JP4401543B2 - 縦型熱処理装置およびその板状断熱材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦型熱処理装置およびその板状断熱材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造においては、被処理体例えば半導体ウエハに、酸化、拡散、CVD(Chemical Vapor Deposition)などの処理を行うために、各種の熱処理装置が用いられている。そして、その一つとして、一度に多数枚の被処理体の熱処理が可能な縦型熱処理装置が知られている。
【0003】
この縦型熱処理装置は、複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器を有し、この処理容器の周囲には筒状断熱材を有するヒータが設置されている。また、このヒータの筒状断熱材の上部には、頂部断熱材としての板状断熱材が被せられ、ヒータの頂部における断熱が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記縦型熱処理装置においては、ヒータの頂部断熱材である板状断熱材に熱劣化や熱衝撃等により放射状にひびが入ることがある。そして、ひび割れ(亀裂)が進行すると、板状断熱材が形状を維持できなくなって崩落を招く恐れがある。板状断熱材が崩落を起こすと、ヒータの頂部の断熱性が損なわれるだけでなく、崩落した板状断熱材の直撃によりヒータのエレメント(抵抗発熱線)が損傷すると、熱処理が困難になる恐れがあった。
【0005】
本発明は、前記事情を考慮してなされたもので、板状断熱材のひび割れによる崩落を防止することができ、断熱性および耐久性の向上が図れる縦型熱処理装置およびその板状断熱材の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち、請求項1の発明は、複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に板状断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材に複数本の芯棒を埋め込んでなることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に板状断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材を成形する成形型内に複数の芯棒を配置する工程と、前記成形型を断熱材料をなす無機質繊維を含む懸濁液に浸漬して吸引により成形型内に断熱材料を堆積させる工程と、その堆積された断熱材料からなる成形体を成形型から取外して乾燥させる工程と、その乾燥された成形体を焼成する工程とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に板状断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材を短冊状に複数に分割する工程と、分割された板状断熱材の構成片に複数本の芯棒を通すための孔を加工する工程と、この工程後に前記板状断熱材の構成片を接合して前記孔に芯棒を挿通する工程とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に頂部断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記頂部断熱材が前記筒状断熱材の上部に載置される耐熱性及び耐熱衝撃性を有する材料からなる皿部材と、この皿部材上に載置される毛布状断熱材とからなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基いて詳述する。図1は本発明の実施の形態を示す縦型熱処理装置の縦断面図、図2は同縦型熱処理装置の板状断熱材の斜視図、図3は同板状断熱材の断面図、図4は芯棒の拡大断面図、図5は板状断熱材の製造方法の一例を説明する図である。
【0011】
図1において、1は縦型熱処理装置で、この縦型熱処理装置1は複数枚の被処理体例えば半導体ウエハwを収容して所定の熱処理例えばCVD処理を施す縦型の処理容器(プロセスチューブ)2を備えている。この処理容器2は、耐熱性および耐食性を有する材料例えば石英ガラスにより形成されている。
【0012】
処理容器2は、本実施の形態では、内管2aと外管2bの二重管構造になっている。内管2aは上端および下端が開放されている。外管2bは、上端が閉塞され、下端が開放されている。なお、処理容器2は、外管2bのみからなっていてもよく、この場合、外管2bの頂部に排気部が設けられていてもよい。
