JPH07133361A - 電磁波シールドプラスチック成形品 - Google Patents
電磁波シールドプラスチック成形品Info
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- JPH07133361A JPH07133361A JP27872093A JP27872093A JPH07133361A JP H07133361 A JPH07133361 A JP H07133361A JP 27872093 A JP27872093 A JP 27872093A JP 27872093 A JP27872093 A JP 27872093A JP H07133361 A JPH07133361 A JP H07133361A
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- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract
が溶剤により拭取り処理され、真空槽内であらかじめ高
周波励起プラズマによりボンバード処理された後に、こ
れに続いて0.6〜5.0μmのアルミニウム膜が配設
されるか、もしくは、0.7〜5.0μmの膜厚の銅が
成膜された後に、0.05〜3.0μm厚の金属または
合金膜が、必要に応じて有機ガス雰囲気中で、配設され
ている電磁波シールドプラスチック成形品。 【効果】 気相蒸着の特徴を生かしつつ、電磁気シール
ド効果に優れ、省資源で、密着強度が大きく、耐食性、
耐水性、耐ヒートショック性が良好で、強度ととに柔軟
性にも優れた電磁気シールドプラスチック成形品が提供
される。
Description
スチック成形品に関するものである。さらに詳しくは、
電気機器、計算機、計測機器等の電磁波シールド効果に
優れ、しかも簡便で、低コスト生産が可能な、耐久性、
耐食性、強度等の良好な高性能電磁波シールドプラスチ
ック成形品に関するものである。
機器、通信機器等には、様々な電磁波シールド構造が採
用されてきており、このような構造の一つとして、プラ
スチック成形品の表面に銅、ニッケル、アルミニウム等
の金属薄膜を無電解メッキや真空成膜等により配設した
ものが知られている。
とは異なって環境問題への影響が少ないため注目されて
おり、具体的にも真空蒸着によるアルミニウム成膜法
は、気相成膜としての特徴を有し、今後の発展が期待さ
れているものである。しかしながら、電気回路の小型
化、高密度化が進む今日、無電解メッキによるものと同
等のシールド特性を得るためには3〜4μmの膜厚のア
ルミニウムの成膜が必要とされているが、このアルミニ
ウムの真空蒸着によるシールド構造においては、3μm
厚以上の膜厚にすると柱状構造が著しく成長し、実際に
は、鉛筆硬度2H以上の強度が必要とされるにもかかわ
らず、この水準の強度を実現することは極めて困難な状
況にある。
(65℃×95%RH、168時間)、耐塩水噴霧(J
IS Z2371に準拠:5%NaCl溶液、35℃、
8時間噴霧、16時間休止のサイクルを4サイクル実
施)に耐えられない状況にあり、密着性試験(ASTM
D3559−78)においてもクラス3以下になって
しまうという欠点がある。
には、空気中で酸化皮膜(不動態層)が形成され、この
皮膜には絶縁性があるためにシールドに必要な他の金属
との接点の導通が不充分になるという欠点がある。さら
に、従来のアルミニウム真空蒸着膜は、連続して水分濃
度の高い環境にさらされると、MIL F−15072
A(EL)1969Kで示されるように、他の金属、た
とえばCu,Niとの接点をとる場合には電池作用によ
り腐食を促進することがある。
シールド特性を考慮するとアルミニウム以外にも、金、
銀、銅、ニッケル、クロム等が考えられる。しかし、
金、銀は高価であって現実的ではない。一方、銅は、導
電性に優れており、コスト的にも使用可能であるが、高
温多湿の環境テストで酸化が著しく、シールド効果を急
速に失うという問題がある。すなわち、銅は、アルミニ
ウムのような不動態層としての酸化皮膜を形成しないた
め、酸化腐食が著しい。
ケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、クロム(C
r)等の被膜が考えられるが、実際に真空蒸着によって
銅膜の上にこれらの金属膜を成膜してみると、初期密着
性は良好であるものの、耐湿試験(60℃×95%×2
