JPH07137652A - 動力舵取装置の操舵力制御装置 - Google Patents

動力舵取装置の操舵力制御装置

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Publication number
JPH07137652A
JPH07137652A JP31110193A JP31110193A JPH07137652A JP H07137652 A JPH07137652 A JP H07137652A JP 31110193 A JP31110193 A JP 31110193A JP 31110193 A JP31110193 A JP 31110193A JP H07137652 A JPH07137652 A JP H07137652A
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JP
Japan
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spool
reaction force
hydraulic
pressure
pressure oil
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Application number
JP31110193A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Koike
哲也 小池
Ikuo Nomura
郁夫 野村
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Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧反力制御用スプールバルブでのスプール
の軸線方向の作動性を改善して反力圧特性のヒステリシ
スをなくし、操舵力特性の安定化を図る。 【構成】 ポンプPからの圧油を油圧反力室15への反
力油圧を得る油圧反力制御用スプールバルブ13を有す
る。このスプールバルブを構成するバルブ孔28内壁に
は、ポンプ側の供給ポート22、油圧反力室側の反力ポ
ート23、タンク側の排出ポート24が開口している。
このバルブ孔内で摺動自在なスプール30に、各ポート
間を可変絞りとして選択的に連通するテーパ状チャンフ
ァ部を有する供給側、排出側ランド部34,36を設け
る。各ランド部でのチャンファ部34a,36aを通る
圧油の流れを、各チャンファ部の隙間空間が徐々に減少
する絞り方向とする圧油通路40を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動力舵取装置において油
圧反力機構を車輌の走行速度、操舵角度等といった各種
走行条件に応じて制御し所要の操舵力を得るための操舵
力制御装置に関し、特にその油圧反力制御用として用い
られるスプールバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のハンドル操作力(操舵力)を軽
減するための動力舵取装置において、車輌の走行速度や
操舵角度等といった各種走行条件に応じた操舵力制御
を、油圧反力機構を利用して行なう操舵力制御装置が、
従来から種々提案されている。すなわち、車輌停車時や
低速走行時には反力油圧を最小限とし軽快な操舵操作を
可能とし、高速走行時には反力油圧を増大させてハンド
ルに剛性感をもたせ、直進時の安定性を確保し得るよう
にするという操舵力制御を、動力舵取装置における入、
出力軸間を、反力油圧の大きさに応じて選択的に拘束す
る反力プランジャによって、相対的に回動させたり拘束
したりすることで行なうものであった。
【0003】この種の油圧反力機構として、反力油圧を
ポンプから流路切換弁を介してパワーシリンダに至る主
油圧通路の一部から分流して用い、これを油圧反力制御
用のスプールバルブにて制御し、反力プランジャを動か
すための油圧反力室に導く構成としたものが、たとえば
特開昭61−105273号公報、特開昭61−132
466号公報、特開昭63−68467号公報等によっ
て従来から種々提案されている。
【0004】このような従来装置では、油圧反力制御用
のスプールバルブを、車速センサ、さらに舵角センサや
トルクセンサ等からの検出信号によりコントローラから
の出力電流で所要の作動力を発生させ得るソレノイドコ
イルやステッピングモータ等の電気的なアクチュエータ
を用いて作動させ、これによって油圧反力機構を電子制
御により適切かつ確実に作動させ、車速や操舵状況に応
