JPH07132292A - 直接電解式の電気分解槽 - Google Patents

直接電解式の電気分解槽

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JPH07132292A
JPH07132292A JP30476393A JP30476393A JPH07132292A JP H07132292 A JPH07132292 A JP H07132292A JP 30476393 A JP30476393 A JP 30476393A JP 30476393 A JP30476393 A JP 30476393A JP H07132292 A JPH07132292 A JP H07132292A
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gas
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electrode plate
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善胤 田村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で小型化でき、組立て分解及びメ
ンテナンスを容易にできると共に、ガス抜き等にも無理
がなく、スケールによる流路障害の発生を防止でき、電
解液を効率良く安定的に電気分解できる直接電解式の電
気分解槽を提供する。 【構成】 この直接電解式の電気分解槽は、容器1 の内
部を上下方向の電極板6により入側と出側とに区画する
と共に、この電極板6 に対向してその両側に電極板11,1
2 を夫々上下方向に配置し、この両側の電極板11,12 と
容器1 の側壁13,14 との間に、容器1 の内部の入側及び
出側を上部室18,20 と下部室19,21 とに区画する隔壁1
5,16 を設け、電極板6 と両側の電極板11,12 との間
に、各上部室18,20 と下部室19,21 とを連通させる上昇
通路22,23 を設け、入側上部室18と出側下部室21とを連
通させる連通路30を設け、入側下部室19側に電解液の流
入口26を、出側上部室20に電解液の流出口27を夫々設け
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素イオン含有水等の
電解液を効率良く安定的に電気分解する直接電解式の電
気分解槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素イオン含有水等の電解液を電気分解
する直接電解式の電気分解槽には、従来、図16、図1
7及び図18に示すようなものがある。図16は従来の
小型用の一般的なパイプ型の電気分解槽を示す。これは
内圧容器式のパイプ槽61を接続ホース62を介して複数個
直列に接続している。各パイプ槽61は下部に流入口63、
上部に流出口64を有する外筒65と、この外筒65の中心部
に挿入された芯棒66とから構成し、その芯棒66を陽極と
し、外筒65を陰極として、電解液が各パイプ槽61を流れ
る間に、芯棒66と外筒65との間に流れる電流によって電
解液を電気分解する。
【0003】図17の電気分解槽は中型、大型用の大気
開放型であって、下部に流入口67、上部に流出口68を夫
々有する容器69の内部に、メッシュ形の電極70を上下方
向に所定の間隔をおいて平行に複数枚設けている。そし
て、下部の流入口67から容器69内に入った電解液が各電
極70を通過して流出口68から出る間に、容器69内の電極
70相互間に流れる電流により電気分解し、この電気分解
時の発生ガスを流出口68から上方に抜く一方、電気分解
後の液を流出管71から外部に取り出して行く。
【0004】図18の電気分解槽は内圧容器式であっ
て、左右両側の側板72,73 間に、複数枚の電極板74〜77
をスペーサ78を介して配置し、これらを通しボルト79に
より締結して一体化すると共に、側板72と電極板74に流
入口80、電極板77と側板73に流出口81、電極板75,76 間
に連通管82を夫々設けている。そして、電解液が流入口
80から流出口81へと流れる間に、各電極板74〜77相互間
に流れる電流により電気分解する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図16の電気分解槽
は、パイプ槽61の数を増減すれば、電解能力を自在に変
