JPH07137170A - タイヤのグルービング装置におけるゴム片落下防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴム片落下防止用のテープの貼付け作業を自
動化し、省力化を達成しうるタイヤのグルービング装置
におけるゴム片落下防止装置を提供する。 【構成】 グルービング装置におけるカッター機構の下
流側に配設されており、ゴム片落下防止用のテープを前
記タイヤの外周面に貼り付けるテープ貼付機構３および
前記テープを切断するテープ切断機構４とを備えた本体
２と、該本体２をタイヤ支持軸Ｓに支持されたタイヤＴ
の表面のグルービングされるべき位置に移動させる第１
駆動機構と、前記本体とタイヤの外径にあわせてタイヤ
の半径方向に移動させる第２駆動機構と、前記テープ貼
付機構３、テープ切断機構４および両駆動機構の動作を
制御する制御機構からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はタイヤのグルービング装
置におけるゴム片落下防止装置に関する。さらに詳しく
は、タイヤグルービング時にタイヤ表面に発生するゴム
片の落下を防止しうるゴム片落下防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】タイヤグルービングは、加硫済みのパタ
ーン模様のないプレーンタイヤにトレッドパターン溝を
彫る作業である。かかるタイヤグルービングにおいて
は、タイヤの周方向に沿って主溝を加工したのち、該主
溝の左右に分岐する横溝の加工を行なうことがある。こ
のばあい、従来のグルービング装置では、カットした主
溝内のゴム片はタイヤの回転により下になったときに自
重で落下することがある。主溝内のゴム片が落下する
と、横溝のグルービング作業を行う際にゴムの逃げが生
じ、加工精度の悪化などの問題が生じることがある。

【０００３】そこで、従来のグルービングマシンでは、
ゴム片の落下を防止するため、作業者が手作業でタイヤ
表面とゴム片にテープを貼り付けている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、タイヤグルー
ビングによって形成される主溝は、通常タイヤ一本当た
り、３〜７本程度あり、タイヤグルービングに要する時
間は、通常、タイヤ１本あたり３〜４時間かかるととも
に、テープを貼り付けるためのみに作業者が１人必要で
あり無人化できないという問題がある。

【０００５】本発明はかかる問題を解消するためになさ
れたものであり、ゴム片落下防止用のテープの貼付け作
業を自動化し、省力化を達成しうるタイヤのグルービン
グ装置におけるゴム片落下防止装置を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のタイヤのグルー
ビング装置におけるゴム片落下防止装置は、タイヤを回
転可能に支持するタイヤ支持軸を有するタイヤのグルー
ビング装置におけるゴム片落下防止装置であって、前記
グルービング装置におけるカッター機構の下流側に配設
されており、ゴム片落下防止用のテープを前記タイヤの
外周面に貼り付けるテープ貼付機構および前記テープを
切断するテープ切断機構とを備えた本体と、該本体を前
記タイヤ支持軸に支持されたタイヤの表面のグルービン
グされるべき位置の下流に移動させる第１駆動機構と、
前記本体をタイヤの外径にあわせてタイヤの半径方向に
移動させる第２駆動機構と、前記テープ貼付機構、テー
プ切断機構および両駆動機構の動作を制御する制御機構
からなることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】本発明のゴム片落下防止装置によれば、タイヤ
表面のグルービングされるべき位置の下流側にゴム片落
下防止装置の本体を移動させ、テープ貼付機構を用いて
グルービング後のタイヤ表面にゴム片落下防止用のテー
プを連続的に貼り付け、そののちテープ切断機構を用い
て所定の長さに切断していくことにより、グルービング
された位置に自動的にテープを貼り付けていくことがで
きる。

【０００８】

【実施例】つぎに、図面を参照しながら、本発明のゴム
片落下防止装置を詳細に説明する。図１は本発明のゴム
片落下防止装置の一実施例を示す断面説明図、図２は図
１のゴム片落下防止装置の第１押さえローラの正面図、
図３〜５は図１のゴム片落下防止装置を用いたテープ貼
付作業の工程断面説明図である。

【０００９】図１に示すように、ゴム片落下防止装置１
は、基台、タイヤ支持台、支持台車およびカッター機構
などからなる、通常のグルービング装置のタイヤ支持軸
Ｓのほぼ斜め上方に配置され、その本体２には、テープ
貼付機構３およびテープ切断機構４が設けられている。
なお、Ｔは、グルービングされるタイヤである。また、
図示されていないが、ゴム片落下防止装置１の上流側
（図１においては右側。本明細書において上流側とは回
転してくるタイヤに対し前方の位置のことをいう）には
グルービングマシンが配設される。

【００１０】テープ貼付機構３は、第１アーム５の一端
にテープロール９が回転自在に設けられ、第２アーム６
の一端に第１押さえローラー10が回転自在に設けられ、
第３アーム７の一端に第２押さえローラ11が回転自在に
設けられた構成を備えている。

【００１１】また、前記第１押さえローラ１０は、図２
に示されるように、トレットラジアスに対して垂直にタ
イヤＴの表面を押圧しうるように第２アーム６の一端に
揺動自在に取り付けられている。なお、第２押さえロー
ラ１１も第１押さえローラ10と同様に揺動自在に第３ア
ーム７の一端に取り付けられている。

【００１２】第１〜３アーム５、６、７はエアシリン
ダ、リニアモーター、ボールネジとモーターを組みあわ
せた直動のアクチュエータなどのアクチュエータを具備
しており、アームの先端部分をタイヤＴの外周面に対し
て伸縮することができる。前記アクチュエータのうち、
制御が容易なので、エアシリンダを用いることが好まし
い。

