JPH07127948A - 冷媒凝縮器 - Google Patents

冷媒凝縮器

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JPH07127948A
JPH07127948A JP5272064A JP27206493A JPH07127948A JP H07127948 A JPH07127948 A JP H07127948A JP 5272064 A JP5272064 A JP 5272064A JP 27206493 A JP27206493 A JP 27206493A JP H07127948 A JPH07127948 A JP H07127948A
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refrigerant
pressure
flow path
condenser
temperature
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JP5272064A
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Isao Azeyanagi
功 畔柳
Norimasa Baba
則昌 馬場
Eiichi Torigoe
栄一 鳥越
Ken Yamamoto
山本  憲
Yasushi Yamanaka
康司 山中
Shinji Kakehashi
伸治 梯
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F27/00Control arrangements or safety devices specially adapted for heat-exchange or heat-transfer apparatus
    • F28F27/02Control arrangements or safety devices specially adapted for heat-exchange or heat-transfer apparatus for controlling the distribution of heat-exchange media between different channels

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、凝縮器での凝縮能力を負荷に合わ
せて変動させ、低負荷時には凝縮器内の凝縮圧力を所定
圧力以上に保つことのできる冷媒凝縮器を提供すること
を目的とする。 【構成】 コンデンサ11のタンク14、15内にセパ
レータ18、19を夫々配する。セパレータ18には、
タンク14の上側部141と下側部142とを連通する
連通穴181を設ける。この連通穴181の上部には、
バイメタルからなる開閉弁31を配する。開閉弁31
は、上側部141内の冷媒の温度が所定温度以上である
時には閉状態とし、上側部142内の冷媒の温度が所定
温度以下である時には開状態として、バイパス通路であ
る連通穴181から上側部141内の冷媒を下側部14
2内に流入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス冷媒を冷却して液
化凝縮する冷媒凝縮器に関し、例えば、車両用空調装置
の冷凍サイクル内の冷媒凝縮器として用いることができ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、大気が汚れたために、冬期におけ
る車室内の暖房時に、内気循環にて車室内を暖房する場
合が多くなっている。内気循環にて車室内を暖房する
と、窓が曇る。そこで、窓の曇りを防止するために、冬
期においても空調装置を作動させ、車室内を除湿させる
場合がある。
【0003】車両用空調装置の冷凍サイクルとしては、
図7に示すように、圧縮機25、凝縮器11、レシーバ
29、膨張弁26、蒸発器27を順次連結させるものが
知られている。この冷凍サイクルを冬場においても作動
させ、蒸発器27での除湿能力を利用する。しかしなが
ら、冬場の低負荷状態において作動させると、凝縮器1
1での凝縮圧力と共に蒸発器27での蒸発圧力も低下す
ることが知られている。すると、図11のモリエル線図
上の冷凍サイクルでの状態図に示すように、蒸発器27
での冷媒の温度が0[°C]を下回ることがある。蒸発
器27にて冷媒の温度が0[°C]を下回ると蒸発器2
7がフロストするため、温度が0[°C]を下回らない
ように、この温度と比例する蒸発圧力が、所定圧力であ
る2[Kgf/cm2 ]を下回る時には圧縮機25の作動を停
止し、冷凍サイクルの作動を停止してフロストを防止す
る。そして、所定圧力以上になれば、冷凍サイクルを作
動させて除湿させる。このように圧縮機25の作動、停
止を繰り返すことで、冬期においても空調装置を作動す
ることができる。
【0004】ところで、車両用空調装置の冷凍サイクル
として、特開昭63−302257号公報に示されるよ
うに、蒸発圧力制御弁を用いた冷凍サイクルが知られて
いる。この冷凍サイクルは、図8(a)に示すように、
圧縮機25、凝縮器11、レシーバ29、膨張弁26、
蒸発器27を順次連結させ、そして蒸発器27と圧縮機
25との間に蒸発圧力制御弁28を配している。
【0005】この蒸発圧力制御弁28は、上記の冷凍サ
イクルのように低負荷時における圧縮機25の作動、停
止の繰り返しを無くし、常時圧縮機25を作動させるた
めに、蒸発器27内での冷媒の蒸発圧力を一定に保たせ
るものである。冷房負荷が低下して、蒸発器27内での
蒸発圧力が低くなってくると、これを蒸発圧力制御弁2
8が検知し、蒸発器27から圧縮機25に向けて流れる
冷媒量を減少させ、もって蒸発器27内での蒸発圧力の
低下を防いでいるのである。この冷凍サイクルの状態
は、図4のモリエル線図上に状態100の如く示され
る。
【0006】上記の蒸発圧力制御弁28を備えた冷凍サ
イクルでは、図8(b)に示すように、膨張弁26は、
蒸発圧力制御弁28の出口262での圧力Peとバネ2
63での押圧力Psとの和(Pe+Ps)と、蒸発器2
7の出口側に設けられた感熱筒261内のガス圧力Pf
との比較によりダイヤフラム264が移動し、開口部2
65の開度を調整する。この調整により蒸発器27内に
流入する冷媒量を制御している。
【0007】ところで、図4のモリエル線図上の状態1
00に示すように、低負荷状態にて蒸発圧力制御弁28
を備えた冷凍サイクルを作動させると、凝縮器11での
凝縮圧力が下がり、同時に、蒸発器27の蒸発圧力が下
がるはずであるが、蒸発圧力制御弁28により蒸発圧力
は所定圧力以上に制御されている。このため、蒸発圧力
制御弁28の入口側と出口側とで圧力差が生じる。従っ
て、蒸発器27の出口側に設けられた感熱筒261内の
冷媒のガス圧力Pfは、蒸発圧力制御弁28の出口26
2での圧力Peよりも大きくなる。この時の圧力差(P
f−Pe)がバネ263の押圧力Psよりもかなり大き
くなると、開口部265が開く方向に力が働き、膨張弁
26内の開口部265が全開状態となるので、蒸発器2
7内に冷媒を多く流入させることができる。
【0008】ところがこの時、凝縮器11での凝縮圧力
が低いと、所定圧力以上に制御された蒸発器27での蒸
発圧力との圧力差が小さくなり、開口部265が全開状
態においても、膨張弁26を流れる冷媒の流量が低下し
冷媒はレシーバ29に溜まる。また、蒸発器27内の冷
媒は圧縮機25の吸入により蒸発器27から抜き取られ
てしまう。その結果、蒸発器27から冷媒がなくなり、
また膨張弁26での冷媒流量が極めて小さいために、凝
縮器11内に液冷媒が溜まることになる。このようにし
て蒸発器27内の冷媒がなくなり、蒸発器27へ流入す
る冷媒の流量が低下すると、蒸発器27での蒸発能力が
大幅に低下し吹出空気温度が上昇するため、除湿能力が
低下し、窓の曇りを防止することができないという問題
がある。
【0009】そのため、図37に示すような凝縮圧力調
整弁1が提供されている。この凝縮圧力調整弁1は、ヘ
ッド2、ダイヤフラム3、スラストシュー4、スピンド
ル5、バルブプレート6、およびスプリング7により構
成されており、ヘッド2とダイヤフラム3により構成さ
れるダイヤフラム室9は常に一定圧力に保たれている。
第1導入口Bはバイパス回路8を介して凝縮機11の入
口側に接続されており、第2導入口Cは出口側に接続さ
れている。そして、導出口Rはレシーバ29に接続され
ている。以下、この凝縮圧力調整弁1の作動を説明す
る。
【0010】高負荷時は冷凍サイクルの高圧圧力が高い
ので、凝縮器11の入口側からバイパス回路8を介し
て、第一導入口Bからダイヤフラム3の下室10に導入
される冷媒の圧力は高い。したがって、ダイヤフラム室
9内の圧力よりも下室10内の圧力が高くなるので、ス
プリング7によってバルブプレート6は上方に付勢さ
れ、第1開口部6aを閉鎖するのでバイパス回路8とレ
シーバ29を結ぶ回路は閉鎖され、圧縮機25より吐出
された冷媒はすべて凝縮器11、第2導入口C,第2開
口部6b、および導出口Rを経由してレシーバ29に供
給される。一方、低負荷時は冷凍サイクルの高圧圧力は
低く、ダイヤフラム3の下室10に導入される圧力は低
くなるので、下室10内の圧力よりもダイヤフラム室9
内の圧力が高くなり、バルブプレート6はスピンドル5
を介して下方に付勢される。したがって、第1開口部6
aの開度は大きくなりバイパス回路8が開通され、第2
開口部6bの開度は小さくなるので、凝縮器11からの
冷媒の流れが絞られることになる。そのため、凝縮器1
1に流入する冷媒の量は減少し、凝縮器の放熱量を低減
させることにより凝縮圧力がある限度以下には下がらな
いようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記凝
縮圧力調整弁1は凝縮器11の出口側を絞りながら、バ
イパス回路8を開としているため複雑な構造となってい
る。また、この凝縮圧力調整弁1を使用する場合には、
専用の配管を介して冷凍サイクルのシステムと接続しな
ければならないため、部品点数が増加し、これらの配管
部品を接続するための工数も増加するし結合部での冷媒
漏れの心配もある。また、車体等に取り付けるための専
用の取り付けステーを必要とし、スペースも多くとるこ
とになる。
【0012】そこで本発明は、上記の問題を解決する、
すなわち簡単な構造で、取り付け工数および取り付けス
ペースの増加を招かず、凝縮器での凝縮能力を負荷に合
わせて変動させ、低負荷時には凝縮器内の凝縮圧力を所
定圧力以上に保つことのできる冷媒凝縮器を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、高温かつ高圧のガス状の冷媒を冷却して
凝縮する冷媒凝縮器であって、内部を流れる前記冷媒
が、外部を流れる熱交換媒体と熱交換して放熱する冷媒
流路と、この冷媒流路の上流側部分と下流側部分との間
を短絡し、前記冷媒が内部を流れるバイパス流路と、前
記冷媒流路内の冷媒の状態を検出する冷媒状態検出手段
と、前記冷媒状態検出手段の検出する前記冷媒流路内の
冷媒の状態に応じて、前記バイパス流路を開閉する流路
開閉手段とを備え、前記冷媒流路、前記バイパス流路、
前記冷媒状態検出手段、および前記流路開閉手段は一体
に構成されており、前記冷媒状態検出手段にて検出した
冷媒の状態が、凝縮圧力が所定圧力よりも高い圧力であ
ることを示す状態である時には前記流路開閉手段が閉状
態となり、前記冷媒状態検出手段にて検出した冷媒の状
態が、凝縮圧力が所定圧力以下にあることを示す状態で
ある時には前記流路開閉手段が開状態となる冷媒凝縮器
を採用するものである。
【0014】また、請求項3記載の本発明は、上記目的
を達成するために、高温かつ高圧のガス状の冷媒を冷却
して凝縮する冷媒凝縮器であって、内部を流れる前記冷
媒が、外部を流れる熱交換媒体と熱交換して放熱する冷
媒流路と、この冷媒流路の上流側部分と下流側部分との
間を短絡し、前記冷媒が内部を流れるバイパス流路と、
外気温度を検出する外気温検出手段と、前記冷媒検出手
段の検出する前記冷媒流路内の冷媒の状態に応じて、前
記バイパス流路を流れる冷媒の量を調節する流量調節手
段とを備え、前記外気温検出手段にて検出した外気温度