じた操舵力制御を所要の状態で行なえるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した油
圧反力を用いて操舵力制御を行なう従来装置において、
油圧反力制御用のスプールバルブ1は、図6に示したよ
うに、適宜の位置にランド部3,4を備えたスプール2
と、これを摺動自在に保持するハウジングまたはスリー
ブによるバルブ孔5と、このバルブ孔5の適宜の位置に
開口されポンプPからの圧油を導く供給ポート6、油圧
反力室に接続される反力ポート7、さらにタンクT側に
圧油を還流させる排出ポート8と、これら各ポート6,
7,8を選択的に接続するようにスプール2を摺動動作
させるアクチュエータ(ソレノイドsol.)等によって構
成されるが、この場合に以下のような問題を生じてい
る。
【0006】すなわち、上述した油圧反力制御用スプー
ルバルブ1では、スプールバルブを構成するバルブ孔5
の両端側に、ポンプP側の供給ポート6とタンクT側の
排出ポート8とを開口させるとともに、これら両ポート
6,8間に油圧反力室に至る反力ポート7を開口させて
いる。そして、この反力ポート7を、供給ポート6側、
排出ポート8側との間のランド部3,4により適宜接続
または遮断したり、この反力ポート7を介して前記供給
ポート6、排出ポート8を連通させ得るような構成とし
ている。
【0007】この場合において、各ポート6,8;7間
を選択的に接続する供給側、排出側のランド部3,4に
は、締切り作動時、開作動時に徐々に油圧通路が閉じた
り、開いたりするような可変絞りを形成するためのチャ
ンファ部3a,4aが形成されている。このようなチャ
ンファ部3a,4aは、供給側、排出側共、反力ポート
7側の端部が、バルブ孔5内壁に対し最も接近しかつ各
ポート6,8に近づく程、孔5内壁に対しての間隔が広
がるようなテーパ面形状で形成されていた。
【0008】また、このようなスプールバルブ1では、
供給ポート6によりポンプPから流入する圧油は、供給
側ランド部3のチャンファ部3aによる可変絞りを介し
て反力ポート7側に流れるとともに、この反力ポート7
から排出側ランド部4のチャンファ部4aによる可変絞
りを経て排出ポート8側に至り、タンクT側に還流され
ている。そして、これら供給側、排出側の可変絞り間で
の圧力が反力圧として取出されるようになっている。
【0009】このような従来構造によるスプールバルブ
1にあっては、圧油が、供給側ランド部3におけるチャ
ンファ部3aではバルブ孔5内壁との間の隙間が大きい
方から小さい方に流れる一方、排出側ランド部4のチャ
ンファ部4aでは前記隙間が小さい方から大きい方に流
れることになる。
【0010】そして、この圧油の流れによって、供給側
では調心方向へのフローフォースが働く一方、排出側で
は偏心方向へのフローフォースが働くことになる。すな
わち、バルブ孔5内壁とスプールランド部3,4との間
にチャンファ部3a,4aによるテーパ面によって、流
路が拡大したり縮小したりする間隙があると、圧油の流
れ方向によっては、スプール2をバルブ孔5内で偏心さ
せる力あるいは調心させる力が発生するためであった。
【0011】そして、上述した排出側のランド部4での
チャンファ部4aを圧油が流れると、流れの方向に対し
て流路断面積が拡大するようなテーパ面であることか
ら、スプール2に対し偏心方向への作用力を与える流れ
を生じてしまい、結果としてスプール2のバルブ孔5内
での動きが妨げられ、軸線方向での作動性の面で問題を
生じてしまうものであった。
【0012】換言すれば、上述した従来のスプールバル
ブ1では、スプール2において供給側、排出側ランド部
3,4でのチャンファ部3a,4aのいずれか一方、ま
たは両方が圧油の流れ方向において圧力降下方向に流路
が拡大するテーパとなっており、このためスプール2に
対し偏心方向への力が作用することを避けられない。こ
れにより、スプール2とバルブ孔5内壁との間でフリク
ションを発生し、作動上で、つまり反力圧特性上でヒス
テリシスを生じ、操舵力特性に悪影響を与えてしまうも
のであった。
【0013】上述したフリクションは、そのまま反力圧
特性に反映され、操舵力特性上でのヒステリシスが、図
7から明らかなように、入口圧(ポンプPからの供給ポ
ート圧)と反力圧との関係から明らかなように大きくな
るものであった。
【0014】特に、バルブ孔5内においてスプール2に
対しての油圧的なバランスが悪くなり、スプール2がバ
ルブ孔5内で僅かでも偏心すると、ステック等を生じる
ことを避けられないもので、このような不具合を解決し
得る何らかの対策を講じることが望まれている。
