JP6396223B2 - アーク放電イオンプレーティング装置の制御方法 - Google Patents

アーク放電イオンプレーティング装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、アーク放電イオンプレーティング(ADRIP)装置の制御方法に関する。
ADRIP法は、スパッタリング法に比較して堆積速度が大きく、また、有機金属化学的気相成長(MOCVD)法に比較して、基板(ウエハ)温度が低く、製造コストが低く、有毒な有機金属ガスを用いないので対環境性がよく、また、原料の利用効率がよいという利点を有する。ADRIP装置は、たとえば、良質な透明導電層、シリコン層、酸化チタン層、PbZrxTi1-xO3(PZT)層等を形成するのに適している。
特許文献1は従来のADRIP装置を詳細に開示している。特許文献2は特許文献1に開示された装置に、更にロードロック室(チャンバ)、搬入室、搬出室などが仕切弁を介して接続された装置を開示している。特許文献2では、搬送機構によって成膜する基材をそれぞれの部屋に搬送している。
図4は特許文献1に開示されたADRIP装置に特許文献2に開示されたロードロックチャンバを接続した従来のADRIP装置を示す図である。
図4において、ADRIP装置は、円筒状のプラズマチャンバ1、成膜チャンバ2及びロードロックチャンバ3よりなる。この場合、プラズマチャンバ1と成膜チャンバ2とは仕切りがなく連続しているが、成膜チャンバ2とロードロックチャンバ3とは仕切板4によって区切られている。
プラズマチャンバ1には、圧力勾配型プラズマガンが設けられている。この圧力勾配型プラズマガンは、アーク放電を維持するための不活性ガスたとえばArガスもしくはHeガスを電磁弁11aを介して導入するガス導入口11、陰極12、中間電極13、小口径コイル14、中間電極15、陽極16、及び大口径コイル17を有する。陰極12と陽極16との間には直流電源5によって直流電圧が印加される。中間電極13、小口径コイル14、中間電極15及び大口径コイル17は放電が最も安定するように選択される。この場合、小口径コイル14及び大口径コイル17はアーク放電プラズマPの方向を調整するためのものである。
圧力勾配型プラズマガンにおいて、直流電源5によって陰極12と陽極16との間に高電圧たとえば1kVが印加されると、ArもしくはHeの放電ガスが電離し、グロー放電状態が発生する。さらに、放電電流を徐々に増加させると、グロー放電状態は異常グロー放電状態となり、従って、陰極12が加熱されて熱陰極となり、放電電流は大電流となり、この結果、圧力勾配型プラズマガンはアーク放電プラズマPを発生するアーク放電プラズマ状態となる。
成膜チャンバ2の下部には、たとえばPb、Zr、Ti等のための複数の蒸発源21(2つのみ図示)が設けられている。また、成膜チャンバ2の上部には、ウエハWを載置するためのヒータ付ウエハ回転ホルダ22及び原料ガスたとえば酸素ガスを電磁弁23aを介して導入するためのガス導入口23が設けられている。さらに、成膜チャンバ2には、成膜チャンバ2を真空にするための真空ポンプ24に接続された排気口25が設けられている。
ロードロックチャンバ3には、ロードロックチャンバ3を真空にするための真空ポンプ31に接続された排気口32が設けられている。
図4の電磁弁11a、蒸発源21、ヒータ付ウエハ回転ホルダ22、電磁弁23a、真空ポンプ24、31、仕切板4、及び直流電源5は、マイクロコンピュータよりなる制御ユニット6によって制御される。図4のADRIP装置の制御ユニット6の動作を図5のフローチャートを参照して説明する。
始めに、仕切板開放ステップ501にて、仕切板4を開放する。
