JPH07127529A - 2層副室を有する遮熱型ガスエンジン - Google Patents

2層副室を有する遮熱型ガスエンジン

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JPH07127529A
JPH07127529A JP5292520A JP29252093A JPH07127529A JP H07127529 A JPH07127529 A JP H07127529A JP 5292520 A JP5292520 A JP 5292520A JP 29252093 A JP29252093 A JP 29252093A JP H07127529 A JPH07127529 A JP H07127529A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、副室の当量比を制御して高圧縮比
にし、自己着火を防止して熱効率の高い2層副室を有す
る遮熱型ガスエンジンを提供する。 【構成】 本発明は、シリンダヘッド7に上部副室3と
下部副室2を形成し、上部副室3と下部副室2を連通す
る第1連絡口20に制御バルブ6を配置する。主室1と
下部副室2を第2連絡口9で連通する。燃料噴射ノズル
8から吸気行程終端近傍から圧縮行程途中まで上部副室
3にガス燃料を供給する。制御バルブ6は上部副室3に
燃料を噴射している状態で開放し且つ下部副室2内が予
め設定された空気過剰率になった時点で閉鎖する。制御
バルブ6は、再び圧縮行程上死点近傍で開放して上部副
室3内に高温空気を流入させて着火燃焼させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、天然ガスを燃料とし
て該ガス燃料を副室に供給し、該副室での連絡が遮断さ
れた状態の主室で吸入空気を高圧縮することができる2
層副室を有する遮熱型ガスエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ナチュラルガス即ち天然ガスを主
燃料とするエンジンは、コジェネレーション型エンジン
として、開発が進められている。このコジェネレーショ
ン型エンジンは、動力を発電機で電気エネルギーとして
取り出し、排気ガスエネルギーが有する熱を熱交換器で
水を加熱して温水にして給湯用として利用している。そ
して、このコジェネレーション型エンジンは、都市、事
務所、ホテル、病院等で電気供給システムとして利用さ
れることが期待されている。このようなエンジンとして
は、例えば、特開昭54−156911号公報、特開昭
63−6358号公報、特開平1−232119号公報
等に開示されたものがある。
【0003】また、特開昭52−52013号公報に開
示されたディーゼルエンジンの燃焼装置は、第1副室と
第2副室を連通孔で連絡し、第2副室と主燃焼室とを噴
口で連通し、第1副室に燃料噴射弁を設けたものであ
り、主燃焼室に開口する第2副室の空気流の流速を比較
的低速域に設定することにより、良好な燃焼と窒素酸化
物等の有害ガスの発生を低減するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ナチュ
ラルガスを燃料とするガスエンジンは、燃料がガス体で
あるので、ガソリンと同じように燃料ガスを吸気バルブ
から吸入され、圧縮、着火されるので、圧縮比を大きく
することができず、理論熱効率(η=仕事の熱換算/燃
料の熱量)は必ずしも高くない。通常使用されているガ
スエンジンは、圧縮比が12〜13程度であり、理論熱
効率は48%に過ぎないものであり、ガスエンジンの動
力を電気エネルギーにした場合には、熱効率は34〜3
5%で、場合によっては30%を割るような効率であ
る。従って、冷却水損失及び排気ガスエネルギーとして
は、燃料の65〜70%のものが放出されることにな
り、この熱エネルギーを熱交換器によって温水を作り、
給湯用にしても該温水が余りに多量となり、一般の利用
