JPH07134431A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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- JPH07134431A JPH07134431A JP30083393A JP30083393A JPH07134431A JP H07134431 A JPH07134431 A JP H07134431A JP 30083393 A JP30083393 A JP 30083393A JP 30083393 A JP30083393 A JP 30083393A JP H07134431 A JPH07134431 A JP H07134431A
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- JP
- Japan
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- layer
- charge injection
- injection blocking
- amorphous silicon
- hydrogen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高感度で解像度が高く、干渉縞模様の発生が
なく、高画質のプリントを出力できるレーザビームプリ
ンター用の電子写真感光体を提供する。 【構成】 導電性基体上に、電荷注入阻止層と、アモル
ファスシリコンを主体とし、水素、ハロゲン、ゲルマニ
ウム、第III 族および第V族元素から選ばれた元素の少
なくとも1種を含有する光導電層を有する感光層も設け
てなる電子写真感光体であって、電荷注入阻止層の表面
がRmax0.01〜5μmの範囲に粗面化されてい
る。電荷注入阻止層は、水素、ハロゲン、第III 族元
素、第V族元素、炭素、窒素および酸素から選ばれた元
素の少なくとも1種を含有するアモルファスシリコンか
らなり、その表面がエッチングガスを用いて粗面化され
ているのが好ましい。
なく、高画質のプリントを出力できるレーザビームプリ
ンター用の電子写真感光体を提供する。 【構成】 導電性基体上に、電荷注入阻止層と、アモル
ファスシリコンを主体とし、水素、ハロゲン、ゲルマニ
ウム、第III 族および第V族元素から選ばれた元素の少
なくとも1種を含有する光導電層を有する感光層も設け
てなる電子写真感光体であって、電荷注入阻止層の表面
がRmax0.01〜5μmの範囲に粗面化されてい
る。電荷注入阻止層は、水素、ハロゲン、第III 族元
素、第V族元素、炭素、窒素および酸素から選ばれた元
素の少なくとも1種を含有するアモルファスシリコンか
らなり、その表面がエッチングガスを用いて粗面化され
ているのが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体、特に
半導体レーザビームプリンター用の電子写真感光体に関
する。
半導体レーザビームプリンター用の電子写真感光体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いたレーザビー
ムプリンターがパーソナルコンピュータ、ワードプロセ
ッサ等の出力用端末として急速に普及してきた。レーザ
ビームプリンターに用いられる感光体としては、赤外感
度のある有機感光体が用いられている。しかしながら、
有機感光体は、赤外感度、帯電特性に優れた点がある
が、耐久性、耐刷性が不足しているという問題があっ
た。一方、長寿命感光体としてアモルファスシリコンを
有する感光体が開発され、実用化されているが、アモル
ファスシリコンは一般的に用いられている半導体レーザ
の780nmの波長領域で光学吸収が小さく、したがっ
て、アモルファスシリコンよりなる光導電層を有する感
光体は、その感度が750nmより波長領域で急激に低
下し、半導体レーザの光は光導電層に全て吸収されな
い。その結果、表面反射光との干渉により、複写画像上
で木目状の濃淡模様が現れ、画質を損なうものとなる。
ムプリンターがパーソナルコンピュータ、ワードプロセ
ッサ等の出力用端末として急速に普及してきた。レーザ
ビームプリンターに用いられる感光体としては、赤外感
度のある有機感光体が用いられている。しかしながら、
有機感光体は、赤外感度、帯電特性に優れた点がある
が、耐久性、耐刷性が不足しているという問題があっ
た。一方、長寿命感光体としてアモルファスシリコンを
有する感光体が開発され、実用化されているが、アモル
ファスシリコンは一般的に用いられている半導体レーザ
の780nmの波長領域で光学吸収が小さく、したがっ
て、アモルファスシリコンよりなる光導電層を有する感
光体は、その感度が750nmより波長領域で急激に低
下し、半導体レーザの光は光導電層に全て吸収されな
い。その結果、表面反射光との干渉により、複写画像上
で木目状の濃淡模様が現れ、画質を損なうものとなる。
【0003】この問題を解決するものとしては、特開昭
54−86341号公報に開示されているような反射防
止層を設けることが提案されているが、干渉縞模様を完
全に消去することは困難であった。また、基体の表面に
周期的な凹凸を付与したり(特開昭60−168156
号公報)、ランダムで微小な凹凸を付与し(特開昭62
−69272号公報、特開昭63−20912号公
報)、基体上でのレーザ光の正反射光を減少させ、干渉
を減少させることが提案されている。これらの場合に
は、基体表面に凹凸を設けるためにサンドブラストなど
の工程や設備が必要になり、コストが増加し、また生産
性が低下するという問題がある。
54−86341号公報に開示されているような反射防
止層を設けることが提案されているが、干渉縞模様を完
全に消去することは困難であった。また、基体の表面に
周期的な凹凸を付与したり(特開昭60−168156
号公報)、ランダムで微小な凹凸を付与し(特開昭62
−69272号公報、特開昭63−20912号公
報)、基体上でのレーザ光の正反射光を減少させ、干渉
を減少させることが提案されている。これらの場合に
は、基体表面に凹凸を設けるためにサンドブラストなど
の工程や設備が必要になり、コストが増加し、また生産
性が低下するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点に鑑みてなされたものであ
る。すなわち、本発明の目的は、アモルファスシリコン
電子写真感光体における上記のような欠点を解消し、高
感度で信頼性の高い長寿命の電子写真感光体を高い生産
性とかつ低コストで提供することにある。本発明の他の
目的は、解像度が高く、干渉模様の発生がなく、高画質
のプリントを出力できるレーザビームプリンター用の電
子写真感光体を提供することにある。
における上記のような問題点に鑑みてなされたものであ
る。すなわち、本発明の目的は、アモルファスシリコン
電子写真感光体における上記のような欠点を解消し、高
感度で信頼性の高い長寿命の電子写真感光体を高い生産
性とかつ低コストで提供することにある。本発明の他の
目的は、解像度が高く、干渉模様の発生がなく、高画質
のプリントを出力できるレーザビームプリンター用の電
子写真感光体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の問題
点を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、電荷注入阻止層
の表面エッチングガスによって粗面化することにより、
高画質で解像度が高く、干渉模様の発生のないレーザビ
ームプリンターに適した電子写真感光体が得られること
を見出だし、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷注入阻
止層とアモルファスシリコンを主体とし、水素、ハロゲ
ン、ゲルマニウム、第III 族および第V族元素から選ば
れた元素の少なくとも1種を含有する光導電層とを有す
る光導電層を設けてなる電子写真感光体において、電荷
注入阻止層の表面、すなわち光導電層と接する面がRm
ax0.01〜5μmの範囲に粗面化されていることを
特徴とする。
点を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、電荷注入阻止層
の表面エッチングガスによって粗面化することにより、
高画質で解像度が高く、干渉模様の発生のないレーザビ
ームプリンターに適した電子写真感光体が得られること
を見出だし、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷注入阻
