JPH07138289A - 新規なペプチド - Google Patents
新規なペプチドInfo
- Publication number
- JPH07138289A JPH07138289A JP5286859A JP28685993A JPH07138289A JP H07138289 A JPH07138289 A JP H07138289A JP 5286859 A JP5286859 A JP 5286859A JP 28685993 A JP28685993 A JP 28685993A JP H07138289 A JPH07138289 A JP H07138289A
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- JP
- Japan
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- ala
- peptide
- boc
- asp
- leu
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記(I)式
【化1】Asp−Ala−Asp−Leu−Glu−L
eu−Ala−Val−Lys−Ala−Ala−Va
l−Ala・・・(I) で表される神経栄養因子様活性を有する新規なペプチ
ド。 【効果】 本発明のペプチドは、老人性痴呆症、アルツ
ハイマ−痴呆症、脳神経障害等の脳神経機能疾病の治療
薬としての用途が期待される。
eu−Ala−Val−Lys−Ala−Ala−Va
l−Ala・・・(I) で表される神経栄養因子様活性を有する新規なペプチ
ド。 【効果】 本発明のペプチドは、老人性痴呆症、アルツ
ハイマ−痴呆症、脳神経障害等の脳神経機能疾病の治療
薬としての用途が期待される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、神経栄養因子様の活性
を示す新規なペプチドに関するものである。
を示す新規なペプチドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】脳は多くのニュ−ロンやグリア細胞から
構成され、これらが相互に作用して複雑な機能を発現・
維持している。このようなニュ−ロンの分化およびその
機能と生存維持に関わる重要な因子の一つに神経栄養因
子(neurotrophicfactor)と総称さ
れる蛋白性の因子がある。
構成され、これらが相互に作用して複雑な機能を発現・
維持している。このようなニュ−ロンの分化およびその
機能と生存維持に関わる重要な因子の一つに神経栄養因
子(neurotrophicfactor)と総称さ
れる蛋白性の因子がある。
【0003】近年、中枢神経系において、神経成長因子
(NGF)やそのファミリ−を構成するいくつかの神経
栄養因子が発見されている(神経進歩,34巻4号,5
15〜523頁,1990年8月)。しかしながら、未
だそれらが作用するニュ−ロンは限られており、多種類
のニュ−ロンから構成される脳の機能を考慮するとき多
くの未知の因子が存在し作用していることが予想され
る。
(NGF)やそのファミリ−を構成するいくつかの神経
栄養因子が発見されている(神経進歩,34巻4号,5
15〜523頁,1990年8月)。しかしながら、未
だそれらが作用するニュ−ロンは限られており、多種類
のニュ−ロンから構成される脳の機能を考慮するとき多
くの未知の因子が存在し作用していることが予想され
る。
【0004】本発明者らは、先にこのような作用を持つ
新規なペプチドを提案し(特開平5−1098号公
報)、さらに新規な物質を提供すべく研究を進めた結
果、本発明を完成するに至った。
新規なペプチドを提案し(特開平5−1098号公
報)、さらに新規な物質を提供すべく研究を進めた結
果、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、脳の機能発
現、維持およびその修復のメカニズムを明らかにするこ
とを目的とし、その一環として新しい神経栄養因子を探
索してその構造および生理的役割を解明し、さらに脳神
経疾患の治療用として期待される新規な物質を提供しよ
うとするものである。
現、維持およびその修復のメカニズムを明らかにするこ