設備ではを十分に利用できないという現状である。従っ
て、ガスエンジンから得られる電気エネルギーとして
は、コストの高いものになる。しかも、このようなガス
エンジンは、圧縮比が18以上であるディーゼルエンジ
ンの理論熱効率57%とは、大幅に異なるものである。
【0005】そこで、ガスエンジンから電気エネルギー
として取り出す場合に、熱効率を向上させることが望ま
れているのが現状である。そこで、ガスエンジンに遮熱
型ガスエンジンを取り入れ、熱効率を向上させることが
考えられるようになった。ガスエンジンは、ナチュラル
ガスを燃料とするものであり、燃料が気体である。そこ
で、吸気行程でガスを吸入し、次いで圧縮すると、高圧
縮となり温度が高くなり、自己着火の現象即ちノッキン
グが発生する。しかるに、ナチュラルガスのガス燃料は
圧縮比が12以下でないと、自己着火するものである。
また、エンジンの熱効率については、圧縮比が小さいと
熱効率が小さくなるという現象がある。従って、ガスエ
ンジンでは、ガス燃料の自己着火を避けて、圧縮比を如
何に高くするかの課題がある。
【0006】また、遮熱エンジンでは、燃焼室の壁面温
度が上昇するので、該燃焼室に供給された燃料は着火タ
イミング前に自己着火するという自己着火性の問題が増
加する。即ち、遮熱エンジンでは、燃焼室壁面温度が約
600℃以上に高くなるため、ナチュラルガス、ガソリ
ン等を燃料とした場合には、圧縮比が高くなるように構
成すると、吸気弁から吸入空気と燃料通路からの燃料ガ
スとが混合して高圧縮されると、自己着火が発生し、上
死点TDCのはるか手前で燃焼を始めることになり、ノ
ッキングを起こしてエンジンとして成立しないものにな
る。
【0007】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、副室を上部副室と下部副室との2
層に形成し、両副室の連絡口に制御バルブを配置し、上
部副室をガス燃料リッチな状態にし、下部副室は空気過
剰率(=実際の混合比/理論混合比)を2程度にしてガ
ス燃料をリーンな状態にし、主室での圧縮比を高め、主
室内の空気を高温に上昇させた状態で制御バルブを開放
して主室の高圧縮空気を第1副室に流入させ、第1副室
内のガス燃料と高圧縮空気とを一気に混合させることで
短期間に着火燃焼させ、第2副室の希薄混合気を主室に
噴き出させ、主室での燃焼を出来るだけ均一な混合気で
短時間で完結させ、NOX 、HC等の発生を低減し、特
に熱効率を高め、ガス燃料の自己着火を防止してノッキ
ングの発生を防止することができる2層副室を有する遮
熱型ガスエンジンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、シリンダヘッド側の遮熱構造の壁体に形成
された上部副室、シリンダヘッド側の遮熱構造の壁体に
形成され且つ前記上部副室に第1連絡口を通じて連通す
る下部副室、シリンダ側の壁体で形成された主室、吸気
行程終端近傍から圧縮行程途中まで前記上部副室にガス
燃料を供給する燃料噴射ノズル、前記主室と前記下部副
室とを連通する第2連絡口、及び前記燃料噴射ノズルが
前記上部副室に燃料を噴射している状態で開放し且つ前
記下部副室内が予め設定された空気過剰率になった時点
で閉鎖し、更に圧縮行程上死点近傍で再び開放して前記
上部副室内に高温空気を流入させて着火燃焼させるよう
に前記第1連絡口を開閉させる制御バルブ、から構成し
たことを特徴とする2層副室を有する遮熱型ガスエンジ
ンに関する。
【0009】また、この2層副室を有する遮熱型ガスエ
ンジンにおいて、前記下部副室内における空気過剰率は
2程度に予め設定されているものである。
【0010】また、この2層副室を有する遮熱型ガスエ
ンジンにおいて、圧縮行程上死点付近で確実に着火を行
わせるため、圧縮比は17〜18に設定されている。
【0011】また、この2層副室を有する遮熱型ガスエ
ンジンにおいて、前記第2副室はシリンダ中心軸上に配
