JPH07128610A - 直線走査光学系 - Google Patents

直線走査光学系

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JPH07128610A
JPH07128610A JP30105093A JP30105093A JPH07128610A JP H07128610 A JPH07128610 A JP H07128610A JP 30105093 A JP30105093 A JP 30105093A JP 30105093 A JP30105093 A JP 30105093A JP H07128610 A JPH07128610 A JP H07128610A
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JP
Japan
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scanning
hologram element
optical system
light beam
scanned
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JP30105093A
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English (en)
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Haruo Uemura
春生 植村
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP30105093A priority Critical patent/JPH07128610A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏向器としてホログラム素子を用い、1/e
2 のビーム径を20〜30μmとするのに対応するFナ
ンバーを有し、しかも収差が補正された直線走査光学系
を提供する。 【構成】 偏向器として機能する回転ホログラム素子1
と被走査面Sの間に複数の固定ホログラム素子2,3が
配設される。これらの固定ホログラム素子のうち、回転
ホログラム素子1に最も近い第1の固定ホログラム素子
2は、走査方向Xにおける焦点距離f1x(>0)を有
し、主として走査線の直線性やfθ特性などについての
走査光学系としての基本的な機能を担う。これに対し、
第1の固定ホログラム素子2を除く残りの固定ホログラ
ム素子3の走査方向Xにおける合成焦点距離f2xの絶対
値は焦点距離f1xよりも大きくなっている。つまり、残
りの固定ホログラム素子3は第1の固定ホログラム素子
2よりも弱いパワーを有しており、コマ収差などの収差
を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光源からの光ビーム
を回転ホログラム素子によって偏向し、被走査面上を走
査させる直線走査光学系の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、製版入出力用の直線走査光学系と
しては、例えば光源からの光ビームをポリゴンミラーや
ガルバミラーなどからなる偏向器によって偏向し、fθ
レンズなどの走査用レンズを介して被走査面に走査させ
るものが用いられている。このように構成された直線走
査光学系において、製版入出力で要求される25μm程
度のビーム径でビームスポットを被走査面上に照射する
ためには、一定以上の大きさを有する偏向器を用いる必
要があるとともに、複数枚のガラスレンズを組み合わせ
てなる走査用レンズを用いる必要がある。そのため、直
線走査光学系のコストが増大し、またこれらの要求が上
記直線走査光学系を有する製版入出力装置の軽量化を図
る上で大きな障害となっている。
【0003】そこで、このような問題を解決するため、
上記構成の直線走査光学系に代えて、ホログラム素子を
用いた直線走査光学系を用いることが提案されている。
例えば、「光学(1993年3月号P.135 〜136 )」に
記載された技術によれば、ディスク(回転ホログラム素
子)によって光源からの光ビームを偏向し、ホロプレー
ト(固定ホログラム素子)を介して感光ドラム(被走査
面)上を走査するようにしている。このように、この提
案例では、ディスクとホロプレートとの組み合わせによ
り、直線走査およびビーム収束を行っている。また、特
に光源として半導体レーザを採用した場合には、半導体
レーザの波長変動による走査位置変動が問題となるが、
この提案例では、この問題も解消されている。
【0004】具体的には、上記提案例によれば、1/e
2 のビーム径が68〜78μmとなり、走査線の直線性
が±0.1mm の直線走査光学系が得られる。また、半導体
レーザの波長変動が0.3nm である場合、それに対応する
走査位置変動は1μm以内となり、波長変動に対し倍率
色収差が補正されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、製版入
出力装置では、上述のように必要なビーム径は25μm
程度であり、より高精細な光ビームが必要となる。その
ためには、Fナンバーが小さく、しかも小さなFナンバ
ーにおいても十分に収差補正されていることが必須条件
となる。ここで、光ビームの回折限界とFナンバーとの
関係を見てみると、次の関係式
【0006】
【数4】
【0007】ただし、d:1/e2 の光ビームの回折限
界直径、F:Fナンバー、λ:光ビームの波長 が成立する。この数4を変形すると、
【0008】
【数5】
【0009】が得られる。この数5からわかるように、
例えば波長λが780nmの半導体レーザを光源とし、
68〜78μmのビーム径を得るためには、必要とされ
