JPH07130004A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光記録媒体及びその製造方法

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JPH07130004A
JPH07130004A JP5299155A JP29915593A JPH07130004A JP H07130004 A JPH07130004 A JP H07130004A JP 5299155 A JP5299155 A JP 5299155A JP 29915593 A JP29915593 A JP 29915593A JP H07130004 A JPH07130004 A JP H07130004A
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JP
Japan
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mask layer
light
matrix material
recording
recording medium
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JP5299155A
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Mikiya Kuroda
幹也 黒田
Toshiki Kasai
利記 河西
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録再生に適したマスク層を有する光
ディスクを提供する。 【構成】 再生専用型光ディスク1は、光読みだし可能
なピット2Aが形成された光透過性基板2上に、記録可
能型光ディスク11は同心円状又はスパイラル状に案内
溝12Aが形成された光透過性基板12上に、マスク効
果によりこの基板2,12の下側から照射されるレーザ
光の実効スポット径を小さくさせるマスク層3をそれぞ
れ備えている。このマスク層3は、フタロシアニン化合
物とマトリクス材料との混合物であり、フタロシアニン
化合物は、マトリクス材料の重量の0.05%乃至40
%の比率で混合される。更にこのマスク層3は、それぞ
れの物質を独立の蒸着源から蒸発させる共蒸着法にて形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録及び/又は
再生する光記録媒体に係わり、特に、照射レーザ光の光
強度に応じて光透過率が可逆的に変化する光透過率可変
媒体を有し、この光透過率可変媒体を用いて照射レーザ
光の実効スポット径を小さくする光記録媒体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年光ディスクの大容量化が検討され、
種々の提案が成されている。光ディスクは、記録時のレ
ーザー光パワーを制御することによって、光スポット径
よりも小さな記録マークを形成することが可能であるた
め記録時の密度向上には原理上限界はない。しかし、レ
ーザー光をレンズで絞った時の光スポット径はある一定
値以下には絞れない限界値を持っており、光ディスクの
高密度化はいかに再生レーザースポットを小さくするか
にかかっている。再生限界の記録マークの繰り返し波長
(記録波長)は、λ/2NA で与えられる。ここでは
λは光の波長、NAはレンズの開口数である。
【0003】より短い記録波長の記録マークを識別して
再生するためには、波長λの短い光で再生するか開口数
NAが大きなレンズを用いれば良いことが分かる。しか
しながら再生に用いる半導体レーザーの短波長化は技術
的に困難が多く、また開口数NAの大きなレンズを光デ
ィスク装置に組み込むことも容易ではない。
【0004】そこで、図3に示すように、光の照射によ
る温度上昇により、しきい値以上の温度になると吸光度
が減少、光透過率が高くなり、しきい値以下の温度に冷
却されることで再び吸光度が増加、光透過率が低くなる
物質(以下、光透過率可変媒体という)を光ディスク内
に層状に設けることで、光ディスクの高密度記録又は高
密度再生を行う方法が従来より知られている。
【0005】情報記録又は再生に使用されるレーザ光の
光強度分布は、図4に示すように通常ガウス分布を示
し、温度分布もほぼこれに近い分布となる。このような
レーザ光を光透過率可変媒体上に照射すると、照射スポ
ット内の温度が上昇した中央部分のみが光透過性とな
り、光スポット内の他の部分はマスクする、いわゆるマ
スク効果が起こる。このようにマスク効果を起こす光透
