JP2021025862A - 腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置 - Google Patents

腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021025862A
JP2021025862A JP2019143280A JP2019143280A JP2021025862A JP 2021025862 A JP2021025862 A JP 2021025862A JP 2019143280 A JP2019143280 A JP 2019143280A JP 2019143280 A JP2019143280 A JP 2019143280A JP 2021025862 A JP2021025862 A JP 2021025862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
measurement
measuring
corrosion
corrosion monitoring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019143280A
Other languages
English (en)
Inventor
伊藤 実
Minoru Ito
実 伊藤
武司 堤
Takeshi Tsutsumi
武司 堤
靖弘 小島
Yasuhiro Kojima
靖弘 小島
薫 杉森
Kaoru Sugimori
薫 杉森
加藤 弘之
Hiroyuki Kato
弘之 加藤
健太郎 笠原
Kentaro Kasahara
健太郎 笠原
渉 後藤
Wataru Goto
渉 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2019143280A priority Critical patent/JP2021025862A/ja
Publication of JP2021025862A publication Critical patent/JP2021025862A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

【課題】測定対象の金属の耐食性をより正確に測定できる腐食モニタリング方法を提供する。【解決手段】腐食モニタリング方法は、測定環境に暴露される面を有する計測金属、及び前記測定環境から遮断された参照金属を含む腐食センサと、前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定器と、を用いた腐食モニタリング方法であって、前記計測金属及び前記参照金属に電流を流して、前記計測金属及び前記参照金属を加熱する加熱工程(ステップS1)と、前記加熱工程後、前記抵抗測定器によって前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定工程(ステップS2)と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置に関する。
鋼材の寿命推定や耐食鋼材の研究開発におけるニーズを背景として、鋼材の腐食モニタリング技術の開発が進められている。腐食モニタリングの手法の一つとして、板厚減少に伴う電気抵抗の増加に基づいて腐食量を測定する方法が知られている。
特開2016−197102号公報には、腐食センサの設計方法が開示されている。この腐食センサは、任意の環境に暴露されるセンサ部と、この任意の環境から遮断される参照部とを備える。同公報には、測定期間、測定間隔、平均気温、及び海塩粒子量に基づいて、センサ部の適切な厚さを設定する腐食センサの設計方法が開示されている。
特開2017−3376号公報には、任意の環境に暴露されるセンサ部と、この任意の環境から遮断される参照部とを備え、センサ部と参照部とが絶縁体を介して積層された腐食センサが開示されている。
特開2016−197102号公報 特開2017−3376号公報
上記文献に開示されるように、腐食センサは、測定環境に暴露される計測金属(センサ部)と、測定環境から遮断して腐食されないようにした参照金属(参照部)とを備える。この構成によれば、参照金属の電気抵抗を用いて計測金属の電気抵抗を補正することで、温度による比抵抗の変化の影響を補償することができる。
腐食センサでは、参照金属を測定環境から遮断するために(参照金属が腐食しないように)、参照金属を防食性塗料等で被覆する。この被覆によって、参照金属と計測金属との温度差が大きくなり、正確な温度補償ができなくなる場合がある。
本発明の目的は、測定対象の金属の耐食性をより正確に測定できる腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置を提供することである。