止層とアモルファスシリコンを主体とし、水素、ハロゲ
ン、ゲルマニウム、第III 族および第V族元素から選ば
れた元素の少なくとも1種を含有する光導電層とを有す
る光導電層を設けてなる電子写真感光体において、電荷
注入阻止層の表面、すなわち光導電層と接する面がRm
ax0.01〜5μmの範囲に粗面化されていることを
特徴とする。
【0006】本発明の電子写真感光体において、電荷注
入阻止層は、水素、ハロゲン、第III 族元素、第V属元
素、炭素、窒素および酸素から選ばれる元素の少なくと
も1種を含有するアモルファスシリコンからなり、そし
てその表面が、エッチングガスとして四フッ化炭素と酸
素の混合ガス、三フッ化窒素および三フッ化塩素の少な
くとも1種を用いてグロー放電分解法により、あるいは
接触化学反応により粗面化されていることが好ましい。
入阻止層は、水素、ハロゲン、第III 族元素、第V属元
素、炭素、窒素および酸素から選ばれる元素の少なくと
も1種を含有するアモルファスシリコンからなり、そし
てその表面が、エッチングガスとして四フッ化炭素と酸
素の混合ガス、三フッ化窒素および三フッ化塩素の少な
くとも1種を用いてグロー放電分解法により、あるいは
接触化学反応により粗面化されていることが好ましい。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。図1〜図
3に本発明の電子写真感光体の模式的断面図を示す。図
1は本発明の電子写真感光体の基本的な構造を示し、導
電性基体1上に、表面が粗面化された電荷注入阻止層2
aとアモルファスシリコンを主体としてなる光導電層2
bからなる感光層2が設けられている。図2において
は、導電性基体1上に、感光層2として、表面が粗面化
された電荷注入阻止層2aおよびアモルファスシリコン
を主体としてなる光導電層2bが積層され、さらに光導
電層2bの上に表面層または反射防止層3が設けられて
いる。また、図3は、アモルファスシリコンおよび/ま
たはアモルファスカーボンの2層構造の表面層3を設け
た感光体を示すものであって、表面層3は、第1の表面
層3aと第2の表面層3bから構成されており、第1の
表面層3aは反射防止層に置き換えることもできる。
3に本発明の電子写真感光体の模式的断面図を示す。図
1は本発明の電子写真感光体の基本的な構造を示し、導
電性基体1上に、表面が粗面化された電荷注入阻止層2
aとアモルファスシリコンを主体としてなる光導電層2
bからなる感光層2が設けられている。図2において
は、導電性基体1上に、感光層2として、表面が粗面化
された電荷注入阻止層2aおよびアモルファスシリコン
を主体としてなる光導電層2bが積層され、さらに光導
電層2bの上に表面層または反射防止層3が設けられて
いる。また、図3は、アモルファスシリコンおよび/ま
たはアモルファスカーボンの2層構造の表面層3を設け
た感光体を示すものであって、表面層3は、第1の表面
層3aと第2の表面層3bから構成されており、第1の
表面層3aは反射防止層に置き換えることもできる。
【0008】本発明において、導電性基体を構成する支
持体としては、導電性支持体または絶縁性支持体のいず
れを用いてもよい。導電性支持体としては、ステンレス
鋼、アルミニウム、ニッケル、クロム等の金属およびそ
の合金があげられる。ステレンス鋼の中では、一般にオ
ーステナイト系ステンレス鋼と称されるCr−Ni含有
鋼で形成されているものを用いることができる。さらに
また、これらのオーステナイト系ステンレス鋼よりなる
導電性支持体の表面に、少なくともモリブデン、クロ
ム、マンガン、タングステンまたはチタンを主成分とす
る導電層を形成させたものが好ましく使用される。これ
らの導電層は、メッキ処理、スパッタリング法または蒸
着法によって形成することができる。また、アルミニウ
ム基板上に、クロム、チタン、タングステンまたはモリ
ブデンを主成分として形成された導電層を有するものを
用いることもできる。さらにまた、モリブデン、タング
ステンまたはチタンから構成される導電性支持体を用い
ることもできる。絶縁性支持体としては、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリイミド等の高分子フィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミックなどがあげられる。絶縁性支持
体を用いる場合は、少なくとも他の層と隣接する面に導
電化処理が施される。導電化処理は、上記導電性金属或
いは金、銀、銅等を蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法によって絶縁性支持体上に金属膜とし
て形成することにより行われる。
持体としては、導電性支持体または絶縁性支持体のいず
れを用いてもよい。導電性支持体としては、ステンレス
鋼、アルミニウム、ニッケル、クロム等の金属およびそ
の合金があげられる。ステレンス鋼の中では、一般にオ
ーステナイト系ステンレス鋼と称されるCr−Ni含有
鋼で形成されているものを用いることができる。さらに
また、これらのオーステナイト系ステンレス鋼よりなる
導電性支持体の表面に、少なくともモリブデン、クロ
ム、マンガン、タングステンまたはチタンを主成分とす
る導電層を形成させたものが好ましく使用される。これ
らの導電層は、メッキ処理、スパッタリング法または蒸
着法によって形成することができる。また、アルミニウ
ム基板上に、クロム、チタン、タングステンまたはモリ
ブデンを主成分として形成された導電層を有するものを
用いることもできる。さらにまた、モリブデン、タング
ステンまたはチタンから構成される導電性支持体を用い
ることもできる。絶縁性支持体としては、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリイミド等の高分子フィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミックなどがあげられる。絶縁性支持
体を用いる場合は、少なくとも他の層と隣接する面に導
電化処理が施される。導電化処理は、上記導電性金属或
いは金、銀、銅等を蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法によって絶縁性支持体上に金属膜とし
て形成することにより行われる。
【0009】本発明において、導電性基体上には、電荷
注入阻止層および光導電層よりなる感光層が形成され、
そして光導電層の上には、所望により反射防止層および
/または表面層を設けられる。電荷注入阻止層は、アモ
ルファスシリコンを主体として構成され、そして、導電
性基体または光導電層との接着性、電荷注入阻止能を向
上させるために、水素、ハロゲン、第III 族元素、第V
族元素、炭素、窒素および酸素の少なくとも1種を含有
させることができる。これら添加元素のうち、第III 族
元素を用いるか、或いはV族元素を用いるかは、感光体
の帯電極性によって決められる。電荷注入阻止層の膜厚
は0.01〜10μm、好ましくは0.1〜10μmの
範囲に設定される。
注入阻止層および光導電層よりなる感光層が形成され、
そして光導電層の上には、所望により反射防止層および
/または表面層を設けられる。電荷注入阻止層は、アモ
ルファスシリコンを主体として構成され、そして、導電
性基体または光導電層との接着性、電荷注入阻止能を向
上させるために、水素、ハロゲン、第III 族元素、第V
族元素、炭素、窒素および酸素の少なくとも1種を含有
させることができる。これら添加元素のうち、第III 族
元素を用いるか、或いはV族元素を用いるかは、感光体
の帯電極性によって決められる。電荷注入阻止層の膜厚
は0.01〜10μm、好ましくは0.1〜10μmの
範囲に設定される。
【0010】本発明において、電荷注入阻止層は、その
表面が粗面化されていることが必要である。粗面化は、
エッチングガスによって行われるのが好ましい。その際
に用いるエッチングガスとしては、四フッ化炭素と酸素
との混合ガス、三フッ化窒素ガスおよび三フッ化塩素ガ
スから選択された少なくとも1種であるのが好ましい。
四フッ化炭素と酸素との混合ガスを用いる場合は、酸素
の含有量が3〜20容量%の組成のものが望ましい。エ
ッチングガスとして、四フッ化炭素と酸素との混合ガス
および三フッ化窒素ガスのうちの少なくとも1種を用い
て粗面化する場合は、グロー放電分解法を用いることが
好ましい。グロー放電分解法による電荷注入阻止層の粗
面化条件は次の通りである。すなわち、周波数は、通
常、0〜5GHz、好ましくは0.5〜3GHz、放電
時の真空度は10-5〜10Torr(0.001〜13
