄膜を前記蒸発室に成膜するための
第2の成膜手段とを有することを特徴としている。この
場合、前記真空容器をアルミニウムまたはアルミニウム
合金から構成し、前記真空容器内を1×10-5Pa以下
の超高真空で蒸着を行うことが好ましい。また、前記第
2の成膜手段は蒸着源を加熱する電子銃を有することが
好ましく、前記ゲッタ作用を有する薄膜はクロムCrま
たはチタンTiであることが好ましい。
に、本発明の真空蒸着装置は、成膜室と蒸発室とがバル
ブにより開閉自在に仕切られた真空容器と、前記真空容
器内を排気する真空ポンプと、前記成膜室に配置された
基板に所定の薄膜を成膜するための第1の成膜手段と、
ゲッタ作用を有する薄膜を前記蒸発室に成膜するための
第2の成膜手段とを有することを特徴としている。この
場合、前記真空容器をアルミニウムまたはアルミニウム
合金から構成し、前記真空容器内を1×10-5Pa以下
の超高真空で蒸着を行うことが好ましい。また、前記第
2の成膜手段は蒸着源を加熱する電子銃を有することが
好ましく、前記ゲッタ作用を有する薄膜はクロムCrま
たはチタンTiであることが好ましい。
【0005】
【作用】真空容器をアルミニウムまたはアルミニウム合
金から作製すると、比較的低温(120℃程度)のベー
キングを数時間行うことで簡便に1×10-5Pa以下の
超高真空が得られ、この圧力下で電子ビーム加熱による
蒸着を行うと結晶性に優れ欠陥のない薄膜を得ることが
できる。また、ゲッタ作用のある薄膜を真空容器内部に
形成すると、この薄膜が真空容器中の残留ガスや放出ガ
スを吸着し、到達圧力が低くなって良好な真空状態を実
現することができる。
金から作製すると、比較的低温(120℃程度)のベー
キングを数時間行うことで簡便に1×10-5Pa以下の
超高真空が得られ、この圧力下で電子ビーム加熱による
蒸着を行うと結晶性に優れ欠陥のない薄膜を得ることが
できる。また、ゲッタ作用のある薄膜を真空容器内部に
形成すると、この薄膜が真空容器中の残留ガスや放出ガ
スを吸着し、到達圧力が低くなって良好な真空状態を実
現することができる。
【0006】特に本発明の真空蒸着装置では、真空容器
をバルブによって成膜室と蒸発室とに仕切り、かつ蒸発
室内にゲッタ作用を有する薄膜を成膜するための第2の
成膜手段を設けているので、基板を交換する場合にはバ
ルブを閉塞して蒸発室内の超高真空状態を維持しなが
ら、基板を交換したのちに再びバルブを開いて次の蒸着
を行う。このようにすると、少なくとも蒸発室内の超高
真空が維持され蒸発源が大気にさらされることなく次の
蒸着時の放出ガスが圧倒的に減少するので超高真空を維
持することができる。また、2回目以降の蒸着を行う場
合には、蒸発室におけるベーキングからゲッタ薄膜の成
膜までの工程を省略することができ、そのまま所定の薄
膜を成膜することができる。
をバルブによって成膜室と蒸発室とに仕切り、かつ蒸発
室内にゲッタ作用を有する薄膜を成膜するための第2の
成膜手段を設けているので、基板を交換する場合にはバ
ルブを閉塞して蒸発室内の超高真空状態を維持しなが
ら、基板を交換したのちに再びバルブを開いて次の蒸着
を行う。このようにすると、少なくとも蒸発室内の超高
真空が維持され蒸発源が大気にさらされることなく次の
蒸着時の放出ガスが圧倒的に減少するので超高真空を維
持することができる。また、2回目以降の蒸着を行う場
合には、蒸発室におけるベーキングからゲッタ薄膜の成
膜までの工程を省略することができ、そのまま所定の薄
膜を成膜することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例を示す構成図、図2は
本発明の他の実施例を示す構成図、図3はCr,Ti,
Moのゲッタ作用を観察した結果を示すグラフ、図4は
本実施例の真空蒸着装置を用いてクロムCrの1回目の
蒸着を行った場合の真空度の観察結果を示すグラフ、図
5は図4に引き続きクロムCrの2回目の蒸着を行った
場合の真空度の観察結果を示すグラフ、図6は本実施例
の真空蒸着装置を用いて3回蒸着を行った場合の真空度
の観察結果を示すグラフである。
明する。図1は本発明の一実施例を示す構成図、図2は
本発明の他の実施例を示す構成図、図3はCr,Ti,
Moのゲッタ作用を観察した結果を示すグラフ、図4は
本実施例の真空蒸着装置を用いてクロムCrの1回目の
蒸着を行った場合の真空度の観察結果を示すグラフ、図
5は図4に引き続きクロムCrの2回目の蒸着を行った
場合の真空度の観察結果を示すグラフ、図6は本実施例
の真空蒸着装置を用いて3回蒸着を行った場合の真空度
の観察結果を示すグラフである。
