JPH07128266A - 塗膜インピーダンス測定装置 - Google Patents

塗膜インピーダンス測定装置

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JPH07128266A
JPH07128266A JP27724693A JP27724693A JPH07128266A JP H07128266 A JPH07128266 A JP H07128266A JP 27724693 A JP27724693 A JP 27724693A JP 27724693 A JP27724693 A JP 27724693A JP H07128266 A JPH07128266 A JP H07128266A
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measuring
guard
coating film
voltage
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JP27724693A
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English (en)
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Eiji Shimomura
英二 霜村
Takeshi Kondo
武 近藤
Takemi Mori
武美 毛利
Yoshihiro Naruse
佳宏 成瀬
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体中に浸っている機器の塗膜インピーダン
スの測定を可能とし、しかも測定精度の一層の向上を図
る。 【構成】 下地金属24の表面の塗膜25に宛がわれる
プローブ23に、測定用電極27及びその周囲を囲む幅
広リング状のガード電極30を設ける。一方、本体部2
2に、プローブ23(測定用電極27)と下地金属25
との間に所定波形の交流測定電圧を印加する測定電圧出
力源31、塗膜25を通じて測定用電極27に流れる電
流を検出するプリアンプ32、ガード電極30の電位を
測定用電極27の電位と同一に保つための直流補償回路
からなるガード回路33を設ける。ガード回路33のガ
ード電極30に接続されるリード線36を、二股状に分
岐させ、ガード電極30の周方向に等配された複数箇所
に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体中に浸っている機
器の塗膜インピーダンスの測定を可能とした塗膜インピ
ーダンス測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば変圧器や配電板など屋外に配置さ
れる機器は、防蝕及び美観のために塗装がなされるが、
その塗膜の劣化を放置すれば、やがて塗膜が剥離したり
下地金属が腐蝕するようになるため、適切な時期に塗り
替えなどのメンテナンスの必要がある。そこで、塗膜の
劣化に伴い塗膜の電気抵抗値が小さくなって塗膜インピ
ーダンスが変化することを利用して、塗膜の劣化度を定
量的に診断することが行われている。
【0003】このような塗膜インピーダンスを測定する
ための装置として、従来では図5に示すものが供されて
いた。即ち、このものは、下地金属1の表面の塗膜2に
導電性ゲル3を介してアルミ箔等の測定用電極4を宛が
い、交流電源5を用いて前記下地金属1と測定用電極4
との間に電圧を印加し、電流測定器6により流れる電流
を測定すると共に、電圧測定器7により印加電圧を測定
するようになっている。そして、測定された電流値及び
電圧値から、各周波数についての塗膜インピーダンスを
演算し、ボード線図やナイキスト線図を作成して塗膜2
の劣化の度合いを判定するものである。
【0004】これに対し、近年では、測定精度を向上さ
せるために、図6に示す塗膜劣化測定用プローブを用い
る測定方法が考えられている。このプローブ8は、下面
が開口した円筒状をなすプラスチック製の本体ケース9
内に、スポンジに導電性ゲルを含ませて成り下面が球面
凸状をなす測定用電極10を収容して構成されている。
また、本体ケース9の内壁面には、前記測定用電極10
