JPH0713826U - ハンガシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ハンガユニットがレール間を上昇移動する際に
ハンガユニットが後続のハンガユニットと衝突するのを
防止することのできるハンガシステムを提供することを
目的とする。 【構成】傾斜した複数のレール１，２と、該傾斜したレ
ール上を走行可能なローラ４と、該ローラに取り付けら
れたハンガユニット６と、前記ローラの回転を阻止しな
がら該ローラを前記レール間で搬送するハンガユニット
上昇装置を備え、該ハンガユニット上昇装置は、ハンガ
ユニットの下端が走行方向の前方に位置するときに該ハ
ンガユニットの自重による回転を阻止することを特徴と
するハンガシステム。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は縫製品のパーツ等の搬送に用いるハンガシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

たとえば縫製工場等において、縫製工程を複数の工程に分け、各工程を異なる 縫製ステーションで行なう場合、パーツをそれぞれの縫製ステーション間で搬送 する必要がある。

【０００３】 このため、作業者の頭上に下り傾斜のレールを設け、該レール上を自重落下す るハンガユニットへパーツを把持させるハンガシステムが用いられている。

【０００４】 図６はハンガシステムの従来例を示す。下り傾斜のレール１，２が複数配置さ れ、このレール１上を転がるローラ４にハンガユニット６が取り付けられている 。自重によりレール１上を移動するハンガユニット６は図示しないストッパによ り縫製位置Ｐに停止する。エスケープメント８は、ハンガユニット６を１個ずつ 縫製位置Ｐへ移動させることにより、複数のハンガユニット６が縫製位置Ｐに停 止しないようにするためのものである。縫製位置Ｐにて作業者がハンガユニット ６に把持されているパーツ１０を縫製し、該縫製作業が終了した後、（Ｂ）に示 すようにスイングアーム１２によりローラ４を上昇させて次のレール２へ搬送す る。

【０００５】 図７はハンガシステムの他の従来例を示す。下り傾斜のレール１，２の間に上 昇レール３が配置され、該上昇レール上に図示しないモータにより回転するベル ト１４を設け、（Ｂ）に示すように、このベルト１４によりローラ４を上昇させ て次のレールに搬送する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 上記の従来技術のハンガシステムにおいては、ハンガユニット６を下り傾斜の レール１，２間を搬送させる際にローラ４部分を移動させているので、該ローラ ４が上昇運動の支点となる。従って、ローラ４が先に上昇し、ハンガユニット６ 下部が遅れて移動し始める。このため、図６（Ｂ）及び図７（Ｂ）に示すように ハンガユニット６下部が縫製位置Ｐ付近に残っている間にエスケープメント８か ら次のハンガユニット６が搬送されてくるので、ハンガユニット６同士が衝突し 、不具合を生じることがある。

【０００７】 従って、本考案の目的は、ハンガユニット６がレール１，２間を上昇移動する 際にハンガユニット６が後続のハンガユニットと衝突するのを防止することので きるハンガシステムを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案によるハンガシステムは、傾斜した複数のレ ールと、該傾斜したレール上を走行可能なローラと、該ローラに取り付けられた ハンガユニットと、前記ローラの回転を阻止しながら該ローラを前記レール間で 搬送するハンガユニット上昇装置を備え、該ハンガユニット上昇装置は、ハンガ ユニットの下端が走行方向の前方に位置するときに該ハンガユニットの自重によ る回転を阻止することを特徴とする。

【０００９】 前記ハンガユニット上昇装置は前記ローラを搬送する際、ハンガユニットの下 端が走行方向の後方に位置するときに該ハンガユニットを自重により回転させる ことが好ましい。

【００１０】

【作用】

ハンガユニット上昇装置によりローラを傾斜したレール間で搬送する際、ハン ガユニットの下端が走行方向の前方に位置するときに該ハンガユニットの回転を 阻止するようにローラの回転を阻止する。従って、該ハンガユニットの下端が後 方に触れないので後続のハンガユニットとの衝突を防止することができる。

【００１１】 なお、ハンガユニット上昇装置がローラを搬送する際、ハンガユニットの下端 が走行方向の後方に位置するときに該ハンガユニットの下端を前方に回転させる ようにすることにより、該ハンガユニットの下端が後方に位置することがなくな るので、後続のハンガユニットとの衝突を確実に防止することができる。

【００１２】

【実施例】

以下、図面に示した実施例に基づいて本考案の一実施例を説明する。

【００１３】 図１〜図５は本考案のハンガシステムの一実施例の正面図である。

【００１４】 これらの図において、１は下り傾斜のレールであり、該レール１上をハンガユ ニット６の上端にワンウェイクラッチ１６を介して取り付けられたローラ４が転 がり移動する。このワンウェイクラッチ１６は、ローラ４を正方向（図面時計方 向）にのみ回転させ、逆方向（図面反時計方向）の回転を防止する。

【００１５】 １８はスイングアームであり、図示しない駆動手段により支点２０を中心とし て回転可能とされている。このスイングアーム１８にはエアシリンダ２２が取り 付けられており、該エアシリンダ２２のロッドに上チャック２４が支点２６を中 心に回転可能に取り付けられている。ばね２８を介してスイングアーム１８に設 けられた土台３０がこの支点２６を中心として回転可能にされている。土台３０ の中央にはストッパ３２が固定され、下端付近には下チャック３４が支点３６を 中心として回転可能に取り付けられている。