過率可変媒体を光ディスク上に層状に設ける(以下、こ
の光透過率可変媒体層をマスク層と称する)ことで、照
射するレーザ光のスポット内の光透過率の高い部分のみ
の光を通過させ、照射スポット内の光透過率の低い部分
の光をマスクすることになるので、隣接トラック間及び
隣接ピット間のクロストークを無くすことができる。
【0006】上記マスク層としては、光記録再生のレー
ザ光の照射に対して、光透過率が変化・復元するスピー
ドが速い必要がある。即ち、回転する光ディスクに対し
て照射レーザ光の通過中に光透過率が高くなり、照射レ
ーザ光が再度通過する前に光透過率が復元する必要があ
る。このような条件を満足する光透過率可変媒体とし
て、従来より一般に実用化されている多成分系サーモク
ロミック材料がある。この多成分系サーモクロミック材
料は、例えば特開昭50−75992号公報に開示され
るように電子供与性呈色化合物、電子受容性顕色剤、有
極性化合物の3成分で構成されるのが一般的である。上
記多成分系サーモクロミック材料は、電子供与性呈色化
合物と、電子受容性顕色剤との間の電子のやり取りで、
発色・消色・変色が起こる。しかし、これら2つの化合
物だけでは、電子供与性呈色化合物と電子受容性顕色剤
との間での電子のやり取りが容易に行われ、温度変化が
あっても、実質的には発色及び消色が発現していないの
と同じ状態である。そこで、有極性化合物を混合させる
ことで、所定温度以上で発色・消色・変色が起こるよう
にする。上記電子供与性呈色化合物の構造を選択した
り、有極性化合物の含有量を調節したりすることで、上
記光透過率可変媒体の光吸収波長、及び発色・消色・変
色温度を任意に選択できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
マスク層を温度依存性のサーモクロミック材料で構成し
た場合、繰り返し行われる記録又は再生レーザ光の照射
による温度上昇及び下降にともない、光透過率の変化量
が小さくなってしまうという、耐久性に対する問題があ
った。これは、物質の熱的な劣化が原因と考えられ、媒
体として耐久性のあるものが望まれていた。このような
温度依存性の光透過率可変媒体に対し、図2に示すよう
に、光の強度に応じて光透過率が変化する物質を用い、
照射スポット内の光強度の高い部分(スポット中心部
分)のみが透過率が高くなることで、実効スポット径を
小さくさせる光強度依存性の光透過率可変媒体がある。
【0008】上記光強度依存性の光透過率可変媒体とし
ては、可飽和吸収性を示す物質がある。この飽和吸収と
呼ばれる現象は、光吸収性物質が基底状態と励起状態に
存在する分子のポピュレーションの変化によって吸収係
数が変わるもののことであり、3エネルギ準位モデルで
説明される。図5に示すように、入射光hνを吸収して
励起された分子は励起1重項状態になり、その後、蛍光
を発して基底状態に戻るか無放射過程で励起三重項状態
に項間交差する。基底状態から励起三重項状態への遷移
の確率を三重項収率Qで表している。三重項状態へ遷移
した分子は寿命Tの間三重項状態に留まり、燐光を発し
て基底状態へ戻る。したがって、照射される光エネルギ
ーが大きくなってくれば、励起三重項状態に留まってい
る分子の数の分だけ基底状態の分子数が減少することに
なり、透過率が大きくなる。故に三重項収率Qが大き
く、三重項寿命Tの長いものほどこの現象を起こし易い
ことになる。
【0009】このような性質を示す物質として、フタロ
シアニン化合物がある。このフタロシアニン化合物は、
配位している中心金属、又は置換基の有無、その構造、
立体的配置により吸収波長領域が異なってくる。光ディ
スク装置で使用される半導体レーザに感度を有する中心
金属としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(G
e)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、チタン(T
i)、酸化バナジウム(VO)、錫(Sn)、鉛(P
b)、アルミニウム(Al)等があげられ、更にこれら
の中心金属に対して軸置換器が付いているものでも良
い。
【0010】しかし、上記フタロシアニン化合物からな
るマスク層が飽和吸収性を示すためには、使用する光の
波長における吸収係数とマスク層の膜厚によって関係し
てくる光学濃度を適正値に設定する必要がある。例え
ば、上記フタロシアニン化合物単独とした場合、或いは
フタロシアニン化合物がマトリクス材料中に高濃度に分
散された場合、濃度消光という効果により、飽和吸収性
が損なわれてしまうことがある。即ち、1個の分子に入
射する光エネルギー量が小さくなり、三重項状態に留ま