更することができるが、次のような欠点がある。即ち、
各パイプ槽61内での電気分解時にスケールが発生し、そ
のスケールが陰極である外筒65の流入口63及び流出口64
の口縁部分に付着する。特に、流入口63の口縁部分での
スケールの付着が多く、これによる流路閉塞が比較的短
い周期で発生する惧れがある。
【0006】また電解時に発生するガスによる流路障害
が各パイプ槽61を接続する接続ホース62内で発生し、各
パイプ槽61相互間での電解液の流れが不安定となり、し
かも接続ホース62でガスロック等を生じることがある。
これを防止するためには、各パイプ槽61の上部や接続ホ
ース62の途中に気液分離器を夫々設ける必要がある。ま
た複数のパイプ槽式の場合、終段のパイプ槽61内ではガ
ス発生量が多くなり、電解効率が極端に悪くなる欠点が
ある。
【0007】更に、複数個のパイプ槽61を接続ホース62
を介して直列に接続するため、配線及び組立てが非常に
複雑になると共に、その設置にスペースを要する欠点が
ある。また冷却手段を取り付け難い。即ち、接続ホース
62の途中に冷却手段を設けて冷却することは可能である
が、外部冷却となって大掛かりとなるため、実際には採
用することが困難である。
【0008】図17の電気分解槽では、メッシュ式の電
極70を使用するため、電極70に対するスケールの付着が
著しく、しかもそのメンテナンス、電極の洗浄が困難で
ある。電解効率は流速分布にも左右されるが、容器内で
偏流が生じる構造であり不利である。また冷却手段を取
り付け難い欠点がある。更に、電極70がメッシュ式であ
るため、電極70相互間の間隔を詰め難く、多くの場合7
mmまたはそれ以上となるため、電解効率が悪いという
欠点がある。
【0009】図18の電気分解槽の場合には、電解液の
液洩れの問題があり、通しボルト79の増し締めを折々に
行う必要がある。また通しボルト79の締め具合、ガスケ
ットの圧縮(肉圧変化)、締め付け程度によっては各部
の疲労に伴うトラブルが多発する惧れがある。しかも、
構造が複雑で部品点数が多く、分解組立てが困難なた
め、メンテナンスも不利であり、点検も容易にできない
欠点がある。
【0010】更に、気液分離、ガス抜きに無理があって
電解室内に気層が生じ易い上、電解液の流入口が狭いた
め、スケールによる流路障害が生じ易い欠点がある。ま
た電解室内の流速分布の制御が困難である。
【0011】本発明は、かかる従来の課題に鑑み、構造
が簡単で小型化でき、組立て分解及びメンテナンスを容
易にできると共に、ガス抜き等にも無理がなく、スケー
ルによる流路障害の発生を防止でき、電解液を効率良く
安定的に電気分解できる直接電解式の電気分解槽を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、容器1 の内部を上下方向の電極板6 により入側と出
側とに区画すると共に、この電極板6 に対向してその両
側に電極板11,12 を夫々上下方向に配置し、この両側の
電極板11,12 と容器1 の側壁13,14 との間に、容器1 の
内部の入側及び出側を上部室18,20 と下部室19,21 とに
区画する隔壁15,16 を設け、電極板6 と両側の電極板1
1,12 との間に、各上部室18,20 と下部室19,21 とを連
通させる上昇通路22,23 を設け、入側上部室18と出側下
部室21とを連通させる連通路30を設け、入側下部室19側
に電解液の流入口26を、出側上部室20に電解液の流出口
27を夫々設けたものである。
【0013】また請求項2に記載の本発明は、請求項1
に記載の発明において、入側下部室19のガスを抜くガス
抜き手段24と、出側下部室21のガスを抜くガス抜き手段
25と、各上部室18,20 のガスを抜くガス抜き手段5 とを
備えたものである。
【0014】更に請求項3に記載の本発明は、請求項1
又は2に記載の発明において、連通路30を経て入側上部
室18から出側下部室19へと流れる電解液を冷却する冷却
手段31を容器1 の外側に一体構造で装着したものであ
る。
【0015】
【作用】電解液は流入口26から入側下部室19内に入り、
この入側下部室19から上昇通路22、入側上部室18、連通
路30、出側下部室21、上昇通路23を通って出側上部室20
へと流れる。そして、電解液が上昇通路22,23 を通って
上昇する時に、電極板6と電極板11,12 との間に流れる
電流により電気分解し、その電気分解後の液を出側上部
室20から流出口27を経て外部に取り出す。