40hr)後の密着性は悪く、実用化することはできな
い。
手段の一つとして、真空蒸着に変えてプラズマ蒸着法を
採用することが考えられる。つまり、低圧グロー放電プ
ラズマ成膜である。確かに、このプラズマ成膜により、
真空蒸着に比べて、密着性は向上し、さらにサーマルシ
ョックに強い成膜が得られ、耐食性がより向上すること
も期待される。そして、近年、電磁波シールドは、ノー
トパソコン、携帯電話等への応用が進み、軽量化が図ら
れ、成形品の薄肉化が進んでいることから、プラズマ成
膜はこれらの動向に沿ったものとも考えられる。しかし
ながら、実際には、これまでのプラズマ成膜品の場合に
は、薄肉化とともに、強度と柔軟性とを兼備えることは
充分ではなかった。
するものとして、この発明の発明者は、高周波励起プラ
ズマにより成膜し、優れた密着強度と、薄膜特性を有す
る電磁波シールドを実現することを可能とし、耐食性を
も向上されることを可能としてきた(特願平4−233
81号、特願平4−317380号、特願平4−298
90号、特願平5−29215号、特願平5−2921
6号および特願平5−29217号)。
ールド膜の成膜は極めて有益なものであって、今後の中
核的技術になるものと期待されるものである。そこでこ
の発明者は、さらに多種多様な態様へのこの方法の適用
を検討してきた。この過程において、発明者は、工業的
生産規模においては、射出成形時の成形金型の押出ピ
ン、斜傾ピン、スライドコア等に接しているプラスチッ
ク成形品表面周辺部では、金型摺動油の付着が生じるこ
とがあり、この付着された摺動油は、電磁波シールド膜
の密着度の向上にとって障害になることを見出した。そ
して、この摺動油の付着は、表層部だけではなく、プラ
スチック成形品の表面から20〜30μm深さにまで含
浸していることがあることも見出した。
は、機械的に、たとえばサンドペーパーによって取除く
ことや、プラズマエッチングにより取除くこと、溶液洗
浄後にアンダーコート層を塗布することが考えられる。
しかしながら、機械的除去は、面倒で、しかも精度良く
取除くことは難しいという問題がある。また、プラズマ
エッチングでは、表面から1〜2μmの深さ部分程度し
か取除けないという限界がある。
特徴を有する高周波励起プラズマによって高性能シール
ド膜を成膜する際には、プラスチック表面の前処理とし
て、プライマーコートを配設することが望しいと考えら
れる。だが一方で、電子機器などのプラスチック筐体の
内壁面は、プリント基板などの電子部品を固定させるイ
ンサート金具、アンダーカット形状、リブといった複雑
形状を有するため、成形品の成形歪が大きく、プライマ
ーコートを配設した場合、プライマーコートに含まれる
有機溶剤により、クラック(ヒビ割れ)が発生したり、
落球衝撃(銅球落下テスト)特性がプライマーコートを
配設しないものに比較して著しく低下しやすいという問
題がある。
されたものであって、従来の電磁波シールドの欠点を解
消し、気相成膜の特徴を生かしつつ、しかも、その付着
強度に優れ、耐久性、耐水性、耐食性、耐サーマルショ
ック等の特性や、生産性も良好な、新規な電磁波シール
ドプラスチック成形品を提供することを目的としてい
る。
を解決するものとして、プラスチック成形品表面の摺動
油付着周辺部が溶剤により拭取り処理され、真空槽内に
おいて高周波励起プラズマによりボンバード処理された
後に、これに続いて0.6〜5.0μmの膜厚のアルミ
ニウム膜が配設されている電磁波シールドプラスチック
成形品を提供する。
面の摺動油付着周辺部が溶剤により拭取り処理され、真
空槽内において高周波励起プラズマによりボンバード処
理された後に、これに続いて0.7〜5.0μmの膜厚
の銅膜が配設され、さらに0.05〜3.0μmの膜厚
の耐蝕性の金属または合金膜が配設されている電磁波シ
ールドプラスチック成形品をも提供する。
スチック成形品は、各種のプラスチックの射出成形ばか
りでなく、押出成形、注型成形、あるいはそれらの表面
成形したものを含み、その目的、用途に応じて、ガラス
繊維、カーボン繊維等のフィラーを含有することができ
る。この発明において拭取り処理に用いられる溶剤とし
ては、好ましくは低沸点有機溶剤である。より具体的に
は、アセトン、メタノール、エタノール、n−ヘキサ
ン、変性アルコール、エーテル等がその溶剤として例示
される。
は著しく、5〜15分程度でほぼ完全に蒸発され、プラ
スチック成形品のソルベントアタックの心配は全くな
い。しかも、この溶剤により拭取り処理した後のプラズ