る分子数が減少してしまい、光透過率変化が顕著に起こ
らなくなり、マスク層としての機能を果たさなくなって
しまうのである。
【0011】そこで、本発明は上記の点に着目してなさ
れたものであり、マスク効果が安定して得られるように
して高密度記録/再生に適したマスク層を有する光ディ
スクを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するための手段として、光読みだし可能な微小ピット
列2A、或いは同心円状又はスパイラル状の案内溝12
Aが形成された光透過性基板2,12上に、光強度に応
じて光透過率が可逆的に変化することを利用して装置側
から照射されるレーザ光の実効スポット径を小さくさせ
るマスク層3が積層され、このマスク層3により情報を
高密度に記録及び/又は再生する光記録媒体1,11に
おいて、前記マスク層3は、フタロシアニン化合物とマ
トリクス材料との混合物で構成したことを特徴とする光
記録媒体を提供しようとするものである。そして、フタ
ロシアニン化合物による可飽和吸収が安定して起こるよ
うに、フタロシアニン化合物を前記マトリクス材料の重
量に対し0.05%乃至40%の比率となるように混合
する。
【0013】また、本発明は、上記目的を達成するため
の手段として、光読みだし可能な微小ピット列2A、或
いは同心円状又はスパイラル状の案内溝12Aが形成さ
れた光透過性基板2,12上に、少なくともフタロシア
ニン化合物とマトリクス材料とを含有する可飽和吸収性
材料から成るマスク層3が積層され、装置側から照射さ
れるレーザ光の実効スポット径を前記マスク層3を用い
て小さくすることで情報を高密度に記録及び/又は再生
する光記録媒体の製造方法であって、フタロシアニン化
合物とマトリクス材料とをそれぞれ独立した蒸着源から
蒸発させる共蒸着法を用いて前記マスク層3を形成する
ことを特徴とする光記録媒体の製造方法を提供しようと
するものである。
【0014】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明の一実
施例の光ディスクに付いて説明する。最初に、本実施例
の光ディスクの構造に付いて説明する。図1は、本発明
の一実施例の光ディスクの構造を示す図であり、同図
(A)は、再生専用型光ディスク1を示し、同図(B)
は、記録可能型光ディスク11を示すものである。同図
(A)において、再生専用型光ディスク1は、光読みだ
し可能なピット2Aが形成された光透過性基板2と、上
記マスク効果によりこの基板2の下側から照射されるレ
ーザ光の実効スポット径を小さくさせるマスク層3と、
アルミニウム等からなる反射層4と、UV硬化樹脂等か
ら成る保護膜層5とがこの順に積層されて構成されてい
る。また、同図(B)において、記録可能型光ディスク
11は、同心円状又はスパイラル状に案内溝12Aが形
成された光透過性基板12と、上記マスク層3と、光記
録再生可能な物質よりなる記録層6と、上記反射層4
と、上記保護膜層5とがこの順に積層されて構成されて
いる。なお、図1に示す光ディスク1,11は、いずれ
も反射型の光ディスクであるが、上記反射層4を備えな
い光透過型であっても良く、更に、断熱層やエンハンス
層、或いは誘電体層等が設けられていても良い。
【0015】上記マスク層3は、フタロシアニン化合物
とバインダとして用いるマトリクス材料とを混合した光
透過率可変媒体を、真空蒸着法により基板上の凹凸に対
して均一に形成されている。上記フタロシアニン化合物
自体は、非常に耐熱性の高い有機物質であるが、バイン
ダとして用いるマトリクス材料が耐熱性の低い材料であ
った場合、照射スポットの熱効果や、フタロシアニン化
合物の光吸収による局部的発熱等の熱によりマトリクス
材料がダメージを受けてしまい、薄膜形成したマスク層
3が大きく形状変化を起こし、良好な再生信号が得られ
なくなってしまう。そこで、上記光ディスク1,11の
マスク層に使用するマトリクス材料は、耐熱性の高いも
のを使用している。照射レーザ光の熱や、可飽和吸収性
物質の発熱などを考慮すると、具体的には、150℃以
上の耐熱性を有する有機物、樹脂、ガラス等が好ましい
が、物質としての制限は特になく、光学的に透明な薄膜
が形成できるものであれば良い。
【0016】上記マトリクス材料は、フタロシアニン化
合物が照射光を吸収するために起こる発熱に対する放熱
効果を有すると共に、マスク層3の濃度消光を抑える効
果があるため、フタロシアニン化合物の含有濃度をマト
リクス材料の重量比に対して極力低くするようにしてい
る。実験値から得た含有濃度の限度は、マトリクス材料
の重量に対しての40%以下であり、好ましくは、0.