次に、ウエハホルダ装着ステップ502にて、ウエハWをローダによって大気開放したロードロックチャンバ3を介して成膜チャンバ2のヒータ付ウエハ回転ホルダ22に搬送してチャックする。このとき、次のウエハWもロードロックチャンバ3に搬送しておく。
次に、仕切板閉鎖ステップ503にて、仕切板4を閉鎖する。
次に、成膜チャンバ高真空処理ステップ504にて、次のアーク放電プラズマ処理準備ステップ505に備えて、真空ポンプ24をオンにして成膜チャンバ2を高真空たとえば1×10−4Pa(=0.75μTorr)とする。この場合、プラズマチャンバ1の真空度も同一の高真空度となる。
次に、アーク放電プラズマ処理準備ステップ505にて、ウエハWをヒータ付ウエハ回転ホルダ22のヒータによって所定温度たとえば600℃まで加熱する。また、不活性ガスArもしくはHeを高真空状態の成膜チャンバ2に導入させると共に高直流電圧たとえば1kVを圧力勾配型プラズマガンの陰極12、陽極16間に印加することによりグロー放電状態,異常グロー放電状態を経てアーク放電プラズマPを発生するアーク放電プラズマ状態を実現する。
次に、アーク放電プラズマ処理ステップ506にて、圧力勾配型プラズマガンの直流電圧を下げてアーク放電プラズマPをプラズマ放電電流70A程度のアーク放電プラズマPとして安定化させ、原料ガスたとえばOガスを導入し、蒸発源21をオンしてウエハW上に所定の薄膜を堆積させる。
次に、アーク放電プラズマ処理終了ステップ507にて、Oガスの導入を停止し、蒸発源21をオフにすると共に、不活性ガスの導入を停止して圧力勾配型プラズマガンの直流電圧を零としてアーク放電プラズマPの発生を停止する。また、ヒータ付ウエハ回転ホルダ22のヒータをオフにし、ウエハWの温度を300℃程度まで低下させる。
次に、ロードロックチャンバ高真空処理ステップ508にて、真空ポンプ31をオンにしてロードロックチャンバ3を高真空にする。この場合も、ロードロックチャンバ3の真空度は高真空度たとえば1×10−4Pa(=0.75μTorr)とされる。尚、ロードロックチャンバ真空処理ステップ508はアーク放電プラズマ処理終了ステップ507と併行に実行してもよい。
次に、仕切板開放ステップ509にて、仕切板4を開放する。この場合、上述のごとく、成膜チャンバ2の真空度は、ロードロックチャンバ3の真空度と同一であり、高真空度である。
次に、最終ウエハ判別ステップ510にて、ウエハWが最終ウエハか否かを判別し、ウエハWが最終ウエハでなければ、チャンバ間のウエハ交換ステップ511にて、ウエハWをローダによってヒータ付ウエハ回転ホルダ22からロードロックチャンバ3に搬送し、その代り、ロードロックチャンバ3内の次のウエハWをローダによってヒータ付ウエハ回転ホルダ22に搬送してチャックする。
次に、大気圧ウエハ交換ステップ512にて、ロードロックチャンバ3を大気開放して処理済ウエハWを外部へ取出し次のウエハWを外部からロードロックチャンバ3に搬入する。この搬入後にロードロックチャンバ3を密閉する。ステップ512のフローはステップ503に戻り、ロードロックチャンバ3のヒータ付ウエハ回転ホルダ22にチャックされたウエハWに対してステップ503〜510のフローが繰返される。
他方、最終ウエハ判別ステップ510にて、ウエハWが最終ウエハと判別されると、最終専用ルーチンのステップ513、514が実行される。つまり、ウエハ取出しステップ513にて、ウエハWをローダによってヒータ付ウエハ回転ホルダ22からロードロックチャンバ3に搬送され、さらに、ロードロックチャンバ3を大気開放してウエハWはロードロックチャンバ3の外部へ取出させる。そして、ステップ514にて、図5の制御フローは終了する。
特開2012−175014号公報 特開2001−254171号公報 特許第4038473号公報(特開2005−146382号公報)