本発明の一実施形態による腐食モニタリング方法は、測定環境に暴露される面を有する計測金属、及び前記測定環境から遮断された参照金属を含む腐食センサと、前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定器と、を用いた腐食モニタリング方法であって、前記計測金属及び前記参照金属に電流を流して、前記計測金属及び前記参照金属を加熱する加熱工程と、前記加熱工程後、前記抵抗測定器によって前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定工程と、を備える。
本発明の一実施形態による腐食モニタリング装置は、測定環境に暴露される面を有する計測金属、及び前記測定環境から遮断された参照金属を含む腐食センサと、前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定器と、前記抵抗測器を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記計測金属及び前記参照金属に電流を流して、前記計測金属及び前記参照金属を加熱する加熱工程と、前記加熱工程後、前記抵抗測定器によって前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定工程と、を実行する。
本発明によれば、測定対象の金属の耐食性をより正確に測定することができる。
図1は、本発明の一実施形態による腐食モニタリング装置の構成を模式的に示す図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、本発明の一実施形態による腐食モニタリング方法のフロー図である。 図4は、測定環境の温度が高くなる方向に変動したときの腐食センサの温度分布を模式的に示す図である。 図5は、図4の状態から、計測金属及び参照金属に電流を流して、計測金属及び参照金属を加熱したときの温度分布を模式的に示す図である。 図6は、測定環境の温度が低くなる方向に変動したときの腐食センサの温度分布を模式的に示す図である。 図7は、図6の状態から、計測金属及び参照金属に電流を流して、計測金属及び参照金属を加熱したときの温度分布を模式的に示す図である。 図8は、腐食センサの変形例の構成を模式的に示す図である。 図9は、腐食センサの他の変形例の構成を模式的に示す図である。 図10は、測定前に通電加熱を行わずに抵抗測定をした場合における、測定環境の温度及び各金属の抵抗比(Rmea/Rref)の時間変化を示すグラフである。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[腐食モニタリング装置の構成]
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態による腐食モニタリング装置1の構成を説明する。図1は、腐食モニタリング装置1の構成を模式的に示す図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。腐食モニタリング装置1は、腐食センサ10、抵抗測定器20、及び制御装置30を備えている。
[腐食センサの構成]
腐食センサ10は、基板11、計測金属12、参照金属13及び被覆部材14を備えている。計測金属12及び参照金属13は、基板11の上に形成されている。被覆部材14は、計測金属12の一部及び参照金属13の全部を覆って形成されている。
基板11は、例えばプラスチック基板である。基板11は、金属等の導体であってもよく、その場合、基板11と計測金属12との間、及び基板11と参照金属13との間に絶縁体を配置すればよい。
計測金属12は、評価対象となる金属からなる。計測金属12は、平面視でU字型の形状を有している。計測金属12の初期の厚さは、金属の種類や環境、測定の目的によって異なるので一概にはいえないが、例えば0.01〜10mmであり、好ましくは0.02〜1.0mmである。計測金属12の初期の厚さは、計測金属12の全体にわたって均一であることが好ましい。
計測金属12は、端子12a及び12bを有しており、配線21a及び22aを介して抵抗測定器20に電気的に接続される。計測金属12の端子12a及び12bの近傍は、腐食によって配線21a及び22aが断線するのを防止するため、被覆部材14によって被覆されている。
計測金属12は、測定環境に暴露される面を有している。具体的には、計測金属12の上面及び側面(より正確には、側面のうち被覆部材14と接する部分以外の部分)が測定環境に露出している。
参照金属13は、計測金属12と同じ種類の金属からなる。参照金属13は、平面視でU字型の形状を有している。参照金属13は、計測金属12と同一の寸法であることが好ましい。参照金属13は、計測金属12と同様に、端子13a及び13bを有しており、配線21a及び23aを介して抵抗測定器20に電気的に接続される。
