JPH0713245B2 - 針状アモルフアス金属粉末の製造方法およびその装置 - Google Patents
針状アモルフアス金属粉末の製造方法およびその装置Info
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- JPH0713245B2 JPH0713245B2 JP61061220A JP6122086A JPH0713245B2 JP H0713245 B2 JPH0713245 B2 JP H0713245B2 JP 61061220 A JP61061220 A JP 61061220A JP 6122086 A JP6122086 A JP 6122086A JP H0713245 B2 JPH0713245 B2 JP H0713245B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高性能磁性材料や複合材料用原料として用いら
れて有効なアモルファス金属粉末の製造方法およびその
装置に関し、該アモルファス金属粉末が針状に形成され
ることを特徴とするものである。
れて有効なアモルファス金属粉末の製造方法およびその
装置に関し、該アモルファス金属粉末が針状に形成され
ることを特徴とするものである。
従来この種のアモルファス金属粉末の製造方法として
は、高速で回転する双ロールの間を溶融金属流を通過さ
せるキャビテーション法、溶融金属流に高速気流を吹き
付けるアトマイズ法、あるいはスプレー法により得られ
る霧状溶融金属を急冷し凝固する方法が一般に知られて
おり、例えば特公昭61−401号公報に開示されているよ
うに前記アトマイズ法により溶融金属を霧状とし、この
霧状溶融金属流を冷却ブロックに衝突させて凝固させる
方法等がある。
は、高速で回転する双ロールの間を溶融金属流を通過さ
せるキャビテーション法、溶融金属流に高速気流を吹き
付けるアトマイズ法、あるいはスプレー法により得られ
る霧状溶融金属を急冷し凝固する方法が一般に知られて
おり、例えば特公昭61−401号公報に開示されているよ
うに前記アトマイズ法により溶融金属を霧状とし、この
霧状溶融金属流を冷却ブロックに衝突させて凝固させる
方法等がある。
しかしながら上記のものを含めて従来のアモルファス金
属粉末は、フレーク状、球状、無定形状のものしか製造
することができない。
属粉末は、フレーク状、球状、無定形状のものしか製造
することができない。
一方、複合材料用強化剤等で有効に使用されるウィスカ
ー材料のように、細かい針状あるいは短繊維状のもの
は、その形状独自の効果も多く、アモルファス金属粉末
においてもこのような形状のものは、方向性のそろった
磁性材料や、あるいは複合材料用強化材としても必要性
の高いものである。
ー材料のように、細かい針状あるいは短繊維状のもの
は、その形状独自の効果も多く、アモルファス金属粉末
においてもこのような形状のものは、方向性のそろった
磁性材料や、あるいは複合材料用強化材としても必要性
の高いものである。
本発明は以上の背景に基づいて針状アモルファス金属粉
末を簡便に製造する方法を提供することを目的としてい
る。
末を簡便に製造する方法を提供することを目的としてい
る。
上記目的を達成するために本発明は、すり鉢状凹部を形
成する斜面と回転軸とのなす角が30°〜75°の範囲であ
るすり鉢状凹部を有する高速回転ドラムの、前記すり鉢
状凹部を形成する斜面のみに、霧状溶融金属を、衝突さ
せて、前記霧状溶融金属を針状に凝固させる針状アモル
ファス金属粉末の製造方法を採用するものである。
成する斜面と回転軸とのなす角が30°〜75°の範囲であ
るすり鉢状凹部を有する高速回転ドラムの、前記すり鉢
状凹部を形成する斜面のみに、霧状溶融金属を、衝突さ
せて、前記霧状溶融金属を針状に凝固させる針状アモル
ファス金属粉末の製造方法を採用するものである。
また、さらには、溶融金属を細孔から糸状に流出させる
溶融金属流出手段と、該溶融金属流出手段より流出した
溶融金属流のほぼ流線上に集束する不活性ガス気流を噴
出することにより前記溶融金属を霧状とする噴霧ノズル
