JPH071266B2 - 眼刺激判定用試薬及びそれを用いた眼刺激判定方法 - Google Patents

眼刺激判定用試薬及びそれを用いた眼刺激判定方法

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JPH071266B2
JPH071266B2 JP6176587A JP6176587A JPH071266B2 JP H071266 B2 JPH071266 B2 JP H071266B2 JP 6176587 A JP6176587 A JP 6176587A JP 6176587 A JP6176587 A JP 6176587A JP H071266 B2 JPH071266 B2 JP H071266B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、被験物質を動物に直接適用することなく眼刺
激性を予測し得る、各種のマーカーを内包したリポソー
ム(脂質二分子膜小胞体)からなる眼刺激判定用試薬、
及びそれを用いた眼刺激判定方法に関する。
〔従来の技術〕
アイライナーやアイシャドー等の眉目化粧料やシャンプ
ー、リンス、ヘアトニック、ヘアリキッド等の頭皮、頭
髪化粧料または洗浄料等は、使用時にあやまって目に入
れてしまう可能性がある。また医薬品である点眼剤は当
然のことながら直接目に入れるものである。これらの化
粧料や医薬品及びそれらを構成する原料について、目に
対する障害性を評価することは製品の安全性確保の上で
極めて重要なことである。従来から、この評価のために
は、ウサギを用いる眼刺激性試験(ドレイズ法)が汎用
されてきている。このドレイズ法には、(1)角膜の混
濁度合、(2)結膜の充血や浮腫の有無、(3)虹彩の
充血、腫脹作用の有無、の3つの試験項目があり、これ
らの試験結果から、総合的に製品や原料の眼刺激性を評
価してきた。ところで、近年、動物愛護の立場から動物
試験に反対する運動が高まるとともに、動物を用いない
代替試験法の開発が精力的に行なわれるようになってき
ている。ドレイズ法の代替法としては、培養したウサギ
の角膜上皮細胞(SIRC Cell)を用いる細胞毒性試験、
鶏卵の絨毛尿膜試験(CAMテスト)、屠殺したウシの目
を用いる評価法等が提唱されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これらの試験法は高度の技術や設備を要
すること、細胞を用いた試験系は、脂溶性物質等の培地
に不溶な物質の評価が困難であること、及びドレイズ法
と十分に対応のあるデータが得られていないことなどか
ら、代替法としては未だ社会的に認知されていないのが
現状であり、ウサギなどの動物を用いることなく、かつ
従来のドレイズ法と良く対応し得る優れた代替法の開発
が望まれていた。
本発明者らは上記事情に鑑み、失明などにかかわる角膜
の障害(混濁)は、角膜細胞の膜破壊にもとずく一部不
可逆的変化であるという仮説のもとに鋭意研究を重ねた
結果、各種マーカーを内包したリポソームと被験物質と
を作用させることにより生ずる内包マーカーの漏出や配
向性の変化の度合と、ドレイズ法の眼刺激性試験結果と
の間に極めて良好な相関性があることを見出し、各種被
験物質の眼刺激性をin vitroで再現性良く判定する方法
を見出すに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明はマーカーを内包するリポソームから
なる眼刺激判定用試薬及びそれを用いた眼刺激性判定方
法を提供するものである。
以下、本発明について詳述する。
本発明でいうリポソームとは、特定の脂質を用いて調製
することにより得られるラメラ層で形成された二分子膜
小胞体を指す。
本発明で用いるリポソームを調製するための脂質として
は、 レシチン(ホスファチジルコリン)、ケファリン、
ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ホスファ
チジルイノシトール、等の天然リン脂質、ジミリストイ
ルレシチン、ジパルミトイルレシチン、ジステアロイル