05%乃至30%である。ここで、使用するレーザ光の
波長やフタロシアニン化合物、マトリクス材料の種類に
よって条件が異なるので、最低値を規定することは困難
であるが、フタロシアニン化合物の含有濃度を0.05
%以下とした場合、可飽和吸収の効果を得るために必要
な光学濃度と成るだけの膜厚が厚くなってしまい、真空
蒸着法での膜形成が困難になってしまうため、最低値は
0.05%以上とすることが望ましい。
【0017】また、記録可能型光ディスク11において
は、光透過性基板12上にマスク層3と接して記録層6
を設けることで、より高密度な記録を可能にすることが
できる。上記記録層6は、晶質非晶質間の変化を利用す
るもの、有機色素を利用したもの、カー回転角変化を検
出する光磁気効果を利用したもの等、その方式は問わな
い。
【0018】更に、上記光ディスク1,11のマスク層
は、真空蒸着法を用いて形成するが、マトリクス材料と
フタロシアニン化合物との混合比を正確にコントロール
する必要がある。そこで、それぞれを別々の蒸着源か
ら、各々蒸着スピードを独立にコントロールする、いわ
ゆる共蒸着法を使用して混合比率を正確にコントロール
する。また、上記光ディスク1,11のように反射層4
を有する場合、マスク層を真空蒸着法で形成することに
なれば、同一真空装置内で連続工程として成膜できるよ
うになるので、製造コスト上のメリットも大きい。
【0019】以上のように、本実施例の光ディスク1の
マスク層3は、光強度依存性の可飽和吸収性物質である
フタロシアニン化合物を使用しているので、繰り返し使
用に対する耐久性に優れている。また、マスク層3は、
飽和吸収が安定して発生するようにフタロシアニン化合
物とマトリクス材料とを混合しているので、安定した高
密度記録再生が可能になる。
【0020】次に、本発明に基づく実験例について説明
する。実施例1として、フタロシアニン化合物であるS
i−フタロシアニンの重量が、マトリクス材料であるグ
アニン(耐熱温度360℃)の重量の26%となるよう
にスライドガラス上に真空蒸着(共蒸着法を使用)して
実験試料1を作成した。同様に実施例2として、フタロ
シアニン化合物であるVO−フタロシアニンの重量が、
上記グアニンの重量の21%となるようにスライドガラ
ス上に真空蒸着(共蒸着法を使用)して実験試料2を作
成した。同様に実施例3として、フタロシアニン化合物
であるMn−フタロシアニンの重量が、マトリクス材料
であるガラス(フッ化マグネシウム)の重量の30%と
なるようにスライドガラス上に真空蒸着(共蒸着法を使
用)して実験試料3を作成した。また、比較例1とし
て、上記Si−フタロシアニンの重量が、上記グアニン
の重量の65%となるようにスライドガラス上に真空蒸
着(共蒸着法を使用)して実験試料4を作成した。同様
に比較例2として、上記VO−フタロシアニンの重量
が、マトリクス材料であるポリエチレン(耐熱温度12
0℃)の重量の20%となるようにスライドガラス上に
真空蒸着(共蒸着法を使用)して実験試料5を作成し
た。
【0021】以上のようにして作成した実験試料1〜5
に、波長690nmの半導体レーザ光を光強度を変化さ
せながら照射させて光透過率の変化を測定し、同時に繰
り返し使用に対する耐久性を評価した。その結果は、以
下の表のようになった。
【0022】
【表1】
【0023】耐熱性の高いグアニン又はガラスをマトリ
クス材料として使用し、フタロシアニン化合物の重量比
を40%以下とした実験試料1〜3は、可飽和吸収性物
質により光透過率が光強度に対して可逆的に変化し、ま
たレーザ光照射による形状変化もなく、繰り返し使用に
対する耐久性は良好であった。また、フタロシアニン化
合物の重量比を65%とした実験試料4は、濃度消光を
起こし、光透過率の変化が8%から17%の範囲と小さ
く、マスク層として使用できるような実用的レベルでは
なかった。また、放熱効果のあるマトリクス材料の含有
量が少ないため、レーザ光照射による熱や、飽和吸収に
よる熱が放熱されず、レーザ光を繰り返し照射する内
に、光透過率可変媒体の性質劣化が起こった。また、耐
熱性の低いポリエチレンをマトリクス材料として使用し
た実験試料5は、光透過率が光強度に応じて変化した