と、すり鉢状凹部を形成する斜面と回転軸とのなす角が
30°〜75°の範囲であるすり鉢状凹部を有し、該すり鉢
状凹部を形成する斜面のみに前記霧状溶融金属が衝突す
るよう設置された高速回転ドラムとを備えた針状アモル
ファス金属粉末の製造装置を採用するものである。
溶融金属流出手段と、該溶融金属流出手段より流出した
溶融金属流のほぼ流線上に集束する不活性ガス気流を噴
出することにより前記溶融金属を霧状とする噴霧ノズル
と、すり鉢状凹部を形成する斜面と回転軸とのなす角が
30°〜75°の範囲であるすり鉢状凹部を有し、該すり鉢
状凹部を形成する斜面のみに前記霧状溶融金属が衝突す
るよう設置された高速回転ドラムとを備えた針状アモル
ファス金属粉末の製造装置を採用するものである。
上記手段によれば、球状の霧状溶融金属が高速で回転す
る回転ドラムのすり鉢状凹部を形成する斜面に衝突する
際、該斜面の表面に付着すると同時に、この霧状溶融金
属に遠心力が働き、この球状溶融金属は回転ドラムの回
転方向に引き延ばされながら針状となり、該ドラムに熱
を奪われ、急冷凝固して針状の非晶質を得ることができ
る。
る回転ドラムのすり鉢状凹部を形成する斜面に衝突する
際、該斜面の表面に付着すると同時に、この霧状溶融金
属に遠心力が働き、この球状溶融金属は回転ドラムの回
転方向に引き延ばされながら針状となり、該ドラムに熱
を奪われ、急冷凝固して針状の非晶質を得ることができ
る。
以下本発明を図に示す実施例とともに詳細に説明する。
第1図は本発明の針状アモルファス金属粉末の製造に供
する装置を示す概略構成図である。この装置は大別して
溶融金属流出部10と、この溶融金属流に高速気流を噴出
することにより溶融金属を霧状とする噴霧ノズル部20
と、すり鉢状凹部を有する高速回転ドラム部30とよりな
る。
第1図は本発明の針状アモルファス金属粉末の製造に供
する装置を示す概略構成図である。この装置は大別して
溶融金属流出部10と、この溶融金属流に高速気流を噴出
することにより溶融金属を霧状とする噴霧ノズル部20
と、すり鉢状凹部を有する高速回転ドラム部30とよりな
る。
溶融金属流出部10は、有底円筒状に加工された石英より
なる溶融るつぼ11と、このるつぼ11の開口端面に図示し
ない適宜の密封手段によりるつぼ11内を密封する蓋12
と、るつぼ11の少なくとも底面寄りの外周部に配設され
た高周波誘導コイル13とよりなっている。
なる溶融るつぼ11と、このるつぼ11の開口端面に図示し
ない適宜の密封手段によりるつぼ11内を密封する蓋12
と、るつぼ11の少なくとも底面寄りの外周部に配設され
た高周波誘導コイル13とよりなっている。
るつぼ11は直径約35mm、厚さ2mm程度に加工され、底面1
11の略中央部には孔径0.1〜0.5mmの流出孔112が設けら
れている。この流出孔112の円筒状壁面の長さは短すぎ
ると、溶融金属流がうまく糸状に流出せず、逆に長すぎ
ると冷却されるため3.5mm程度となっている。るつぼ11
は石英の他に、溶融金属におかされず、耐熱性の高いセ
ラミック材料等を用いてもよい。蓋12は金属製でその略
中央部には、配管121が接続され、この配管121は図示し
ないアルゴンボンベに接続されており、るつぼ11内に圧
力をかけることができるよう構成されている。また高周
波誘導コイル13は、るつぼ11の外周面と10mm程度間隙を
おいてコイル状に形成された中空銅パイプ131よりな
り、この銅パイプ131に図示しない高周波電源が接続さ
れ、パイプ131内は冷却水が流されている。そして、高
周波電源により、るつぼ11内の原料合金14を加熱溶融で
きるよう構成されている。
11の略中央部には孔径0.1〜0.5mmの流出孔112が設けら
れている。この流出孔112の円筒状壁面の長さは短すぎ
ると、溶融金属流がうまく糸状に流出せず、逆に長すぎ
ると冷却されるため3.5mm程度となっている。るつぼ11
は石英の他に、溶融金属におかされず、耐熱性の高いセ
ラミック材料等を用いてもよい。蓋12は金属製でその略
中央部には、配管121が接続され、この配管121は図示し