るFナンバーは73程度である。これに対し、ビーム径
を25μm程度まで絞るためには、Fナンバーを25程
度にする必要がある。このように、提案にかかる直線走
査光学系を製版入出力装置に適用する場合、Fナンバー
を約1/3に小さくする必要があり、発生する収差量が
大きくなることが容易に推測される。すなわち、走査中
央で発生する球面収差が大きくなるのはもちろんである
が、走査端付近ではコマ収差が大きくなり、被走査面で
のビームスポットの形状が円形でなく、尾を引くような
形状になる。なお、偏向器と被走査面との間に配置する
光学素子をホログラム素子だけで構成し、Fナンバーが
25程度で、しかも当該光学系で発生する収差量を回折
限界以下にまで補正した直線走査光学系は、本発明者の
知りうる限りでは、これまで実現されていない。
【0010】また、半導体レーザを光源とする直線走査
光学系を製版入出力装置に適用する場合には、半導体レ
ーザの波長変動に対し、ビーム位置の変動(倍率色収
差)だけではなく、像面の変動(軸上色収差)をも補正
する必要がある。というのも、Fナンバーが25の光学
系では、Fナンバーが73の光学系に比べ、焦点深度が
約1/8(= (25/73)2 )の深さしかないことから、波
長がシフトすることにより生じる像面のずれ、つまり軸
上色収差が焦点深度より大きくなると、被走査面での画
像品質が劣化するからである。
【0011】さらに、画像品質を高めるためには、有効
走査範囲内においてビーム径のばらつきが少ないことも
重要な要素となる。
【0012】この発明は、上記課題に鑑みてなされたも
ので、1/e2 のビーム径を20〜30μmとするのに
対応するFナンバーを有し、しかも、そのFナンバーで
収差が補正された直線走査光学系を提供することを第1
の目的とする。
【0013】この発明の第2の目的は、上記第1の目的
を達成した上で、さらに光ビームに波長変動があって
も、高品質の画像を記録することができる直線走査光学
系を提供することである。
【0014】この発明の第3の目的は、上記第1の目的
を達成した上で、有効走査範囲にわたってビーム径のば
らつきが少ない直線走査光学系を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、光ビ
ームを出射する光源と、前記光源からの光ビームを偏向
し、被走査面上を走査方向に走査させる回転ホログラム
素子とを備えた直線走査光学系であって、上記第1の目
的を達成するため、前記回転ホログラム素子と前記被走
査面の間に、複数の固定ホログラム素子を配設し、前記
複数の固定ホログラム素子のうち、前記回転ホログラム
素子に最も近い第1の固定ホログラム素子の前記走査方
向における焦点距離を正とするとともに、残りの固定ホ
ログラム素子の前記走査方向における合成焦点距離の絶
対値が前記第1の固定ホログラム素子の焦点距離よりも
大きくなるようにしている。
【0016】請求項2の発明は、前記光源からの光ビー
ムの波長をλ、前記被走査面上を有効走査長2Lにわた
って1回走査する間に前記回転ホログラム素子が回転す
る回転角を2α、前記回転ホログラム素子に入射する光
ビームの前記走査方向におけるビーム径をD、前記被走
査面での光ビームのビーム径をdとしたとき、次の不等
【0017】
【数6】
【0018】を満足するようにしている。
【0019】請求項3の発明は、上記第2の目的を達成
するため、前記光源が波長λの光ビームを出射する半導
体レーザであり、前記第1の固定ホログラム素子から出
射する光ビームの走査面内における主光線の出射角をβ
1 としたとき、有効走査範囲にわたり、次の不等式
【0020】
【数7】
【0021】を満足するようにしている。
【0022】請求項4の発明は、上記第3の目的を達成
するため、前記被走査面に入射する光ビームの走査面内
における主光線の入射角をβ2 としたとき、有効走査範
囲にわたり、次の不等式
【0023】
【数8】
【0024】を満足するようにしている。
【0025】
【作用】請求項1の発明では、偏向器として機能する回
転ホログラム素子と被走査面との間に、複数の固定ホロ
グラム素子が配設される。これらの固定ホログラム素子
のうち、前記回転ホログラム素子に最も近い第1の固定
ホログラム素子の走査方向における焦点距離は正であ
り、この第1の固定ホログラム素子が主として走査線の
直線性やfθ特性などについての走査光学系としての基
本的な機能を担う。これに対し、前記第1の固定ホログ
ラム素子を除く残りの固定ホログラム素子の走査方向に
おける合成焦点距離の絶対値は前記第1の固定ホログラ
ム素子の焦点距離よりも大きく、つまり残りの固定ホロ
グラム素子は前記第1の固定ホログラム素子よりも弱い
パワーを有しており、コマ収差などの収差を補正する。
【0026】請求項2の発明では、数6が満足されてお
り、コマ収差がより十分に補正される。以下、その理由
について図1を参照しつつ説明する。
【0027】回転ホログラム素子1から出射された光ビ
ームの最大偏向角γmax は、次式
【0028】
【数9】
【0029】ただし、f:光学系全系の焦点距離とな
る。また、焦点距離fは、
【0030】
【数10】
【0031】で表すことができる。したがって、数10
を数9に代入し、整理すると、
【0032】
【数11】
【0033】が得られる。
【0034】これに対し、走査線を1回走査するために
回転ホログラム素子1が回転しなければならない回転角
2αについては、最大偏向角γmax よりも小さくするこ
とが可能であり、また、より小さい方が回転ホログラム
素子1の1回転運動で走査できる走査線数が多くなり、
一般には望ましい。しかしながら、最大偏向角γmaxに
対する回転角2αの比をあまり小さくすることには限界
がある。例えば、回転ホログラム素子1が1゜しか回転
していないのに、光ビームが30゜も偏向されるような
ことはありえないと考えられる。
