JPH0712658B2 - オフセット印刷機用ブランケット、該ブランケットを巻装したオフセット印刷機用インキ転写ローラおよびオフセット印刷機 - Google Patents

オフセット印刷機用ブランケット、該ブランケットを巻装したオフセット印刷機用インキ転写ローラおよびオフセット印刷機

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JPH0712658B2
JPH0712658B2 JP63117954A JP11795488A JPH0712658B2 JP H0712658 B2 JPH0712658 B2 JP H0712658B2 JP 63117954 A JP63117954 A JP 63117954A JP 11795488 A JP11795488 A JP 11795488A JP H0712658 B2 JPH0712658 B2 JP H0712658B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、オフセット印刷機の裸胴に巻装されるオフセ
ット印刷機用ブランケット並びに該ブランケットを巻装
したオフセット印刷機用インキ転写ローラおよびオフセ
ット印刷機に関する。
[従来の技術] (1) オフセット印刷機の裸胴に巻装されるブランケ
ットとしては、例えば 印版からインキを転移しそれをシート状物に転写す
る役割を果すと同時に、圧力の緩衝材料としての弾性を
有する表面ゴム層と、該ゴム層補強のための3〜4層の
基布を積層させるか、または前記表面ゴム層と前記基布
層の間にソフトクッション層を積層させてゴム系の接着
剤で接着されてなる最も一般的な、いわゆる巻付式ブラ
ンケットと、 離型紙の上に粘着層,圧縮層,表面ゴム層をこの順
に積層し、各層間を接着剤で接着されてなり、弾力性,
可撓性などを備えた、いわゆる接着式ブランケットなど
が知られている。
(2) また、オフセット印刷機用インキ転写ローラと
しては、例えば、 上記巻付式ブランケットの前縁部をインキ転写ロー
ラの開口部に設けられた把持部材で把持した後必要に応
じて裸胴に外径調整用のアンダーレイを仕立てて捲回
し、その後縁部を同じくインキ転写ローラの開口部に設
けられた把持部材で把持した後、強力に引張ることによ
り裸胴に密着させたもの(「新オフセット教室」、(昭
52−8−5)日本印刷新聞社発行、P.61〜62及びP.14
8)、 上記接着式ブランケットを用い、裸胴外周面の一部
に軸線方向に幅3〜10mm程度の細い溝を設け、該溝部に
該ブランケットの前縁部を折り込み、裸胴表面との層間
の空気を排除しつつ巻込み、最後に後縁部を前記溝部に
折込むようにして裸胴に巻装したもの(「フォーム印刷
教室・改定版」、(昭53−4−1)日本印刷新聞社発行
P.164)、 または前記溝部を起点として裸胴全周部を覆い被せ
るように密着貼付けた後、該ブランケットの後縁部を前
記溝の稜線を案内にして刃物で切断したもの(金陽社カ
タログ、No.23Z3TY,REPORT No.9383)、 さらにまた印刷の絵柄や用紙の大きさに合わせて裸
胴の一部に貼付けたものなどが知られている。
次に、連続紙用オフセット印刷機としては、上記いずれ
かの形式によるインキ転写ローラと、インキ供給装置
と、版胴と、圧胴と、連続紙をインキ転写ローラと圧胴
との間に給排紙する給排紙装置とを備えたものが知られ
ている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来のオフセット印刷用ブランケッ
ト、オフセット印刷用インキ転写ローラおよびオフセッ
ト印刷機等においては、以下に述べる問題点があった。
まず、従来の(1)オフセット印刷機用ブランケットお
よび(2)インキ転写ローラに於ては、以下に述べる問
題点があった。
前記巻付式ブランケットに於ては、印刷位置ずれ、
ダブリなどの印刷障害を防ぐために、インキ転写ローラ
の裸胴にブランケットを強く張る必要があるが、その目
的のために裸胴の一部に開口部を設け、該開口部内にブ
ランケットの前縁部および後縁部を把持する把持機構
と、ブランケットを強く張るための張り機構が必要であ
る。
一方、ブランケットは強く張り過ぎると局部的な厚みむ
らが生じ、印刷障害を招くので適度に強く張る必要があ
る。ところがブランケットは印刷しているうちに徐々に
伸びるため、ブランケット厚さが減少したり、張力が緩
んだりするので、その都度増し締めや、必要に応じて直
径調整のアンダーレイを仕立てるといった精密な調整を
要するため、熟練社が面倒な作業を強いられるなどの問
題があった。
前記接着式ブランケットにおいては、前述のような
手順で裸胴に直接接着するので作業には高度な熟練を要
する。また貼り替えに際しては裸胴に粘着剤が残らぬよ
うにはがす難しさもある。印刷の絵柄や用紙に合せた大
きさのブランケットを貼る場合は、機上で所望の位置に
正しく貼る作業が難しいばかりか、印刷内容が変って一
旦はがすと再使用できない欠点がある。
(3) 次に、前記従来の連続紙用オフセット印刷機に
於ては、 頁毎の印刷長さ(1印刷区画の連続紙の送り方向の
長さ)は、インキ転写ローラの周長により決定されるの
で、印刷長さを変更するにはその都度、直径の異なるイ
ンキ転写ローラを交換する作業(いわゆる胴交換作業)
が必要であった。
しかも、この場合、インキ転写ローラを印刷長の種
類の数だけ予め用意しておかなければならず、コスト面
で不利になるばかりか、印刷機の構造が複雑化し、作業
性も繁雑になるなどの問題があった。
もし、このような場合に任意の印刷長さ(ただし、イン
キ転写ローラの大径部の周長の範囲内)で、かつ各印刷
負相互間に無駄な余白が生じることなく、連続して印刷
ができれば、印刷能率、印刷用紙ロスの点において非常
に便利である。
従来、このようなインキ転写ローラ交換を要することな