が所定温度よりも低い温度である時には前記流量調節手
段は前記バイパス流路内への冷媒流量を増加させる冷媒
凝縮器を採用するものである。
【0015】また、請求項4記載の本発明は、上記目的
を達成するために、高温かつ高圧のガス状の冷媒を冷却
して凝縮する冷媒凝縮器であって、内部を流れる前記冷
媒が、外部を流れる熱交換媒体と熱交換して放熱する冷
媒流路と、この冷媒流路の上流側部分と下流側部分との
間を短絡し、前記冷媒が内部を流れるバイパス流路と、
前記冷媒流路内の冷媒の状態を検出する冷媒状態検出手
段と、前記バイパス流路を流れる冷媒の量を制御する流
量調節手段とを備え、前記冷媒流路、前記バイパス流
路、前記冷媒状態検出手段、および前記流量調節手段は
一体に構成されており、前記冷媒状態検出手段が、前記
凝縮圧力が低下した状態であることを検出した時に、こ
の凝縮圧力の低下により前記流量調節手段はバイパス流
路内への冷媒流量を増加させる冷媒凝縮器を採用するも
のである。
【0016】また、前記バイパス流路は、前記冷媒流路
内を流れる一部の冷媒が流入する請求項1ないし請求項
3記載の冷媒凝縮器を採用するものである。
【0017】
【作用】上記構成よりなる請求項1記載の本発明の冷媒
凝縮器によれば、冷媒流路中を流れる冷媒の状態を検出
し、この冷媒の状態が、凝縮圧力は所定圧力以下にある
ことを示す状態である時には、冷媒が放熱する冷媒流路
を短絡するバイパス流路を開状態とする。
【0018】バイパス流路を開状態とすることによっ
て、圧縮機から凝縮器に流入したガス冷媒の一部がこの
バイパス流路を通過し、レシーバ内に溜まっている液冷
媒を押し出す。ゆえに、膨張弁を通過する冷媒流量が増
加し蒸発器内に液冷媒が流入する。そして、圧縮機の吸
入圧力が上昇し、同時に吐出圧力も上昇するので凝縮圧
力が上昇する。また冷媒の一部が凝縮器の熱交換部をバ
イパスしているため、凝縮器の放熱性能は低く、凝縮温
度の高い状態で冷凍サイクルがつりあう。
【0019】以上のようにして、凝縮器における凝縮圧
力を高い状態で保つことができるので、膨張弁の前後で
圧力差をとることができ、蒸発器に十分な冷媒を供給す
ることが出来る。請求項6ないし請求項9に記載の如
く、冷媒の状態は、冷媒の温度、冷媒の圧力差、冷媒の
圧力、もしくは冷媒の相状態の何れかの状態に基づき判
断する。
【0020】冷媒の温度にて判断する際について説明す
る。凝縮器内の冷媒の温度は凝縮圧力に比例するので、
この温度が所定温度以下である時は、凝縮器内の冷媒の
凝縮圧力が所定の圧力以下となっている。そこで、凝縮
器内の冷媒の温度が所定温度以下の時には、冷媒流路内
の冷媒を、その上流側部分と下流側部分にて短絡したバ
イパス流路内に流入させて、冷媒が放熱しないようにす
る。冷媒を放熱させないバイパス流路を設けることで、
凝縮器内の冷媒の温度が上昇する。凝縮器内の冷媒の温
度が上昇すれば、この温度に比例する凝縮器内の凝縮圧
力も上昇する。
【0021】次に、冷媒の圧力にて判断する際には、凝
縮器内の冷媒の圧力を検出する。この圧力が所定圧力以
下にある時には、上記の温度による検出時と同様にし
て、冷媒流路内の冷媒を、その上流側部分と下流側部分
にて短絡したバイパス流路内に流入して、冷媒が放熱し
ないようにする。冷媒を放熱させないバイパス流路を設
けることで、凝縮器内の冷媒の温度を上昇させ、この温
度に比例する凝縮器内の凝縮圧力を上昇させることがで
きる。
【0022】冷媒の相状態にて判断する際には、凝縮器
内の冷媒の液相状態の冷媒量を検出する。低負荷である
程、凝縮器内部に液冷媒が停滞するので、凝縮器内部に
停滞した液冷媒の量が所定量以上である時には、凝縮器
内の冷媒の凝縮圧力が所定の圧力以下となっていると判
断することができる。そこで、冷媒流路内の冷媒を、そ
の上流側部分と下流側部分にて短絡したバイパス流路内
に流入して、冷媒が放熱しないようにする。冷媒が放熱
しないので、凝縮器内の冷媒の温度が上昇し、液冷媒の
量が減少すると共に、凝縮器内の凝縮圧力も上昇する。
【0023】また、請求項3記載の本発明によれば、外
気温度を検出し、この外気温度にて低負荷状態であるの
か否かを判断する。外気温度が所定の温度以下である時
には低負荷状態であるとして、凝縮器内の冷媒を、その
上流側部分と下流側部分にて短絡したバイパス流路内に
流入して、冷媒が放熱しないようにする。また、請求項
4記載の本発明によれば、凝縮圧力が低下した状態であ
ることを冷媒状態にて検出し、バイパス流路に流入する
冷媒量を凝縮器内の圧力低下に伴い増加させる構成とす
る。このように、バイパス流路内に流入する冷媒量を増
減させても、上記と同様に、放熱量を調整することがで
き、冷媒の温度を上昇させることができる。そして、冷
媒の温度が上昇すれば、この温度に比例する凝縮器内の
凝縮圧力も上昇する。
【0024】
【実施例】以下、本発明の凝縮器を用いた冷凍サイクル
の一実施例について、図面と共に説明する。図8(a)
に示すように、冷凍サイクル30は、ガス状の熱交換媒
体である冷媒を圧縮する圧縮機(コンプレッサ)25
と、このコンプレッサ25で圧縮されたガス状の冷媒を
冷却して液冷媒にする凝縮器(コンデンサ)11と、こ
のコンデンサ11で液状になった冷媒を膨張させ霧状の
冷媒にする膨張弁26と、及び、この膨張弁26で霧状
になった冷媒を空気と熱交換させる蒸発器(エバポレー
タ)27と、このエバポレータ27での蒸発圧力を所定
圧力以上に保たせる蒸発圧力制御弁(EPR)28とを
備えている。
【0025】上記の冷凍サイクル30を構成するコンデ
ンサ11の正面断面図を図1に示す。図1に示すよう
に、大別して、複数のチューブ12、このチューブ12
の間に配されたコルゲートフィン13、複数のチューブ
12の両端に接続されたタンク14、15から構成され
る。
【0026】次に、チューブ12、コルゲートフィン1
3、タンク14、15について説明する。チューブ12
は、偏平な管で、内部に多数の冷媒通路が形成されてい
る。コルゲートフィン13は、各チューブ12の各間に
挟まれ、チューブ12の間を流れる空気と、チューブ1
2の内部を流れる冷媒との熱交換効率を向上させるもの
で、極薄の板材を、波状に曲折して設けたものである。
なお、コルゲートフィン13には、伝熱促進のために、
多数のルーバが形成されている。
【0027】タンク14、15は、複数のチューブ12
の両端に接続されるヘッダで、筒体16、キャップ1
7、セパレータ18、19よりなる。そして、一方のタ
ンク14の上方には、冷媒流入用の接続管20を備え、
他方のタンク15の下方には、流出用の接続管21を備
える。筒体16は、筒状の容器で、側壁にチューブ12
の端部を挿入する複数のチューブ挿入穴が形成されてい
る。キャップ17は、筒体16の上下両端に取り付けら
れる蓋である。
【0028】流入用の接続管20は、一方のタンク14
の上部に接続されたもので、コンプレッサ25の吐出し
た高温、高圧のガス冷媒をタンク14内に供給するため
の接続手段である。また、流出用の接続管21は、他方
のタンク15の下部に接続されたもので、全チューブ1
2を通過して凝縮された液状の冷媒を流出する接続手段
である。
【0029】セパレータ18は、タンク14内を区画す
る隔壁であり、このセパレータ18によりタンク14内
が上側部141と下側部142とに区画される。同様に
して、セパレータ19は、タンク15内を区画する隔壁
であり、このセパレータ19によりタンク15内が上側
部151と下側部152とに区画される。これらのセパ
レータ18、19がタンク14、15内を区画すること
によって、タンク15に接続された複数のチューブ12
が複数のチューブ群22、23、24に分割される。そ
して、冷媒が各チューブ群22、23、24を流れるこ
とにより蛇行する。セパレータ18、19の数によっ
て、冷媒のターン回数が設定され、セパレータ18、1
9の位置によって各チューブ群22、23、24のチュ
ーブ12の本数の割合が変化する。
【0030】セパレータ18の拡大図を図2に示す。冷
媒が流入する側のタンク14内のセパレータ18は、セ
パレータ18の上側部141と下側部142とを連通す
る連通穴(バイパス流路に相当する)181を有する。
連通穴181の上部には、この連通穴181を開閉可能
に設けられた開閉弁31が、締めつけネジ32によりセ
パレータ18に固定される。開閉弁31の材質はバイメ
タルよりなり、タンク14の上側部141内を流入する
冷媒の温度が所定温度よりも低い温度であれば、図2
(b)に示すように、開状態となり、冷媒の温度が所定
温度よりも高い温度であれば、図2(a)に示すように
閉状態となる。
【0031】ところで、エバポレータ27での除湿能力
Qは、次式の如く、表されるものである。
【0032】
【数1】Q=GR ×Δi ここで、GR は、膨張弁26を通過する冷媒流量であ
り、Δiは、エバポレータ27の入口側から出口側まで
のエンタルピ量である。Δiは、エバポレータ27の能
力により決まるものであるから、除湿能力Qは、冷媒流
量GR により決まる。この冷媒流量GR は、以下の式で
示される。
【0033】
【数2】GR =CA(PH −P L1/2 ここで、Cは定数であり、Aは膨張弁26の開口部の開
口面積である。膨張弁の開口部の開度は冬期の低負荷状
態では最大開度となる。P Lはエバポレータ27の入口
側圧力である。冬期には低負荷状態であるために2[Kg
f/cm2 ]一定となる。PH はコンデンサ11での凝縮圧
力である。この凝縮圧力は可変であるが、低負荷状態で
は、凝縮圧力PH が3〜4[Kgf/cm2 ]と小さいため
に、冷媒流量GR が少なくなり、結果として、除湿能力
Qが低下してしまう。図1に示すような、MFコンデン
サ11では、放熱能力が高いために温度が低下し、凝縮
圧力PH が低下するので、除湿能力が低下する。
【0034】そこで、本発明のコンデンサ11は、冬期
の低負荷状態においてコンデンサ11での放熱能力を抑
えることで、凝縮圧力を上昇させ、膨張弁26での冷媒
流量を増加するものである。次に、図1に示すコンデン
サ11の作動について説明する。コンプレッサ25で圧
縮された高温、高圧のガス状の冷媒は、流入用の接続管
20を介してタンク14の上側部141内に流入する。
【0035】図4のモリエル線図上に示すように、夏場
等の高負荷状態102においては、コンデンサ11の入
口での冷媒の温度が高温である。冷媒の温度が高温であ
るため、タンク14内のセパレータ18の上部に設けら
れた開閉弁31が閉状態となる。従って、タンク14内
に流入した冷媒は、上流のチューブ群22に流入する。
上流のチューブ群22を通過した冷媒は、タンク15の
上側部151内を通過して中流のチューブ群23に流入
する。中流のチューブ群23を通過した冷媒は、タンク
14の下側部142内を通過して下流のチューブ群24
を流入する。下流のチューブ群24に流入した冷媒は、
タンク15の下側部152を通過して流出用の接続管2
1より流出する。
【0036】この様にして、流入用の接続管20より流
入した冷媒は、セパレータ18、19により区画された
複数のチューブ群22、23、24を流路として、この
S字状に形成された流路内を流入する。図4のモリエル
線図上に示すように、冬場の低負荷状態100において
は、コンプレッサ25で圧縮され、コンデンサ11に流
入する高温、高圧のガス状の冷媒の圧力が低く、この圧
力と比例する温度は低い温度となる。この冷媒の温度が
所定温度よりも低い温度である時には、開閉弁31が開
状態となり、タンク14の上側部141と下側部142
とが連通する。
【0037】ところで、チューブ12は偏平な管で形成
され、流路断面積が小さいために、このチューブ12か
らなる上流のチューブ群22とタンク15の上側部15
1と中流のチューブ群23とを通過する領域A内の流路
の圧損は大きい。領域A内の流路の圧損が大きいため
に、開閉弁31によりタンク14の上側部141と下側
部142とが連通すると、上側部141内の冷媒の一部
が、バイパス流路である連通穴181を介して下側部1
42内に流入する。
【0038】このバイパス流路を通過したガス冷媒が、
レシーバ29内に溜まっている液冷媒を押し出すので、
膨張弁を通過する冷媒流量が増加し蒸発器内に液冷媒が
流入する。そして、圧縮機25の吸入圧力が上昇し、同
時に吐出圧力も上昇するので凝縮器11における凝縮圧
