JPH07126480A - 硬化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法 - Google Patents

硬化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法

Info

Publication number
JPH07126480A
JPH07126480A JP5274287A JP27428793A JPH07126480A JP H07126480 A JPH07126480 A JP H07126480A JP 5274287 A JP5274287 A JP 5274287A JP 27428793 A JP27428793 A JP 27428793A JP H07126480 A JPH07126480 A JP H07126480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin composition
oxo
curable resin
vinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5274287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3353850B2 (ja
Inventor
Shigeki Matsui
茂樹 松井
Goro Iwamura
悟郎 岩村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP27428793A priority Critical patent/JP3353850B2/ja
Publication of JPH07126480A publication Critical patent/JPH07126480A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3353850B2 publication Critical patent/JP3353850B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 耐熱黄変性に優れ、一液型塗料として、貯蔵
安定性にも優れ、作業性もまた良好であるといった、極
めて実用性の高い、塗料用の熱硬化性樹脂組成物を提供
し、併せて、こうした有用なる熱硬化性樹脂組成物を用
いることにより、耐酸性、耐候性ならびに塗膜外観など
に優れる塗膜を、就中、平滑性などに優れる塗膜を与え
ることの出来る、斬新なる塗膜形成方法をも提供する。 【構成】 一分子中に少なくとも2個の、一般式(1) で示される2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル基を有するビニル系共重合体と、該基用の硬化触媒
と、O−ヒドロキシフェニルーS−トリアジン骨格を持
つ安定化剤とを最低必須の成分として含有することから
成る、熱硬化性樹脂組成物。ならびにそれらを用いた積
層塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なる硬
化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法に関
する。さらに詳細には、本発明は、必須の成分として、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基(以
下、シクロカーボネート基ともいう。)なる、特定の基
を有するビニル系共重合体と、硬化触媒と、水酸基と反
応し得る特定の硬化剤とを、適宜、組み合わせて成る硬
化性樹脂組成物;
【0002】さらには、シクロカーボネート基と反応し
得る、カルボキシル基含有化合物をも、さらにはまた、
カルボキシル基含有化合物と反応し得る、エポキシおよ
び加水分解性シリル基を、適宜、組み合わせて成る樹脂
組成物に、シクロカーボネート基の硬化触媒と、光ない
しは熱からの損傷を防ぐ、O−ヒドロキシフェニル−S
−トリアジン骨格を持つ安定化剤をも含有することから
成る、
【0003】とりわけ、耐熱黄変性に優れ、貯蔵安定性
にも優れるし、耐酸性ならびに耐候性にも優れるし、そ
して、平滑性などの外観にも優れるという、極めて実用
性の高い、熱硬化性の樹脂組成物;ならびに該樹脂組成
物を用いることから成る、いわゆる積層塗膜の形成方法
に関する。
【0004】
【従来の技術】近年、自動車業界を中心として、塗膜外
観を重視する動きがあるが、就中、塗装・焼き付け後の
仕上がり外観は、もとよりのこと、曝露下での劣化、と
りわけ、酸性雨による外観の低下などを含めた、塗膜外
観の保持という問題に対して、現行のアミノプラスト系
の硬化剤と、アクリルポリオールとの組み合わせになる