に接触する錫箔11が設けられ、この錫箔11が接続端
子12に接続されている。一方、本体ケース9の外周部
には雄ねじ部9aが形成され、この雄ねじ部9aに、下
面にマグネット13を有する押えリング14が螺合して
いる。
【0005】塗膜インピーダンスの測定時には、押えリ
ング14のマグネット13により、プローブ8を塗膜2
上に固定させ、これにより、測定用電極10を塗膜2の
一定面積部分に密着させる。そして、この状態で、測定
装置本体のプリアンプに接続した測定用ケーブル15を
クリップ16により前記接続端子12に接続すると共
に、他方のケーブルを下地金属1に接続し、測定装置本
体からプリアンプ,測定用ケーブル15を介して、測定
用電極10と下地金属との間に交流電圧を印加し、塗膜
インピーダンスを測定するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の塗
膜2が設けられる機器のなかには、大気中でなく液体中
(水中)に配置されるものがある。上述のプローブ8
は、大気中にて使用するには問題はないが、水中に浸っ
ている塗膜2のインピーダンスを測定するには適さない
ものであった。
【0007】即ち、従来のプローブ8を用いた場合、水
中では、測定用電極10に接している所定面積の塗膜2
に流れる電流以外にも、測定用電極10の周辺部分の塗
膜2に水を介して流れる電流(漏れ電流)をも測定され
ることになってしまう。塗膜劣化の診断は、塗膜2の一
定面積に対するインピーダンスの測定に基づいて行われ
るため、測定した電流値に測定用電極10の周辺の漏れ
電流が含まれれば、測定しても無意味なことになり、正
確な塗膜劣化の診断を行うことができなくなってしま
う。
【0008】そこで、本出願人は、先の出願(特願平5
−41029号)にて、測定用電極10の周囲を囲むよ
うにガード電極を配置し、そのガード電極の電位を測定
用電極10の電位と同一に保つことにより、漏れ電流を
防止するようにした塗膜インピーダンス測定装置を提案
している。このものでは、液体中での塗膜インピーダン
スの測定に極めて有効となるが、測定精度をより一層向
上させる観点からは、改善すべき点もいくつか残されて
いる。
【0009】即ち、ガード電極の材質は、非鉄金属が好
ましいが、塗膜表面との密着性の向上のためには、導電
性ゴムや導電性スポンジ等の弾性を有する材質を使用す
る、あるいは、リング幅を広くしてガード効果の及ぶ範
囲を広げることが考えられる。ところが、導電性弾性体
では、固有抵抗がかなり高くなり、ガード電極の電位が
全体に均一にならない虞があり、また、固有抵抗の小さ
い金属でも、リング幅が広くなるとやはりガード電極の
電位が全体に均一にならない虞があった。
【0010】そして、液体中に配置されるプローブ8と
液外に位置される測定装置本体との間を、長いリード線
で接続しなければならない場合があるが、このとき、リ
ード線から測定信号が漏れ、測定誤差となることが考え
られる。
【0011】また、金属電極が液体中に浸されると、電
極の材質によって異なる固有の電位を呈することが知ら
れており、測定用電極10とガード電極とを異なる材質
にて構成した場合、両電極間に電位差が生じ、ガード電
極による漏れ電流の阻止ができなくなる虞がある。その
対策としては、ガード回路に直流補償回路を挿設し、直
流成分を相殺する方法があるが、直流補償回路における
印加電圧値の調整が難しく、さらには、回路が複雑とな
る不具合があった。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、液体中に浸っている機器の塗膜インピ
ーダンスの測定を可能とし、しかも測定精度の一層の向
上を図ることができる塗膜インピーダンス測定装置を提
供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の塗膜イン
ピーダンス測定装置は、塗膜の表面に接触される測定用
電極を有するプローブと、前記測定用電極と前記塗膜の
下地金属との間に所定波形の測定電圧を印加する電圧印
加手段と、前記塗膜を通じて前記測定用電極に流れる電
流を測定する電流測定手段とを具備し、前記プローブに
前記測定用電極の周囲を囲むようにして前記塗膜に接触
されるリング状のガード電極を設けると共に、このガー