とを目的とし、その一環として新しい神経栄養因子を探
索してその構造および生理的役割を解明し、さらに脳神
経疾患の治療用として期待される新規な物質を提供しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するため、ラット脳の損傷部位から得られたタン
パク質の部分ペプチドを合成して、強い神経栄養因子様
の活性を有する新規なペプチドを見いだし、本発明を完
成した。即ち本発明の要旨は、下記(I)式
を解決するため、ラット脳の損傷部位から得られたタン
パク質の部分ペプチドを合成して、強い神経栄養因子様
の活性を有する新規なペプチドを見いだし、本発明を完
成した。即ち本発明の要旨は、下記(I)式
【0007】
【化2】Asp−Ala−Asp−Leu−Glu−L
eu−Ala−Val−Lys−Ala−Ala−Va
l−Ala・・・(I) のアミノ酸配列で表されることを特徴とする新規なペプ
チドに存する。以下、本発明につき詳細に説明する。
eu−Ala−Val−Lys−Ala−Ala−Va
l−Ala・・・(I) のアミノ酸配列で表されることを特徴とする新規なペプ
チドに存する。以下、本発明につき詳細に説明する。
【0008】本発明のペプチドは、上記(I)式の13
個のアミノ酸からなるアミノ酸配列で表され、以下に述
べる方法により得ることが出来る。例えば、ペプチドの
合成に常用される固相法によるペプチド合成法により行
うことが出来る。なお、以下の説明で用いる記号は各々
次のものを示す。MBHA樹脂:p−メチルベンツヒド
リルアミン樹脂;Boc:t−ブチルオキシカルボニル
基;Bzl:ベンジル基;Cl−Z:2−クロロベンジ
ルオキシカルボニル基;cHex:シクロヘキシル基。
個のアミノ酸からなるアミノ酸配列で表され、以下に述
べる方法により得ることが出来る。例えば、ペプチドの
合成に常用される固相法によるペプチド合成法により行
うことが出来る。なお、以下の説明で用いる記号は各々
次のものを示す。MBHA樹脂:p−メチルベンツヒド
リルアミン樹脂;Boc:t−ブチルオキシカルボニル
基;Bzl:ベンジル基;Cl−Z:2−クロロベンジ
ルオキシカルボニル基;cHex:シクロヘキシル基。
【0009】例えば、MBHA樹脂を自動ペプチド合成
機にセットし、これに予め製造されたBoc−Asp
(OcHex)−OH、Boc−Ala−OH、Boc
−Asp(OcHex)−OH、Boc−Leu−O
H、Boc−Glu(OBzl)−OH、Boc−Le
u−OH、Boc−Ala−OH、Boc−Val−O
H、Boc−Lys(Cl−Z)−OH、Boc−Al
a−OH、Boc−Ala−OH、Boc−Val−O
H、Boc−Ala−OHを供給して順次縮合させる。
次いで、得られる側鎖が保護されているH−Asp(O
cHex)−Ala−Asp(OcHex)−Leu−
Glu(OBzl)−Leu−Ala−Val−Lys
(Cl−Z)−Ala−Ala−Val−Ala−MB
HA樹脂をフッ化水素と反応させてすべての側鎖保護基
を除去すると共に、ペプチドをMBHA樹脂と切り離
す。
機にセットし、これに予め製造されたBoc−Asp
(OcHex)−OH、Boc−Ala−OH、Boc
−Asp(OcHex)−OH、Boc−Leu−O
H、Boc−Glu(OBzl)−OH、Boc−Le
u−OH、Boc−Ala−OH、Boc−Val−O
H、Boc−Lys(Cl−Z)−OH、Boc−Al
a−OH、Boc−Ala−OH、Boc−Val−O
H、Boc−Ala−OHを供給して順次縮合させる。
次いで、得られる側鎖が保護されているH−Asp(O
cHex)−Ala−Asp(OcHex)−Leu−
Glu(OBzl)−Leu−Ala−Val−Lys
(Cl−Z)−Ala−Ala−Val−Ala−MB
HA樹脂をフッ化水素と反応させてすべての側鎖保護基
を除去すると共に、ペプチドをMBHA樹脂と切り離
す。
【0010】本発明のペプチドは、後記実施例に具体的
に記載するように、極めて優れた神経栄養因子様活性を
示す。例えば、本発明のペプチド添加によるニュ−ロン
の生存維持作用を確認するために、生後ラットの中脳カ
テコ−ルアミンニュ−ロン(catecholamin