が、レーザ光の照射により光透過率可変媒体の形状が変
化し、繰り返して使用するには不適であった。以上の結
果から、本実施例の光ディスクに使用される光透過率可
変媒体は、好適なマスク層材料として使用可能であるこ
とが分かる。
【0024】次に、上記実施例1、上記比較例1、及び
上記比較例2から成る光透過率可変媒体をマスク層3と
して設けた再生専用型光ディスクを、以下の方法により
作成し、再生実験を行った。なお、作成した光ディスク
の構造は、図1(A)に示す再生専用型光ディスク1と
同じ構造である。コンパクトディスク(CD)の4倍密
のEFM信号を微小ピット列により記録した上記ポリカ
ーボネイト基板2上に、マスク層3として上記実施例1
と同じ光透過率可変媒体を共蒸着法で薄膜形成させ、更
にその上にアルミニウム反射層4を真空蒸着法で成膜さ
せ、この反射層4の上に紫外線硬化樹脂から成る保護膜
層5を成膜させて再生専用型光ディスク1Aを作成し
た。
【0025】また、上記光ディスク1Aに対し、上記比
較例1と同じ光透過率化変媒体をマスク層3として上記
ポリカーボネイト基板2上に形成した光ディスク1Bを
作成した。更に、上記光ディスク1Aに対し、上記比較
例2と同じ光透過率化変媒体をマスク層3として上記ポ
リカーボネイト基板2上に形成した光ディスク1Cを作
成した。
【0026】以上のように作成した光ディスク1A〜1
Cを、発光中心波長690nmのレーザを内蔵した再生
装置に装着し、再生パワー0.5mWのレーザ光で再生
する再生実験を行った。上記光ディスク1Aは、マスク
層によるマスク効果によりクロストークがなく、良好な
再生信号を得ることができた。しかし、上記光ディスク
1Bは、その再生信号出力が小さすぎ、かつクロストー
クが極端に大きく再生が困難であった。これは、上述の
ようにフタロシアニン化合物の含有量が多すぎるため、
濃度消光が起こり、実効スポット径を小さくする効果が
ない、或いはその効果が非常に小さいことが原因と考え
られる。また、上記光ディスク1Cは、再生の際に信号
出力が安定せず、良好に再生することができなかった。
これは、マトリクス材料の耐熱性が低いため、安定に実
効スポット径を小さくすることができないことが原因と
考えられる。
【0027】更に、上記実施例1、上記比較例1、及び
上記比較例2から成る光透過率可変媒体をマスク層3と
して設けた図1(B)に示す構造の記録可能型光ディス
ク11を、以下の方法により作成し、記録再生実験を行
った。
【0028】コンパクトディスク(CD)の4倍密の上
記トラッキング用案内溝12Aを形成した上記ポリカー
ボネイト基板12上に、マスク層3として上記実施例1
と同じ光透過率可変媒体を共蒸着法で薄膜形成させ、そ
の上に記録層4としてナフトキノン系の色素を真空蒸着
して形成し、更にその上にアルミニウム反射層4を真空
蒸着法で成膜させ、この反射層4の上に紫外線硬化樹脂
から成る保護膜層5を成膜させて記録可能型光ディスク
11Aを作成した。
【0029】また、上記光ディスク11Aに対し、上記
比較例1と同じ光透過率化変媒体をマスク層3として上
記ポリカーボネイト基板2上に形成した光ディスク11
Bを作成した。更に、上記光ディスク11Aに対し、上
記比較例2と同じ光透過率化変媒体をマスク層として上
記ポリカーボネイト基板2上に形成した光ディスク11
Cを作成した。
【0030】以上のように作成した光ディスク11A〜
11Cを、発光中心波長690nmのレーザを内蔵した
記録再生装置に装着し、記録パワー8mWの記録レーザ
光で信号を記録し、この記録信号を再生パワー0.5m
Wの再生レーザ光で再生する記録再生実験を行った。上
記光ディスク11Aは、良好な再生信号を得ることがで
きた。しかし、上記光ディスク11Bは、記録マークが
十分にできず、再生ができなかった。これは、上述の実
験の光ディスク1Bと同様に、フタロシアニン化合物の
含有量が多すぎるため、濃度消光が起こり、記録に必要
な光強度の記録レーザ光が記録層6に達していなかった
ことが原因と考えられる。また、上記光ディスク11C
は、記録の際にマトリクス材料にまで変形が及び、良好
な記録再生信号を得ることができなかった。これは、マ