【0008】電子ビーム蒸着装置 まず本実施例の真空蒸着装置は、図1に示すようにアル
ミニウムまたはアルミニウム合金からなる真空容器Cを
有しており、この真空容器内はゲートバルブ8によって
二室1,2に仕切られている。一方の蒸発室2にはその
底部に坩堝一体式の電子銃3,4(第1の成膜手段3、
第2の成膜手段4)が2基配置されており、他方の成膜
室1には被蒸着体である基板5が配置される。
ミニウムまたはアルミニウム合金からなる真空容器Cを
有しており、この真空容器内はゲートバルブ8によって
二室1,2に仕切られている。一方の蒸発室2にはその
底部に坩堝一体式の電子銃3,4(第1の成膜手段3、
第2の成膜手段4)が2基配置されており、他方の成膜
室1には被蒸着体である基板5が配置される。
【0009】蒸発室2の内部には、さらにゲッタ膜生成
板6が設けられており、後述するゲッタ膜生成用電子銃
4からのゲッタ膜を生成する目的と、蒸発室内壁を保護
する目的を有している。このゲッタ膜生成板6は、ベー
キングを可能とするか、および/または冷却可能とする
ことが好ましい。本実施例では、後述する真空容器Cと
同様にアルミニウムまたはアルミニウムに銅、シリコ
ン、マンガン、マグネシウム、亜鉛、クロム等が数%程
度混入されたアルミニウム合金から作製されている。ま
た、蒸発室2の内部には、成膜用電子銃3とゲッタ膜生
成用電子銃4とを仕切る仕切り板10が設けられてい
る。
板6が設けられており、後述するゲッタ膜生成用電子銃
4からのゲッタ膜を生成する目的と、蒸発室内壁を保護
する目的を有している。このゲッタ膜生成板6は、ベー
キングを可能とするか、および/または冷却可能とする
ことが好ましい。本実施例では、後述する真空容器Cと
同様にアルミニウムまたはアルミニウムに銅、シリコ
ン、マンガン、マグネシウム、亜鉛、クロム等が数%程
度混入されたアルミニウム合金から作製されている。ま
た、蒸発室2の内部には、成膜用電子銃3とゲッタ膜生
成用電子銃4とを仕切る仕切り板10が設けられてい
る。
【0010】成膜室1と蒸発室2との間に設けられたゲ
ートバルブ8は、成膜室1に配置された基板5を交換す
る際に蒸発室2の真空度を維持するために当該蒸発室2
を密閉する閉塞位置と、成膜室1内に基板5を投入した
のち成膜室用扉(不図示)を閉めたのち、蒸着を行うた
めに成膜室1と蒸発室2とを連通させる開放位置とに作
動する。具体的な構造は特に限定されないが、真空シー
ルに留意して蒸発室2の真空度を維持させる必要があ
る。
ートバルブ8は、成膜室1に配置された基板5を交換す
る際に蒸発室2の真空度を維持するために当該蒸発室2
を密閉する閉塞位置と、成膜室1内に基板5を投入した
のち成膜室用扉(不図示)を閉めたのち、蒸着を行うた
めに成膜室1と蒸発室2とを連通させる開放位置とに作
動する。具体的な構造は特に限定されないが、真空シー
ルに留意して蒸発室2の真空度を維持させる必要があ
る。
【0011】真空容器Cは、アルミニウムまたはアルミ
ニウムに銅、シリコン、マンガン、マグネシウム、亜
鉛、クロム等が数%程度混入されたアルミニウム合金か
らなる板を、いわゆる黒皮のまま溶接して作製されてい
る。本実施例では厚さ約30mmのアルミニウム合金板
(商品名A6061−T6)を使用した。溶接後、真空
容器内部には、いわゆるGBB−EX加工が施されてい
る。このGBB−EX加工は、アルゴンと酸素の混合高
圧ガスで微細なガラスビーズを金属表面に吹きつけ、表
面の汚染を取り除くと同時に、均一で稠密な酸化膜を金
属表面に形成し、真空容器としたときに表面からのガス
の放出を少なくするための表面処理技術である。このよ
うな加工を行うことで、真空容器の内壁からの放出ガス
量を大幅に減少させることができる。真空容器の表面処
理としては、上述したGBB−EX加工が好ましいが、
アルコールを冷却剤として容器に加工するEL加工やア
ルゴンと酸素を含むガスを吹きつけ、冷却しながら容器
加工するEX加工等を採用してもよい。これらの技術
は、高真空を得る上で大きな障害となる切削油を使用し
ないことから、本実施例の真空容器に適用することが可
能であるが、GBB−EX加工はEL,EX両加工法に
比べ、通常数回必要な加工が1回で済むという利点があ
る。
ニウムに銅、シリコン、マンガン、マグネシウム、亜
鉛、クロム等が数%程度混入されたアルミニウム合金か
らなる板を、いわゆる黒皮のまま溶接して作製されてい
る。本実施例では厚さ約30mmのアルミニウム合金板
(商品名A6061−T6)を使用した。溶接後、真空
容器内部には、いわゆるGBB−EX加工が施されてい
