JPH07135179A - 熱処理炉製造方法および熱処理炉 - Google Patents

熱処理炉製造方法および熱処理炉

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JPH07135179A
JPH07135179A JP5305956A JP30595693A JPH07135179A JP H07135179 A JPH07135179 A JP H07135179A JP 5305956 A JP5305956 A JP 5305956A JP 30595693 A JP30595693 A JP 30595693A JP H07135179 A JPH07135179 A JP H07135179A
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JP
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insulating material
heating resistor
heat
slurry
heat insulating
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JP5305956A
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English (en)
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Masaru Hidano
勝 肥田野
Takaaki Miura
恭彰 三浦
Osamu Yokogawa
修 横川
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Tokyo Electron Ltd
Tokyo Electron Tohoku Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Tokyo Electron Tohoku Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業性を向上させるとともに、製造に要する
時間を短縮することのできる熱処理炉の製造方法を提供
すること。 【構成】 線材からなる発熱抵抗体が内壁面に沿ってス
パイラル状に連続する状態に配置された断熱材を備えて
いる熱処理炉の製造方法であって、上記断熱材の軸方向
に沿って隣り合う上記発熱抵抗体同士を互いに分離した
状態で保持するセパレータを上記断熱材の内壁面の周方
向で複数箇所に準備し、上記断熱材の中心を支点として
上記セパレータを回転させ、上記発熱抵抗体をセパレー
タに捲装して発熱抵抗体の組立て体を形成し、この組立
て体に濾過材を配置した上で、断熱材料をなす繊維質成
分を含有したスラリー中で組立て体の内部雰囲気を減圧
雰囲気とする。これにより、スラリー中の繊維質成分が
濾過材上で堆積することにより断熱層を形成することが
できる。そして、断熱層としての厚さが得られると焼成
することで熱処理炉の形態を設定する。これにより、手
作業による製造過程を少なくして、作業性の改善および
製造時間の短縮を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱処理炉製造方法およ
び熱処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体ウエハ製造工程での各種
薄膜形成装置は、CVD装置、エピタキシャル装置や酸
化膜形成装置等あるいは熱拡散装置として熱処理装置が
用いられている。
【0003】この種の半導体ウエハの各種熱処理に使用
される一般拡散型の熱処理装置は、被処理体である半導
体ウエハが配置される炉室を形成するプロセスチューブ
と、このプロセスチューブの外周に設けられる発熱抵抗
体と、この発熱抵抗体を包囲して設けられている断熱材
とで熱処理炉を構成し、この断熱材を介して上記発熱抵
抗体が取り付けられて支持されている。
【0004】この場合の発熱抵抗体としては、一例とし
て、バッチ処理が可能な熱処理装置の場合でいうと、ス
パイラル状に配線されたFeCrAl製等からなるヒー
タが用いられ、炉室内を例えば1200℃程度まで高温
加熱するようになっている。また、断熱材としては、一
例として、セラミックスファイバ等が用いられ、輻射熱
および伝導熱として奪われる熱量を減少させて効率良く
加熱できるようになっている。
【0005】ところで、上記断熱材に発熱抵抗体を設置
する場合の方法としては、例えば、特開昭60−246
582号公報に記載された方法がある。つまり、この方