ド電極の電位を前記測定電極の電位と同一に保つための
ガード回路を設けるようにしたものであって、前記ガー
ド回路を、前記ガード電極の周方向に等配された複数箇
所に接続するようにしたところに特徴を有する。
【0014】本発明の第2の塗膜インピーダンス測定装
置は、電圧印加手段及びガード回路を含んだ本体部とプ
ローブとの間を接続するリード線を、測定用電極への電
圧印加用の導線を中心導体とし、ガード電極への電圧印
加用の導線を外周導体とした同軸リード線から構成した
ところに特徴を有する。
【0015】本発明の第3の塗膜インピーダンス測定装
置は、ガード回路を、電圧印加手段の測定電圧出力源か
ら測定用電極に至る通電路とガード電極との間に、電圧
調整可能な電位差相殺用の直流補償回路を挿設して構成
すると共に、前記通電路の前記ガード回路の接続点より
も前記測定電圧出力源側に位置して接点を設けたところ
に特徴を有する。
【0016】本発明の第4の塗膜インピーダンス測定装
置は、ガード回路を、電圧印加手段の測定電圧出力源か
ら測定用電極に至る通電路とガード電極との間に、前記
通電路との電気的絶縁状態で測定電圧信号を増幅して該
ガード電極に供給するバッファを挿設して構成したとこ
ろに特徴を有する。
【0017】
【作用】本発明の第1の塗膜インピーダンス測定装置に
よれば、プローブにより塗膜の表面に測定用電極を接触
させた状態で、電圧印加手段により塗膜とその下地金属
との間に所定波形の測定電圧が印加され、電流測定手段
により測定用電極に流れる電流が測定され、以て、塗膜
インピーダンスが測定される。このとき、測定用電極の
周囲を取囲むようにガード電極が設けられ、そのガード
電極の電位はガード回路により測定用電極の電位と同一
に保たれるので、液体中にて使用しても、測定用電極に
接している部分以外の漏れ電流が測定用電極に流れるこ
とがそのガード電極により阻止され、一定面積部分の塗
膜インピーダンスを正確に測定することができるように
なる。
【0018】そして、ガード回路がガード電極の周方向
に等配された複数箇所に接続されるようになるので、ガ
ード電極が固有抵抗の高い材質であったり、あるいは、
リング幅が広いような場合でも、ガード電極の電位の均
等化を図ることができる。
【0019】本発明の第2の塗膜インピーダンス測定装
置によれば、本体部とプローブとの間は、測定用電極へ
の電圧印加用の導線を中心導体とし、ガード電極への電
圧印加用の導線を外周導体とした同軸リード線により接
続されており、ここで、測定用電極とガード電極とは同
一電位であるので、外周導体のシールド効果により、中
心導体からの電流の漏れを防止することができる。
【0020】本発明の第3の塗膜インピーダンス測定装
置によれば、ガード回路に電位差相殺用の直流補償回路
を設けているので、相殺用の電圧調整を行う必要がある
が、通電路のガード回路の接続点よりも測定電圧出力源
側に位置して接点を設けたことにより、その接点を開い
た状態で、電流測定手段の出力が零となるように調整を
行えば良く、調整を容易に行うことができるようにな
る。
【0021】本発明の第4の塗膜インピーダンス測定装
置によれば、ガード回路は、通電路との電気的絶縁状態
で測定電圧信号を増幅してガード電極に供給するバッフ
ァを挿設して構成されているので、ガード電極と測定用
電極との間に電流が流れない状態でガード効果を得るこ
とができる。従って、ガード回路に直流補償回路が不要
となり簡単な構成で済ませることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例について説
明する。 (1)第1の実施例 まず、本発明の第1の実施例(請求項1に対応)につい
て、図1を参照して述べる。この図1は、本実施例に係
る塗膜インピーダンス測定装置21を概略的に示すもの
で、この塗膜インピーダンス測定装置21は、大きく分
けて、本体部22とこの本体部22に接続されるプロー
ブ23とから構成されている。
【0023】この塗膜インピーダンス測定装置21は、
下地金属24の表面に形成された塗膜25に、前記プロ
ーブ23を宛がい、そのプローブ23と前記下地金属2
4との間に所定波形の交流測定電圧を印加し、そのとき
に流れる電流から塗膜25のインピーダンスを測定する