る。このGBB−EX加工は、アルゴンと酸素の混合高
圧ガスで微細なガラスビーズを金属表面に吹きつけ、表
面の汚染を取り除くと同時に、均一で稠密な酸化膜を金
属表面に形成し、真空容器としたときに表面からのガス
の放出を少なくするための表面処理技術である。このよ
うな加工を行うことで、真空容器の内壁からの放出ガス
量を大幅に減少させることができる。真空容器の表面処
理としては、上述したGBB−EX加工が好ましいが、
アルコールを冷却剤として容器に加工するEL加工やア
ルゴンと酸素を含むガスを吹きつけ、冷却しながら容器
加工するEX加工等を採用してもよい。これらの技術
は、高真空を得る上で大きな障害となる切削油を使用し
ないことから、本実施例の真空容器に適用することが可
能であるが、GBB−EX加工はEL,EX両加工法に
比べ、通常数回必要な加工が1回で済むという利点があ
る。
【0012】この真空容器Cの前面には、図示はしない
が、成膜室1の開閉操作を行う成膜室用扉と、蒸発室2
の開閉操作を行う蒸発室用扉がそれぞれ独立して設けら
れている。これらの扉によっても成膜室1と蒸発室2と
のそれぞれは真空シールされており、この真空シールに
はOリングシールが採用されている。本実施例で用いら
れるOリングシールとしては、フッ素系エラストマー
(いわゆるバイトン)やニトリルゴム(NBR)、クロ
ロプレンゴム、シリコーンゴム等を例示することがで
き、特にフッ素系エラストマー製のOリングシールが最
適である。一般にステンレスからなる超高真空用の真空
容器では、高温でのベーキングが必要となるため、真空
シールにはメタルシールが採用されている。これに対し
て、本実施例では低温のベーキングで足りるため、ゴム
製Oリングの使用が可能となり超高真空容器の開閉を極
めて簡便に行うことができる。
が、成膜室1の開閉操作を行う成膜室用扉と、蒸発室2
の開閉操作を行う蒸発室用扉がそれぞれ独立して設けら
れている。これらの扉によっても成膜室1と蒸発室2と
のそれぞれは真空シールされており、この真空シールに
はOリングシールが採用されている。本実施例で用いら
れるOリングシールとしては、フッ素系エラストマー
(いわゆるバイトン)やニトリルゴム(NBR)、クロ
ロプレンゴム、シリコーンゴム等を例示することがで
き、特にフッ素系エラストマー製のOリングシールが最
適である。一般にステンレスからなる超高真空用の真空
容器では、高温でのベーキングが必要となるため、真空
シールにはメタルシールが採用されている。これに対し
て、本実施例では低温のベーキングで足りるため、ゴム
製Oリングの使用が可能となり超高真空容器の開閉を極
めて簡便に行うことができる。
【0013】一方、排気系と接続するためのフランジ
(不図示)は、アルミニウム合金(商品名2219−T
852)からなり、ガスケットもアルミニウム製であ
る。そして、これらフランジやガスケットを介して排気
系が接続されるが、本実施例では蒸発室2と成膜室1と
を1×10-5Pa以下の超高真空とするために、両室の
それぞれにターボ分子ポンプとロータリポンプにより構
成された2系統の排気系(不図示)が独立して接続され
ている。なお、ターボ分子ポンプは、磁気浮上型、アル
ミニウム製のもので、到達圧力が低く、かつ水素の圧縮
比が高いものを採用した。
(不図示)は、アルミニウム合金(商品名2219−T
852)からなり、ガスケットもアルミニウム製であ
る。そして、これらフランジやガスケットを介して排気
系が接続されるが、本実施例では蒸発室2と成膜室1と
を1×10-5Pa以下の超高真空とするために、両室の
それぞれにターボ分子ポンプとロータリポンプにより構
成された2系統の排気系(不図示)が独立して接続され
ている。なお、ターボ分子ポンプは、磁気浮上型、アル
ミニウム製のもので、到達圧力が低く、かつ水素の圧縮
比が高いものを採用した。
【0014】また、真空容器Cの周囲には、蒸発室2と
成膜室1とをそれぞれ独立して約120℃のベーキング
を行うことができるようにシート型ヒータ(不図示)が
貼りつけられている。アルミニウムまたはアルミニウム
合金からなる真空容器は比較的低温でのベーキングを数
時間行うことによって簡便に超高真空を得ることがで
き、生産性等の点で非常に有利である。基板5は、膜厚
分布を良好にするために、上述した成膜室1内で蒸着ソ
ース(電子銃と一体的に形成された坩堝に収容される蒸
着材料)3の上方を往復運動するようになっている。こ
こで、基板5と蒸着源(換言すれば電子銃)3との間の
ゲッタ膜生成板6には、膜厚分布と蒸着物の入射方向を
制御するためのスリット状の開口部9が開設されてい