【0013】
処理容器2の下部には、本実施の形態では、処理容器2内に処理ガスや不活性ガスを導入するガス導入部3と、処理容器2内を排気する排気部4とを有する短円筒状のマニホールド5が設けられている。このマニホールド5は、耐熱性および耐食性を有する材料例えばステンレス鋼により形成されている。
【0014】
ガス導入部3には、ガス源に通じるガス供給系の配管が接続される。排気部4には、真空ポンプおよび圧力制御機構を有する排気系が接続され、処理容器2内を所定の処理圧力に制御し得るようになっている。この処理圧力に制御された状態で、ガス導入部3から導入された処理ガスが処理容器2の内管2a内を上昇してウエハwの所定の熱処理に供された後、内管2aと外管2bとの間の環状通路を下降して排気部4から排気されるようになっている。
【0015】
前記マニホールド5の上端には、フランジ部5aが形成されており、この上端フランジ部5aの上面には、外管2bの下端フランジ部2fが載置され、フランジ押え6により接合固定されている。マニホールド5の上端フランジ部5fと外管2bの下端フランジ部2fとの間には、シール手段である例えばOリング7が介設されている。マニホールド5の内側には、内管2aを支持するための内管支持部8が設けられている。
【0016】
前記マニホールド5は、ベースプレート9の下部に取付けられており、このベースプレート9の上部には、処理容器2の周囲を取り囲み処理容器2内のウエハwを所定の熱処理温度に加熱昇温するためのヒータ10が設置されている。このヒータ10は、処理容器2の周囲を取囲む筒状(円筒状)の断熱材11を備え、この筒状断熱材11の内周に抵抗発熱線12が螺旋状または蛇行状に配設されている。前記ヒータ10は、高さ方向に複数の領域に分けて温度制御が可能に構成されている。
【0017】
ヒータ10の筒状断熱材11の上部には、ヒータ10の頂部断熱材である円板状の板状断熱材13が被せられ(載置され)ている。ヒータ10本体の筒状断熱材11およびヒータ10頂部の板状断熱材13は、所定の断熱材料例えばシリカ(SiO2)およびアルミナ(Al2O3)の混合材料により形成されている。板状断熱材13の具体的構造および製造方法については後述する。
【0018】
前記ヒータ10の筒状断熱材11の外側および板状断熱材13の上方は、金属板からなる覆いであるアウターシェルにより覆われており、アウターシェルには水冷ジャケットが設けられている(図示省略)。なお、図示例の板状断熱材13は、ヒータ10の内側を強制的に空冷する際に排気するための排気口14を中央に有しているが、ヒータ10が強制空冷式でない場合には排気口を有していなくてもよい。
【0019】
処理容器2内に複数枚例えば150枚程度の半導体ウエハwを高さ方向に所定間隔で搭載保持するために、ウエハwは保持具である例えば石英ガラス製のボート15に保持され、このボート15はマニホールド5の下端開口部(炉口)を密閉する例えばステンレス鋼製の蓋体16の上部に炉口断熱手段である保温筒17を介して載置されている。前記処理容器2の下方には、蓋体16を昇降させて蓋体16の開閉および処理容器2に対するボート15の搬入搬出を行うための昇降機構18が設けられていると共にその作業領域であるローディングエリア19が設けられている。
【0020】
マニホールド5の下端(開口端)と蓋体16との接合部には、シール手段である例えばOリングが設けられている(図示省略)。また、蓋体16には、ウエハwの面内均一な熱処理を可能とするためにボート15を回転するための回転機構20が設けられている。
【0021】
そして、前記ヒータ10の頂部断熱材である板状断熱材13には、その熱劣化や熱衝撃等に起因するひび割れによる崩落を防止するために、図2ないし図3にも示すように、複数例えば2本の芯棒21が埋め込まれている。また、前記板状断熱材13の下面および排気口14の内周面には、板状断熱材13にひび割れが生じた時に発生する粉状のごみ(パーティクル)の落下や飛散を抑制ないし防止するため、および板状断熱材13のひび割れによる崩落を抑制するために、アルミナクロス(アルミナ製のシート)22が貼り付けられていることが好ましいが、必ずしもアルミナクロス22が貼り付けられていなくてもよい。
【0022】