33Pa)、放電電力は10〜2000Wである。ま
た、エッチングガスとして、三フッ化塩素ガスを用いて
粗面化する場合には、グロー放電のプラズマを用いない
(プラズマレス)接触化学反応により行うことが好まし
い。接触化学反応は、大気圧以下の雰囲気でエッチング
ガスと電荷注入阻止層とを接触させることによって行う
ことができる。本発明において、電荷注入阻止層の粗面
化の度合いは、表面粗さRmaxで0.01〜5μmの
範囲であることが必要であり、好ましくは、0.03〜
3μmである。粗面化の度合いが、0.01μmより平
滑になると、干渉縞模様が発生し易くなる傾向にあり、
また、5μmより粗くなると、その上に形成される光導
電層に悪影響を及ぼすようになり、画像欠陥の発生や解
像度の低下を生じる。
表面が粗面化されていることが必要である。粗面化は、
エッチングガスによって行われるのが好ましい。その際
に用いるエッチングガスとしては、四フッ化炭素と酸素
との混合ガス、三フッ化窒素ガスおよび三フッ化塩素ガ
スから選択された少なくとも1種であるのが好ましい。
四フッ化炭素と酸素との混合ガスを用いる場合は、酸素
の含有量が3〜20容量%の組成のものが望ましい。エ
ッチングガスとして、四フッ化炭素と酸素との混合ガス
および三フッ化窒素ガスのうちの少なくとも1種を用い
て粗面化する場合は、グロー放電分解法を用いることが
好ましい。グロー放電分解法による電荷注入阻止層の粗
面化条件は次の通りである。すなわち、周波数は、通
常、0〜5GHz、好ましくは0.5〜3GHz、放電
時の真空度は10-5〜10Torr(0.001〜13
33Pa)、放電電力は10〜2000Wである。ま
た、エッチングガスとして、三フッ化塩素ガスを用いて
粗面化する場合には、グロー放電のプラズマを用いない
(プラズマレス)接触化学反応により行うことが好まし
い。接触化学反応は、大気圧以下の雰囲気でエッチング
ガスと電荷注入阻止層とを接触させることによって行う
ことができる。本発明において、電荷注入阻止層の粗面
化の度合いは、表面粗さRmaxで0.01〜5μmの
範囲であることが必要であり、好ましくは、0.03〜
3μmである。粗面化の度合いが、0.01μmより平
滑になると、干渉縞模様が発生し易くなる傾向にあり、
また、5μmより粗くなると、その上に形成される光導
電層に悪影響を及ぼすようになり、画像欠陥の発生や解
像度の低下を生じる。
【0011】なお、電荷注入層と導電性支持体との間に
は、接着層として作用する補助層を設けてもよい。補助
層は、例えば、窒素、炭素、酸素の元素のうち少なくと
も一種を含有するアモルファスシリコンよりなることが
できる。アモルファスシリコンが炭素、窒素、酸素を含
有するa−SiCx、a−SiNy、a−SiOzであ
る場合、C、N、Oの含有量x、y、zは、それぞれ
0.01<x<0.5、0.01<y<0.3、0.0
1<z<0.5の範囲が好ましい。補助層の膜厚は0.
1μm〜3μmの範囲が好ましい。
は、接着層として作用する補助層を設けてもよい。補助
層は、例えば、窒素、炭素、酸素の元素のうち少なくと
も一種を含有するアモルファスシリコンよりなることが
できる。アモルファスシリコンが炭素、窒素、酸素を含
有するa−SiCx、a−SiNy、a−SiOzであ
る場合、C、N、Oの含有量x、y、zは、それぞれ
0.01<x<0.5、0.01<y<0.3、0.0
1<z<0.5の範囲が好ましい。補助層の膜厚は0.
1μm〜3μmの範囲が好ましい。
【0012】電荷注入阻止層の上に形成される光導電層
は、水素、ハロゲン、第III 族元素および第V族元素の
少なくとも1種を含有するアモルファスシリコンを主体
とする層(以下、アモルファスシリコン層という)から
なる。この光導電層は、水素およびハロゲンの少なくと
も一種を含有するアモルファスシリコンを主体として形
成され、これに不純物元素として、ホウ素等の第III 族
元素またはリン等の第V族元素を含有させて、電荷保持
性を高めることが好ましい。特にハロゲンは暗減衰を低
下させるのに効果がある。水素および/またはハロゲン
の含有量は3〜40原子%の範囲が適当である。また、
第III 族元素または第V族元素の含有量は、感光体の帯
電極性、必要な分光感度によって決定され、通常、0.
01〜1000ppmの範囲が適当である。光導電層に
は、帯電性の向上、暗減衰の低減、感度の向上等の目的
で、さらに窒素、炭素および酸素から選択した少なくと
も1種の元素を含有させることが可能である。また、ゲ
ルマニウムおよび錫の少なくとも1種を含有させてもよ
い。光導電層の膜厚は、1〜100μmの範囲が好まし
い。本発明においては、光導電層は、電荷発生層と電荷
輸送層との二層から構成されていてもよい。
は、水素、ハロゲン、第III 族元素および第V族元素の
少なくとも1種を含有するアモルファスシリコンを主体
とする層(以下、アモルファスシリコン層という)から
なる。この光導電層は、水素およびハロゲンの少なくと
も一種を含有するアモルファスシリコンを主体として形
成され、これに不純物元素として、ホウ素等の第III 族
元素またはリン等の第V族元素を含有させて、電荷保持
性を高めることが好ましい。特にハロゲンは暗減衰を低
下させるのに効果がある。水素および/またはハロゲン
の含有量は3〜40原子%の範囲が適当である。また、
第III 族元素または第V族元素の含有量は、感光体の帯
電極性、必要な分光感度によって決定され、通常、0.
01〜1000ppmの範囲が適当である。光導電層に
は、帯電性の向上、暗減衰の低減、感度の向上等の目的
で、さらに窒素、炭素および酸素から選択した少なくと
も1種の元素を含有させることが可能である。また、ゲ
ルマニウムおよび錫の少なくとも1種を含有させてもよ
い。光導電層の膜厚は、1〜100μmの範囲が好まし
い。本発明においては、光導電層は、電荷発生層と電荷
輸送層との二層から構成されていてもよい。
【0013】本発明において、光導電層は、上記のアモ
ルファスシリコン層と、水素、ハロゲン、第III 族元素
および第V族元素の少なくとも1種を含有するアモルフ
ァスシリコンゲルマニウムを主体とする層(以下、アモ
ルファスシリコンゲルマニウム層という)との2層から
なる積層構造を有するものであってもよい。アモルファ
スシリコン層は、可視光域において高い光感度を有して
おり、アモルファスシリコンゲルマニウム層は、特に7
50〜800nmの長波長域において高い光感度を有す
るという特徴を有する。したがって、両者を組み合わせ
ることによって、可視光から800nmまでの長波長域
にわたって高い光感度を示すものとなる。上記の積層構
造の場合、通常、アモルファスシリコン層の上にアモル
ファスシリコンゲルマニウム層を積層させるが、積層順
序がその逆の順序であってもよい。また、アモルファス
シリコンゲルマニウム層が二つのアモルファスシリコン
層によって挾まれたサンドイッチ状になっていてもよ
い。
ルファスシリコン層と、水素、ハロゲン、第III 族元素
および第V族元素の少なくとも1種を含有するアモルフ
ァスシリコンゲルマニウムを主体とする層(以下、アモ
ルファスシリコンゲルマニウム層という)との2層から
なる積層構造を有するものであってもよい。アモルファ
スシリコン層は、可視光域において高い光感度を有して
おり、アモルファスシリコンゲルマニウム層は、特に7
50〜800nmの長波長域において高い光感度を有す
るという特徴を有する。したがって、両者を組み合わせ
ることによって、可視光から800nmまでの長波長域
にわたって高い光感度を示すものとなる。上記の積層構
造の場合、通常、アモルファスシリコン層の上にアモル
ファスシリコンゲルマニウム層を積層させるが、積層順
序がその逆の順序であってもよい。また、アモルファス
シリコンゲルマニウム層が二つのアモルファスシリコン
層によって挾まれたサンドイッチ状になっていてもよ
い。
【0014】アモルファスシリコンゲルマニウム層にお
いて、ケイ素に対するゲルマニウムの原子比は、0.0
1〜1の範囲が好ましい。より好ましくは、ゲルマニウ
ムが0.1〜25%、特に5〜20%の範囲で含まれる
ものである。アモルファスシリコンゲルマニウム層に
は、光導電性を改善するために、水素および/またはハ
ロゲンを1原子%〜50原子%含有させてもよい。ハロ
ゲンとしては、F、Cl、Br等があげられ、特にFが
好ましい。また、暗減衰、残留電位および光疲労を低減
させるために、ホウ素等の第III 族元素またはリン等の
第V族元素を含有させるのが好ましい。それらの添加量
はケイ素とゲルマニウム量と帯電極性により決定される
が、ホウ素等の第III 族元素の場合は、0.01ppm