ようになっている。なお、図示及び詳しい説明は省略す
るが、本実施例においては、前記本体部22は、マイコ
ン等を含んで構成され、塗膜25のインピーダンスを求
めると共に、その結果に基づいて、所定の解析手順によ
り塗膜25の劣化度を診断するように構成されている。
【0024】さて、前記プローブ23は、下面が開口す
る円筒容器状をなすプラスチック製の本体ケース26内
に、測定用電極27を収容して構成されている。この測
定用電極27は、一般にカーボンスポンジあるいは導電
性スポンジと称される導電性ウレタンフォーム(表面抵
抗1MΩ以下)からなり、本体ケース26内に密に収容
されている。
【0025】このとき、本体ケース26の内面には、錫
箔や白金等の分極性の小さい金属からなる導電被膜28
が、メッキや接着などの方法により設けられており、測
定用電極27は、この導電被膜28に密着すると共に、
球面凸状をなす下面が本体ケース26の下面開口部より
も若干下方に突出する形状とされている。これにて、プ
ローブ23が塗膜25に宛がわれることにより、測定用
電極27は、塗膜25表面の一定面積部分に密着状態に
接触するのである。
【0026】そして、前記本体ケース26の下部外周部
には、雄ねじ部26aが形成され、この雄ねじ部26a
に、例えば本体ケース26と同材質(アクリル樹脂)か
らなるリング部材29が螺合している。このリング部材
29の下面にはリング状の凹部29aが形成され、この
凹部29a内に例えばアルミニウム,銅等の金属材料よ
りなるリング状のガード電極30が設けられている。こ
れにて、前記リング部材29を本体ケース26に対して
螺進させることにより、ガード電極30が前記測定用電
極27を取囲むように塗膜25に接触されるようになっ
ている。また、この場合、ガード効果の向上のため、ガ
ード電極30はリング幅が広く構成されている。
【0027】一方、前記本体部22には、測定電圧出力
源31、プリアンプ32、ガード回路33等が設けられ
ている。このうち測定電圧出力源31は、前記プローブ
23(測定用電極27)と下地金属25との間に所定波
形の交流測定電圧を印加する電圧印加手段として機能
し、所定波形に生成,合成された交流電圧を出力するよ
うになっている。この場合、印加される電圧波形は、
0.1〜50Hz(0.1Hz間隔で500点)の周波
数を含み、パワースペクトルPが例えばP=1/fとな
るように合成されている。また、各周波数成分の位相は
ランダム化してあってピーク電圧を極力抑えるようにさ
れている。
【0028】この測定電圧出力源31の一方の通電路
は、前記プリアンプ32を介して前記測定用電極27の
導電被膜28に接続されている。前記プリアンプ32
は、塗膜25を通じて測定用電極27に流れる電流を検
出しその電流値に応じた電圧信号を増幅して出力するよ
うになっている。プリアンプ32の出力は、図示しない
検出回路に与えられ、それらにより電流測定手段が構成
されているのである。
【0029】さて、前記ガード回路33は、前記ガード
電極30の電位を前記測定用電極27の電位と同一に保
つために設けられるものであるが、本実施例では、前記
測定電圧出力源31の通電路と前記ガード電極30との
間に、直流補償回路を挿設して構成されている。この直
流補償回路は、直流電源34及び可変抵抗器35を備え
て構成され、例えば水中等の液体中で生ずる測定用電極
27とガード電極30との間の電位差をキャンセルする
ように、予め可変抵抗器35が調整されるようになって
いる。
【0030】そして、このガード回路33は、リード線
36により前記ガード電極30に接続されるのである
が、本実施例では、そのリード線36はプローブ23内
で二股状に分岐し、リング状のガード電極30の周方向
に等配された複数箇所、この場合対称をなす2箇所(1
80度間隔)に夫々接続されている。尚、この接続は、
120度間隔で3箇所,90度間隔で4箇所など数を増
すほど好ましい。
【0031】次に、上記構成の作用について述べる。こ
こで、塗膜25が設けられる機器は、大気中でなく液体
中例えば水中に配置されており、塗膜25は水中に浸っ
ている。前記塗膜25のインピーダンスを測定するにあ
たっては、プローブ23を塗膜25の表面に宛がって測
定用電極27の下面部を塗膜25に密着させると共に、