参照金属13は、測定環境から遮断されている。参照金属13は、具体的には、基板10と接している面以外の面の全面が被覆部材14で覆われている。参照金属13は、計測金属12と異なり、測定環境に暴露される面を有していない。
計測金属12の端子12bと参照金属13の端子13aとは、電気的に接続されている。すなわち、計測金属12と参照金属13とは、直列に接続されている。端子12bと端子13aとを電気的に接続する方法は、これに限定されないが、両端子に半田や溶接で配線を接続する方法、両端子を導電性テープで接続する方法等が挙げられる。
被覆部材14は、計測金属12の端子12a及び12bの近傍、並びに参照金属13を腐食から保護する。被覆部材14は、例えば防食性の塗料である。
[抵抗測定器の構成]
抵抗測定器20は、定電流電源21、並びに電圧計22及び23を備えている。
定電流電源21は、配線21aを介して計測金属12の端子12a及び参照金属13の端子13bに電気的に接続される。上述のとおり、計測金属12と参照金属13とは直列に接続されている。そのため、計測金属12及び参照金属13には、同じ大きさの電流Iが流れる。
電圧計22は、配線22aを介して計測金属12の端子12a及び12bに電気的に接続され、端子12aと端子12bとの間の電圧V1を測定する。電圧V1を電流Iで除すことで、計測金属12の電気抵抗Rmeaを求めることができる。
同様に、電圧計23は、配線23aを介して参照金属13の端子13a及び13bに電気的に接続され、端子13aと端子13bとの間の電圧V2を測定する。電圧V2を電流Iで除すことで、比較金属13の電気抵抗Rrefを求めることができる。
本実施形態では、後述するように、電気抵抗Rmea及びRrefから計測金属12の残存板厚を求める。残存板厚を正確に求めるためには、電気抵抗Rmea及びRrefをできるだけ正確に計測することが好ましい。特に、腐食モニタリング装置1は、直射日光や放射熱の影響を受ける屋外での使用を念頭に置いていることから、装置各部の温度差に起因する熱起電力や、外部電磁場により生じる誘導起電力が計測ノイズとして電気抵抗Rmea及びRrefの計測に大きく影響する。特に、直射日光など放射熱で加熱される場合、日光の当たり方や計測金属12の腐食状態によっては、端子12aと端子12bとの間、及び、端子13aと13bとの間に温度差が生じやすくなる。この温度差による熱起電力は、ノイズとなって電気抵抗Rmea及びRrefの正確な計測の大きな妨げとなる。
以上のことから、電気抵抗Rmea及びRrefを正確に計測するために、計測金属12及び参照金属13と配線21a、22a及び23aとの接続部分の熱起電力による計測ノイズを除去する対策を施すことが好ましい。熱起電力の影響を軽減するための具体的なノイズ対策法としては、(1)大きな測定電流で検出電圧を上げる、(2)測定電流のオフ時の電圧分をオン時の電圧から差し引いた値を電圧として計測する、(3)測定電流の極性を反転し、それぞれの場合の電圧の絶対値の平均値を電圧として計測する、(4)検出信号を交流(表皮効果を考慮し、100kHz以下の低周波域とすることが好ましい)にする、等が考えられる。
さらに、配線21a、22a及び23aとして、同軸ケーブル又は撚り線を採用することが好ましい。これにより、配線21a、22a及び23aによる外部電磁場が抵抗計測に与える影響を低減し、誘導起電力による計測ノイズを除去することができる。
上述した抵抗測定器20の構成は例示である。腐食モニタリング装置1は、抵抗測定器20に代えて、他の構成によって計測金属12及び参照金属13の電気抵抗を計測する抵抗測定器を備えていてもよい。抵抗測定器は例えば、計測金属12及び参照金属13に一定電圧を印加し、電流値から抵抗を計測するものであってもよい。
[制御装置の構成及び動作、並びに腐食モニタリング方法]
制御装置30は、抵抗測定器20を制御する。なお、抵抗測定器20と制御装置30とは、各々が独立した装置である必要はなく、一体化された装置であってもよい。
制御装置30は、より具体的には、演算装置31、記憶装置32、及び駆動装置33を含んでいる。演算装置31は、記録装置32に格納されたプログラムにしたがって、駆動装置33を介して抵抗測定器20を制御して、以下に説明する腐食モニタリング方法を実行する。
図3は、本発明の一実施形態による腐食モニタリング方法のフロー図である。この腐食モニタリング方法は、加熱工程(ステップS1)と、抵抗測定工程(ステップS2)とを備えている。
まず、計測金属12及び参照金属13に電流を流して、計測金属12及び参照金属13を加熱する(ステップS1)。具体的には、定電流電源21を駆動して計測金属12及び参照金属13に所定の大きさの電流を流し、ジュール熱によって計測金属12及び参照金属13を加熱する。加熱工程の好ましい条件については後述する。