力が上昇する。また、タンク14の上側部141内の冷
媒の一部が、下側部142内に直接流入し、領域A内に
おいて放熱部分となるチューブ12を迂回するため、領
域A内を流入する冷媒の流量が減少する。高負荷時に開
閉弁31が閉状態であり、全ての冷媒が領域A内を流入
する時と比べると、領域A内を流入する冷媒の流量が減
少するので、この一部の冷媒が領域A内で放熱できない
分の放熱量が減少する。従って、放熱量が減少した分だ
け、冷媒の温度が上昇する。冷媒の温度が上昇すれば、
この温度と比例する凝縮圧力が上昇する。
【0039】図4のモリエル線図上に示す状態101の
如く、凝縮圧力が上昇すると、この凝縮圧力と、所定圧
力になるように制御された蒸発圧力との圧力差が大きく
なり、膨張弁26の入口側圧力と出口側圧力との圧力差
が大きくなるので、流量が上昇し、蒸発能力が確保でき
る程度に冷媒の流量を確保することができる。この時の
凝縮圧力が約4.5[Kgf/cm2 ]程度であれば、膨張弁
26の入口側と出口側で、4.5−2=2.5[Kgf/cm
2 ]程度の圧力差ができるので、流量が確保される。こ
の4.5[Kgf/cm2 ]に対応する温度は、気液二相状態
となるコンデンサ11の中流から下流の流路内において
は、17[°C]程度となる。コンデンサ11の入口側
では25[°C]程度となる。従って、上記の所定温度
は、誤差分を含めて、例えば、20[°C]を所定温度
とする。
【0040】なお、上記の圧力は、ゲージ圧力である。
本実施例では、セパレータ18に連通穴181を設け、
この連通穴181を開閉可能な開閉弁31を設ける構成
としたが、セパレータ18には連通穴181を設けず、
タンク14の上側部141と下側部142とが連通しな
いように区画しておき、セパレータ19に開放穴を設け
て開閉弁31を設ける構成としても良い。
【0041】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図3にセパレータ18の拡大図を示す。バイパス流
路である連通穴181の上部には、この連通穴181を
開閉可能に設けられた開閉弁33が、締めつけネジ32
によりセパレータ18に固定される。開閉弁33の材質
は、アルミ製よりなるタンク14のロウ付け時に、タン
ク14にロウ付けされてしまわないように、ステンレス
よりなる。また、開閉弁33の上部とタンク14の内壁
との間には形状記憶合金34が配される。タンク14の
上側部141内を流入する冷媒の温度が所定温度よりも
低い温度であれば、図2(b)に示すように、形状記憶
合金34が縮むことで、開閉弁33を押し上げて連通穴
181が開状態となる。冷媒の温度が所定温度よりも高
い温度であれば、図2(a)に示すように、形状記憶合
金34が伸びて、開閉弁33が押し下がり連通穴181
が閉状態となる。
【0042】他の作動は、第1実施例と同様である。次
に、本発明の第3実施例について説明する。図5に本実
施例の正面断面図、上面図、下面図を示す。本実施例の
開閉弁35は、上記の第1、第2実施例におけるセパレ
ータ18へのネジ締結を無くすことを目的としたもので
ある。
【0043】図5(a)の正面断面図に示すように、開
閉弁35は、連通穴181を上面側から封止する円形平
面状の封止部351と、この円形平面状の封止部351
に一端側が接して設けられた円筒状の円筒部353と、
この円筒部353の他端側から外周方向に伸びるように
設けられたひさし部352とからなる。円筒部353の
外周側には、セパレータ18とひさし部352との間に
形状記憶合金からなるスプリング36を配する。このス
プリング36は、所定温度よりも高い温度の時に、図5
(a)に示すように、縮んだ形状となり、一方、所定温
度よりも低い温度の時に、図5(d)に示すように、伸
びた形状となる。封止部351の円筒部353が設けら
れた側と反対側面には、円筒部353とは反対方向に伸
びる円柱状の円柱部354が設けられる。封止部351
とは、セパレータ18を挟んで反対側に円柱部354か
ら円周方向に向かう円状の円部材37が配されている。
この円部材37には、連通穴181に対応する範囲には
円部材37の上下方向に連通する開放穴371が4ケ所
設けられている。
【0044】この開閉弁35は、図1のセパレータ18
の部分に配される。次に、このスプリング36と円部材
37とを備えた開閉弁35の作動を説明する。この開閉
弁35に備えられた形状記憶合金よりなるスプリング3
6を、図1のセパレータ18の部分に用いた時には、タ
ンク14の上側部141内の温度が所定温度よりも高い
温度の時に、図5(a)に示すように、縮んだ形状とな
る。図4のモリエル線図上の状態図に示すように、チュ
ーブ12内を流入する冷媒は、流入していくのに従っ
て、圧損により徐々に圧力が下がっていく。このため、
タンク14の上側部141内の冷媒の圧力と、下側部1
42内の冷媒の圧力とでは、上流側の上側部141内の
冷媒の圧力の方が高い圧力となる。従って、スプリング
36が縮んだ状態であるときには、この圧力差により、
上側部141側から押さえつけられた状態となるので、
バイパス流路である連通穴181は封止部351により
閉じられた状態となる。一方、タンク14の上側部14
1内の温度が所定温度よりも低い温度の時には、図5
(d)に示すように、スプリング36が伸びた形状とな
り、開閉弁35を押し上げた状態となるので、セパレー
タ18と封止部351との間に空間ができ、セパレータ
18に円部材37が当接した状態となる。しかしなが
ら、円部材37には開放穴371が形成されているた
め、図示の矢印の如く、タンク14の上側部141内の
冷媒が下側部142内に流入する。従って、上記の実施
例と同様に、タンク14の上側部141内の冷媒の温度
により、バイパス流路である連通穴181の開閉を行う
ことができる。
【0045】次に、本発明の第4実施例について説明す
る。図6に本実施例の正面断面図、上面図、下面図を示
す。本実施例の開閉弁38は、上記の第3実施例の開閉
弁35を一体化したものである。図示の如く、本実施例
の開閉弁38は、セパレータ18の連通穴181を上面
側から封止する円形平面状の封止部381と、この円形
平面状の封止部381の外周側から4ケ所設けられ、一
部が開放した円筒形状に形成された支持部382と、一
端側を封止部381に連結して連通穴181の内周側に
設けられた円筒形状の円筒部384と、この円筒部38
4から外周方向に設けられ、外周縁がセパレータ18に
当接するように設けられたフック部383とからなる。
【0046】この開閉弁38は、形状記憶合金から形成
され、セパレータ18の上部側の温度が所定温度よりも
高い温度の時には、図6(a)の如く、円筒形状の支持
部382が内周側に縮む形状となり、封止部381がセ
パレータ18の上面に密着した状態となる。一方、セパ
レータ18の上部側の温度が所定温度よりも低い温度の
時には、図6(d)の如く、円筒形状の支持部382が
外周側に伸びる形状となり、封止部381がセパレータ
18の上面から浮いた状態となる。すると、図示矢印の
如く上部側の冷媒が下部側に流入する。
【0047】なお、この時に、フック部383は、セパ
レータ18の下面側に当接した状態となるので、開閉弁
38の抜け防止となる。この開閉弁38は、上方から連
通穴181に押し込んで挿入され、一部品よりなるの
で、取り付けを容易に行うことができる。また、上記の
例では、全体を形状記憶合金にて構成するものとした
が、支持部382のみ形状記憶合金にて構成しても良
い。また、支持部382をバイメタルにて構成しても良
い。
【0048】なお、上記の開閉弁38を用いても、第
1、第2、第3実施例と同様に、タンク14の上側部1
41内の冷媒の温度により、バイパス流路である連通穴
181の開閉を行うことができる。次に、本発明の第5
実施例について説明する。図9に本実施例の正面図を示
す。
【0049】図9に示すように、第1実施例におけるセ
パレータ18を、セパレータ19と同様に、タンク14
の上側部141と下側部142とが連通しないように区
画する隔壁とする。また、上側部141と下側部142
とが連通する連通路39を別途設けて、その連通路39
の途中に電気的に駆動する二方弁からなる開閉弁40を
配する。また、冷媒の温度を検出する温度センサ41を
上側部141内に配する。そして、この温度センサ41
の温度を入力し、開閉弁40の開閉制御を行う信号を付
与する制御部42とからなる。
【0050】この構成によれば、タンク14内の冷媒の
温度を温度センサ41により検出し、この温度が所定の
温度よりも低い温度となると、開閉弁40を開放し、上
側部141内の冷媒を下側部142内に流入する。ま
た、冷媒の温度が所定の温度以上であれば、開閉弁40
を閉状態として、連通路39から冷媒が迂回していかな
いようにする。
【0051】なお、温度センサ41は、下側部142内
に設けて、コンデンサ11の中流部分にて温度を検出す
る構成としても良く、また、コンデンサ11の流路内で
あれば、入口側、出口側を問わず、コンデンサ11内の
凝縮圧力に対応した温度として検出できれば良い。次
に、本発明の第6実施例について説明する。
【0052】図10に本実施例の正面図を示す。図10
に示すように、冷媒の流路となる一本のチューブ44が
蛇行して設けられ、このチューブ44間に放熱促進用の
フィン45が配された構成の従来から公知のサーペンタ
イン型のコンデンサ43において、第5実施例と同様に
して、チューブ44間を短絡するバイパス流路46を設
け、そのバイパス流路46に電気的な開閉弁47を設け
る。また、冷媒の温度を検出する温度センサ48を流路
内に設ける。この温度センサ48からの温度を入力と
し、開閉弁47の開閉制御を行う制御部49を設ける。
【0053】この制御部49は、上記の第5実施例の如
く、温度センサ48にて冷媒の温度を検出し、この温度
が所定の温度よりも低い温度となると、開閉弁47を開
放し、連通路46にて上流側の冷媒を下流側に流入す
る。また、冷媒の温度が所定の温度以上であれば、開閉
弁47を閉状態として、連通路46から冷媒が迂回して
いかないようにする。
【0054】上記の第1実施例から第6実施例につい
て、図12と共に説明する。図12に示すように、コン
デンサ内にて冷媒が流入し放熱する流路を冷媒流路50
とし、この冷媒流路50の入口を入口部55とし、出口
を出口部60とする。この冷媒流路50に対して、本発
明のバイパス流路は、冷媒流路50内の所望の2点をと
って、冷媒流路50を短絡するものであり、冷媒流路5
0内の上流側の部分と、下流側の部分とを結ぶ流路であ
る。
【0055】このバイパス流路は、一例として、図12
に示すように、上流側である入口部55から流入し、入
口部55よりも下流側である冷媒流路50の途中部分5
6に流出するバイパス流路51とする。また、冷媒が冷
媒流路50の途中部分57から流入し、この途中部分5
7よりも下流側の途中部分58に流出するバイパス流路
52としても良い。同様に、冷媒が冷媒流路50の途中
部分59から流入し、この途中部分59よりも下流側の
出口部60に流出するバイパス流路53としても良い。
また、冷媒が入口部55から出口部60に直接流出する
バイパス流路54としても良い。
【0056】何れのバイパス流路51、52、53、5
4においても、冷媒流路50内での放熱量を減少するこ
とができるので、コンデンサでの放熱能力を減少するこ
とができる。なお、上記の図1に示すコンデンサ11を
用いた第1〜第5実施例は、図12に示すバイパス流路
51を用いた例である。第6実施例は、バイパス流路5
2を用いた例である。図1に示すコンデンサ11におい
て、セパレータ19に連通穴を設けて、この連通穴に対
して開閉弁を配して制御するものは、上記のバイパス流
路53を用いた例である。
【0057】図9及び図10に示す実施例のように、コ
ンデンサの外部にバイパス流路を設ける構成において、
図12に示すバイパス流路54の如く入口部55から冷
媒を流入し、出口部60に流出する構成としても良い。
このように、バイパス流路をコンデンサの入口部分から
出口部分までの間を迂回するものとし、このバイパス流
路内に冷媒の一部を流入する構成とすることで、一部の
冷媒を全く凝縮させず、出口部分にて、他の凝縮された
冷媒と合流することで、放熱能力を抑制することができ