置され、前記第2連絡口は前記下部副室から前記主室へ
向かって前記シリンダ周辺方向に傾斜し且つ前記下部副
室の壁面に対して接線方向に延びて複数形成されてい
る。
【0012】また、この2層副室を有する遮熱型ガスエ
ンジンにおいて、前記上部副室と前記下部副室を構成す
る前記壁体、前記主室を構成する前記壁体及び前記制御
バルブは耐熱性に優れたセラミックスで作製されている
ものである。
【0013】
【作用】この発明による2層副室を有する遮熱型ガスエ
ンジンは、上記のように構成されており、次のように作
用する。即ち、この2層副室を有する遮熱型ガスエンジ
ンは、上部副室と第1連絡口を通じて連通する下部副室
をシリンダヘッド側の遮熱構造の壁体に形成し、下部副
室に第2連絡口で連通する主室をシリンダ側の壁体で形
成し、燃料噴射ノズルから吸気行程終端近傍から圧縮行
程途中まで前記上部副室にガス燃料を供給し、制御バル
ブを第1連絡口に配置して前記燃料噴射ノズルが前記上
部副室に燃料を噴射している状態で開放し且つ前記下部
副室内が予め設定された空気過剰率になった時点で閉鎖
し、更に圧縮行程上死点近傍で再び開放して前記上部副
室内に高温空気を流入させて着火燃焼させたので、吸入
空気が主室内で高圧縮比になっても、制御バルブで遮断
されている第1副室に供給されたガス燃料が自己着火す
ることなく、ノッキングが発生することがない。
【0014】また、前記第1連絡孔が開放することで、
前記主室から高圧縮の吸入空気が前記第2副室、次いで
第1副室に流入してガス燃料と吸入空気とが混合して着
火燃焼し、第1副室では当量比の大きい燃料リッチな状
態で高速燃焼してNOX の発生が抑制され、次いで第2
副室の希薄な混合気は主室へ噴き出され、主室への噴出
エネルギーが有効に利用されて主室での燃焼を短期に完
結して熱効率を向上する。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による2層
副室を有する遮熱型ガスエンジンの実施例を説明する。
図1はこの発明による2層副室を有する遮熱型ガスエン
ジンスエンジンの一実施例を示す断面図、図2は図1の
シリンダヘッドの下面図、及び図3は吸排気バルブ、制
御バルブ及び燃料噴射ノズルのタイミングを示す説明図
である。
【0016】図示のように、この遮熱型ガスエンジン
は、シリンダブロック14、シリンダブロック14にガ
スケット21を介在させて固定されたシリンダヘッド
7、シリンダヘッド7に形成された吸気ポート17、吸
気ポート17のバルブシート22に配置された吸気バル
ブ19、シリンダヘッド7に形成された排気ポート1
6、排気ポート16のバルブシート23に配置された排
気バルブ18、シリンダヘッド7に形成したキャビティ
11に配置した遮熱構造の壁体4,5で形成した副室
2,3、シリンダブロック14に形成した孔部25に嵌
合したシリンダライナ13、該シリンダライナ13に形
成したシリンダ15内を往復運動するピストン10、及
びシリンダ15側に形成される遮熱構造の主室1を有し
ている。
【0017】この遮熱型ガスエンジンは、特に、ナチュ
ラルガス即ち天然ガスを燃料とするものであり、副室を
上部副室3と下部副室2との2層副室から構成し、ガス
燃料を燃料噴射ノズル8から上部副室3内に噴射するよ
うに構成されている。また、シリンダヘッド7のキャビ
ティ11に配置された上部壁体5によって上部副室3が
形成され、また、キャビティ11に配置された下部壁体
4によって下部副室2が形成されている。上部壁体5と
下部壁体4との間には遮熱ガスケット26が介在され、
上部副室3と下部副室2との間は遮熱構造に構成されて
いる。上部副室3と下部副室2とは、シリンダ中心軸上
に配置されている。上部副室3と下部副室2とは、シリ
ンダヘッド7のキャビティ11に対して遮熱空気層24
を形成して配置され、遮熱構造に構成されるので、上部
壁体5と下部壁体4とは耐熱性に富んだセラミックスで
作製されている。また、主室1はシリンダ15側に遮熱