レシチン、ジセチルホスフェート、ステアリルアミン等
の合成リン脂質、ジガラクトシルジグリセリド、6−ス
ルホキノボシルジグリセリド、ガラクトシルセラミド、
グリコシルセラミド等の天然糖脂質、グルコシルジパル
ミトイルグリセロール、セルビオシルジパルミトイルグ
リセロール、マルトシルジパルミトイルグリセロール等
の合成糖脂質、及びステアリルトリメチルアンモニウム
クロリド等の第4級アンモニウムとセチルアルコール等
のn−高級アルコールとの混合体からなる群から選ばれ
た一種または二種以上と、 コレステロール、シトステロール、スチグマステロ
ール、カンペステロール、コレステロールエステル、コ
レステロールサルフェート、エルゴステロール等のステ
ロール類、トリグリセライド、ジグリセライドおよび脂
肪酸などの中性脂質からなる群から選ばれた一種または
二種以上 とが必須の脂質としてあげられる。これらの中で脂質
においてはレシチン、脂質においてはコレステロール
が最も好ましい。本発明においては上記したの脂質
を含有しているものであれば良く、例えばウシ、ウサ
ギ、ラットなどの動物の赤血球、肝、肺、皮膚および角
膜などの各組織から抽出された全脂質等も好適に用いら
れる。
脂質と脂質の混合比率はモル比で9/1〜4/6であり、
好ましくは7/3〜5/5である。脂質の存在は、リポソー
ム膜の安定化と同時に本発明の眼刺激測定用試薬として
の機能を十分に発揮させるものであるが、過剰の脂質
の配合は、リポソーム形成を阻害するので好ましくな
い。
また試薬としての分散安定性を高めるために、リポソー
ムを形成している脂質ラメラ相に荷電を持たせることが
望ましい。この場合、負電荷を持たせるときはホスファ
チジルセリン、ジセチルホスフェートなどの負電荷を持
つ脂質を、正電荷を持たせるときはステアリルアミンな
どの正電荷を持つ脂質を用いればよい。
本発明で用いるマーカーとは、被験物質との相互作用に
よって生ずるリポソームの膜物性の変化を的確に検知し
うる指示物質を意味する。
すなわち、水溶性マーカーは、被験物質がリポソームを
破壊した際、リポソームの膜透過性が高まり、内水相に
内包したマーカーの外水相への流出が生じ、その流出量
と流出をきたした被験物質濃度との関係から、被験物質
のリポソーム破壊能、すなわち眼刺激性を評価する目的
で用いられる。このため、リポソーム外に流出された際
に定量可能な物質でなければならない。かかる物質とし
ては、カリウムイオン、フッ素イオン、テトラペンチル
アンモニウムイオンなどのイオンメーター等の汎用機器
を用いて測定できる物質、▲CrO2- 4▼、及びエバンスブ
ルーなど可視部あるいは紫外部に特異的な吸収体を有
し、分光光度計等で測定できる物質、グルコース、スク
ロースなどの酵素等と反応し可視部あるいは紫外部に特
異的な吸収帯を有し、分光光度計等で測定できる物質、
蛍光光度計で測定できるカルボキシフルオレセインなど
低濃度(10-3M以下)で強い蛍光を有する物質及びウン
ベリフェリルホスフェートなどの酵素と反応して強い蛍
光を発する物質、及びシンチレーションカウンターによ
り高感度に測定できる14C−デキストラン、14C−スクロ
ース、3H−グルコースなどの放射性標識化合物等があげ
られる。
また脂溶性のマーカーを用いた場合は、リポソーム破壊
に伴う膜流動性の増大により、膜中に内包されたマーカ
ーの分子的配向性が変化し、その変化量からリポソーム
破壊能、すなわち眼刺激性を評価する。かかる物質とし
ては、ジフェニルヘキサトリエン(DPH)、ピレン、β
−パリナリン酸などの分子的配向性が蛍光偏光解消法に
より測定できる物質、13Cや3Hなどでラベルした5−ド
キシルステアレート、TEMPO−ホスファチジルコリン、
リン脂質などのスピンラベル剤の分子的配向性がESRに
より測定できる物質等があげられる。
本発明の眼刺激判定用試薬としてのリポソームに配合さ
れるマーカーの配合量は特に限定されないが、水溶性マ
ーカーの場合にはリポソームの内水相と外水相との等張
関係を維持する必要のあること、油溶性のマーカーの場
合にはリポソームの二分子膜の破壊等を生じさせないこ