【0016】電解液が入側下部室19に流入すると、電解
液に含まれるエアーの殆どは入側下部室19内で分離し、
この入側下部室19からガス抜き手段24を経て抜ける。ま
た出側下部室21に移液された電解液中のエアー、ガス
は、出側下部室21に入った時に分離して、ガス抜き手段
25を経て抜ける。
【0017】電極板6 と電極板11,12 との間での電気分
解時に発生したガスは微細な気泡となって電解液と共に
上昇通路22,23 を経て各上部室18,20 側へと上昇し、ガ
ス抜き手段5 から外部に抜ける。電解液が連通路30を通
って流下する時に、冷却手段31で電解液を冷却する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1乃至図7は本発明の第1実施例を例示
し、自然流下式の大気開放型にしたものである。図1、
図2及び図7において、1 は容器で、有底箱状の容器本
体2と、この容器本体2 の上部開口側に着脱自在に装着
された蓋体3 とから構成されている。蓋体3 には中央部
にガス溜まり室4 が形成され、このガス溜まり室4 にガ
ス抜き孔5 が上方に突出するように設けられている。
【0019】容器1 の内部には、その容器本体2 の前後
方向の中央部に上下方向の電極板6が配置され、この電
極板6 により容器1 の内部が入側と出側とに区画されて
いる。電極板6 はその上端と蓋体3 との間に間隙ができ
るように、容器本体2 の深さよりも若干短くなってお
り、図5及び図6に示すように、左右側壁7 及び底壁8
に形成された溝9,10に上方から着脱自在に挿入されてい
る。
【0020】電極板6 の前後両側には、この電極板6 に
対向するように僅かの間隙を置いて上下方向の電極板1
1,12 が平行に配置されている。各電極板11,12 は、電
極板6に比べて上下方向の寸法が小さく、この電極板11,
12 と蓋体3 及び底壁8 との間には所定の間隙がある。
【0021】各電極板11,12 と容器本体2 の前後側壁1
3,14 との間には、容器1 の内部の入側と出側とを上下
に区画する隔壁15,16 が設けられている。なお、各隔壁
15,16は容器本体2 の左右側壁7 及び前後壁13,14 に固
着されている。電極板11,12 は電極板6 と同様に左右側
壁7 に形成された溝17に上方から着脱自在に挿入され、
かつか隔壁15,16 の端面に接触している。
【0022】従って、容器1 の内部は、電極板6 及び隔
壁15,16 により入側上部室18、入側下部室19、出側上部
室20及び出側下部室21の4室に区画され、また電極板6
と各電極板11,12 との間に上昇通路22,23 が形成されて
いる。なお、電極板6 は直流電源の陽極に、電極板11,1
2 は陰極に夫々接続するが、その接続端子は容器1 の上
方又は側方の何れに設けても良い。
【0023】各隔壁15,16 には、その中央部に各下部室
19,21 のエアー及びガスを各上部室18,20 の上端部側に
抜くためのガス抜きパイプ24,25 が設けられている。容
器本体2 の後側壁14の下部には、入側下部室19に電解液
を供給する流入口26が、また前側壁の上部には、出側上
部室20の電解液を外部に取り出すための流出口27が夫々
設けられている。流入口26、流出口27は、図2に実線で
示すように反対側の端部に設けても良いし、また仮想線
で示すように中央部に設けても良い。
【0024】左右側壁7 には、図3及び図4に示すよう
に、入側上部室18の下部に開口する流出孔28と、出側下
部室21の上部に開口する流入孔29とが形成され、この流
出孔28と流入孔29を介して入側上部室18から電解液を出
側下部室21に流すように、左右側壁7 の外側に連通路30
が設けられている。各連通路30は入側上部室18から出側
下部室21に流れる電解液を冷却する冷却手段31を利用し
て構成されている。
【0025】冷却手段31は、左右側壁7 の外側に装着さ
れた枠体32と、この枠体32に装着されたチタン製等の冷
却板33と、この冷却板33の中央部に取り付けられた冷却
体34とを備え、冷却板33には枠体32の内部に連通路30を
ジグザグ状に形成する二枚の仕切り板35が固着されてい
る。なお、冷却体34には例えばペルチェ効果により冷却
板33を冷却するペルチェ素子が用いられている。容器本
体2 の後側壁には、これを取り付けるためのレール式の
取り付け金具36が装着され、この取り付け金具36を介し
て固定側の所要部位に着脱自在に取り付けるようになっ
