JPH07126490A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JPH07126490A
JPH07126490A JP27708393A JP27708393A JPH07126490A JP H07126490 A JPH07126490 A JP H07126490A JP 27708393 A JP27708393 A JP 27708393A JP 27708393 A JP27708393 A JP 27708393A JP H07126490 A JPH07126490 A JP H07126490A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、硬化
促進剤、総エポキシ樹脂組成物中に70〜90重量%含
む無機充填材及び総エポキシ樹脂組成物中に0.1〜
3.0重量%含む下記式のオルガノポリシロキサンから
なる半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 【効果】 耐半田ストレス性に非常に優れ、かつ耐湿性
に優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体デバイスの表面
実装化における耐半田ストレス性に優れた半導体封止用
エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスタ、集積
回路等の電子部品を熱硬化性樹脂で封止しているが、特
に集積回路では耐熱性、耐湿性に優れたオルソクレゾー
ルノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラック樹
脂、溶融シリカ、結晶シリカ等の無機充填材を配合した
エポキシ樹脂組成物が用いられている。ところが近年、
集積回路の高集積化に伴いチップがだんだん大型化し、
かつパッケージは従来のDIPタイプから表面実装化さ
れた小型、薄型のQFP,SOP,SOJ,TSOP,
TQFP,PLCCに変わってきている。即ち、大型チ
ップを小型で薄いパッケージに封入することになり、熱
応力によりクラックが発生し、これらのクラックによる
耐湿性の低下等の問題が大きくクローズアップされてき
ている。特に半田付けの工程において急激に200℃以
上の高温にさらされることにより、パッケージの割れや
樹脂とチップの剥離により耐湿性が劣化してしまうとい
った問題点がでてきている。従って、これらの大型チッ
プを封止するのに適した信頼性の高い半導体封止用樹脂
組成物の開発が望まれている。これらを改善するため、
低弾性率化、低熱膨張係数化、高衝撃強度化、低吸水率
化等の手法が用いられている。これらの中で低応力剤
(例えば、特開昭60−13841号公報)と呼ばれる
エポキシ基及びポリエーテル基を含むオルガノポリシロ
キサンが低弾性率化には有効であるが、同時に密着性及
び強度も低下するため、半田耐熱性が低下し、良好な半
導体封止用樹脂組成物は得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な問
題点に対して、無機充填材を総エポキシ樹脂組成物中に
70〜90重量%含むことにより、成形物の低熱膨張化
及び低吸水化を図り、式(1)で示されるオルガノポリ
シロキサンを用いることにより、リードフレーム及び半
導体チップとの接着性を損なうことなく成形物の高温時
における低弾性率化による低応力化により、基板実装時
における半導体パッケージの耐半田ストレス性を著しく
向上させた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する
ところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (A)エポキシ樹脂 (B)フェノール樹脂硬化剤 (C)硬化促進剤 (D)総エポキシ樹脂組成物中に70〜90重量%含む
無機充填材及び (E)総エポキシ樹脂組成物中に0.1〜3.0重量%
含む式(1)で示されるオルガノポリシロキサン
【0005】
【化2】
【0006】からなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物
で、従来のエポキシ樹脂組成物に比べ、優れた信頼性と
して耐半田ストレス性と半田処理後の耐湿性を有するも
のである。本発明に用いるオルガノポリシロキサンは式
(1)の分子構造で示されるが、分子中にエポキシ基
(グリシジル基又は脂環式エポキシ基)及びポリカプロ
ラクトン基を有しており、従来のエポキシ基及びポリエ
ーテル基を含むポリオルガノシロキサンに比べ、ポリカ
プロラクトン基の効果として耐熱性に優れ、リードフレ
ーム等の金属類との接着性に優れる。従って表面装置の
半田付け時における熱ストレスを低減でき耐半田クラッ
ク性に優れるエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
N=l+m+n+2が10未満の時は低弾性率性、高強