る。また、上記のバイパス流路51、52、53の例に
おいては、このバイパス流路51、52、53内に全冷
媒を流入する構成とすることで、全冷媒の放熱面積を減
少することができ、放熱能力を抑制することもできる。
【0058】上記の実施例の如く、EPR28を配した
冷凍サイクル30においては、図4のモリエル線図上に
示す状態100から状態101の如く、コンデンサ11
での温度を上昇させることで、この温度に比例する凝縮
圧力を上昇させることができ、もって、コンデンサ11
での凝縮圧力とエバポレータ27での蒸発圧力との圧力
差を、所定圧力差以上とする事ができる。膨張弁26に
て流れる冷媒の流量を所定量以上に確保することができ
るので、エバポレータ27内を流入する冷媒量も所定量
以上に確保することができ、エバポレータ27での除湿
能力を確保することができる。従って、冬期の低負荷状
態に内気循環にて空調装置を作動させた時にも、車窓の
除湿を確実に行うことができる。
【0059】なお、図7に示す冷凍サイクルにおいて、
冬期にフロスト防止の為に、コンプレッサ25の作動、
停止を繰り返しながら使用するものがあるが、本発明の
上記実施例の構成のコンデンサ11を用いれば、凝縮圧
力を上昇させることができるので、図11に示す冷凍サ
イクルの蒸発圧力も上昇する。従って、蒸発圧力が所定
圧力よりも低い圧力になるまでの時間が長くなるので、
コンプレッサ25を作動させておく時間が長くなり、従
来と比べて除湿能力を上昇させることができる。また、
コンプレッサ25の作動させる時間が長くなるので、コ
ンプレッサ25の作動、停止の繰り返し回数が減少し、
コンプレッサ25の作動、停止の切り替えを行う電磁ク
ラッチの寿命が長くなるという効果もある。
【0060】本構成の熱交換器は、上記の如くコンデン
サのみに限らず、例えば、エバポレータ等の他の熱交換
器に適用しても良く、他の熱交換器においても所望の熱
交換量になるように熱交換性能を抑制することができ
る。次に、本発明の第7実施例について説明する。図1
3に本実施例の開閉弁の正面図を示す。
【0061】図13に示す開閉弁61は、図1に示すセ
パレータ18の部分に配されるもので、タンク14の上
側部141内の冷媒の圧力と、タンク14の下側部14
2内の冷媒の圧力との圧力差にて冷媒の状態を検出し、
開閉するものである。図13に示すように、開閉弁61
は、セパレータ18の連通孔181内を上下動可能に設
けられており、スプリング63と、このスプリング63
を支える支持部62とを備える。
【0062】セパレータ18には、タンク14の上側部
141側に向けて、円筒形状の第1円筒部182を設
け、かつ、タンク14の下側部142側に向けて、円筒
形状の第2円筒部184を設ける。また、第1円筒部1
82の側面に貫通孔183を複数個設ける。開閉弁61
は、有底円筒形状の本体部611を、底部612が上側
部141側になるように配され、セパレータ18の第1
円筒部182内を上下動可能に設けられる。本体部61
1の円筒形状の側面613には、セパレータ18の第1
円筒部184に設けられた貫通孔183に対応する位置
に貫通孔615を設ける。また、この貫通孔615が、
セパレータ18の第1円筒部182の貫通孔183と対
応する位置にある時に、セパレータ18の下側面185
に当接する羽根部614を本体部611の側面613に
設ける。
【0063】支持部62は、セパレータ18の第2円筒
部184から内周方向に向けて配され、貫通孔621が
開いた支持板である。この支持部62は、セパレータ1
8の内周面に支持固定され、調整ネジ(図示省)により
図示上下方向に移動可能に設けられている。そして、こ
の調整ネジにより支持部62を上下方向に移動させて所
定の圧縮荷重に調整し、押圧力を調整することができ
る。
【0064】スプリング63は、開閉弁61を図示上側
方向に押し上げる押圧力を持ち、開閉弁61の羽根部6
14と支持部62との間に設けられている。なお、セパ
レータ18、開閉弁61、及び支持部62は、アルミニ
ウムより構成される。また、この開閉弁61は、チュー
ブ2やコルゲートフィン3等のロウ付け時に、同時にロ
ウ付け固定する。
【0065】次に、本実施例の開閉弁61の作動につい
て説明する。高負荷状態では、コンデンサ11内を流入
する冷媒量が多いために、コンデンサ11の流路内を流
入する際の冷媒の圧損が大きい。一方、低負荷状態で
は、コンデンサ11内を流入する冷媒量が少ないため
に、コンデンサ11の流路内を流入する際の冷媒の圧損
が小さい。従って、図12に示すように、流路内の上流
側と下流側との間にて圧力差を比較すると、高負荷時に
は圧力差が大きく、凝縮圧力が所定圧力以下となる低負
荷時には圧力差が小さくなる。
【0066】そこで、この開閉弁61は、タンク14の
上側部141内の冷媒の圧力と、下側部142内の冷媒
の圧力との圧力差ΔPが、例えば、0.2[Kgf/cm2
以上の時には、図14の差圧ΔPとスプリング63によ
る開閉弁61の移動特性図(リフト特性図)に示すよう
に、スプリング63の押圧力よりも圧力差ΔPの方が大
きく、図13(a)の如く押し下げられた状態となるよ
うに駆動する。このように開閉弁が押し下げられた状態
では、セパレータ18の第1円筒部に設けられた貫通孔
183と、開閉弁61に設けられた貫通孔615との位
置がずれており、タンク14の上側部141と下側部1
42とは連通していない。
【0067】タンク14の上側部141内の冷媒の圧力
と、下側部142内の冷媒の圧力との圧力差ΔPが0.
2[Kgf/cm2 ]よりも小さい時には、図14に示すよう
に、スプリング63の押圧力よりも圧力差ΔPの方が小
さく、図13(b)の如く押し上げられた状態となる。
このように開閉弁が押し上げられた状態では、セパレー
タ18の第1円筒部に設けられた貫通孔183と、開閉
弁61に設けられた貫通孔615との位置が対応した位
置関係となり、タンク14の上側部141と下側部14
2とが連通する。
【0068】従って、上記の如く、タンク14の上側部
141内の冷媒の圧力と下側部142内の冷媒の圧力と
の圧力差により、冷媒の状態を検出し、冷媒の流路を切
り替えてコンデンサ11の凝縮能力制御を行うことがで
きる。なお、図5に示す第3実施例において、開閉弁3
5に配されたスプリング36を形状記憶合金ではなく、
図14に示すようなリフト特性を有するスプリング36
とする事で、上記の如く、差圧ΔPにより駆動される開
閉弁とする事ができる。
【0069】また、図6に示す第4実施例において、開
閉弁38は、形状記憶合金よりなるものであるとした
が、支持部382をスプリングとし、上記と同様に、差
圧ΔPにより駆動されるものとしても良い。次に、本発
明の第8実施例について説明する。本実施例は、図15
に示すように、流入用の接続管20からタンク14の上
側部141内に流入した冷媒は、他端側のタンク(図示
省)にてUターンし、タンク14の下側部142内に流
入するコンデンサ64に用いた例である。
【0070】このコンデンサ64において、セパレータ
18の部分に第7実施例の開閉弁61と同様の開閉弁6
5を設ける。この開閉弁65は、上記実施例の開閉弁6
1において本体部611を下側部141側に長く形成さ
れた円筒形状の円筒部651とする。この円筒部651
は、タンク14の下側部142の下端部に設けられた流
出用の接続口21まで設けられている。この円筒部65
1には、内部の流路653とタンク14の下側部142
とを連通する連通孔652が複数個設けられている。こ
の円筒部651と接続口21との間にはスプリング63
が配されている。
【0071】このスプリング63は、上記の第7実施例
と同様に、図14に示すようなリフト特性を有する。従
って、開閉弁65は、タンク14の上側部141内の冷
媒の圧力と下側部142内の冷媒の圧力との圧力差に応
じて、第7実施例と同様に開閉する。この構成によれ
ば、開閉弁65の流路653内に流入した冷媒が、直接
接続口21に流出するので、タンク14の下側部142
内に冷媒を流出した時に危惧される下側部142内の冷
媒の攪乱を防止することができる。
【0072】次に、本発明の第9実施例について説明す
る。図16に本実施例の開閉弁の正面図を示す。図16
に示す開閉弁66は、図1に示すセパレータ18の部分
に配されるもので、タンク14の上側部141内の冷媒
の圧力にて冷媒の状態を検出し、開閉するものである。
【0073】図16に示すように、開閉弁66は、セパ
レータ18の連通孔181内を上下動可能に設けられて
おり、この開閉弁66の上部に設けられたベローズ67
と、スプリング63と、このスプリング63を支える支
持部62とを備える。セパレータ18には、タンク14
の上側部141側に向けて、有底円筒形状の第1円筒部
188を設け、かつ、タンク14の下側部142側に向
けて、円筒形状の第2円筒部186を設ける。第1円筒
部188の側面には、貫通孔183を複数個設けてあ
り、第2円筒部186の側面にも貫通孔187が複数個
設けられている。
【0074】開閉弁66は、図16(c)の上面図、及
び(d)の正面図に示すように、円柱形状の本体部66
1と、この本体部661の上部に設けられた十字状のガ
イド部662とから構成され、セパレータ18の連通孔
181内を上下動可能に設けられる。図16(a)に示
すように、この開閉弁66が上方に位置する時には、開
閉弁66の本体部661の周縁部663がセパレータ1
8の下側面185に当接して連通孔181を覆い、タン
ク14の上側部141と下側部142とを連通させない
状態となる。
【0075】図16(b)に示すように、開閉弁66が
下方に位置する時には、連通孔181が開放され、タン
ク14の上側部141内の冷媒は貫通孔183から図示
矢印の如くガイド部662との間隙を通って貫通孔18
7よりタンク14の下側部142内に流入する。なお、
タンク14の上側部141内の冷媒は、貫通孔183を
通過して、常時ベローズ67と接触している。
【0076】ベローズ67は、金属製(アルミニウム
等)であり、図17に示すように、例えば、3〜4[Kg
f/cm2 ]程度の所定の圧力で不活性ガスが封入されてい
る。支持部62は、セパレータ18の第2円筒部186
から内周方向に向けて配され、貫通孔621が開いた支
持板である。この支持部62は、セパレータ18の内周
面に支持固定され、調整ネジ(図示省)により図示上下
方向に移動可能に設けられている。そして、この調整ネ
ジにより支持部62を上下方向に移動させて所定の圧縮
荷重に調整し、押圧力を調整することができる。
【0077】スプリング63は、開閉弁66を図示上側
方向に押し上げる押圧力を持ち、開閉弁66の本体部6
61と支持部62との間に設けられている。なお、セパ
レータ18、開閉弁66、及び支持部62は、アルミニ
ウムより構成される。この開閉弁66は、タンク14の
上側部141内の冷媒の圧力が、4[Kgf/cm 2 ]以上の
時には、図17のタンク14の上側部141内の冷媒の
圧力とベローズ67の移動量とのリフト特性図に示すよ
うに、ベローズ67の内圧よりもタンク14の上側部1
41内の冷媒の圧力の方が大きく、ベローズ67が縮ん
だ形状となる。この時には、図16(a)に示すよう
に、開閉弁66が連通孔181を閉じた状態となる。
【0078】一方、タンク14の上側部141内の冷媒
の圧力が、4[Kgf/cm2 ]よりも低い時には、図17に
示すように、ベローズ67の内圧の方がタンク14の上
側部141内の冷媒の圧力よりも大きく、ベローズ67
が伸びた状態となる。この時には、図16(b)に示す
ように、開閉弁66が連通孔181を閉じた状態とな
る。
【0079】従って、上記の如く、タンク14の上側部
141内の冷媒の圧力により冷媒の状態を検出し、冷媒
の流路を切り替えてコンデンサ11の凝縮能力制御を行
うことができる。次に、本発明の第10実施例について
説明する。図18に、本実施例のコンデンサの要部断面
図を示す。
【0080】この実施例のコンデンサ69は、図15に
示す第8実施例と同様に、流入用の接続管20からタン
ク14の上側部141内に流入した冷媒が、他端側のタ
ンク(図示省)にてUターンし、タンク14の下側部1
42内に流入する。このコンデンサ69において、セパ
レータ18の部分に第9実施例の開閉弁66を設ける。
この開閉弁66の下方には、開閉弁66の下部から冷媒