塗料による限りは、もはや、こうした諸要求性能を、悉
く、満足させることが出来なくなって来ている。
【0005】こうした動きの中で、ポリオール型樹脂
と、イソシアネ−ト・プレポリマ−との組み合わせによ
る硬化系;シラノ−ル基含有樹脂と、エポキシ基含有樹
脂との組み合わせ系による硬化系;トリアルコキシシリ
ル基による湿気硬化系;あるいは、水酸基含有樹脂と、
酸無水基含有樹脂との組み合わせによる硬化系などと言
った、各種の塗料が、漸次、検討され開発されている。
【0006】しかしながら、こうした塗料系のうち、ポ
リオ−ル型樹脂/イソシアネ−トプレポリマ−系にあっ
ては、ポットライフが短く、作業性の面において、大き
な欠点を有するものである。
【0007】また、シラノ−ル基含有樹脂とエポキシ基
含有樹脂との硬化系や、トリアルコキシシリル基の湿気
硬化系などにおいては、塗装条件や焼き付け条件などに
よる硬化性の差が生ずるし、外観もまた、満足のゆくも
のではない。
【0008】加えて、これらのそれぞれの硬化系の塗料
は、洗車時において、往々にして、塗膜に擦り傷が生じ
たりして、著しく、塗膜外観を劣化させるという、致命
的な欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】さらに、このような長
期の貯蔵安定性や、塗膜外観などに加えて、自動車工業
界を中心に、酸性雨にも耐えるような塗膜を得ることの
できる、極めて有用なる硬化系についての早急なる開発
が、強く、要望されるようになって来ているというの
が、実状である。
【0010】しかるに、本発明者らは、上述した如き従
来技術における種々の欠点ないしは問題点の解消ないし
は解決を図り、加えて、上述した如き要望に添うべく、
鋭意、研究に着手した。
【0011】ところで、前述したような諸問題を解決す
る為に、本発明において用いられる熱硬化性樹組成物の
硬化は、硬化触媒によつて促進されるし、また、低温硬
化も可能となるが、此の硬化触媒として、本発明で以て
使用されるような、4級アンモニウム塩類や、ホスフイ
ン類などと、特に、自動車用トップクリヤーのように、
長期耐候性などが要求され、硬化塗膜の光安定性を高め
る為に添加される光安定化剤(紫外線吸収剤)とが共存
する場合には、
【0012】硬化触媒と光安定化剤との相互作用によっ
て、硬化過程で、あるいは硬化後に、硬化塗膜の変色を
誘発するばかりか、硬化阻害をも惹き起こして、著し
く、塗膜性能を劣化させるという欠点があった。
【0013】このような弊害を惹起する光安定化剤は、
実は、最も広範囲に使用されている2−(2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール類類であったのであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を合わ
せて、鋭意、検討を重ねた結果、2−オキソ−1,3−
ジオキソラン−4−イル基という特定の官能基を有する
ビニル系共重合体に、一分子中に2個以上のカルボキシ
ル基を有する化合物および/または水酸基と反応する硬
化剤とを、適宜、組み合わせたり、
【0015】さらには、一分子中に1個以上のエポキシ
基および加水分解性シリル基を有する化合物をも、適
宜、併用することも可能なる熱硬化性樹脂組成物に、そ
れぞれ、1種以上の2−オキソ−1,3−ジオキソラン
−4−イル基用の硬化触媒と、光や熱などからの損傷を
防ぐ目的で以て使用される2−(2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール類に代わるべき、
【0016】O−ヒドロキシフェニル−S−トリアジン
骨格を持つ安定化剤とを含有せしめることによって、ま
ずは、耐熱黄変性に優れるばかりか、硬化阻害をも惹き
起こさないことを見出し、
【0017】とりわけ、耐変色性ならびに低温硬化性に
も優れるし、しかも、貯蔵安定性のよい、すなわち、作
業性が良好なる一液型塗料を与え得ること、さらには、
耐酸性は勿論のこと、耐候性ならびに塗膜外観などにも
優れるという、極めて実用性の高い塗膜が得られること
を見出すに及んで、本発明を完成させるに到った。
【0018】すなわち、本発明は、基本的には、必須の
成分として、それぞれ、一分子中に少なくとも2個の、
一般式〔I〕
【0019】
【化8】
【0020】(ただし、式中のR1 、R2 およびR3
は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい、水
素原子または炭素数が4以下の低級アルキル基を表わす
ものとする。)
【0021】で示される2−オキソ−1,3−ジオキソ
ラン−4−イル基を有するビニル系共重合体と、此のシ
クロカーボネート基用の硬化触媒と、O−ヒドロキシフ
ェニル−S−トリアジン骨格を持つ安定化剤(F)とを