【0015】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、油圧反力制御用スプールバルブにおいてスプー
ルのランド部に形成されるテーパ状チャンファ部とポン
プ側の供給ポート、タンク側の排出ポートおよび油圧反
力室側の反力ポートの位置関係や各部での圧油の流れ方
向等に配慮し、スプールへの偏心方向への作用力やこれ
に伴なうフリクションの影響を軽減し、このスプールバ
ルブによる反力圧特性でのヒステリシスを低減し、これ
により所要の操舵力特性を安定して得ることが可能とな
る動力舵取装置の操舵力制御装置を得ることを目的とし
ている。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係る動力舵取装置の操舵力制御装置は、
ポンプからの圧油を車輌の走行条件に応じて制御するこ
とで操舵反力を発生させる油圧反力室への反力油圧を得
る油圧反力制御用のスプールバルブを構成するスプール
において、ポンプからの供給ポート、油圧反力室に接続
される反力ポート、タンク側への排出ポート間を連通、
遮断するためのランド部に可変絞り機能をもつようにテ
ーパ状に形成されるチャンファ部での圧油の流れを、各
チャンファ部での隙間空間が徐々に減少する方向、つま
り流路断面積が大きい方から小さい方に向かう絞り方向
となるような圧油通路を、スプール内あるいはバルブ孔
を有するボディ側に形成したものである。
【0017】
【作用】本発明によれば、スプールバルブにおいて供給
ポート、排出ポートおよび反力ポート間で流れる圧油
が、各ポート間を選択的に連通、遮断するランド部にお
いて可変絞りを構成するテーパ状のチャンファ部であっ
て、その隙間空間が徐々に減少する方向、つまり流路断
面積が大きい方から小さい方に向かう絞り方向となるよ
うに構成され、これとは逆の圧力降下方向への流れは生
じないことから、スプールに対し常に調心方向への力の
みが働き、偏心方向への力は作用せず、その結果無用な
フリクションを防ぎ、スプールの動きの適正化を図り、
これにより所要の油圧反力を得て適切な操舵力特性を得
ることが可能となる。
【0018】
【実施例】図1ないし図4は本発明に係る動力舵取装置
の操舵力制御装置の一実施例を示すものであり、これら
の図においては油圧反力制御を行なう操舵力制御装置を
構成するスプールバルブ機構部およびこれに関連する油
圧回路部分のみを示し、それ以外の構成は省略する。
【0019】図中10は動力舵取装置における操舵力制
御装置で、この操舵力制御装置10は、ハウジング11
内部に形成したバルブ組込み孔12内に組み込まれてな
る操舵反力制御用のスプールバルブ13と、このスプー
ルバルブ13の作動制御用アクチュエータとなる電磁ソ
レノイド(sol.)14等によって構成されている。
【0020】ここで、図中15は図示を省略した動力舵
取装置の入、出力軸間に操舵反力を与える反力ピストン
に油圧反力を作用させる油圧反力室、Pは動力舵取装置
におけるコントロールバルブやパワーシリンダ(図中P
Sで示す)に圧油を供給するオイルポンプ、Tはタンク
である。
【0021】20は前記バルブ組込み孔12内に嵌挿し
て配置されスプールバルブ13を構成するスリーブで、
このスリーブ20は、バルブ組込み孔12の一方の開口
端を閉塞するプラグ21のねじにより軸線方向に移動調
整可能に設けられている。なお、このスリーブ20の外
周部には、軸線方向の三個所に環状溝20a,20b,
20cが形成され、ハウジング11側に設けられている
ポンプPからの圧油供給ポート22、油圧反力室15へ
の反力ポート23、タンクTに至る排出ポート24と接
続されるようになっている。
【0022】また、このスリーブ20の内壁面で軸線方
向の略中央部分には、前記反力ポート23と連通され油
圧反力室15への反力油圧が導入される環状溝25と、
その軸線方向の両端側で前記供給ポート22、排出ポー
ト24に接続される環状溝26,27とを有するバルブ
孔28が形成されている。
【0023】30は上述したスリーブ20によるバルブ
孔28内で摺動動作可能に設けられたスプールで、この
スプール30の外周部には前記スリーブ20側の環状溝
25と両端側の環状溝26,27に対応する環状溝3
1;32,33が形成され、かつこれら間に介在される
第1、第2のランド部34,35が設けられている。
【0024】そして、従来は、これら第1、第2のラン
ド部34,35に、流路断面積をスプール30の動きに
伴って徐々に増大または減少するための可変絞りを構成
するチャンファ部を形成し、これにより前記環状溝3
2,31;31,33間を選択的に連通、遮断すること
で所要の油圧反力を得られるように構成しているが、こ
の場合に圧油の流れとチャンファ部での傾きによる流路