マボンバード処理は、残存する摺動油分の除去をより効
果的なものとし、電磁波シールド膜の付着度を向上させ
る。
能であり、ハケ等によりその操作は容易に行われる。高
周波励起プラズマによる成膜は、たとえば1×10-4〜
1×10-5Torr水準の真空度とした真空槽におい
て、高周波電源からの電圧印加によって1×10-4〜1
×10-3程度の分圧のアルゴン、ヘリウム等の不活性ガ
ス導入にともなうプラズマ励起によって可能となる。い
わゆるRF低圧グロー放電プラズマである。成膜材料と
してのアルミニウム、銅、さらには耐蝕性の金属または
合金は、抵抗加熱、誘導加熱、電子ビーム照射、さらに
はホロカソード放電等による適宜な手段で蒸発させるこ
とができる。これらの蒸発粒子を高周波励起によりイオ
ン化してプラスチック成形品表面等に付着成膜させる。
は、Au,Ag,Ni,Cr,W,Zr,Sn,Co等
の各種の金属またはそれらの合金が使用できる。そし
て、これらの金属または合金の高周波励起蒸着は、有機
ガスの雰囲気中において行うが、この際のガスは、炭化
水素、たとえばメタン、エタン、エチレン、プロピレン
等の飽和もしくは不飽和の炭化水素、そのヒドロキシ、
アルコキシ、カルボニル等の置換体化合物等から適宜に
選択されて使用される。
たは合金と有機ガス化合物とは組織的に複雑な混合膜を
形成し、耐蝕性、耐ヒートショック性をより大きく向上
させることになる。有機ガス成分は、通常1×10-4〜
1×10-2Torr程度の分圧として導入することがで
きる。その割合は、金属または合金の組成割合に応じて
選択することができる。
銅膜の上のニッケル等の膜は剥離したが、この発明の高
周波励起プラズマ方法による場合には、プラズマによっ
て銅表面が活性化され、密着性が大きく向上し、付着強
度の増大が図られる。しかも、この発明の場合には、塩
水噴霧、亜硫酸ガス中で著しく耐蝕性もが向上する。サ
ーマルショックに強い成膜が得られる。そして、強度と
ともに柔軟性も良好な成膜が可能となる。
ールド効果の観点から、0.6〜5.0μmの膜厚に、
また、銅は0.7〜5.0μm、および耐蝕性金属また
は合金は0.05〜3.0μmの膜厚とする。もちろん
この発明の高周波励起プラズマについては、これまで公
知の技術を踏まえつつ、適宜に実施することができる。
ずれでも可能である。さらにまた、この発明では、必要
に応じて、さらに金属、無機物、ポリマー等の保護膜を
配設することもできる。電解メッキ、気相蒸着、いずれ
の方法によって形成してもよい。以下、実施例を示し、
さらに詳しくはこの発明について説明する。
組成比の樹脂を含有する成形材料により、携帯電話用ケ
ース成形品を成形し、押出ピン、斜傾ピンおよびスライ
ドコア接触部周辺をアセトン:n−ヘキサン(50:5
0)の混合溶剤により拭取り処理した。
3×10-5Torrとし、アルゴンを1×10-4Tor
rの分圧として導入し、コイル状高周波励起(13.5
6MHz)電極によって生成させたグロープラズマに5
分間放置し、直ちに2×10 -4Torrのアルゴン分圧
で2.0μm厚のアルミニウムを成膜した。60℃の水
中に24時間放置した後においても、アルミニウム膜の
外観、密着性および抵抗値の劣化は生じなかった。
結果、無電解メッキ(Cu)1.3μm厚の場合と同等
のシールド効果が得られた。比較例1 実施例1において、溶剤による拭取りを行うことなく、
アルミニウム成膜した。
ところ、アルミニウム膜の微小剥離が生じ、抵抗値の増
大が認められた。比較例2 実施例1において、溶剤による拭取りを行うことなく、
アクリルエマルジョン型のプライマーコートを行い、続
いてアルミニウムの成膜を行った。
所剥離の発生が認められた。また、長時間放置後、ソル
ベントアタックによるクラックの発生も認められた。実施例2 8重量%炭素繊維配合のABS樹脂成形材料により成形
した携帯電話のシールド板をエタノールにより拭取り処
理した。
Torr)において、アルゴン圧7×10-4Torrの
高周波励起プラズマ(13.56MHz)に6分間放置
し、2×10-4Torrアルゴン圧で1μm厚の銅を製
膜し、直ちに0.2μm厚のニッケルを成膜した。60
℃水中に24時間放置しても、外観、密着性、抵抗値の
劣化は認められなかった。実施例3 実施例2において、銅膜を成膜後、さらにプラズマを2
分間放置し、1.5×10-4Torrエチレンガス雰囲
気中で、0.2μm厚のNi60:Cr40のニッケル
−クロム合金膜を成膜した。