ないアルゴンボンベに接続されており、るつぼ11内に圧
力をかけることができるよう構成されている。また高周
波誘導コイル13は、るつぼ11の外周面と10mm程度間隙を
おいてコイル状に形成された中空銅パイプ131よりな
り、この銅パイプ131に図示しない高周波電源が接続さ
れ、パイプ131内は冷却水が流されている。そして、高
周波電源により、るつぼ11内の原料合金14を加熱溶融で
きるよう構成されている。
前記るつぼ11の底面111から約50mmの間隔で設けられた
噴霧ノズル部20は、Cu合金等の金属よりなり、全体円盤
状を呈し、中央部にややすり鉢状に先細りぎみに形成さ
れた開口部21を有している。この開口部21の先細り側、
すなわち底面24側の直径は約10mmである。そして、その
内部には噴出されるアルゴンガスの流路となるように中
空部22が穿設され、この中空部22には、配管接続口23よ
り図示しないアルゴンボンベから高圧アルゴンガスが供
給される。また、このノズル20の底面24の前記開口部21
周囲には全周にわたってアルゴンガスの噴出孔25が設け
られている。この噴出孔25は第2図にその拡大図を示す
ように、その噴出されるガスの流れの軸線方向が、円盤
状ノズルの中心軸上で集束するようにすり鉢状をなして
おり、流れの軸線と中心軸とのなす角は約25°である。
なお前記るつぼ11とこの噴霧ノズル部20とはその中心軸
が一致するよう図示しない固定手段により固定されてい
る。
噴霧ノズル部20は、Cu合金等の金属よりなり、全体円盤
状を呈し、中央部にややすり鉢状に先細りぎみに形成さ
れた開口部21を有している。この開口部21の先細り側、
すなわち底面24側の直径は約10mmである。そして、その
内部には噴出されるアルゴンガスの流路となるように中
空部22が穿設され、この中空部22には、配管接続口23よ
り図示しないアルゴンボンベから高圧アルゴンガスが供
給される。また、このノズル20の底面24の前記開口部21
周囲には全周にわたってアルゴンガスの噴出孔25が設け
られている。この噴出孔25は第2図にその拡大図を示す
ように、その噴出されるガスの流れの軸線方向が、円盤
状ノズルの中心軸上で集束するようにすり鉢状をなして
おり、流れの軸線と中心軸とのなす角は約25°である。
なお前記るつぼ11とこの噴霧ノズル部20とはその中心軸
が一致するよう図示しない固定手段により固定されてい
る。
回転ドラム部30は、すり鉢状凹部を有する直径320mmの
回転ドラム31と、このドラム31の外側中心部に結合され
た回転軸32とよりなり、図示しない高速回転モータによ
り高速回転する。このドラム31のすり鉢状凹部を形成す
る斜面33は、その回転軸とのなす角(図中α)が51°で
ある。このドラム31はCu−Zn合金よりなり熱伝導性にす
ぐれている。このドラムの斜面33と前記るつぼ11および
ノズル20の軸線とのなす角βは約70°で、ノズルとドラ
ムの斜面の距離が約100mmとなるよう配置固定されてい
る。
回転ドラム31と、このドラム31の外側中心部に結合され
た回転軸32とよりなり、図示しない高速回転モータによ
り高速回転する。このドラム31のすり鉢状凹部を形成す
る斜面33は、その回転軸とのなす角(図中α)が51°で
ある。このドラム31はCu−Zn合金よりなり熱伝導性にす
ぐれている。このドラムの斜面33と前記るつぼ11および
ノズル20の軸線とのなす角βは約70°で、ノズルとドラ
ムの斜面の距離が約100mmとなるよう配置固定されてい
る。
ドラム30の斜面33の延長外周方向には全周にわたってカ
バー40が設けられ、製造された針状アモルファス金属粉
末が補集される。
バー40が設けられ、製造された針状アモルファス金属粉
末が補集される。
上記構成になる本発明の製造装置を用いた針状アモルフ
ァス金属粉末製造方法について以下説明する。るつぼ11
の蓋12を取りはずし、アモルファス金属粉末の原料とな
る結晶性Fe−B−Si(Fe78wt%、B13wt%、Si9wt%)の
合金ブロック100〜200gをるつぼ11中に入れ、蓋12で封
じた後、アルゴンガスを配管121から導入し、るつぼ11
