JP2020063989A - 腐食センサ - Google Patents

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伊藤 実
Minoru Ito
実 伊藤
充 澤村
Mitsuru Sawamura
充 澤村
妃奈 佐藤
Hina Sato
妃奈 佐藤
健太郎 笠原
Kentaro Kasahara
健太郎 笠原
祐作 安村
Yusaku Yasumura
祐作 安村
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Abstract

【課題】測定対象の金属の耐食性をより正確に測定できる腐食センサを提供する。【解決手段】腐食センサ10は、基材11と、基材11の上に配置され、測定環境に暴露される面を有する計測金属12と、基材11の上に配置された参照金属13と、参照金属13を覆う被覆部材14と、を備える。基材11は、無機化合物を高分子化合物に分散させた複合材料である。【選択図】図1

Description

本発明は、腐食センサに関し、より詳しくは、電気抵抗に基づいて金属の腐食量を計測する腐食モニタリング装置に用いられる腐食センサに関する。
鋼材の寿命推定や耐食鋼材の研究開発におけるニーズを背景として、鋼材の腐食モニタリング技術の開発が進められている。腐食モニタリングの手法の一つとして、板厚減少に伴う電気抵抗の増加に基づいて腐食量を測定する方法が知られている。
特開2016−197102号公報には、腐食センサの設計方法が開示されている。この腐食センサは、任意の環境に暴露されるセンサ部と、この任意の環境から遮断される参照部とを備える。同公報には、測定期間、測定間隔、平均気温、及び海塩粒子量に基づいて、センサ部の適切な厚さを設定する腐食センサの設計方法が開示されている。
特開2017−3376号公報には、任意の環境に暴露されるセンサ部と、この任意の環境から遮断される参照部とを備え、センサ部と参照部とが絶縁体を介して積層された腐食センサが開示されている。
特開2016−197102号公報 特開2017−3376号公報
上記文献に開示されるように、腐食センサは、測定環境に暴露される計測金属(センサ部)と、測定環境から遮断して腐食されないようにした参照金属(参照部)とを備える。この構成によれば、参照金属の電気抵抗を用いて計測金属の電気抵抗を補正することで、温度による比抵抗の変化の影響を補償することができる。
腐食センサでは、参照金属を測定環境から遮断するために(参照金属が腐食しないように)、参照金属を防食性塗料等で被覆する。この被覆によって、参照金属と計測金属との温度差が大きくなり、正確な温度補償ができなくなる場合がある。
本発明の目的は、測定対象の金属の耐食性をより正確に測定できる腐食センサを提供することである。
本発明の一実施形態による腐食センサは、基材と、前記基材の上に配置され、測定環境に暴露される面を有する計測金属と、前記基材の上に配置された参照金属と、前記参照金属を覆う被覆部材と、を備える。前記基材は、無機化合物を高分子化合物に分散させた複合材料である。
本発明の一実施形態による腐食センサは、基材と、前記基材の上に配置され、測定環境に暴露される面を有する計測金属と、前記基材の上に配置された参照金属と、前記参照金属を覆う被覆部材と、を備える。前記基材は、無機化合物の焼結体であり、前記基材の熱容量は、前記計測金属の熱容量及び前記参照金属の熱容量の合計の100倍以上である。
本発明によれば、測定対象の金属の耐食性をより正確に測定できる腐食センサが得られる。
図1は、本発明の第1の実施形態による腐食センサを含む、腐食モニタリング装置の全体の構成を模式的に示す図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、本発明の第1の実施形態による腐食センサの変形例の構成を模式的に示す図である。 図4は、本発明の第2の実施形態による腐食センサの構成を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の第3の実施形態による腐食センサの構成を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の第4の実施形態による腐食センサの構成を模式的に示す断面図である。 図7は、効果確認実験で用いた試験片の模式図である。 図8は、ステンレス製の基板を用いた場合、及び塩化ビニル製の基板を用いた場合における、被覆部と非被覆部との温度差の時間変化を示すグラフである。
本発明者らは、計測金属と参照金属との温度差を小さくする方法を検討した。温度差を小さくする方法として、参照金属を被覆する被覆部材の熱伝導率を高くしたり、被覆部材の厚さを薄くしたりすることが考えられるが、これらの方法によって温度差を小さくすることには限界がある。