流出用の接続口21までの長さにて形成された有底円筒
形状の円筒部68を設ける。この円筒部68は、内部に
冷媒が流入する冷媒通路681を形成し、この冷媒通路
681とタンク14内の下側部141内とを連通する連
通孔682を複数個設ける。円筒部68には、外周方向
に突出した突出部683が円筒部68の下方に形成され
ており、この突出部683と接続口21との間にはスプ
リング63が配されている。
【0081】このスプリング63は、上記の第9実施例
と同様に、図17に示すようなリフト特性を有する。従
って、本実施例の開閉弁66は、タンク14の上側部1
41内の冷媒の圧力がベローズ67内の所定の圧力と比
較して大きいか否かにより、第9実施例と同様に開閉す
る。この構成によれば、開閉弁66が開状態となると、
タンク14の上側部141内の冷媒が図示矢印方向に流
れて下側部142内に流入する。下側部142内に流入
した冷媒は、チューブ12内を流入してきた冷媒と共に
冷媒通路681内に流入し、接続口21より流出する。
この構成においても、下側部142内に流入した冷媒が
円筒部68内の冷媒通路681内に流入してから接続口
21にて流出するので、下側部142内の冷媒の攪乱を
防止することができる。
【0082】次に、本発明の第11実施例について説明
する。図19に本実施例の要部断面図を示す。図19に
示すように、本発明のコンデンサ70は、上記の第8実
施例及び第10実施例と同様に、Uターン式のコンデン
サである。このコンデンサ70のセパレータ18には、
図13に示す第7実施例と同様のセパレータ18を設け
る。
【0083】また、開閉弁71は、中空円柱形状を呈
し、セパレータ18の連通孔181内を上下動可能に設
けられており、下部にはベローズ67が配されている。
開閉弁71には、ベローズ67が図19(b)の如く伸
びた状態になった時に、セパレータ18に設けられた貫
通孔183に対応する位置に第1の貫通孔711を形成
しておく。また、タンク14の上側部141内から第1
の貫通孔711を通して流入した冷媒が下側部142内
に流出するように、開閉弁71の下方部には第2の貫通
孔712を形成しておく。ベローズ67内には上記の実
施例と同様に所定圧力の不活性ガスが封入されている。
【0084】開閉弁71の下方部及びベローズ67の外
周には、セパレータ18の下側面185から接続口21
まで円筒形状の円筒部72を設ける。円筒部72には、
この円筒部72内部の冷媒通路721とタンク14の下
側部142内とを連通する連通する連通孔722を複数
個設ける。なお、この円筒部72と接続口21とは一体
に形成する。また、図示垂直方向に伸び、両端部が円筒
部72に連結して設けられてベローズ67を支持する支
持部73が、ベローズ67の下部に設けられている。セ
パレータ18の下側面185とベローズ67の上側面と
の間には、スプリング63を配しておく。
【0085】上記の開閉弁71によれば、タンク14の
上側部141内の冷媒の圧力が開閉弁71の上側面71
2にかかって図示下側に押す力となり、ベローズ67内
の不活性ガスの圧力が開閉弁71を図示上側方向に押す
力となる。この時、スプリング63は、セパレータ18
に支えられてベローズ67を下側に押す力となる。スプ
リング63の押圧力とベローズ67内の不活性ガスの押
圧力は、略一定の圧力にて開閉弁71にかかるので、タ
ンク14の上側部141内の冷媒の圧力の大小にて、第
9実施例及び第10実施例と同様に、開閉弁71が駆動
される。また、タンク14の上側部141内から開閉弁
71内に流入した冷媒は、円筒部72の冷媒通路721
内を流入して接続口21から流出する。一方、チューブ
12内を流入してUターンしてから下側部142内に流
入した冷媒は、連通孔722から冷媒通路721内に流
入して接続口から流出する。
【0086】上記の構成のコンデンサ70においても、
タンク14の上側部141内の冷媒の圧力により冷媒の
状態を検出し、冷媒の流路を切り替えてコンデンサ11
の凝縮能力制御を行うことができる。次に、本発明の第
12実施例について説明する。図20(a)に本実施例
の開閉弁の正面図を示す。
【0087】図20(a)に示すように、第1実施例に
おけるコンデンサ11のセパレータ18の部分に細長い
管にて形成され蛇状に設けられたキャピラリチューブ7
4を配する。このキャピラリチューブ74は、一端がセ
パレータ18に設けられた連通孔181に連結され、他
端がタンク14の下側部142内に配されており、この
キャピラリチューブ74が開閉手段をなす。キャピラリ
チューブ74は、アルミニウム製であり、コンデンサ1
1のロウ付け時に一体ロウ付けされる。
【0088】細長い管にて形成されたキャピラリチュー
ブ74内に流入する冷媒の流量は、キャピラリチューブ
74の入口の圧力と、キャピラリチューブ74の温度
と、入口側の冷媒が気相状態であるのか、液相状態であ
るのかという相状態により決まる。高負荷時等の通常の
運転時には、キャピラリチューブ74の入口側となるタ
ンク14の上側部141内はガス状態の冷媒である。こ
のため、キャピラリチューブ74の内部の流路抵抗が大
きく、この内部を流入する冷媒の量は少ない。
【0089】一方、低負荷運転時には、コンデンサ11
内部の冷媒が過冷却され、図4のモリエル線図上にて示
される状態103の如く、過冷却度SCを持つ状態とな
り、液冷媒がコンデンサ11内に停滞することがある。
このように過冷却度SCを持つと、徐々にセパレータ1
8の上側にも液冷媒が溜まる状態となる。液冷媒がセパ
レータ18の上側にまで溜まると、キャピラリチューブ
74の入口にて液冷媒が流入することとなり、キャピラ
リチューブ74内の流路抵抗が小さくなる。従って、多
くの冷媒が、バイパス流路であるキャピラリチューブ7
4内を流入するので、コンデンサ11における凝縮能力
を減少させることができる。
【0090】先に説明したように、キャピラリチューブ
74に流入する冷媒の流量は、キャピラリチューブ74
の入口の圧力にて決まる。図4のモリエル線図に示すよ
うに、コンデンサ11での凝縮能力を抑えるべき状態
は、凝縮圧力が低下してきた時であり、この圧力に応じ
て、キャピラリチューブ74内を流入する冷媒量は制御
されるので、低負荷時には流入する冷媒量が増加する。
【0091】なお、本実施例のキャピラリチューブ74
による構成では、常時冷媒を短絡している状態となるた
め、短絡しなくても良い時には冷媒の殆どが短絡しない
ように、キャピラリチューブ74の流路長さを長く形成
し、圧損を大きくしておくと良い。また、図20(b)
に示すように、キャピラリチューブ74をコンデンサ1
1の外部に配し、キャピラリチューブ74に外気温度が
影響する構成としても良い。外気温度がキャピラリチュ
ーブ74に影響すれば、外気温度が低い時には、このキ
ャピラリチューブ74内の冷媒の温度も低下し、冷媒の
温度に比例する圧力が低下する。圧力が低下すればキャ
ピラリチューブ74内に流入する冷媒量が増加して、コ
ンデンサ11の放熱面をバイパスする冷媒量が増えるの
で、凝縮能力を低下させることができる。なお、この時
には、外気温度と冷媒の状態との兼ね合いで冷媒の流入
量が変化する。
【0092】次に、本発明の第13実施例について説明
する。図21に本実施例の要部断面図を示す。図21に
示すように、本発明のコンデンサ75は、上記の第8実
施例及び第10実施例及び第11実施例と同様に、Uタ
ーン式のコンデンサである。このコンデンサ75のセパ
レータ18には、図1に示す第1実施例と同様のセパレ
ータ18を設ける。
【0093】このセパレータ18の下方には、本実施例
の開閉弁76と、この開閉弁の下部に設けられたベロー
ズ67と、このベローズ67を支持する支持部73と、
円筒部72と、スプリング63とからなる。ベローズ6
7と支持部73と円筒部72とスプリング63は、図1
9に示す第11実施例と同様の構成である。但し、ベロ
ーズ67の内部には、温度の変化に従って体積が変化す
るように気液二相状態の冷媒を封入しておく。この特性
は、所定温度よりも温度が低いとベローズ67内の圧力
が減少し、スプリング63の押圧力よりも小さくなるの
で、ベローズ67が縮んだ状態となる。また、所定温度
以上の温度である時にはベローズ67内の圧力が増加
し、スプリング63の押圧力以上となるので、ベローズ
67が伸びた状態となる。
【0094】開閉弁76は、ベローズ67の上部に配さ
れ、ベローズ67が伸びている時にセパレータ18の連
通孔181を閉じ、ベローズ67が縮んでいる時にセパ
レータ18の連通孔181とは離れて、タンク14の上
側部141内と下側部142内とを連通する。この開閉
弁67は、セパレータ18の連通孔181の径よりも大
きく、この連通孔181に当接した時に連通孔181を
閉じることができるような末広がりの形状の弁部761
と、この弁部761を支えてベローズ67の力を伝える
支持棒部762とからなる。
【0095】なお、この構成では、ベローズ67内の冷
媒の圧力と、スプリング63の押圧力との差にて開閉弁
76が駆動される。次に、この開閉弁76の作動につい
て説明する。図4のモリエル線図において、状態103
に示すように、低負荷状態においては、冷媒が過冷却度
SCを持つ場合がある。冷媒が過冷却度を持ち液相状態
になると、この液相状態の冷媒は、気液二相状態の冷媒
よりも過度に温度が下がった状態となる。温度が下がる
と、ベローズ67の内部のガス状態の冷媒の体積が減
り、ベローズ67内の圧力が減少する。ベローズ67内
部の圧力がスプリング67の押圧力よりも低い圧力とな
ると、ベローズ67が縮み、開閉弁76が押し下げられ
て、連通孔181が開放する。従って、タンク14の上
側部141内の冷媒が下側部142内に直接流入する構
成となる。
【0096】冷媒が過冷却度SCを持たない時には、冷
媒の温度が過度に下がってはおらず、ベローズ67内の
ガス冷媒の体積が増加し、ベローズ67内の圧力が高く
なる。従って、ベローズ67内の圧力がスプリング63
の押圧力よりも大きい状態となり、連通孔181は閉じ
た状態となる。この実施例は、図1に示す第1実施例の
如く、冷媒の温度にて作動する弁を設けた例であり、こ
の時の作動温度を過冷却度SCが所定温度以上になった
場合にする例である。
【0097】この実施例においても、タンク14の上側
部141内の冷媒の温度により冷媒の状態を検出し、冷
媒の流路を切り替えてコンデンサ11の凝縮能力制御を
行うことができる。次に、本発明の第14実施例につい
て説明する。図23に本実施例の開閉弁の正面断面図を
示す。
【0098】本実施例の開閉弁66は、図1に示すセパ
レータ18の部分に配されるもので、外気温度に応じて
開閉するものである。図23に示すように、本実施例で
は、図16に示す第9実施例と同様に、開閉弁66とベ
ローズ67とスプリング63と支持部62とを備え、ベ
ローズ67には、キャピラリチューブ77を通して外気
温度に応じた圧力が影響するように構成されている。な
お、開閉弁66とベローズ67とスプリング63と支持
部62は、第9実施例の弁構造と同様であるため、説明
を省略する。
【0099】本実施例では、ベローズ67にキャピラリ
チューブ77の一端が接合されており、キャピラリチュ
ーブ77内には、後に説明するMOP値を持つガスを封
入しておく。このキャピラリチューブ77内の冷媒は、
ベローズ67内に移動可能に設けてあり、キャピラリチ
ューブ77と第1円筒部188の上面との隙間はシール
しておく。なお、キャピラリチューブ77の他端はコン
デンサ11の外部に突出し、外部の温度に応じて内部の
不活性ガスの圧力が変化する構成とする。また、スプリ
ング63の押圧力に打ち勝てるように、ベローズ内には
所定圧力の不活性ガスを封入しておく。
【0100】ベローズ67及びキャピラリチューブ77
の内部の温度と圧力との関係の一例を図26(a)に示
す。キャピラリチューブ77はコンデンサ11の外部に
突出しているため、内部のガスの温度は外気温度Tに追
従した温度となる。キャピラリチューブ77とベローズ
67内の圧力は、図26(a)に示す如く温度に従って
圧力が上昇するので、外気温度にてベローズ67が縮ん
だり伸びたりする。
【0101】開閉弁66には、図27に示すように、ベ
ローズ67の内圧PI が上部からかかり、タンク14の
上側部141内の冷媒の圧力PH とスプリング63の押