く上記印刷をする印刷機として、例えば特開昭60−2367
56号公報に開示された印刷機が知られている。
この印刷機の要部は、大径部(裸胴の弧長部)と小径部
(開口部)とに分割されたインキ転写ローラと、このイ
ンキ転写ローラと圧胴との間に連続紙を間欠的にかつ進
退自在に給紙する給紙手段と、前記インキ転写ローラの
大径部に連続紙を圧接するための圧接手段とからなり、
インキ転写ローラの小径部と、圧胴とが対向したときに
生じる両者間の隙間を利用して連続紙を間欠的に停止ま
たは後退させることにより、胴交換および圧胴のインキ
転写ローラからの離胴なしに任意に印刷長さを変えるも
のである。
しかしながら、この印刷機においては、以下に述べる問
題点があった。すなわち、 連続紙を停止または後退させるためのインキ転写ローラ
と圧胴間のタイミングは、インキ転写ローラの小径部が
圧胴に対向しているときに限られる。逆に言えば、印刷
中においては印刷長にかかわらずインキ転写ローラの大
径部は圧胴との間に常に連続紙を拘束(インキ転写ロー
ラと圧胴が連続紙を把持していること。)し、前進させ
ることになる。従って、印刷長がインキ転写ローラの大
径部弧長に比べて短い場合には、連続紙の後退距離が長
くなって給排紙装置への負担が増大するので、印刷速度
を上げることが困難であった。
そこで、この欠点を解消するひとつの方法として、印刷
中のみインキ転写ローラの大径部と圧胴との間で連続紙
を拘束し、印刷長だけ進んだときに圧胴をインキ転写ロ
ーラから離胴させて、連続紙を停止、後退させる方法が
提案されている(例えば特開昭62−116148号公報)。こ
うすすることにより、印刷長がインキ転写ローラの大径
部弧長に比べて短い場合でも、連続紙の後退距離は常に
一定となり、給排紙装置への負担が軽減され印刷速度を
上げられる。
しかし、この方法の場合においても、圧胴の離胴速度を
むやみに上げられないため、印刷速度上昇に限界があっ
た。
さらにまた、これらインキ転写ローラ交換を要しない連
続紙用オフセット印刷機には以下に述べるような問題点
もあった。
(a) 印刷開始点である画線部先端は、インキ転写ロ
ーラの小径部と大径部の接点直後に位置するが、前記イ
ンキ転写ローラとして、通常は巻付式ブランケットを用
いたインキ転写ローラを用いるので、より安定した印刷
圧力およびインキ転写を得るため、この画線部先端は、
少なくとも1mm以上の余裕を見て大径部側へ入り込んだ
位置に設定するのが一般的である。
しかし、このような条件下では各印刷区間毎の切断予定
線(横ミシン目など)から画線部後端までと、切断予定
線から画線部先端までの余白を例えば、それぞれ0.5mm
以下のほぼ零に近い値に設定した場合、次に印刷すべき
区間の画線部先端より更に前、つまり既に印刷を終えた
前頁の画線部後端を含んだ部分からインキ転写ローラに
接触し加圧されるので、前頁の印刷面のインキの一部が
ブランケットに転写され、更に次頁の印刷時にブランケ
ットから連続紙に再転写されて連続紙上の印刷汚れを助
長する欠点があった。
(b) 更に、頁間に例えば横ミシン目などの加工が施
されている連続紙の場合は、一般的に加工部に紙粉が発
生しやすいものであり、インキ転写ローラが加工部分に
接触して紙粉がブランケット表面に付着、堆積してイン
キの転写不良を起こしたり、その堆積物が版面をこす
り、印刷の非画線部分のインキ反発性の劣化を引き起
し、インキが異常付着して印刷汚れを生じるという欠点
があった。
この発明は、上記従来の問題点を解決し、 (1) 印刷内容に応じた任意の大きさのものを正しく
位置決めでき、しかもくり返し使用可能なオフセット印
刷機用ブランケットを提供し、 (2) また、裸胴への上記ブランケットの巻装に際し
ては、熟練を要することなく短時間で容易に巻装でき、
また印刷中のずれもなく、締付け引張力による厚さ変化
も生じないオフセット印刷機用インキ転写ローラを提供
し、 (3) 更に、印刷長が頻繁に変更されても容易に印刷
長に対応したブランケットが胴交換なしに裸胴に巻装で
きると共に、圧胴を毎頁毎にインキ転写ローラから離胴
することなく、印刷頁間の余白をほぼ零としても前頁の
印刷面に接触することなく、紙粉の影響などからの印刷
欠点をも解消してオフセット印刷し得る連続紙用オフセ
ット印刷機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] (1) この発明のオフセット印刷機用ブランケットの
構成は、次のとおりである。
すなわち、オフセット印刷機の裸胴外周面に巻装される
オフセット印刷機用ブランケットにおいて、該印刷機用
ブランケットは、天地方向の前縁部に位置決め用孔が設
けられた可撓性シートと、該可撓性シートの印刷サイズ
に対応する位置に接着されたブランケットと、を備えて
いることを特徴とするオフセット印刷機用ブランケット
である。
ここで、オフセット印刷機用ブランケットを構成する可
撓性シートとしては、両面が平滑で、多少の天地方向の
緊張力が働いても寸法安定性のある、例えばポリエステ
ルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム
の他、両面が平滑かつシリコーンゴム皮膜に対して高い
密着性と摩擦を有するアルミニュームコーティング紙、
合成紙などのシート状物が好ましく、より好ましくはポ
リエステルフィルムである。これらのシート状物の厚さ
は、可撓性が確保できる厚さ、すなわち、スチールであ
れば50〜90μm程度、ポリエステルフィルム、ポリイミ
ドフィルム、ポリアミドフィルムなどのフィルム状物で
あれば75〜300μm程度が好ましい。これらのシート状
物のうち、最も好ましいシート状物は、引張強度、剛性
が高く、巻じわ発生のない厚さが75〜300μm程度のポ
リエステルフィルムである。
また、ブランケットとしては、特に制限されるものでは
なく、厚さが0.7〜1.2mm程度の市販のゴム製ブランケッ