加熱工程後、抵抗測定器20によって計測金属12の電気抵抗Rmea、及び参照金属13の電気抵抗Rrefを測定する(ステップS2)。
制御装置30は、電気抵抗Rmea及びRrefを記録する記録装置の役割を兼ねている。すなわち、制御装置30は、抵抗測定器20から図示しない入出力インターフェースを介して電気抵抗Rmea及びRrefを受け取り、必要に応じて演算装置31による処理をした後、これを記憶装置32に記録する。
計測金属12の電気抵抗Rmeaに加えて参照金属13の電気抵抗Rrefを記録しておくことで、測定環境の温度変化の影響を補償することができる。具体的には、参照金属13の初期の厚さをd、計測金属12の初期の電気抵抗をRmea_init、参照金属13の初期の電気抵抗をRref_initとしたとき、計測金属の板厚減少量Δdは、下記の式から求めることができる。
Figure 2021025862
なお、計測金属12及び参照金属13に一定電流を流し、電圧の変化から電気抵抗を測定する場合、計測金属の板厚減少量Δdは、下記の式から求められる。ここで、Vmea及びVrefはそれぞれ計測金属12及び参照金属13の電圧、Vmea_init及びVref_initはそれぞれ計測金属12及び参照金属13の初期の電圧である。
Figure 2021025862
[本実施形態の効果]
被覆部材14で覆われた参照金属13は、測定環境の温度変化に追随する速度が遅く、計測金属12との温度差が大きくなる場合がある。そのため、特に温度変化の激しい測定環境においては、正確な温度補償が行えず、測定対象となる金属の耐食性を正確に評価できない場合がある。
本実施形態では、抵抗測定工程(ステップS2)の前に、加熱工程(ステップS1)を行う。これによって、以下に説明するように、計測金属12と参照金属13との温度差を小さくすることができる。
図4は、測定環境の温度が高くなる方向に変動したときの腐食センサ10の温度分布を模式的に示す図である。
図4では、基板10の裏面(計測金属12や参照金属13が形成されていない側の面)が十分に大きな構造物(例えば外壁材)に接しており、この構造物が熱浴として作用することで、基板10の裏面の温度は短期的には一定(外壁材と同じ温度)であると仮定している。後掲の図5〜図7においても同様である。
以下、この基板10の裏面の温度をTOUTとし、測定環境の温度をTIN、計測金属12の温度をTmea、参照金属13の温度をTrefとする。なお、「計測金属12の温度」は計測金属12の平均温度を意味するものとし、「参照金属13の温度」は参照金属13の平均温度を意味するものとする。
測定環境の温度TINが高くなる方向に変動したとき(TOUT<TINのとき)、計測金属12の温度Tmea及び参照金属13の温度Trefも上昇する。しかし、被覆部材14の熱伝導率は金属である計測金属12や参照金属13の熱伝導率と比較して小さいため、参照金属13の温度Trefは計測金属12の温度Tmeaよりも低くなる。
図5は、図4の状態から、計測金属12及び参照金属13に電流を流して、計測金属12及び参照金属13を加熱したときの温度分布を模式的に示す図である。
計測金属12及び参照金属13を加熱した場合、両者のいずれにおいても発熱量に対して放熱量が小さいため、金属自体はほぼ同じ温度に上昇する。そして、発熱量を高くすればするほど、計測金属12と参照金属13との温度差は次第に小さくなる。
図6は、測定環境の温度TINが低くなる方向に変動したとき(TOUT>TINのとき)の腐食センサ10の温度分布を模式的に示す図である。このとき、計測金属12の温度Tmea及び参照金属13の温度Trefも低下する。しかし、被覆部材14の熱伝導率は金属である計測金属12や参照金属13の熱伝導率と比較して小さいため、参照金属13の温度Trefは計測金属12の温度Tmeaよりも高くなる。
図7は、図6の状態から、計測金属12及び参照金属13に電流を流して、計測金属12及び参照金属13を加熱したときの温度分布を模式的に示す図である。この場合も、図5の場合と同様の理由によって、計測金属12と参照金属13との温度差は次第に小さくなる。
以上のとおり、測定環境の温度TINが高くなる方向に変動したとき(TOUT<TINのとき(図4))、及び測定環境の温度TINが低くなる方向に変動したとき(TOUT>TINのとき(図6))のいずれにおいても、加熱工程(ステップS1)を行うことによって、計測金属12と参照金属13との温度差を小さくすることができる。
[加熱工程の条件]
計測金属12と参照金属13との温度差は、上記の原理から、計測金属12及び参照金属13の各々の温度上昇量を大きくする程小さくできる。そのため、加熱工程(ステップS2)では、計測金属12及び参照金属13の各々の温度を5℃以上上昇させることが好ましい。上昇させる温度は、より好ましくは10℃以上であり、さらに好ましくは20℃以上である。