圧力PS との和が下部よりかかる。この上部からの押圧
力と下部からの押圧力とのつりあいにより開閉弁66が
駆動される。ところで、MOP値とは、最大作動圧力の
ことであり、所定温度以上になっても内圧が上昇しない
ようにした圧力値の事である。本実施例では、例えば、
タンク14内の冷媒の温度が9°C以上の時にはベロー
ズ67の内圧が所定圧力である5[Kgf/cm2 ]になる。
【0102】タンク14の上側部141内の冷媒が5
[Kgf/cm2 ]以上である時には、図26(a)の斜線部
に示すように、ベローズ67の内圧PI よりもコンデン
サ11の内圧PH とスプリング63の押圧力PS との和
の方が大きく、ベローズ67は縮んだ状態となる。一
方、タンク14の上側部141内の冷媒が5[Kgf/c
m2 ]以下である時には、図26の圧力差ΔPに示すよ
うに、ベローズ67の内圧PIがコンデンサ11の内圧
PH とスプリング63の押圧力PS との和の方よりも大
きく、ベローズ67が伸びた状態となる。
【0103】なお、この実施例では、低負荷状態であり
コンデンサ11内に流入する冷媒をバイパス流路にてバ
イパスさせる条件として、外気温度が所定温度以下であ
る時とする。低負荷状態は外気温度に略比例するためで
ある。次に、本実施例のコンデンサ11の作動について
説明する。外気温度が所定温度(例えば、9°C)以上
の時には、ベローズ67内の圧力はMOP値をとる。従
って、ベローズ67は縮み、スプリング63の力で連通
孔181が閉じる。
【0104】外気温度が所定温度(例えば、9°C)よ
りも低い時には、ベローズ67内の圧力は、外気温度に
対する飽和圧力+不活性ガス圧力となる。この場合、コ
ンデンサ11内の凝縮圧力が低いと、ベローズが伸長し
開閉弁66を押し下げる。この時のリフト量は、図26
(b)に示すように、圧力差ΔPに従い、不活性ガスの
圧力量(2[Kgf/cm2 ])まで、徐々に増加する。
【0105】従って、本実施例の如く、外気温度により
低負荷状態にあることを検出し、冷媒の流路を切り替え
る構成としても、コンデンサ11の凝縮能力制御を行う
ことができる。なお、図24に示すように、Uターン状
のコンデンサ78に上記の第14実施例の開閉弁を用
い、他のUターン状のコンデンサと同様に円筒形状の冷
媒通路にて排出口21から冷媒を流出する構成としても
良い。なお、上記の他の実施例と同様の構成部分には、
同じ番号を付しておく。
【0106】79は、キャピラリチューブ77内に温度
を伝える感熱筒であり、この感熱筒79とキャピラリチ
ューブ77とは連通している。図25に示すように、ベ
ローズ67の伸長量Lは、0°C以上の時に縮んだ状態
とし、0°Cから5°Cにかけて徐々に伸びていくよう
に、図26に示すMOP値を決定しても良い。即ち、こ
の構成では、外気温度Tが0°C以下になると、タンク
14の上側部141と下側部142とを連通する連通孔
181が開放状態となり、上側部141内の冷媒が下側
部142内に直接流入する。
【0107】次に、本発明の第15実施例について説明
する。図28に本実施例の要部断面図を示す。図28に
示すように、本発明のコンデンサ80は、上記の第8実
施例と同様に、Uターン式のコンデンサである。なお、
このコンデンサ80は、冷媒流入用の接続口20をタン
クの下方に設け、流出用の接続口21を上部に設ける。
従って冷媒はタンク14の下側部142からチューブ1
2内を流入し、他端側のタンク内にてUターンして上側
部141内に流入する。
【0108】このコンデンサ80のセパレータ18に
は、図1に示す第1実施例と同様のセパレータ18を設
ける。このセパレータ18の上部には、浮力によって作
動するフロート81を設ける。このフロート81が本発
明の開閉弁の作動をする。フロート81の上部とタンク
14の上側部141の上面145との間には、スプリン
グ63を配する。このスプリング63により、フロート
81は、セパレータ18側に押さえつけられている。
【0109】なお、図29の液位(液冷媒の量)とリフ
ト量Lとの関係図に示す様に、所定量の液位以上になる
と、フロート81は上側に持ち上げられる。このフロー
ト81は、浮力を得るために、中空の金属品にて形成さ
れる。次に、本実施例のコンデンサ80の作動について
説明する。第12実施例にて説明したように、低負荷状
態では、コンデンサの出口側にて冷媒が過冷却度SCを
持つ。本構成の如く、出口側の排出口21をタンク14
の上側部141に配せば、過冷却度SCを持つ液冷媒は
セパレータ18の上部側に溜まる。
【0110】低負荷時に液冷媒の量が増加し、図29に
示す所定量の液位を越えると、フロート81の浮力がス
プリング63の押圧力に打ち勝ち、フロート81は徐々
に浮いてくる。フロート81が浮くとセパレータ18の
連通穴181が開放状態となる。コンデンサ80の入口
側と出口側では、流路内での圧損があるために入口側の
方が圧力が高い。従って、セパレータ18の連通穴18
1が開放状態になると、タンク14の下側部142内の
ガス冷媒が、圧力の低い上側部141に流入する。
【0111】従って、この実施例の如く、過冷却度SC
を持つ液冷媒にて冷媒の状態を検出し、冷媒の流路を切
り替える構成としても、コンデンサ11の凝縮能力制御
を行うことができる。次に、本発明の第16実施例につ
いて説明する。図30に本実施例の開閉弁の要部断面図
を示す。
【0112】図30に示す開閉弁82は、図1に示すセ
パレータ18の部分、もしくは、セパレータ19の部分
に配されるもので、上記の第16実施例と同様に過冷却
度SCにより冷媒の状態を検出し、開閉するものであ
る。図30に示すように、開閉弁82は、セパレータ1
8の連通孔181内を上下動可能に設けられており、ス
プリング63と、このスプリング63を支える支持部6
2とを備える。
【0113】セパレータ18には、タンク14の下側部
142側に向けて、円筒形状の第1円筒部182を設
け、かつ、タンク14の上側部141側に向けて、円筒
形状の第2円筒部184を設ける。また、第1円筒部1
82の側面に貫通孔183を複数個設ける。開閉弁82
は、有底円筒形状の本体部821を、底部822が下側
部142側になるように配され、セパレータ18の第1
円筒部182内を上下動可能に設けられる。本体部82
1の円筒形状の側面823には、セパレータ18の第1
円筒部182に設けられた貫通孔183に対応する位置
に貫通孔825を設ける。また、この貫通孔825が、
セパレータ18の第1円筒部182の貫通孔183と対
応せず、図30(a)の如く、貫通穴825と貫通穴1
83とが連通しない位置にある時に、セパレータ18の
上側面189に当接する羽根部824を本体部821の
側面823に設ける。底部822は、図示の如く円柱形
状を呈し、浮力を有する。また、貫通孔825は、セパ
レータ18の貫通孔183よりも大きく形成され、過度
の浮力により開閉弁82が上昇しても貫通孔825と貫
通孔183が連通するように形成する。
【0114】支持部62は、セパレータ18の第2円筒
部184から内周方向に向けて配され、貫通孔621が
開いた支持板である。この支持部62は、セパレータ1
8の内周面に支持固定され、調整ネジ(図示省)により
図示上下方向に移動可能に設けられている。そして、こ
の調整ネジにより支持部62を上下方向に移動させて所
定の圧縮荷重に調整し、押圧力を調整することができ
る。
【0115】スプリング63は、開閉弁82を図示下側
方向に押し下げる押圧力を持ち、開閉弁82の羽根部8
24と支持部62との間に設けられている。なお、セパ
レータ18、開閉弁82、及び支持部62は、アルミニ
ウムより構成される。また、この開閉弁61は、チュー
ブ2やコルゲートフィン3等のロウ付け時に、同時にロ
ウ付け固定する。
【0116】次に、本実施例の開閉弁82の作動につい
て説明する。第15実施例にて説明したように、低負荷
状態では、コンデンサの出口側にて冷媒が過冷却度SC
を持つ。本構成の開閉弁82を図1のセパレータ18も
しくは19の位置に設ければ、過冷却度SCを持つ液冷
媒がタンク14、15の下側部142、152に溜まる
と、液冷媒によりフロートとなる底部822が駆動され
る。
【0117】低負荷時に液冷媒の量が増加し、所定量の
液位を越えると、底部822の浮力がスプリング63の
押圧力に打ち勝ち、開閉弁82は徐々に浮いてくる。開
閉弁82が浮くとセパレータ18の連通穴181が開放
状態となる。従って、この実施例の如く、過冷却度SC
を持つ液冷媒にて冷媒の状態を検出し、冷媒の流路を切
り替える構成としても、コンデンサ11の凝縮能力制御
を行うことができる。
【0118】なお、本実施例では、開閉弁82の貫通孔
825をセパレータ18の貫通孔183よりも大きく形
成したが、逆に、セパレータ18の貫通孔183を開閉
弁82の貫通孔825よりも大きく形成することで、開
閉弁82が上昇した時はいつでもセパレータ18の貫通
孔183と開閉弁82の貫通孔825とが連通するよう
に構成しても良い。
【0119】次に、本発明の第17実施例について説明
する。本実施例の開閉弁83は、図1に示すセパレータ
18の位置するヘッダ部14の外側に配されバイパス流
路を形成するもので、冷媒の凝縮温度に応じてこのバイ
パス流路を開閉する。図31に示すように、本実施例の
開閉弁83はヘッダ側ブロック831、外付けブロック
832、およびバイメタル製のバルブ833を備えてお
り、ヘッダ14の外側にロウ付けされる。ヘッダ側ブロ
ック831と外付けブロック832はボルト834によ
り固定され、Oリング835によりシールされている。
ヘッダ側ブロック831にはセパレータ18をはさんで
両側にバイパス穴836a,836bが開口されてお
り、このバイパス穴836aを開閉するようにバルブ8
33がネジ837により固定されている。
【0120】夏期等の高負荷状態ではコンデンサ11に
流入する冷媒の温度が高温であるために、バイメタル製
のバルブ833は閉状態となっており、冷媒は全て熱交
換部であるチューブ12を流れる。一方、冬期の低負荷
状態ではコンデンサに流入する冷媒の温度が所定温度よ
りも低いために、バルブ833が開状態となりヘッダタ
ンク14の上側部141と下側部142が連通し、上記
第1実施例と同様の作動を行う。なお、バルブ833は
バイメタル製としたが形状記憶合金製としてもよい。
【0121】次に、本発明の第18実施例について説明
する。図32に示すように、本実施例の開閉弁84は上
記第17実施例のものと同様、コンデンサ11のヘッダ
タンク14にバイパスブロックを設置するものとする。
以下、構成を説明する。セパレータ18の位置するヘッ
ダタンク14の外部にブロック受け841が一体にロウ
付けされており、さらにその外側にはブロック蓋842
がボルト844により締結固定されている。ブロック蓋
842の内部は中空部になっており、ヘッダタンク14
の上側部141に連通している。また、ブロック蓋84
2およびブロック受け841にはバイパス流路846が
形成されており、ヘッダタンク下側部142に連通して
いる。ブロック蓋842の中空部には前記バイパス流路
846の開閉を行う開口孔843aを有したスプール形
状の弁体843が移動可能に配設されており、この弁体
843の水平方向外側に設けられたベローズ85と、ス
プリング86と、このスプリング86を支える支持部8
7とを備えている。
【0122】ベローズ85は、金属製(アルミニウム
等)であり。図32(c)に示すように、例えば、3〜
4[kgf/cm2 ]程度の所定の圧力で不活性ガスが封入
されている。支持部87は、貫通孔871が開いた支持
板であり、この支持部87は前記ブロック蓋842の中
空部の内周面に支持固定され、調整ネジにより図示水平
方向に移動可能に設けられている。そして、この調整ネ
ジにより支持部87を水平方向に移動させて所定の圧縮
荷重に調整し、スプリング86の押圧力を調整すること
ができる。
【0123】また、ブロック受け841とブロック蓋8
42との間はOリング845によりシールされている。
この開閉弁84は、タンク14の上側部141内の冷媒
の圧力が、4[kgf/cm2 ]以上のときには、図32
(c)の上側部141内の冷媒の圧力とベローズ85の
移動量とのリフト特性図に示すように、ベローズ85の
内圧よりもタンク14の上側部141内の冷媒の圧力の