る。なお、図1における「7」は成膜用電子銃3または
ゲッタ膜生成用電子銃4からの蒸着物がゲートバルブ8
に付着するのを防止するためのシャッタであり、このシ
ャッタ7は蒸着を行う場合にのみ開放されるようになっ
ている。
成膜室1とをそれぞれ独立して約120℃のベーキング
を行うことができるようにシート型ヒータ(不図示)が
貼りつけられている。アルミニウムまたはアルミニウム
合金からなる真空容器は比較的低温でのベーキングを数
時間行うことによって簡便に超高真空を得ることがで
き、生産性等の点で非常に有利である。基板5は、膜厚
分布を良好にするために、上述した成膜室1内で蒸着ソ
ース(電子銃と一体的に形成された坩堝に収容される蒸
着材料)3の上方を往復運動するようになっている。こ
こで、基板5と蒸着源(換言すれば電子銃)3との間の
ゲッタ膜生成板6には、膜厚分布と蒸着物の入射方向を
制御するためのスリット状の開口部9が開設されてい
る。なお、図1における「7」は成膜用電子銃3または
ゲッタ膜生成用電子銃4からの蒸着物がゲートバルブ8
に付着するのを防止するためのシャッタであり、このシ
ャッタ7は蒸着を行う場合にのみ開放されるようになっ
ている。
【0015】蒸発室に配置された2基の電子銃3,4の
うち、一方の電子銃4はゲッタ膜生成板6にゲッタ膜を
蒸着させるために蒸着源を加熱するための蒸発源であ
り、蒸着源としてはゲッタ作用(気体分子を吸着する作
用)を有するCr,Ti,Mo,Al,Zr,Nb,T
a,W,V,Ca,Ba,Mg等を例示でき、特に本実
施例の場合にはCr,Tiが好ましい。また、蒸発室2
に配置される他の電子銃3は、基板5に目的とする蒸着
物を蒸着させるために蒸着源(例えばCu等)を加熱す
る蒸発源である。図3はCr,Ti,Moのゲッタ作用
を確認するために真空容器内における真空度を観察した
結果を示すグラフであり、ゲッタ膜を成膜しない場合
(グラフのプロット○)では1×10-8〜1×10-9T
orr(1×10-6〜1×10-7Pa)程度であるのに
対し、クロム膜Cr(グラフのプロット●)、チタン膜
Ti(グラフのプロット◆)、モリブデン膜Mo(グラ
フのプロット■)を成膜した場合には、それより1桁真
空度が高い1×10-9〜1×10-10 Torr(1×1
0-7〜1×10-8Pa)となる。
うち、一方の電子銃4はゲッタ膜生成板6にゲッタ膜を
蒸着させるために蒸着源を加熱するための蒸発源であ
り、蒸着源としてはゲッタ作用(気体分子を吸着する作
用)を有するCr,Ti,Mo,Al,Zr,Nb,T
a,W,V,Ca,Ba,Mg等を例示でき、特に本実
施例の場合にはCr,Tiが好ましい。また、蒸発室2
に配置される他の電子銃3は、基板5に目的とする蒸着
物を蒸着させるために蒸着源(例えばCu等)を加熱す
る蒸発源である。図3はCr,Ti,Moのゲッタ作用
を確認するために真空容器内における真空度を観察した
結果を示すグラフであり、ゲッタ膜を成膜しない場合
(グラフのプロット○)では1×10-8〜1×10-9T
orr(1×10-6〜1×10-7Pa)程度であるのに
対し、クロム膜Cr(グラフのプロット●)、チタン膜
Ti(グラフのプロット◆)、モリブデン膜Mo(グラ
フのプロット■)を成膜した場合には、それより1桁真
空度が高い1×10-9〜1×10-10 Torr(1×1
0-7〜1×10-8Pa)となる。
【0016】このように蒸発室2内にゲッタ作用を有す
る薄膜を蒸着するための蒸発源4を設けることで、目的
とする膜を基板5に成膜する前、あるいは成膜と同時に
ゲッタ膜をゲッタ膜生成板6に形成することができるの
で、上述したゲッタ作用によって到達圧力を低圧化し、
残留ガスや放出ガスの少ない清浄な真空状態を実現する
ことができる。特に本実施例では、蒸発室2と成膜室1
とをゲートバルブ8で仕切っているので、一度低圧化さ
れた蒸発室2の真空状態は、基板5を交換する場合にも
維持することができる。
る薄膜を蒸着するための蒸発源4を設けることで、目的
とする膜を基板5に成膜する前、あるいは成膜と同時に
ゲッタ膜をゲッタ膜生成板6に形成することができるの
で、上述したゲッタ作用によって到達圧力を低圧化し、
残留ガスや放出ガスの少ない清浄な真空状態を実現する
ことができる。特に本実施例では、蒸発室2と成膜室1
とをゲートバルブ8で仕切っているので、一度低圧化さ
れた蒸発室2の真空状態は、基板5を交換する場合にも
維持することができる。
【0017】次に作用を説明する。まず、成膜室1の成
膜室用扉を開いて成膜室内に基板5をセットするととも