内をアルゴン置換する。次に高周波誘導コイル13に冷却
水を流しながら高周波電源により200kHzの高周波を格子
電流1.2A、陽極電流1.0A、陽極電圧8.0kVで流す。
ァス金属粉末製造方法について以下説明する。るつぼ11
の蓋12を取りはずし、アモルファス金属粉末の原料とな
る結晶性Fe−B−Si(Fe78wt%、B13wt%、Si9wt%)の
合金ブロック100〜200gをるつぼ11中に入れ、蓋12で封
じた後、アルゴンガスを配管121から導入し、るつぼ11
内をアルゴン置換する。次に高周波誘導コイル13に冷却
水を流しながら高周波電源により200kHzの高周波を格子
電流1.2A、陽極電流1.0A、陽極電圧8.0kVで流す。
これにより、るつぼ11内は原料合金14の融点約1100℃よ
りも200℃程度高い約1300℃に加熱される。この温度に
溶融されると原料合金14は、粘度が低下し、るつぼ11の
底面111の流出孔112から流出できる状態となる。
りも200℃程度高い約1300℃に加熱される。この温度に
溶融されると原料合金14は、粘度が低下し、るつぼ11の
底面111の流出孔112から流出できる状態となる。
次にあらかじめ噴霧ノズル20にアルゴンガスを3〜10kg
/cm2の圧力で供給し、噴出口25よりアルゴンガス気流を
噴出させておき、るつぼ11内にアルゴンガスの圧力を1
〜1.5kg/cm2程度となるように加圧させると、原料合金
は、流出孔112から糸状の溶融金属流141となって流出す
る。流出した溶融金属流141は、噴霧ノズル20より噴出
するアルゴンガス気流により霧状となり、第1図の空間
A内に噴霧される霧状溶融金属142となる。これは一般
にアトマイズ法と呼ばれるアモルファス金属粉末の製造
方法のひとつで、集束する高速気流の集束点上流側で低
圧気流部Bとなり、集束点を境にして急激に高圧気流部
Cとなっている空間内を溶融金属を通過させると10〜15
0μmの粒径の球状溶融金属となることを利用する方法
である。
/cm2の圧力で供給し、噴出口25よりアルゴンガス気流を
噴出させておき、るつぼ11内にアルゴンガスの圧力を1
〜1.5kg/cm2程度となるように加圧させると、原料合金
は、流出孔112から糸状の溶融金属流141となって流出す
る。流出した溶融金属流141は、噴霧ノズル20より噴出
するアルゴンガス気流により霧状となり、第1図の空間
A内に噴霧される霧状溶融金属142となる。これは一般
にアトマイズ法と呼ばれるアモルファス金属粉末の製造
方法のひとつで、集束する高速気流の集束点上流側で低
圧気流部Bとなり、集束点を境にして急激に高圧気流部
Cとなっている空間内を溶融金属を通過させると10〜15
0μmの粒径の球状溶融金属となることを利用する方法
である。
次にこの霧状溶融金属142は、噴霧ノズル20から噴出さ
れたアルゴン気流に乗って、回転ドラム31の斜面33に到
達する。このときドラム31はすでに4000rpmで高速回転
しており、霧状溶融金属142が衝突する斜面部分は周速2
5〜65m/sで回転している。第3図の流れ図(a)に示す
ように、斜面に到達した球状の霧状溶融金属142は、第
4図に示すような、斜面33の外側に向けて働く遠心力F
の斜面垂直方向の分力F1により斜面33に押しつけられる
ことにより、第3図の流れ図(b)に示すようにCu−Zn
合金よりなる斜面33表面に漏れて付着する。そして付着
すると同時に前記遠心力Fの斜面方向分力F2と斜面33自
身の高速回転により、ほぼ円周方向に引き延ばされはじ
める(第4図(c))。そして引き延ばされることによ
り、溶融金属と斜面との接触面積が広がり、熱伝導率の
すぐれたCu−Zn合金よりなる斜面33に急速に熱を奪われ
て冷却される。そしてこの急速な冷却により溶融金属14
2は非晶質金属として凝固し、その最終形状は第4図
(d)のように針状となる。第5図は、このようにして
製作した針状アモルファス金属粉末の顕微鏡写真である
この方法により約50wt%の粒子が針状となる。この針状
アモルファス金属粒子143は直径が10〜50μm、長さは
0.2〜2.0mmの間の分布であった。