【0035】ここで、製版入出力装置の仕様を考慮する
と、半角αの正接が最大偏向角γmax の正接の約54%
以上であることが必要である。すなわち、直線走査光学
系では、数6が満足されることが望まれる。最大偏向角
γmax に対して回転角2αを小さくしようとすると、光
ビームの入射角が大きくなる傾向があり、仮に数6が満
足されなくなると、光ビームの回転ホログラム素子1へ
の入射角が大きくなり過ぎるとともに、走査端でのコマ
収差が十分に補正できなくなってしまう。
【0036】請求項3の発明では、数7が満足されてい
る。この数7は軸上色収差に関するものであり、数7で
規定される範囲を逸脱すると、軸上色収差が大きくなっ
てしまう。
【0037】請求項4の発明では、数8が満足されてい
る。この数8は被走査面に対する光ビームの入射角に関
するものであり、数8が満足されていると、被走査面に
対してほぼ垂直に光ビームが入射するので、ビームスポ
ットの形状は一定であるが、数8で規定される範囲を逸
脱すると、有効走査範囲内にわたってビームスポットの
形状が変動し、その結果、ビーム径が不均一となってし
まう。
【0038】
【実施例】
A.実施例の基本的構成
【0039】図2は、この発明にかかる直線走査光学系
の基本構成を示す部分斜視図である。また、図3は、第
1実施例における副走査面内での光ビームの進む様子を
示す示す図である。さらに、図4および図5は、第1実
施例における走査面内での光ビームの進む様子を示す図
である。
【0040】この直線走査光学系は、光ビームを出射す
る光源4と、光源4からの光ビームを整形する整形レン
ズ群5と、回転軸11回りに回転し、光源4からの光ビ
ームを偏向する回転ホログラム素子1と、その回転ホロ
グラム素子1と被走査面Sとの間に配列された2枚の固
定ホログラム素子2,3とで構成されており、被走査面
S上を光ビームによって走査方向Xに走査する。また、
図示を省略しているが、一般的に被走査面S上には感光
フィルムなどの感光材料が設置され、搬送手段によって
感光材料を副走査方向Yに順次搬送する。なお、これら
のホログラム素子1〜3には、所定の縞が記録されてお
り、その縞の空間位相分布φは、ホログラム素子面をx
y平面とし、記録波長をλ0 とすると、一般に次式
【0041】
【数12】
【0042】ただし、CKLは係数、により表現すること
ができる。そこで、以下の説明においては、係数CKLを
示すことでホログラム素子に記録される縞の空間位相分
布φを特定する。
【0043】整形レンズ群5は、回転ホログラム素子1
のウォブリング補正を行う目的で、シリンドカルレンズ
及びコリメートレンズを含み、走査方向Xではビーム径
D0(=12.16mm)の平行光となる一方、副走査
方向Yでは収束光(NA=0.00555)となるよう
に、光源4からの光ビームを整形している。
【0044】図3に示すように、このように整形された
光ビームB0 は回転ホログラム1の回転中心から円周方
向に距離ΔY0 (但し、ΔY0 は副走査方向Yに対し
て、後述のθ1+θ2+θ3だけ傾いている)だけ離れ
た位置に入射される。なお、光源4としては、例えば半
導体レーザなどを用いることができる。以下において
は、中心波長λが780nmで、波長変動が±1nmの
半導体レーザを光源とする場合に限定して説明するが、
光源4はこれに限定されない。
【0045】回転ホログラム素子1は、波長781n
m,780nm,779nmでそれぞれ屈折率 n781 =1.510701、 n780 =1.510722、 n779 =1.510743 を有する厚みt1 の基板ガラス上に所定の縞が形成され
たものであり、設計に応じた係数C01を有している。ま
た、図3に示すように、回転ホログラム素子1は、副走
査面内で整形レンズ群5からの光ビームB0 が回転軸1
1に対し角度θ0で入射されるように、配置されてい
る。後で説明する第1ないし第4実施例では、上記のよ
うに回転ホログラム素子1への入射光ビームB0 の走査
方向Xにおけるビーム径D0 が12.16mmであるこ
とを考慮して、1回転することで6本あいるは7本の光
ビームを被走査面S上を走査させることができるように
している。
【0046】また、回転ホログラム素子1から被走査面
S側に(+1)次回折光B1 に沿って距離ΔZ12(図示
せず)だけ離れた位置で、かつ回転ホログラム素子1に
対し副走査面内で角度θ1 だけ傾いた状態で、第1の固
定ホログラム素子2が固定されている。この固定ホログ
ラム素子2は、回転ホログラム素子1と同一の屈折率を
有する厚みt2 の基板ガラス上に、縞中心点21を中心
として縞が形成されており、適当な係数C20,C02,C
40,C22,C04,C60,C42,C24,C06を有してい
る。また、固定ホログラム素子2には、有効走査全域に
おいて0次回折光と(+1)次回折光を分離し、(+
1)次回折光のみを被走査面Sに照射するため、副走査
方向Yに4゜以上の角度をつけており、回転ホログラム
素子1からの(+1)次回折光B1 が縞中心点21から
距離ΔY1 (但し、ΔY1 は副走査方向Yに対して、θ
2+θ3だけ傾いている)だけ離れた位置に入射される
ようになっている。一方、走査面内では、図5に示すよ
うに、第1の固定ホログラム素子2から出射する(+
1)次回折光B2 の主光線の出射角はβ1 となってい
る。
【0047】また、第2の固定ホログラム素子3は、第
1の固定ホログラム素子2から被走査面S側に(+1)
次回折光B2 に沿って距離ΔZ23(図示せず)だけ離れ
た位置で、しかも固定ホログラム素子2に対し副走査面
内で角度θ2 だけ傾いた状態で、固定されている。この
固定ホログラム素子3は、上記屈折率を有する厚みt3
の基板ガラス上に、縞中心点31を中心として縞が形成
されており、適当な係数C20,C02,C40,C22,C0
4,C60,C42,C24,C06を有している。そして、上