構造に形成されているので、シリンダライナ13及びピ
ストンヘッド12の燃焼室即ち主室1に晒される表面は
耐熱性に富んだセラミックスで作製されている。ピスト
ン10自体は、耐熱性に富んだセラミックス及び断熱性
に富んだセラミックスで構成することによって、主室1
を遮熱構造に形成することができる。
【0018】また、上部副室3と下部副室2とは、上部
壁体5の下部に形成された第1連絡口20を通じて連通
しており、第1連絡口20には当量比をコントロールで
きる制御バルブ6が配置されている。下部副室2と主室
1とは、下部壁体4の下部に形成された第2連絡口9を
通じて連通している。第2連絡口9は、図1に示すよう
に、下部副室2から主室1へ向かってシリンダ周辺方向
に傾斜し、しかも図2に示すように、シリンダ中心に対
して周方向に下部副室2の壁面に対して接線方向に延び
ている。燃料噴射ノズル8は、シリンダヘッド7に取り
付けられており、上部副室3にガス燃料を噴射するよう
に設置されている。
【0019】この遮熱型ガスエンジンは、特に、図3に
示すように、燃料噴射ノズル8の燃料噴射タイミング、
吸排気バルブ18,19のバルブタイミングに対応する
制御バルブ6のバルブタイミングに特徴を有しており、
制御バルブ6のバルブタイミングをコントロールするこ
とによって、上部副室3及び下部副室2での当量比をコ
ントロールすることができるものである。燃料噴射ノズ
ル8は、吸気行程終端近傍から圧縮行程途中まで上部副
室3にガス燃料を噴射するように設定されている。
【0020】また、制御バルブ6は、燃料噴射ノズル8
が上部副室3に燃料を噴射している状態で、第1連絡口
20を開放して上部副室3から下部副室2へガス燃料を
送り込み、下部副室2内が予め設定された空気過剰率
(=実際の混合比/理論混合比)、好ましくは空気過剰
率が2程度になった時点で閉鎖される。この時、制御バ
ルブ6が第1連絡口20を閉鎖した後も、燃料噴射ノズ
ル8から上部副室3へはガス燃料が噴射され、上部副室
3ではガス燃料が圧縮されてガス燃料の質量が大きくな
る。また、主室1から下部副室2へ流入する高温空気は
第2連絡口9の傾斜角度効果によって下部副室2内に強
い旋回流を発生させ、下部副室2で希薄均一混合気を形
成させるが、下部副室2では着火は起こらない。圧縮行
程上死点近傍で筒内温度即ち主室1内の温度が上昇した
時に、制御バルブ6は、再び第1連絡口20を開放して
主室1で圧縮された高温空気を下部副室2を通じて上部
副室3内に流入させ、上部副室3内のリッチなガス燃料
に着火させ燃焼させる。上部副室3で着火燃焼が起これ
ば、下部副室2の希薄混合気は主室1へ一気に噴出す
る。この時、第2連絡口9の傾斜角度により、下部副室
2から主室1への噴出エネルギーが主室1内で有効に利
用され、主室1での希薄混合気の燃焼を短期に完結させ
ることができる。
【0021】この遮熱型ガスエンジンでは、上部副室3
内は燃料噴射ノズル8からガス燃料が噴射されて濃混合
気になっているが、制御バルブ6によって上部副室3と
下部副室2とは遮断されており、主室1で高圧縮しても
主室1にはガス燃料が存在せず、下部副室2の混合気は
希薄混合気であるので自己着火は発生しない。従って、
主室1での圧縮比を17〜18に設定することができ、
制御バルブ6を開放して下部副室2から第1連絡口20
を通じて上部副室3に圧縮された高温空気が流入するこ
とによって圧縮行程上死点付近で確実に着火を行わせる
ことができる。しかも、上部副室3は、濃混合気である
ので、NOX の発生を抑制した燃焼を行わせることがで
きる。
【0022】この遮熱型ガスエンジンは、上記のように
構成されており、次のように作動される。この遮熱型ガ
スエンジンは、図3に示すように、吸気行程、圧縮行
程、膨張行程及び排気行程の4つの行程を順次繰り返す
ことによって作動されるものであり、まず、吸気行程で
は、吸気バルブ19が吸気ポート17を開放して主室1
に吸入空気が供給されるが、この時には制御バルブ6は
