JPH07128225A - 結晶軸検出装置 - Google Patents

結晶軸検出装置

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JPH07128225A
JPH07128225A JP27160893A JP27160893A JPH07128225A JP H07128225 A JPH07128225 A JP H07128225A JP 27160893 A JP27160893 A JP 27160893A JP 27160893 A JP27160893 A JP 27160893A JP H07128225 A JPH07128225 A JP H07128225A
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JP
Japan
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light
crystal axis
axis
analyzer
linearly polarized
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Withdrawn
Application number
JP27160893A
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English (en)
Inventor
Hidenori Hirata
秀徳 平田
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Ono Sokki Co Ltd
Original Assignee
Ono Sokki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ポリプロピレン等の透明高分子材料
の延伸フィルムに見られる異方性に関連する結晶軸の方
向を検出する結晶軸検出装置に関し、結晶軸の方向を非
破壊かつ高精度に検出する。 【構成】偏光子12を通過した直線偏光光をフィルム2
1に照射し、そのフィルム21を通過した光を検光子3
1を介してフォトダイオード32で受光する。検光子3
1の少なくとも3つの回転角度位置における受光信号に
基づいて、フィルム21の結晶軸の方向を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶軸を有する被測定
体、特にポリプロピレン等の透明高分子材料の延伸フィ
ルムに見られる異方性に関連する結晶軸の方向を検出す
る結晶軸検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば二軸延伸されたポリプロピレンフ
ィルムはその結晶軸の方向に起因して方向により引っ張
り強度が異なり、特定の用途にはその結晶軸の方向を正
しく知ることが必要となる。この結晶軸の方向は、長尺
のポリプロピレンフィルムを連続的に製造していてもそ
の部分部分によって異なり、したがってその結晶軸の方
向を正しく知る必要のある用途に使用される部分の近傍
を種々の方向に短冊状に切り出し、引っ張り試験を行
い、その引っ張り強度から結晶軸の方向を割り出してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように種々の方
向に短冊状に切り出して結晶軸の方向を割り出す方法で
は、試験にも時間がかかり、また、短冊状に切り出した
部分については破壊検査となり、その分無駄が生じるた
めあまりに多くの方向の短冊を切り出す訳にもいかず、
とびとびの方向に切り出した結果から結晶軸の方向を推
定することになり、求められた結晶軸の割出し精度が悪
いという問題がある。
【0004】また、短冊状に切り出す部分は製品として
使用される部分そのものではなく、その近傍の部分であ
って、その近傍の部分で割り出した結晶軸の方向を製品
として使用される部分にあてはめており、上述したよう
に結晶軸の方向はその部分部分で異なるため、この点か
らも結晶軸の割出し精度が悪いという問題がある。また
従来の方法では、上述のように、結晶軸の割出しに時間
がかかり、また破壊検査による無駄が生じ、製品のコス