記と同様の理由により、副走査方向Yに適当な角度(4
゜以上)がついており、固定ホログラム素子2からの
(+1)次回折光B2 が縞中心点31から距離ΔY2
(但し、ΔY2 は副走査方向Yに対して、θ3だけ傾い
ている)だけ離れた位置に入射されるようになってい
る。また、走査面内では、図5に示すように、第2の固
定ホログラム素子3から出射する(+1)次回折光B3
の主光線の出射角はβ2 となっている。
【0048】さらに、被走査面Sは、第2の固定ホログ
ラム素子3から(+1)次回折光B3 に沿って距離ΔZ
3S(図示せず)だけ離れた位置で、しかも固定ホログラ
ム素子3に対し副走査面内で角度θ3 だけ傾いた状態
で、固定されている。ここで、角度θ1 、θ2 およびθ
3 に関しては、反時計回りを正、時計回りを負として表
現している。また、距離ΔY1 およびΔY2 に関して
は、(+1)次回折光B2、B3 の回折方向に基づいて
正負を表現している。すなわち、図中(+1)次回折光
B2 、B3 が縞中心点21、31の右側に入射して左方
向に回折している場合は正、左側に入射して右方向に回
折している場合は負として表現している。
【0049】このように構成された直線走査光学系で
は、半導体レーザ4から出射された光ビームが整形レン
ズ群5により整形された後、回転ホログラム素子1によ
り偏向され、固定ホログラム素子2,3を介して走査方
向Xに有効走査長(2L)320mmに渡って被走査面
Sに走査される。なお、全ての実施例において、回転ホ
ログラム素子1、第1および第2の固定ホログラム素子
2、3の記録波長λ0 は780nmである。
【0050】B.実施例の詳細な構成および光学的特性
【0051】次に、第1ないし第4実施例の構成につい
て詳細に説明するとともに、その光学的特性について説
明する。
【0052】(B-1) 第1実施例
【0053】この第1実施例では、回転ホログラム素子
1、第1および第2の固定ホログラム素子2,3は以下
のように構成されており、副走査面内では図3に示す経
路で光ビームが進む。また、走査面内では、偏向角γが
ゼロのときには図4に示す経路で、一方最大偏向角γma
x では図5に示す経路で光ビームが進む。
【0054】<回転ホログラム素子1>
【0055】回転ホログラム素子1の構成および配置を
示す数値は、以下の通りである。
【0056】基板ガラスの厚さt1 =3mm 係数C01=1.5190 光ビームB0 の入射角度θ0 =54.761゜ 光ビームB0 の入射位置ΔY0 =35mm 1回の走査に要する回転角(2α)の半角α=20゜
【0057】<第1の固定ホログラム素子2>
【0058】第1の固定ホログラム素子2の構成および
配置を示す数値は、以下の通りである。
【0059】距離ΔZ12(ホログラム面における主光線
位置同士の間隔)=269.837mm 角度θ1 =34.116゜ C20=-1.8073X10-3 C02=-2.1410X10-3 C40=
2.3345X10-10 C22=-1.2836X10-8 C04= 1.0090X10-7 C60=
1.8026X10-17 C42= 2.1791X10-14 C24= 1.7002X10-12 C06=
-7.8173X10-11 基板ガラスの厚さt2 =5mm 光ビームB1 の入射位置ΔY1 =29.230mm
【0060】<第2の固定ホログラム素子3>
【0061】第2の固定ホログラム素子3の構成および
配置を示す数値は、以下の通りである。
【0062】距離ΔZ23(ホログラム面における主光線
位置同士の間隔)=240.733mm 角度θ2 =-6.803゜ C20= 1.2230X10-3 C02=-7.4386X10-3 C40=
2.7880X10-9 C22=-8.1419X10-9 C04=-1.0982X10-5 C60=
-2.8582X10-14 C42= 7.8393X10-13 C24= 7.8511X10-11 C06=
1.8621X10-8 基板ガラスの厚さt3 =5mm 光ビームB2 の入射位置ΔY2 =-8.653mm
【0063】<被走査面S>
【0064】被走査面Sの配置位置を示す数値は、以下
の通りである。
【0065】距離ΔZ3S(主光線位置同士の間隔)=4
1.406mm 角度θ3 =14.777゜ 第1実施例にかかる直線走査光学系は以上のように構成
されているため、第1の固定ホログラム素子2の走査面
方向での焦点距離f1xは、 f1X=276.7mm (>0) である。また、残りの固定ホログラム素子(つまり、本
実施例では第2の固定ホログラム3のみが該当)の合成
焦点距離f2xは、 f2X=-408.8mm であり、その絶対値は焦点距離f1xよりも大きくなって
いる。
【0066】また、この直線走査光学系によれば、被走
査面S上にビーム径dが0.025mm のビームスポットを形
成することができ、このビーム径dの値のほか、半走査
長L,波長λおよび入射光ビームの走査方向Xにおける
ビーム径Dを数6の右辺に代入し、その値を求めると、
値”0.2824”が得られる。一方、数6の左辺に半角αを
代入し、その値を求めると、値”0.364 ”が得られる。
ここで、これらの値を比較すると、この実施例では、数
6が満足されていることがわかる。
【0067】図6は、偏向器回転角、つまり回転ホログ
ラム素子1の回転角に対して各固定ホログラム素子2,
3から出射される光ビームB2 ,B3 の走査方向Xにお
ける出射角β1 ,β2 を示す図である。この実施例では
有効走査範囲において、出射角β1 は-0.1゜から4.1 ゜
の範囲で変化しており、数7が満足されている。一方、
出射角β2 は0 ゜から-18.2 ゜の範囲で変化している。
【0068】図7は、波長779nm,780nm,7
81nmにおける偏向器回転角に対する像面位置を示す
図である。同図(および後で説明する図15,図23お