加熱工程(ステップS2)では、計測金属12と参照金属13との温度差が5℃以下になるようにすることが好ましい。計測金属12と参照金属13との温度差は、より好ましくは3℃以下であり、さらに好ましくは1℃以下である。
計測金属12及び参照金属13の温度を所定量だけ上昇させるために必要な電流の大きさ及び時間は、計測金属12及び参照金属13の比抵抗、形状、密度、及び比熱から求めることができる。
金属の比抵抗をρ[Ω・m]、幅をw[m]、厚さをz[m]、長さをL[m]とする。この金属に電流I[A]を時間t[s]だけ流した場合、発生するジュール熱Q(J)は、下記の式で表すことができる。
Figure 2021025862
金属の密度をd[kg/m]、比熱をc[J/(kg・℃)]とすると、上昇する温度ΔT(℃)は、下記の式で表すことができる。
Figure 2021025862
例えば、ρ=1.8×10−7[Ω・m]、d=7.8×10−3[kg/m]、c=460[J/(kg・℃)]、w=1.0×10−3[m]、z=0.03×10−3[m]としたとき、ΔTを5℃以上にするためには、Itの値が約0.09以上になるようにI及びtを決めればよい。
加熱工程は、これに限定されないが、0.1A以上の電流を10秒間以上流すことが好ましい。電流の大きさは、より好ましくは0.2A以上であり、さらに好ましくは0.5A以上であり、さらに好ましくは1.0A以上である。電流を流す時間は、より好ましくは20秒間以上であり、さらに好ましくは30秒間以上であり、さらに好ましくは60秒間以上である。
以上、本発明の一実施形態による腐食モニタリング装置1、及び腐食モニタリング方法を説明した。本実施形態によれば、測定対象の金属の耐食性をより正確に測定することができる。
上記の実施形態では、計測金属12と参照金属13とが同じ種類の金属である場合を説明した。計測金属12と参照金属13とは、同じ種類の金属であることが好ましいが、比抵抗の温度依存性に大きな差がなければ、異なる種類の金属であってもよい。
上記の実施形態では、計測金属12の端子12a及び12bが被覆部材14で覆われている場合を示した。しかし、端子12a及び12bは被覆部材14とは別の被覆部材で覆われていてもよい。端子12a及び12bは例えば、絶縁テープで覆われていてもよい。
上記の実施形態では、制御装置30が、電気抵抗Rmea及びRrefを記録する記録装置の役割を兼ねている場合を説明した。しかし、腐食モニタリング装置は、制御装置30とは別に記録装置を備えていてもよい。この場合の記録装置は、ディジタル方式のものでもよいし、アナログ方式のものでもよい。また、電気抵抗Rmea及びRrefは、制御装置30を介して記録装置に送信されるようにしてもよいし、制御装置30を介さずに直接記録装置に送信されるようにしてもよい。
上記の実施形態では、制御装置30が、抵抗測定器20の定電流電源21を駆動して、計測金属12及び参照金属13に所定の大きさの電流を流す場合を説明した。この構成は、追加の電源や切り替え回路等が不要であり、装置を複雑化せずに済むため好ましい。しかし、本実施形態による腐食モニタリング方法の加熱工程(ステップS2)において、抵抗測定器20の定電流電源21を用いて加熱することは必須ではなく、他の電源を用いて計測金属12及び参照金属13を加熱してもよい。
上記の実施形態では、腐食モニタリング装置1が制御装置30を備え、制御装置30が腐食モニタリング方法を実行する場合を説明した。しかし、本実施形態による腐食モニタリング方法は、作業者が手動で行ってもよい。その場合、腐食モニタリング装置1は、制御装置30を備えていなくてもよい。
[腐食センサ10の変形例]
図1に示した計測金属及び参照金属の形状は例示であって、計測金属及び参照金属は任意の形状であってよい。計測金属及び参照金属の形状は、以下に説明するとおり、測定の目的に応じて種々選択することができる。
図8は、腐食センサ10の変形例である腐食センサ10Aの構成を模式的に示す図である。腐食センサ10Aは、腐食センサ10(図1)の計測金属12及び参照金属13に代えて、計測金属12A及び参照金属13Aを備えている。計測金属12A及び参照金属13Aは、計測金属12及び参照金属13と比較して平面形状が異なっている。
計測金属及び参照金属は、幅(電流が流れる方向及び厚さ方向と垂直な方向の寸法)が狭いほど、あるいは長さ(電流が流れる方向に沿った寸法)が長いほど、測定精度を高くすることができる。すなわち、計測金属及び参照金属が細長い形状であるほど、測定精度が高くなる。そのため、計測金属及び参照金属を計測金属12A及び参照金属13Aのように長尺状(メアンダリング状)の形状とすることで、設置面積当たりの計測金属及び参照金属の長さを長くすることができ、測定精度を高くすることができる。