トの上昇を招いているという問題がある。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑み、結晶軸の方
向を非破壊かつ高精度に検出することのできる結晶軸検
出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の結晶軸検出装置は、 (1)結晶軸を有する、例えば高分子材料を延伸したフ
ィルム等の被測定体に向けて直線偏光光を射出する投光
部 (2)上記直線偏光光が被測定体を経由することにより
得られた透過光を、光軸を回転軸としたときの少なくと
も3つの回転角度位置に調整自在な検光子を介して受光
することにより、光の各パワーを検出する受光部 (3)上記検光子が少なくとも3つの回転角度位置に調
整された際に検出された光のパワーに基づいて被測定体
の結晶軸の方向を同定する演算部 を備えたことを特徴とするものである。
【0007】ここで、上記投光部は、直線偏光光を直接
射出する半導体レーザ等であってもよいが、上記投光部
を、光を放射する光源と、その光源から放射された光の
直線偏光成分を抽出する偏光子とを備えた構成としても
よい。また、上記受光部は、上記検光子を例えば手動で
回転させることにより少なくとも3つの回転角度位置に
調整するものであってもよいが、上記受光部が、上記検
光子を、光軸を回転軸として連続的に回転させる回転手
段と、その検光子が少なくとも3つの各所定の回転角度
位置にあるときの受光信号をサンプリングするサンプリ
ング手段とを備えた構成とすることが好ましい。
【0008】また、上記演算部では、上記投光部から射
出された直線偏光光の偏光方向に対する、3つの回転角
度位置にある検光子の偏光軸の成す角度をγn (n=
1,2,3),その検光子がこれら3つの回転角度位置
にあるときに上記受光部で得られる光のパワーをP
rn(n=1,2,3)としたとき、上記直線偏光光の偏
光方向に対する、被測定体の結晶軸の成す角度θが、例
えば、式 θ=(1/4)arccos[{b±√(b2 −ac)}/a]+C 但し、 a=(c35 −c462 −(c17 −c282 +(c26 −c48 −c15 +c372 b=(c35 −c462 +(c17 −c282 c=(c35 −c462 −(c17 −c282 −(c26 −c48 −c15 +c3721 =(1+y1 )√(1−y2 2)−(1+y2 )√(1−y1 2) c2 =(1+y1 )√(1−y3 2)−(1+y3 )√(1−y1 2) c3 =y1 −y24 =y1 −y35 =y1r3 − y3r16 =y1r2 − y2r17 =Pr3√(1−y1 2)−Pr1√(1−y3 2) c8 =Pr2√(1−y1 2)−Pr1√(1−y2 2) yn =cos2γn C=定数 ……(1) に従って求められる。
【0009】また、上記受光部が、上記透過光を、上記
投光部から射出された直線偏光光の偏光方向に対し0
°、45°、90°の各回転角度位置にある検光子を介
して受光することにより、それら各回転角度位置にそれ
ぞれ対応する光のパワーP0 、P45、P90を検出するも
のである場合には、上記演算部における演算が簡単化さ
れ、上記演算部では、上記直線偏光光の偏光方向に対す
る、被測定体の結晶軸の成す角度θが、 θ=(1/4)arccos{(A2 −1)/(A2 +1)}+C 但し、A=(1/P90)・{P45−(P0 +P90)/2} C=定数 ……(2) に従って求められる。
【0010】尚、上記の結晶軸検出装置では、結晶軸の
方向の候補として複数の方向が検出される場合がある。
この場合であっても例えば結晶軸の概略の方向があらか
じめ分かっている場合等には結晶軸の方向を一義的に定
め得るが、どのような場合においても結晶軸の方向を一
義的に定める必要がある場合、偏光方向が互いに、例え
ば22.5°異なる直線偏光光を用いればよい。
【0011】このように構成された本発明の結晶軸検出
装置は、 (1)結晶軸を有する被測定体に向けて、偏光方向が互
いに異なる少くとも2つの各直線偏光光をそれぞれ射出
する投光部 (2)上記各直線偏光光が被測定体を経由することによ
り得られた各透過光を、各光軸を回転軸としたときの少
なくとも3つの回転角度位置に調整可能な検光子を介し
て受光することにより、光の各パワーを検出する受光部 (3)上記検光子が少なくとも3つの回転角度位置に調