に、蒸発室2の蒸発室用扉を開いて2つの電子銃3,4
に蒸着源をセットする。ついで、成膜室用扉と蒸発室用
扉を閉めて両室1,2を密閉したのちシート型ヒータを
用いて両室1,2およびゲッタ膜生成板6を約120℃
でベーキングする。この状態で真空ポンプを作動させな
がら目的とする成膜用蒸着源を電子銃3で加熱すること
により蒸着源から放出されるガスを除去したのち、ゲッ
タ膜生成用蒸着源を電子銃4で加熱して蒸発室2内に設
けられたゲッタ膜生成板6にゲッタ膜を成膜する。この
状態からゲートバルブ8を開いて成膜室1と蒸発室2と
を連通させたのち、シャッタ7を開いて成膜用蒸着源を
電子銃3で加熱することにより目的とする蒸着膜を基板
5に形成する。
膜室用扉を開いて成膜室内に基板5をセットするととも
に、蒸発室2の蒸発室用扉を開いて2つの電子銃3,4
に蒸着源をセットする。ついで、成膜室用扉と蒸発室用
扉を閉めて両室1,2を密閉したのちシート型ヒータを
用いて両室1,2およびゲッタ膜生成板6を約120℃
でベーキングする。この状態で真空ポンプを作動させな
がら目的とする成膜用蒸着源を電子銃3で加熱すること
により蒸着源から放出されるガスを除去したのち、ゲッ
タ膜生成用蒸着源を電子銃4で加熱して蒸発室2内に設
けられたゲッタ膜生成板6にゲッタ膜を成膜する。この
状態からゲートバルブ8を開いて成膜室1と蒸発室2と
を連通させたのち、シャッタ7を開いて成膜用蒸着源を
電子銃3で加熱することにより目的とする蒸着膜を基板
5に形成する。
【0018】このようにして目的とする蒸着膜を基板5
に形成すると、まずゲートバルブ8を閉めて成膜室1と
蒸発室2とを密閉区画することにより、蒸発室2の超高
真空状態を維持する。そして、成膜室1の扉を開いて成
膜された基板5を取り出し、次に蒸着する基板5と交換
したのち成膜室用扉を閉める。この場合、蒸発室2内は
超高真空に保たれているので、ベーキングを行うのは成
膜室1のみで足り、蒸発室2のベーキングは省略でき
る。成膜室1のみのベーキングを行ったのち、ゲートバ
ルブ8を開いて成膜室1と蒸発室2とを連通させたの
ち、シャッタ7を開いて成膜用蒸発源を電子銃3で加熱
することにより目的とする蒸着膜を新たに投入された基
板5に形成する。このような手順で順次基板5を交換し
て蒸着を行う。
に形成すると、まずゲートバルブ8を閉めて成膜室1と
蒸発室2とを密閉区画することにより、蒸発室2の超高
真空状態を維持する。そして、成膜室1の扉を開いて成
膜された基板5を取り出し、次に蒸着する基板5と交換
したのち成膜室用扉を閉める。この場合、蒸発室2内は
超高真空に保たれているので、ベーキングを行うのは成
膜室1のみで足り、蒸発室2のベーキングは省略でき
る。成膜室1のみのベーキングを行ったのち、ゲートバ
ルブ8を開いて成膜室1と蒸発室2とを連通させたの
ち、シャッタ7を開いて成膜用蒸発源を電子銃3で加熱
することにより目的とする蒸着膜を新たに投入された基
板5に形成する。このような手順で順次基板5を交換し
て蒸着を行う。
【0019】図4はクロムCr成膜時の圧力変化を示す
グラフであるが、成膜開始とともに圧力が1×10-6T
orr(1×10-4Pa)程度まで上昇するものの、ゲ
ッタ膜生成板6に成膜されたクロム膜Crのゲッタ作用
が働いて蒸着途中から圧力が急速に減少することが観察
される。また、図5は上述した蒸着に引き続き、再度ク
ロムCrの蒸着を行った場合の圧力を観察した結果を示
すグラフであり、蒸発源からの放出ガスが減少したこと
と、ゲッタ膜生成板6に成膜されたクロム膜Crによる
ゲッタ作用により、図4の場合に比べて約半桁低い圧力
で蒸着が実現できた。
グラフであるが、成膜開始とともに圧力が1×10-6T
orr(1×10-4Pa)程度まで上昇するものの、ゲ
ッタ膜生成板6に成膜されたクロム膜Crのゲッタ作用
が働いて蒸着途中から圧力が急速に減少することが観察
される。また、図5は上述した蒸着に引き続き、再度ク
ロムCrの蒸着を行った場合の圧力を観察した結果を示
すグラフであり、蒸発源からの放出ガスが減少したこと
と、ゲッタ膜生成板6に成膜されたクロム膜Crによる
ゲッタ作用により、図4の場合に比べて約半桁低い圧力
で蒸着が実現できた。
【0020】ゲッタ膜の成膜による減圧効果を確認する
ために、1回目および2回目の銅Cuの蒸着ではクロム
Crのゲッタ膜を成膜せず、次にゲッタ膜生成板6にク
ロム膜Crを成膜したのち3回目の銅Cuの蒸着を行っ
て、それぞれの圧力を観察した。この結果を図6に示
す。1回目(グラフの■プロット)は蒸発源からの放出
ガスが大きいが、2回目(グラフの▲プロット)の蒸着