リング部材29を螺進させてガード電極30を塗膜25
に接触させるようにする。また、測定電圧出力源31の
他方の通電路は下地金属24に接続される。この状態
で、プローブ23と下地金属24との間に所定波形の電
圧が印加され、その時に塗膜25に流れる電流がプリア
ンプ32により検出される。
【0032】而して、この際、水中では、測定用電極2
7に接している所定面積の塗膜25に流れる電流以外に
も、測定用電極27の周辺部分の塗膜25に水を介して
流れる電流(漏れ電流)をも測定されてしまう虞があ
る。ところが、本実施例のプローブ23には、測定用電
極27の周囲を取囲むガード電極30が設けられてお
り、ガード回路33により、そのガード電極30の電位
が測定用電極27の電位と同一に保たれているので、漏
れ電流がガード電極30により阻止され、測定用電極2
7による一定面積の塗膜25に流れる電流値を測定する
ことができ、正確な塗膜インピーダンスの測定を実行す
ることができるのである。
【0033】そして、本実施例では、ガード効果の及ぶ
範囲を広げるために、ガード電極30のリング幅を広く
しているが、ガード回路33のリード線36を、ガード
電極30の周方向に等配された複数箇所に接続するよう
にしているので、ガード電極30の電位を全体に渡って
均等とすることができるのである。
【0034】従って、本実施例によれば、ガード電極3
0及びガード回路33を設けたことにより液体中に浸っ
ている機器の塗膜インピーダンスの測定が可能となり、
これと共に、ガード回路33のリード線36をガード電
極30の周方向に等配された複数箇所に接続するように
したので、ガード電極の電位が全体に均一にならない虞
があった従来のものと異なり、ガード電極30の電位を
全体に渡って均等とすることができ、この結果、塗膜イ
ンピーダンスの測定精度の一層の向上を図ることができ
るものである。
【0035】尚、上記実施例では、ガード電極30を固
有抵抗の小さい非鉄金属から構成したが、ガード電極を
導電性弾性体等の固有抵抗の高い材質のもので構成する
ようにした場合でも、ガード回路をガード電極の周方向
に等配された複数箇所に接続するようにすれば、同様の
作用,効果を得ることができる。また、液体中に浸って
いる機器に限らず、大気中に配置されている機器の塗膜
インピーダンスの測定を行い得ることは勿論である。
【0036】(2)第2の実施例 次に、本発明の第2の実施例(請求項2に対応)につい
て、図2を参照して述べる。本実施例に係る塗膜インピ
ーダンス測定装置41の特徴とするところは、本体部
(図示せず)とプローブ42との間を接続するリード線
43の構成にある。前記プローブ42に関しては、上記
第1の実施例のプローブ23とほぼ同等の構成のため詳
しい説明を省略するが、本体ケース26内に測定用電極
27を備えて構成されると共に、その本体ケース26の
外周部にガード電極30を有するリング部材29を備え
て構成されている。また、本体部に関しても同様に、測
定電圧出力源、プリアンプ、ガード回路等を備えて構成
されている。
【0037】さて、前記リード線43は、中心導体44
の周囲に絶縁層を介して外周導体(編み線)45を有し
さらにその外周に絶縁被覆を施した同軸リード線から構
成されている。そして、前記中心導体44は、導電被膜
28に接続されて測定用電極27への電圧印加用の導線
として機能し、外周導体45はガード電極30に接続さ
れてガード電極30への電圧印加用の導線として機能す
るのである。この場合にも、外周導体45はガード電極
30の2箇所に接続されている。
【0038】而して、測定用電極に電圧を印加するため
のリード線が水中に長い距離にわたって配置されると、
リード線から測定信号が水中に漏れることがある。これ
は、水が導電性を有するため、リード線と水との対向面
積が実質的に大きくなり、静電容量的に電流が移行する
ことに起因するものであり、この測定信号の漏れが大き
くなると、測定誤差が生ずる虞がある。
【0039】ところが、本実施例においては、本体部と
プローブ42とを接続するリード線43を、測定用電極
27への電圧印加用の導線を中心導体44とし、ガード
電極30への電圧印加用の導線を外周導体45とした同
軸リード線から構成しており、ここで、測定用電極27
とガード電極30とは同一電位に保たれるので、外周導