第1連絡口20を閉鎖した状態である。吸気行程下死点
近傍で燃料噴射ノズル8からガス燃料が上部副室3に噴
射され、次いで、制御バルブ6が開放されて上部副室3
から下部副室2へガス燃料が送り込まれる。圧縮行程半
ばにおいて、下部副室2での空気過剰率が2程度になっ
た時点で制御バルブ6は閉鎖され、上部副室3と下部副
室2との連絡状態は遮断される。上部副室3には燃料噴
射ノズル8から引き続きガス燃料が供給される。
【0023】圧縮行程終端即ち圧縮上死点近傍で制御バ
ルブ6が第1連絡口20を開放すると、主室1で圧縮さ
れた高温空気が下部副室2を通じて上部副室3へ流入
し、上部副室3のガス燃料は着火燃焼する。この時、上
部副室3では、燃焼後の排気ガスが残留しているので、
燃料噴射ノズル8からのガス燃料が上部副室3に噴霧さ
れると、ガス燃料は受熱して上部副室3内で活性化して
いる。しかも、上部副室3は制御バルブ6で遮断されて
いるので、自己着火は発生することがなく、ノッキング
は生じることがなく、圧縮比が17〜18と高く設定さ
れているので、上部副室3での着火燃焼は確実に起こ
り、膨脹行程に移行する。
【0024】次いで、上部副室3で燃焼が急速に進展し
て燃料リッチでNOX を低減した状態で燃焼し、膨脹行
程では上部副室3の火炎が下部副室2の希薄ガス燃料を
押し出す状態で主室1へ噴出し、主室1に存在する新気
と混合を促進して短期間に燃焼を完結する。従って、下
部副室2及び主室1では希薄混合気での燃焼を行い、N
X の発生を抑制すると共に、HC等の発生を抑制した
燃焼を行わせることができる。膨張行程終端近傍まで、
第1連絡孔20の開放状態を維持して上部副室3及び下
部副室2から主室1へ火炎を噴出させて仕事をさせ、膨
脹行程終了付近で制御バルブ6によって第1連絡孔20
を閉鎖する。従って、この遮熱型ガスエンジンでは、N
X 、HC等の発生を抑制でき、熱効率を向上させるこ
とができる。
【0025】
【発明の効果】この発明による2層副室を有する遮熱型
ガスエンジンは、上記のように構成されており、次のよ
うな効果を有する。即ち、この2層副室を有する遮熱型
ガスエンジンは、シリンダヘッド側に形成された副室を
上部副室と下部副室で構成し、上部副室と下部副室とを
制御バルブで開閉制御し、上部副室にガス燃料を噴射す
る燃料噴射ノズルの噴射タイミングを吸気行程終端近傍
から圧縮行程途中に設定し、特に、制御バルブのバルブ
タイミングを燃料噴射ノズルが上部副室に燃料を噴射し
ている状態で開放し且つ下部副室内が予め設定された空
気過剰率になった時点で閉鎖し、更に圧縮行程上死点近
傍で再び開放するように設定したので、制御バルブで上
部副室は遮断されている状態で主室の吸入空気を圧縮す
ることができ、吸入空気を主室内で高圧縮することがで
きる。そして、前記上部副室内には空気が存在しない状
態でガス燃料が供給されるので、上部副室でのガス燃料
の質量を大きくすることができ、しかも上部副室でガス
燃料が自己着火することがない。
【0026】また、前記上部副室には燃焼後の排気ガス
が残留しており、前記燃料噴射ノズルからのガス燃料が
導入されると、ガス燃料は受熱して前記上部副室内で活
性化する。更に、吸入空気が前記主室内で高圧縮圧力に
なっても前記上部副室は前記制御バルブで閉鎖して前記
主室とは遮断されており、前記上部副室内の活性化した
ガス燃料が自己着火することなく、ノッキングが発生す
ることがない。
【0027】また、前記制御バルブが作動して第1連絡
孔が開放することで、前記主室から高圧縮されて高温化
した空気が下部副室を通じて上部副室に一気に流入し、
ガス燃料と吸入空気との混合が一気に促進して着火し、
上部副室では当量比の大きい燃料リッチな状態で高速燃
焼するのでNOX の発生が抑制される。そして、上部副
室内は燃焼により一気に圧力が上昇し、燃焼が促進さ
れ、それと同時に、制御バルブを通じて上部副室から下
部副室次いで主室へその火炎が一気に噴出し、該火炎は