前記芯棒21は、例えばアルミナセラミックからなっている。芯棒21は、板状断熱材13の内部に、排気口14を挟んで面方向ないし直径方向に平行に配置されている。例えば、直径が300mmのウエハ対応の縦型熱処理装置の場合、前記板状断熱材13の直径は620mm程度、厚さは50mm程度とされる。また、前記芯棒21の直径は11mm程度とされる。前記芯棒21は、中実であってもよいが、強度を高めるために、中空ないし管状であることが好ましい。また、更に強度を高めるために、芯棒21は、図4に示すように、管状の外芯材21aと、この外芯材21a内に挿通された内芯材21bとの二重構造になっていることが好ましい。
【0023】
次に、以上の構成からなる縦型熱処理装置の作用を述べる。先ず、ウエハwの移載が終了したボート15は、ローディングエリア19において、蓋体16上の保温筒17上に載置される。次に、昇降機構18による蓋体16の上昇によってボート15を処理容器2内にその下端開口(マニホールド5の下端開口部)から搬入し、その開口を蓋体16で気密に閉塞する。そして、処理容器2内を、排気部4からの排気系による減圧排気により所定の圧力ないし真空度に制御すると共にヒータ10により所定の処理温度に制御し、回転機構20によりボート15を回転させながらガス導入部3より処理ガスを処理容器2内に導入してウエハwに所定の熱処理例えばCVD処理を開始する。
【0024】
所定の熱処理が終了したなら、先ず、ヒータ10の電源を切り、ヒータ10内を強制空冷すると共に、処理ガスの導入を停止し不活性ガスの導入により処理容器2内をパージする。次に、回転機構20を停止し、蓋体16を下降させて処理容器2内を開放すると共にボート2をローディングエリア37に搬出すればよい。
【0025】
このように前記縦型熱処理装置1によれば、複数枚のウエハwを収容する縦型の処理容器2の周囲に、筒状断熱材11を有するヒータ10を設置し、このヒータ10の筒状断熱材11の上部に板状断熱材13を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材13に複数本の芯棒21を埋め込んでなるため、たとえ板状断熱材13に熱衝撃等によりひびが入り、ひび割れが発生したとしても、板状断熱材13の形状が前記芯棒21によって保持されるようになり、板状断熱材13の崩落を防止することができる。
【0026】
従って、板状断熱材13の崩落によるヒータ頂部の断熱性の低下、およびヒータエレメント(抵抗発熱線)12の破損(断線)を防止することができ、断熱性および耐久性の向上が図れる。
【0027】
前述のように直径の大きい板状断熱材13に芯棒21を挿通するための長さの長い孔をドリル等により直接設けることは難しいので、次のような板状断熱材の製造方法が採用される。すなわち、本実施の形態の板状断熱材の製造方法は、図5に示すように、前記板状断熱材を成形する成形型23内に複数本の芯棒21を面方向に平行に配置する工程と、前記成形型23を断熱材料をなす無機質繊維を含む懸濁液24に浸漬して吸引により成形型23内に断熱材料を堆積させる工程と、その堆積された断熱材料からなる成形体(図示省略)を成形型23から取外して乾燥させる工程と、その乾燥された成形体を焼成する工程とを備えている。
【0028】
前記成形型23は、下部が開放された円形箱状をなし、内部の上方には懸濁液の水分を透過させ、断熱材料を堆積させるための濾過材である網25が張設されている。前記芯棒21は、成形型23内に図示しない治具により着脱可能に取付けられる。前記成形型23の上部には、吸引口26が設けられ、この吸引口26に吸引ポンプ27が接続される。
【0029】
前記懸濁液24は、槽28内に収容されている。この懸濁液24としては、例えばシリカ、アルミナあるいは珪酸アルミナを含む無機質繊維と、水およびバインダからなるスラリー状のものが用いられる。前記成形型23を懸濁液層28内に浸漬し、吸引ポンプ27を駆動すると、懸濁液24が成形型23内に吸引され、濾過材である網25を透過しない断熱材料である無機質繊維が網25上に堆積される。なお、網25を透過した水分ならびに無機質繊維は、吸引ポンプ27の吐出パイプ29を介して回収されるが、再度懸濁液槽28内に循環させるようにしてもよい。
【0030】
無機質繊維からなる断熱材料が所定厚さ堆積されて断熱材料中に芯棒21が埋没されたなら、吸引を止めて成形型23を懸濁液層28から引き上げ、成形型23から堆積成形された断熱材料の成形体を芯棒21と共に取外して自然もしくは強制的に乾燥させる。そして、その乾燥された成形体を焼成した後、排気口14の加工や仕上げ加工を施すことにより所定の板状断熱材13が得られる。
【0031】