ている。
【0026】この電気分解槽において、流入口26から供
給される塩素イオン含有水等の電解液は、図1に示すよ
うに、先ず入側下部室19内に入り、この入側下部室19か
ら上昇通路22、入側上部室18、連通路30、出側下部室2
1、上昇通路23を通って出側上部室20へと流れ、この間
に電極板6 と電極板11,12 との間に流れる電流により電
気分解された後、出側上部室20から流出口27を経て外部
に取り出されて行く。
【0027】電解液が入側下部室19に流入すると、電解
液に含まれるエアーの殆どは入側下部室19内で分離し、
この入側下部室19からガス抜きパイプ24を経て入側上部
室18の上端側へと抜けて行く。そして、電解液が入側下
部室19から上昇通路22を通って入側上部室18へと流れる
時に、電極板6 と電極板11との間で電気分解される。
【0028】従って、エアーを多量に含む電解液が上昇
通路22へと直ちに流れることはなく、電極板6 と電極板
11との間での電気分解を効率的に行うことができる。ま
た電気分解時に発生したガスは微細な気泡となって、上
昇通路22を経て電解液と共に入側上部室18側へと上昇す
る。このため、上昇通路23での電解液の流れを助長で
き、電解液は入側下部室19から入側上部室18へと円滑に
流れて行く。
【0029】流入口26の流入量に比べて流出口27の流出
量を大に設定しておけば、入側上部室18と出側上部室20
では電解液の液面にレベル差が生じるため、入側上部室
18の電解液はそのレベル差による水頭圧により流出孔2
8、連通路30、流入孔29を介して出側下部室21へと自然
流下で移液する。この時、流入孔29が入側上部室18の下
部側にあるため、この入側上部室18の下部側の電解液か
ら出側下部室21へと移液することがになり、入側上部室
18の下部での所謂死に水の発生を防止できると共に、移
液時のエアー、ガスの混入を極力抑制できる。
【0030】電解液が連通路30を通って流下する時に、
冷却手段31の冷却板33により電解液を冷却する。この
時、冷却板30には仕切り板35が固着されており、電解液
との接触面積が大になっているので、電解液を効率的に
冷却することができる。出側下部室21に移液された電解
液は、電極板6 と電極板12との間の上昇通路23側へと流
れる。しかし、電解液中に含まれるエアー、ガスは、流
入孔29が出側下部室21の上部にあるため、この出側下部
室21に入った時に分離して、ガス抜きパイプ25から出側
上部室20へと抜ける。
【0031】従って、エアー、ガス等を含む電解液が上
昇通路23へと直ちに流れることがないので、電極板6 と
電極板12との間での電気分解を効率的に行うことができ
る。電解液が上昇通路23を通過する時に、電極板6 と電
極板12との間での電気分解によってガスが発生するが、
そのガスは微細な気泡となって電解液の上昇流を助長し
ながら上昇通路23内を上昇する。
【0032】ガス抜きパイプ24,25 を経て入側上部室18
及び出側上部室20の上部に抜けたエアー、ガス等は、ガ
ス溜まり室4 に溜まった後、このガス溜まり室4 からガ
ス抜き孔5 を経て容器1 の外部へと抜けて行く。従っ
て、電解液とエアー、ガス等との気液分離が非常に良好
であり、電気分解時の電解効率が著しく向上する。
【0033】点検、メンテナンスの際には、容器本体2
から蓋体3 を取り外した後、容器本体2 内から電極板6
、電極板11,12 を抜き取れば良い。このため点検、メ
ンテナンス等が非常に容易である。点検等の後は、容器
本体2 内に電極板6 、電極板11,12 を入れ、蓋体3 を容
器本体2 に装着して固定する。この場合、容器1 自体は
蓋体3 にガス抜き孔5 を備えた大気開放型であるため、
蓋体3 のシーリングを簡単なものにしても液洩れの惧れ
は少ない。
【0034】この実施例のように構成すれば、電極板6
と隔壁15,16 とにより容器1 内を入側上部室18、入側下
部室19、出側上部室20及び出側下部室21の4室に区画す
ると共に、電極板6 と対向してその両側に電極板11,12
を配置し、これら電極板6 と電極板11,12 との間を、上
部室18,20 と下部室19,21 とを連通させる上昇通路22,2
3 としているので、従来の電気分解槽に比較してその構
造が非常に簡単であり、しかも全体を小型化することが
できる。従って、組立て、分解、点検及びメンテナンス
が容易になる利点がある。
【0035】また電極板6 と電極板11,12 との間を上昇