断面積の増減との関係によっては、圧力降下方向への圧
油の流れが生じ、スプール30に対し偏心方向への力が
作用するという問題を生じていたことに鑑み、次のよう
な構成を採用している。
【0025】すなわち、本発明によれば、上述したよう
なスプールバルブ13のスプール30において、第2の
ランド部35、排出ポート24に接続される環状溝33
のさらに端部寄りに、図1および図3に示すように、第
3のランド部36を介して環状溝37を形成するととも
に、この環状溝37をスプール30内部に形成した圧油
通路40;40a,40bによって、反力ポート23側
の環状溝31に連通させている。
【0026】さらに、前記第1のランド部34とこの第
3のランド部36とに、ポンプPから油圧反力室15、
油圧反力室15からタンクTへの圧油の流れが生じ、し
かもこれらの部分での圧油の流れが、各ランド部34,
36において圧油を選択的に連通して流す可変絞りとな
るように形成されるテーパ状のチャンファ部34a,3
6aでの隙間空間が徐々に減少する方向、つまり流路断
面積が大きい方から小さい方に向かう絞り方向となるよ
うな圧油通路40を、スプール30内等に形成したとこ
ろに特徴を有している。
【0027】換言すれば、本発明では、スプールバルブ
13でのスプール30のランド部34,36に形成され
るテーパ状チャンファ部34a,36aでの圧油の流れ
によるフローフォースを、従来のような偏心方向ではな
く、バルブ調心側に作用させるために、ランド部の数、
通路の形成状態等を変更し、圧油の流れ方向をスプール
30の全個所において、絞り方向つまりスプール30に
常に調心方向への力を作用させるようにする圧油通路と
したものである。
【0028】このようにすれば、油圧通路40の存在に
よって、スプールバルブ13において供給ポート22、
排出ポート24および反力ポート23間で流れる圧油
が、各ポート22,23;23,24間を選択的に連
通、遮断するランド部34,36において可変絞りを構
成するテーパ状のチャンファ部34a,36aであっ
て、その隙間空間が徐々に減少する方向、つまり流路断
面積が大きい方から小さい方に向かう絞り方向となるよ
うになっており、従来のようにこれとは逆の圧力降下方
向への流れは生じないことから、スプール30に対し常
に調心方向への力のみが働き、偏心方向への力は作用せ
ず、その結果としてバルブ孔28との間での無用なフリ
クションを防ぎ、スプール30の動きの適正化を図り、
これにより所要の油圧反力を得て適切な操舵力特性を得
ることが可能となる。
【0029】ここで、本実施例では、上述したスプール
30の中心部分に、図1および図2から明らかなよう
に、ソレノイド14側が閉塞された軸孔部41を形成
し、これに有底筒状を呈するスリーブ42を嵌込むとと
もに、その開口端をキャップ43で閉塞し、かつ前記反
力ポート23側の環状溝31、新たに設けた環状溝37
を通路孔40a,40bで接続することにより、このス
リーブ42内を前記油圧通路40としている。
【0030】また、このスプール30の軸孔部41の内
周部には、図2から明らかなように、凹溝部44,44
が形成され、そのソレノイド14側はスプール30の端
部外周部に開口するように形成されている。そして、こ
れらの凹溝部44,44は、嵌込まれるスリーブ41と
の間でスプール30の両端側の室を連通する連通路を形
成する部分である。
【0031】ここで、前記第2のランド部35は仕切り
ランドとなる部分である。
【0032】なお、スプール30は、供給ポート22側
の一端部からばね手段であるコイルばね47により図中
右側(ソレノイド14側)への付勢力が与えられるとと
もに、タンクTに連通される排出ポート24側の他端部
には、このスプール30を車速等といった車輌の走行条
件に応じて前記コイルばね47と協働して進退動作させ
ることにより油圧反力室15への反力油圧を制御する電
気的アクチュエータとなる電磁ソレノイド14の可動ロ
ッド14a先端部が当接されている。
【0033】さらに、図中48は上述したコイルばね4
7の付勢力を調整する調整ロッドで、この調整ロッド4
8は、前記スプール30の一端部に対向した状態でプラ
グ21を貫通して螺入され、その内方端にコイルばね4
7の一端が係止されている。そして、この調整ロッド4
8の内方端が臨むプラグ21の内方端は凹設され、低圧
室49が形成されている。また、スプール30側の端部
は、ばね受け用の凹部として凹設されている。
【0034】さらに、上述した油圧反力制御用スプール
バルブ13において、各部の通路等間には、適宜のシー
ルリングが必要に応じて介在して設けられる。