図9は、腐食センサ10の他の変形例である腐食センサ10Bの構成を模式的に示す図である。腐食センサ10Bは、腐食センサ10(図1)の計測金属12及び参照金属13に代えて、計測金属12B及び参照金属13Bを備えている。計測金属12B及び参照金属13Bは、一つの矩形板状の金属片から構成されている。このような矩形板状の形状にすることで、腐食センサ10Bの構成をシンプルにすることができるとともに、局所的な腐食による影響を受けにくくすることができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
図9に示した腐食センサ10Bと同様の構成を有する腐食センサを使用して、製鉄設備内で腐食モニタリングを行った。測定対象の金属(計測金属及び参照金属の材質)として、SS400(一般構造用鋼)、SUS304(オーステナイト系ステンレス鋼)、SUS316(オーステナイト系ステンレス鋼)、及びS32304(二相ステンレス鋼)を使用した。各金属の寸法は、幅10mm×厚さ1mm×長さ270mmとした。なお、電圧計測部の長さはそれぞれ80mmとした。
図10は、測定前に通電加熱を行わずに抵抗測定をした場合における、測定環境の温度及び各金属の抵抗比(Rmea/Rref)の時間変化を示すグラフである。図10から、抵抗比(Rmea/Rref)は、測定環境の温度変動の影響を強く受けていることが分かる。
次に、同じ腐食センサを使用して、3Aの電流を5分間通電させた後、抵抗測定を行った。測定環境の温度が73.6℃のときの結果を表1に、測定環境の温度が27.0℃のときの測定結果を表2に、それぞれ示す。表1と表2との間で減肉量がほぼ同じ値になっていることから、温度による影響を正しく補正できていることが分かる。
Figure 2021025862
Figure 2021025862
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示にすぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 腐食モニタリング装置
10,10A,10B 腐食センサ
11 基板
12,12A,12B 計測金属
13,13A,13B 参照金属
14 被覆部材
20 抵抗測定器
21 定電流電源
22,23 電圧計
30 制御装置
31 演算装置
32 駆動装置
33 記憶装置

Claims (6)

  1. 測定環境に暴露される面を有する計測金属、及び前記測定環境から遮断された参照金属を含む腐食センサと、前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定器と、を用いた腐食モニタリング方法であって、
    前記計測金属及び前記参照金属に電流を流して、前記計測金属及び前記参照金属を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程後、前記抵抗測定器によって前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定工程と、を備える、腐食モニタリング方法。
  2. 請求項1に記載の腐食モニタリング方法であって、
    前記抵抗測定工程は、前記計測金属及び前記参照金属に定電流を流し、前記計測金属及び前記参照金属の各々の電圧を測定する工程である、腐食モニタリング方法。
  3. 請求項1又は2に記載の腐食モニタリング方法であって、
    前記加熱工程は、前記計測金属及び前記参照金属の各々の温度を5℃以上上昇させる、腐食モニタリング方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の腐食モニタリング方法であって、
    前記加熱工程は、前記計測金属の温度と前記参照金属の温度との差を5℃以下にする、腐食モニタリング方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の腐食モニタリング方法であって、
    前記加熱工程は、前記計測金属及び前記参照金属に0.1A以上の電流を10秒間以上流す、腐食モニタリング方法。
  6. 測定環境に暴露される面を有する計測金属、及び前記測定環境から遮断された参照金属を含む腐食センサと、
    前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定器と、
    前記抵抗測器を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記計測金属及び前記参照金属に電流を流して、前記計測金属及び前記参照金属を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程後、前記抵抗測定器によって前記計測金属及び前記参照金属の各々の電気抵抗を測定する抵抗測定工程と、を実行する、腐食モニタリング装置。