度性が低下し、また、Nが200を越えると成形時ブリ
ードし、成形性を大きく損なう。更にm/Nは0.02
〜0.5が望ましく、m/Nが0.02未満だとオルガ
ノポリシロキサンとフェノール樹脂との反応性が悪いた
め、特に熱時の強度が低下する。また0.5を越えると
エポキシ基は反応性に富むため保存性が低下する。更
に、0.05≦n/N≦0.4であることが望ましい。
n/Nが0.05未満だと、エポキシ樹脂あるいはフェ
ノール樹脂との相溶性が悪くなるため成形時に樹脂から
ブリードし易くなる。また、n/Nが0.4を越えると
相溶性が増すためガラス転移温度が低下し低応力効果が
生じない。このオルガノポリシロキサンの使用量はこれ
を調節することにより耐半田クラック性を最大限に引き
出すことができる。この効果を引き出すためには総エポ
キシ樹脂組成物中に0.1〜3.0重量%含有すること
が望ましい。0.1重量%未満だと低応力効果が望めな
く耐半田クラック性が低下する。また3.0重量%を超
えると成形時に樹脂とリードフレームにブリードし密着
性低下、さらに耐半田クラック性が低下する。
【0007】本発明で用いるエポキシ樹脂はエポキシ基
を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を言う。
例えば、ビフェニル型エポキシ化合物、ナフタレン型エ
ポキシ化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ化
合物、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ化
合物及びトリアジン核含有エポキシ樹脂等が挙げられ
る。本発明で用いるフェノール樹脂硬化剤としては、フ
ェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、
ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変
性フェノール樹脂、トリフェノールメタン化合物等が挙
げられ、特にフェノールノボラック樹脂、ジシクロペン
タジエン変性フェノール樹脂、パラキシリレン変性フェ
ノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂及びこれらの
混合物が好ましい。又、これらの硬化剤の配合量として
はエポキシ化合物のエポキシ基数と硬化剤の水酸基数を
合わせるように配合することが好ましい。
【0008】本発明に用いる硬化促進剤はエポキシ基と
水酸基との硬化反応を促進させるものであれば良く、一
般に封止材料に使用されているものを広く使用すること
ができる。例えばジアザビシクロウンデセン、トリフェ
ニルホスフィン、ジメチルベンジルアミンや2−メチル
イミダゾール等が単独もしくは2種類以上混合して用い
られる。本発明で用いる無機充填材としては、溶融シリ
カ粉末、球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、2次凝集シ
リカ粉末、多孔質シリカ粉末、アルミナ等が挙げられ、
特に球状シリカ粉末、又は溶融シリカ粉末と球状シリカ
粉末との混合物が好ましい。また、無機充填材の配合量
は、耐半田クラック性と成形性及び流動性のバランスか
ら総エポキシ樹脂組成物中に70〜90重量%、更に望
ましくは78〜88重量%含有することが好ましい。無
機充填材量が70重量%未満だと低熱膨張化、低吸水化
が得られず耐半田クラック性が不充分である。また、無
機充填材量が90重量%を超えると高粘度化による半導
体パッケージ中のダイパッド、金線ワイヤーのずれ等の
不都合が生じる。
【0009】本発明のエポキシ樹脂組成物はエポキシ樹
脂、フェノール樹脂硬化剤、硬化促進剤、無機充填材及
びオルガノポリシロキサンを必須成分とするが、これ以
外に必要に応じてシランカップリング剤、ブロム化エポ
キシ樹脂、三酸化アンチモン、ヘキサブロムベンゼン等
の難燃剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、天
然ワックス及び合成ワックス等の離型剤等の種類の添加
剤を適宜配合しても差し支えがない。また、本発明の封
止用エポキシ樹脂組成物を成形材料として製造するに
は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、
その他の添加剤をミキサー等によって充分に均一に混合
した後、更に熱ロールまたはニーダー等で溶融混練し、
冷却後粉砕して封止材料とすることができる。これらの
成形材料は電気部品あるいは電子部品であるトランジス
タ、集積回路等の被覆、絶縁、封止等に適用することが
できる。
【0010】以下本発明を実施例で具体的に説明する。 実施例1 式(2)で示されるオルガノポリシロキサン
0.5重量部
【0011】
【化3】