【0035】以上の構成による油圧反力制御用スプール
バルブ13によれば、ポンプPからの圧油は、動力舵取
装置PSへの通路から分岐されて供給ポート22に導入
されることにより、ソレノイド14の突き出し量とコイ
ルばね47の付勢力とによって決定されるスプール30
の摺動位置により、第1、第2の可変絞り(ランド部3
4,36のチャンファ部34a,36aによる)の開口
量に応じて、油圧反力室15に反力油圧として導入され
るようになっている。勿論、この第1、第2の可変絞り
により油圧反力室15がタンクT側に接続されている
と、反力油圧が最小となる。
【0036】ここで、上述した構成において、ソレノイ
ド14は、車速が遅い時程、ロッド14aを図中左側に
突出させ、かつ車速の上昇に伴い図中右側に変位させる
ようになっており、据え切り時には、スプール30は最
も左側に移動し、第1の可変絞り(ランド部のチャンフ
ァ部34aによる)が閉じ切り、ポンプPからの圧油
を、油圧反力室15に導入しないようにしている。この
とき、第2の可変絞り(ランド部のチャンファ部36a
による)は開放され、油圧反力室15がタンクT側に接
続されて、油圧反力が実質的に零となるようにし、軽快
な操舵を行なえるようになっている。
【0037】一方、車速の上昇に応じてスプール30
は、据え切り状態から次第に右側に変位し、第1の可変
絞りが徐々に開放され、タンクT側の第2の可変絞りは
絞られる。これにより、油圧反力室15への反力油圧の
圧力比(油圧反力圧/PS圧)は車速の上昇に伴い増加
する。ここで、舵取ハンドルが操舵され、動力舵取装置
PS側の圧力(ポンプ圧)が上昇すると、油圧反力室1
5内の反力油圧は、設定された圧力比にしたがって上昇
し、所望の油圧反力が得られる。
【0038】そして、操舵による動力舵取装置PS側で
の圧力上昇に伴い、環状溝25での圧油圧力は、操舵を
行なう以前の圧力比に応じて上昇し始める。このような
状態では、スプール30は、コイルばね47に抗して左
行し、これによりポンプP側の第1の可変絞りを締め切
り、タンクT側の第2の可変絞りを開放し、環状溝2
5、さらには油圧反力室15での圧力を抑制する。この
ようなスプール30のコイルばね47に抗する左行は、
たとえばランド部34の外径をランド部35の外径より
大きくしたりすることにより、この外径差の部分に上述
した環状溝25部分での圧力を受圧することによって得
られる。なお、この状態を、動力舵取装置の供給圧(入
口圧)と油圧反力室15の圧力(反力圧)との関係で見
ると、後述する図4に示すような特性となる。
【0039】したがって、動力舵取装置PSの入口圧に
対する圧力比(反力圧/PS圧)が徐々に小さくなり、
操舵トルクの増大も抑えられ、現実に即した好ましい操
舵力制御が可能となる。
【0040】すなわち、以上の構成による油圧反力制御
用のスプールバルブ13によれば、可動ロッド14aの
動きでコイルばね47と協働してスプール30を作動さ
せることにより、油圧反力室15への反力油圧を制御す
るとともに、環状溝25内での圧力が上昇したときに、
スプール30が作動され、油圧反力室15での圧力上昇
を抑制するようになっている。
【0041】そして、このような実施例では、スプール
30のランド部34,36に形成されるテーパ状チャン
ファ部34a,36a部分を通る圧油の流れを、油圧通
路40の形成位置を調整することにより、常に調心方向
への力が作用するように構成し、これにより構造的には
簡単であるにもかかわらず、常にスプール30を調心状
態で保ち、ステックし難く、適切な操舵反力特性を、図
4から明らかなように、ヒステリシスを最小限とした所
要の状態での操舵力制御を行なえる。
【0042】なお、本発明は上述した実施例構造には限
定されず、動力舵取装置(パワーステアリング本体部)
を始めとして油圧反力機構等の操舵力制御装置10にお
ける各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることは
言うまでもない。
【0043】たとえば上述した実施例においては、油圧
通路40をスプール30の内部のみに形成し、ランド部
36でのチャンファ部36aを通ってタンクTに至る圧
油の流れを、絞り方向にしているが、本発明はこれに限
定されず、油圧通路やランド部のチャンファ部の形状、
圧油の流れ等として種々の変形例が考えられる。
【0044】たとえば図5に示すように、ハウジング1
1のバルブ組込み孔12内に配設されるスリーブ20の
外周部に環状溝またはスリットにより油圧反力室15か
らの油圧通路50を形成し、これを通路51を介してス
プール30の環状溝52に開口させ、これを前記チャン