しかしながら、上述の従来のADRIP装置の制御方法においては、1枚のウエハの処理毎にアーク放電プラズマ処理準備ステップ505、アーク放電プラズマ処理終了ステップ507、成膜チャンバ高真空処理ステップ504及びロードロックチャンバ高真空処理ステップ508が実行されるので、ウエハタクト時間が長くなる。特に、アーク放電プラズマ処理準備ステップ505において、圧力勾配型プラズマガンをグロー放電状態から異常グロー放電状態を介して安定なアーク放電プラズマ状態まで立ち上げる時間はたとえば15〜30分程度と長い。従って、ウエハタクト時間が長くなり、この結果、この薄膜を用いた製品の製造コストが上昇するという課題がある。また、各製品毎に安定なアーク放電プラズマ状態までの立上げにかかる熱履歴が変化するので、アーク放電プラズマ状態が変化し易くなり、薄膜の品質がばらつくという課題もある。
また、アーク放電プラズマ処理準備ステップ505においては、高電圧を用いてグロー放電状態及び異常グロー放電状態を発生させるために、高真空度たとえば1.33Pa〜1.3kPa(0.01〜10Torr)の圧力を必要とする。これに併せてロードロックチャンバ高真空処理ステップ508を必要とする。この結果、真空ポンプ31が大型化かつ高価となるという課題もある。さらに、圧力勾配型プラズマガンが頻繁なグロー放電状態及び異常グロー放電状態によって損傷し、従って、ADRIP装置の寿命が短いという課題もある。
尚、プラズマチャンバ1と成膜チャンバ2との間に別個の仕切板を設け、この別個の仕切板によってプラズマチャンバ1を閉鎖状態にして最小限のアーク放電プラズマ状態(以下、アーク放電プラズマアイドリング状態)を維持し、アーク放電プラズマが必要なときに、このアーク放電プラズマアイドリング状態から安定なアーク放電プラズマを短時間で実現することは公知である(参照:特許文献3)。これにより、ウエハの処理毎のアーク放電プラズマ処理準備ステップ505及びアーク放電プラズマ処理終了ステップ507は不要となり、ウエハタクト時間が短くなるという利点がある。しかしながら、この公知のADRIP装置においては、プラズマチャンバと成膜チャンバの間にある仕切板のシール部が放電プラズマの熱に暴露されて劣化し、仕切板の寿命が短くなるので、装置コストの上昇を招く。また、アーク放電プラズマ状態を安定的に維持するためには、プラズマチャンバと成膜チャンバの真空度がほぼ同一でなければならない。しかし、真空度を同一に合わせるのは時間がかかってしまう。
上述の課題を解決するために、本発明に係るADRIP装置の制御方法は、圧力勾配型プラズマガンが設けられたプラズマチャンバ、プラズマチャンバに接続された成膜チャンバ、成膜チャンバと仕切板によって区分されたロードロックチャンバ、成膜チャンバとロードロックチャンバとを接続するガス導通管、及びガス導通管の途中に設けられたスローリーク弁を具備するアーク放電イオンプレーティング装置において、連続処理するウエハに対して、スローリーク弁閉鎖工程はスローリーク弁を閉鎖し、仕切板閉鎖工程は仕切板を閉鎖する。スローリーク弁閉鎖工程及び仕切板閉鎖工程の後に、第1の成膜チャンバ真空処理工程は成膜チャンバを第1の真空度の真空にする。アーク放電プラズマ処理工程は予め実現された後述のアーク放電プラズマアイドリング状態から第1の真空度の真空にされた成膜チャンバにおいて第1の放電電流の第1のアーク放電プラズマ状態を実現してウエハに成膜を実行する。アーク放電プラズマ処理工程の後に、アーク放電プラズマアイドリング処理工程は第1の真空度の真空にされた成膜チャンバにおいて第1の放電電流より小さい第2の放電電流のアーク放電プラズマアイドリング状態を実現する。アーク放電プラズマアイドリング処理工程の後に、ロードロックチャンバ低真空処理工程はロードロックチャンバを第2の低真空度の真空にする。ロードロックチャンバ低真空処理工程の後に、スローリーク弁開放工程はスローリーク弁を開放する。スローリーク弁開放工程の後に、仕切板開放工程は仕切板を開放する。これにより、仕切板開放時に、成膜チャンバ及びプラズマチャンバに衝撃は発生せず、従って、アーク放電プラズマアイドリング状態は消滅しない。
