JPH07136827A - 線材剪断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 芯金を用いて切り口を変形させずに中空線材
の剪断を行うことができるようにした線材剪断装置の提
供。 【構成】 供給孔１５を前面に開口させた剪断ダイス１
４を固定して設け、供給孔と整合できる貫通孔１７を形
成したカッタ１６を剪断ダイスの前面に摺接移動するよ
うに設け、剪断ダイスの前方に、供給孔から突き出して
貫通孔を貫通する中空線材の突出端が突き当るストッパ
２１を調節位置に固定できるように設け、ストッパの突
当面に芯金５１を突出させる送出孔２２を中空線材の中
空と整合するように形成し、中空線材の送り込みに伴う
摩擦力と芯金の突出により芯金に押し付けられる浮動芯
金５６を剪断ダイス内に配置して両芯金の突当面におい
て剪断する。ストッパの側方に、カッタによって剪断さ
れた中空線材内の芯金を外すとともに剪断された線材を
カッタから脱外させる脱外機構２４と外した芯金をスト
ッパの送出孔へ戻す機構を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、切り口を変形させずに
中空線材の剪断を行うことができるようにした線材剪断
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、切り口を変形させずに中空線材の
剪断を行うことができるようにした線材剪断装置の一つ
として、剪断ダイスから突出した中空線材をその剪断ダ
イスの前面に沿って摺動する環形のカッタを貫通させて
ストッパに突き当て、そのストッパに突設した支持棒に
取り付けた固定芯金をカッタ内に配置するとともに、中
空線材の送り込みにともなう摩擦力によって固定芯金に
押し付けられる浮動芯金を剪断ダイス内に配置して、カ
ッタの摺動により両芯金の突出面において中空線材を剪
断し、さらに、カッタと固定芯金との間に挟まれて保持
された剪断された中空線材を、脱外機構によりストッパ
側から押してカッタから脱外させるようにした線材剪断
装置が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来装置におい
ては、固定芯金の位置を、その浮動芯金との突出面がカ
ッタと剪断ダイスとの摺動面と正確に一致するように調
整しなければならないのであるが、この調整は面倒で手
間がかかるため、段取り替え等の際の作業を簡単に行う
ことができないという欠点があった。

【０００４】また、ストッパに取り付けた固定芯金がカ
ッタ内に配置されていることから、剪断時にはストッパ
をカッタと一体的に移動させなければならず、しかも、
このストッパには、剪断された中空線材をカッタから脱
外させるため脱外機構が組み込まれている。このため、
カッタの摺動時にストッパと脱外機構を一緒に移動させ
るための大がかりな駆動機構を設けなければならないと
いう欠点があった。

【０００５】さらに、従来の剪断装置は、固定芯金を用
いていることから、中実線材の剪断を同一剪断装置で行
うことができなかった。このため、剪断装置をホーマ等
の圧造機に適用して中空線材と中実線材の両方の線材に
対して圧造加工を行う場合には、従来の剪断装置を組み
込んだ中空線材専用の圧造機と他の剪断装置を組み込ん
だ中実線材専用の圧造機の両方を用意しなければならな
いという欠点があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための手段として、線材の供給孔を前面に開口さ
せた剪断ダイスを固定して設け、供給孔と整合し得る貫
通孔の形成されたカッタを剪断ダイスの前面に摺接しつ
つ移動するように設け、剪断ダイスの前方に供給孔から
突き出されて貫通孔を貫通する中空線材の突出端が突き
当たるストッパを調整位置に固定し得るように設け、そ
のストッパの突当面に、芯金を突出させる送出孔を中空
線材の中空と整合し得るように形成し、ストッパの側方
に、剪断された中空線材内の芯金を脱外させるとともに
剪断された中空線材をカッタから脱外させる脱外機構と
芯金をストッパの送出孔へ戻す戻し機構を設けた構成と
した。

【０００７】なお、上記構成において、ストッパを交換
し得るように設け、中実線材を剪断する際には、線材が
突き当たる面を平担にした中実線材用ストッパと交換
し、剪断ダイスの供給孔から突出させて貫通孔を貫通さ
せた中実線材を中実線材用ストッパに突き当てた状態で
カッタを移動させるようにすることにより容易に同一線
材剪断装置によって中実線材と中空線材を剪断すること
が可能である。