e neuron)の初代培養系を用い、このカテコ−
ルアミンニュ−ロンを抗チロシン水酸化酵素(tyro
sine hydro−xylase:TH)抗体で免
疫染色し、抗TH抗体陽性の細胞数を数える。その結果
から、多くのカテコ−ルアミンニュ−ロンが生存してい
ることが確認された。なお、カテコ−ルアミンニュ−ロ
ンはカテコ−ルアミンを神経伝達物質とするニュ−ロン
である。
に記載するように、極めて優れた神経栄養因子様活性を
示す。例えば、本発明のペプチド添加によるニュ−ロン
の生存維持作用を確認するために、生後ラットの中脳カ
テコ−ルアミンニュ−ロン(catecholamin
e neuron)の初代培養系を用い、このカテコ−
ルアミンニュ−ロンを抗チロシン水酸化酵素(tyro
sine hydro−xylase:TH)抗体で免
疫染色し、抗TH抗体陽性の細胞数を数える。その結果
から、多くのカテコ−ルアミンニュ−ロンが生存してい
ることが確認された。なお、カテコ−ルアミンニュ−ロ
ンはカテコ−ルアミンを神経伝達物質とするニュ−ロン
である。
【0011】また、本発明のペプチド添加によるニュ−
ロンの生存維持作用を、生後ラット脳の中隔野コリナ−
ジックニュ−ロン(cholinergicneuro
n)の初代培養系を用い、コリンアセチル基転移酵素
(以下、ChATと略記することがある)活性を指標と
して測定したところ、本発明のペプチドを添加しない場
合に比べて高い活性を示し、多くのコリナ−ジックニュ
−ロンが存在していることが確認された。なお、コリナ
−ジックニュ−ロンはアセチルコリンを神経伝達物質と
するニュ−ロンであり、ChAT活性はコリナ−ジック
ニュ−ロン固有のものである。
ロンの生存維持作用を、生後ラット脳の中隔野コリナ−
ジックニュ−ロン(cholinergicneuro
n)の初代培養系を用い、コリンアセチル基転移酵素
(以下、ChATと略記することがある)活性を指標と
して測定したところ、本発明のペプチドを添加しない場
合に比べて高い活性を示し、多くのコリナ−ジックニュ
−ロンが存在していることが確認された。なお、コリナ
−ジックニュ−ロンはアセチルコリンを神経伝達物質と
するニュ−ロンであり、ChAT活性はコリナ−ジック
ニュ−ロン固有のものである。
【0012】以上から明らかなように、本発明のペプチ
ドは優れた神経栄養因子様活性を有する。
ドは優れた神経栄養因子様活性を有する。
【0013】
1)H−Asp(OcHex)−Ala−Asp(Oc
Hex)−Leu−Glu(OBzl)−Leu−Al
a−Val−Lys(Cl−Z)−Ala−Ala−V
al−Ala−MBHA樹脂の製造:MBHA樹脂
0.79g(アミン含量 0.76mmol/g樹脂)
をバイオサ−チ社製9500型自動ペプチド合成機にセ
ットし、これにBoc−Asp(OcHex)−OH、
Boc−Ala−OH、Boc−Asp(OcHex)
−OH、Boc−Leu−OH、Boc−Glu(OB
zl)−OH、Boc−Leu−OH、Boc−Ala
−OH、Boc−Val−OH、Boc−Lys(Cl
−Z)−OH、Boc−Ala−OH、Boc−Ala
−OH、Boc−Val−OH、Boc−Ala−OH
を供給して順次縮合させて、上記の側鎖保護ペプチド−
MBHA樹脂 1.7gを得た。
Hex)−Leu−Glu(OBzl)−Leu−Al
a−Val−Lys(Cl−Z)−Ala−Ala−V
al−Ala−MBHA樹脂の製造:MBHA樹脂
0.79g(アミン含量 0.76mmol/g樹脂)
をバイオサ−チ社製9500型自動ペプチド合成機にセ
ットし、これにBoc−Asp(OcHex)−OH、
Boc−Ala−OH、Boc−Asp(OcHex)
−OH、Boc−Leu−OH、Boc−Glu(OB
zl)−OH、Boc−Leu−OH、Boc−Ala
−OH、Boc−Val−OH、Boc−Lys(Cl
−Z)−OH、Boc−Ala−OH、Boc−Ala
−OH、Boc−Val−OH、Boc−Ala−OH
を供給して順次縮合させて、上記の側鎖保護ペプチド−
MBHA樹脂 1.7gを得た。
【0014】2)フッ化水素処理:上記1)で得た側鎖
保護ペプチド−MBHA樹脂中の 0.85gを採取
し、これを蛋白質研究奨励会ペプチド研究所製のフッ化