本発明によれば、連続処理するウエハに対しては、処理時間の長いアーク放電プラズマ処理準備工程を実行せずに、アーク放電プラズマ処理工程及びアーク放電プラズマアイドリング処理が実行されるので、ウエハタクト時間を大幅に短縮できる。
本発明に係るADRIP装置の実施の形態を示す図であって、アーク放電プラズマ状態を示す。 本発明に係るADRIP装置の実施の形態を示す図であって、アイドリングアーク放電プラズマ状態を示す。 図1のスローリーク弁の一例を示す断面図である。 図1の制御ユニットの動作を示すフローチャートである。 従来のADRIP装置を示す断面図である。 図4の制御ユニットの動作を示すフローチャートである。
図1A、図1Bは本発明に係るADRIP装置の実施の形態を示す図であって、図1Aはアーク放電プラズマ状態を示し、図1Bはアイドリングアーク放電プラズマ状態を示す。図1A、図1Bにおいては、図4のADRIP装置に対して、成膜チャンバ2とロードロックチャンバ3とを接続するガス導通管7及びガス導通管7の途中に設けられたスローリーク弁8を付加してある。
スローリーク弁8は成膜チャンバ2の圧力とロードロックチャンバ3の圧力とが同一となるように徐々に開放するように動作する。つまり、仕切板4が開放されたときに、成膜チャンバ2の圧力とロードロックチャンバ3の圧力が少しでも異なると、圧力差による衝撃が発生して後述のアイドリングアーク放電プラズマIPが消えることがある。このような衝撃を和らげるために、仕切板4の開放前に、スローリーク弁8によって予め成膜チャンバ2の圧力とロードロックチャンバ3の圧力とを同一にする。スローリーク弁8の汎用型は図2に示される。
図2において、スローリーク弁8は、成膜チャンバ2に通ずるガス流入口81及びロードロックチャンバ3に通ずるガス流出口82が設けられた本体ブロック83と、本体ブロック83に挿入され、Oリング84によってシールされたニードル85とを備えている。この場合、ニードル85のテーパ部85aがガス流入口81のオリフィス81aを徐々に塞ぐことによりガス導通管7のガス流量を微調整する。このガス流量の微調整は制御ユニット6によって制御される駆動モータ86によってニードル85を回転することによって行われる。尚、スローリーク弁8は精密型、ダイヤフラム型等の他の型でもよい。
図1A、図1Bの電磁弁11a、蒸発源21、ヒータ付ウエハ回転ホルダ22、電磁弁23a、真空ポンプ24、31、仕切板4、直流電源5及びスローリーク弁8は、マイクロコンピュータよりなる制御ユニット6によって制御される。図1A、図1BのADRIP装置の制御ユニット6の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。
図3においては、図5のフローチャートに対して、スローリーク弁閉鎖ステップ301、最初ウエハ判別ステップ302、アーク放電プラズマアイドリング処理ステップ303、及びスローリーク弁開放ステップ304を付加し、成膜チャンバ高真空処理ステップ504、アーク放電プラズマ処理ステップ506及びロードロックチャンバ高真空処理ステップ508の修正ステップである成膜チャンバ低真空処理ステップ504’、アーク放電プラズマ処理ステップ506’及びロードロックチャンバ低真空処理ステップ508’を付加し、ロードロックチャンバ高真空処理ステップ508を削除してある。