方が大きく、ベローズ85が縮んだ形状となる。このと
きは図32(b)に示すように、弁体843がバイパス
通路846を閉じた状態となる。
【0124】一方、タンク14の上側部141内の冷媒
の圧力が、4[kgf/cm2 ]よりも低いときには、ベロ
ーズ85が伸びた状態となる。この時には、弁体843
の開口孔843aがバイパス通路846と連通しバイパ
ス通路を開いた状態となる。したがって、上記の如く、
タンク14の上側部141内の冷媒の圧力により冷媒の
状態を検出し、冷媒の流路を切り替えて第1実施例のも
のと同様の作動および効果を得ることができる。また、
弁体843の円周部にOリングを設置し、ヒスを持たせ
ることによってハンチングを防止することもできる。
【0125】次に、本発明の第19実施例について説明
する。本実施例におけるコンデンサ89は、上記第15
実施例と同様にUターン式のコンデンサで、冷媒流入用
の接続口20をタンクの下方に設け、流出用の接続口2
1を上部に設ける。したがって冷媒はタンク14の下側
部142からチューブ12内に流入し、他端側のタンク
内にてUターンして上側部141内に流入する。開閉弁
88は、第17実施例と同様、図1に示すセパレータ1
8の位置するヘッダ部14の外側に配されバイパス流路
を形成するもので、セパレータ18前後の冷媒の圧力差
に応じてこのバイパス流路を開閉する。図33(a),
(b)に示すように、本実施例の開閉弁88はヘッダ側
ブロック881、外付けブロック882、および弁体8
83を備えており、ヘッダ側ブロック881はヘッダ1
4の外側にロウ付けされる。ヘッダ側ブロック881と
外付けブロック882はボルト884により固定され、
Oリング885によりシールされている。ヘッダ側ブロ
ック881にはセパレータ18をはさんで両側にバイパ
ス孔886a,886bが開口されており、このバイパ
ス孔886aを開閉するように弁体883がスプリング
887を介して配されている。このスプリング887の
リフト特性は図33(c)に示す通りである。
【0126】以下、本実施例の作動を説明する。高負荷
時は冷媒の流量が多く、コンデンサでの圧損が大きいた
めセパレータ18前後での圧力差ΔPが0.2[kgf/
cm2 ]以上ある。このため、圧力差により弁体883は
閉となり、コンデンサ89は通常の作動を行う。一方、
低負荷時は冷媒の流量が少なく、コンデンサでの圧損が
小さいためセパレータ18前後での圧力差ΔPが0.2
[kgf/cm2 ]未満となる。このため、圧力差によるバ
イパス閉方向の力よりもスプリング887の力によるバ
イパス開方向の力のほうが大きくなる。この結果、バイ
パス孔886aは開となり、ガス冷媒がバイパスされ、
コンデンサの放熱性能が低下する。そのため高圧圧力が
上がり、膨張弁にて差圧がとれ、冷媒が流れることによ
り除湿能力が得られる。
【0127】次に、本発明の第20実施例について説明
する。図34(a)に、本実施例のコンデンサ91の要
部断面図を示す。この実施例のコンデンサ91は、流入
用の接続管20からタンク14の上側部141に流入し
た冷媒が、他端側のタンク(図示省略)にてUターン
し、タンク14の下側部142に流入し、流出用の接続
管21から流出する。
【0128】本実施例の開閉弁90は、ヘッダタンク1
4のセパレータ18の位置する部位に設けた窪み部に設
置されバイパス流路を形成するもので、外気の温度に応
じてこのバイパス流路を開閉する。図34(a)に示す
ように、本実施例の開閉弁90はヘッダ側ブロック90
1、バイパスブロック902、弁体903、および温度
応動部材としてのバイメタル92を備える。ヘッダ側ブ
ロック901はアルミ製で、同じくアルミ製の上記MF
コンデンサ91のヘッダタンク14とセパレータ18に
一体ロウ付け成形される。ヘッダ側ブロック901には
ネジ穴が設けられており、バイパスブロック902がボ
ルト904により締結され、両ブロック901、902
の間はOリング905によってシールされている。ヘッ
ダタンク14およびヘッダ側ブロック901にはセパレ
ータ18をはさんでバイパス孔906a、906bが開
口されている。従って、この両バイパス孔906a,9
06bと両ブロック901、902によってバイパス回
路が形成される。バイパスブロック902内にはスプリ
ング907、SUS製で先端が円錐台形状の弁体90
3、作動棒909、およびバイメタル92とによる作動
系が配されている。バイメタル92はかしめによってバ
イパスブロック902に固定され、バイパスブロック9
02内外のシールはOリング908によって行われる。
【0129】上記構成の開閉弁90の弁体903はスプ
リング907とバイメタル92の力のつりあい関係で開
閉位置が決まる。バイメタル92は反転板タイプとし、
その温度特性は図34(b)に示す。以下、その作動を
説明する。外気温度が0℃より高いときは、図34
(a)の状態でバイメタル92に押されて弁体903は
バイパス孔906aを閉じている。外気温度が0℃のと
きは、バイメタル92が反転し、スプリング907に押
されて弁体903はバイパス孔906aを開く。また、
外気温度が0℃未満のときは、バイメタル92は反転し
たままで、弁体93はバイパス孔906aを開いた状態
のままである。
【0130】なお、外気温度が0℃未満から上昇してい
く場合は、図34(b)に示す通りバイメタル92のヒ
ス特性により、外気温度が10℃未満で弁体903は開
のまま、10℃となったところで復帰して、弁体903
が閉じる用に設定されている。このヒス特性により、弁
体903の作動に伴うハンチングを防ぐことができる。
【0131】以上の作動により、冬期内気暖房時にヘッ
ダタンク14部をガス冷媒がバイパスすることにより、
コンデンサ91の放熱性能を低下させ、凝縮圧力を上げ
ることができる。なお、上記温度応動部材にはバイメタ
ルを用いたが形状記憶合金としてもよい。次に、本発明
の第21実施例について説明する。
【0132】図35に、本実施例の冷凍サイクルの構成
を示す。圧縮機25吐出口と凝縮器11入口部の間の任
意の一点と、凝縮器11出口部とレシーバ29入口部の
間の任意の一点を連結するバイパス流路93を形成す
る。このバイパス流路93には電磁弁94を設ける。こ
の電磁弁94は凝縮器出口部に設けた検出器95により
冷媒の温度または圧力を検知し、制御装置(図示しな
い)を介してバイパス流路93を開閉するものである。
【0133】例えば、凝縮器出口部の冷媒の温度が5℃
以下となったら、電磁弁94を開としバイパス流路93
を開く温度検知タイプと、冷媒の圧力が2.5[kgf/
cm2]以下となったら、電磁弁を開としバイパス流路9
3を開く圧力検知タイプのものが考えられる。このどち
らかの方式にすることによって、低負荷時の凝縮圧力を
上げ、蒸発器27での冷媒流量を確保することによっ
て、フロントガラスの曇りを止めることが可能になる。
図36に本実施例の基礎実験の結果を示す。図26が示
すように、本実施例のようなバイパス流路を構成するこ
とによって、外気温度が低い低負荷時において、凝縮器
出口部高圧圧力がバイパス流路のないものに比べて高く
なり、また、蒸発器吹出空気温度も低下させることがで
きることがわかる。
【0134】次に、本発明の第22実施例について説明
する。図38に示す本実施例のコンデンサ96は、上記
第20実施例のものと同様、流入用の接続管20からタ
ンク14の上側部141に流入した冷媒が、他端側のタ
ンク(図示省略)にてUターンし、タンク14の下側部
142に流入し、流出用の接続管21から流出する。
【0135】本実施例では、上記第1実施例のようにヘ
ッダタンク14内にセパレータ18を設置し、バイパス
孔181を開口しておく。このバイパス孔181の径は
φ2〜φ3とする。この実施例のものではヘッダタンク
14の上側部141と下側部142が常に連通されてお
り、流入用の接続管20から流入したガス冷媒の一部が
バイパスされる。このため冬期の低負荷時にコンデンサ
の放熱性能が低下し、また、バイパスされたガス冷媒が
コンデンサ96の下流のレシーバ内の液冷媒を押し出す
ために、冷凍サイクル内を流れる冷媒流量が増加し、蒸
発器において十分な冷房能力を得ることができる。図3
9に外気温度−8℃におけるバイパス孔181の径と冷
房能力の特性を示す。この図から、バイパス孔181の
径はφ2〜φ3が適当であることがわかる。
【0136】次に、本発明の第23実施例について説明
する。上述の各実施例では、開閉弁が凝縮器内蔵型であ
り、製造時に凝縮器とともに一体ろう付けされるため
(約600℃)、ベローズなどの開閉弁のアクチュエー
タ部の耐熱性に懸念がある。そこで、本第23実施例で
は流入用の接続管20が接続される入口ジョイントと開
閉弁を一体化し、製造時の熱負荷による耐熱性の問題を
解決する。
【0137】図40、図41に第23実施例の構成を示
す。入口ジョイント20aにバイパス流路1001を設
け、バイパス流路1001の入口部1001aにはバイ
メタルバルブ1002を配し、バイパス流路1001の
出口部1001bはヘッダタンク14の下側部142に
通じる構成となっている。高負荷時で冷媒の温度が所定
温度以上のときには、図41(a)に示すようにバイメ
タルバルブ1002がバイパス流路1001を閉鎖して
おり、凝縮器11の熱交換部にすべての冷媒が流入す
る。一方、低負荷時で冷媒の温度が所定温度以下のとき
には、図41(b)に示すようにバイメタルバルブ10
02がバイパス流路1001を開き、冷媒の一部がバイ
パス流路1001を通りヘッダタンク14の下側部14
2に流れ込む。これにより出口側の冷媒温度が上昇し凝
縮圧力を高くすることができ、膨張弁前後での差圧を十
分取ることができ、蒸発器に流れ込む冷媒の流量を確保
することができる。
【0138】図42、図43に示す第24実施例では、
第23実施例で紹介したバイパス流路およびバイメタル
バルブを設けたジョイントを流出用の配管21に接続
し、出口ジョイントとしたものである。出口ジョイント
21aにバイパス流路1001を設け、バイパス流路1
001の出口部1001bにバイメタルバルブ1002
を配し、バイパス流路1001の入口部1001aはヘ
ッダタンク15の上側部151に通じる構成となってい
る。高負荷時で冷媒の温度が所定温度以上のときには、
図43(a)に示すようにバイメタルバルブ1002が
バイパス流路1001を閉鎖しており、凝縮器11の熱
交換部にすべての冷媒が流入する。一方、低負荷時で冷
媒の温度が所定温度以下のときには、図43(b)に示
すようにバイメタルバルブ1002がバイパス流路10
01を開き、冷媒の一部がバイパス流路1001を通り
ヘッダタンク15の下側部152に流れ込む。これによ
り出口側の冷媒温度が上昇し凝縮圧力を高くすることが
でき、上記第23実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0139】図44、図45に示す第25実施例では、
バイパス流路1001およびバイメタルバルブ1002
と入口ジョイントおよび出口ジョイントとを一体化し出
入り口ジョイント2021とした。出入り口ジョイント
2021内にバイパス流路1001を設け、バイパス流
路1001の入口部1001aにバイメタルバルブ10
02を配し、バイパス流路1001の出口部1001b
はヘッダタンク14の下側部142に通じる構成となっ
ている。高負荷時で冷媒の温度が所定温度以上のときに
は、図45(a)に示すようにバイメタルバルブ100
2がバイパス流路1001を閉鎖しており、凝縮器11
の熱交換部にすべての冷媒が流入する。一方、低負荷時
で冷媒の温度が所定温度以下のときには、図45(b)
に示すようにバイメタルバルブ1002がバイパス流路
1001を開き、冷媒の一部がバイパス流路1001を
通りヘッダタンク14の下側部142に流れ込む。これ
により出口側の冷媒温度が上昇し凝縮圧力を高くするこ
とができ、上記第23、24実施例と同様の効果を得る
ことができる。
【0140】なお、上記の第7実施例で説明したよう
な、冷媒流路の上流側と下流側との圧力差を検出する構
成は、図9に示す実施例において、温度センサ41を圧
力センサとし、両方の圧力センサの出力値の圧力差にて
開閉弁40を開閉する構成としても良い。また、図10
に示すサーペンタイン型のコンデンサ43において、圧