水素反応装置にセットし、1.3mlのアニソ−ル、
0.2mlのエチルメチルスルヒド、0.2mlのエタ
ンジチオ−ルの存在下で8.5mlのフッ化水素と、0
℃で1時間反応させた。反応終了後、フッ化水素を減圧
下留去し、残留物を酢酸エチルで洗浄した後、2M酢酸
250mlで抽出処理して、H−Asp−Ala−As
p−Leu−Glu−Leu−Ala−Val−Lys
−Ala−Ala−Val−Ala−NH2 で表される
粗ペプチド295mgを得た。
保護ペプチド−MBHA樹脂中の 0.85gを採取
し、これを蛋白質研究奨励会ペプチド研究所製のフッ化
水素反応装置にセットし、1.3mlのアニソ−ル、
0.2mlのエチルメチルスルヒド、0.2mlのエタ
ンジチオ−ルの存在下で8.5mlのフッ化水素と、0
℃で1時間反応させた。反応終了後、フッ化水素を減圧
下留去し、残留物を酢酸エチルで洗浄した後、2M酢酸
250mlで抽出処理して、H−Asp−Ala−As
p−Leu−Glu−Leu−Ala−Val−Lys
−Ala−Ala−Val−Ala−NH2 で表される
粗ペプチド295mgを得た。
【0015】3)ペプチドの精製:上記2)で得た粗ペ
プチドの全量を30%酢酸40mlに溶解してセファデ
ックスG−25のカラム(内径5cm、長さ107c
m)にかけ、同じ溶媒を用いて溶出して目的物を含む画
分を集めた。この部分精製物の収量は204mgであっ
た。その中の100mgを10mlの水に溶解し、OD
S(オクタデシルシラン)をシリカに結合した逆相系の
カラム(内径2cm、長さ25cm)を用いたHPLC
により精製した。溶出は0.1%トリフルオロ酢酸中2
6%のアセトニトリルを用いて溶出し、ペプチドを含む
画分を集め最終目的物であるH−Asp−Ala−As
p−Leu−Glu−Leu−Ala−Val−Lys
−Ala−Ala−Val−Ala−NH2 で表される
ペプチド22mgを得た。
プチドの全量を30%酢酸40mlに溶解してセファデ
ックスG−25のカラム(内径5cm、長さ107c
m)にかけ、同じ溶媒を用いて溶出して目的物を含む画
分を集めた。この部分精製物の収量は204mgであっ
た。その中の100mgを10mlの水に溶解し、OD
S(オクタデシルシラン)をシリカに結合した逆相系の
カラム(内径2cm、長さ25cm)を用いたHPLC
により精製した。溶出は0.1%トリフルオロ酢酸中2
6%のアセトニトリルを用いて溶出し、ペプチドを含む
画分を集め最終目的物であるH−Asp−Ala−As
p−Leu−Glu−Leu−Ala−Val−Lys
−Ala−Ala−Val−Ala−NH2 で表される
ペプチド22mgを得た。
【0016】本物質の構造は、FAB−MSおよびアミ
ノ酸分析等により確認された。FAB−MS〔M+H〕
+ 1284、計算値(C56H97N15O19+H)128
4、Ala5.00(5) Leu2.17(2) V
al1.62(2) Asp2.13(2) Glu
1.02(1) Lys0.70(1) 〔神経栄養因子様活性の測定〕上記の方法で得た、配列
表の配列番号1に記載のアミノ酸配列((I)式)で表
されるペプチドの神経栄養因子様活性を以下の2つの方
法により測定した。
ノ酸分析等により確認された。FAB−MS〔M+H〕
+ 1284、計算値(C56H97N15O19+H)128
4、Ala5.00(5) Leu2.17(2) V
al1.62(2) Asp2.13(2) Glu
1.02(1) Lys0.70(1) 〔神経栄養因子様活性の測定〕上記の方法で得た、配列
表の配列番号1に記載のアミノ酸配列((I)式)で表
されるペプチドの神経栄養因子様活性を以下の2つの方
法により測定した。
【0017】1)中隔野を用いる方法 生後約2週間のラット脳の中隔野を用いた初代培養系を
使用して、次に述べる方法により、培養下のコリナ−ジ
ックニュ−ロンの生存の指標として、細胞抽出液のコリ
ンアセチル基転移酵素(ChAT)活性の変動を測定し
た。中隔野を実体顕微鏡下摘出してパパイン(プロテア
−ゼ)で消化し、これを5%の準胎児牛血清、5%の馬
血清、1%のラット血清および89%のDF(組織培
養)培地からなる培地上に約2×105 細胞/cm2 に
なるように播いて培養した。一日後この培地に、前記の