法では、発熱抵抗体をコイル状に形成し、この線材に熱
収縮チューブ等の配列ピッチ固定部材を被覆して熱収縮
させることで線材の配列ピッチを固定し、この処理工程
後に、線材の内周に位置する筒状治具に対して線材をス
パイラル状に捲装したうえで線材外周に断熱材を被覆し
ている。そして、被覆された断熱材を温浴脱脂し、この
後、治具の取出しを行なってから上記断熱材を焼成処理
して線材を断熱材中に埋設させた後に仕上処理を行なっ
ている。従って、断熱材の内壁面では、上記焼成処理に
おいて熱収縮チューブが融解すると、線材が凹部内に入
り込んだ状態で露呈している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た方法では、製造時間が多大になるという問題があっ
た。
【0007】つまり、線材は、発熱抵抗体として要求さ
れる熱量を確保するためにコイル状に形成されている。
しかも、コイル状の線材の配列ピッチを固定するために
は、熱収縮チューブを被覆した状態で線材の配列ピッチ
を固定したうえで加熱することが必要になる。また、配
列ピッチを固定された線材の外周に対しては断熱材を貼
り付けて被覆している。
【0008】これらの作業は一般的に手作業による場合
が多く、工程数が多いことが原因して所用時間も多くな
る。しかも、断熱材の被覆に関しては、貼り付け作業が
経験則に任せられることが多く、これによって、厚さも
均一なものでなくなることもあり、熱処理炉としての要
求特性を満足できなくなる場合もあった。また、断熱材
を貼り付ける場合には、所謂、断熱材の材料を切り貼り
して厚さや大きさを調整する場合があることから、作業
性が悪く、しかも、作業空間での雰囲気汚染の問題もあ
る。
【0009】また、熱収縮チューブを加熱によって溶解
除去した後、断熱材の内壁面に残る凹部内に位置する発
熱抵抗体は、輻射面をなす凹部が内壁面で開口している
ことを理由に、加熱時の熱膨張により凹部から脱落して
しまう虞れもある。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記した従来の
熱処理炉の製造方法における問題に鑑み、作業性を向上
させるとともに、製造に要する時間を短縮することので
きる熱処理炉の製造方法を提供することにある。
【0011】また本発明の目的は、製造時に脱落防止を
行なえる構造を備えた熱処理炉を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、中空筒状の断熱材の内壁面
にスパイラル線状の発熱抵抗体を備えた熱処理炉の製造
方法であって、上記断熱材の軸方向に沿って隣り合う上
記発熱抵抗体同士を互いに分離した状態で保持するセパ
レータおよびこのセパレータを上記断熱材の周方向で所
定位置に位置決めして軸方向に整列させる治具を準備
し、上記治具を回転させながら上記発熱抵抗体をセパレ
ータに捲装して発熱抵抗体の組立て体を形成する発熱抵
抗体巻き付け工程と、上記治具により周方向での位置決
めが行われた上記セパレータ同士の間に多孔質部材から
なる濾過材を配置する工程と、上記濾過材を配置された
セパレータを断熱材の材料をなす無機質繊維を含むスラ
リー中に浸漬させる発熱抵抗体の組立て体浸漬工程と、
上記発熱抵抗体の組立て体浸漬工程において、発熱抵抗
体の内部からの吸引によりその表面にスラリーを堆積さ
せるスラリーの堆積工程と、上記スラリーが表面に堆積
した発熱抵抗体の組立て体を乾燥させる工程と、治具の
周面と乾燥した断熱材の内周面との間から上記濾過材を
抜出す濾過材除去工程と、上記乾燥後、上記治具を断熱
材内部から取り出す治具除去工程と、を含むことを特徴
としている。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、上記スラリーは、シリカ、アルミナを含む繊維質成
分と水と懸濁させるためのバインダとを含む液状体であ
ることを特徴としている。
【0014】請求項3記載の発明は、線材からなる発熱
抵抗体が内壁面に沿ってスパイラル状に連続する状態に
配置された断熱材を備えている熱処理炉において、上記
断熱材の内壁面から差込まれ、上記発熱抵抗体の配列ピ
ッチを設定して同発熱抵抗体を保持する櫛歯状のセパレ
ータを備え、このセパレータは、櫛歯先端が断熱材中に
埋設されるとともに、上記断熱材の内壁面と上記発熱抵
抗体との間に径方向の隙間を設定して櫛歯の基部側で発
熱抵抗体を保持することを特徴としている。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3におい
て、上記セパレータは、隣り合う櫛歯の長さが異ならせ
てあることを特徴としている。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項3または4