トで十分である。また、このブランケットをシート状物
に接着する接着剤も特に制限されるものではなく、例え
ば、アクリル系、シリコーン系などの接着剤でよい。
また、前記接着剤の粘着力は300〜1000g/cmのものが好
ましい。また、位置決め用孔とは、ブランケットをイン
キ転写ローラの裸胴に巻装する際の裸胴に対する位置決
めを目的として可撓性シートの前縁部に設けられた複数
の孔である。通常は可撓性シートの裸胴への密着性を高
めるため、付勢手段を備えた引掛具の係止用孔が後端部
にも設けられている。この位置決め用孔を基準としたブ
ランケットの接着位置設定方法は、 可撓性シートが透明体である場合には、このシート
のブランケット接着予定面を印版に接するようにして裸
胴に重ね合せ巻きにして接着予定位置を罫書き、下の印
版の画線部に対応した印刷サイズのブランケットを接着
する方法と、さらに印版も透明体である場合は、予め印
板を表裏反転して裏巻きに裸胴を巻付け、その上に可撓
性シートを裸胴に重ね合せ巻きにし、下の印版の画線部
の印刷サイズに対応した部分を覆い被せるようにブラン
ケットを接着する方法と、 可撓性シートが不透明体である場合には、実際に版
胴の画線部にインキを付け、続いて前記画線部より広い
ブランケットを用いたインキ転写ローラに絵柄を転写し
て印版の絵柄を可撓性シート上のブランケットに写し取
り、印版と可撓性シート上のブランケットとの正確な位
置関係を確認した上で、余分なブランケットを切除する
方法とがある。
尚、可撓性シートのブランケット貼着作業を機外で実施
する場合は、裸胴と同様の曲率と位置決めピンをもつ模
擬胴を用いるのが好ましい。
(2) 次に、この発明のオフセット印刷機用インキ転
写ローラの構成は、次のとおりである。
すなわち、請求項1記載のオフセット印刷機用ブランケ
ットと、裸胴と、前記ブランケットと前記裸胴との間に
介在された膜厚が0.5〜50μmであって、数平均分子量
が3000〜40000の線状ジオルガノポリシロキサンを架橋
せしめたシリコーンゴム皮膜層とを備えてなるオフセッ
ト印刷機用インキ転写ローラである。
ここで、裸胴とは、開口部に可撓性シートの前縁部の把
持機構と、後縁部の引張力付勢機構とを備え、その胴表
面は、硬質クロームメッキ後、バフ仕上げで0.5S程度に
平滑に加工されている公知の金属製の円筒体であるが、
例えば、ポリエステルフィルムなどが胴表面と一体的に
構成されていても差し支えない。
また、ブランケットと裸胴との間に介在せしめるシリコ
ーンゴム皮膜とは、下記組成物(イ)、または(ロ)を
硬化して形成したシリコーンゴム皮膜であり、詳しくは
特開昭63−130392号公報で詳述されている皮膜である。
組成物(イ) (a)線状ジオルガノポリシロキサン(数平均分子量が
3000〜40000) 100重量部 (b)縮合型架橋剤 3〜70重量部 (c)触媒 0.01〜40重量部 前記成分(a)の線状ジオルガノポリシロキサンは、下
記の一般式で示されるような繰り返し単位を有するポリ
マーで、RおよびR′は炭素数1から10のアルキル基、
ビニル基、アリール基であり、また、その他の適当な置
換基を有していてもよい。RおよびR′は同一でも異な
っていてもよい。また、ポリマー主鎖にそって、繰り返
し単位が異なっていてもよい。一般的にはRおよびR′
の60%以上がメチル基、あるいはハロゲン化ビニル基、
ハロゲン化フェニル基などであるものが好ましい。
このような線状ジオルガノポリシロキサンは、両末端に
水酸基を有するものを用いるのが好ましい。
また、前記成分(a)は、数平均分子量が3000〜40000
でなければならない。この範囲を外れると剥離強度が弱
かったり、強すぎるので好ましくない。なお、数平均分
子量が5000〜36000であるのが好ましい。
成分(b)は、縮合型のものであればいずれであつても
よいが、次の一般式で示されるようなものが好ましい。
Rm・Si・Xn (m+n=4、nは2以上の整数) ここでRは先に説明したRと同じ意味であり、Xは次に
示すような置換基である。
Cl、Br、Iなどのハロゲン Hまた、はOH、OCOR、OR、 などの有機置換基。
ここでR1、R2、R3、R4は炭素数1〜10のアルキル基また
は置換アルキル基を示す。
成分(c)は、錫、亜鉛、鉛、カルシウム、マンガンな
どの金属の有機カルボン酸塩、たとえばラウリン酸ジブ
チルスズ、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛など、あるいは
塩化白金酸等のような触媒があげられる。
組成物(ロ) (d)付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキ
サン(数平均分子量が3000〜40000) 100重量部 (e)オルガノハイドロジエンポリシロキサン 0.1〜10
重量部 (f)付加触媒 0.00001〜1 重量部 上記成分(d)の付加反応性官能基を有するジオルガノ
ポリシロキサンとは、1分子中にケイ素原子に直接結合
したアルケニル基(より好ましくはビニル基)を少なく
とも2個有するオルガノポリシロキサン(数平均分子量
が3000〜40000のもの)で、アルケニル基は分子量末
端、中間いずれにあつてもよく、アルケニル基以外の有
機基としては、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のア
ルキル基、アリール基である。また、成分(d)には水
酸基を微量有することも任意である。
成分(d)の具体的な例としては、α、ω−ジビニルポ
リジメチルシロキサン、両末端メチル基もしくは水酸基
の(メチルビニルシロキサン)(ジメチルシロキサン)
共重合体などが例示される。
また、前記成分(d)は、数平均分子量が3000〜40000
でなければならない。この範囲を外れると剥離強度が弱
かったり、強すぎるので好ましくない。なお、数平均分