【０００８】

【作用】本発明は上記構成よりなり、中空線材の剪断を
行う際には供給孔から突出させて貫通孔を貫通させた中
空線材をストッパに突き当てるとともに、そのストッパ
の送出孔から突出させた芯金を中空線材内に嵌入して、
その芯金の突出に伴う摩擦力により芯金に押し付けられ
る浮動芯金を剪断ダイス内に両芯金の突当面が剪断ダイ
スとカッタの摺接面に一致するように配置される。かか
る状態でカッタを移動させると剪断ダイスとカッタの摺
接面において中空線材が剪断される。このとき、中空線
材の剪断部分には芯金が存在しているために、切り口が
内側に曲がったり切り口にバリを生じたりすることはな
い。そして、剪断された中空線材はその中空内に芯金を
嵌入されたままでカッタに保持されつつ移動し、この後
は脱外機構により、中空線材内から芯金が脱外するとと
もに、中空線材がカッタから脱外する。また、脱外され
た芯金は戻し機構によってストッパの送出孔に戻され再
度使用される。

【０００９】

【発明の効果】このように、本発明装置は、中空線材の
切り口の変形防止のために中空線材に嵌入されたまま剪
断される芯金を用いたから、従来の剪断装置における固
定芯金位置の調整のような面倒な手間が不要であり、段
取り替えの作業を簡単に行うことができる効果がある。

【００１０】さらにストッパをカッタと分離して設ける
とともに、カッタから中空線材を脱外させるための脱外
機構をストッパとは別に設けたから、ストッパと脱外機
構をカッタの摺動とともに移動させる必要がなく大がか
りなカッタ駆動機構を設けなくても済むという効果があ
る。

【００１１】また、特許請求の範囲第２項記載の構成と
すると、芯金を突出させる送出孔の形成された中空線材
剪断用のストッパを、中実線材用ストッパと交換するだ
けで中実線材の剪断を行うことができる。したがって、
本発明装置をホーマ等の圧造機に適用した場合には、ス
トッパ以外の部材を共通とする線材剪断装置を有する１
台の圧造機によって、中空線材と中実線材の両方の剪断
を行うことが可能となる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明をホーマに適用した一実施例を
添付図面に基づいて説明する。第１図および第２図に示
すホーマは、前面に第１圧造ダイス１と第２圧造ダイス
２を嵌着した圧造ダイスブロック３と、第１圧造ダイス
１及び第２圧造ダイス２に対向する第１パンチ４及び第
２パンチ５を備えたラム６とからなり、後述する剪断装
置によって所定長さに剪断された線材ａまたはｂに、第
１圧造ダイス１と第１パンチ４との間で打圧することに
よって仕上げ成形を施すようになっている。

【００１３】次に、剪断装置の構造について説明する。
フレーム１０に固設した剪断ダイスブロック１１の前面
には、剪断ダイスブロック１１の供給路１２内を通して
送出され、前端の中空開口部に浮動芯金５６を嵌入させ
た長尺の線材ａまたは中実線材ｂを前方に貫通させる供
給孔１５を形成してなる剪断ダイス１４が嵌着されてい
る。

【００１４】図において、１６は、剪断ダイス１４の供
給孔１５と同径の貫通孔１７を形成してなる環形のカッ
タであって、このカッタ１６は、図に実線で示すように
貫通孔１７を供給孔１５に整合させる整合位置と図に一
点鎖線で示すように剪断ダイスブロック１１の側方にず
れた脱外位置との間で、剪断ダイス１４の前面に摺接し
つつ図示しない駆動機構によって移動するようになって
いる。

【００１５】剪断ダイスブロック１１の前方には、スト
ッパ支持用ブロック１８が固設されている。このストッ
パ支持用ブロック１８には、脱外機構２４によって脱外
された芯金５１を供給路１９および送出孔２２を通じて
剪断ダイスブロック１１側へ送出するための送出機構５
０が設けられているとともに、剪断ダイスブロック１１
と対向する前面に、芯金の供給路１９の前端に連通する
雌ねじ孔２０が形成されている。