において、上記セパレータは、櫛歯の長い方に、長手方
向と直角に張り出す突起部が形成されていることを特徴
としている。
【0017】
【作用】本発明では、発熱抵抗体を構成する線材は、コ
イル状に形成されることなくセパレータによって互いに
分離した状態で保持される。このため、コイル状に形成
する手間が省け、しかも、発熱抵抗体の配列ピッチを規
定する場合にはセパレータの配列ピッチを基準にして設
定が可能であるので、所謂、ピッチを自動的に設定する
ことができるために配列の手間も省くことができる。
【0018】また、上記セパレータに捲装された発熱抵
抗体の組立て体に断熱材を設ける場合には、単に、スラ
リー中に浸漬された組立て体の内部からの吸引のみで発
熱抵抗体の外周面に断熱材を堆積させることができるの
で、貼り付け等の手作業を省くことができる。
【0019】さらに本発明では、セパレータに保持され
る発熱抵抗体は、櫛歯の内部において断熱材の内壁面と
の間に径方向での隙間を設定された状態で保持される。
つまり、先端を断熱材中に埋設された櫛歯の基部側にて
発熱抵抗体は保持される。このため、発熱抵抗体の熱膨
張による径方向の変形を上記隙間によって吸収すること
ができるとともに、内壁面内側に位置する櫛歯の基部に
より係止されることで発熱抵抗体の折損や脱落を防止す
ることができる。しかも、セパレータは、櫛歯の長さを
隣り合うもの同士で異ならせることにより、セパレータ
に対する断熱材を構成するスラリーの繊維質成分の充填
量を増加させることでセパレータの固定を確実にするこ
とができる。また、このセパレータの固定を確実にする
のは、櫛歯に形成された突起部により抜け止めされるこ
とでも達成される。
【0020】
【実施例】以下、図1乃至図7に示す実施例によって本
発明の詳細を説明する。
【0021】まず、上記各工程により製造される熱処理
炉の構成を図1において説明する。
【0022】すなわち、熱処理炉10は、中空筒状の断
熱材16の内壁面にスパイラル線状の発熱抵抗体12を
備えている。そして、発熱抵抗体12は、セパレータ1
4によってそれぞれが接触することなく離間させてあ
る。
【0023】発熱抵抗体12は、例えば、FeCrAl
を主成分とした線材からなるヒータが用いられている。
この発熱抵抗体12は、熱処理炉の内壁面の径を以て熱
処理炉の軸方向にリード方向を設定されて一本の線材が
スパイラル状に巻かれたものである。熱処理炉10の軸
方向に沿って連続して捲装されている発熱抵抗体12
は、隣り合うもの同士がセパレータ14によって分離さ
れている。
【0024】セパーレータ14は、図2に示すように、
基部14Aからの突出長さを隣り合うもの同士で交互に
異ならせた櫛歯状部材であり、例えば、長さの長い櫛歯
14Bと短い櫛歯14Cとを一対に組わせたブロック体
で構成されている。そして、これら櫛歯は、発熱抵抗体
12によって得られる必要熱量が確保できる線間ピッチ
を設定されている。さらに、この線間ピッチに合せて隣
り合う櫛歯の間には隙間が設けられ、この隙間内に発熱
抵抗体12を挿入できるようになっている。また、長さ
の長い櫛歯14Bには、その表面に櫛歯の突出方向と直
角な方向に突出させた突起14Dが両面に形成されてい
る。この突起14Dは、後述する断熱材16中に埋設さ
れた際に抜け止めのためのアンダーカット部を断熱材1
6中に設けるためのものである。
【0025】セパレータ14は、図3に示すように、発
熱抵抗体12を熱処理炉10の内壁面に露出させた状態
で櫛歯の先端が断熱材16中に埋設されるようになって
いるが、発熱抵抗体12と断熱材16との間には、図4
において符号Gで示すように、発熱抵抗体12と断熱材
16の内壁面との間に径方向で僅かな隙間を設定するこ
とができるようになっている。これは、発熱抵抗体12
の熱膨張による径方向での伸張変位を吸収するためであ
る。
【0026】このような構成からなる熱処理炉10は、
図5に示す工程により製造される。
【0027】図5は、本発明による熱処理炉の製造方法
を説明するためのフローチャートである。
【0028】すなわち、この工程は、 (1)治具を用いた発熱抵抗体巻き付け工程 (2)発熱抵抗体へ濾過材を配置する工程 (3)スラリー槽への発熱抵抗体浸漬工程 (4)発熱抵抗体の組立て体に対するスラリーの堆積工
程 (5)発熱抵抗体の組立て体の乾燥工程 (6)濾過材の除去工程 (7)治具の除去工程 からなる。
【0029】以下、各工程につき説明する。 (1)発熱抵抗体巻き付け工程 この工程では、発熱抵抗体12をスパイラル状に捲装す
ることが行なわれる。このため、発熱抵抗体12同士を
離間させた状態で捲装するための治具が用いられる。す