前記主室で新気と混合し、予混合燃焼を促進して燃焼ス
ピードを上昇して理想的な短期の燃焼を完結する。
【0028】しかも、下部副室では空気過剰率が2程度
の希薄混合気の燃焼となると共に第2連絡口の作用によ
り下部副室に発生する強い旋回流で均一な希薄混合気が
生成されるので、下部副室での燃焼がリーンの状態で進
行し、NOX の発生は抑制され、更に、第2連絡口を通
じて主室へ噴出する火炎、未燃混合気等のガスは第2連
絡口の傾斜角度の作用による噴出エネルギーで主室内で
一気に拡散して新気との混合が促進され、NOX 、HC
等の発生を大幅に低減でき、熱効率が上昇し高効率のエ
ンジンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による2層副室を有する遮熱型ガスエ
ンジンの一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の遮熱型ガスエンジンのシリンダヘッドの
下面図である。
【図3】図1の遮熱型ガスエンジンにおける燃料噴射ノ
ズル、制御バルブ及び吸排気バルブのタイミングを示す
説明図である。
【符号の説明】
1 主室 2 下部副室 3 上部副室 4 下部壁体 5 上部壁体 6 制御バルブ 7 シリンダヘッド 8 燃料噴射ノズル 9 第2連絡口 10 ピストン 11 キャビティ 12 ピストンヘッド 15 シリンダ 18 排気バルブ 19 吸気バルブ 20 第1連絡口 24 遮熱空気層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド側の遮熱構造の壁体に形
    成された上部副室、シリンダヘッド側の遮熱構造の壁体
    に形成され且つ前記上部副室に第1連絡口を通じて連通
    する下部副室、シリンダ側の壁体で形成された主室、吸
    気行程終端近傍から圧縮行程途中まで前記上部副室にガ
    ス燃料を供給する燃料噴射ノズル、前記主室と前記下部
    副室とを連通する第2連絡口、及び前記燃料噴射ノズル
    が前記上部副室に燃料を噴射している状態で開放し且つ
    前記下部副室内が予め設定された空気過剰率になった時
    点で閉鎖し、更に圧縮行程上死点近傍で再び開放して前
    記上部副室内に高温空気を流入させて着火燃焼させるよ
    うに前記第1連絡口を開閉させる制御バルブ、から構成
    したことを特徴とする2層副室を有する遮熱型ガスエン
    ジン。
  2. 【請求項2】 前記下部副室内における予め設定された
    空気過剰率は2程度であることを特徴とする請求項1に
    記載の2層副室を有する遮熱型ガスエンジン。
  3. 【請求項3】 圧縮行程上死点付近で確実に着火を行わ
    せるため、圧縮比は17〜18に設定されていることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の2層副室を有する遮
    熱型ガスエンジン。
  4. 【請求項4】 前記第2副室はシリンダ中心軸上に配置
    され、前記第2連絡口は前記下部副室から前記主室へ向
    かって前記シリンダ周辺方向に傾斜し且つ前記下部副室
    の壁面に対して接線方向に延びて複数形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2層副
    室を有する遮熱型ガスエンジン。
  5. 【請求項5】 前記上部副室と前記下部副室との間を遮
    熱構造に構成すると共に、前記上部副室と前記下部副室
    を構成する前記壁体、前記主室を構成する前記壁体及び
    前記制御バルブは耐熱性に優れたセラミックスで作製さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の2層副室を有する遮熱型ガスエンジン。
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