JPH0713027B2 - 保湿性皮膚用剤 - Google Patents

保湿性皮膚用剤

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JPH0713027B2
JPH0713027B2 JP14345486A JP14345486A JPH0713027B2 JP H0713027 B2 JPH0713027 B2 JP H0713027B2 JP 14345486 A JP14345486 A JP 14345486A JP 14345486 A JP14345486 A JP 14345486A JP H0713027 B2 JPH0713027 B2 JP H0713027B2
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一美 緒方
秀樹 鶴岡
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一美 緒方
吉田 祥二
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は保湿剤として清酒エキスを配合することを特徴
とする皮膚用剤に関するものである。
(従来の技術) 保湿剤は皮膚の水分含量を一定に保持するために軟膏
剤、クリーム剤、ゲル剤、ローションなどの皮膚用剤に
は必須の成分である。
従来保湿剤としてはグリセリン、ソルビトール、アロエ
エキス、プラセンターエキスなどが知られている。
グリセリンまたはソルビトールは安価で合成でき優れた
保湿剤であるが、これに対し、天然のエキス剤であるア
ロエエキスは、製剤が着色してしまう欠点を有し、また
プラセンターエキスは原料入手が困難で非常に高価であ
って未だ満足すべき天然の保湿剤は知られていない。
このような状況の中で、近年上記のような欠点のない安
価で安全な天然の保湿剤が要求されている。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らは、品質の優れた天然の保湿剤を鋭
意検索した結果、清酒を蒸留した後の残査いわゆる清酒
エキスに強い保湿作用があることを見出し、本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明は、清酒エキスをクリーム剤、ゲル
剤、軟膏剤、ローションなどの皮膚用剤の保湿剤として
配合することを特徴とするものである。
本発明においては、一般に皮膚用剤の成分として配合さ
れる保湿剤と同様の目的で清酒エキスが使用される。従
ってこれらの製剤における保湿剤以外の成分については
特に限定はなく、また他種の保湿剤と併用することもで
きる。
本発明において「皮膚用剤」とはそれが医薬用であると
否とを問わず、皮膚に塗布される薬剤または化粧用剤を
言い、たとえば軟膏剤、ゲル剤、パック剤、化粧水およ
び化粧用クリーム等が包含される。
本発明に用いられる清酒エキスとは、清酒を蒸留濃縮し
てアルコール分等の揮発成分を留去させた後のアメ状残
査または必要に応じてこれを凍結乾燥して粉末にしたも
のをいう。
ここでいう清酒とは、米またはデンプンを主原料として
アルコール醗酵させた醸造酒をいう。
清酒エキスと他の保湿剤との吸湿性、保湿性を比較する
ため各試料1gを5mlビーカーに入れ、各条件設定の恒温
恒湿槽にそれぞれの試料を置き、試料重量を測定した。
なお、本実験に使用した清酒エキスは多聞製造株式会社
製の清酒二級を減圧濃縮して得たエキスを凍結乾燥して
粉末エキスとしたものであって、実験に際してはこれに
水を加えて70(W/V)%溶液として使用した。この粉末
エキスの分析値は炭水化物約90%、タンパク質約7.4%
であった。
その結果は第1図(保湿効果曲線)のとおりである。
第1図より分かる如く70(W/V)%清酒エキスは30°、9
0%RH(相対湿度)では70(W/V)%のグリセリンおよび
ソルビトールよりも水分の増加すなわち吸湿性が少な
く、また、30°、38%RH(相対湿度)では水分の損失す
なわち保湿性は、70(W/V)%のグリセリンおよびソル
ビトールとほぼ同様であった。
以上の結果から、清酒エキスは皮膚用剤の保湿剤成分と
して充分な効果を有していることがわかる。
しかも、本発明において保湿剤として用いられる清酒エ
キスは炭水化物、タンパク質、アミノ酸、ビタミンなど
の数多くの皮膚に栄養を与える成分を含有しているとい
う面からもグリセリンやソルビトールには見られない利
点を有している。
次に下記する清酒エキスを配合した実施例5の化粧用ク
リームと、その5%清酒エキスの代わりに5%ソルビト
ールまたは5%グリセリンを配合した3種の処方による
化粧クリームを製造し、それらの使用感をブラインド法
により10人の女性のパネラーによって比較、評価した。
使用感の項目は次の5項目に分け、その評価点を下記の
とおり設定した。
項目 (1)しっとりする(乾燥しない、うるおいがある)。
(2)べとつかない。
(3)のびが良い。
(4)のりが良い。
(5)化粧ののりが良い。
評価点 3つの処方中で使用感が最もよい……3点 2番目によい……2点 3番目によい……1点 その結果を第1表に示す。
点数は10人のパネラーによる点数の合計点を表す。
この結果、5%清酒エキス配合の実施例5の処方は、5
%ソルビトール、5%グリセリンを保湿剤とした処方に
比べてすべての項目において優れていることが分かっ
た。
製剤中における清酒エキス濃度は最終剤型、使用態様等