と、更には蛍光分光光度計等の測定機器や場合によって
は肉眼でも検知可能であること、等々の条件を満足し得
る配合量として10-8〜10-2mol/lが好ましい。実際の配
合に際しては、検知方法を考慮してマーカー種や配合量
を決めれば良い。
本発明の眼刺激判定用試薬を調製する方法としては、リ
ポソームの一般的な製法が適用できる。例えば、ボルテ
クスィング法、ソニケーション法、プレベシクル法、エ
タノール注入法、フレンチプレス押出法、コール酸除去
法、トリトンX−100バッチ法、Ca2+融合法、エーテル
注入法、アニーリング法、凍結融解融合法、W/O/Wエマ
ルション法、逆相蒸発法等多くの方法があげられるが、
これらのいずれの調製法を用いてもよく、またこれらに
限定されるものではない。これらの調製法の中で多用さ
れるボルテクスィング法と逆相蒸発法について更に詳し
く述べると、前者の方法に従えば、特定の脂質からなる
複合脂質を適当な溶媒例えばクロロホルム、ジエチルエ
ーテル、エタノール等に溶解し、この後溶媒を留去して
複合脂質膜を作り、次いで適当なマーカー物質水溶液を
加えて加温下で水和させミキサー等で攪拌振盪すること
によりリポソーム分散液を得ることができる。また後者
の方法に従えば、特定の脂質からなる複合脂質を適当な
溶媒例えばクロロホルム、ジエチルエーテル、エタノー
ル等に溶解し、次いで適当なマーカー物質水溶液を加え
てミキサー等で攪拌混合してW/O型エマルションを得、
この後溶媒を留去することによりリポソーム分散液を得
ることができる。
脂溶性のマーカーを用いた場合には上記した方法で得ら
れたリポソーム分散液そのままでも眼刺激判定用試薬と
なるが、水溶性のマーカーを用いた場合にはこの後外水
相に残存するマーカーをマーカーを含む内水相と等張の
溶液を用いて透析、ゲル濾過、超遠心、限外濾過等の手
段により洗浄し、除去しなければならない。
本発明の眼刺激判定用試薬は使用時にはリポソーム分散
液の状態をとれば良く、供給時には保存、輸送等の利便
性から分散液を凍結乾燥したリポソーム粉体であっても
良い。使用時のリポソーム分散液の濃度は脂質量として
分散液中10-4〜10%程度が好適である。
次に本発明の眼刺激判定用試薬を用いた判定方法につい
て述べる。
すなわち、水溶性のマーカーを用いた場合には、マーカ
ーを50%流出させる被験物質濃度を、また脂溶性のマー
カーを用いた場合には、膜の流動性を50%増加させる被
験物質濃度をin vitroでの眼刺激パラメーターとし、眼
刺激性強度が既知の物質を用いて予めもとめておいたキ
ャリブレーションカーブから被験物質のドレイズ性強度
を予測するものである。
[発明の効果] 本発明の眼刺激判定用試薬及びそれを用いた試験方法
は、マーカーを内包したリポソームと被験物質とを使用
させることにより、リポソームに内包されたマーカーが
外水相へ漏出したり膜内配向性が変化したりする度合か
ら眼刺激を判定し得る極めて簡便なin vitroの試験方法
である。本発明に従えば、被験物質の眼刺激性を動物を
用いることなく判定出来るため、動物愛護の立場からも
非常に有益であり、くわえてこれまでに提案されている
細胞、鶏卵を用いて行う他の代替試験法に比べて、簡便
で再現性があるデータが得られること、エタノール等の
有機溶媒に体する耐久性が強いために細胞を用いた試験
系では不可能であった脂溶性物質もエタノール溶液とし
て添加することにより評価が可能であることなどから実
用面でも極めて有益なものである。
[実施例] 次に本発明の一層の理解の為に、実施例をあげて更に詳
細に説明するが、本発明をこれらの実施例によって限定
するものではないことはいうまでもない。
調製例1 ウシ角膜より抽出した複合脂質のクロロホルム溶液をリ
ン濃度で14μmol試験管中にとり、窒素ガスをふきつけ
ることにより溶媒を除去し、試験管底壁に複合脂質膜を
得た。これを真空デシケータ中で2時間乾燥し溶媒を完
全に除いた。これに10mMウンベリフェリルホスフェート
溶液1mlを加え、50℃で5分水和させた後、ボルテック
スミキサーにより激しく振盪することにより試験管底壁
に形成した上記複合脂質膜を完全に分散せしめて粒径0.