通路22,23 とし、この上昇通路22,23 を経て下部室19,2
1 から上部室18,20 へと電解液を流しているため、従来
の電極板に孔を設けたものに比べて、電気分解時に発生
するスケールによって流路障害が起こる惧れもなく、ま
た電極板11,12 に対するスケールの付着も少なくなり、
仮にスケールが付着してもその洗浄が容易になる利点が
ある。
【0036】特に、電極板6 及び電極板11,12 には、平
板状のものを使用できるため、両者の間隔を2〜3mm
程度にすることが可能であり、このため電解効率が良い
ばかりか、電解液の流速も比較的速くなり、スケールが
付着し難くなる。また電解液の流速分布の制御並びに均
一化が容易であり、容器1 内での電解液の偏流による問
題も発生し難くなる。
【0037】しかも各下部室19,21 のエアー、ガス等を
ガス抜きパイプ24,25 で上部室18,20 側に抜き、この上
部室18,20 からガス溜まり室4 を経てガス抜き孔5 から
外部に抜くため、気液分離が容易かつ確実であり、電解
効率が著しく向上すると同時に、4室全てに個別にガス
抜き手段を設ける場合に比べて構造が簡単になる。従っ
て、これらが相俟って電解液を効率良く安定的に電気分
解できる。
【0038】また冷却手段31で連通路30を流れる電解液
を冷却するため、電解液を効率的に冷却できる他、冷却
手段31を容器本体2 の左右側壁7 に装着しているため、
その取り付けが容易である。冷却手段31の冷却体34とし
てペルチェ素子を用い、冷却板33による熱交換方式で電
解液を冷却すれば、冷却手段31を特に小型化できる利点
がある。なお、冷却手段31は、冷却体34を袋状とし、こ
の冷却体34内に冷水を通水して電解液を冷却するように
しても良い。
【0039】図8は本発明の第2実施例を例示し、電極
板6 の前後両側に複数枚の電極板11,12 を平行に配置し
たものである。各電極板6 及び電極板11,12 は、陽極と
陰極とが交互に位置するように電源に接続されている。
このようにすれば、電解能力を大にできる。従って、電
解能力に応じて電極板11,12 の数を増減すれば、簡単な
構造で小型化を図りつつ、あらゆる電解能力のものに対
応することができる。
【0040】図9及び図10は本発明の第3実施例を例
示し、内圧容器式にしたものである。即ち、容器1 の内
部は電極板6 により入側と出側とに完全に区画され、蓋
体3には各上部室18,20 に対応してガス溜まり室4 が2
個設けられている。そして、ガス抜きパイプ24,25 の上
端が電解液の液面よりも上側で各ガス溜まり室4 内に開
口している。また各ガス溜まり室4 には気液分離器37が
夫々設けられている。
【0041】なお、図9は接続ホース38を介して2個の
容器1 を直列に接続した2段式に構成されている。この
ようにすれば、内圧容器式の電気分解槽においても、大
気開放型と同様に実施できる。
【0042】図11は本発明の第4実施例を例示し、複
数枚の電極板11,12 をスペーサ39とフレーム40によって
メンブレン状に構成し、これを容器本体2 の左右側壁7
の凹部41に着脱自在に挿入したものである。電極板6 は
その両側のフレーム40によって挟んでいる。
【0043】図12及び図13は本発明の第5実施例を
例示し、複数枚の電極板6 及び電極板11,12 を陽極側と
陰極側とに分け、これらをその端部側で連結板42により
結合して、容器本体2 に着脱自在に挿入している。連結
板42は電極板6,11,12 と同質の材料により構成してい
る。なお、電極板6 は2枚にしても良いし、1枚でも良
い。但し、電極板6 を2枚にする場合には、2枚の電極
板6 間の周縁部にパッキン6a等を介在して、その中に電
解液が入らないようにすることが望ましい。
【0044】これらの第4実施例及び第5実施例のよう
に構成すれば、電極板11,12 が複数枚ある場合に、その
組み込みが容易になる利点がある。なお、第4実施例は
バイポーラ給電、第5実施例はモノポーラ給電に便利で
あるが、その両者を併用しても良い。
【0045】図14及び図15は本発明の第6実施例を
例示し、消毒式手洗い装置43に応用したものである。こ
の消毒式手洗い装置43は、上部に手洗い槽44を有する装
置本体45と支持フレーム46とを備え、装置本体45内に密
閉式の塩水調合槽47が、支持フレーム46に電気分解槽48
と蛇口49とが夫々設けられている。塩水調合槽47内は多
孔板50により水タンク51と塩タンク52とに区画されてい