整された際に検出された光のパワーに基づいて被測定体
の結晶軸方向を求める演算部 を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】結晶軸を有する延伸フィルム等の被測定体は一
種の波長板と見なすことができ、その延伸フィルム等の
結晶軸と光学的偏光軸は良い相関があるといわれてい
る。したがってその延伸フィルム等の光学的偏光軸を測
定すればその延伸フィルム等の結晶軸の方向を検出する
ことができる。しかし、その延伸フィルム等の光学的偏
光軸を測定しようとしてもその延伸フィルム等の厚さが
関係しており、これまではその光学的偏光軸を測定する
ことができなかった。
【0013】本発明者は、以下に示すように3つの回転
角度位置に調整された検光子を介して受光した光のパワ
ーに基づく演算を行うことにより、延伸フイルム等の厚
さの成分が消え、その延伸フィルム等の光学的偏光軸の
方向、ひいてはその延伸フィルム等の結晶軸の方向を割
出すことができることを見い出し、本発明を成すに至っ
たものである。
【0014】図1は、本発明の原理説明図である。ここ
では投光器に偏光子が備えられているものとし、その偏
光子の偏光軸が図1の上下方向にあるものとする。ここ
ではこの偏光子を通り抜けた直後の直線偏光光をE0
inωtと表記する。この偏光子を通り抜けたE0 si
nωtは、被測定体に照射される。ここではこの被測定
体を、入射光の、図示のY軸方向のベクトル成分に対し
X軸方向のベクトル成分が相対的にδだけ位相が遅れる
という性質を持つ波長板と考える。このとき、被測定体
のX軸方向は、一般には偏光子の偏光軸とはその方向が
ずれており、ここではこの方向の偏差を求めることが課
題とされる。この偏差はここでは未だ不明であるが、角
度θと表記する。被測定体に照射される直線偏光光E0
sinωtは被測定体を通過すると、X軸方向,Y軸方
向の各成分波として、それぞれ、 X軸方向について E0 sinωtcosθ Y軸方向について E0 sinωtsinθ を持つが、前記のように被測定体はδだけ位相が遅れる
波長板とみなせるので、X軸方向,Y軸方向の各成分波
は、それぞれ、 X軸方向について E0 sin(ωt−δ)cosθ Y軸方向について E0 sinωtsinθ となる。
【0015】この被測定体を通過した光は次に検光子に
達する。ここで、偏光子の偏光軸に対する検光軸の成す
角をγとすると、検光子を通過した光のX軸方向,Y軸
方向の各成分波は、 X軸方向について E0 sin(ωt−δ)cosθc
os(θ−γ) Y軸方向について E0 sinωtsinθsin(θ
−γ) となる。したがって検光子を通過した光を受光すること
により観測される光のパワーは、 Pr =E0 2[2+cos2γ+cos(4θ−2γ) +cosδ{cos2γ−cos(4θ−2γ)}]/8 ……(3) となる。ここからθを求めるのだが、(1)式ではθの
ほかδ,E0 も未知数であるため、少なくとも互いに異
なる3種類の条件が必要となる。ここでは簡単のため、
検光子は、γ=0°,45°,90°の3つの角度に調
整されるものとし、これによりその3種類の条件を満足
させるものとする。偏光子と検光子との間に被測定体が
配置されていない状態において検光子を回転していき、
検光子を通過した光が最大パワーのときγ=0°、最小
パワーのときγ=90°、それらのちょうど真中の回転
位置をγ=45°と定めることができる。
【0016】γ=0°(0),45°(π/4),90
°(π/2)のときに観測される光のパワーP0
45,P90は、(3)式より、それぞれ、 P0 =E0 2{(3+cosδ)+(1−cosδ)cos4θ}/8 ……(4) P45=E0 2(2+sin4θ−cosδsin4θ)/8 ……(5) P90=E0 2(1−cos4θ)(1−cosδ)/8 ……(6) となる。(4)〜(6)式より、θを求めると、 θ=(1/4)・arccos{(A2 −1)/(A2 +1)}……(7) A=(1/P90){P45−(P0 +P90)/2} ……(8) 但し、θ=0,±π/2,±π,……は除く。
【0017】この(7),(8)式は延伸フィルム等の
厚みの関数であるδが消去されており、その延伸フィル
ム等の厚みによらずその延伸フィルム等の偏光軸の方向