1〜数μmのリポソームを形成させ、リポソーム分散液
とした。このリポソームをトリス−塩酸緩衝液で約20ml
に希釈し、超遠心処理により沈め、上澄み液を前記緩衝
液に置換して再分散させ乳濁液とした(以後超遠心洗浄
と呼ぶ)。さらに超遠心洗浄を2回行ない、最終的に緩
衝液10.0mlに分散し、内水相にのみマーカーを保持する
リポソームを得た。
調製例2 試験管中で卵黄レシチン12μmol、コレステロール6μm
olおよび牛脳ホスファチジルセリン1.0μmolをジエチル
エーテル2.0mlに溶解し、0.3Mカルボキシフルオレセイ
ン溶液0.3mlを加え、バスタイプ超音波照射機により2
〜5分照射しW/O型エマルションを得た。これをロータ
リーエバポレーターを用いてジエチルエーテルを留去し
てゲル化させ、軽く振盪した後、残ったジエチルエーテ
ルを留去して、粒径0.1〜1.0μmのリポソーム分散液を
得た。これを調製例1と同様に超遠心洗浄し、内水相に
のみマーカーを保持するリポソームを得た。
調製例3 ナス型フラスコでジパルミトイルレシチン9μmol、卵
黄ホスファチジルエタノールアミン3μmol、牛脳ホス
ファチジルセリン1μmol、コレステロール2μmolおよ
びジフェニルヘキサトリエン(DHP)0.15μmolをクロロ
ホルム2mlに溶解した後、窒素ガスをふきつけることに
より溶媒を除去し、フラスコ底壁に複合脂質膜を得た。
これを真空デシケータ中で2時間乾燥し溶媒を完全に除
いた。これにリン酸緩衝液10mlを加え、50℃で30分水和
させた後、ボルテックスミキサーにより激しく振盪する
ことによりフラスコ底壁に形成した上記複合脂質膜を完
全に分散せしめた。さらにこれに窒素気流下、プロープ
型超音波照射機にて30分超音波照射して粒径0.02〜0.1
μmのリポソーム分散液を得た。
調製例4 ナス型フラスコ中で水添レシチン10μmol、コレステー
ルμmolおよびTEMPO−ホスファチジルコリンラベル2nmo
lをクロロホルム2mlに溶解した後、窒素ガスをふきつけ
ることにより溶媒を除去し、フラスコ底壁に複合脂質膜
を得た。これを真空デシケータ中で2時間乾燥し溶媒を
完全に除いた。これにリン酸緩衝液10mlを加え、50℃で
30分水和させた後、ボルテックスミキサーにより激しく
振盪することによりフラスコ底壁に形成した上記複合脂
質膜を完全に分散せしめて粒径0.1〜数μmのリポソー
ムを得た。
調製例5 調製例1のウシ角膜より抽出した複合脂質を、卵黄レシ
チン14μmolに置換した以外は調製例1と同様の方法で
リポソームを得た。
試験例1 調製例1および調製例5で得たリポソームを用いて各種
界面活性剤の眼刺激性評価を行った。すなわち、調製例
1及び5の眼刺激判定用試薬100μlと、界面活性剤の
トリス塩酸緩衝溶液900μlとを、界面活性剤の最終濃
度が0〜0.1%となるように混合して、37℃で2時間イ
ンキュベートした。このうちの200μlを0.27U/mlアル
カリンホスファターゼ溶液1.8mlと混合した後、蛍光光
度計により測定を行った(励起波長340nm、蛍光波長448
nm)。各種界面活性剤の眼刺激性強度及びリポソーム中
のマーカーを50%漏洩させる活性剤濃度を表1に示す。
なお、眼刺激性強度はドレイズ法の眼刺激性強度(3匹
のウサギにおける角膜の混濁度合の平均値)を下記の基
準で5段階評価したものである。
眼刺激性強度0:ドレイズ法スコア O 1: 10未満 2: 10〜20未満 3: 20〜30未満 4: 30〜40未満 5: 40以上 表1から明らかなように、調製例5は50%マーカー漏洩
濃度と眼刺激性強度の間に相関性がないのに比べて、調
製例1のリポソームは極めて良い相関性を有しており、
眼刺激性の強い活性剤に対しては低濃度で破壊を受け、
眼刺激性を示さない活性剤に対しては破壊を受けなかっ
た。