子量が5000〜36000であるのが好ましい。
成分(e)としては、両末端水素基のポリジメチルシロ
キサン、α、ω−ジメチルポリメチルシロキサン、両末
端メチル基の(メチルシロキサン)(ジメチルシロキサ
ン)共重合体、環状ポリメチルシロキサン、両末端トリ
メチルシリル基のポリメチルシロキサン、両末端トリメ
チルシリル基の(ジメチルシロキサン)(メチルシロキ
サン)共重合体などが例示される。
成分(f)としては、白金系の化合物が好ましいが、む
ろん、これに限定するものではない。
以上、組成物(イ)、(ロ)の各成分について述べた
が、形成されるシリコーンゴム皮膜の強度を向上させる
ために、前記組成物(イ)または(ロ)に各種の充填材
を混合させることができる。
次に、本発明における線状ジオルガノポリシロキサンを
架橋せしめたシリコーンゴム皮膜の形成法の一例につい
て説明する。
前記組成物(イ)または(ロ)を適当な溶媒で希釈し塗
布液とする。なお、溶媒としては、パラフィン系炭化水
素、イソパラフィン系炭化水素、シクロパラフィン系炭
化水素および芳香族炭化水素、さらには、これらの混合
物などが挙げられる。このような炭化水素類の代表的な
例としては、石油の分留品およびその改質品などがあ
る。具体例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタンなど
が挙げられる。
塗布液の濃度は、用るい線状ジオルガノポリシロキサン
の分子量、塗布方法にもよるが、好ましくは80重量%、
より好ましくは5から60重量%である。濃度が薄すぎて
も濃すぎても塗布しにくく、適当な膜厚のシリコーンゴ
ム皮膜は得られにくい。
この塗布液を用いて前記インキ転写ローラに前記皮膜を
形成するには、前記塗布液を固化後の厚さで0.5〜50μ
mの厚さに裸胴の表面に直接塗布し加熱・硬化(加熱温
度:約20〜180℃)する方法、または、可撓性シートの
裸胴への接触面に、前記塗布液を固化後の厚さで0.5〜5
0μmの厚さに塗布し、加熱硬化したものを裸胴に貼付
する方法のいずれでもよい。
また、皮膜の厚さは0.5μm未満では、製造上塗布むら
などが起こりがちで安定した粘着面を得ることができな
い。また、50μmを越える塗布は、厚くなる程滑り方向
の耐強度が下がり、印刷精度を損ねてしまうことにな
る。
また、シリコーンゴム皮膜の裸胴の半径方向の厚みは、
出来るだけ均一であることが好ましく、±10μm以内で
あることが好ましい。ここで、20μmを越える厚みムラ
を生じると印刷物のベタツブレや網点に差が現れ、印刷
欠点を引き起こすことになる。
なお、本発明では、架橋せしめるジオルガノポリシロキ
サンの数平均分子量を3000〜40000としたとき、それで
形成されたシリコーンゴム皮膜の表面は、180゜剥離強
度が0.1〜3g/cmであるのが好ましく、数平均分子量が50
00〜36000の場合は、180゜剥離強度が0.5〜2.5g/cmであ
るのがより好ましい。
以上のようにしてシリコーンゴム皮膜層を介して裸胴に
ブランケットが巻装されたインキ転写ローラが得られ
る。
(3) この発明の印刷機は、次の構成からなる。すな
わち、インキ供給装置と、版胴と、インキ転写ローラ
と、該インキ転写ローラの回転位置を検出するための位
置検出装置と、前記インキ転写ローラに対して離着胴す
る圧胴と、連続紙を前記インキ転写ローラと前記圧胴と
の間に給排紙する給排紙装置と、前記位置検出装置で検
出された前記インキ転写ローラの回転位置に対応する入
力信号に基づき前記圧胴を離着胴する信号並びに前記給
排紙装置を作動させる出力信号をそれぞれ出力する回路
を有する制御装置とを備え、前記連続紙を間欠送りする
ことにより印刷長を可変としたオフセット印刷機におい
て、 前記インキ転写ローラは、天地方向のブランケット長さ
が前記裸胴の大径部弧長よりも短いオフセット印刷機用
ブランケットが巻装された請求項2記載のオフセット印
刷機用インキ転写ローラであり、前記制御装置は、前記
インキ転写ローラおよび前記ブランケットが回転し、そ
の回転に伴って前記連続紙への転写が次々に行われてい
る定常印刷状態においては前記連続紙の間欠送り動作に
かかわらず前記圧胴を前記インキ転写ローラに着胴させ
る信号を出力する回路を備えてなることを特徴とするオ
フセット印刷機である。
ここで、本発明におけるオフセット印刷機において、イ
ンキ転写ローラ以外のインキ供給装置、版胴、圧胴、位
置検出装置、制御装置および給排紙装置などについて
は、例えば、特開昭62−68749号公報、特開昭62−11614
8号公報などに開示されている公知のものでよい。
上記部材のうち、位置検出装置としては、通常、インキ
転写ローラの軸端に付設され、回転位相角をパルス状信
号として発信するロータリエンコーダ、回転トランスな
どが用いられ、制御装置としては、マイクロコンピュー
タ、シーケンサなどが用いられる。
また、連続紙としては、例えば紙、フィルム、不織布、
布帛、合成紙などのシート状物をいい、頁間の幅方向に
横ミシン目加工あるいは送り方向に送り孔加工などが施
された折り畳み畳のものも含まれる。
また、天地方向のブランケット長さは、当然に印刷長に
よって決定され、裸胴の大径部弧長よりも十分短い印刷
長の場合は、ブランケット長さも短くできる。従って、
圧胴を前記インキ転写ローラに着胴位置に保持したまま
で開口部を待たず連続紙を減速、停止、そして後退させ
るには、裸胴の大径部外周面と圧胴外周面との間に隙間
があることが必要であるが、通常、連続紙の厚さは0.05
mm〜0.2mm程度であるのに対し、ブランケットの厚さは1
mm前後あり、必然的にこのブランケット厚さに相当する
隙間が生じるので、特に問題はない。
また、本発明によるオフセット印刷機用ブランケット
は、可撓性シート上に裸胴大径部弧長の範囲内で、任意
の面積および形状のブランケットを接着できるので、例
えば印鑑やシンボルマークなどの極く限られた部分のみ