体45のシールド効果により、中心導体44からの電流
の漏れを防止することができるのである。
【0040】従って、本実施例によれば、上記第1の実
施例と同様に、ガード電極30及びガード回路を設けた
ことにより液体中に浸っている機器の塗膜インピーダン
スの測定を可能とし、これに加え、リード線43からの
測定信号の漏れを防止することができて測定精度の一層
の向上を図ることができるという効果を得ることができ
る。
【0041】(3)第3の実施例 次に、本発明の第3の実施例(請求項3に対応)につい
て、図3を参照して説明する。本実施例に係る塗膜イン
ピーダンス測定装置51は、上記第1の実施例と同様
に、測定電圧出力源31,プリアンプ32,直流補償回
路からなるガード回路33等を有する本体部22と、測
定用電極27及びガード電極30を有するプローブ23
とを備えて構成されている。
【0042】そして、本実施例では、測定電圧出力源3
1から測定用電極27に至る通電路に、ガード回路33
の接続点52よりも測定電圧出力源31側に位置して、
リレーからなる接点53が挿設されているのである。
【0043】ところで、例えば水中等の液体中で生ずる
測定用電極27とガード電極30との間の電位差をキャ
ンセルするために、直流補償回路からなるガード回路3
3が設けられているのであるが、その電位差は、下地金
属24の形状や、液の成分,PH等により変化する。従
って、確実に電位差をキャンセルするために、予めガー
ド回路33の可変抵抗器35を調整しておくことが必要
となる。従来では、この調整の作業が面倒であり、ま
た、電位差が確実にキャンセルされているかどうかをモ
ニタする必要があった。
【0044】ところが、本実施例においては、次のよう
に容易に可変抵抗器35の調整を行うことができるので
ある。即ち、塗膜インピーダンスを測定する前に、プロ
ーブ23を液体中に配置した状態で、接点53を開き、
プリアンプ32の出力を読取る。ここで、測定用電極2
7,プリアンプ32,ガード回路33,ガード電極30
は順に直列に接続された形態となっているので、測定用
電極27とガード電極30との間の電位差がガード回路
33により完全にキャンセルされていない場合には、プ
リアンプ32に直流電流が流れることになる。この直流
電流が、誤差となる成分である。
【0045】従って、このように接点53を開いた状態
で、プリアンプ32の出力を見ながらその出力が零とな
るように、ガード回路33の可変抵抗器35を調整して
おけば、調整作業を簡単に済ませながらも、電位差を確
実にキャンセルすることができ、また、モニタの必要も
なくなるのである。尚、塗膜インピーダンスの測定時に
は、接点53が閉じられることは勿論である。
【0046】このように本実施例によれば、やはりガー
ド電極30及びガード回路33を設けたことにより液体
中に浸っている機器の塗膜インピーダンスの測定を可能
とすると共に、ガード回路33の調整作業を容易としな
がらも測定用電極27とガード電極30との間の電位差
を確実にキャンセルすることができ、測定精度のより一
層の向上を図ることができるものである。
【0047】(4)第4の実施例 最後に、本発明の第4の実施例(請求項4に対応)につ
いて、図4を参照して述べる。本実施例に係る塗膜イン
ピーダンス測定装置61の特徴とするところは、ガード
電極30の電位を測定用電極27の電位と同一に保つた
めのガード回路を、上記第1の実施例等の直流補償回路
に代えて、測定用電源27の通電路とガード電極30と
の間にバッファ62を挿設して構成した点にある。この
バッファ62は、前記通電路との電気的絶縁状態で測定
電圧信号を増幅してガード電極30に供給するように構
成されている。
【0048】このような構成によれば、測定用電極27
とガード電極30との間に電位差が生じても、両者間が
絶縁されていることにより、その電位差に起因する直流
電流がプリアンプ32に流れることはなく、また、バッ
ファ62によりガード電極30には、測定用電極27と
同位相,同振幅の測定電圧信号が与えられるので、十分
なガード効果を得ることができる。
【0049】従って、本実施例によれば、液体中に浸っ
ている機器の塗膜インピーダンスの測定を可能とすると
共に、直流補償回路を設けていたものに比べてガード回