【００１６】この送出機構５０は、脱外機構２４によっ
て脱外された芯金５１を回収するためのシュート５２と
回収された芯金５１を供給路１９および送出孔２２を通
じて剪断ダイスブロック１１側へ送出するためのプッシ
ャーピン５３およびプッシャーピン５３を往復運動させ
るための駆動源としてシリンダ５５と戻し用のバネ５４
から構成されている。また、雌ねじ孔２０には、第１図
に示すように、後端が供給路１９と整合し、かつ、剪断
ダイス１４の供給孔１５と軸線を一致させた送出孔２２
を前面に開口して形成してなる中空線材用ストッパ２１
を螺着することができるとともに、第２図に示すよう
に、剪断ダイス１４と対向する前面が平坦であって供給
路１９の前端を閉塞する中実線材用ストッパ２３を螺着
することができるようになっている。

【００１７】ストッパ支持用ブロック１８と前記圧造ダ
イスブロック３との間には、脱外機構２４が設けられて
いる。この脱外機構２４は、支持ブロック２５の支持孔
２６内に嵌装されて前方へ突出するプッシャーパイプ２
７とこのプッシャーパイプ２７内に嵌入されて同じく前
方へ突出するプッシャーピン２８とからなり、これらの
プッシャーパイプ２７とプッシャーピン２８は、脱外位
置に移動したカッタ１６の貫通孔１７と軸線が一致する
ように配置されている。

【００１８】次に、本実施例装置の作動を説明する。中
空線材ａの剪断を行う際には、ストッパ支持用ブロック
１８の雌ねじ孔２０に中空線材用ストッパ２１を螺着
し、剪断ダイス１４にカッタ１６が整合した状態におい
て、中空線材ａは剪断ダイスブロック１１の供給路１２
を通して送出する。中空線材ａは剪断ダイス１４の供給
孔１５及びカッタ１６の貫通孔１７を貫通することによ
り前方へ突出して中空線材用ストッパ２１の前面に突き
当たる。このとき、中空線材ａの中空の開口とストッパ
２１の送出孔２２とが整合するのであって、かかる状態
でシリンダ５５によりプッシャーピン５３が第１図に示
す実線から一点鎖線で示す位置まで移動し、芯金５１の
送出を行う。送出された芯金５１は、浮動芯金５５を押
し付けた状態でストッパ支持用ブロック１８の供給路１
９及びストッパ２１の送出孔２２を通り、中空線材ａの
中空内に嵌入される。そして、嵌入した芯金５１の先端
が第１図に実線で示すように剪断ダイス１４の前面に一
致する位置に到達したところで芯金５１の送出を停止す
る。

【００１９】この後に、カッタ１６を剪断ダイス１４の
前面に摺接させつつ移動させると、その摺接面において
中空線材ａが剪断される。剪断された中空線材ａは、そ
の中空内に芯金５１が嵌入されているために、切り口が
内側に曲がったり切り口にバリが生じたりすることがな
く、良好な剪断面が得られる。

【００２０】上述のように所定長さに剪断された中空線
材ａは、芯金５１を嵌入させたままカッタ１６に保持さ
れた状態で脱外位置に移動する。脱外位置においては、
プッシャーパイプ２７が突出して中空線材ａを押すこと
により、中空線材ａはカッタ１６から脱外して第１図に
一点鎖線で示すようにフィンガ３０で挟持され、かかる
状態でプッシャーピン２８が突出することにより、中空
線材ａ内の芯金５１が押されて同図に一点鎖線で示すよ
うに脱外し、シュート５２に回収される。しかる後に、
中空線材ａには前述のように圧造が施される。また、回
収された芯金５１は、戻し用のバネ５４によってプッシ
ャーピン５３が第１図に示す実線の位置へ移動した後、
供給路１９に供給され、再度剪断が繰り返される。

【００２１】本実施例では、中実線材ｂの剪断を行うこ
ともできるようになっている。中実線材ｂを剪断する際
には、中空線材用ストッパ２１をストッパ支持用ブロッ
ク１８の雌ねじ孔２０から外して、その雌ねじ孔２０に
中実線材用ストッパ２３を螺着する。かかる状態におい
ては、ストッパ支持用ブロック１８の供給路１９の先端
が中実線材用ストッパ２３によって閉塞され、芯金５１
の送出は行われない。かかる状態で、剪断ダイスブロッ
ク１１の供給路１２を通して中実線材ｂを送出し、剪断
ダイス１４の供給孔１５およびカッタ１６の貫通孔１７
を通して前方へ突出させ、中実線材用ストッパ２３の前
面に突き当てる。次いで、カッタ１６を移動させると、
中実線材ｂはカッタ１６と剪断ダイス１４との摺接面に
おいて剪断されて脱外位置に移動する。脱外位置におい
ては、プッシャーパイプ２７またはプッシャーピン２８
が突出することにより、第２図に一点鎖線で示すよう
に、中実線材ｂがカッタ１６から脱外してフィンガ３０
で挟持される。