種々の検討の結果、計測金属及び参照金属の両方と接している基材の熱伝導率を高くすることで、計測金属と参照金属との温度差を小さくできることを見出した。一方、計測金属と参照金属とは、電気的に絶縁されている必要がある。本発明者らは、高い熱伝導性と電気絶縁性とを有する材料として、無機化合物を高分子化合物に分散させた複合材料又は無機化合物の焼結体が好適であることを見出し、本発明を完成させた。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[第1の実施形態]
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態による腐食センサ10の構成を説明する。図1は、腐食センサ10を含む、腐食モニタリング装置1の全体の構成を模式的に示す図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。腐食モニタリング装置1は、腐食センサ10に加えて、抵抗測定器20及び記録装置30を備えている。
腐食センサ10は、基材11、計測金属12、参照金属13及び被覆部材14を備えている。計測金属12及び参照金属13は、基材11の上に形成されている。被覆部材14は、計測金属12の一部及び参照金属13の全部を覆って形成されている。
基材11は、無機化合物を高分子化合物に分散させた複合材料である。
基材11のフィラーとなる無機化合物は、熱伝導率が高く、かつ電気絶縁性の高い材料であることが好ましい。フィラーとなる無機化合物は、これに限定されないが、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。なかでも窒化アルミニウムが特に好適である。
基材11のマトリクスとなる高分子化合物は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、架橋ゴム等が挙げられる。なかでもエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、及びシリコーンゴムが特に好適である。
基材11は例えば、上述した無機化合物の粉末を高分子化合物に練り込んだ後、成型、硬化、又は架橋することで製造することができる。基材11の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1〜10mmである。
基材11は、熱伝導性が高く、かつ電気絶縁性が高いことが好ましい。基材11の熱伝導率は、好ましくは1W/(m・K)以上であり、より好ましくは2W/(m・K)以上であり、さらに好ましくは5W/(m・K)以上である。基材11の体積抵抗率は、好ましくは10Ω/cm以上であり、より好ましくは10Ω/cm以上であり、さらに好ましくは10Ω/cm以上である。なお、基材11の熱伝導率と電気抵抗率は、高分子化合物の種類、無機化合物の種類や充填率、配向によって調整することができる。
計測金属12は、評価対象となる金属からなる。計測金属12は、平面視でU字型の形状を有している。計測金属12の初期の厚さは、金属の種類や環境、測定の目的によって異なるので一概にはいえないが、例えば0.01〜10mmであり、好ましくは0.02〜1.0mmである。計測金属12の初期の厚さは、計測金属12の全体にわたって均一であることが好ましい。
計測金属12は、端子12a及び12bを有しており、配線21a及び22aを介して抵抗測定器20に電気的に接続される。計測金属12の端子12a及び12bの近傍は、腐食によって配線21a及び22aが断線するのを防止するため、被覆部材14によって被覆されている。
計測金属12は、測定環境に暴露される面を有している。具体的には、計測金属12の上面及び側面(より正確には、側面のうち被覆部材14と接する部分以外の部分)が測定環境に露出している。
参照金属13は、計測金属12と同じ種類の金属からなる。参照金属13は、平面視でU字型の形状を有している。参照金属13は、計測金属12と同一の寸法であることが好ましい。参照金属13は、計測金属12と同様に、端子13a及び13bを有しており、配線21a及び23aを介して抵抗測定器20に電気的に接続される。
参照金属13は、全面が被覆部材14で覆われている。参照金属13は、計測金属12と異なり、測定環境に暴露される面を有していない。
計測金属12の端子12bと参照金属13の端子13aとは、電気的に接続されている。すなわち、計測金属12と参照金属13とは、直列に接続されている。端子12bと端子13aとを電気的に接続する方法は、これに限定されないが、両端子に半田や溶接で配線を接続する方法、両端子を導電性テープで接続する方法等が挙げられる。