れたアルゴン気流に乗って、回転ドラム31の斜面33に到
達する。このときドラム31はすでに4000rpmで高速回転
しており、霧状溶融金属142が衝突する斜面部分は周速2
5〜65m/sで回転している。第3図の流れ図(a)に示す
ように、斜面に到達した球状の霧状溶融金属142は、第
4図に示すような、斜面33の外側に向けて働く遠心力F
の斜面垂直方向の分力F1により斜面33に押しつけられる
ことにより、第3図の流れ図(b)に示すようにCu−Zn
合金よりなる斜面33表面に漏れて付着する。そして付着
すると同時に前記遠心力Fの斜面方向分力F2と斜面33自
身の高速回転により、ほぼ円周方向に引き延ばされはじ
める(第4図(c))。そして引き延ばされることによ
り、溶融金属と斜面との接触面積が広がり、熱伝導率の
すぐれたCu−Zn合金よりなる斜面33に急速に熱を奪われ
て冷却される。そしてこの急速な冷却により溶融金属14
2は非晶質金属として凝固し、その最終形状は第4図
(d)のように針状となる。第5図は、このようにして
製作した針状アモルファス金属粉末の顕微鏡写真である
この方法により約50wt%の粒子が針状となる。この針状
アモルファス金属粒子143は直径が10〜50μm、長さは
0.2〜2.0mmの間の分布であった。
次にこの針状アモルファス金属粉末をX線解析で分析し
た結果を示すのが第6図で、結晶性の場合に出現する2
θ=53度付近のするどいピークが全くなく非晶質である
ことが確かめられた。この針状アモルファス金属粉末は
引張強度が300kg/mm2以上であり通常のピアノ線以上の
強度を有しており、複合材用強化材としても有効である
ことが示された。
た結果を示すのが第6図で、結晶性の場合に出現する2
θ=53度付近のするどいピークが全くなく非晶質である
ことが確かめられた。この針状アモルファス金属粉末は
引張強度が300kg/mm2以上であり通常のピアノ線以上の
強度を有しており、複合材用強化材としても有効である
ことが示された。
本発明においてはその凝固過程で説明したように遠心力
の作用がポイントとなっているために、回転ドラムのか
さの角度αが非常に重要となってくる。あまり角度αが
小さすぎると溶融金属を斜面に押し付ける斜面垂直方向
の分力F1が大きくなりすぎ、付着した溶融金属は広がっ
てしまい、針状に引き延ばされない。また大きすぎると
分力F1が小さすぎて斜面に付着せず球状のまま凝固す
る。従ってその好適な角度は、モータの回転速度等の他
の条件にもよるが角度αで30°〜75°程度が好適であ
る。
の作用がポイントとなっているために、回転ドラムのか
さの角度αが非常に重要となってくる。あまり角度αが
小さすぎると溶融金属を斜面に押し付ける斜面垂直方向
の分力F1が大きくなりすぎ、付着した溶融金属は広がっ
てしまい、針状に引き延ばされない。また大きすぎると
分力F1が小さすぎて斜面に付着せず球状のまま凝固す
る。従ってその好適な角度は、モータの回転速度等の他
の条件にもよるが角度αで30°〜75°程度が好適であ
る。
またドラムの回転速度は、おそすぎると付着した溶融金
属が引き延ばされて広い面積で斜面に接触しないので冷
却がおそく、非晶質とならないことが確かめられた。し
かしあまり速すぎると、溶融金属が斜面に付着しない。
好適な回転数は、溶融金属流の延長線が斜面と交わる点
の周速の好適な範囲10〜100m/sから計算される。
属が引き延ばされて広い面積で斜面に接触しないので冷
却がおそく、非晶質とならないことが確かめられた。し
かしあまり速すぎると、溶融金属が斜面に付着しない。
好適な回転数は、溶融金属流の延長線が斜面と交わる点
の周速の好適な範囲10〜100m/sから計算される。
本発明において回転ドラム31は溶融金属を急冷してアモ
ルファス化するために高熱伝導率を有する必要がある
が、上記実施例のCu−Zn合金に限定されるものではな
く、その他のCu合金、Al等の金属が可能である。
ルファス化するために高熱伝導率を有する必要がある
が、上記実施例のCu−Zn合金に限定されるものではな
く、その他のCu合金、Al等の金属が可能である。