力センサにて圧力差を検出し、開閉弁を開閉する構成と
しても良い。
【0141】同様に、第9実施例で説明したような、冷
媒流路内の圧力にて開閉弁の制御を行う構成を、図9に
示す実施例、もしくは、図10に示す実施例において、
温度センサの代わりに圧力センサを用いて開閉弁を制御
する構成としても良い。第12実施例にて説明したキャ
ピラリチューブからなる開閉弁を、図10に示すサーペ
ンタイン型のコンデンサのバイパス流路として用いても
良く、また、第13実施例にて説明したように、外気温
度により開閉弁の制御を行うために外気温度センサを設
け、この外気温度センサにて開閉弁の制御を行う構成と
しても良い。
【0142】上記の実施例にて説明したように、冷媒の
状態や外気温度にて低負荷状態であることを検出し、低
負荷状態である時には、冷媒流路をバイパスすることに
より、コンデンサでの凝縮能力を抑制することができ
る。このように、コンデンサでの凝縮能力を抑制するこ
とで、膨張弁入口側での冷媒の圧力を上昇させることが
でき、冷媒流量を確保することができるので、冬場の低
負荷状態においても、蒸発器にて蒸発能力を確保するこ
とができる。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷媒凝縮
器によれば、冷媒の状態が冷媒流路中を流入する冷媒の
状態を検出し、この冷媒の状態が、凝縮圧力は所定圧力
以下にあることを示す状態である時には、冷媒が放熱す
る冷媒流路をバイパス流路にて短絡させる。バイパス流
路内に冷媒を流入させ、凝縮器内の冷媒の温度を上昇さ
せることで、この温度に比例する凝縮圧力を上昇するこ
とができ、所定圧力以上を保つことができる。
【0144】凝縮圧力が上昇して所定圧力以上を確保す
る事ができれば、冷凍サイクルを構成する蒸発器での蒸
発圧力と凝縮圧力との圧力差を所定圧力差以上に確保す
る事ができる。このように圧力差が確保できれば、膨張
弁の入口側と出口側との圧力差が確保できることになる
ので、膨張弁を通過する冷媒の流量が所定流量以上とな
り、蒸発器内を流入する冷媒流量も確保することができ
る。従って、蒸発器内での蒸発能力を確保することがで
きる。
【0145】そして、冷媒流路、バイパス流路、冷媒状
態検出手段、および流路開閉手段を一体に構成したこと
により構造を簡略化することができ、接続部における冷
媒漏れ等の問題も解消する。また、車体等への取り付け
は、従来どおり凝縮器の取り付けステーを利用するた
め、専用の取り付け部品を必要とせず、取付工数、取り
付けスペースの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷媒凝縮器を示す正面図である。
【図2】(a)、(b)は、開閉弁を示す拡大図であ
る。
【図3】(a)、(b)は、本発明の第2実施例の開閉
弁を示す拡大図である。
【図4】モリエル線図を示す図である。
【図5】(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の
第3実施例の開閉弁を示す図である。
【図6】(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の
第4実施例の開閉弁を示す図である。
【図7】冷凍サイクルを示す図である。
【図8】(a)は、冷凍サイクルを示す図である。
(b)は、膨張弁を示す図である。
【図9】本発明の第5実施例を示す図である。
【図10】本発明の第6実施例を示す図である。
【図11】モリエル線図を示す図である。
【図12】冷媒流路及びバイパス流路の経路を示す図で
ある。
【図13】(a)、(b)は、本発明の第7実施例の開
閉弁を示す図である。
【図14】本発明の第7実施例の開閉弁のリフト特性を
示す図である。
【図15】本発明の第8実施例を示す図である。
【図16】(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明
の第9実施例の開閉弁を示す図である。
【図17】本発明の第9実施例の開閉弁のリフト特性を
示す図である。
【図18】(a)、(b)は、本発明の第10実施例を
示す図である。
【図19】(a)、(b)は、本発明の第11実施例を
示す図である。
【図20】(a)、(b)は、本発明の第12実施例を
示す開閉弁を示す図である。
【図21】本発明の第13実施例を示す図である。
【図22】本発明の第13実施例の開閉弁のリフト特性
を示す図である。
【図23】(a)、(b)は、本発明の第14実施例の
開閉弁を示す図である。
【図24】本発明の他の実施例を示す図である。
【図25】本発明の第14実施例の開閉弁のリフト特性
を示す図である。
【図26】(a)は、ベローズ内部の圧力と温度との関
係を示す図である。(b)は、圧力差ΔPとリフト量と
の関係を示す図である。
【図27】本発明の第14実施例の開閉弁における圧力
状態を示す図である。
【図28】本発明の第15実施例を示す図である。
【図29】本発明の第15実施例の開閉弁のリフト特性
を示す図である。
【図30】(a)、(b)は、本発明の第16実施例の
開閉弁を示す図である。
【図31】本発明の第17実施例を示す図である。
【図32】本発明の第18実施例を示す図である。
【図33】本発明の第19実施例を示す図である。
【図34】本発明の第20実施例を示す図である。
【図35】本発明の第21実施例の冷凍サイクルの構成
図である。
【図36】第21実施例の基礎実験結果である。
【図37】第21実施例の従来技術の図である。
【図38】本発明の第22実施例のコンデンサの正面図
である。
【図39】第22実施例の効果を確認する実験結果であ
る。
【図40】本発明の第23実施例のコンデンサの正面図
である。
【図41】本発明の第23実施例を示す図である。
【図42】本発明の第24実施例のコンデンサの正面図
である。
【図43】本発明の第24実施例を示す図である。
【図44】本発明の第25実施例のコンデンサの正面図
である。
【図45】本発明の第25実施例を示す図である。
【符号の説明】
11 コンデンサ 12 チューブ 13 フィン 14 タンク 15 タンク 18 セパレータ 181 連通穴 19 セパレータ 31、33、35、38、61、65、66、71、7
6、82、83、84 88、90、94 開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 憲 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 山中 康司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 梯 伸治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温かつ高圧のガス状の冷媒を冷却して
    凝縮する冷媒凝縮器であって、 内部を流れる前記冷媒が、外部を流れる熱交換媒体と熱
    交換して放熱する冷媒流路と、 この冷媒流路の上流側部分と下流側部分との間を短絡
    し、前記冷媒が内部を流れるバイパス流路と、 前記冷媒流路内の冷媒の状態を検出する冷媒状態検出手
    段と、 前記冷媒状態検出手段の検出する前記冷媒流路内の冷媒
    の状態に応じて、前記バイパス流路を開閉する流路開閉
    手段とを備え、 前記冷媒流路、前記バイパス流路、前記冷媒状態検出手
    段、および前記流路開閉手段は一体に構成されており、 前記冷媒状態検出手段にて検出した冷媒の状態が、凝縮
    圧力が所定圧力よりも高い圧力であることを示す状態で
    ある時には前記流路開閉手段が閉状態となり、前記冷媒
    状態検出手段にて検出した冷媒の状態が、凝縮圧力が所
    定圧力以下にあることを示す状態である時には前記流路
    開閉手段が開状態となる冷媒凝縮器。
  2. 【請求項2】 高温かつ高圧のガス状の冷媒を冷却して
    凝縮する冷媒凝縮器であって、 内部を流れる前記冷媒が、外部を流れる熱交換媒体と熱
    交換して放熱する積層された複数の冷媒流路と、 前記冷媒流路の端部に接合されたヘッダタンクと、 前記ヘッダタンクと一体に構成され、前記冷媒流路の上
    流側部分と下流側部分との間を短絡し、前記冷媒が内部
    を流れるバイパス流路と、 前記冷媒流路内の冷媒の状態を検出する冷媒状態検出手
    段と、 前記バイパス流路を開閉する流路開閉手段とを備え、 前記冷媒状態検出手段にて検出した冷媒の状態が、凝縮
    圧力は所定圧力よりも高い圧力であることを示す状態で
    ある時には前記流路開閉手段が閉状態となり、前記冷媒
    状態検出手段にて検出した冷媒の状態が、凝縮圧力は所
    定圧力以下にあることを示す状態である時には前記流路
    開閉手段が開状態となる冷媒凝縮器。
  3. 【請求項3】 高温かつ高圧のガス状の冷媒を冷却して
    凝縮する冷媒凝縮器であって、 内部を流れる前記冷媒が、外部を流れる熱交換媒体と熱
    交換して放熱する冷媒流路と、 この冷媒流路の上流側部分と下流側部分との間を短絡
    し、前記冷媒が内部を流れるバイパス流路と、 外気温度を検出する外気温検出手段と、 前記冷媒検出手段の検出する前記冷媒流路内の冷媒の状
    態に応じて、前記バイパス流路を流れる冷媒の量を調節
    する流量調節手段とを備え、 前記外気温検出手段にて検出した外気温度が所定温度よ
    りも低い温度である時には前記流量調節手段は前記バイ
    パス流路内への冷媒流量を増加させる冷媒凝縮器。
  4. 【請求項4】 高温かつ高圧のガス状の冷媒を冷却して
    凝縮する冷媒凝縮器であって、 内部を流れる前記冷媒が、外部を流れる熱交換媒体と熱
    交換して放熱する冷媒流路と、 この冷媒流路の上流側部分と下流側部分との間を短絡
    し、前記冷媒が内部を流れるバイパス流路と、 前記冷媒流路内の冷媒の状態を検出する冷媒状態検出手
    段と、 前記バイパス流路を流れる冷媒の量を制御する流量調節
    手段とを備え、 前記冷媒流路、前記バイパス流路、前記冷媒状態検出手
    段、および前記流量調節手段は一体に構成されており、 前記冷媒状態検出手段が、前記凝縮圧力が低下した状態
    であることを検出した時に、この凝縮圧力の低下により
    前記流量調節手段はバイパス流路内への冷媒流量を増加
    させる冷媒凝縮器。
  5. 【請求項5】 前記バイパス流路は、前記冷媒流路内を
    流れる一部の冷媒が流入する請求項1ないし請求項4記
    載の冷媒凝縮器。
  6. 【請求項6】 前記冷媒状態検出手段は、前記冷媒流路
    内の冷媒の温度を検出し、 この温度が所定温度より高い温度である時には前記流路
    開閉手段が閉状態となり、前記温度が所定温度以下の時
    には前記流路開閉手段が開状態となる請求項1および2
    記載の冷媒凝縮器。
  7. 【請求項7】 前記冷媒状態検出手段は、前記冷媒流路
    内の上流側部分の冷媒の圧力と下流側部分の冷媒の圧力
    との圧力差を検出し、 この圧力差が所定圧力差よりも大きい時には前記流路開
    閉手段が閉状態となり、前記圧力差が所定圧力差以下の
    時には前記流路開閉手段が開状態となる請求項1および
    2記載の冷媒凝縮器。
  8. 【請求項8】 前記冷媒状態検出手段は、前記冷媒流路
    内の圧力を検出し、 この冷媒流路内の凝縮圧力が所定圧力よりも高い圧力で
    ある時には前記流路開閉手段が閉状態となり、前記凝縮
    圧力が所定圧力以下の時には、前記流路開閉手段が開状
    態となる請求項1および2記載の冷媒凝縮器。
  9. 【請求項9】 前記冷媒状態検出手段は、前記冷媒流路
    内に停滞する液冷媒の量を検出し、 この液冷媒量が所定量よりも少ない時には前記流路開閉
    手段が閉状態となり、前記液冷媒量が所定量以上である
    時には前記流路開閉手段が開状態となる請求項1および
    2記載の冷媒凝縮器。
  10. 【請求項10】 前記バイパス流路は前記冷媒凝縮器の
    入口側と出口側とを連通することを特徴とする請求項1
    ないし9のいずれかひとつに記載の冷媒凝縮器。
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