る。
【0046】水タンク51はパイプ53、給水弁54を介して
水道の蛇口に接続されると共に、パイプ55を介して容器
1 の流入口26に接続されている。塩タンク52は装置本体
45の開閉板56を開けて栓57をはずせば、投入口58から食
塩を投入できるようになっている。電気分解槽48の流出
口27はパイプ59を介して蛇口49に接続されている。
【0047】なお、塩タンク52内の塩が水タンク51内の
水に接液する条件が面的にも時間的にも変化して食塩水
の濃度にバラツキが生じるような場合には、多孔板50に
代替して他の手段を用いても良い。
【0048】この消毒式手洗い装置43では、水道水を塩
水調合槽47の水タンク51側に通水し、塩タンク52内の食
塩を溶かして食塩水を作る。なお、食塩水は塩素イオン
濃度が例えば200mmg/l程度とする。そして、こ
の食塩水を電気分解槽48に送って電気分解により次亜塩
素酸ソーダ含有水を生成し、蛇口49から取り出して手洗
い用の消毒液として使用する。
【0049】この消毒式手洗い装置43に電気分解槽48を
使用する場合、給水弁54による給水量を適宜調整してお
けば、ポンプ等を使用することなく塩水電解を行うこと
ができる。しかも、電気分解槽48が非常に簡単で小型化
できるので、塩水電解による消毒式手洗い装置43全体も
小型化することが可能である。
【0050】以上、本発明の各実施例について詳細に説
明したが、本発明は各実施例に限定されるものではな
い。例えば、容器1 の厚さは、所定の電解能力を得るた
めの電極板6,11,12 の面積、形状、枚数等によって、極
く薄型のメンブレン型からボックス型のものまで多種と
なる。また容器1 の左右の幅、高さも同様である。
【0051】また電極板6,11,12 に対する給電方式は、
バイポーラ給電、モノポーラ給電の何れを採用しても良
いし、またその両者を併用しても良い。ガス抜き手段
は、実施例のガス抜きパイプ24,25 を用いるものの他、
容器1 の外部に直接エアー、ガスを抜くようにしても良
く、また両ガス抜きパイプ24,25を上部室18,20 の上側
で接続し、1本のパイプに纏めて容器1 の外部に導くよ
うにしても良い。
【0052】冷却手段31はペルチェ素子を利用した冷却
体34の他、水冷方式、空冷方式を採用することも可能で
ある。
【0053】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、容器
1 の内部を上下方向の電極板6 により入側と出側とに区
画すると共に、この電極板6 に対向してその両側に電極
板11,12 を夫々上下方向に配置し、この両側の電極板1
1,12 と容器1 の側壁13,14 との間に、容器1 の内部の
入側及び出側を上部室18,20 と下部室19,21 とに区画す
る隔壁15,16 を設け、電極板6 と両側の電極板11,12 と
の間に、各上部室18,20 と下部室19,21 とを連通させる
上昇通路22,23 を設け、入側上部室18と出側下部室21と
を連通させる連通路30を設け、入側下部室19側に電解液
の流入口26を、出側上部室20に電解液の流出口27を夫々
設けているので、全体の構造が簡単で小型化することが
できると共に、組立て分解及びメンテナンス等を容易に
することができ、しかも電気分解時に発生するスケール
による流路障害等もなく、電解液を効率良く安定的に電
気分解することができる。
【0054】また請求項2に記載の本発明によれば、請
求項1に記載の発明において、入側下部室19のガスを抜
くガス抜き手段24と、出側下部室21のガスを抜くガス抜
き手段25と、各上部室18,20 のガスを抜くガス抜き手段
5 とを備えているので、エアー、ガス等を無理なく抜く
ことができ、電極板6 と電極板11,12 との間での電気分
解を効率的に行うことができる。
【0055】更に請求項3に記載の本発明によれば、請
求項1又は2に記載の発明において、連通路30を経て入
側上部室18から出側下部室19へと流れる電解液を冷却す
る冷却手段31を容器1 の外側に一体構造で装着している
ため、電解液を冷却できると共に、冷却手段31を簡単に
設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の側面断面図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例を示す一部切り欠き平面図