では1回目に比べて約1桁圧力が低くなっている。さら
に、クロム膜成膜後に行った3回目(グラフの■プロッ
ト)の銅Cuの蒸着では、2回目に比べてさらに1桁圧
力が下がっておりクロム膜のゲッタ作用の有効性が確認
できた。
ために、1回目および2回目の銅Cuの蒸着ではクロム
Crのゲッタ膜を成膜せず、次にゲッタ膜生成板6にク
ロム膜Crを成膜したのち3回目の銅Cuの蒸着を行っ
て、それぞれの圧力を観察した。この結果を図6に示
す。1回目(グラフの■プロット)は蒸発源からの放出
ガスが大きいが、2回目(グラフの▲プロット)の蒸着
では1回目に比べて約1桁圧力が低くなっている。さら
に、クロム膜成膜後に行った3回目(グラフの■プロッ
ト)の銅Cuの蒸着では、2回目に比べてさらに1桁圧
力が下がっておりクロム膜のゲッタ作用の有効性が確認
できた。
【0021】MBE装置 図2はMBE装置の一例を示す図であり、このMBE装
置においても真空容器Cはアルミニウムあるいはアルミ
ニウム合金で形成されている。MBE装置においては、
所定の物質を蒸発させるための加熱源であるクヌードセ
ン・セル(第1の成膜手段)3が真空容器Cの蒸発室2
の底部に設置されるが、このクヌードセン・セル3より
蒸発する蒸発物はその入射領域が限られることになる。
したがって、蒸発室2に仕切り板を設けることなく蒸発
室2の内壁にゲッタ膜生成板6を設ける。また、この蒸
発室2には、通常のクヌードセン・セルとは異なり、比
較的広角度に蒸着を行うことができる第2の成膜手段
(例えば電子銃)4をゲッタ膜の蒸発源として設ける。
これによって、所定の膜を成膜する直前にゲッタ膜を生
成することができる。
置においても真空容器Cはアルミニウムあるいはアルミ
ニウム合金で形成されている。MBE装置においては、
所定の物質を蒸発させるための加熱源であるクヌードセ
ン・セル(第1の成膜手段)3が真空容器Cの蒸発室2
の底部に設置されるが、このクヌードセン・セル3より
蒸発する蒸発物はその入射領域が限られることになる。
したがって、蒸発室2に仕切り板を設けることなく蒸発
室2の内壁にゲッタ膜生成板6を設ける。また、この蒸
発室2には、通常のクヌードセン・セルとは異なり、比
較的広角度に蒸着を行うことができる第2の成膜手段
(例えば電子銃)4をゲッタ膜の蒸発源として設ける。
これによって、所定の膜を成膜する直前にゲッタ膜を生
成することができる。
【0022】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、真空
容器をバルブによって成膜室と蒸発室とに仕切り、かつ
蒸発室内にゲッタ作用を有する薄膜を成膜するための第
2の成膜手段を設けている。その結果、少なくとも蒸発
室内の超高真空が維持されるので蒸発源を大気にさらす
ことがなく、したがって簡便に超高真空下での蒸着を行
うことができる。また、2回目以降の蒸着を行う場合に
は、蒸発室におけるベーキングからゲッタ薄膜の成膜ま
での工程を省略することができ、そのまま所定の薄膜を
成膜することができる。
容器をバルブによって成膜室と蒸発室とに仕切り、かつ
蒸発室内にゲッタ作用を有する薄膜を成膜するための第
2の成膜手段を設けている。その結果、少なくとも蒸発
室内の超高真空が維持されるので蒸発源を大気にさらす
ことがなく、したがって簡便に超高真空下での蒸着を行
うことができる。また、2回目以降の蒸着を行う場合に
は、蒸発室におけるベーキングからゲッタ薄膜の成膜ま
での工程を省略することができ、そのまま所定の薄膜を
成膜することができる。
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す構成図である。
【図3】Cr,Ti,Moのゲッタ作用を観察した結果
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図4】本実施例の真空蒸着装置を用いてクロムの1回
目の蒸着を行った場合の真空度の観察結果を示すグラフ
である。
目の蒸着を行った場合の真空度の観察結果を示すグラフ
である。
【図5】図4に引き続き2回目のクロムの蒸着を行った
場合の真空度の観察結果を示すグラフである。
場合の真空度の観察結果を示すグラフである。
【図6】本実施例の真空蒸着装置を用いて銅の3回蒸着
を行った場合の真空度の観察結果を示すグラフである。
を行った場合の真空度の観察結果を示すグラフである。
C…真空容器 1…成膜室 2…蒸発室 3…成膜用蒸発源(第1の成膜手段) 4…ゲッタ膜生成用蒸発源(第2の成膜手段) 5…基板 6…ゲッタ膜生成板 7…シャッタ 8…ゲートバルブ 9…開口部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】蒸発室2の内部には、さらにゲッタ膜生成