の印刷に於ては、連続紙の一頁分の印刷サイズにこだわ
らず、当該部分のみの極く小面積のブランケットを接着
すれば良い。この方式によれば、印刷に関係しない印刷
サイズ内の大部分のブランケットが不要となり、ブラン
ケットが節約できる他、不必要な接触、つまり版胴とブ
ランケット間、およびブランケットと連続紙間の接触が
回避できるので、それだけインキの異常転移機会が無く
なり、印刷汚れの無い印刷物が得られる。
さらに、本発明によるオフセット印刷機は、版胴に印版
代用の例えば単なるポリエステルフィルムを巻き付け、
全面をインキ受容面とすることで容易に版胴のインキ付
けローラ化ができる。従って裸胴に凸版を巻装すれば凸
版印刷機として容易に代替え可能である。
[作用] (1) 上記のように構成されたこの発明のオフセット
印刷機用ブランケットは、印版の画線部から転写された
インキを用紙に再転写する作用を有し、また、裸胴に対
して別体に構成され、かつ位置決め用孔が設けられてい
るので、印刷サイズの変更に応じて印刷機上で熟練作業
を要することなく裸胴の正しい位置に簡便に巻装され
る。また、次回の同一印刷サイズの印刷に備えて保管し
得る作用を有する。
(2) オフセット印刷機用インキ転写ローラにおいて
は、上記オフセット印刷機用ブランケットと裸胴との間
に設けられたシリコーンゴム皮膜層がブランケットを裸
胴に密着保持する作用を有し、インキを用紙上に位置ず
れが無く精度良く転写する作用を有する。
(3) 更に、オフセット印刷機においては、可撓性シ
ートにブランケットを接着したオフセット印刷機用ブラ
ンケットを用いたので、裸胴の大径部弧長よりも十分短
いブランケットの巻装されたインキ転写ローラが容易に
得られ、インキ転写ローラの大径部と圧胴との間に生ず
る隙間を利用して通常の印刷に於ては圧胴をインキ転写
ローラから離胴することなく連続紙を間欠的に進退自在
に給排紙し得る作用を有する。
[実施例] 実施例1 本発明のオフセット印刷機用ブランケットの一実施例
を、第1図および第2図に基づいて説明する。
第1図は、この発明に係るオフセット印刷機用ブランケ
ットの平面図、第2図は、第1図のA−A矢視断面図で
ある。
図において、オフセット印刷機用ブランケット1は、ポ
リエステルフィルム製の可撓性シート2(以下、キャリ
ヤシートと称す)と、ブランケット3と、両者を相互に
接着している接着剤4とからなる。キャリヤシート2
は、厚さが150μmの透明ポリエステルフィルムを印版
(図示せず)と同じ寸法である天地方向(図の上下方
向)の長さが397mm、幅が420mmに切断したものを用い
た。そして、印版専用穿孔機を用いて位置決め孔5と引
掛具係止孔6とを印版と同じ位置に穿孔した。次に、こ
のキャリヤシート2の位置決め孔5を基準に印版上に重
ね合せ、印版上の画線部の位置をキャリヤシート2上に
罫書いた。そして、このキャリヤシート2上の罫書き線
を基準にして、印刷予定サイズに切断した厚さ0.94mmの
ブランケット3(“ポリファイブロン”、W.R.グレース
社製)を罫書き面の裏側から接着し、オフセット印刷機
用ブランケット1を得た。
この実施例によるオフセット印刷機用ブランケット1
は、従来の接着式ブランケットに比し、透明のポリエス
テルフィルムを用いて印版の画線部位置を移し取ったの
で、製作に際して、その接着位置を正確に知ることが容
易であり、迅速に精度良く製作できるという特有の効果
がある。このように可撓性シートとして、ポリエステル
フィルムなどのシート状物を用いると、厚みむらが少な
く、引張り強度が比較的高いので、寸法安定性に優れて
いる。また、表面が平滑であるので接着式ブランケット
を前記シート状物に接着するに際し、強力に接着できる
利点もある。
また、印版にキャリヤシート2と同等品質、同一寸法の
もの、例えばポリエステルフィルム基板水なし平版など
を用いると印版として使用済みのものでもキャリヤシー
ト2の代用品に十分なり得るので経済的でもある。
実施例2 次に、本発明のオフセット印刷機用インキ転写ローラの
一実施例を、第3図ないし第5図に基づいて説明する。
第3図は、本発明におけるオフセット印刷機用インキ転
写ローラ27の開口部の平面図、第4図は、第3図のB−
B矢視の要部断面図、第5図は、シリコーンゴム被覆層
11の拡大断面図である。
図において、7は、開口部8を有する裸胴、1は、実施
例1で説明したオフセット印刷機用ブランケットであ
り、裸胴7の開口前縁部9の幅方向に凸設された位置決
めピン10aにその位置決め孔5が嵌合され、シリコーン
ゴム皮膜層11を介して裸胴7の外周面に巻装された状態
を示している。
そして、開口部8には、キャリヤシート2の前縁部9の
把持機構12と、後縁部の係止機構13とが裸胴7の外周面
内に設けられている。14は、ブランケット1の前縁部9
を把持し、固定するための軸で、両端部が裸胴7から支
持され、幅方向にはキャリヤシート2の前縁部を押圧す
るための押え板バネ15がこの軸14と一体に設けられてい
る。ここで、軸14の一端(第3図の左方向)には、逆転
防止用のクラッチバネ16と、更にクラッチバネの外周に
クラッチ解除リング17とが軸14と同心状に嵌挿されてい
る。クラッチ解除リング17を第4図において時計方向
(以下、回転方向については全て第4図基準とする。)
に回転させるとクラッチバネ16の逆転防止機能は解除さ
れ、軸14が反時計方向に回転自在となるようにされ、ま
た、逆に、クラッチ解除リング17を反時計方向に回転さ
せてもクラッチバネが締り勝手に巻込まれるだけで殆ど
回転しないようにされている。また、軸14の他端には、
つる巻きバネ18が時計方向、すなわち押え板バネ15がキ
ャリヤシート2前縁部を押圧する方向に付勢されるよう
に裸胴7と軸14のそれぞれに突設されたピン19に係止さ
れている。
一方、20は、キャリヤシート2の後縁部を裸胴7に張力