本実施の形態の板状断熱材の製造方法によれば、板状断熱材13を成形する成形型23内に複数の芯棒21を配置する工程と、前記成形型23を断熱材料をなす無機質繊維を含む懸濁液24に浸漬して吸引により成形型23内に断熱材料を堆積させる工程と、その堆積された断熱材料からなる成形体を成形型23から取外して乾燥させる工程と、その乾燥された成形体を焼成する工程とを備えているため、複数本の芯棒21が面方向に埋め込まれた板状断熱材13を容易に製造することができ、たとえ板状断熱材13に熱衝撃等によりひびが入り、ひび割れが発生したとしても、板状断熱材13のひび割れによる崩落を前記芯棒21による形状保持作用によって防止することができ、断熱性および耐久性の向上が図れる。
【0032】
図6は板状断熱材の製造方法の他の例を説明する図である。本実施の形態における板状断熱材の製造方法は、例えば前述した吸引成形方法(但し、芯棒は使用しない。)により成形加工された円板状の板状断熱材13〔図6の(a)参照〕を所定の幅例えば5cm幅の短冊状に複数に分割する工程〔図6の(b)参照〕と、分割された板状断熱材の構成片13a〜13nに複数本の芯棒21を通すための孔30を加工する工程〔図6の(c)参照〕と、この工程後に前記板状断熱材の構成片13a〜13nを接合して前記孔30に芯棒21を挿通する工程〔図6の(d)参照〕とを備えている。
【0033】
すなわち、前記板状断熱材の製造方法によれば、板状断熱材13を短冊状に複数に分割する工程と、分割された板状断熱材の構成片13a〜13nに複数本の芯棒21を通すための孔30を加工する工程と、この工程後に前記板状断熱材の構成片13a〜13nを接合して連続した孔30に芯棒21を挿通する工程とを備えているため、複数本の芯棒21が面方向(直径方向)に埋め込まれた板状断熱材13を容易に製造することができ、たとえ板状断熱材13に熱衝撃等によりひびが入り、ひび割れが発生したとしても、板状断熱材13のひび割れによる崩落を前記芯棒21によって防止することができ、断熱性および耐久性の向上が図れる。
【0034】
図7は板状断熱材の他の例を示す断面図である。本実施の形態における板状断熱材(頂部断熱材)13は、前記ヒータ10の筒状断熱材11の上部に載置される皿部材31と、この皿部材31上に載置される毛布状断熱材32とからなっている。前記皿部材31は、耐熱性、耐熱衝撃性を有する材料例えば石英ガラスもしくはセラミックにより形成されている。皿部材31を石英ガラスにより形成する場合、サンドブラスト等により不透明とされていることが好ましい。
【0035】
本実施の形態の板状断熱材(頂部断熱材)13によれば、前記筒状断熱材11の上部に載置される耐熱性を有する皿部材31と、この皿部材31上に載置される毛布状断熱材32とからなるため、これら皿部材31および毛布上断熱材32が従来の板状断熱材のように熱衝撃等によってひび割れを生じる恐れがなく、ヒータ頂部の断熱性および耐久性の向上が図れる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、前記実施の形態では、熱処理の一例としてCVD処理が例示されているが、本発明の縦型熱処理装置は、CVD処理以外に、例えば拡散処理、酸化処理、アニール処理等を行うことが可能である。また、前記実施の形態では、処理容器にマニホールドを備えた縦型熱処理装置が例示されているが、本発明の縦型熱処理装置は、処理容器にマニホールドを備えていなくてもよい。また、被処理体としては、半導体ウエハ以外に、例えばLCD基板やガラス基板等であってもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0038】
(1)請求項1の発明によれば、複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に板状断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材に複数本の芯棒を埋め込んでなるため、たとえ板状断熱材に熱衝撃等によりひびが入ったとしても、板状断熱材のひび割れによる崩落を前記芯棒によって防止することができ、断熱性および耐久性の向上が図れる。
【0039】
(2)請求項2の発明によれば、複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に板状断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材を成形する成形型内に複数の芯棒を配置する工程と、前記成形型を断熱材料をなす無機質繊維を含む懸濁液に浸漬して吸引により成形型内に断熱材料を堆積させる工程と、その堆積された断熱材料からなる成形体を成形型から取外して乾燥させる工程と、その乾燥された成形体を焼成する工程とを備えているため、芯棒が埋め込まれた板状断熱材を容易に製造することができ、たとえ板状断熱材に熱衝撃等によりひびが入ったとしても、板状断熱材のひび割れによる崩落を前記芯棒によって防止することができ、断熱性および耐久性の向上が図れる。