よび図31)において、1点鎖線は波長779nmに対
する像面位置を、実線は波長780nmに対する像面位
置を、また破線は波長781nmに対する像面位置を示
すものである。一般に知られているように、Fナンバー
が25程度の光学系における焦点深度は約1mmであ
る。これに対し、この実施例にかかる直線走査光学系に
よれば、同図からわかるように、像面湾曲は約±200 μ
mであり、波長変動による像面のずれは最大でも±90μ
m程度であり、いずれも焦点深度よりも小さな値となっ
ている。このことから、第1実施例にかかる直線走査光
学系が十分許容範囲に補正されていることがわかる。
【0069】図8は横収差図であり、同図(a),
(b)は走査中央での、同図(c),(d)は半走査長
の6割での、また同図(e),(f)は走査端での横収
差を示している。この図(および後で説明する横収差
図)において、1点鎖線は波長779nmに対する横収
差(単位mm)を、実線は波長780nmに対する横収
差(単位mm)を、また破線は波長781nmに対する
横収差(単位mm)を示すものである。これらの図から
わかるように、この第1実施例にかかる直線走査光学系
では、収差量はほぼ25μm以内であり、回折限界内に補
正されている。
【0070】図9は、第1実施例にかかる直線走査光学
系における走査線の直線性を示す図である。同図からわ
かるように、この光学系では、±5μm以内の直線性が
得られている。
【0071】図10は、第1実施例にかかる直線走査光
学系におけるfθ特性を示す図である。同図からわかる
ように、この光学系のfθ特性は、0.05%以内に保
たれている。
【0072】図11は、第1実施例にかかる直線走査光
学系の像側のFナンバーの変化の様子を示す図である。
同図(および後で説明する図19,図27および図3
5)において、実線は走査方向XにおけるFナンバーを
示し、また破線は副走査方向YにおけるFナンバーを示
している。Fナンバーは、全走査範囲にわたって、ほぼ
25であるが、走査端に向かうにしたがってFナンバー
が変動している。これは、走査端で出射角β2 が-18 ゜
と大きくなっていることに起因する。
【0073】(B-2) 第2実施例
【0074】この第2実施例では、回転ホログラム素子
1、第1および第2の固定ホログラム素子2,3は以下
のように構成されており、副走査面内では図12に示す
経路で光ビームが進む。また、走査面内では、偏向角γ
が最大偏向角γmax のときには図13に示す経路で光ビ
ームが進む。
【0075】<回転ホログラム素子1>
【0076】回転ホログラム素子1の構成および配置を
示す数値は、以下の通りである。
【0077】基板ガラスの厚さt1 =3mm 係数C01=1.5877 光ビームB0 の入射角度θ0 =74.733゜ 光ビームB0 の入射位置ΔY0 =35mm 1回の走査に要する回転角(2α)の半角α=19.25 ゜
【0078】<第1の固定ホログラム素子2>
【0079】第1の固定ホログラム素子2の構成および
配置を示す数値は、以下の通りである。
【0080】距離ΔZ12(ホログラム面における主光線
位置同士の間隔)=273.265mm 角度θ1 =36.212゜ C20=-1.7395X10-3 C02=-1.6528X10-3 C40=
-2.7042X10-11 C22=-4.0286X10-9 C04= 3.5774X10-7 C60=
1.0720X10-15 C42= 2.7484X10-14 C24=-7.9835X10-13 C06=
-8.7773X10-11 基板ガラスの厚さt2 =5mm 光ビームB1 の入射位置ΔY1 =29.532mm
【0081】<第2の固定ホログラム素子3>
【0082】第2の固定ホログラム素子3の構成および
配置を示す数値は、以下の通りである。
【0083】距離ΔZ23(ホログラム面における主光線
位置同士の間隔)=251.919mm 角度θ2 =6.620 ゜ C20= 6.1721X10-4 C02=-1.3720X10-2 C40=
7.0866X10-9 C22= 1.7333X10-8 C04=-6.3264X10-7 C60=
-8.7525X10-14 C42=-1.5809X10-13 C24= 4.9277X10-11 C06=
1.9034X10-8 基板ガラスの厚さt3 =5mm 光ビームB2 の入射位置ΔY2 =4.732mm
【0084】<被走査面S>
【0085】被走査面Sの配置位置を示す数値は、以下
の通りである。
【0086】距離ΔZ3S(主光線位置同士の間隔)=4
0.000mm 角度θ3 =7.018 ゜ 第2実施例にかかる直線走査光学系は以上のように構成
されているため、第1の固定ホログラム素子2の走査面
方向での焦点距離f1xは、 f1X=287.4mm (>0) である。また、残りの固定ホログラム素子(つまり、本
実施例では第2の固定ホログラム3のみが該当)の合成
焦点距離f2xは、 f2X=-810mm であり、その絶対値は焦点距離f1xよりも大きくなって
いる。
【0087】また、この直線走査光学系によれば、被走
査面S上にビーム径dが0.025mm のビームスポットを形
成することができ、このビーム径dの値のほか、半走査
長L,波長λおよび入射光ビームの走査方向Xにおける
ビーム径Dを数6の右辺に代入し、その値を求めると、
値”0.2824”が得られる。一方、数6の左辺に半角αを
代入し、その値を求めると、値”0.349 ”が得られる。
ここで、これらの値を比較すると、この実施例では、数
6が満足されていることがわかる。
【0088】図14は、偏向器回転角、つまり回転ホロ
グラム素子1の回転角に対して各固定ホログラム素子
2,3から出射される光ビームB2 ,B3 の走査方向X
における出射角β1 ,β2 を示す図である。この実施例
では有効走査範囲において、出射角β1 は-0.4゜から3.