をかけた状態で引張付勢する係止軸であり、軸14と同様
に両端が裸胴7から支持され、その幅方向には引掛具係
止孔6と係合する突設されたピン10b、一端部には時計
方向に回転力を付勢されたつる巻きバネ21などが設けら
れている。ただ、軸14と異なり、軸20の中央部には、つ
る巻きバネ21の付勢力に反して半時計方向に軸20を回動
させるためのツマミ22が固着されている。
このように構成されたブランケット着脱機構12、13を用
いてブランケット1を裸胴7に巻装するには、ブランケ
ット1の裸胴7への密着性を高めるため、まず、裸胴7
の外周面にシリコーンゴム皮膜層11を形成させる。
このシリコーンゴム皮膜層11をその断面図である第5図
を用いて説明すると、シリコーンゴム皮膜層11は、厚さ
100μmのポリエステルフィルム製の基板11aに対し、裸
胴7との接着面である一方の面にアクリル系接着剤11c
が塗布され、印刷機用ブランケット1との接触面である
他方の面には、シリコーンゴム層11bが形成されてい
る。本実施例では、シリコーンゴム層11bは、 (a)α、ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン
(数平均分子量4万) 100部 (b)エチルトリアセトキシシラン 10部 (c)ジブチルスズジアセテート 0.5部 からなる組成物をn−ヘキサン溶液として回転塗布機に
より塗工、硬化させ厚さ3μmのものを得た。このよう
にしてえられたシリコーンゴム皮膜層11を、裸胴7の大
径部外周面に形成させるべく、両者間に空気が巻込まれ
ないように貼付した。
以上のようにしてシリコーンゴム皮膜層11が形成できた
ら、以下に述べる手順でオフセット印刷用ブランケット
1を裸胴7に巻装する。
まず、作業者がクラッチ解除リング17を時計方向に回転
させることにより、クラッチバネ16の逆転防止機能を解
除し、軸14を裸胴7から回転自在とする。次いで、つる
巻きバネ18の付勢力に逆らいつつ軸14を半時計方向に約
30度回転させ、押え板バネ15の裏面と位置決めピン10a
との間に生じる隙間にオフセット印刷用ブランケット1
の前縁部を挿入し、複数の位置決め孔5を位置決めピン
10aに差し込む。そして軸14の半時計方向に加えた力を
除くと、つる巻きバネ18の付勢力によって軸は時計方向
に戻り、ブランケット前縁部9を軽く挟み込む。更に強
固にブランケット前縁部9を裸胴7に固着するには、二
点鎖線で示す締付け工具23を用いて軸14を時計方向に回
転させれば良い。
このようにすることにより、キャリヤシート2の前縁部
の裸胴7への位置決めと固定とが同時に完了する。
次に、キャリヤシート2の後縁部を係止軸20に係合させ
るには、ブランケット後縁部を裸胴7の開口部8に0.04
〜0.1Kg/cm程度の引張力を加えながら捲回した後、つま
み22をつる巻きバネ21の付勢力に逆らいつつ、反時計方
向に回転させ、引掛具係止孔6がピン10bと一致した位
置でピン10bを引掛具係止孔6に差し込む。この状態で
つまみ22から手を離せばつる巻きバネ21の付勢力によ
り、キャリヤシート2の後縁部は引張られつつ、裸胴7
に密着される。なお、この場合のつる巻きバネ21の付勢
力は、印刷時において裸胴7とオフセット印刷機用ブラ
ンケット1との間に隙間が生じないような力に予め調整
されている。
なお、裸胴7からオフセット印刷機用ブランケット1を
取外すには、以上に述べた手順を逆に行なえば簡単に取
外すことができる。このうち特に、キャリヤシート2の
前縁部9を把持機構12から外す作用を特に説明する。ま
ず、クラッチ解除リング17を手で時計方向へ少し回転さ
せ、その状態を維持している間はクラッチバネ16の逆転
防止機能は解除されるので、軸14は反時計方向へ回転可
能となる。この状態で軸14は反時計方向へ手で回転さ
せ、押え板バネ15を開くとオフセット印刷機用ブランケ
ット1の前縁部の把持が解除されるので、オフセット印
刷機用ブランケット1をピン19から外して取出すことが
できる。そして、軸14から手を離すとつる巻きバネ18の
付勢力により、軸14は時計方向に回転し、押え板バネ15
は小径部に密着して閉じた状態に保持される。従って、
オフセット印刷機用ブランケット1を裸胴7に巻装させ
ずに回転しても、裸胴7の大径部直径を越えて回転する
障害物がないので何ら支障がない。
なお、本実施例では、版胴26(第6図)とインキ転写ロ
ーラ27(第6図)の回転位相関係を、印版25の位置決め
ピン孔から画線の基準位置までの距離がオフセット印刷
機用ブランケット1の位置決めピン孔5からブランケッ
ト3に転写された画線の基準位置までの距離と一致する
ように設定されている。
上述のように構成された本実施例装置においては、オフ
セット印刷機用ブランケット1の巻装時の引張り張力
は、従来の巻付式ブランケットでの引張り張力が10〜20
Kg/cmであったに対し、0.04〜0.1Kg/cm程度と筈か1/200
程度でよい。また、この場合のブランケット3の外周面
の厚さむら(裸胴7の外周面からの距離)を測定したら
全て±0.03mm以内に入っており、精度の優れたものであ
った。
実施例3 次に、本発明のオフセット印刷機の一実施例を第6図な
いし第12図に基づいて具体的に説明する。
第6図は、オフセット印刷機の概略断面図であり、その
要部はインキ供給装置24と、印版25が巻かれた版胴26
と、実施例2で説明したインキ転写ローラ27と、連続紙
28をインキ転写ローラ27に圧接しつつ回転する圧胴29
と、給紙装置である正逆転自在なピンフィードトラクタ
30と、このピンフィードトラクタ30に正逆転の指示を与
える制御装置であるマイクロコンピュータ32と、連続紙
28を排紙する排紙コンベア31とで構成されている。
ここで、インキ供給装置24、版胴26、インキ転写ローラ
27、圧胴29は、それぞれ歯車(図示せず)によって相互
に連結され、一台のモータ(図示せず)によって駆動さ