から1000ppm、好ましくは0.1ppmから10
0ppmの範囲であり、正帯電用の場合は、0.1pp
mが1000ppm、リン等の第V族元素の場合は、
0.01ppmから100ppmの範囲である。アモル
ファスシリコンゲルマニウム層には、さらに窒素、酸素
および炭素の少なくとも一つを含有させてもよい。膜厚
は0.1〜50μm、好適には0.5〜20μmであ
る。
いて、ケイ素に対するゲルマニウムの原子比は、0.0
1〜1の範囲が好ましい。より好ましくは、ゲルマニウ
ムが0.1〜25%、特に5〜20%の範囲で含まれる
ものである。アモルファスシリコンゲルマニウム層に
は、光導電性を改善するために、水素および/またはハ
ロゲンを1原子%〜50原子%含有させてもよい。ハロ
ゲンとしては、F、Cl、Br等があげられ、特にFが
好ましい。また、暗減衰、残留電位および光疲労を低減
させるために、ホウ素等の第III 族元素またはリン等の
第V族元素を含有させるのが好ましい。それらの添加量
はケイ素とゲルマニウム量と帯電極性により決定される
が、ホウ素等の第III 族元素の場合は、0.01ppm
から1000ppm、好ましくは0.1ppmから10
0ppmの範囲であり、正帯電用の場合は、0.1pp
mが1000ppm、リン等の第V族元素の場合は、
0.01ppmから100ppmの範囲である。アモル
ファスシリコンゲルマニウム層には、さらに窒素、酸素
および炭素の少なくとも一つを含有させてもよい。膜厚
は0.1〜50μm、好適には0.5〜20μmであ
る。
【0015】本発明において、光導電層の表面側には、
反射防止層を設けるのが好ましい。その場合、反射防止
層の反射スペクトルの極小値を、使用する光源の波長に
合わせるように反射防止層の膜厚と屈折率を調整すれば
よい。膜厚は、屈折率をnとすると、λ(2m+1)/
4n(ここでλ:光源の波長、m:0,1,
2,...)とすればよく、屈折率は、ケイ素に対する
炭素、窒素、酸素の含有量により約4から2まで変化さ
せることができる。反射防止層は、電荷注入阻止層の役
目を持っていてもよく、また、表面保護層としての働き
を兼ねてもよい。反射防止層の膜厚は、0.01〜5μ
mの範囲が適当であり、好ましくは0.1〜2μmであ
る。膜厚が0.01μmよりも薄い場合には、反射スペ
クトルの極小値を十分に得ることができず、一方5μm
よりも厚い場合には、反射スペクトルのピーク幅が狭く
なり、感光体の作製が膜厚分布等の点から困難になる。
反射防止層を設けるのが好ましい。その場合、反射防止
層の反射スペクトルの極小値を、使用する光源の波長に
合わせるように反射防止層の膜厚と屈折率を調整すれば
よい。膜厚は、屈折率をnとすると、λ(2m+1)/
4n(ここでλ:光源の波長、m:0,1,
2,...)とすればよく、屈折率は、ケイ素に対する
炭素、窒素、酸素の含有量により約4から2まで変化さ
せることができる。反射防止層は、電荷注入阻止層の役
目を持っていてもよく、また、表面保護層としての働き
を兼ねてもよい。反射防止層の膜厚は、0.01〜5μ
mの範囲が適当であり、好ましくは0.1〜2μmであ
る。膜厚が0.01μmよりも薄い場合には、反射スペ
クトルの極小値を十分に得ることができず、一方5μm
よりも厚い場合には、反射スペクトルのピーク幅が狭く
なり、感光体の作製が膜厚分布等の点から困難になる。
【0016】本発明の電子写真感光体においては、感光
体の表面に最上部層として表面層を設けることが望まし
い。表面層は、水素、ハロゲン、第III 族元素、第V族
元素、炭素、窒素および酸素から選択された少なくとも
一種を含有するアモルファスシリコン層からなるか、ま
たは水素、ハロゲン、第III 族元素および第V族元素か
ら選択された少なくとも一種を含有するアモルファスカ
ーボン層から構成される。第III 族元素、第V族元素
は、電荷保持能を向上させ、また、残留電位を低下させ
るために、帯電極性に応じて選択して使用される。ま
た、炭素、窒素、酸素は、光透過率や電荷保持能を向上
させる作用を示し、フッ素等のハロゲンは、コロトロン
への付着物を防止する作用を示す。表面層は複数の層よ
りなる積層構造のものであってもよい。図3は2層構造
の場合を示すものであって、表面層3が第1の表面層3
aと第2の表面層3bとよりなっている。
体の表面に最上部層として表面層を設けることが望まし
い。表面層は、水素、ハロゲン、第III 族元素、第V族
元素、炭素、窒素および酸素から選択された少なくとも
一種を含有するアモルファスシリコン層からなるか、ま
たは水素、ハロゲン、第III 族元素および第V族元素か
ら選択された少なくとも一種を含有するアモルファスカ
ーボン層から構成される。第III 族元素、第V族元素
は、電荷保持能を向上させ、また、残留電位を低下させ
るために、帯電極性に応じて選択して使用される。ま
た、炭素、窒素、酸素は、光透過率や電荷保持能を向上
させる作用を示し、フッ素等のハロゲンは、コロトロン
への付着物を防止する作用を示す。表面層は複数の層よ
りなる積層構造のものであってもよい。図3は2層構造
の場合を示すものであって、表面層3が第1の表面層3
aと第2の表面層3bとよりなっている。
【0017】表面層が、水素および/またはハロゲンを
含有するアモルファスシリコンカーボン層である場合、
層中に含まれる多量の水素またはハロゲンは、層中に鎖
状の−CH2 −結合、−C(ハロゲン)2 −結合または
分岐状の−CH3 結合を増加させ、結果として層の硬度
を損なうことになるため、層中の水素および/またはハ
ロゲンの量は50原子%以下であることが必要である。
また、表面層の膜厚は、0.01〜10nmの範囲が適
当であり、好ましくは0.1〜5μmの範囲である。表
面層は、純水の水滴による接触角が60°以上であるこ
とが好ましく、特に80°以上であることが好ましい。
また、表面硬度がビッカース硬度で500kg/mm2
以上であることが好ましく、1000kg/mm2 以上
であることがより好ましい。
含有するアモルファスシリコンカーボン層である場合、
層中に含まれる多量の水素またはハロゲンは、層中に鎖
状の−CH2 −結合、−C(ハロゲン)2 −結合または
分岐状の−CH3 結合を増加させ、結果として層の硬度
を損なうことになるため、層中の水素および/またはハ
ロゲンの量は50原子%以下であることが必要である。
また、表面層の膜厚は、0.01〜10nmの範囲が適
当であり、好ましくは0.1〜5μmの範囲である。表
面層は、純水の水滴による接触角が60°以上であるこ
とが好ましく、特に80°以上であることが好ましい。
また、表面硬度がビッカース硬度で500kg/mm2
以上であることが好ましく、1000kg/mm2 以上
であることがより好ましい。
【0018】次に、導電性基体上に、上記各層を形成す
る方法について説明する。導電性基体上に形成する各層
は、いずれもプラズマCVD法によるグロー放電分解
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空
蒸着法等の手段によって形成することができるが、グロ
ー放電分解法が特に好ましい。その際、原料ガスとして
は、電荷注入阻止層、光導電層および必要に応じて形成
される補助層および反射防止層の場合は、ケイ素原子を
含む主原料ガスが用いられ、また、表面層の場合は、ケ
イ素原子を含む主原料ガスまたは炭化水素またはそのハ
ロゲン置換体を含む主原料ガスが用いられる。
る方法について説明する。導電性基体上に形成する各層
は、いずれもプラズマCVD法によるグロー放電分解
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空
蒸着法等の手段によって形成することができるが、グロ
ー放電分解法が特に好ましい。その際、原料ガスとして
は、電荷注入阻止層、光導電層および必要に応じて形成
される補助層および反射防止層の場合は、ケイ素原子を
含む主原料ガスが用いられ、また、表面層の場合は、ケ
イ素原子を含む主原料ガスまたは炭化水素またはそのハ
ロゲン置換体を含む主原料ガスが用いられる。
【0019】グロー放電分解法の場合を例にとって、そ
の製造法を示すと、次のようになる。原料ガスとして、
上記主原料ガスを用い、それに必要な添加物元素を含む
原料ガスを加えて混合ガスとする。その場合、必要に応
じて、水素、または、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の
不活性ガスをキャリアガスとして併用することができ
る。グロー放電分解は、直流および交流放電のいずれを
採用してもよい。成膜条件は、周波数5GHz以下(た
だし、アモルファスカーボン層を形成する場合は、0.