JP2019143280A 2019-08-02 2019-08-02 腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置 Pending JP2021025862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019143280A JP2021025862A (ja) 2019-08-02 2019-08-02 腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019143280A JP2021025862A (ja) 2019-08-02 2019-08-02 腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021025862A true JP2021025862A (ja) 2021-02-22

Family

ID=74665089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019143280A Pending JP2021025862A (ja) 2019-08-02 2019-08-02 腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021025862A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100314301B1 (ko) 부식검사방법
EP2894466B1 (en) Anticorrosive performance deterioration detection sensor, and hot-water supply and heating system provided with same
JP2001141683A (ja) 亀裂モニタリング方法および亀裂モニタリング装置
US20050263395A1 (en) Method and apparatus for measuring accumulated and instant rate of material loss or material gain
Sophocleous Electrical resistivity sensing methods and implications
JP2007019094A (ja) 半導体試験装置
US20090223833A1 (en) Environmental damage sensor
CN104081184A (zh) 用于评估油绝缘变压器的绝缘的退化的装置和方法
JP2021025862A (ja) 腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置
JP2020063989A (ja) 腐食センサ
JP2020020735A (ja) 腐食モニタリング方法及び腐食モニタリング装置
JP2020063988A (ja) 腐食センサ
US6888359B2 (en) Investigating current
JPH0356848A (ja) 表面亀裂測定方法および装置
JP2002277333A (ja) 劣化判定方法及び劣化判定装置
JP6030518B2 (ja) 埋設パイプラインのカソード防食状況計測方法
JP2021032582A (ja) 腐食センサ
JP2021032581A (ja) 腐食センサ
JP2022151951A (ja) 腐食センサ、腐食モニタリング装置、及び腐食モニタリング方法
JP3196688B2 (ja) 腐食のモニタリング方法及び装置
JP2020101504A (ja) 腐食センサ及び腐食モニタリング装置
DE60318361D1 (de) Verfahren zur Messung von Strangströmen bei einer Vorrichtung zur Ansteuerung von Elektromotoren, die IMS-Technologie oder Ähnliches einsetzt und für diese Messungen Bauteile zur Überwachung von Widerstand und Temperatur bei Leistungstransistoren enthält
CN114594809B (zh) 检查装置的控制方法和检查装置
Bekbaev et al. On the possibilities of dynamic evaluation of contact surface temperature under impulse-current loads
JPH09222403A (ja) 物性値測定装置