を知ることができる。延伸フィルム等の結晶軸はその偏
光軸と強い相関があり、それらの成す角度が0°でない
場合に、(7)式に補正用の定数Cを加え、結晶軸の方
向θを、前述した(2)式に従って求めることができ
る。
【0018】尚ここでは検光子の角度γ=0°,45
°,90°の場合について説明したが、(3)式からE
0 とδを消去してθを求めるためには独立した3つの式
が存在すればよく、言い換えれば互いに異なる3つの角
度γn (n=1,2,3)のパワーPn (n=1,2,
3)を観測すればよい。その場合、結晶軸の方向θとし
て、前述した(1)式に示すような一般解が得られる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
2は、本発明の結晶軸検出装置の一実施例を用いて、ポ
リプロピレンフィルムの結晶軸の方向(直接的にはその
偏光軸の方向)を検出している様子を示す模式図であ
る。
【0020】発光ダイオード11から発せられた光は偏
光子12を通過した後ポリプロピレンフィルム21に照
射される。偏光子12の偏光軸は、図示の矢印A方向、
即ちポリプロピレンフィルム21の幅方向に向いてい
る。本実施例では、発光ダイオード11と偏光子12に
より本発明にいう投光部が構成されている。ポリプロピ
レンフィルム21はその長手方向、即ち図示の矢印B方
向に順次搬送されている。
【0021】ポリプロピレンフィルム21を透過した光
は、検光子31を介してフォトダイオード32で受光さ
れる。本実施例では、検光子31とフォトダイオード3
2との組合せにより本発明にいう受光部が構成されてい
る。フォトダイオード32の受光信号はコンピュータ等
からなる演算部41に入力される。検光子31は、図示
の矢印C方向に回転しており、演算部41では、検光子
31の偏光軸の、偏光子12の偏光軸とのなす角度γが
γ=0°,45°,90°のときのフォトダイオード3
2の受光信号がサンプリングされ、そのサンプリングさ
れた受信信号に基づいてγ=0°,45°,90°の各
角度における光のパワーP0 ,P45,P 90が求められ、
前述した(7),(8)式に基づいてポリプロピレンフ
ィルム21の偏光軸の方向が求められ、あらかじめ求め
ておいたポリプロピレンフィルムの偏光軸と結晶軸との
成す角度を定数として加えることによりポリプロピレン
フィルムの結晶軸の方向が同定される。尚、後述する実
験例におけるポリプロピレンフィルムでは、偏光軸と結
晶軸はほぼ一致していた。以上の操作が、ポリプロピレ
ンフィルム21が矢印B方向に搬送されている間継続さ
れ、これにより搬送中のポリプロピレンフィルム21の
結晶軸の方向が連続的に求められる。
【0022】図3は、厚さの異なるポリプロピレンフィ
ルムの測定結果を示した図である。図2に示す結晶軸検
出装置がポリプロピレンフィルムの厚さの影響を受けな
いことを確認するために、図2に示す、矢印B方向に搬
送されるポリプロピレンフィルム21に代えて、小さい
寸法に切り出したポリプロピレンフィルムを偏光子12
と検光子31との間に配置し、その配置したポリプロピ
レンフィルムを光軸を中心に回転し、その回転角度を横
軸にとり、その各回転角度における、演算部41で求め
られた結晶軸の角度をプロットした。ここでは30μm
のポリプロピレンフィルムを互いに隣接させて2枚切り
出し、ポリプロピレンフィルム1枚の場合と、切り出し
た方向を互いに同一にしたまま2枚重ね合せた2枚の場
合について、同様の実験を行った。図示のように、図2
に示す結晶軸検出装置は、ポリプロピレンフィルムの厚
さの影響を受けないことがわかる。尚、図3に示す一点
鎖線については後述する。
【0023】次に、長さが約25cm,幅が約500c
mの長尺のポリプロピレンフィルムを用意し、図2に示
す結晶軸検出装置による結晶軸の検出(以下、「本発明
方法」と称する)と、従来の引っ張り試験による結晶軸
の割出し(以下、「従来方法」と称する)との双方の結
果を比較した。従来方法は破壊検査となるため、本発明
方法の方を先に行ったが、ここでは説明の都合上、従来
方法について先に説明する。
【0024】図4は、ポリプロピレンフィルムの切出し
方法の説明図である。500cmの幅のフィルムの一端
側から幅方向について0cm,250cm,370c
m,500cmの4カ所について、そのフィルムを、図