4 ゜の範囲で変化しており、数7が満足されている。一
方、出射角β2 は0 ゜から-10.8 ゜の範囲で変化してい
る。
【0089】図15は、波長779nm,780nm,
781nmにおける偏向器回転角に対する像面位置を示
す図である。上記のように、Fナンバーが25程度の光
学系における焦点深度は約1mmであるに対し、この実
施例にかかる直線走査光学系によれば、同図からわかる
ように、像面湾曲は約±80μmであり、波長変動による
像面のずれは最大でも±40μm程度であり、いずれも焦
点深度よりも小さな値となっている。このことから、第
2実施例にかかる直線走査光学系が十分許容範囲に補正
されていることがわかる。
【0090】図16は横収差図であり、同図(a),
(b)は走査中央での、同図(c),(d)は半走査長
の6割での、また同図(e),(f)は走査端での横収
差を示している。この図からわかるように、この第2実
施例にかかる直線走査光学系では、収差量はほぼ25μm
以内であり、回折限界内に補正されている。
【0091】図17は、第2実施例にかかる直線走査光
学系における走査線の直線性を示す図である。同図から
わかるように、この光学系では、±2μm以内の直線性
が得られている。
【0092】図18は、第2実施例にかかる直線走査光
学系におけるfθ特性を示す図である。同図からわかる
ように、この光学系のfθ特性は、0.3%以内に保た
れている。
【0093】図19は、第2実施例にかかる直線走査光
学系の像側のFナンバーの変化の様子を示す図である。
Fナンバーは、全走査範囲にわたって、ほぼ26である
が、走査端に向かうにしたがってFナンバーが変動して
いる。これは、走査端で出射角β2 が-10.8 ゜と-10 ゜
以下の値となっていることに起因する。
【0094】(B-3) 第3実施例
【0095】この第3実施例では、回転ホログラム素子
1、第1および第2の固定ホログラム素子2,3は以下
のように構成されており、副走査面内では図20に示す
経路で光ビームが進む。また、走査面内では、偏向角γ
が最大偏向角γmax のときには図21に示す経路で光ビ
ームが進む。
【0096】<回転ホログラム素子1>
【0097】回転ホログラム素子1の構成および配置を
示す数値は、以下の通りである。
【0098】基板ガラスの厚さt1 =3mm 係数C01=1.8766 光ビームB0 の入射角度θ0 =79.231゜ 光ビームB0 の入射位置ΔY0 =36mm 1回の走査に要する回転角(2α)の半角α=16゜ なお、この実施例では、1回転で被走査面Sを7回走査
するように構成されているが、他の実施例は1回転で被
走査面Sを6回走査する。
【0099】<第1の固定ホログラム素子2>
【0100】第1の固定ホログラム素子2の構成および
配置を示す数値は、以下の通りである。
【0101】距離ΔZ12(ホログラム面における主光線
位置同士の間隔)=251.682mm 角度θ1 =56.335゜ C20=-1.6677X10-3 C02=-2.8442X10-3 C40=
1.1276X10-11 C22= 6.4348X10-9 C04= 1.7812X10-8 C60=
-8.3832X10-15 C42=-1.6760X10-13 C24=-1.6426X10-12 C06=
-1.2002X10-12 基板ガラスの厚さt2 =5mm 光ビームB1 の入射位置ΔY1 =61.906mm
【0102】<第2の固定ホログラム素子3>
【0103】第2の固定ホログラム素子3の構成および
配置を示す数値は、以下の通りである。
【0104】距離ΔZ23(ホログラム面における主光線
位置同士の間隔)=283.468mm 角度θ2 =-28.896 ゜ C20= 3.8034X10-4 C02=-9.3560X10-3 C40=
1.4799X10-8 C22=-6.4502X10-8 C04=-2.0236X10-5 C60=
1.4541X10-14 C42= 2.5959X10-12 C24= 1.4315X10-10 C06=
8.5918X10-9 基板ガラスの厚さt3 =5mm 光ビームB2 の入射位置ΔY2 =-7.765mm
【0105】<被走査面S>
【0106】被走査面Sの配置位置を示す数値は、以下
の通りである。
【0107】距離ΔZ3S(主光線位置同士の間隔)=2
0.000mm 角度θ3 =36.560゜ 第3実施例にかかる直線走査光学系は以上のように構成
されているため、第1の固定ホログラム素子2の走査面
方向での焦点距離f1xは、 f1X=299.8mm (>0) である。また、残りの固定ホログラム素子(つまり、本
実施例では第2の固定ホログラム3のみが該当)の合成
焦点距離f2xは、 f2X=-1315mm であり、その絶対値は焦点距離f1xよりも大きくなって
いる。
【0108】また、この直線走査光学系によれば、被走
査面S上にビーム径dが0.025mm のビームスポットを形
成することができ、このビーム径dの値のほか、半走査
長L,波長λおよび入射光ビームの走査方向Xにおける
ビーム径Dを数6の右辺に代入し、その値を求めると、
値”0.2824”が得られる。一方、数6の左辺に半角αを
代入し、その値を求めると、値”0.2867”が得られる。
ここで、これらの値を比較すると、この実施例では、数
6が満足されていることがわかる。
【0109】図22は、偏向器回転角、つまり回転ホロ
グラム素子1の回転角に対して各固定ホログラム素子
2,3から出射される光ビームB2 ,B3 の走査方向X
における出射角β1 ,β2 を示す図である。この実施例
では有効走査範囲において、出射角β1 は0 ゜から2.1
゜の範囲で変化しており、数7が満足されている。一
方、出射角β2 は0 ゜から-19.7 ゜の範囲で変化してい
る。
【0110】図23は、波長779nm,780nm,
781nmにおける偏向器回転角に対する像面位置を示
す図である。上記のように、Fナンバーが25程度の光
学系における焦点深度は約1mmであるに対し、この実
施例にかかる直線走査光学系によれば、同図からわかる
ように、像面湾曲は約±250 μmであり、波長変動によ
る像面のずれは最大でも±250 μm程度であり、いずれ
も焦点深度よりも小さな値となっている。このことか
ら、第3実施例にかかる直線走査光学系が十分許容範囲
に補正されていることがわかる。
【0111】図24は横収差図であり、同図(a),
(b)は走査中央での、同図(c),(d)は半走査長
の6割での、また同図(e),(f)は走査端での横収
差を示している。同図からわかるように、走査端では収
差量が大きくなっており、目的の仕様に対して限界にあ
ると言える。すなわち、これを越えて収差量が大きくな