【００１６】 ローラ４がハンガユニット６の自重によりレール１上を落下し、図１に示すよ うに、下チャック３４上に乗る。このときローラ４はフリー状態なのでハンガユ ニット６はＡＢ方向への回転運動が可能な状態となっている。（Ａ方向の回転は ローラ軸にて、Ｂ方向の回転はローラ４とチャック２４，３４間でなされる）。 ローラ４及びハンガユニット６がこの位置にあるときにハンガユニット６の下端 に把持された図示しないパーツが作業者により縫製される。縫製作業が終了する と、ハンガユニット６を次のレールへ搬送するために図示しない手押スイッチ等 を押す。

【００１７】 上記手押スイッチ等により、エアシリンダ２２が作動してロッドを押し出し、 図２に示すように上チャック２４が支点２６を中心として反時計方向に回転し、 ローラ４が上チャック２４と下チャック３４の間にチャックされる。従って、ロ ーラ４は回転不能となる。ワンウェイクラッチ１６の働きにより、ローラは逆方 向の回転を防止されているので、ハンガユニット６はローラを中心としてＡ方向 には回転するがＢ方向には回転しない状態となる。

【００１８】 さらにエアシリンダ２２のロッドが押し出されると図３に示すように、土台３ ０が支点２６を中心として反時計方向に回転し、ストッパ３２がスイングアーム １８に当接して停止する。このときばね２８は伸びた状態となっている。ローラ ４は上チャック２４と下チャック３４の間にチャックされているので土台３０と 共に反時計方向に回転する。従って、ハンガユニット６全体もローラ４を中心と して反時計方向（Ａ方向）に回転し、この回転はストッパ３２がスイングアーム １８に当接して停止するまで続く。このときワンウェイクラッチ１６の働きによ り、ハンガユニット６はＢ方向には回転しないので、傾斜したまま停止している 。

【００１９】 次に図４に示すようにスイングアーム１８が支点２０を中心として時計方向に 回転する。ローラ４が次のレール２上まで上昇するとエアシリンダ２２のロッド が引き込まれ、ばね２８が縮み、土台３０が支点２６を中心に時計方向に回転す る。このとき、ハンガユニット６がローラ４の垂直下方よりも右側にあるときは 回転せずワンウェイクラッチ１６により固定されている。また、左側にあるとき はワンウェイクラッチ１６が働かないので、自重により垂直になろうとする方向 （反時計方向）に回転する。

【００２０】 図２に示す状態から図４に示す状態に到るまで、ローラ４が上チャック２４と 下チャック３４の間にチャックされているので、ハンガユニット６が時計方向（ Ｂ方向）に回転しない。従って、ハンガユニット６下部の後方（図面左方）への 揺れが発生しない。なお、図３を参照して説明したように、縫製位置でローラ４ をチャックする際に、ハンガユニット６が反時計方向に傾斜するようにローラ４ を回転させた状態でチャックするのは、図４に示したスイングアーム１８の回転 時にハンガユニット６の下部がローラ４より後方へ位置するのを確実に防止する ためである。

【００２１】 図４の状態からさらにエアシリンダ２２のロッドが引き込まれ、図５に示すよ うに上チャック２４が支点２６を中心に時計方向に回転するので、ローラ４はレ ール２上を転がり始める。

【００２２】 以上、本考案のハンガユニット上昇装置を図面に示した実施例に基づいて説明 したが、本考案はこの実施例には限定されず種々変形可能である。例えば、ロー ラ４を正方向にのみ回転させるためにワンウェイクラッチ１６を用いる代わりに 同様な機能を有する他の手段を用いることができる。

【００２３】

【考案の効果】

本考案によれば、ハンガユニットがレール間を上昇移動する際にハンガユニッ トが後続のハンガユニットと衝突するのを防止することのできるハンガシステム が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のハンガシステムの一実施例の正面図で
あり、ローラがスイングアーム上に乗った状態を示す。

【図２】本考案のハンガシステムの一実施例の正面図で
あり、ローラがチャックされた状態を示す。

【図３】本考案のハンガシステムの一実施例の正面図で
あり、チャック部が回転する状態を示す。

【図４】本考案のハンガシステムの一実施例の正面図で
あり、スイングアームが上昇した状態を示す。

【図５】本考案のハンガシステムの一実施例の正面図で
あり、ローラが開放された状態を示す。

【図６】ハンガシステムの従来例を示す。

【図７】ハンガシステムの他の従来例を示す。

【符号の説明】

１，２ レール ３ 上昇レール ４ ローラ ６ ハンガユニット ８ エスケープメント １０ パーツ １２ スイングアーム １４ ベルト １６ ワンウェイクラッチ １８ スイングアーム ２０ 支点 ２２ エアシリンダ ２４ 上チャック ２６ 支点 ２８ ばね ３０ 土台 ３２ 支点 ３４ 下チャック ３６ 支点

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】傾斜した複数のレールと、該傾斜したレー
   ル上を走行可能なローラと、該ローラに取り付けられた
   ハンガユニットと、前記ローラの回転を阻止しながら該
   ローラを前記レール間で搬送するハンガユニット上昇装
   置を備え、該ハンガユニット上昇装置は、ハンガユニッ
   トの下端が走行方向の前方に位置するときに該ハンガユ
   ニットの自重による回転を阻止することを特徴とするハ
   ンガシステム。
2. 【請求項２】請求項１記載のハンガシステムにおいて、
   前記ハンガユニット上昇装置は前記ローラを搬送する
   際、ハンガユニットの下端が走行方向の後方に位置する
   ときに該ハンガユニットを自重により回転させることを
   特徴とするハンガシステム。