示のように30°間隔で、幅15mm,長さ50mmの
短冊状に切出し、それぞれについて引っ張り試験を行っ
た。ここでは、フィルムの幅方向を90°、長手方向を
0°としている。切り出した短冊についてそれぞれ引っ
張り試験を行いヤング率を求めた。ヤング率の最大のも
のの角度がそのフィルムの幅方向の各位置における結晶
軸の方向である。ただし30°間隔で切り出した短冊の
みでは誤差が大きすぎるため、30°間隔で切り出した
短冊の引っ張り試験で結晶軸の概略の方向を定め、その
方向の近傍の角度の短冊をさらに切り出して引っ張り試
験を行い、さらに内挿を行うこと等により結晶軸の方向
を5°単位で求めた。
【0025】図5は、上記の従来方法により求めたフィ
ルムの幅方向の各位置における結晶軸の方向を示したグ
ラフである。フィルムの幅方向の0cm,250cm,
370cm,500cmの各位置の結晶軸の角度は、フ
ィルムの幅方向を90°としたときに、それぞれ75
°,90°,85°,100°と求められた。
【0026】図6は、図5に示した結果を得たポリプロ
ピレンフィルムと同一のポリプロピレンフィルムについ
て、本発明方法により検出された偏光軸の角度を示した
図である。図6は、図2を参照して説明したように、偏
光子12の偏光軸をポリプロピレンフィルム21の長手
方向に向け、その長手方向の角度を0°としたときの結
果である。図5に示す、従来方法により割り出された結
晶軸方向とほぼ一致している。
【0027】尚、図6の実施例では、偏光軸の角度変化
は、ポリプロピレンフィルムの一端から他端までの間で
約25°であり、この程度の変化であれば図2に示す結
晶軸検出軸検出装置を採用しても問題はないが、その角
度が大きく変化する場合には図2に示す結晶軸検出装置
では問題が生じる場合がある。この問題とその解決方法
について、図3を参照して説明する。
【0028】図3は、小さく切り出したポリプロピレン
フィルムを同一の方向に半回転させたときのグラフであ
る。したがって結晶軸の角度は0°から90°まで変化
し、その後90°から0°に戻るはずである。ところが
図示のように求められた角度は45°で反転している。
このように図2に示す結晶軸検出装置では結晶軸の角度
(偏光軸の角度)が大きく変化したときには、一義的に
は定まらない。
【0029】そこで、図2に示す結晶軸検出装置を、共
有できる構成部分は共有するとしても概念的には2台用
意し、一方の結晶軸検出装置の偏光子12の偏光軸とも
う一方の結晶軸検出装置の偏光子12の偏光軸を互いに
異なる方向に向けておく。典型的には互いに22.5°
異なる方向に向けておく。ここでは22.5°異なる方
向に向けたとすると、図3に実線と一点鎖線とで示すよ
うに互いに22.5°位相のずれた2本の折れ線が得ら
れることになる。この2本の折れ線から結晶軸の変化の
方向が判別され、したがってポリプロピレンフィルムの
結晶軸が広い範囲にわたって変化してもその変化に追随
してその結晶軸を検出することができる。
【0030】尚、ここではポリプロピレンフィルムを例
として説明したが、本発明の検出対象はポリプロピレン
に限られるものでないことはいうまでもない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被測定体の結晶軸の方向を非破壊かつ高精度に検出する
ことができる。また、本発明の結晶軸検出装置はオンラ
インで連続的にその結晶軸の方向を検出するように構成
することも容易であり、結晶軸の方向の割出しのための
工数がかからず、かつ破壊検査による無駄もなく、した
がって製品のコスト低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の結晶軸検出装置の一実施例を用いてポ
リプロピレンフィルムの結晶軸の方向(直接的には偏光
軸の方向)を検出している様子を示す模式図である。
【図3】厚さの異なるポリプロピレンフィルムの測定結
果を示した図である。
【図4】ポリプロピレンフィルムの切出し方法の説明図
である。
【図5】従来方法により求めた、フィルムの長手方向の
各位置における結晶軸の方向を示したグラフである。
【図6】本発明方法により検出された偏光軸の方向を示
した図である。
【符号の説明】