ると、実使用に耐えられない。
【0112】図25は、第3実施例にかかる直線走査光
学系における走査線の直線性を示す図である。同図から
わかるように、この光学系では、±25μm以内の直線
性が得られている。
【0113】図26は、第3実施例にかかる直線走査光
学系におけるfθ特性を示す図である。同図からわかる
ように、この光学系のfθ特性は、0.1%以内に保た
れている。
【0114】図27は、第3実施例にかかる直線走査光
学系の像側のFナンバーの変化の様子を示す図である。
Fナンバーは、全走査範囲にわたって、ほぼ25である
が、走査端に向かうにしたがってFナンバーが変動して
いる。しかしながら、この程度の変動幅であれば、実使
用上、許容できる。
【0115】(B-4) 第4実施例
【0116】この第4実施例では、回転ホログラム素子
1、第1および第2の固定ホログラム素子2,3は以下
のように構成されており、副走査面内では図28に示す
経路で光ビームが進む。また、走査面内では、偏向角γ
が最大偏向角γmax のときには図29に示す経路で光ビ
ームが進む。
【0117】<回転ホログラム素子1>
【0118】回転ホログラム素子1の構成および配置を
示す数値は、以下の通りである。
【0119】基板ガラスの厚さt1 =3mm 係数C01=1.6190 光ビームB0 の入射角度θ0 =61.135゜ 光ビームB0 の入射位置ΔY0 =35mm 1回の走査に要する回転角(2α)の半角α=19.07 ゜
【0120】<第1の固定ホログラム素子2>
【0121】第1の固定ホログラム素子2の構成および
配置を示す数値は、以下の通りである。
【0122】距離ΔZ12(ホログラム面における主光線
位置同士の間隔)=262.957mm 角度θ1 =42.426゜ C20=-1.6796X10-3 C02=-2.4368X10-3 C40=
-7.1017X10-11 C22= 1.0502X10-8 C04= 3.6409X10-8 C60=
4.6647X10-16 C42=-1.5851X10-13 C24=-3.4017X10-12 C06=
-1.7521X10-11 基板ガラスの厚さt2 =5mm 光ビームB1 の入射位置ΔY1 =28.853mm
【0123】<第2の固定ホログラム素子3>
【0124】第2の固定ホログラム素子3の構成および
配置を示す数値は、以下の通りである。
【0125】距離ΔZ23(ホログラム面における主光線
位置同士の間隔)=262.698mm 角度θ2 =-12.023 ゜ C20=-1.0461X10-4 C02=-8.9192X10-3 C40=
1.0451X10-8 C22= 7.6308X10-8 C04=-1.1237X10-5 C60=
-1.1688X10-13 C42= 4.0244X10-13 C24=-1.1734X10-10 C06=
2.5487X10-8 基板ガラスの厚さt3 =5mm 光ビームB2 の入射位置ΔY2 =-8.571mm
【0126】<被走査面S>
【0127】被走査面Sの配置位置を示す数値は、以下
の通りである。
【0128】距離ΔZ3S(主光線位置同士の間隔)=3
9.311mm 角度θ3 =14.380゜ 第4実施例にかかる直線走査光学系は以上のように構成
されているため、第1の固定ホログラム素子2の走査面
方向での焦点距離f1xは、 f1X=297.7mm (>0) である。また、残りの固定ホログラム素子(つまり、本
実施例では第2の固定ホログラム3のみが該当)の合成
焦点距離f2xは、 f2X=4779mm であり、その絶対値は焦点距離f1xよりも大きくなって
いる。
【0129】また、この直線走査光学系によれば、被走
査面S上にビーム径dが0.025mm のビームスポットを形
成することができ、このビーム径dの値のほか、半走査
長L,波長λおよび入射光ビームの走査方向Xにおける
ビーム径Dを数6の右辺に代入し、その値を求めると、
値”0.2824”が得られる。一方、数6の左辺に半角αを
代入し、その値を求めると、値”0.346 ”が得られる。
ここで、これらの値を比較すると、この実施例では、数
6が満足されていることがわかる。
【0130】図30は、偏向器回転角、つまり回転ホロ
グラム素子1の回転角に対して各固定ホログラム素子
2,3から出射される光ビームB2 ,B3 の走査方向X
における出射角β1 ,β2 を示す図である。この実施例
では有効走査範囲において、出射角β1 は-1.4゜から1.
3 ゜の範囲で変化しており、数7が満足され、さらに出
射角β2 は0 ゜から-2.8゜の範囲で変化しており、数8
も満足されている。
【0131】図31は、波長779nm,780nm,
781nmにおける偏向器回転角に対する像面位置を示
す図である。上記のように、Fナンバーが25程度の光
学系における焦点深度は約1mmであるに対し、この実
施例にかかる直線走査光学系によれば、同図からわかる
ように、像面湾曲は約±100 μmであり、波長変動によ
る像面のずれは最大でも±150 μm程度であり、いずれ
も焦点深度よりも小さな値となっている。このことか
ら、第4実施例にかかる直線走査光学系が十分許容範囲
に補正されていることがわかる。
【0132】図32は横収差図であり、同図(a),
(b)は走査中央での、同図(c),(d)は半走査長
の6割での、また同図(e),(f)は走査端での横収
差を示している。この図からわかるように、この第4実
施例にかかる直線走査光学系では、収差量はほぼ25μm
以内であり、回折限界内に補正されている。
【0133】図33は、第4実施例にかかる直線走査光
学系における走査線の直線性を示す図である。同図から
わかるように、この光学系では、±1μm以内の直線性
が得られている。
【0134】図34は、第4実施例にかかる直線走査光
学系におけるfθ特性を示す図である。同図からわかる
ように、この光学系のfθ特性は、0.2%以内に保た
れている。
【0135】図35は、第4実施例にかかる直線走査光
学系の像側のFナンバーの変化の様子を示す図である。
Fナンバーは、有効走査範囲にわたって、ほぼ24.5
であり、走査全域で変動の少ないビーム径を得ることが
できる。
【0136】(B-5) その他
【0137】なお、上記実施例では、第1の固定ホログ
ラム素子2と被走査面Sとの間に、1つの固定ホログラ
ム素子3を配置した場合について説明したが、この固定
ホログラム素子3の代わりに、複数の固定ホログラム素
子を配列してもよく、それらの固定ホログラム素子の走
査方向Xにおける合成焦点距離f2xが第1の固定ホログ
ラム素子2の焦点距離f1xよりも大きくなるように設定
することにより、上記と同様の効果が得られる。