【００１３】また、テープ切断機構４は、前記第１〜３
アーム５、６、７と同様のアクチュエータを備えた第４
アーム８の一端にカッター12が設けられている。

【００１４】カッター12は、一例として図１に押切り用
の直刃のカッターが示されているが、本発明はこれに限
定されるものではなく、丸刃のカッターや鋸歯のカッタ
ーでもよい。さらに、カッターの代わりに、テープを熱
によって切断させるためのもの、たとえば、レーザービ
ームを用いた切断装置やニクロム線などを用いた電気的
加熱手段などを用いてもよい。さらには、圧搾空気や高
圧の水ジェットを利用したテープ切断機構も採用するこ
とができる。これらのテープ切断機構のうち、機構が単
純な点より押切り用直刃を用いるのが好ましい。

【００１５】また、図示されていないが、ゴム片落下防
止装置１は、本体２をタイヤ支持軸Ｓの軸方向（すなわ
ち紙面に垂直の方向）に沿って往復駆動しうる第１駆動
装置と、本体２をタイヤの外形に応じて、タイヤの半径
方向へ往復駆動しうる第２駆動装置と該第１および第２
駆動装置ならびに前記第１〜４アーム５、６、７、８の
駆動を集中的に制御するためのＣＰＵとが設けられてい
る。

【００１６】前記駆動装置として、たとえば、サーボモ
ーター、ステッピングモーターなどのアクチュエータを
用いることができる。

【００１７】叙上のごとく構成されるゴム片落下防止装
置を用いてテープの貼付け作業を行うばあい、グルービ
ングＮＣプログラムのテープ貼付け命令より、図１およ
び図３〜５に示される手順で行なわれる。

【００１８】まず、タイヤ支持軸Ｓに支持されたタイヤ
Ｔの上方に設けられたゴム片落下防止装置１の本体２を
所望のグルービングされるべき位置の上に移動させる
（図１参照）。

【００１９】具体的には、ゴム片落下防止装置１内のＣ
ＰＵが、自動グルービング装置制御ＣＰＵ内のカッター
位置の情報により第１駆動装置の駆動を制御して本体２
をタイヤ支持軸Ｓの軸方向に対して水平に移動させて位
置決めを行なう。ついで、必要に応じて、同じくタイヤ
のサイズの情報により第２駆動装置の駆動を制御して本
体２をタイヤの半径方向に移動させる。

【００２０】つぎに、第１アーム５を延ばしてテープロ
ール９をタイヤＴの表面に近接させ、ついで、第２アー
ム６を延ばし、テープロール９の外周から延びるテープ
９ａの始端を第１押さえローラ10によってタイヤＴの表
面に加圧し、テープ９ａをタイヤＴの表面に連続的に貼
り付けていく（図３参照）。このテープの貼付は、グル
ービング直後に行なわれる。

【００２１】さらに、第３アーム７を延ばし、第２押さ
えローラ11によってタイヤＴの表面に貼り付けられたテ
ープ９ａをさらに加圧して、シワが生じないようにしっ
かりと密着させる（図４参照）。

【００２２】そののち、第１アーム５および第２アーム
６を縮めて、テープロール９と第１押さえローラ10をタ
イヤＴの表面から離間させる。このとき、テープロール
９は、初期位置にまで戻されるが、第１押さえローラ10
は、タイヤＴの表面からｔだけ離れた位置で保持され、
テープロール９とタイヤＴのあいだに張架された部分の
テープ９ａを加圧し、切断しやすいようにテープ９ａに
適度な張力を与える。ついで第４アーム８を延ばし、カ
ッター12をタイヤＴの表面に貼り付けられたテープ９ａ
の終端に接触させ、テープ９ａを所定の長さで切断する
（図５参照）。

【００２３】なお図示していないが、こののちすべての
アームが縮められて次のゴム片のための貼付け作業を行
なう位置に移動される。

【００２４】また、形成される溝の位置や形状が変更さ
れても、ゴム片落下防止装置のＣＰＵは、自動グルービ
ング装置制御ＣＰＵからのカッター位置の情報を逐次読
み取って適宜に駆動装置の駆動を制御する。したがっ
て、いかなるトレッドパターンのタイヤを製造するばあ
いでも、正確にグルービングされた位置にテープを貼り
付けることができる。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、グルービングされたタ
イヤ表面に自動的にテープを貼り付けていくことができ
るため、テープの貼付け作業を自動化し、省力化を達成
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のゴム片落下防止装置の一実施例を示す
断面説明図である。

【図２】図１のゴム片落下防止装置の第１押さえローラ
の正面図である。

【図３】図１のゴム片落下防止装置を用いたテープ貼付
け作業の工程断面説明図である。

【図４】図１のゴム片落下防止装置を用いたテープ貼付
け作業の工程断面説明図である。

【図５】図１のゴム片落下防止装置を用いたテープ貼付
け作業の工程断面説明図である。

【符号の説明】

１ ゴム片落下防止装置 ２ 本体 ３ テープ貼付機構 ４ テープ切断機構 Ｓ タイヤ支持軸 Ｔ タイヤ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タイヤを回転可能に支持するタイヤ支持
   軸を有するタイヤのグルービング装置におけるゴム片落
   下防止装置であって、 前記グルービング装置におけるカッター機構の下流側に
   配設されており、ゴム片落下防止用のテープを前記タイ
   ヤの外周面に貼り付けるテープ貼付機構および前記テー
   プを切断するテープ切断機構とを備えた本体と、 該本体を前記タイヤ支持軸に支持されたタイヤの表面の
   グルービングされるべき位置の下流に移動させる第１駆
   動機構と、 前記本体をタイヤの外径にあわせてタイヤの半径方向に
   移動させる第２駆動機構と、 前記テープ貼付機構、テープ切断機構および両駆動機構
   の動作を制御する制御機構からなるタイヤのグルービン
   グ装置におけるゴム片落下防止装置。