本発明のペプチドを、次の表1に示す量で各々別個に添
加して7日間培養したのち、0.1%トリトンX−10
0(ノニオン界面活性剤)を含む5mMのトリス塩酸緩
衝液(pH7.5)を添加して細胞を破壊し、得られた
細胞抽出液のChAT活性をフォンナム(Fonnu
m)法により測定した。なお、比較のために、本発明の
ペプチドを添加せず、血清のみを用いて培養し、同様に
処理して得た細胞抽出液のChAT活性を測定した。各
々のChAT活性は表1の通りであった。
使用して、次に述べる方法により、培養下のコリナ−ジ
ックニュ−ロンの生存の指標として、細胞抽出液のコリ
ンアセチル基転移酵素(ChAT)活性の変動を測定し
た。中隔野を実体顕微鏡下摘出してパパイン(プロテア
−ゼ)で消化し、これを5%の準胎児牛血清、5%の馬
血清、1%のラット血清および89%のDF(組織培
養)培地からなる培地上に約2×105 細胞/cm2 に
なるように播いて培養した。一日後この培地に、前記の
本発明のペプチドを、次の表1に示す量で各々別個に添
加して7日間培養したのち、0.1%トリトンX−10
0(ノニオン界面活性剤)を含む5mMのトリス塩酸緩
衝液(pH7.5)を添加して細胞を破壊し、得られた
細胞抽出液のChAT活性をフォンナム(Fonnu
m)法により測定した。なお、比較のために、本発明の
ペプチドを添加せず、血清のみを用いて培養し、同様に
処理して得た細胞抽出液のChAT活性を測定した。各
々のChAT活性は表1の通りであった。
【0018】
【表1】 ───────────────────────── ペプチドの添加量 ChAT活性 (ng/ml) (ピコモル/分/ウェル) ──────────────────────── 0.0 0.40 0.5 0.67* 1.0 0.59 5.0 0.71* 10.0 0.63 50.0 0.93 ──────────────────────── *:ペプチド添加量 0に比し、student t−
検定でp<0.05で有意差あり。
検定でp<0.05で有意差あり。
【0019】なお、培養には48ウェルプレ−ト(コス
タ−社製)を使用した。表1から明らかなように、本発
明のペプチドの存在下で培養した場合のChAT活性
は、本発明のペプチドの不在下で培養した場合に比べて
ほぼ用量依存的に増大し、より多くのコリナ−ジックニ
ュ−ロンが生存していることを示している。
タ−社製)を使用した。表1から明らかなように、本発
明のペプチドの存在下で培養した場合のChAT活性
は、本発明のペプチドの不在下で培養した場合に比べて
ほぼ用量依存的に増大し、より多くのコリナ−ジックニ
ュ−ロンが生存していることを示している。
【0020】2)中脳を用いた測定 生後約2週間のラット脳の中脳下部を用いた初代培養系
を用い、次に述べる方法により培養下のカテコ−ルアミ
ンニュ−ロンの生存の指標として、培養ウェル中のド−
パミンニュ−ロンの数を抗チロシン水酸化酵素(TH)
抗体による染色で測定した。
を用い、次に述べる方法により培養下のカテコ−ルアミ
ンニュ−ロンの生存の指標として、培養ウェル中のド−
パミンニュ−ロンの数を抗チロシン水酸化酵素(TH)
抗体による染色で測定した。
【0021】中脳下部を上記1)と同様にパパインで消
化し、次いで1)と同一の血清培地を用い、本発明のペ
プチドを次の表2に示す量で夫々別個に7日間培養し、
次いで細胞を4%パラホルムアルデヒドを含む生理塩リ
ン酸緩衝液(PBS)で固定し、5%ヤギ血清及び0.
1%トリメンX−100を含むPBSで膜を透過させ、
モノクローナル抗チロシン水酸化酵素(TH)抗体と反
応させた。その後、パーオキシダーゼ結合抗マウスIg
G抗体、パーオキシダーゼ結合パーオキシダーゼ抗体で
標識し、ジアミノベンチジンにより発色させ、染色され
た細胞数を測定した。なお、比較のために、本発明のペ
プチドを添加せず血清のみを用いて培養し、同様に処理
して得られた抗TH抗体陽性の細胞数を測定した。各々
の抗TH抗体陽性ニューロン数は表2に示す通りであ
る。
化し、次いで1)と同一の血清培地を用い、本発明のペ
プチドを次の表2に示す量で夫々別個に7日間培養し、
次いで細胞を4%パラホルムアルデヒドを含む生理塩リ
ン酸緩衝液(PBS)で固定し、5%ヤギ血清及び0.