【0012】 3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル(融点 104℃、 エポキシ当量191g/eq) 10.2重量部 フェノールノボラック樹脂硬化剤(軟化点94℃、水酸基当量105g/eq ) 5.6重量部 溶融シリカ粉末(平均粒径10μm、比表面積2.0m2/g) 34.5重量部 球状シリカ粉末(平均粒径30μm、比表面積2.0m2/g) 50 重量部 トリフェニルホスフィン 0.2重量部 カーボンブラック 0.5重量部 カルナバワックス 0.5重量部 をミキサーで常温で混合し、70〜100℃で2軸ロー
ルにより混練し、冷却後粉砕して成形材料とした。粉砕
して得られた成形材料は、試験用金型を用い、175
℃、70kg/cm2、120秒の条件でスパイラルフ
ローを測定した。更に得られた成形材料をタブレット化
し、低圧トランスファー成形機にて175℃、70kg
/cm2、120秒の条件で半田クラック試験用として
6mm×6mmのチップを52pQFPに封止し、また
半田耐湿性試験用として3mm×6mmのチップを16
pSOPに封止した。封止したテスト用素子について下
記の半田クラック試験及び半田耐湿性試験を行った。評
価結果を表1に示す。
【0013】半田クラック試験:封止したテスト用素子
を85℃、85%RHの環境下で24時間及び48時間
処理し、その後260℃の半田槽に10秒間浸漬後顕微
鏡で外部クラックを観察した。半田耐湿性試験:封止し
たテスト用素子を85℃、85%RHの環境下で72時
間処理し、その後260℃の半田槽に10秒間浸漬後、
プレッシャークッカー試験(125℃、100%RH)
を行い、回路のオープン不良を測定した。試験個数はパ
ッケージ10個で、その内半数が不良となる時間を半田
耐湿性平均寿命とした。
【0014】実施例2〜4 表1の処方に従って配合し、実施例1と同様にして成形
材料を得た。この成形材料で試験用の封止した成形品を
得、この成形品を用いて実施例1と同様に半田クラック
試験及び半田耐湿性試験を行った。評価結果を表1に示
す。
【0015】比較例1〜7 表2の処方に従って配合し、実施例1と同様にして成形
材料を得た。この成形材料で試験用の封止した成形品を
得、この成形品を用いて実施例1と同様に半田クラック
試験及び半田耐湿性試験を行った。評価結果を表2に示
す。比較例8 式(2)で示されるオルガノポリシロキサンに替えて、
下記式(3)を用い、表2の処方に従って配合し、実施
例1と同様にして成形材料を得た。
【0016】
【化4】
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】基板実装時における半導体パッケージの
成形性と耐半田ストレス性を著しく向上させ、かつ耐湿
性に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂 (B)フェノール樹脂硬化剤 (C)硬化促進剤 (D)総エポキシ樹脂組成物中に70〜90重量%含む
    無機充填材 及び (E)総エポキシ樹脂組成物中に0.1〜3.0重量%
    含む式(1)で示されるオルガノポリシロキサン 【化1】 からなることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が3,3’,5,5’−テ
    トラメチルビフェノールジグリシジルエーテルである請
    求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008143016A1 (ja) * 2007-05-10 2008-11-27 Hitachi Chemical Co., Ltd. 封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた電子部品装置
WO2019004458A1 (ja) * 2017-06-29 2019-01-03 日立化成株式会社 封止用樹脂組成物、再配置ウエハ、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法

Cited By (3)

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WO2008143016A1 (ja) * 2007-05-10 2008-11-27 Hitachi Chemical Co., Ltd. 封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた電子部品装置
JP2008303385A (ja) * 2007-05-10 2008-12-18 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた電子部品装置
WO2019004458A1 (ja) * 2017-06-29 2019-01-03 日立化成株式会社 封止用樹脂組成物、再配置ウエハ、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法

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