始めに、仕切板開放ステップ501にて、仕切板4を開放する。
次に、ウエハホルダ装着ステップ502にて、ウエハWをローダによって大気開放したロードロックチャンバ3を介して成膜チャンバ2のヒータ付ウエハ回転ホルダ22に搬送してチャックする。このとき、次のウエハWもロードロックチャンバ3に搬送しておく。
次に、スローリーク弁閉鎖ステップ301にて、スローリーク弁8を閉鎖する。
次に、仕切板閉鎖ステップ503にて、仕切板4を閉鎖する。尚、スローリーク弁閉鎖ステップ301及び仕切板閉鎖ステップ503の順序は交換してもよい。
次に、最初ウエハ判別ステップ302にて、ウエハWが最初ウエハか否かを判別する。ウエハWが最初ウエハであれば、初回時専用ルーチンとしての成膜チャンバ高真空処理ステップ504、アーク放電プラズマ処理準備ステップ505及び初回時アーク放電プラズマ処理準備ステップ506を実行し、他方、ウエハWが最初ウエハでなければ、連続専用処理ルーチンとしての大気圧ウエハ交換ステップ512、成膜チャンバ低真空処理ステップ504’及びアーク放電プラズマ処理ステップ506’を実行する。
初回時専用ルーチンを説明する。成膜チャンバ高真空処理ステップ504では、次のアーク放電プラズマ処理準備ステップ505に備えて、真空ポンプ24をオンにして成膜チャンバ2を高真空たとえば1×10−4Pa(=0.75μTorr)とする。この場合、プラズマチャンバ1の真空度も同一の高真空度となる。次いで、アーク放電プラズマ処理準備ステップ505にて、ウエハWをヒータ付ウエハ回転ホルダ22のヒータによって所定温度たとえば600℃まで加熱する。また、不活性ガスArもしくはHeを高真空状態の成膜チャンバ2に導入させてプラズマチャンバ内の圧力を1.33Pa〜1.33kPa(0.01〜10Torr)に制御して、共に高直流電圧たとえば1kVを圧力勾配型プラズマガンの陰極12、陽極16間に印加することによりグロー放電状態,異常グロー放電状態を経てアーク放電プラズマPを発生するアーク放電プラズマ状態を実現する。次いで、初回時アーク放電プラズマ処理ステップ506にて、圧力勾配型プラズマガンの直流電圧を下げて図1Aに示すアーク放電プラズマPをプラズマ放電電流70A程度のアーク放電プラズマPとして安定化させ、原料ガスたとえばOガスを導入し、蒸発源21をオンしてウエハW上に所定の薄膜を堆積させる。
連続専用ルーチンを説明する。大気圧ウエハ交換ステップ512にて、ロードロックチャンバ3を大気開放してウエハWはロードロックチャンバ3の外部へ取出され、その代りに、外部から次のウエハWがロードロックチャンバ3に搬入される。次いで、成膜チャンバ低真空処理ステップ504’にて、真空ポンプ24をオンにして成膜チャンバ2を低真空度たとえば2×10−1Pa(=1.5mTorr)とする。この場合、プラズマチャンバ1の真空度も同一の真空度となる。次いで、アーク放電プラズマ処理ステップ506’にて、先のウエハに対して後述のアーク放電プラズマアイドリング処理ステップ303にて設定されている圧力勾配型プラズマガンの直流電圧を上げてプラズマ放電電流10A程度の図1Bに示すアイドリングアーク放電プラズマIPから図1Aに示すプラズマ放電電流70A程度のアーク放電プラズマPとして安定化させ、原料ガスたとえばOガスを導入し、蒸発源21をオンしてウエハW上に所定の薄膜を堆積させる。
尚、ステップ301、503、303、508’、304、509、510、511、507、513、514は最初ウエハ及び連続処理ウエハに対する共通ルーチンである。
次に、共通ルーチンのアーク放電プラズマアイドリング処理ステップ303にて、原料ガスたとえばOガスの導入を停止し、蒸発源21をオフにすると共に、圧力勾配型プラズマガンの直流電圧を下げてプラズマ放電電流10A程度で安定化させる。このアイドリングアーク放電プラズマIPはアーク放電プラズマPの最小のものであり、種火に相当する。