被覆部材14は、計測金属12の端子12a及び12bの近傍、並びに参照金属13を腐食から保護する。被覆部材14は、例えば防食性の塗料である。
被覆部材14は、基材11と同様に、熱伝導性が高く、かつ電気絶縁性が高いことが好ましい。そのため、被覆部材14として、基材11と同様に、無機化合物を高分子化合物に分散させた複合材料を用いてもよい。
抵抗測定器20は、定電流電源21、並びに電圧計22及び23を備えている。
定電流電源21は、配線21aを介して計測金属12の端子12a及び参照金属13の端子13bに電気的に接続される。上述のとおり、計測金属12と参照金属13とは直列に接続されている。そのため、計測金属12及び参照金属13には、同じ大きさの電流Iが流れる。
電圧計22は、配線22aを介して計測金属12の端子12a及び12bに電気的に接続され、端子12aと端子12bとの間の電圧V1を測定する。電圧V1を電流Iで除すことで、計測金属12の電気抵抗Rmeaを求めることができる。
同様に、電圧計23は、配線23aを介して参照金属13の端子13a及び13bに電気的に接続され、端子13aと端子13bとの間の電圧V2を測定する。電圧V2を電流Iで除すことで、比較金属13の電気抵抗Rrefを求めることができる。
本実施形態では、後述するように、電気抵抗Rmea及びRrefから計測金属12の残存板厚を求める。残存板厚を正確に求めるためには、電気抵抗Rmea及びRrefをできるだけ正確に計測することが好ましい。特に、腐食モニタリング装置1は、直射日光や放射熱の影響を受ける屋外での使用を念頭に置いていることから、装置各部の温度差に起因する熱起電力や、外部電磁場により生じる誘導起電力が計測ノイズとして電気抵抗Rmea及びRrefの計測に大きく影響する。特に、直射日光など放射熱で加熱される場合、日光の当たり方や計測金属12の腐食状態によっては、端子12aと端子12bとの間、及び、端子13aと13bとの間に温度差が生じやすくなる。この温度差による熱起電力は、ノイズとなって電気抵抗Rmea及びRrefの正確な計測の大きな妨げとなる。
以上のことから、電気抵抗Rmea及びRrefを正確に計測するために、計測金属12及び参照金属13と配線21a、22a及び23aとの接続部分の熱起電力による計測ノイズを除去する対策を施すことが好ましい。熱起電力の影響を軽減するための具体的なノイズ対策法としては、(1)大きな測定電流で検出電圧を上げる、(2)測定電流のオフ時の電圧分をオン時の電圧から差し引いた値を電圧として計測する、(3)測定電流の極性を反転し、それぞれの場合の電圧の絶対値の平均値を電圧として計測する、(4)検出信号を交流(表皮効果を考慮し、100kHz以下の低周波域とすることが好ましい)にする、等が考えられる。
さらに、配線21a、22a及び23aとして、同軸ケーブル又は撚り線を採用することが好ましい。これにより、配線21a、22a及び23aによる外部電磁場が抵抗計測に与える影響を低減し、誘導起電力による計測ノイズを除去することができる。
上述した抵抗測定器20の構成は例示である。腐食モニタリング装置1は、抵抗測定器20に代えて、他の構成によって計測金属12及び参照金属13の電気抵抗を計測する抵抗測定器を備えていてもよい。抵抗測定器は例えば、計測金属12及び参照金属13に一定電圧を印加し、電流値から抵抗を計測するものであってもよい。
記録装置30は、抵抗測定器20によって計測された電気抵抗Rmea及びRrefを記録する。記録装置30の記録方式は、ディジタル方式又はアナログ方式の何れでもよい。
計測金属12の電気抵抗Rmeaに加えて参照金属13の電気抵抗Rrefを記録しておくことで、環境の温度変化の影響を補償することができる。具体的には、参照金属13の初期の厚さをd、計測金属12の初期の電気抵抗をRmea_init、参照金属13の初期の電気抵抗をRref_initとしたとき、計測金属の板厚減少量Δdは、下記の式から求めることができる。
Figure 2020063989
[腐食センサ10の効果]
参照金属13は、被覆部材14で覆われているため、計測金属12との温度差が大きくなる場合がある。そのため、特に温度変化の激しい環境においては、正確な温度補償が行えず、測定対象となる金属の耐食性を正確に評価できない場合がある。
本実施形態では、基材11は、無機化合物を高分子化合物に分散させた複合材料である。基材11は、電子部品に用いられる一般的なガラスエポキシ基板(熱伝導率が0.38W/(m・K)程度)と比較して、熱伝導率が高い。