れることにより、それぞれの周速が一致するようにされ
ている。また、インキ転写ローラ27の軸端には、基準位
置からの位置検出装置である回転位相角を発信するため
のロータリエンコーダ(図示せず)が付設され、その信
号はマイクロコンピュータ32に接続されている。そし
て、ピンフィードトラクタ30は、上記モータとは更に別
のモータ33でインキ転写ローラ27と同期回転するように
され、このピンフィードトラクタ駆動用モータ33は、連
続紙28をマイクロコンピュータ32からの指示に基づいて
始動、増速、前進から、減速、停止、あるいは所定量後
退できるように制御されている。この場合のピンフィー
ドトラクタ30の減速、停止、後退などのタイミングは、
インキ転写ローラ27の圧胴29に対する接胴点Pがオフセ
ット印刷機用ブランケット1のブランケット3後端部3b
から開口部8を経てブランケット3の前端部3aに至る弧
長(図の回転位相角Θが挟む弧長)の範囲内に存在して
いるときにのみできるように、予めマイクロコンピュー
タ32がプログラムされている。また、排紙コンベア31
は、連続紙28を図の左方向に摩擦付勢させる必要から、
印刷時の給紙速度よりも約1%程度増速回転するように
圧胴27と歯車で連結、駆動されている。
次に、本実施例装置の作用を第7図ないし第14図を用い
て更に具体的に説明する。なお、これら図中における符
号(1)は、インキ転写ローラ27と、圧胴29の回転状態
を示し、符号(2)は、連続紙28の印刷状態を示すもの
とする。
(1) 第7図の状態は、印刷区間Bの印刷状態を示
し、矢印方向に回転するインキ転写ローラ27と圧胴29の
間に加圧され、移送される連続紙28の表面に画線部のイ
ンキ34が転写されつつある状態を示している。連続紙28
には、既に印刷を終えた印刷区間Aの印刷部後端にほと
んどすき間なく印刷区間Bの印刷を続行中である。
(2) 第8図の状態は、印刷区間Bの終端が圧胴29の
軸線上に位置し、印刷区間Bの印刷が終了した状態を示
している。ここで、連続紙28がオフセット印刷機用ブラ
ンケット1と圧胴29間で拘束されている長さLは、印刷
長P(印刷前端部S1から印刷後端部eまでの長さ)に実
質的に等しい。
(3) 第9図の状態は、印刷区間Bを印刷終了し、連
続紙28がブランケット1と圧胴29の間の拘束から解放さ
れると同時に、給紙速度が減速されつつ約20mmのオーバ
ーラン(図示f)の後、停止した状態を示している。
(4) 第10図の状態は、インキ転写ローラ27は図の矢
印方向に更に回転し、圧胴29上にはオフセット印刷機用
ブランケット1のブランケット3が接着されていない部
分が通過している状態を示している。そして、連続紙28
はインキ転写ローラ27と圧胴29とからの拘束が解かれ、
インキ転写ローラ27のオフセット印刷機用ブランケット
1のキャリヤシート2の外周面と圧胴29の外周面間にブ
ランケット3の厚さ分だけ隙間が生じるので、この隙間
を利用して次の印刷区間Cへの準備、すなわち印刷区間
Bと印刷区間Cとの間の余白を最小にすべく、図の右方
向に逆送されつつある状態を示している。
(5) 第11図の状態は、連続紙28が逆送を終り、待機
位置にて停止している状態である。この待機位置は、連
続紙28が順送スタートして通常印刷速度に達するまでの
いわゆる助走距離hだけ、印刷開始線Sより余分に戻っ
た位置である。
(6) 第12図の状態は、連続紙28が待機位置から、再
びピンフィードトラクタ30により図の左方向へ助走しつ
つある状態を示している。
(7) 第13図の状態は、連続紙28の前進速度が、イン
キ転写ローラ27および圧胴29の周速と等速になり、印刷
区間Cの印刷前端部S2が、印刷開始点Sに一致した状態
を示し、まさに印刷区間Cの印刷スタートの瞬間を示し
ている。
(8) 第14図の状態は、印刷区間Bと印刷区間C間と
の間の余白が最小にされた状態で印刷区間Cの印刷が進
行している状態を示している。
以上の動作を繰返すことにより、印刷済の前頁と新規印
刷頁とを連続紙28を後退させて詰める際にも、何ら圧胴
29をインキ転写ローラ27から離胴させることなく、圧胴
29を着胴位置に保持したままで後退させることができ
る。
本実施例においては、直径が150.8mm、開口部8の弧長
が120mmの裸胴7に、オフセット印刷機用ブランケット
1の厚さ0.94mmのブランケット3をその後端部3bから開
口部8を経て前端部3aに至る弧長が226.6mm(裸胴周長
の47%、開口部8の弧長の189%)となるように接着し
てインキ転写ローラ27を構成した。そして、インキ転写
ローラ27とピンフィードトラクタ30との回転関係を、印
刷頁間の余白長さが0.5mm以下となるように予めマイク
ロコンピュータ32に入力し、印刷条件は第6図におい
て、インキ供給装置24に水なし平版用インキ(大阪印刷
インキ株式会社製)の紅色を用い、版胴26には水なし平
版25を用いた。インキ供給装置24のインキ着けローラを
印版25に押圧転動させて印版画線部にインキを転移し、
インキ転写ローラのオフセット印刷機用ブランケット1
に絵柄34を転写する。次いで、連続紙28上に縦25.4cm
(10インチ)、横38.1cm(15インチ)の印刷予定区間
と、25.3cm×36cmの印刷面積を取り、外枠付きの5mm×5
mm方眼の模様で約30000枚の印刷を行なったところ、印
刷面は頁間の印刷余白も含んで隣の印刷頁にブランケッ
トが接触するのが回避され、異常な転写、汚れ、紙粉の
影響などを受けない優れた印刷物が得られた。また、裸
胴大径部弧長35.4cmより短い25.3cmの印刷長のブランケ
ットを容易に巻装できるので胴交換することなく印刷長
を変更できた。更に、印刷速度は重い圧胴を瞬間的に離
胴、着胴する必要がないので、胴交換なしに印刷長を変
え得るようにした公知のオフセット印刷機の印刷速度に
対し約35%程度高速化された。