次に、ロードロックチャンバ低真空処理ステップ508’にて、真空ポンプ31をオンにしてロードロックチャンバ3を低真空にする。この場合、ロードロックチャンバ3の真空度は低真空度たとえば2×10−1Pa(=1.5mTorr)とされる。
次に、スローリーク弁開放ステップ304にて、スローリーク弁8を徐々に開放する。この結果、ガスが成膜チャンバ2からガス導通管7を介してロードロックチャンバ3へ徐々に流れ、この結果、成膜チャンバ2の圧力とロードロックチャンバ3の圧力とが徐々に同一となる。尚、ウエハWが最初ウエハである場合、高真空度の成膜チャンバ2の圧力と低真空度のロードロックチャンバ3の圧力とは異なるが、この場合でも、スローリーク弁8の徐々の開放によって、両者の圧力は同一となる。
次に、仕切板開放ステップ509にて、仕切板4を開放する。この場合、成膜チャンバ2の真空度は、ロードロックチャンバ3の真空度と同一であり、従って、衝撃はほとんどなく、この結果、図1Bのアイドリングアーク放電プラズマIPが消滅することはない。
次に、最終ウエハ判別ステップ510にて、ウエハWが最終ウエハか否かを判別し、ウエハWが最終ウエハでなければ、チャンバ間ウエハ交換ステップ511にて、ウエハWをローダによってヒータ付ウエハ回転ホルダ22からロードロックチャンバ3に搬送し、その代り、ロードロックチャンバ3内の次のウエハWをローダによってヒータ付ウエハ回転ホルダ22に搬送してチャックする。この結果、次のウエハWに対して上述のステップ301〜510が繰返されることになる。
他方、最終ウエハ判断ステップ510にて、ウエハWが最終ウエハと判別されると、最終ルーチンとしてのステップ507、513、514に進む。つまり、アーク放電プラズマ処理終了ステップ507にて、Oガスの導入を停止し、蒸発源21をオフにすると共に、不活性ガスの導入を停止して圧力勾配型プラズマガンの直流電圧を零としてアイドリングアーク放電プラズマIPの発生を停止する。また、ヒータ付ウエハ回転ホルダ22のヒータをオフにし、ウエハWの温度を300℃程度まで低下させる。次いで、ウエハ取出しステップ513にて、ウエハWをローダによってヒータ付ウエハ回転ホルダ22からロードロックチャンバ3に搬送され、さらに、ロードロックチャンバ3を大気開放してウエハWはロードロックチャンバ3の外部へ取出させる。そして、ステップ514にて、図3の制御フローは終了する。
このように、最初ウエハWに対してのみ処理時間が長い成膜チャンバ高真空度処理ステップ504、アーク放電プラズマ処理準備ステップ505及び初回時アーク放電プラズマ処理ステップ506が実行され、最終ウエハWに対してのみアーク放電プラズマ処理終了ステップ507が実行される。連続処理ウエハWに対して実行されるアーク放電プラズマ処理ステップ506’及び共通ルーチンのアーク放電プラズマアイドリング処理ステップ303は低真空の基で行われる。特に、処理時間の長いアーク放電プラズマ処理準備ステップ505は実行されない。また、放電電流10A程度のアーク放電プラズマアイドリング状態から放電電流70A程度のアーク放電プラズマ状態への移行は数10秒で可能である。従って、ウエハタクト時間は大幅に短縮できる。
また、アーク放電プラズマアイドリング状態から移行したアーク放電プラズマ処理ステップ506’のアーク放電プラズマ状態は変化しにくく、この結果、薄膜の品質のばらつきを小さくできる。
さらに、グロー放電状態及び異常グロー放電状態は少なくなるので、圧力勾配型プラズマガンの損傷も減少し、この結果、ADRIP装置の寿命を長くできる。
1:プラズマチャンバ