なわち、この治具20は、図6に示すように、中空状支
軸22の表面から放射状に延びるスポークの先端に固定
された基盤24を有するドラム状骨組体である。そし
て、基盤24の外周面には、外向きに開放するチャンネ
ル形状からなるガイド部材26が周方向に沿って複数設
けられている。このガイド部材26は、周方向でセパレ
ータ14の位置を位置決めするとともに、軸方向に沿っ
てセパレータ14を整列させるために設けられている。
従って、ガイド部材26内に挿填されるセパレータ14
は、櫛歯が外側に突出した状態で軸方向に整列される。
【0030】また、支軸22の周面には、複数の開口2
2Aが形成されており、この開口22Aは、中空部に連
通する吸引口を構成している。
【0031】このような構成の治具20に対して発熱抵
抗体12を捲装する場合には、スパイラル状に形成され
た発熱抵抗体12をセパレータ14の櫛歯間に挿入す
る。このとき、ガイド部材26は、基盤24と一体の支
軸22を回転させることができるので、作業者は、各セ
パレータ14を手元に移動させることで発熱抵抗体12
の捲装を同じ位置で行なうことができる。 (2)発熱抵抗体への濾過材配置工程 この工程は、(1)の発熱抵抗体巻き付け工程が終了し
た後に実行される。
【0032】この工程は、断熱材16を発熱抵抗体12
の外表面に形成する際の断熱材料の堆積部を設置するた
めの工程である。そして、この工程では、熱処理炉10
の周方向でセパレータ14同士の間の外側表面、換言す
れば、発熱抵抗体12のみが表面に露出している箇所
に、後述する断熱材料であるスラリーの繊維質成分との
間で非接着性を有する、例えば繊維状の金属あるいはポ
リウレタン製のスポンジ等の多孔質部材をシート状に形
成した繊維質部材からなる濾過材28(図6参照)が配
置される。なお、この濾過材28としては、繊維質を有
して、主に断熱材料中の水分の透過が可能なものであれ
ばよく、例えば、紙等を用いることができる。
【0033】濾過材配置工程が終了することで発熱抵抗
体12が組立てられた組立て体12Aは、スラリー槽内
への浸漬工程を実行される。 (3)スラリー槽への発熱抵抗体浸漬工程 この工程では、発熱抵抗体12の組立て体12Aにおけ
る治具20の軸方向両端を塞いだ上で組立て体12A
を、図7に示すスラリー槽30に移し換えて浸漬する。
従って、発熱抵抗体12の組立て体12Aの内部は密閉
されることになる。このため、内部雰囲気を減圧雰囲気
とすることで組立て体12Aの外部からスラリーを吸引
することができる。
【0034】一方、この工程に用いられるスラリーは、
無機質繊維と水とこれら両者を結合するためのバインダ
とで構成された液状体が用いられる。そして、本実施例
におけるスラリーとしては、シリカとアルミナあるいは
珪酸アルミナを含む懸濁液が用いられている。 (4)発熱抵抗体の組立て体に対するスラリーの堆積工
程 この工程は、発熱抵抗体12の外周に断熱材16を設け
るための工程であり、図7に示すように、中空状の支軸
22が吸引ポンプ32に連結されることで、支軸22の
開口22Aを介して発熱抵抗体12の組立て体12A内
が減圧雰囲気とされる。このため、スラリー中に浸漬さ
れた発熱抵抗体12の組立て体12Aは、その外表面か
らスラリーを内部に向け吸引することになる。そして、
吸引されたスラリーは、主に水分が濾過材を透過し、一
方、スラリー中に含まれているシリカ、アルミナ等の繊
維質成分が濾過材28上に堆積して積層されることにな
る。
【0035】なお、水分だけでなく、濾過材28を介し
て発熱抵抗体12の組立て体12A内部に導入されたス
ラリー中の繊維質成分は、吸引ポンプ32に連結されて
いる吐出パイプ34を介して回収される。なお、このス
ラリー中の繊維質成分は、再度、スラリー槽30内に循
環させるようにしてもよい。このとき、発熱抵抗体12
の組立て体12Aは、支軸22を駆動して回転させるこ
とができるので、槽内のスラリーを撹拌することができ
る。このため、槽内に収容されているスラリー中の繊維
質成分が一様な分布でない場合でも、撹拌により均一分
布を設定されることになる。このため、発熱抵抗体12
の組立て体12Aの周方向に対してスラリー中の繊維質
成分が均一接触することで、堆積量も周方向で均一化す
ることができる。
【0036】そして、スラリー中の繊維質成分の堆積
は、図4において、ハッチングの疎密で示すように、発
熱抵抗体12の組立て体12Aの外表面近傍側の密度が
高く、この高密度層16Aの上部では、堆積が進行する
に従い透過される度合いが小さくなることで、高密度層
16Aよりも低い密度の低密度層16Bが形成される。
これにより、径方向における発熱抵抗体12の外表面側
では高密度層16Aによってセパレータ14を保持でき