板6が設けられており、後述するゲッタ膜生成用電子銃
4からのゲッタ膜を生成する目的と、蒸発室内壁を保護
する目的を有している。このゲッタ膜生成板6は、ベー
キングを可能とするか、および/または冷却可能とする
ことが好ましい。本実施例では、真空溶解によって作ら
れた放出ガスの少ないステンレスの板から作製されてい
る。また、蒸発室2の内部には、成膜用電子銃3とゲッ
タ膜生成用電子銃4とを仕切る仕切り板10が設けられ
ている。
板6が設けられており、後述するゲッタ膜生成用電子銃
4からのゲッタ膜を生成する目的と、蒸発室内壁を保護
する目的を有している。このゲッタ膜生成板6は、ベー
キングを可能とするか、および/または冷却可能とする
ことが好ましい。本実施例では、真空溶解によって作ら
れた放出ガスの少ないステンレスの板から作製されてい
る。また、蒸発室2の内部には、成膜用電子銃3とゲッ
タ膜生成用電子銃4とを仕切る仕切り板10が設けられ
ている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】次に作用を説明する。まず、成膜室1の成
膜室用扉を開いて成膜室内に基板5をセットするととも
に、蒸発室2の蒸発室用扉を開いて2つの電子銃3,4
に蒸着源をセットする。ついで、成膜室用扉と蒸発室用
扉を閉めて両室1,2を密閉したのち成膜室、蒸着室を
真空に排気し、次いでシート型ヒータを用いて両室1,
2およびゲッタ膜生成板6を約120℃でベーキングす
る。この状態で真空ポンプを作動させながら目的とする
成膜用蒸着源を電子銃3で加熱することにより蒸着源か
ら放出されるガスを除去する。次にヒータを切り、温度
が常温になってから、ゲッタ膜生成用蒸着源を電子銃4
で加熱して蒸発室2内に設けられたゲッタ膜生成板6に
ゲッタ膜を成膜する。この状態からゲートバルブ8を開
いて成膜室1と蒸発室2とを連通させたのち、シャッタ
7を開いて成膜用蒸着源を電子銃3で加熱することによ
り目的とする蒸着膜を基板5に形成する。
膜室用扉を開いて成膜室内に基板5をセットするととも
に、蒸発室2の蒸発室用扉を開いて2つの電子銃3,4
に蒸着源をセットする。ついで、成膜室用扉と蒸発室用
扉を閉めて両室1,2を密閉したのち成膜室、蒸着室を
真空に排気し、次いでシート型ヒータを用いて両室1,
2およびゲッタ膜生成板6を約120℃でベーキングす
る。この状態で真空ポンプを作動させながら目的とする
成膜用蒸着源を電子銃3で加熱することにより蒸着源か
ら放出されるガスを除去する。次にヒータを切り、温度
が常温になってから、ゲッタ膜生成用蒸着源を電子銃4
で加熱して蒸発室2内に設けられたゲッタ膜生成板6に
ゲッタ膜を成膜する。この状態からゲートバルブ8を開
いて成膜室1と蒸発室2とを連通させたのち、シャッタ
7を開いて成膜用蒸着源を電子銃3で加熱することによ
り目的とする蒸着膜を基板5に形成する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 真伸 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 高橋 克實 茨城県つくば市竹園1丁目6番地1号 財 団法人 真空科学研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】成膜室と蒸発室とがバルブにより開閉自在
に仕切られた真空容器と、前記真空容器内を排気する真
空ポンプと、前記成膜室に配置された基板に所定の薄膜
を成膜するための第1の成膜手段と、ゲッタ作用を有す
る薄膜を前記蒸発室に成膜するための第2の成膜手段と
を有することを特徴とする真空蒸着装置。 - 【請求項2】前記真空容器がアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金からなり、前記真空容器内を1×10-5Pa
以下の超高真空で蒸着を行うことを特徴とする請求項1
に記載の真空蒸着装置。 - 【請求項3】前記第2の成膜手段は、蒸着源を加熱する
電子銃を有することを特徴とする請求項1または2に記
載の真空蒸着装置。 - 【請求項4】前記ゲッタ作用を有する薄膜は、クロムC
rまたはチタンTiであることを特徴とする請求項3に