1〜2.45GHz、好適には5〜20MHz)、反応
器内圧10-5〜10Torr(0.001〜1333P
a)〔ただし、アモルファスカーボン層を形成する場合
は、0.1〜5Torr(13.3〜667Pa)〕、
放電電力10〜3000Wであり、また、基体温度は3
0〜300℃(ただし、アモルファスカーボン層を形成
する場合は、30〜400℃)の範囲で適宜設定するこ
とができる。膜厚は、放電時間の調整により適宜設定す
ることができる。
の製造法を示すと、次のようになる。原料ガスとして、
上記主原料ガスを用い、それに必要な添加物元素を含む
原料ガスを加えて混合ガスとする。その場合、必要に応
じて、水素、または、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の
不活性ガスをキャリアガスとして併用することができ
る。グロー放電分解は、直流および交流放電のいずれを
採用してもよい。成膜条件は、周波数5GHz以下(た
だし、アモルファスカーボン層を形成する場合は、0.
1〜2.45GHz、好適には5〜20MHz)、反応
器内圧10-5〜10Torr(0.001〜1333P
a)〔ただし、アモルファスカーボン層を形成する場合
は、0.1〜5Torr(13.3〜667Pa)〕、
放電電力10〜3000Wであり、また、基体温度は3
0〜300℃(ただし、アモルファスカーボン層を形成
する場合は、30〜400℃)の範囲で適宜設定するこ
とができる。膜厚は、放電時間の調整により適宜設定す
ることができる。
【0020】アモルファスシリコンからなる層を形成す
る場合、ケイ素原子を含む主原料ガスとしては、シラン
類、特にSiH4 および/またはSi2 H6 が使用され
る。本発明において、ケイ素を含む主原料ガスと混合さ
れる原料ガスとしては、水素、ハロゲン、炭素、窒素、
酸素、第III 族元素、第V族元素等の添加元素を含むガ
スが使用される。
る場合、ケイ素原子を含む主原料ガスとしては、シラン
類、特にSiH4 および/またはSi2 H6 が使用され
る。本発明において、ケイ素を含む主原料ガスと混合さ
れる原料ガスとしては、水素、ハロゲン、炭素、窒素、
酸素、第III 族元素、第V族元素等の添加元素を含むガ
スが使用される。
【0021】水素を含む原料ガスとしては、通常水素ガ
スが使用されるが、主原料ガスおよび/または混合ガス
中に水素が含まれていれば、特に添加しなくてもよい。
ハロゲンを含む原料ガスとしては、SiF4 、SiCl
4 、SiHCl3 、SiHF3 、SiH2 F2 、SiH
2 Cl2 等を使用することができる。また、窒素、酸素
および炭素を含有させるための原料ガスとして、例えば
次のものが使用できる。すなわち、窒素を含む原料ガス
として、N2 単体ガス、NH3 、N2 H4 、HN3 等の
水素化窒素化合物のガスを用いることができ、炭素を含
む原料ガスとして、メタン、エタン、プロパン、アセチ
レンのような炭化水素、CF4 、C2 F6 のようなハロ
ゲン化炭化水素を用いることができ、さらに、酸素を含
む原料ガスとして、O2 、N2 O、CO、CO2 等を用
いることができる。第III 族元素を含む原料ガスとして
は、B、Al、Ga、In等を含むガスを使用すること
ができ、典型的にはジボラン(B2 H6 )があげられ
る。また、第V族元素を含む原料ガスとしては、上記窒
素を含むガスの他に、P、As、Sb等を含むガスを使
用することができる。典型的にはホスフィン(PH3 )
またはアンモニア(NH3 )があげられる。
スが使用されるが、主原料ガスおよび/または混合ガス
中に水素が含まれていれば、特に添加しなくてもよい。
ハロゲンを含む原料ガスとしては、SiF4 、SiCl
4 、SiHCl3 、SiHF3 、SiH2 F2 、SiH
2 Cl2 等を使用することができる。また、窒素、酸素
および炭素を含有させるための原料ガスとして、例えば
次のものが使用できる。すなわち、窒素を含む原料ガス
として、N2 単体ガス、NH3 、N2 H4 、HN3 等の
水素化窒素化合物のガスを用いることができ、炭素を含
む原料ガスとして、メタン、エタン、プロパン、アセチ
レンのような炭化水素、CF4 、C2 F6 のようなハロ
ゲン化炭化水素を用いることができ、さらに、酸素を含
む原料ガスとして、O2 、N2 O、CO、CO2 等を用
いることができる。第III 族元素を含む原料ガスとして
は、B、Al、Ga、In等を含むガスを使用すること
ができ、典型的にはジボラン(B2 H6 )があげられ
る。また、第V族元素を含む原料ガスとしては、上記窒
素を含むガスの他に、P、As、Sb等を含むガスを使
用することができる。典型的にはホスフィン(PH3 )
またはアンモニア(NH3 )があげられる。
【0022】前記アモルファスシリコンゲルマニウム層
を形成するためには、四水素化ゲルマニウム(Ge
H4 )等のゲルマンまたは四フッ化ゲルマニウム(Ge
F4 )等のハロゲン化ゲルマニウム含有ガスを使用する
ことができる。
を形成するためには、四水素化ゲルマニウム(Ge
H4 )等のゲルマンまたは四フッ化ゲルマニウム(Ge
F4 )等のハロゲン化ゲルマニウム含有ガスを使用する
ことができる。
【0023】アモルファスカーボン層を形成する主原料
としては、例えば、次のものが使用される。すなわち、
主体となる炭素の原料としては、メタン、エタン、プロ
パン、ブタン、ペンタン等の一般式Cn H2n+2で示され
るパラフィン系炭化水素、エチレン、プロピレン、ブチ
レン、ペンテン等の一般式Cn H2nで示されるオレフィ
ン系炭化水素、アセチレン、アリレン、ブチン等の一般
式Cn H2n- 2 で示されるアセチレン系炭化水素等の脂
肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロブ
テン、シクロペンテン、シクロヘキセン等の脂環式炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタリン、ア
ントラセン等の芳香族炭化水素、或いはそれらの置換体
があげられる。また、アモルファスカーボン層にハロゲ
ンを含有させる場合には、例えば、四塩化炭素、クロロ
ホルム、四フッ化炭素、トリフルオロメタン、クロロト
リフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ブロモ
トリフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオ
ロプロパン等のハロゲン化炭化水素を用いることができ
る。
としては、例えば、次のものが使用される。すなわち、
主体となる炭素の原料としては、メタン、エタン、プロ
パン、ブタン、ペンタン等の一般式Cn H2n+2で示され
るパラフィン系炭化水素、エチレン、プロピレン、ブチ
レン、ペンテン等の一般式Cn H2nで示されるオレフィ
ン系炭化水素、アセチレン、アリレン、ブチン等の一般
式Cn H2n- 2 で示されるアセチレン系炭化水素等の脂
肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロブ
テン、シクロペンテン、シクロヘキセン等の脂環式炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタリン、ア
ントラセン等の芳香族炭化水素、或いはそれらの置換体
があげられる。また、アモルファスカーボン層にハロゲ
ンを含有させる場合には、例えば、四塩化炭素、クロロ
ホルム、四フッ化炭素、トリフルオロメタン、クロロト
リフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ブロモ
トリフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオ
ロプロパン等のハロゲン化炭化水素を用いることができ
る。
【0024】これらの炭素原料は、常温でガス状であっ
ても固体状または液状であってもよく、固体状または液
状である場合には、気化して用いられる。さらに、必要
に応じて炭化水素またはそのハロゲン置換体を含む主原
料ガスと混合される原料ガスとしては、上記した窒素、
酸素、第III 族元素、第V族元素等を含む原料ガスがあ
げられる。
ても固体状または液状であってもよく、固体状または液
状である場合には、気化して用いられる。さらに、必要
に応じて炭化水素またはそのハロゲン置換体を含む主原
料ガスと混合される原料ガスとしては、上記した窒素、
酸素、第III 族元素、第V族元素等を含む原料ガスがあ
げられる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例を示して、
さらに詳細に説明する。 実施例1 円筒状基体上にアモルファスシリコン膜の作製が可能な