基材11は、計測金属12と参照金属13との両方と接している。この構成によれば、基材11を介して計測金属12と参照金属13との間を熱が移動するため、計測金属12と参照金属13との温度差を小さくすることができる。そのため、より正確な温度補償をすることができ、測定対象となる金属の耐食性をより正確に評価することができる。
[腐食センサ10の変形例]
図3は、腐食センサ10の変形例である腐食センサ10Aの構成を模式的に示す図である。腐食センサ10Aは、腐食センサ10(図1)の計測金属12及び参照金属13に代えて、計測金属12A及び参照金属13Aを備えている。計測金属12A及び参照金属13Aは、計測金属12及び参照金属13と比較して平面形状が異なっている。
計測金属及び参照金属は、幅(電流が流れる方向及び厚さ方向と垂直な方向の寸法)が狭いほど、あるいは長さ(電流が流れる方向に沿った寸法)が長いほど、測定精度を高くすることができる。すなわち、計測金属及び参照金属が細長い形状であるほど、測定精度が高くなる。そのため、計測金属及び参照金属を計測金属12A及び参照金属13Aのように長尺状(メアンダリング状)の形状とすることで、設置面積当たりの計測金属及び参照金属の長さを長くすることができ、測定精度を高くすることができる。
図1及び図3に示した計測金属及び参照金属の形状は例示であって、計測金属及び参照金属は任意の形状であってよい。計測金属及び参照金属は、例えば直線形状であってもよい。
以上、本発明の第1の実施形態による腐食センサ10及びその変形例、並びに腐食センサ10を含む腐食モニタリング装置1の構成を説明した。本実施形態によれば、測定対象の金属の耐食性をより正確に測定することができる。
上記の実施形態では、計測金属12と参照金属13とが同じ種類の金属であるとして説明した。計測金属12と参照金属13とは、同じ種類の金属であることが好ましいが、比抵抗の温度依存性に大きな差がなければ、異なる種類の金属であってもよい。
上記の実施形態では、計測金属12の端子12a及び12bが被覆部材14で覆われている構成を示したが、端子12a及び12bは被覆部材14とは別の被覆部材で覆われていてもよい。端子12a及び12bは例えば、絶縁テープで覆われていてもよい。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態による腐食センサ40の構成を模式的に示す断面図である。腐食センサ40は、腐食センサ10(図2)の基材11に代えて、シート状の基材41を備えている。基材41も、基材11と同様に、無機化合物を高分子化合物に分散させた複合材料からなる。腐食センサ40は、構造物Sに取り付けて使用される。
基材11の厚さは、薄い方が好ましい。基材11の厚さは、好ましくは0.5mm以下であり、さらに好ましくは0.2mm以下である。腐食センサ40は上述のとおり、構造物Sに取り付けて使用される。そのため基材41は、自立可能な剛性を持っていなくてもい。
本実施形態によれば、基材41及び構造物Sを介して、計測金属12と参照金属13との間を熱が移動する。構造物Sとして熱伝導率の高いものを選ぶことで、計測金属12と参照金属13との温度差を小さくすることができる。計測金属12と参照金属13とは基材41によって電気的に絶縁されているため、構造物Sは、導電体(例えば金属)であってもよい。
基材41と構造部Sとが密着しているほど、接触熱抵抗が小さくなる。構造物Sとの密着性が高めるため、基材41は、柔軟性のある材料であることが好ましい。その観点では、基材41のマトリクスとなる高分子化合物は、軟質の樹脂やエラストマーが好ましい。
本実施形態によっても、より正確な温度補償をすることができ、測定対象となる金属の耐食性をより正確に評価することができる。
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態による腐食センサ50の構成を模式的に示す断面図である。腐食センサ50は、腐食センサ40(図4)の構成に加えて、金属製の基板51をさらに備えている。
基板51は、熱伝導率の高い金属であることが好ましい。基板51は例えば、炭素鋼(熱伝導率53W/(m・K))、アルミニウム(同204W/(m・K))、銅(同372W/(m・K))等である。
基板51は、その熱容量が、計測金属12の熱容量及び参照金属13の熱容量の合計の100倍以上であることが好ましい。基板51の熱容量を大きくすることで、環境の温度変化の影響を受けにくくすることができる。基板51の熱容量は、好ましくは計測金属12の熱容量及び参照金属13の熱容量の合計の200倍以上であり、さらに好ましくは300倍以上である。
基板51の厚さは、好ましくは計測金属12の厚さの3倍以上であり、より好ましくは10倍以上であり、さらに好ましくは20倍以上である。