また原料金属としては、アモルファス化が可能なすべて
の金属が適用できるが、その結晶構造の不安定さにより
アモルファス化を容易にすると考えられているB,Siを含
んだ合金が好適に用いられ、例えば、Co−B−Si合金、
Ni−B−Si合金等がある。
の金属が適用できるが、その結晶構造の不安定さにより
アモルファス化を容易にすると考えられているB,Siを含
んだ合金が好適に用いられ、例えば、Co−B−Si合金、
Ni−B−Si合金等がある。
上記実施例においては、溶融金属流を霧状とするのに高
速気流を噴出するアトマイズ法を採用したが、本発明は
これに限定されるものではなく、例えば第7図に示すよ
うに高速で回転する双ロール26a,26bの対向する間に溶
融金属流141を通過させてもよい。これによれば、2つ
のロール26a,26bの最近接点より上流側に高圧気流部
B、下流側に低圧気流部Cが形成されて、同様に霧状化
がおこる。この方法は一般にキャビテーション法と呼ば
れている公知の方法である。
速気流を噴出するアトマイズ法を採用したが、本発明は
これに限定されるものではなく、例えば第7図に示すよ
うに高速で回転する双ロール26a,26bの対向する間に溶
融金属流141を通過させてもよい。これによれば、2つ
のロール26a,26bの最近接点より上流側に高圧気流部
B、下流側に低圧気流部Cが形成されて、同様に霧状化
がおこる。この方法は一般にキャビテーション法と呼ば
れている公知の方法である。
本発明におてい噴霧ノズル20から噴出させるガスおよび
るつぼ11内を加圧するガスはArの他にHe等の不活性ガス
でもよい。また噴霧ノズル20から噴出するガスは溶融金
属を冷却しないように加熱してから噴出させるようにし
てもよい。
るつぼ11内を加圧するガスはArの他にHe等の不活性ガス
でもよい。また噴霧ノズル20から噴出するガスは溶融金
属を冷却しないように加熱してから噴出させるようにし
てもよい。
以上述べたように、本発明は霧状溶融金属を高速で回転
するすり鉢状凹部を形成する回転ドラムの斜面に衝突さ
せるという非常に簡便な方法により、従来では得られな
かった針状のアモルファス金属粉末を生産性よく製造す
ることができる。
するすり鉢状凹部を形成する回転ドラムの斜面に衝突さ
せるという非常に簡便な方法により、従来では得られな
かった針状のアモルファス金属粉末を生産性よく製造す
ることができる。
第1図は本発明の針状アモルファス金属粉末の製造装置
の構成を示す断面図、第2図はその噴霧ノズル部20の詳
細構造を説明するための拡大断面図、第3図(a)〜
(d)は針状アモルファス金属の生成過程を模式的に説
明するための流れ図、第4図は霧状アモルファス金属に
働く力を説明する原理図、第5図は本発明の方法により
製造された針状アモルファス金属粉末の形状を示す顕微
鏡写真、第6図はそのX線解析による分析データを示す
図、第7図は本発明の他の方法を説明するための概略図
である。 11……るつぼ,112……流出孔,141……溶融金属流,142…
…霧状溶融金属,20……噴霧ノズル,31……回転ドラム,3
3……斜面。
の構成を示す断面図、第2図はその噴霧ノズル部20の詳
細構造を説明するための拡大断面図、第3図(a)〜
(d)は針状アモルファス金属の生成過程を模式的に説
明するための流れ図、第4図は霧状アモルファス金属に
働く力を説明する原理図、第5図は本発明の方法により
製造された針状アモルファス金属粉末の形状を示す顕微
鏡写真、第6図はそのX線解析による分析データを示す
図、第7図は本発明の他の方法を説明するための概略図
である。 11……るつぼ,112……流出孔,141……溶融金属流,142…
…霧状溶融金属,20……噴霧ノズル,31……回転ドラム,3
3……斜面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−128507(JP,A) 特開 昭57−70206(JP,A) 特開 昭52−56061(JP,A) 特開 昭58−199647(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】すり鉢状凹部を形成する斜面と回転軸との