容量結合型プラズマCVD装置を用い、シラン(SiH
4 )ガス、水素(H2 )ガス、およびジボラン(B2 H
6 )ガスの混合体をグロー放電分解することにより、円
筒状アルミニウム基体上に約3μmの膜厚を有する電荷
注入阻止層を形成した。その際の成膜条件は次の通りで
あった。 100%シランガス流量:200cm3 /min 100%水素ガス流量:100cm3 /min 200ppm水素希釈ジボランガス流量:100cm3
/min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:250W 放電周波数:13.56MHz 基体温度:250℃ (なお、以下の操作において、各層の製造条件における
放電周波数および基体温度は、特記しない限り、上記の
値に固定した。)
さらに詳細に説明する。 実施例1 円筒状基体上にアモルファスシリコン膜の作製が可能な
容量結合型プラズマCVD装置を用い、シラン(SiH
4 )ガス、水素(H2 )ガス、およびジボラン(B2 H
6 )ガスの混合体をグロー放電分解することにより、円
筒状アルミニウム基体上に約3μmの膜厚を有する電荷
注入阻止層を形成した。その際の成膜条件は次の通りで
あった。 100%シランガス流量:200cm3 /min 100%水素ガス流量:100cm3 /min 200ppm水素希釈ジボランガス流量:100cm3
/min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:250W 放電周波数:13.56MHz 基体温度:250℃ (なお、以下の操作において、各層の製造条件における
放電周波数および基体温度は、特記しない限り、上記の
値に固定した。)
【0026】電荷注入阻止層作製の後、反応器内を十分
に排気し、次いで、四フッ化炭素と酸素との混合ガスを
導入してグロー放電分解法により、電荷注入阻止層の表
面を粗面化した。その際の放電条件は次の通りであっ
た。 5%酸素含有四フッ化炭素ガス流量:250cm3 /m
in 反応器内圧:53.3Pa(0.4Torr) 放電電力:120W なお、別途この段階までの操作を実施し、電荷注入阻止
層の表面粗さを測定したろころ、表面粗さRmaxは
0.25μmであった。電荷注入阻止層の粗面化後、反
応器内を十分に排気し、次いで、シラン、水素、および
ジボランの混合体ガスを導入して、グロー放電分解する
ことにより、電荷注入阻止層の上に、膜厚23μmの光
導電層を形成した。その際の成膜条件は次の通りであっ
た。 100%シランガス流量:200cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 20ppm水素希釈ジボランガス流量:20cm3 /m
in 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:300W
に排気し、次いで、四フッ化炭素と酸素との混合ガスを
導入してグロー放電分解法により、電荷注入阻止層の表
面を粗面化した。その際の放電条件は次の通りであっ
た。 5%酸素含有四フッ化炭素ガス流量:250cm3 /m
in 反応器内圧:53.3Pa(0.4Torr) 放電電力:120W なお、別途この段階までの操作を実施し、電荷注入阻止
層の表面粗さを測定したろころ、表面粗さRmaxは
0.25μmであった。電荷注入阻止層の粗面化後、反
応器内を十分に排気し、次いで、シラン、水素、および
ジボランの混合体ガスを導入して、グロー放電分解する
ことにより、電荷注入阻止層の上に、膜厚23μmの光
導電層を形成した。その際の成膜条件は次の通りであっ
た。 100%シランガス流量:200cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 20ppm水素希釈ジボランガス流量:20cm3 /m
in 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:300W
【0027】光導電層の形成後、反応容器内を十分に排
気し、シラン、水素およびアンモニアの混合ガスを導入
して、グロー放電分解することにより、光導電層上に膜
厚0.16μmの第1の表面層を形成した。その際の成
膜条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:25cm3 /min 100%水素ガス流量:210cm3 /min 100%アンモニアガス流量:40cm3 /min 反応器内圧:80Pa(0.6Torr) 放電電力:60W 第1の表面層作製の後、反応器内を十分に排気し、次い
で、シラン、水素およびアンモニアの混合ガスを導入し
て、グロー放電分解することにより、第1の表面層の上
に、膜厚0.1μmの第2の表面層を形成した。その際
の成膜条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:18cm3 /min 100%水素ガス流量:210cm3 /min 100%アンモニアガス流量:52cm3 /min 反応器内圧:80Pa(0.6Torr) 放電電力:60W
気し、シラン、水素およびアンモニアの混合ガスを導入
して、グロー放電分解することにより、光導電層上に膜
厚0.16μmの第1の表面層を形成した。その際の成
膜条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:25cm3 /min 100%水素ガス流量:210cm3 /min 100%アンモニアガス流量:40cm3 /min 反応器内圧:80Pa(0.6Torr) 放電電力:60W 第1の表面層作製の後、反応器内を十分に排気し、次い
で、シラン、水素およびアンモニアの混合ガスを導入し
て、グロー放電分解することにより、第1の表面層の上
に、膜厚0.1μmの第2の表面層を形成した。その際
の成膜条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:18cm3 /min 100%水素ガス流量:210cm3 /min 100%アンモニアガス流量:52cm3 /min 反応器内圧:80Pa(0.6Torr) 放電電力:60W
【0028】以上のようにして得られた電子写真感光体
を、半導体レーザープリンター(XP−9、富士ゼロッ
クス社製)に装着して画像評価を行った。その際、クリ
ーナ装置にはポリウレタン樹脂製ブレードを用いた。ま
た、現像剤として2成分現像剤を使用し、磁気ブラシ現
像を行った。得られた画像は鮮明であり、干渉縞模様は
認められなかった。また、カブリは認められず、黒点や
白点もなかった。
を、半導体レーザープリンター(XP−9、富士ゼロッ
クス社製)に装着して画像評価を行った。その際、クリ
ーナ装置にはポリウレタン樹脂製ブレードを用いた。ま
た、現像剤として2成分現像剤を使用し、磁気ブラシ現
像を行った。得られた画像は鮮明であり、干渉縞模様は
認められなかった。また、カブリは認められず、黒点や
白点もなかった。
【0029】比較例1 エッチングガスによる電荷注入阻止層の粗面化を行わな
い以外は、実施例1と同様にしてアモルファスシリコン
感光体を作製した。得られた電子写真感光体について、
実施例1と同様の画像試験を行ったところ、形成された
画像は鮮明であり、またカブリは認められず、白点もな
かった。しかしながら、干渉縞模様が認められた。
い以外は、実施例1と同様にしてアモルファスシリコン
感光体を作製した。得られた電子写真感光体について、
実施例1と同様の画像試験を行ったところ、形成された
画像は鮮明であり、またカブリは認められず、白点もな
かった。しかしながら、干渉縞模様が認められた。
【0030】実施例2 円筒状基体上にアモルファスシリコン膜の作製が可能な
容量結合型プラズマCVD装置を用い、シラン(SiH
4 )ガス、水素(H2 )ガスおよびジボラン(B
2 H6 )ガスの混合体をグロー放電分解することによ
り、円筒状アルミニウム基体上に膜厚約1μmの電荷注
入阻止層を形成した。その際の成膜条件は次の通りであ
った。 100%シランガス流量:80cm3 /min 100%水素ガス流量:140cm3 /min 100%アンモニアガス流量:80cm3 /min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:220W 電荷注入阻止層の形成後、反応器内を十分に排気し、三
フッ化窒素ガスおよびアルゴンガスを導入してグロー放
電分解法により、電荷注入阻止層の表面を粗面化した。
その際の成膜条件は次の通りであった。 100%三フッ化窒素ガス流量:20cm3 /min 100%アルゴンガス流量:80cm3 /min 反応器内圧:66.7Pa(0.5Torr) 放電電力:50W なお、別途この段階までの操作を施し、電荷注入阻止層
の表面粗さを測定したところ、表面粗さRmaxは0.