トリクス材料の耐熱性が低いため、記録レーザ光の照射
によりマトリクス材料が分解したことが原因と考えられ
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光記録媒体
によれば、マスク層を、フタロシアニン化合物とマトリ
クス材料との混合物で構成したことで、安定した高密度
記録及び高密度再生が可能になり、かつ耐久性に優れた
光ディスクとすることができる。特にフタロシアニン化
合物の混合比率を適正値に設定することで、飽和吸収が
安定して起こり、良好なマスク効果が起こるようにな
り、マスク層材料として最適な光透過率可変媒体とする
ことができる。また、マスク層を共蒸着法で形成させる
ことにより、光透過性基板の凹凸に対して均一な膜を形
成することが可能になると共に、フタロシアニン化合物
の混合比率を正確にコントロールすることが可能になる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光ディスクの構造を示す図
である。
【図2】光強度依存性の光透過率可変媒体の光透過率特
性を示す図である。
【図3】温度依存性の光透過率可変媒体の光透過率特性
を示す図である。
【図4】光透過率可変媒体に照射されるレーザ光の照射
スポット径と実効スポット径との関係を示す図である。
【図5】飽和吸収を説明するための図である。
【符号の説明】
1,11 光ディスク(光記録媒体) 2,12 光透過性基板 2A ピット 3 マスク層 4 反射層 5 保護膜層 6 記録層 12A 案内溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光読みだし可能な微小ピット列、或いは同
    心円状又はスパイラル状の案内溝が形成された光透過性
    基板上に、光強度に応じて光透過率が可逆的に変化する
    ことを利用して装置側から照射されるレーザ光の実効ス
    ポット径を小さくさせるマスク層が積層され、このマス
    ク層により情報を高密度に記録及び/又は再生する光記
    録媒体において、 前記マスク層は、フタロシアニン化合物とマトリクス材
    料との混合物で構成したことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光記録媒体において、 前記フタロシアニン化合物を前記マトリクス材料の重量
    に対し0.05%乃至40%の比率となるように混合し
    たことを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】光読みだし可能な微小ピット列、或いは同
    心円状又はスパイラル状の案内溝が形成された光透過性
    基板上に、少なくともフタロシアニン化合物とマトリク
    ス材料とを含有する可飽和吸収性材料から成るマスク層
    が積層され、装置側から照射されるレーザ光の実効スポ
    ット径を前記マスク層を用いて小さくすることで情報を
    高密度に記録及び/又は再生する光記録媒体の製造方法
    であって、 フタロシアニン化合物とマトリクス材料とをそれぞれ独
    立した蒸着源から蒸発させる共蒸着法を用いて前記マス
    ク層を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方
    法。
JP5299155A 1993-11-05 1993-11-05 光記録媒体及びその製造方法 Pending JPH07130004A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100474928B1 (ko) * 2003-01-14 2005-03-10 엘지전자 주식회사 고밀도 상변화 광디스크

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KR100474928B1 (ko) * 2003-01-14 2005-03-10 엘지전자 주식회사 고밀도 상변화 광디스크

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