によって適宜に選択しうるが、通常清酒エキス固形物に
換算して0.1〜40(W/V)%程度、好ましくは1.0〜30(W
/V)%程度を用いるのがよい。
また、本発明の皮膚用剤が薬用に用いられるときは、目
的に応じた薬効成分を含有させることができるのは当然
であり、化粧用剤として用いるときは通常の化粧用剤の
成分として配合される種々の材料を含有させてもよい。
また、これらにさらに界面活性剤(たとえば、モノオレ
イン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン
酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸グ
リセリン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン
酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレ
ングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリ
ウムなど)、防腐剤(たとえば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジウム、クロ
ロブタノール、p−オキシ安息香酸エステル、臭化セチ
ルトリメチルアンモニウム、ソルビン酸など)、および
pH調整剤(たとえば、クエン酸、乳酸、炭酸、リン酸、
酢酸およびそれらの塩または水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、塩酸など)等を加えても差し支えなく、また
目的に応じて適宜の香料、着色料等を添加してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。実施例
中に用いられる清酒エキスは次のようにして製造した。
すなわち、多聞酒造株式会社製の清酒二級1を減圧濃
縮して得られるエキスを凍結乾燥して粉末とした。収量
60g(収率6%)。また、実施例中「70(W/V)%清酒エ
キス」と記したものはその粉末エキスに水を加えて70
(W/V)%としたものである。
実施例1軟膏 亜鉛華 25g タルク 10g ビタミンAパルミテート 10万IU ビタミンD3 4万IU 清酒エキス(粉末) 20g カルボキシメチルセルローズナトリウム 1.0g オリーブ油 5.0g グリセリンモノステアレート 2.0g p−オキシ安息香酸メチル 0.025g p−オキシ安息香酸ブチル 0.015g 精製水 全量100g これらを常法により混和して軟膏とする。
実施例2ゲル剤 l−メントール 1.5g dl−カンフル 1.0g グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g ラウロマクロゴール 2.0g 70(W/V)%清酒エキス 5.0g カルボキシビニルポリマー 1.0g トリエタノールアミン 1.5g エタノール 35ml 精製水 全量100g これらを常法により混和してゲル剤とする。
実施例3パック剤 ポリビニルアルコール 15g 70(W/V)%清酒エキス 10g エタノール 10ml p−オキシ安息香酸メチル 0.028g p−オキシ安息香酸ブチル 0.012g 精製水 全量100g これらを常法により混和しパック剤とする。
実施例4化粧水 70(W/V)%清酒エキス 5.0g クエン酸 0.1g ポリオキシエチレンオレイルエーテル 1.0g エタノール 10.0ml p−オキシ安息香酸メチル 0.028g p−オキシ安息香酸ブチル 0.012g 精製水 全量100g これらを常法により混和し化粧水とする。
実施例5化粧用クリーム スクワラン 10.0g ミリスチン酸イソプロピル 5.0g サラシミツロウ 3.0g ステアリルアルコール 3.0g モノステアリン酸ポリエチレングリコール 2.0g モノステアリン酸グリセリン 4.0g ビタミンEアセテート 0.2g 清酒エキス(粉末) 5.0g p−オキシ安息香酸メチル 0.2g p−オキシ安息香酸ブチル 0.1g 精製水 全量100g これらを常法により混和し化粧用クリームとする。
(発明の効果) 本発明の保湿剤は皮膚用剤に適度の保湿性を与え、使用
感も優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、グリセリン、ソルビトールおよび清酒エキス
の保湿効果曲線を示す。 ○−○:70(W/V)%グリセリン △−△:70(W/V)%ソルビトール ●−●:70(W/V)%清酒エキス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保湿剤として清酒エキスを配合することを
    特徴とする皮膚用剤
  2. 【請求項2】清酒エキス濃度が清酒エキス固形物に換算
    して0.1〜40(W/V)%である特許請求の範囲第1項記載
    の皮膚用剤
JP14345486A 1985-09-05 1986-06-19 保湿性皮膚用剤 Expired - Lifetime JPH0713027B2 (ja)

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JP60-196722 1985-09-05
JP19672285 1985-09-05

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