35μmであった。
容量結合型プラズマCVD装置を用い、シラン(SiH
4 )ガス、水素(H2 )ガスおよびジボラン(B
2 H6 )ガスの混合体をグロー放電分解することによ
り、円筒状アルミニウム基体上に膜厚約1μmの電荷注
入阻止層を形成した。その際の成膜条件は次の通りであ
った。 100%シランガス流量:80cm3 /min 100%水素ガス流量:140cm3 /min 100%アンモニアガス流量:80cm3 /min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:220W 電荷注入阻止層の形成後、反応器内を十分に排気し、三
フッ化窒素ガスおよびアルゴンガスを導入してグロー放
電分解法により、電荷注入阻止層の表面を粗面化した。
その際の成膜条件は次の通りであった。 100%三フッ化窒素ガス流量:20cm3 /min 100%アルゴンガス流量:80cm3 /min 反応器内圧:66.7Pa(0.5Torr) 放電電力:50W なお、別途この段階までの操作を施し、電荷注入阻止層
の表面粗さを測定したところ、表面粗さRmaxは0.
35μmであった。
【0031】電荷注入阻止層を粗面化した後、シランに
対してジボランの濃度を0.1ppmの割合で混合した
混合ガスを導入した以外は、実施例1と同様にして光導
電層を形成した。その後、得られた光導電層上に下記の
成膜条件で膜厚0.6μmのアモルファス炭化シリコン
からなる表面層を形成した。 100%シランガス流量:60cm3 /min 100%エチレンガス流量:60cm3 /min 200ppm水素希釈ジボランガス流量:120cm3
/min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:100W 以上のようにして作製された電子写真感光体に対して、
実施例1と同様にして画像試験を行った。得られた画像
は鮮明であり、干渉縞模様は発生しなかった。また、カ
ブリも認められず、黒点や白点もなかった。
対してジボランの濃度を0.1ppmの割合で混合した
混合ガスを導入した以外は、実施例1と同様にして光導
電層を形成した。その後、得られた光導電層上に下記の
成膜条件で膜厚0.6μmのアモルファス炭化シリコン
からなる表面層を形成した。 100%シランガス流量:60cm3 /min 100%エチレンガス流量:60cm3 /min 200ppm水素希釈ジボランガス流量:120cm3
/min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:100W 以上のようにして作製された電子写真感光体に対して、
実施例1と同様にして画像試験を行った。得られた画像
は鮮明であり、干渉縞模様は発生しなかった。また、カ
ブリも認められず、黒点や白点もなかった。
【0032】比較例2 エッチングガスによる電荷注入阻止層の粗面化を行わな
い以外は、実施例2と同様にしてアモルファスシリコン
感光体を作製した。得られた電子写真感光体について、
実施例1と同様の画像試験を行ったところ、形成された
画像は鮮明であり、またカブリは認められず、黒点や白
点もなかった。しかしながら、干渉縞模様が認められ
た。
い以外は、実施例2と同様にしてアモルファスシリコン
感光体を作製した。得られた電子写真感光体について、
実施例1と同様の画像試験を行ったところ、形成された
画像は鮮明であり、またカブリは認められず、黒点や白
点もなかった。しかしながら、干渉縞模様が認められ
た。
【0033】実施例3 円筒状のオーステナイト鋼基体上に、実施例2と同様に
して電荷注入阻止層を形成した。電荷注入阻止層の形成
後、反応器内を十分に排気し、四フッ化炭素と酸素との
混合ガスを導入してグロー放電分解法により、電荷注入
阻止層の表面を粗面化した。その際の粗面化条件は次の
通りであった。 10%酸素含有四フッ化炭素ガス流量:220cm3 /
min 反応器内圧:66.7Pa(0.5Torr) 放電電力:100W なお、別途この段階までの操作を施し、電荷注入阻止層
の表面粗さを測定したところ、表面粗さRmaxは0.
3μmであった。電荷注入阻止層を粗面化した後、実施
例2と同様にして電荷注入阻止層の上にアモルファスシ
リコン層を形成した。次いで、形成されたアモルファス
シリコン層上に、膜厚が2μmでゲルマニウムの含有量
が20原子%のアモルファスシリコンゲルマニウムから
なる層を形成した。その際の成膜条件は次の通りであっ
た。 100%シランガス流量:160cm3 /min 100%水素ガス流量:160cm3 /min 50%ゲルマンガス流量:80cm3 /min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:200W その後、形成されたアモルファスシリコンゲルマニウム
からなる層上に、実施例2と同様にして表面層を形成し
た。以上のようにして作製された電子写真感光体に対し
て、実施例1と同様にして画像試験を行った。得られた
画像は鮮明であり、干渉縞模様は発生しなかった。ま
た、カブリも認められず、黒点や白点もなかった。
して電荷注入阻止層を形成した。電荷注入阻止層の形成
後、反応器内を十分に排気し、四フッ化炭素と酸素との
混合ガスを導入してグロー放電分解法により、電荷注入
阻止層の表面を粗面化した。その際の粗面化条件は次の
通りであった。 10%酸素含有四フッ化炭素ガス流量:220cm3 /
min 反応器内圧:66.7Pa(0.5Torr) 放電電力:100W なお、別途この段階までの操作を施し、電荷注入阻止層
の表面粗さを測定したところ、表面粗さRmaxは0.