路の構成を簡単に済ませながらも、測定精度のより一層
の向上を図ることができるものである。
【0050】尚、本発明は上記した各実施例に限定され
るものではなく、例えば第1の実施例のガード回路33
をバッファ62に代えるなど、各実施例の特徴部分を組
合わせた構成としても良いなど、要旨を逸脱しない範囲
内で適宜変更して実施し得るものである。
【0051】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
によれば次のような優れた効果を得ることができる。即
ち、請求項1の塗膜インピーダンス測定装置によれば、
プローブに測定用電極の周囲を囲むようにしてリング状
のガード電極を設けると共に、このガード電極の電位を
測定電極の電位と同一に保つためのガード回路を設け、
そのガード回路をガード電極の周方向に等配された複数
箇所に接続するようにしたので、液体中に浸っている機
器の塗膜インピーダンスの測定を可能とし、さらに、ガ
ード電極が固有抵抗の高い材質であったり、あるいは、
リング幅が広いような場合でも、ガード電極の電位の均
等化を図ることができ、以て、測定精度の一層の向上を
図ることができるものである。
【0052】請求項2の塗膜インピーダンス測定装置に
よれば、本体部とプローブとの間を接続するリード線
を、測定用電極への電圧印加用の導線を中心導体とし、
ガード電極への電圧印加用の導線を外周導体とした同軸
リード線から構成したので、液体中に浸っている機器の
塗膜インピーダンスの測定を可能とすると共に、外周導
体のシールド効果によりリード線からの測定信号の漏れ
を防止することができて測定精度の一層の向上を図るこ
とができるものである。
【0053】請求項3の塗膜インピーダンス測定装置に
よれば、電圧印加手段の測定電圧出力源から測定用電極
に至る通電路に、直流補償回路を備えるガード回路の接
続点よりも測定電圧出力源側に位置して接点を設けたの
で、液体中に浸っている機器の塗膜インピーダンスの測
定を可能とすると共に、ガード回路の調整作業を容易と
しながらも測定用電極とガード電極との間の電位差を確
実にキャンセルすることができ、測定精度のより一層の
向上を図ることができるものである。
【0054】請求項4の塗膜インピーダンス測定装置に
よれば、ガード回路を、通電路との電気的絶縁状態で測
定電圧信号を増幅してガード電極に供給するバッファを
挿設して構成したので、液体中に浸っている機器の塗膜
インピーダンスの測定を可能とすると共に、ガード電極
と測定用電極との間に電流が流れない状態でガード効果
を得ることができることにより、直流補償回路を設けて
いたものに比べてガード回路の構成を簡単に済ませなが
らも、測定精度のより一層の向上を図ることができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、全体構成
を概略的に示す図
【図2】本発明の第2の実施例を示すもので、プローブ
部分の縦断正面図
【図3】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図4】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図5】従来例を示す図1相当図
【図6】他の従来例を示す図2相当図
【符号の説明】
図面中、21,41,51,61は塗膜インピーダンス
測定装置、22は本体部、23,42はプローブ、24
は下地金属、25は塗膜、26は本体ケース、27は測
定用電極、30はガード電極、31は測定電圧出力源、
32はプリアンプ、33はガード回路、34は直流電
源、35は可変抵抗器、36はリード線、43はリード
線、44は中心導体、45は外周導体、52は接続点、
53は接点、62はバッファを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成瀬 佳宏 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜の表面に接触される測定用電極を有
    するプローブと、前記測定用電極と前記塗膜の下地金属
    との間に所定波形の測定電圧を印加する電圧印加手段
    と、前記塗膜を通じて前記測定用電極に流れる電流を測