本実施形態によれば、基材41及び基板51を介して、計測金属12と参照金属13との間を熱が移動する。これによって、計測金属12と参照金属13との温度差を小さくすることができる。そのため、本実施形態によっても、より正確な温度補償をすることができ、測定対象となる金属の耐食性をより正確に評価することができる。
[第4の実施形態]
図6は、本発明の第4の実施形態による腐食センサ60の構成を模式的に示す断面図である。腐食センサ60は、腐食センサ10(図2)の基材11に代えて、基材61を備えている。
基材61は、無機化合物の焼結体である。基材61を構成する無機化合物は、基材11のフィラーと同様、熱伝導率が高く、かつ電気絶縁性の高い材料であることが好ましい。基材61を構成する無機化合物は、これに限定されないが、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。窒化アルミニウムが特に好適である。
基材61は、その熱容量が、計測金属12の熱容量及び参照金属13の熱容量の合計の100倍以上である。基材61の熱容量を大きくすることで、環境の温度変化の影響を受けにくくすることができる。基材61の熱容量は、好ましくは計測金属12の熱容量及び参照金属13の熱容量の合計の200倍以上であり、さらに好ましくは300倍以上である。
基板61の厚さは、好ましくは計測金属12の厚さの3倍以上であり、より好ましくは10倍以上であり、さらに好ましくは20倍以上である。
本実施形態によれば、基材61を介して、計測金属12と参照金属13との間を熱が移動する。これによって、計測金属12と参照金属13との温度差を小さくすることができる。そのため、本実施形態によっても、より正確な温度補償をすることができ、測定対象となる金属の耐食性をより正確に評価することができる。
[効果確認実験]
基材の熱伝導率を高くすることで計測金属と参照金属との間の温度差を小さくできることを確認するため、以下のような実験を行った。
図7は、効果確認実験に使用した試験片の模式図である。長さ150mm、幅100mm、厚さ3mmの基材bmの上に、計測金属及び参照金属を模擬した各々長さ50mm、幅10mm、厚さ200μmの鋼板dmy1及びdmy2を配置し、両端を絶縁テープtpで固定した。鋼板dmy1及びdmy2の各々の長さ方向の中央に、シート状の熱電対Tcを取り付けた。参照金属を模擬した鋼板dmy2には、被覆部材を模擬して、鋼板dmy2の全面を覆って絶縁テープttを貼り付けた。
基材bmがステンレス鋼(熱伝導率:約22W/(m・K))製のものと塩化ビニル(熱伝導率:約0.16W/(m・K))製のものとの2種類を準備し、これらを実験室の窓側に配置して温度変化を測定した。
結果を図8に示す。図8に示すように、熱伝導率が高いステンレス鋼を基材とした方が、塩化ビニルを基材とした場合と比較して、被覆部と非被覆部との温度差を小さくできることを確認した。この結果から、基材の熱伝導率を高くすることで計測金属と参照金属との間の温度差を小さくできることを確認した。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示にすぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 腐食モニタリング装置
10,40,50,60 腐食センサ
11,41,61 基材
51 基板
12 計測金属
13 参照金属
14 被覆部材
20 抵抗測定器
21 定電流電源
22,23 電圧計
30 記録装置

Claims (5)

  1. 基材と、
    前記基材の上に配置され、測定環境に暴露される面を有する計測金属と、
    前記基材の上に配置された参照金属と、
    前記参照金属を覆う被覆部材と、を備え、
    前記基材は、無機化合物を高分子化合物に分散させた複合材料である、腐食センサ。
  2. 請求項1に記載の腐食センサであって、
    前記基材は、シート状である、腐食センサ。
  3. 請求項2に記載の腐食センサであって、
    前記基材に接して配置された金属製の基板をさらに備える、腐食センサ。
  4. 請求項3に記載の腐食センサであって、
    前記基板の熱容量は、前記計測金属の熱容量及び前記参照金属の熱容量の合計の100倍以上である、腐食センサ。
  5. 基材と、
    前記基材の上に配置され、測定環境に暴露される面を有する計測金属と、
    前記基材の上に配置された参照金属と、
    前記参照金属を覆う被覆部材と、を備え、
    前記基材は、無機化合物の焼結体であり、
    前記基材の熱容量は、前記計測金属の熱容量及び前記参照金属の熱容量の合計の100倍以上である、腐食センサ。
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