るに十分な強度が確保され、そして、高密度層16Aの
外表面側では、低密度層16Bによって断熱材の軽量化
が実現される。このような断熱材16の密度の違いは、
敢えてスラリーの濃度等を切り換えるのではなく、堆積
するスラリー中の繊維質成分の量に応じて透過状態が変
化するのを利用して自動的に設定される。
【0037】しかも、スラリー中の繊維質成分が堆積し
ていくに従って、このときに生じる凝縮圧力により濾過
材28は径方向で押し潰された状態となる。このため、
濾過材28は、当初の厚さに対して堆積工程が終了する
時点には、図4において符号Gで示した隙間に相当する
厚さに設定される。なお、本実施例ではスラリーを、一
種の密度を対象としたが、これに限ることなく、堆積層
中で異なる密度を有するスラリーを用いて、複数の密度
を有する堆積層とすることも可能である。
【0038】そして、スラリーの堆積工程では、濾過材
28上にスラリーが堆積するとき、セパレータ14の櫛
歯の長さの違いにより、短い櫛歯14Cに達するまでス
ラリー中の繊維質成分が入り込むことになる。このた
め、櫛歯間へのスラリー中の繊維質成分の充填量を増加
させることができることになり、これによって、スラリ
ーと櫛歯との一体化が強固にされる。
【0039】なお、上記した実施例において、濾過材2
8へのスラリーの堆積効率を上げる意味で、図4中、符
号36で示すように、発熱抵抗体12の内側表面に金網
成形型を配置することも可能である。金網成形型36を
用いた場合には、金網成形型36中を通過する際にスラ
リーの移動速度が抑えられ、濾過材28の表面近傍でス
ラリーが滞ることになるので、濾過材28へ降り積もる
量が増加して堆積量が増加することになる。
【0040】一方、スラリーの堆積量に依存する断熱材
14の厚さは、吸引圧力、発熱抵抗体12の組立て体1
2Aの回転速度等によって設定することができるので、
設計にあたってこのような要件を決めておくことが必要
である。
【0041】上記した各要件に応じて堆積量が設定さ
れ、断熱材14の厚さが得られ、熱処理炉としての形態
が得られると、組立て体12Aの乾燥工程が実行され
る。 (5)発熱抵抗体の組立て体の乾燥工程 この工程では、自然あるいは強制乾燥される。 (6)濾過材除去工程 この工程では、スラリー中の繊維質成分の堆積によって
厚さを有する断熱材16の内壁面と発熱抵抗体12の組
立て体12A外表面でかつセパレータ間に配置されてい
た濾過材28が引き出される。このため、濾過材28が
引き出された後には、断熱材16の内壁面と発熱抵抗体
12との間に、図4において符号Gで示す間隙が形成さ
れ、この間隙Gが、発熱抵抗体12の熱膨張による伸張
変位を吸収するためのスペースとされる。 (7)治具除去工程 この工程では、セパレータ14を位置決めするとともに
軸方向に整列させるために用いられていた治具20が断
熱材16の内部から引き出される。これによって、断熱
材16の内壁面には、発熱抵抗体12がセパレータ14
によって内側への脱落を防止された状態で設けられたこ
とになる。
【0042】以上のような本実施例によれば、断熱材1
6に埋設されるセパレータ14に保持される発熱抵抗体
12とこれに対向する断熱材16の表面との間の隙間、
つまり、発熱抵抗体12の熱膨張による径方向への伸張
変位を吸収するための隙間は、改めて設定する必要がな
い。すなわち、この両部材の間には、濾過材の捲装工程
において、スラリー中の繊維質成分の堆積時に発生する
凝縮圧力によって濾過材28が収縮変形することで自動
的に得られる。
【0043】また本実施例によれば、発熱抵抗体12の
脱落を完全に防止することができる。すなわち、セパレ
ータ14は、基部14Aが断熱材16の内壁面側に露出
した状態で取付けられ、発熱抵抗体12を配置する隙間
側に位置する櫛歯の先端側が断熱材16に埋設される。
従って、発熱抵抗体12は、セパレータ14の基部によ
って熱処理炉の内側に向けた移動を規制されることにな
るので、熱処理炉の内壁から脱落するようなことがな
い。
【0044】さらに本実施例によれば、断熱材料である
スラリーの透過工程において、スラリー中の繊維質成分
の分散状態を発熱抵抗体12の組立て体12Aの周方向
で均一化することができる。つまり、スラリーの透過工
程においては、発熱抵抗体12の組立て体12Aを回転
させることができるので、この組立て体12Aによって
スラリーを撹拌することができる。このため、スラリー
中の繊維質成分の分散を偏寄させることがない。これに
より、組立て体12Aの周方向で濾過材28を透過する
スラリー中の繊維質成分が均一な量とされることで堆積
量、換言すれば、断熱材16としての厚さが周方向で均
一化されることになる。
【0045】また、本実施例によれば、断熱材16の厚