    定する電流測定手段とを具備し、 前記プローブに前記測定用電極の周囲を囲むようにして
    前記塗膜に接触されるリング状のガード電極を設けると
    共に、このガード電極の電位を前記測定電極の電位と同
    一に保つためのガード回路を設けるようにしたものであ
    って、 前記ガード回路を、前記ガード電極の周方向に等配され
    た複数箇所に接続するようにしたことを特徴とする塗膜
    インピーダンス測定装置。
  2. 【請求項2】 塗膜の表面に接触される測定用電極を有
    するプローブと、前記測定用電極と前記塗膜の下地金属
    との間に所定波形の測定電圧を印加する電圧印加手段
    と、前記塗膜を通じて前記測定用電極に流れる電流を測
    定する電流測定手段とを具備し、 前記プローブに前記測定用電極の周囲を囲むようにして
    前記塗膜に接触されるリング状のガード電極を設けると
    共に、このガード電極の電位を前記測定電極の電位と同
    一に保つためのガード回路を設けるようにしたものであ
    って、 前記電圧印加手段及びガード回路を含んだ本体部と前記
    プローブとの間を接続するリード線を、前記測定用電極
    への電圧印加用の導線を中心導体とし、前記ガード電極
    への電圧印加用の導線を外周導体とした同軸リード線か
    ら構成したことを特徴とする塗膜インピーダンス測定装
    置。
  3. 【請求項3】 塗膜の表面に接触される測定用電極を有
    するプローブと、前記測定用電極と前記塗膜の下地金属
    との間に所定波形の測定電圧を印加する電圧印加手段
    と、前記塗膜を通じて前記測定用電極に流れる電流を測
    定する電流測定手段とを具備し、 前記プローブに前記測定用電極の周囲を囲むようにして
    前記塗膜に接触されるリング状のガード電極を設けると
    共に、このガード電極の電位を前記測定電極の電位と同
    一に保つためのガード回路を設けるようにしたものであ
    って、 前記ガード回路を、前記電圧印加手段の測定電圧出力源
    から前記測定用電極に至る通電路と前記ガード電極との
    間に、電圧調整可能な電位差相殺用の直流補償回路を挿
    設して構成すると共に、前記通電路の前記ガード回路の
    接続点よりも前記測定電圧出力源側に位置して接点を設
    けたことを特徴とする塗膜インピーダンス測定装置。
  4. 【請求項4】 塗膜の表面に接触される測定用電極を有
    するプローブと、前記測定用電極と前記塗膜の下地金属
    との間に所定波形の測定電圧を印加する電圧印加手段
    と、前記塗膜を通じて前記測定用電極に流れる電流を測
    定する電流測定手段とを具備し、 前記プローブに前記測定用電極の周囲を囲むようにして
    前記塗膜に接触されるリング状のガード電極を設けると
    共に、このガード電極の電位を前記測定電極の電位と同
    一に保つためのガード回路を設けるようにしたものであ
    って、 前記ガード回路を、前記電圧印加手段の測定電圧出力源
    から前記測定用電極に至る通電路と前記ガード電極との
    間に、前記通電路との電気的絶縁状態で測定電圧信号を
    増幅して該ガード電極に供給するバッファを挿設して構
    成したことを特徴とする塗膜インピーダンス測定装置。
JP27724693A 1993-11-08 1993-11-08 塗膜インピーダンス測定装置 Pending JPH07128266A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016217822A (ja) * 2015-05-19 2016-12-22 日鉄住金防蝕株式会社 現場作業性が良好な実構造物用のイオン透過抵抗測定装置およびそれを用いたイオン透過抵抗測定方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016217822A (ja) * 2015-05-19 2016-12-22 日鉄住金防蝕株式会社 現場作業性が良好な実構造物用のイオン透過抵抗測定装置およびそれを用いたイオン透過抵抗測定方法

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