【００２２】第３図及び第４図に示すのは、脱外機構の
変形例である。この脱外機構３４は、支持ブロック３５
の支持孔３６内に、大径部３８の前端面に外径寸法が中
空線材ａの内径よりも少し小さい小径部３９を同心に突
成してなるプッシャーピン３７を嵌装した構造になる。
そして、中空線材ａの脱外を行う際には、プッシャーピ
ン３７の突出により、まず、小径部３９の前端で芯金５
１を押して第３図に一点鎖線で示すように中空線材ａか
ら脱外させた後に、大径部３８の前端面で中空線材ａを
押すことにより第４図に示すようにカッタ１６から脱外
させてフィンガ３０で挟持する。また、中実線材ｂの脱
外を行う際には、プッシャーピン３７の小径部３９の前
端で中実線材ｂを押すことによりカッタ１６から脱外さ
せてフィンガ３０で挟持する。

【図面の簡単な説明】

【第１図】中空線材を剪断する状態の一部切欠平面図。

【第２図】中実線材を剪断する状態の一部切欠平面図。

【第３図】一部切欠平面図。

【第４図】一部切欠平面図。

【符号の説明】

ａ：中空線材、ｂ：中実線材、１：第１圧造ダイス、
２：第２圧造ダイス、３：ダイスブロック、４：第１パ
ンチ、５：第２パンチ、６：ラム、１０：フレーム、１
１：剪断ダイスブロック、１２：供給路、１４：剪断ダ
イス、１５：供給孔、１６：カッタ、１７：貫通孔、１
８：ストッパ支持用ブロック、１９：供給路、２０：雌
ねじ孔、２１：中空線材用ストッパ、２２：送出孔、２
３：中実線材用ストッパ、２４：脱外機構、２５：支持
ブロック、２６：支持孔、２７：プッシャーパイプ、２
８：プッシャーピン、３０：フィンガ、３４：脱外機
構、３５：支持ブロック、３６：支持孔、３７：プッシ
ャーピン、３８：大径部、３９：小径部、５０：送出機
構、５１：芯金、５２：シュート、５３：プッシャーピ
ン、５４：戻し用バネ、５５：シリンダ、５６：浮動芯
金

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 線材の供給孔を前面に開口させた剪断ダ
   イスを固定して設け、前記供給孔と整合し得る貫通孔の
   形成されたカッタを前記剪断ダイスの前面に摺接しつつ
   移動するように設け、前記剪断ダイスの前方に、前記供
   給孔から突き出されて前記貫通孔を貫通する中空線材の
   突出端が突き当たるストッパを調節位置に固定し得るよ
   うに設け、該ストッパの突当面に、芯金を突出させる送
   出孔を前記中空線材の中空と整合し得るように形成し、
   前記中空線材の送り込みに伴なう摩擦力と前記芯金の突
   出により前記芯金に押し付けられる浮動芯金を前記剪断
   ダイス内に配置して、該両芯金の突当面において中空線
   材を剪断するように構成し、前記ストッパの側方に、前
   記カッタによって剪断された前記中空線材内の前記芯金
   を脱外させるとともに前記剪断された中空線材を前記カ
   ッタから脱外させる脱外機構と、脱外された前記芯金を
   ストッパの送出孔へ戻す戻し機構を設けたことを特徴と
   する線材剪断装置。
2. 【請求項２】 前記ストッパを交換し得るように設け、
   中空線材の内径寸法と整合した送出孔径に交換し得るよ
   うにするとともに、中実線材を剪断する際には、送出孔
   を有せず線材の突当り面を平担にした中実線材用ストッ
   パに交換し、前記剪断ダイスの前記供給孔から突出させ
   て前記貫通孔を貫通させた前記中実線材を前記中実線材
   用ストッパに突き当てた状態で前記カッタを移動させる
   ようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の線材剪断装置。