1%トリメンX−100を含むPBSで膜を透過させ、
モノクローナル抗チロシン水酸化酵素(TH)抗体と反
応させた。その後、パーオキシダーゼ結合抗マウスIg
G抗体、パーオキシダーゼ結合パーオキシダーゼ抗体で
標識し、ジアミノベンチジンにより発色させ、染色され
た細胞数を測定した。なお、比較のために、本発明のペ
プチドを添加せず血清のみを用いて培養し、同様に処理
して得られた抗TH抗体陽性の細胞数を測定した。各々
の抗TH抗体陽性ニューロン数は表2に示す通りであ
る。
【0022】
【表2】 ───────────────────────── ペプチドの添加量 抗TH抗体陽性ニュ−ロンの数 (ng/ml) (ニュ−ロン数/ウェル) ───────────────────────── 0.0 159.5 0.5 150.5 1.0 184.5 5.0 221.0* 10.0 209.0* ───────────────────────── *:ペプチド添加量 0に比し、student t−
検定でp<0.05で有意差あり。
検定でp<0.05で有意差あり。
【0023】表2から明らかなように、本発明のペプチ
ドの存在下で培養した場合の生存カテコ−ルアミンニュ
−ロン数(抗TH抗体陽性ニュ−ロン数)は、本発明の
ペプチドの不在下で培養した場合に比べて遙かに多かっ
た。
ドの存在下で培養した場合の生存カテコ−ルアミンニュ
−ロン数(抗TH抗体陽性ニュ−ロン数)は、本発明の
ペプチドの不在下で培養した場合に比べて遙かに多かっ
た。
【0024】
【発明の効果】本発明の新規ペプチドは、以上に述べた
ように、コリナージックニューロンの生存維持に対し
て、ほぼ用量依存的に作用し、培養下のコリナージック
ニューロンのChAT活性を高いレベルに維持する。ま
た、カテコ−ルアミンニュ−ロンの生存維持に対しても
ほぼ用量依存的に作用し、培養下のカテコ−ルアミンニ
ュ−ロンのカテコ−ルアミン量を高いレベルに維持す
る。以上から、本発明の新規ペプチドは、例えば老人性
痴呆症、アルツハイマ−痴呆症、脳神経障害等の脳神経
機能疾病の治療薬としての用途が期待される。
ように、コリナージックニューロンの生存維持に対し
て、ほぼ用量依存的に作用し、培養下のコリナージック
ニューロンのChAT活性を高いレベルに維持する。ま
た、カテコ−ルアミンニュ−ロンの生存維持に対しても
ほぼ用量依存的に作用し、培養下のカテコ−ルアミンニ
ュ−ロンのカテコ−ルアミン量を高いレベルに維持す
る。以上から、本発明の新規ペプチドは、例えば老人性
痴呆症、アルツハイマ−痴呆症、脳神経障害等の脳神経
機能疾病の治療薬としての用途が期待される。
【0025】
配列番号:1 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Ala Asp Leu Glu Leu Ala Val Lys Ala Ala Val Ala 13 1 5 10
Claims (1)
- 【請求項1】 下記(I)式 【化1】Asp−Ala−Asp−Leu−Glu−L
eu−Ala−Val−Lys−Ala−Ala−Va
l−Ala・・・(I) のアミノ酸配列で表されることを特徴とするペプチド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5286859A JPH07138289A (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 新規なペプチド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5286859A JPH07138289A (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 新規なペプチド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07138289A true JPH07138289A (ja) | 1995-05-30 |
Family
ID=17709954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5286859A Pending JPH07138289A (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 新規なペプチド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07138289A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1169048A2 (en) * | 1998-07-06 | 2002-01-09 | Glenn D. Prestwich | Hyaluronic acid mimics and methods related thereto |
-
1993
- 1993-11-16 JP JP5286859A patent/JPH07138289A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1169048A2 (en) * | 1998-07-06 | 2002-01-09 | Glenn D. Prestwich | Hyaluronic acid mimics and methods related thereto |
EP1169048A4 (en) * | 1998-07-06 | 2002-07-17 | Glenn D Prestwich | ANALOGS OF HYALURONIC ACID AND RELATED METHODS OF USE |
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