【0040】
(3)請求項3の発明によれば、複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に板状断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材を短冊状に複数に分割する工程と、分割された板状断熱材の構成片に複数本の芯棒を通すための孔を加工する工程と、この工程後に前記板状断熱材の構成片を接合して前記孔に芯棒を挿通する工程とを備えているため、芯棒が埋め込まれた板状断熱材を容易に製造することができ、たとえ板状断熱材に熱衝撃等によりひびが入ったとしても、板状断熱材のひび割れによる崩落を前記芯棒によって防止することができ、断熱性および耐久性の向上が図れる。
【0041】
(4)請求項4の発明によれば、複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に頂部断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記頂部断熱材が前記筒状断熱材の上部に載置される耐熱性及び耐熱衝撃性を有する材料からなる皿部材と、この皿部材上に載置される毛布状断熱材とからなるため、これら皿部材および毛布上断熱材が従来の板状断熱材のように熱衝撃等によってひび割れを生じる恐れがなく、頂部の断熱性および耐久性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦型熱処理装置の縦断面図である。
【図2】同縦型熱処理装置の板状断熱材の斜視図である。
【図3】同板状断熱材の断面図である。
【図4】芯棒の拡大断面図である。
【図5】板状断熱材の製造方法の一例を説明する図である。
【図6】板状断熱材の製造方法の他の例を説明する図である。
【図7】板状断熱材の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
w 被処理体
1 縦型熱処理装置
2 処理容器
10 ヒータ
11 筒状断熱材
13 板状断熱材(頂部断熱材)
21 芯棒
23 成形型
24 懸濁液
30 孔
31 皿部材
32 毛布状断熱材
Claims (4)
- 複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に板状断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材に複数本の芯棒を埋め込んでなることを特徴とする縦型熱処理装置。
- 複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に板状断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材を成形する成形型内に複数の芯棒を配置する工程と、前記成形型を断熱材料をなす無機質繊維を含む懸濁液に浸漬して吸引により成形型内に断熱材料を堆積させる工程と、その堆積された断熱材料からなる成形体を成形型から取外して乾燥させる工程と、その乾燥された成形体を焼成する工程とを備えたことを特徴とする縦型熱処理装置の板状断熱材の製造方法。
- 複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に板状断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記板状断熱材を短冊状に複数に分割する工程と、分割された板状断熱材の構成片に複数本の芯棒を通すための孔を加工する工程と、この工程後に前記板状断熱材の構成片を接合して前記孔に芯棒を挿通する工程とを備えたことを特徴とする縦型熱処理装置の板状断熱材の製造方法。
- 複数枚の被処理体を収容する縦型の処理容器の周囲に、筒状断熱材を有するヒータを設置し、該ヒータの筒状断熱材の上部に頂部断熱材を被せてなる縦型熱処理装置において、前記頂部断熱材が前記筒状断熱材の上部に載置される耐熱性及び耐熱衝撃性を有する材料からなる皿部材と、この皿部材上に載置される毛布状断熱材とからなることを特徴とする縦型熱処理装置。
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