【0138】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、偏向器としてホログラム素子を用いて、1/e2
ビーム径を20〜30μmとするのに対応するFナンバ
ーを有し、しかも収差が補正された直線走査光学系が得
られるので、これを採用することにより、製版用入出力
装置の軽量化を図ることができる。
【0139】請求項2の発明によれば、数6を満足する
ように構成されているので、コマ収差をさらに補正する
ことができる。
【0140】請求項3の発明によれば、数7を満足する
ように構成しているので、軸上色収差を小さくすること
ができ、その結果、波長変動のある半導体レーザを光源
として用いた場合であっても、高品質の画像を記録する
ことができる。
【0141】請求項4の発明によれば、数8を満足する
ように構成しているので、有効走査範囲内にわたってビ
ームスポットの形状の変動が少なくなり、ビーム径のば
らつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる直線走査光学系の作用を説明
するための図である。
【図2】この発明にかかる直線走査光学系の基本構成を
示す部分斜視図である。
【図3】第1実施例における副走査面内での光ビームの
進む様子を示す示す図である。
【図4】第1実施例における走査面内での光ビームの進
む様子を示す図である。
【図5】第1実施例における走査面内での光ビームの進
む様子を示す図である。
【図6】偏向器回転角に対する各固定ホログラム素子か
らの光ビームの出射角を示す図である。
【図7】波長779nm,780nm,781nmにお
ける偏向器回転角に対する像面位置を示す図である。
【図8】横収差を示す図である。
【図9】第1実施例にかかる直線走査光学系における走
査線の直線性を示す図である。
【図10】第1実施例にかかる直線走査光学系における
fθ特性を示す図である。
【図11】第1実施例にかかる直線走査光学系の像側の
Fナンバーの変化の様子を示す図である。
【図12】第2実施例における副走査面内での光ビーム
の進む様子を示す示す図である。
【図13】第2実施例における走査面内での光ビームの
進む様子を示す図である。
【図14】偏向器回転角に対する各固定ホログラム素子
からの光ビームの出射角を示す図である。
【図15】波長779nm,780nm,781nmに
おける偏向器回転角に対する像面位置を示す図である。
【図16】横収差を示す図である。
【図17】第2実施例にかかる直線走査光学系における
走査線の直線性を示す図である。
【図18】第2実施例にかかる直線走査光学系における
fθ特性を示す図である。
【図19】第2実施例にかかる直線走査光学系の像側の
Fナンバーの変化の様子を示す図である。
【図20】第3実施例における副走査面内での光ビーム
の進む様子を示す示す図である。
【図21】第3実施例における走査面内での光ビームの
進む様子を示す図である。
【図22】偏向器回転角に対する各固定ホログラム素子
からの光ビームの出射角を示す図である。
【図23】波長779nm,780nm,781nmに
おける偏向器回転角に対する像面位置を示す図である。
【図24】横収差を示す図である。
【図25】第3実施例にかかる直線走査光学系における
走査線の直線性を示す図である。
【図26】第3実施例にかかる直線走査光学系における
fθ特性を示す図である。
【図27】第3実施例にかかる直線走査光学系の像側の
Fナンバーの変化の様子を示す図である。
【図28】第4実施例における副走査面内での光ビーム
の進む様子を示す示す図である。
【図29】第4実施例における走査面内での光ビームの
進む様子を示す図である。
【図30】偏向器回転角に対する各固定ホログラム素子
からの光ビームの出射角を示す図である。
【図31】波長779nm,780nm,781nmに
おける偏向器回転角に対する像面位置を示す図である。
【図32】横収差を示す図である。
【図33】第4実施例にかかる直線走査光学系における
走査線の直線性を示す図である。
【図34】第4実施例にかかる直線走査光学系における
fθ特性を示す図である。
【図35】第4実施例にかかる直線走査光学系の像側の
Fナンバーの変化の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 回転ホログラム素子(偏向器) 2,3 固定ホログラム素子 B0 ,B1 ,B2 ,B3 光ビーム S 被走査面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを出射する光源と、前記光源か
    らの光ビームを偏向し、被走査面上を走査方向に走査さ
    せる回転ホログラム素子とを備えた直線走査光学系にお
    いて、 前記回転ホログラム素子と前記被走査面の間に、複数の
    固定ホログラム素子が配設されており、前記複数の固定
    ホログラム素子のうち、前記回転ホログラム素子に最も
    近い第1の固定ホログラム素子の前記走査方向における
    焦点距離が正であるとともに、残りの固定ホログラム素
    子の前記走査方向における合成焦点距離の絶対値が前記
    第1の固定ホログラム素子の焦点距離よりも大きいこと
    を特徴とする直線走査光学系。
  2. 【請求項2】 前記光源からの光ビームの波長をλ、前
    記被走査面上を有効走査長2Lにわたって1回走査する
    間に前記回転ホログラム素子が回転する回転角を2α、
    前記回転ホログラム素子に入射する光ビームの前記走査
    方向におけるビーム径をD、前記被走査面での光ビーム
    のビーム径をdとしたとき、次の不等式 【数1】 を満足する請求項1記載の直線走査光学系。
  3. 【請求項3】 前記光源が波長λの光ビームを出射する
    半導体レーザであり、前記第1の固定ホログラム素子か
    ら出射する光ビームの走査面内における主光線の出射角
    をβ1 としたとき、有効走査範囲にわたり、次の不等式 【数2】 を満足する請求項1記載の直線走査光学系。
  4. 【請求項4】 前記被走査面に入射する光ビームの走査
    面内における主光線の入射角をβ2 としたとき、有効走
    査範囲にわたり、次の不等式 【数3】 を満足する請求項1記載の直線走査光学系。
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WO2019082850A1 (ja) * 2017-10-25 2019-05-02 株式会社ニコン パターン描画装置
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