3μmであった。電荷注入阻止層を粗面化した後、実施
例2と同様にして電荷注入阻止層の上にアモルファスシ
リコン層を形成した。次いで、形成されたアモルファス
シリコン層上に、膜厚が2μmでゲルマニウムの含有量
が20原子%のアモルファスシリコンゲルマニウムから
なる層を形成した。その際の成膜条件は次の通りであっ
た。 100%シランガス流量:160cm3 /min 100%水素ガス流量:160cm3 /min 50%ゲルマンガス流量:80cm3 /min 反応器内圧:133.3Pa(1.0Torr) 放電電力:200W その後、形成されたアモルファスシリコンゲルマニウム
からなる層上に、実施例2と同様にして表面層を形成し
た。以上のようにして作製された電子写真感光体に対し
て、実施例1と同様にして画像試験を行った。得られた
画像は鮮明であり、干渉縞模様は発生しなかった。ま
た、カブリも認められず、黒点や白点もなかった。
【0034】比較例3 エッチングガスによる電荷注入阻止層の粗面化を行わな
い以外は、実施例3と同様にしてアモルファスシリコン
感光体を作製した。得られた電子写真感光体について、
実施例1と同様の画像試験を行ったところ、作製された
画像は鮮明であり、またカブリは認められず、黒点や白
点もなかった。しかしながら、干渉縞模様が認められ
た。
い以外は、実施例3と同様にしてアモルファスシリコン
感光体を作製した。得られた電子写真感光体について、
実施例1と同様の画像試験を行ったところ、作製された
画像は鮮明であり、またカブリは認められず、黒点や白
点もなかった。しかしながら、干渉縞模様が認められ
た。
【0035】実施例4 円筒状のアルミニウム基体上に、実施例1と同様にして
電荷注入阻止層を形成した。電荷注入阻止層の形成後、
反応器内を十分に排気し、三フッ化塩素ガスおよびアル
ゴンガスを導入して、グロー放電のプラズマを用いるこ
となく(プラズマレス)、接触化学反応により電荷注入
阻止層の表面を粗面化した。その際の粗面化条件は次の
通りであった。 100%三フッ化塩素ガス流量:2cm3 /min 100%アルゴンガス流量:500cm3 /min 反応器内圧:1333Pa(10Torr) なお、別途この段階までの実験を実施し、電荷注入阻止
層の表面粗さを測定したところ、表面粗さRmaxは
0.4μmであった。電荷注入阻止層を粗面化した後、
実施例1と同様にして電荷注入阻止層の上に光導電層、
第1の表面層および第2の表面層を形成した。以上のよ
うにして作製された電子写真感光体に対して、実施例1
と同様にして画像試験を行った。得られた画像は鮮明で
あり、干渉縞模様は発生しなかった。また、カブリも認
められず、黒点や白点もなかった。
電荷注入阻止層を形成した。電荷注入阻止層の形成後、
反応器内を十分に排気し、三フッ化塩素ガスおよびアル
ゴンガスを導入して、グロー放電のプラズマを用いるこ
となく(プラズマレス)、接触化学反応により電荷注入
阻止層の表面を粗面化した。その際の粗面化条件は次の
通りであった。 100%三フッ化塩素ガス流量:2cm3 /min 100%アルゴンガス流量:500cm3 /min 反応器内圧:1333Pa(10Torr) なお、別途この段階までの実験を実施し、電荷注入阻止
層の表面粗さを測定したところ、表面粗さRmaxは
0.4μmであった。電荷注入阻止層を粗面化した後、
実施例1と同様にして電荷注入阻止層の上に光導電層、
第1の表面層および第2の表面層を形成した。以上のよ
うにして作製された電子写真感光体に対して、実施例1
と同様にして画像試験を行った。得られた画像は鮮明で
あり、干渉縞模様は発生しなかった。また、カブリも認
められず、黒点や白点もなかった。
【0036】比較例4 エッチングガスによる電荷注入阻止層の粗面化を行わな
い以外は、実施例4と同様にしてアモルファスシリコン
感光体を作製した。得られた電子写真感光体について、
実施例1と同様の画像試験を行ったところ、作製された
画像は鮮明であり、またカブリは認められず、黒点や白
点もなかった。しかしながら、干渉縞模様が認められ
た。
い以外は、実施例4と同様にしてアモルファスシリコン
感光体を作製した。得られた電子写真感光体について、
実施例1と同様の画像試験を行ったところ、作製された
画像は鮮明であり、またカブリは認められず、黒点や白
点もなかった。しかしながら、干渉縞模様が認められ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、上記のよう
に導電性基体の上に形成した電荷注入阻止層の表面が表
面粗さRmax0.01〜5μmの範囲に粗面化され、
その上にアモルファスシリコンを主体とする光導電層が
設けてられているので、レーザービーム用の感光体とし
て、高感度で、解像度が高く、干渉縞模様の発生のない
高品質の画像を作製することができる。また、電荷阻止
層の表面の粗面化をエッチングガスによって行った場合
には、粗面化の為の新たな設備および工程が不要になる
ので、信頼性の高い電子写真感光体を高生産性かつ低コ
ストで製造することが可能になる。
に導電性基体の上に形成した電荷注入阻止層の表面が表
面粗さRmax0.01〜5μmの範囲に粗面化され、
その上にアモルファスシリコンを主体とする光導電層が
設けてられているので、レーザービーム用の感光体とし
て、高感度で、解像度が高く、干渉縞模様の発生のない
高品質の画像を作製することができる。また、電荷阻止
層の表面の粗面化をエッチングガスによって行った場合
には、粗面化の為の新たな設備および工程が不要になる
ので、信頼性の高い電子写真感光体を高生産性かつ低コ
ストで製造することが可能になる。
【図1】 本発明の電子写真感光体の代表例の模式的断
面図を示す。
面図を示す。
【図2】 本発明の電子写真感光体の他の一例の模式的
断面図を示す。
断面図を示す。
【図3】 本発明の電子写真感光体の更に他の一例の模
式的断面図である。
式的断面図である。
【符号の説明】 1…導電性基体、2…感光層、2a…電荷注入阻止層、
2b…光導電層、3…表面層または反射防止層、3a…
第1の表面層、3b…第2の表面層。
2b…光導電層、3…表面層または反射防止層、3a…
第1の表面層、3b…第2の表面層。
Claims (7)
- 【請求項1】 導電性基体上に、電荷注入阻止層とアモ
ルファスシリコンを主体とし、水素、ハロゲン、ゲルマ
ニウム、第III 族および第V族元素から選ばれた元素の
少なくとも1種を含有する光導電層とを有する感光層を
設けてなる電子写真感光体において、該電荷注入阻止層
の表面がRmax0.01〜5μmの範囲に粗面化され
ていることを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項2】 電荷注入阻止層の表面がエッチングガス
を用いて粗面化されていることを特徴とする請求項1記
載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 電荷注入阻止層の表面が四フッ化炭素と
酸素との混合ガス、三フッ化窒素ガスおよび三フッ化塩
素ガスから選択された1種を用いてグロー放電分解法に
より粗面化されていることを特徴とする請求項1に記載
の電子写真感光体。 - 【請求項4】 電荷注入阻止層の表面が少なくとも三フ
ッ化塩素素による接触化学反応によって粗面化されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。 - 【請求項5】 電荷注入阻止層が水素、ハロゲン、第II
I 族元素、第V族元素、炭素、窒素および酸素から選ば
れた元素の少なくとも1種を含有するアモルファスシリ
コンからなる請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真
感光体。 - 【請求項6】 光導電層より表面側に反射防止層を設け
た請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項7】 表面に、水素、ハロゲン、第III 族元
素、第V族元素、炭素、窒素および酸素から選ばれた元
素の少なくとも1種を含有するアモルファスシリコン
層、または水素、ハロゲン、第III 族元素および第V族
元素から選ばれた元素の少なくとも1種を含有するアモ
ルファスカーボン層からなる表面層を設けた請求項1〜
6のいずれかに記載の電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30083393A JPH07134431A (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30083393A JPH07134431A (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | 電子写真感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07134431A true JPH07134431A (ja) | 1995-05-23 |
Family
ID=17889663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30083393A Pending JPH07134431A (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07134431A (ja) |
-
1993
- 1993-11-08 JP JP30083393A patent/JPH07134431A/ja active Pending
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