11:ガス導入口
11a:電磁弁
12:陰極
13:中間電極
14:小口径コイル
15:中間電極
16:陽極
17:大口径コイル
2:成膜チャンバ
21:蒸発源
22:ヒータ付ウエハ回転ホルダ
23:ガス導入口
24:真空ポンプ
26:排気口
3:ロードロックチャンバ
31:真空ポンプ
32:排気口
4:仕切板
5:直流電源
6:制御ユニット
7:ガス導通管
8:スローリーク弁
P:アーク放電プラズマ
IP:アイドリングアーク放電プラズマ

Claims (5)

  1. 圧力勾配型プラズマガンが設けられたプラズマチャンバ、該プラズマチャンバに接続された成膜チャンバ、該成膜チャンバと仕切板によって区分されたロードロックチャンバ、該成膜チャンバと前記ロードロックチャンバとを接続するガス導通管、及び該ガス導通管の途中に設けられたスローリーク弁を具備するアーク放電イオンプレーティング装置において、
    連続処理のウエハに対して、
    前記スローリーク弁を閉鎖するスローリーク弁閉鎖工程と、
    前記仕切板を閉鎖する仕切板閉鎖工程と、
    前記スローリーク弁閉鎖工程及び前記仕切板閉鎖工程の後に、前記成膜チャンバを第1の真空度の真空にする第1の成膜チャンバ真空処理工程と、
    前記第1の真空度の真空にされた成膜チャンバにおいて予め実現された後述のアーク放電プラズマアイドリング状態から第1の放電電流の第1のアーク放電プラズマ状態を実現してウエハに成膜を実行するアーク放電プラズマ処理工程と、
    前記アーク放電プラズマ処理工程の後に、前記第1の真空度の真空にされた成膜チャンバにおいて前記第1の放電電流より小さい第2の放電電流のアーク放電プラズマアイドリング状態を実現するアーク放電プラズマアイドリング処理工程と、
    前記アーク放電プラズマアイドリング処理工程の後に、前記ロードロックチャンバを第2の低真空度の真空にするロードロックチャンバ低真空処理工程と、
    前記ロードロックチャンバ低真空処理工程の後に、前記スローリーク弁を開放するスローリーク弁開放工程と、
    前記スローリーク弁の開放工程の後に、前記仕切板を開放する仕切板開放工程と
    を具備するアーク放電イオンプレーティング装置の制御方法。
  2. 前記ウエハが最初ウエハである場合に、さらに、
    前記成膜チャンバを前記第1、第2真空度より高い真空度の真空にする第2の成膜チャンバ真空処理工程と、
    前記真空度の真空にされた成膜チャンバをグロー放電状態から異常グロー放電状態を介して初回時アーク放電プラズマ状態を実現するアーク放電プラズマ処理準備工程と、
    前記アーク放電プラズマ処理準備工程の後に、前記初回時アーク放電プラズマ状態にて前記最初ウエハに成膜を実行する初回時アーク放電プラズマ処理工程と
    を具備する請求項の記載のアーク放電イオンプレーティング装置の制御方法。
  3. さらに、前記仕切板開放工程の後に、前記成膜されたウエハを前記成膜チャンバから前記ロードロックチャンバに搬入し、次のウエハを該ロードロックチャンバから前記成膜チャンバに搬入するチャンバ間ウエハ交換工程を具備する請求項に記載のアーク放電イオンプレーティング装置の制御方法。
  4. さらに、前記スローリーク弁閉鎖工程及び前記仕切板閉鎖工程の後に、前記ロードロックチャンバを大気開放して該ロードロックチャンバと外部との間でウエハ交換を行う大気圧ウエハ交換工程を具備する請求項に記載のアーク放電イオンプレーティング装置の制御方法。
  5. 前記第1の低真空度と前記第2の低真空度とが同一である請求項1に記載のアーク放電イオンプレーティング装置の制御方法。
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