さを容易に変更調整することができる。つまり、スラリ
ーの透過工程においては、発熱抵抗体12の組立て体1
2Aの回転速度および吸引ポンプによるスラリーの吸引
速度を調整することが可能である。このため、濾過材に
対するスラリー中の繊維質成分の透過速度を変えること
で、断熱材に相当するスラリー中の繊維質成分の堆積量
を変更でき、これによって、断熱材の厚さを所望の厚さ
に設定することができる。
【0046】さらに、本実施例によれば、濾過材28の
表面に堆積するスラリー中の繊維質成分の密度を径方向
で異ならせることで、熱処理炉の重量の増加を防止する
ことができる。つまり、スラリー中の繊維質成分は、濾
過材の表面に堆積するに従い、同一吸引圧力である場合
には、外側に位置するほど、透過のために必要な圧力の
影響が小さくなるので、密度が小さくされることにな
る。換言すれば、断熱層をなす空気層の存在が多くな
る。なお、このスラリーは、原料を変えることで堆積層
内での密度を異ならせるようにしてもよい。
【0047】なお、本発明は、上記実施例に限られるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形してもよ
いこと勿論である。
【0048】例えば、本発明が対象とする熱処理炉によ
って熱処理される被処理体は、少なくとも面状形状の被
処理体であればよく、半導体ウエハ以外にも、例えば、
LCD基板等であっても良い。さらに本発明が適用され
る熱処理炉としては、CVD装置以外にも、例えば、酸
化、拡散、アニールに適用される装置を対象とすること
も可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱処理炉を製造する際の作業性を向上させて製造に要す
る時間を短縮することができる。つまり、発熱抵抗体を
なす線材は、コイル状に形成する必要がなく、単に、軸
方向に沿ってスパイラル状に配列すればよい。しかも、
配列の際のピッチは、セパレータによって予め設定され
ているので、人手によりピッチを設定する必要がなく、
配列の手間を省くことができる。
【0050】また、上記スパイラル状に捲装された発熱
抵抗体に対して断熱材を設ける場合には、発熱抵抗体の
組立て体に濾過材を設けた上で内部からのスラリーの吸
引操作のみを行えばよい。これにより、濾過材の表面に
スラリー中の繊維質成分の堆積を可能にして、貼り付け
等の手作業をなくすことができる。
【0051】さらに本発明によれば、セパレータによっ
て保持される発熱抵抗体は、セパーレータの櫛歯の内部
において断熱材の内壁面との間に径方向の隙間を設定さ
れることで、熱膨張による径方向への伸張変形を吸収さ
れることができる。しかも、上記セパレータの基部が断
熱材の内壁面に対向した状態で位置し、その基部と内壁
面との間に発熱抵抗体が配置されるので、発熱抵抗体が
熱膨張した場合に折損や脱落するのを未然に防止するこ
とができる。そして、セパレータは、隣り合う櫛歯同士
で先端までの長さを異ならせてあるので、セパレータの
櫛歯間への断熱材料であるスラリーの充填量を増加させ
ることができ、これにより、セパレータの保持が強固に
行われることになる。そして、櫛歯には、断熱材料であ
るスラリーとの結合を強化する構造が設けられている。
つまり、櫛歯における長い方の櫛歯には、断熱材料にア
ンダーカット部を形成するための突起部が設けられてい
る。従って、突起部が断熱材料に引掛かることで、抜け
あるいは位置ずれを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱処理炉の製造方法によって得ら
れる熱処理炉の一部を示す斜視図である。
【図2】図1に示した熱処理炉に用いられるセパレータ
の構造を示す斜視図である。
【図3】図1中、符号A−Aで示す方向の矢視断面図で
ある。
【図4】図3中、符号B−Bで示す方向の矢視断面図で
ある。
【図5】本発明による熱処理炉の製造工程を説明するた
めのフローチャートである。
【図6】本発明による熱処理炉の製造方法における発熱
抵抗体の捲装工程に用いられる治具の構成を説明するた
めの斜視図である。
【図7】本発明による熱処理炉の製造方法における発熱
抵抗体の組立て体の一工程を説明するための模式図であ
る。
【符号の説明】