にも、外観、密着性、抵抗値の変化は認められなかっ
た。実施例1および2と同様に、シールド効果は良好で
あった。比較例3 実施例2において、ポリウレタン型プライマーコートを
行って成膜した。
所的クラックの発生が認められた。シールド効果も低下
していた。
かしつつ、フィラー配合のプラスチック成形品の場合で
あっても、(1)電磁気シールド効果に優れ、(2)省
資源の薄膜で、(3)付着膜強度が大きく、(4)耐蝕
性、耐水性、耐ヒートショック性に優れ、(5)強度と
ともに柔軟性も良好な、(6)その成膜工程が環境への
影響の少ない電磁気シールドプラスチック成形品が提供
される。
Claims (3)
- 【請求項1】 プラスチック成形品表面の摺動油付着周
辺部が溶剤により拭取り処理され、真空槽内において高
周波励起プラズマによりボンバード処理された後に、こ
れに続いて0.6〜5.0μmの膜厚のアルミニウムが
膜が配設されている電磁波シールドプラスチック成形
品。 - 【請求項2】 プラスチック成形品表面の摺動油付着周
辺部が溶剤により拭取り処理され、真空槽内においてあ
らかじめ高周波励起プラズマによりボンバード処理され
た後に、これに続いて0.7〜5.0μmの膜厚の銅膜
が配設され、さらに0.05〜3.0μm厚の耐蝕性の
金属または合金膜が配設されている電磁波シールドプラ
スチック成形品。 - 【請求項3】 耐蝕性の金属または合金膜は有機ガス雰
囲気下に配設されている請求項2の電磁波シールドプラ
スチック成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27872093A JP2817891B2 (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | 電磁波シールドプラスチック成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27872093A JP2817891B2 (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | 電磁波シールドプラスチック成形品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07133361A true JPH07133361A (ja) | 1995-05-23 |
JP2817891B2 JP2817891B2 (ja) | 1998-10-30 |
Family
ID=17601261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27872093A Expired - Fee Related JP2817891B2 (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | 電磁波シールドプラスチック成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2817891B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11121961A (ja) * | 1997-10-13 | 1999-04-30 | Etsumi Kogaku:Kk | 電磁波シールド成形品 |
WO2004032590A1 (ja) * | 2002-10-01 | 2004-04-15 | Fcm Co., Ltd. | シールド層を形成した電磁波シールド材 |
-
1993
- 1993-11-08 JP JP27872093A patent/JP2817891B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH11121961A (ja) * | 1997-10-13 | 1999-04-30 | Etsumi Kogaku:Kk | 電磁波シールド成形品 |
WO2004032590A1 (ja) * | 2002-10-01 | 2004-04-15 | Fcm Co., Ltd. | シールド層を形成した電磁波シールド材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2817891B2 (ja) | 1998-10-30 |
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