ファ部46aを設けたランド部36を介してスリーブ2
0の内側の環状溝53、スプール30側の環状溝37、
さらにスプール内の通路40a,40,40bを経て、
タンクT側に至る通路24に、環状溝33等を介して接
続するように構成してもよいことは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る動力舵
取装置の操舵力制御装置によれば、ポンプからの圧油を
車輌の走行条件に応じて制御することで操舵反力を発生
させる油圧反力室への反力油圧を得る油圧反力制御用の
スプールバルブを構成するスプールにおいて、ポンプか
らの供給ポート、油圧反力室に接続される反力ポート、
タンク側への排出ポート間を連通、遮断するためのラン
ド部に可変絞り機能をもつようにテーパ状に形成される
チャンファ部での圧油の流れを、各チャンファ部での隙
間空間が徐々に減少する方向、つまり流路断面積が大き
い方から小さい方に向かう絞り方向となるような圧油通
路を、スプール内あるいはバルブ孔を有するボディ側に
形成したので、簡単な構造であるにもかかわらず、以下
のような種々優れた効果を奏する。
【0046】すなわち、油圧反力制御用スプールバルブ
において、供給ポート、排出ポートおよび反力ポート間
で流れる圧油が、各ポート間を選択的に連通、遮断する
ランド部において可変絞りを構成するテーパ状のチャン
ファ部であって、その隙間空間徐々に減少する絞り方向
となるように構成され、これとは逆の圧力降下方向への
流れは生じないことから、スプールに対し常に調心方向
への力のみが働き、偏心方向への力は作用せず、その結
果無用なフリクションを防ぎ、スプールの動きを円滑に
し、これにより所要の油圧反力を得て、適切で安定した
操舵力特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力舵取装置の操舵力制御装置の
一実施例を示し、油圧反力制御用のスプールバルブの概
略構成を油圧回路を含めて示す要部断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1の要部構成を示す模式化した概略図であ
る。
【図4】本発明装置による入力圧に対する反力圧特性を
示す特性図である。
【図5】本発明の別の実施例を示す模式化した概略図で
ある。
【図6】従来装置における要部構成を示す概略断面図で
ある。
【図7】従来装置での入力圧に対する反力圧特性を示す
特性図である。
【符号の説明】
10 操舵力制御装置 11 ハウジング 12 バルブ組込み孔 13 油圧反力制御用スプールバルブ 14 電磁ソレノイド(sol.;電気的アクチュエー
タ) 14a 可動ロッド 15 油圧反力室 20 スリーブ 21 プラグ 22 供給ポート 23 反力ポート 24 排出ポート 25 環状溝 26 環状溝 27 環状溝 30 スプール 31 環状溝 32 環状溝 33 環状溝 34 第1のランド部 34a テーパ状チャンファ部 35 第2のランド部 36 第3のランド部 36a テーパ状チャンファ部 37 環状溝 40 油圧通路 40a 油圧通路 40b 油圧通路 41 軸孔部 42 スリーブ 43 キャップ 44 凹溝部 47 コイルばね 50 油圧通路 51 通路孔 52 環状溝 53 環状溝 P ポンプ T タンク PS 動力舵取装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプからの圧油を車輌の走行条件に応
    じて制御することにより操舵反力を発生させる油圧反力
    室への反力油圧を得る油圧反力制御用のスプールバルブ
    を備えてなる動力舵取装置の操舵力制御装置において、 前記スプールバルブを構成するバルブ孔内壁に、ポンプ
    からの供給ポート、油圧反力室に接続される反力ポー
    ト、タンク側への排出ポートが開口して形成されるとと
    もに、 このバルブ孔内に摺動自在なスプールに、各ポート間を
    可変絞り機能をもって選択的に連通するようにテーパ状
    のチャンファ部を有する供給側および排出側ランド部が
    設けられており、 これら各ランド部におけるテーパ状チャンファ部を通る
    圧油の流れを、チャンファ部による隙間空間が徐々に減
    少する方向となるように、圧油通路を形成したことを特
    徴とする動力舵取装置の操舵力制御装置。
JP31110193A 1993-11-18 1993-11-18 動力舵取装置の操舵力制御装置 Pending JPH07137652A (ja)

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