10 熱処理炉 12 発熱抵抗体 12A 発熱抵抗体の組立て体 14 セパレータ 14A 基部 14B 長い方の櫛歯 14C 短い方の櫛歯 14D 突起部 16 断熱材 16A 高密度層 16B 低密度層 20 治具 22 回転軸 24 基盤 28 濾過材 30 スラリー槽 32 吸引ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 恭彰 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番41 号 東京エレクトロン東北株式会社相模事 業所内 (72)発明者 横川 修 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番41 号 東京エレクトロン東北株式会社相模事 業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空筒状の断熱材の内壁面にスパイラル
    線状の発熱抵抗体を備えた熱処理炉の製造方法であっ
    て、 上記断熱材の軸方向に沿って隣り合う上記発熱抵抗体同
    士を互いに分離した状態で保持するセパレータおよびこ
    のセパレータを上記断熱材の周方向で所定位置に位置決
    めして軸方向に整列させる治具を準備し、上記治具を回
    転させながら上記発熱抵抗体をセパレータに捲装して発
    熱抵抗体の組立て体を形成する発熱抵抗体巻き付け工程
    と、 上記治具により周方向での位置決めが行われた上記セパ
    レータ同士の間に多孔質部材からなる濾過材を配置する
    工程と、 上記濾過材を配置されたセパレータを断熱材の材料をな
    す無機質繊維を含むスラリー中に浸漬させる発熱抵抗体
    の組立て体浸漬工程と、 上記発熱抵抗体の組立て体浸漬工程において、発熱抵抗
    体の内部からの吸引によりその表面にスラリーを堆積さ
    せるスラリーの堆積工程と、 上記スラリーが表面に堆積した発熱抵抗体の組立て体を
    乾燥させる工程と、 治具の周面と乾燥した断熱材の内周面との間から上記濾
    過材を抜出す濾過材除去工程と、 上記乾燥後、上記治具を断熱材内部から取り出す治具除
    去工程と、 を含むことを特徴とする熱処理炉の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記スラリーは、シリカ、アルミナを含む繊維質成分と
    水と懸濁させるためのバインダとを含む液状体であるこ
    とを特徴とする熱処理炉の製造方法。
  3. 【請求項3】 線材からなる発熱抵抗体が内壁面に沿っ
    てスパイラル状に連続する状態に配置された断熱材を備
    えている熱処理炉において、 上記断熱材の内壁面から差込まれ、上記発熱抵抗体の配
    列ピッチを設定して同発熱抵抗体を保持する櫛歯状のセ
    パレータを備え、 このセパレータは、櫛歯先端が断熱材中に埋設されると
    ともに、上記断熱材の内壁面と上記発熱抵抗体との間に
    径方向の隙間を設定して櫛歯の基部側で発熱抵抗体を保
    持することを特徴とする熱処理炉。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記セパレータは、隣り合う櫛歯の長さが異ならせてあ
    ることを特徴とする熱処理炉。
  5. 【請求項5】 請求項3または4において、 上記セパレータは、櫛歯の長い方に、長手方向と直角に
    張り出す突起部が形成されていることを特徴とする熱処
    理炉。
JP5305956A 1993-11-10 1993-11-10 熱処理炉製造方法および熱処理炉 Pending JPH07135179A (ja)

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US08/337,366 US5506389A (en) 1993-11-10 1994-11-08 Thermal processing furnace and fabrication method thereof
JP6300298A JP2840558B2 (ja) 1993-11-10 1994-11-09 熱処理炉及びその製造方法
TW083110430A TW273637B (ja) 1993-11-10 1994-11-10
KR1019940029435A KR100235548B1 (ko) 1993-11-10 1994-11-10 열처리로 및 그 제조방법

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008263170A (ja) * 2007-03-20 2008-10-30 Tokyo Electron Ltd 熱処理炉及び縦型熱処理装置
JP2012009702A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Hitachi Kokusai Electric Inc 加熱装置及び半導体装置の製造方法

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