記載の真空蒸着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28217993A JPH07138739A (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | 真空蒸着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28217993A JPH07138739A (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | 真空蒸着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07138739A true JPH07138739A (ja) | 1995-05-30 |
Family
ID=17649118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28217993A Pending JPH07138739A (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | 真空蒸着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07138739A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005107329A1 (ja) * | 2004-04-27 | 2008-03-21 | 富士フイルム株式会社 | 有機el素子およびその製造方法 |
JP2011210562A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Toppan Printing Co Ltd | 有機el素子の製造方法及び有機elパネルの製造方法 |
US8057856B2 (en) * | 2004-03-15 | 2011-11-15 | Ifire Ip Corporation | Method for gettering oxygen and water during vacuum deposition of sulfide films |
US8197222B2 (en) | 2006-07-05 | 2012-06-12 | Von Ardenne Anlagentechnik Gmbh | Getter pump and vacuum coating installation comprising a getter pump |
-
1993
- 1993-11-11 JP JP28217993A patent/JPH07138739A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8057856B2 (en) * | 2004-03-15 | 2011-11-15 | Ifire Ip Corporation | Method for gettering oxygen and water during vacuum deposition of sulfide films |
JPWO2005107329A1 (ja) * | 2004-04-27 | 2008-03-21 | 富士フイルム株式会社 | 有機el素子およびその製造方法 |
US7737632B2 (en) | 2004-04-27 | 2010-06-15 | Fujifilm Corporation | Organic EL element with lamination structure and its manufacturing method |
JP5193465B2 (ja) * | 2004-04-27 | 2013-05-08 | ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド | 有機el素子の製造方法、有機el素子、及び有機el表示パネル |
US8197222B2 (en) | 2006-07-05 | 2012-06-12 | Von Ardenne Anlagentechnik Gmbh | Getter pump and vacuum coating installation comprising a getter pump |
JP2011210562A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Toppan Printing Co Ltd | 有機el素子の製造方法及び有機elパネルの製造方法 |
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