なす角が30°〜75°の範囲であるすり鉢状凹部を有する
高速回転ドラムの、前記すり鉢状凹部を形成する斜面の
みに、霧状溶融金属を、衝突させて、前記霧状溶融金属
を針状に凝固させる針状アモルファス金属粉末の製造方
法。 - 【請求項2】溶融金属を細孔から糸状に流出させる溶融
金属流出手段と、 該溶融金属流出手段より流出した溶融金属流のほぼ流線
上に集束する不活性ガス気流を噴出することにより前記
溶融金属を霧状とする噴霧ノズルと、 すり鉢状凹部を形成する斜面と回転軸とのなす角が30°
〜75°の範囲であるすり鉢状凹部を有し、該すり鉢状凹
部を形成する斜面のみに前記霧状溶融金属が衝突するよ
う設置された高速回転ドラムとを備えた針状アモルファ
ス金属粉末の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61061220A JPH0713245B2 (ja) | 1986-03-19 | 1986-03-19 | 針状アモルフアス金属粉末の製造方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61061220A JPH0713245B2 (ja) | 1986-03-19 | 1986-03-19 | 針状アモルフアス金属粉末の製造方法およびその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62218505A JPS62218505A (ja) | 1987-09-25 |
JPH0713245B2 true JPH0713245B2 (ja) | 1995-02-15 |
Family
ID=13164899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61061220A Expired - Lifetime JPH0713245B2 (ja) | 1986-03-19 | 1986-03-19 | 針状アモルフアス金属粉末の製造方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0713245B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN104588675B (zh) * | 2015-02-16 | 2016-07-06 | 西安赛隆金属材料有限责任公司 | 球形稀有金属粉末制备装置及方法 |
CN112276105B (zh) * | 2020-10-29 | 2022-08-09 | 佛山市中研非晶科技股份有限公司 | 水气联合雾化制粉工艺及应用其的水气联合雾化制粉装置 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US4221587A (en) * | 1979-03-23 | 1980-09-09 | Allied Chemical Corporation | Method for making metallic glass powder |
JPS5770206A (en) * | 1980-10-20 | 1982-04-30 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Preparation of metal alloy powder |
JPS58199647A (ja) * | 1982-05-14 | 1983-11-21 | Aisin Seiki Co Ltd | アモルフアス合金の製造方法 |
-
1986
- 1986-03-19 JP JP61061220A patent/JPH0713245B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62218505A (ja) | 1987-09-25 |
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