表1の結果からキャリブレーションカーブを作成し、図
1とした。横軸はリポソーム中のマーカーの50%漏洩濃
度を、縦軸はドレイズ法にもとづくの眼刺激性強度を示
す。次に調製例1の試薬を用いて界面活性剤の一種であ
るミリストイルメチルタウリンナトリウムについて同様
な試験を行った。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明に係るリポソームはin
vitroにおいて、容易にかつ短時間で眼刺激性を判定す
ることができる優れた眼刺激判定用試薬であるといえ
る。
試験例2 調製例2で得たリポソームを用いて各種界面活性剤の眼
刺激性評価を行った。すなわち、調製例2の眼刺激判定
用試薬100μlと、界面活性剤のトリス塩酸緩衝溶液900
μlとを、界面活性剤の最終濃度が0〜0.1%となるよ
うに混合して、37℃で2時間インキュベートした。この
うちの100μlをトリス−塩酸緩衝液1.9mlと混合した
後、蛍光光度計により測定を行った(励起波長490nm、
蛍光波長520nm)。各種界面活性剤の眼刺激性強度及び
リポソーム中のマーカーを50%漏洩させる活性剤濃度を
表3に示す。
試験例3 調製例3で得たリポソームを用いて各種界面活性剤の眼
刺激性評価を行った。すなわち、調製例3の眼刺激判定
用試薬100μlと、界面活性剤のトリス塩酸緩衝溶液900
μlとを、界面活性剤の最終濃度が0〜0.1%となるよ
うに混合して、37℃で2時間インキュベートした。この
うちの200μlを、蛍光偏光光度計により測定を行っ
た。(励起波長357nm、蛍光波長430nm)。各種界面活性
剤の眼刺激性強度及びリポソームの蛍光偏光度を50%低
下させる活性剤濃度を表4に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、各種界面活性剤の50%マーカー漏洩濃度と、
眼刺激性強度との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板垣 宏 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内 (72)発明者 萩野 滋延 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内 (72)発明者 豊田 英一 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内 審査官 秋月 美紀子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マーカーを内包するリポソームからなる眼
    刺激判定用試薬。
  2. 【請求項2】リポソームが、天然リン脂質、合成リン脂
    質、天然糖脂質、合成糖脂質、第4級アンモニウム塩と
    高級アルコールとの混合体からなる群から選ばれた一種
    または二種以上と、中性脂質からなる群から選ばれた一
    種または二種以上とで調製されてなる特許請求の範囲第
    一項記載の眼刺激判定用試薬。
  3. 【請求項3】リポソームが、動物の組織から抽出された
    全脂質で調製されてなる特許請求の範囲第一項記載の眼
    刺激判定用試薬。
  4. 【請求項4】マーカーを内包するリポソームと、被験物
    質とを作用させ、該リポソームに内包されるマーカーの
    漏出及び/又は該リポソームの膜配向性変化の度合か
    ら、被験物質の眼刺激性を評価する眼刺激判定方法。
JP6176587A 1987-03-17 1987-03-17 眼刺激判定用試薬及びそれを用いた眼刺激判定方法 Expired - Lifetime JPH071266B2 (ja)

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