である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【図4】図3のA−A線矢視図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す電極板取り付け部の
平面断面図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す電極板取り付け部の
側面断面図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す全体の斜視図であ
る。
【図8】本発明の第2実施例を示す要部の側面断面図で
ある。
【図9】本発明の第3実施例を示す構成図である。
【図10】本発明の第3実施例を示す要部の側面断面図
である。
【図11】本発明の第4実施例を示す平面断面図であ
る。
【図12】本発明の第5実施例を示す平面断面図であ
る。
【図13】本発明の第5実施例を示す側面断面図であ
る。
【図14】本発明の第6実施例を示す斜視図である。
【図15】本発明の第6実施例を示す構成図である。
【図16】従来例を示す斜視図である。
【図17】別の従来例を示す斜視図である。
【図18】更に別の従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 容器 2 容器本体 5 ガス抜き孔(ガス抜き手段) 6 電極板 11 電極板 12 電極板 13 前側壁 14 前側壁 15 隔壁 16 隔壁 18 入側上部室 19 入側下部室 20 出側上部室 21 出側下部室 22 上昇通路 23 上昇通路 24 ガス抜きパイプ(ガス抜き手段) 25 ガス抜きパイプ(ガス抜き手段) 26 流入口 27 流出口 30 連通路 31 冷却手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器(1) の内部を上下方向の電極板(6)
    により入側と出側とに区画すると共に、この電極板(6)
    に対向してその両側に電極板(11)(12)を夫々上下方向に
    配置し、この両側の電極板(11)(12)と容器(1) の側壁(1
    3)(14)との間に、容器(1) の内部の入側及び出側を上部
    室(18)(20)と下部室(19)(21)とに区画する隔壁(15)(16)
    を設け、電極板(6) と両側の電極板(11)(12)との間に、
    各上部室(18)(20)と下部室(19)(21)とを連通させる上昇
    通路(22)(23)を設け、入側上部室(18)と出側下部室(21)
    とを連通させる連通路(30)を設け、入側下部室(19)側に
    電解液の流入口(26)を、出側上部室(20)に電解液の流出
    口(27)を夫々設けたことを特徴とする直接電解式の電気
    分解槽。
  2. 【請求項2】 入側下部室(19)のガスを抜くガス抜き手
    段(24)と、出側下部室(21)のガスを抜くガス抜き手段(2
    5)と、各上部室(18)(20)のガスを抜くガス抜き手段(5)
    とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の直接電解
    式の電気分解槽。
  3. 【請求項3】 連通路(30)を経て入側上部室(18)から出
    側下部室(19)へと流れる電解液を冷却する冷却手段(31)
    を容器(1) の外側に一体構造で装着したことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の直接電解式の電気分解槽。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09234238A (ja) * 1996-02-29 1997-09-09 Osaki Electric Co Ltd 電解消毒装置
JP2006035159A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Japan Organo Co Ltd 電気化学的水処理方法および装置
JP2009522084A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 イー.シー.エイ.エス.エスアールエル 4つのチャンバを有する膜電解反応器システム

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