11 発光ダイオード 12 偏光子 21 ポリプロピレンフィルム 31 検光子 32 フォトダイオード 41 演算部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶軸を有する被測定体に向けて直線偏
    光光を射出する投光部と、 前記直線偏光光が前記被測定体を経由することにより得
    られた透過光を、光軸を回転軸としたときの少なくとも
    3つの回転角度位置に調整自在な検光子を介して受光す
    ることにより、光の各パワーを検出する受光部と、 前記検光子が少なくとも3つの回転角度位置に調整され
    た際に検出された前記パワーに基づいて前記被測定体の
    結晶軸の方向を同定する演算部とを備えたことを特徴と
    する結晶軸検出装置。
  2. 【請求項2】 前記投光部が、光を放射する光源と、該
    光源から放射された光の直線偏光成分を抽出する偏光子
    とを備えたことを特徴とする請求項1記載の結晶軸検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記受光部が、前記検光子を、光軸を回
    転軸として連続的に回転させる回転手段と、前記検光子
    が少なくとも3つの各所定の回転角度位置にあるときの
    受光信号をサンプリングするサンプリング手段とを備え
    たことを特徴とする請求項1記載の結晶軸検出装置。
  4. 【請求項4】 前記投光部から射出された直線偏光光の
    偏光方向に対する、3つの回転角度位置にある前記検光
    子の偏光軸の成す角度をγn (n=1,2,3),前記
    検光子がこれら3つの回転角度位置にあるときに前記受
    光部で得られる前記パワーをPrn(n=1,2,3)と
    したとき、前記演算部が、前記直線偏光光の偏光方向に
    対する、前記被測定体の結晶軸の成す角度θを、式 θ=(1/4)arccos[{b±√(b2 −a
    c)}/a]+C 但し、 a=(c35 −c462 −(c17 −c2
    82+(c26 −c48 −c15 +c372 b=(c35 −c462 +(c17 −c2
    82 c=(c35 −c462 −(c17 −c2
    82−(c26 −c48 −c15 +c3721 =(1+y1 )√(1−y2 2)−(1+y2 )√
    (1−y1 2) c2 =(1+y1 )√(1−y3 2)−(1+y3 )√
    (1−y1 2) c3 =y1 −y24 =y1 −y35 =y1r3 − y3r16 =y1r2 − y2r17 =Pr3√(1−y1 2)−Pr1√(1−y3 2) c8 =Pr2√(1−y1 2)−Pr1√(1−y2 2) yn =cos2γn C=定数 に従って求めるものであることを特徴とする請求項1記
    載の結晶軸検出装置。
  5. 【請求項5】 前記受光部が、前記透過光を、前記投光
    部から射出された直線偏光光の偏光方向に対し0°、4
    5°、90°の各回転角度位置にある前記検光子を介し
    て受光することにより、それら各回転角度位置にそれぞ
    れ対応する光のパワーP0 、P45、P90を検出するもの
    であり、前記演算部が、前記直線偏光光の偏光方向に対
    する、前記被測定体の結晶軸の成す角度θを、 θ=(1/4)arccos{(A2 −1)/(A2
    1)}+C 但し、A=(1/P90)・{P45−(P0 +P90)/
    2} C=定数 に従って求めるものであることを特徴とする請求項1記
    載の結晶軸検出装置。
  6. 【請求項6】 結晶軸を有する被測定体に向けて、偏光
    方向が互いに異なる少くとも2つの各直線偏光光をそれ
    ぞれ射出する投光部と、前記各直線偏光光が前記被測定
    体を経由することにより得られた各透過光を、各光軸を
    回転軸としたときの少なくとも3つの回転角度位置に調
    整可能な検光子を介して受光することにより、光の各パ
    ワーを検出する受光部と、前記検光子が少なくとも3つ
    の回転角度位置に調整された際に検出された前記パワー
    に基づいて前記被測定体の結晶軸方向を求める演算部と
    を備えたことを特徴とする結晶軸検出装置。
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