[発明の効果] この発明は、上述のように構成されているので、次に記
載する効果を奏する。
(1) オフセット印刷機用ブランケットにおいては、 印刷サイズに対応するブランケットを位置決め用孔
を設けた可撓性シートに接直するので、ブランケット使
用面積に無駄がなく、また、ブランケットの再使用もで
きるので経済的である。
印刷サイズ毎にブランケットが頻繁に変更になる場
合は、予め必要な印刷サイズに対応したブランケットを
印刷機外で準備しておけば良いので、短時間に容易に印
刷サイズの変更に対応することができ、印刷効率が向上
する。
(2) インキ転写ローラにおいては、 ブランケットの裸胴への巻装は、膜厚が0.5〜50μ
mであって、数平均分子量が3000〜40000の線状ジオル
ガノポリシロキサンを架橋せしめたシリコーンゴム皮膜
層を介して巻装するので、オフセット印刷機用ブランケ
ットを巻装する際強力な引張力をかけることなく、伸び
やダブリもなく、増締めの必要もない高い精度のインキ
転写ローラが容易に得られる。
従来のような印刷機上での煩雑なブランケットの接
着作業や、面倒なブランケット把持や引張作業などは一
切不要となり、熟練者の必要もなく、誰でも簡便にブラ
ンケット巻装作業ができるようになった。
接着強度が0.1〜3.0g/cmの特性を有するシリコーン
ゴム皮膜層を用いて裸胴に可撓性シート付き接着式ブラ
ンケットを巻装したので、巻付け、取外しが容易であ
り、裸胴への密着性も向上する。
(3) オフセット印刷機においては、 裸胴の大径部弧長よりも短い請求項1のブランケッ
トを用いたので、印刷頁間の余白を縮めるため連続紙を
逆送する場合でも、圧胴をインキ転写ローラから離胴す
ることなく逆送することができる。従って、重たい圧胴
を頻繁に離着胴する必要がなくその分だけ高速印刷が可
能となる。
この場合、印刷長がインキ転写ローラの大径部弧長より
も大幅に短い場合は、連続紙が拘束される時間、距離と
も短く、時間的余裕をもって連続紙の後退ができるの
で、連続紙の給排紙装置の負担が軽減される。
印刷長が頻繁に変更されても容易に印刷長に対応し
たブランケットが胴交換なしに裸胴に巻装できる。
連続紙に送り孔やとじ孔やミシン目などの加工が施
されていても、この加工部に当接する部分のブランケッ
トを切除して接触を回避できるので加工部から発生する
紙粉などの影響を受けることがない。
ブランケットの開始点が前頁に触れないように接着
位置を決められるので、従来のように印刷済の前頁のイ
ンキがブランケットに移り、この汚れがブランケットか
ら再び連続紙に転写されることによって生じる印刷物の
汚れがない。よって、印刷品質が向上し、印版の耐刷寿
命も長くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ本発明のオフセット印
刷機用ブランケットの一実施例を示す平面図と断面図、
第3図および第4図は、それぞれ本発明のオフセット印
刷機用インキ転写ローラの一実施例を示す平面図と断面
図、第5図は、第4図に用いられているシリコーンゴム
被覆層の拡大断面図、第6図は、本発明のオフセット印
刷機の一実施例を示す要部の概略断面図、第7図ないし
第14図は、第6図に示した本発明の印刷機の作用を説明
する図である。 図面中の符号の説明 1:オフセット印刷用ブランケット 2:キャリヤシート 3a、3b:ブランケット 5:位置決め孔 7:裸胴 24:インキ付けローラ 25:印版 26:版胴 27:インキ転写ローラ 28:連続紙 29:圧胴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オフセット印刷機の裸胴外周面に巻装され
    るオフセット印刷機用ブランケットにおいて、該印刷機
    用ブランケットは、天地方向の前縁部に位置決め用孔が
    設けられた可撓性シートと、該可撓性シートの印刷サイ
    ズに対応する位置に接着されたブランケットとを備えて
    いることを特徴とするオフセット印刷機用ブランケッ
    ト。
  2. 【請求項2】請求項1記載のオフセット印刷機用ブラン
    ケットと、裸胴と、前記ブランケットと前記裸胴との間
    に介在された、膜厚が0.5〜50μmであって、数平均分
    子量が3000〜40000の線状ジオルガノポリシロキサンを
    架橋せしめたシリコーンゴム皮膜層とを備えていること
    を特徴とするオフセット印刷機用インキ転写ローラ。
  3. 【請求項3】インキ供給装置と、版胴と、インキ転写ロ
    ーラと、該インキ転写ローラの回転位置を検出するため
    の位置検出装置と、前記インキ転写ローラに対して離着
    胴する圧胴と、連続紙を前記インキ転写ローラと前記圧
    胴との間に給排紙する給排紙装置と、前記位置検出装置
    で検出された前記インキ転写ローラの回転位置に対応す
    る入力信号に基づき前記圧胴を離着胴する信号並びに前
    記給排紙装置を作動させる出力信号をそれぞれ出力する
    回路を有する制御装置とを備え、前記連続紙を間欠送り
    することにより印刷長を可変としたオフセット印刷機に
    おいて、 前記インキ転写ローラは、天地方向のブランケット長さ
    が前記裸胴の大径部弧長よりも短いオフセット印刷機用
    ブランケットが巻装された請求項2記載のオフセット印
    刷機用インキ転写ローラであり、前記制御装置は、前記
    インキ転写ローラおよび前記ブランケットが回転し、そ
    の回転に伴って前記連続紙への転写が次々に行われてい
    る定常印刷状態においては前記連続紙の間欠送り動作に
    かかわらず前記圧胴を前記インキ転写ローラに着胴させ
    る信号を出力する回路を備えていることを特徴とするオ
    フセット印刷機。
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