含有することから成る、硬化性樹脂組成物を提供しよう
とするものであり、
【0022】具体的には、シクロカーボネート基含有ビ
ニル系共重合体と、一分子中に2個以上のカルボキシル
基を有する化合物(B)および/または水酸基と反応す
る硬化剤(C)とを含有することから成るか、さらに
は、一分子中に1個以上のエポキシ基および一般式〔I
I〕
【0023】
【化9】
【0024】(ただし、式中のR4 は水素原子またはア
ルキル基、アリール基もしくはアラルキル基の一価の有
機基を表わすものとし、また、R5 はハロゲン原子また
はアルコキシル基、アシロキシ基、フェノキシ基、イミ
ノオキシ基もしくはアルケニルオキシ基を表わすものと
し、aは0、1または2なる自然数であるものとす
る。)
【0025】で示される加水分解性シリル基を有する化
合物(D)をも、適宜、併用することも可能なる熱硬化
性樹脂組成物に、1種以上の2−オキソ−1,3−ジオ
キソラン−4−イル基の硬化触媒(E)と、光ないしは
熱の損傷を防ぐためのO−ヒドロキシフェニル−S−ト
リアジン骨格を持つ安定化剤(F)とを含有することか
ら成る、熱硬化性樹脂組成物を提供しようとするもので
あり、
【0026】加えて、叙上の形の、種々の熱硬化性樹脂
組成物をクリヤー・コートとして用いることによって、
2コート1ベーク方式または2コート2ベーク方式、あ
るいはオーバーコート方式で以て、積層塗膜を形成せし
めるという、新規にして極めて実用的なる塗装仕上げ方
法をも提供しようとするものである。
【0027】ここにおいて、上記した「積層塗装」なる
用語は、たとえば、まず、被塗物(基材)上に、光輝剤
および/または着色顔料を配合した形の架橋性ベースコ
ート塗料を塗装し、次いで、このベースコート塗装面上
に、熱硬化性クリヤー・コート塗料(クリヤー塗料I)
を塗装して架橋せしめるという、いわゆる2コート1ベ
ーク方式による塗装方法;
【0028】または、かくして得られる積層塗装物の上
に、さらに、熱硬化性クリヤー・コート塗料(クリヤー
塗料II)を塗装して架橋せしめるという、いわゆる3
コート2ベーク方式による塗装方法;
【0029】あるいは、まず、被塗物(基材)上に、光
輝剤および/または着色顔料を配合した形の架橋性ベー
スコート塗料を塗装して架橋せしめ、次いで、このベー
スコート塗装面上に、熱硬化性クリヤー・コート塗料を
塗装して架橋せしめるという、いわゆる2コート2ベー
ク方式による塗装方法などによる、
【0030】種々の塗膜形成システムを指称するもので
あるし、したがって、本発明において、此の「積層塗
膜」なる用語は、上述したような塗装方法によって得ら
れる塗膜を指称する、というものである。
【0031】また、ここにおいて、前記した分子中に少
なくとも2個の2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4
−イル基(シクロカーボネート基)を有するビニル系共
重合体としては、たとえば、分子中に1個の重合性不飽
和二重結合と、少なくとも1個のシクロカーボネート基
とを併せ有する化合物と、他の重合性不飽和単量体との
共重合によって得られるものでもよいし、
【0032】あるいは、水酸基含有ビニル系重合体に、
ヘキサメチレンジイソシアネートの如き、種々のイソシ
アネート化合物を付加せしめたのち、さらに、グリセリ
ルカーボネートの如き、カーボネートモノアルコール類
を付加せしめるか、
【0033】さらには、イソシアネートエチルメタクリ
レ−ト系共重合体の如き、種々のイソシアネ−ト基含有
重合体に、上記カーボネートモノアルコール類を付加せ
しめる、ということによって得られるものでもよいし、
【0034】さらにはまた、酸クロライド基含有重合体
に、上記カーボネートモノアルコ−ル類を付加せしめる
かして得られるものでもよいが、就中、分子中に1個の
重合性不飽和二重結合と、少なくとも1個のシクロカ−
ボネ−ト基を併有する化合物、
【0035】つまり、2−オキソ−1,3−ジオキソラ
ン−4−イル基(シクロカ−ボネ−ト基)含有重合性不
飽和単量体と、他方、一分子中に1個の重合性不飽和二
重結合を有する化合物との共重合によるのが、一層、簡
便であって推奨される。
【0036】当該ビニル系重合体(A)を得るに当たっ
て用いられる、一分子中に1個の重合性不飽和二重結合
と少なくとも1個のシクロカ−ボネ−ト基とを併せ有す
る化合物として特に代表的なもののみを例示するにとど
めれば、一般式〔IV〕
【0037】
【化10】
【0038】(ただし、式中のR、R1 、R2 およびR
3 は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい、
水素原子または炭素数が4以下なるアルキル基を表わす
ものとし、また、R6 は水素原子または炭素数が1〜4
なるアルキレン基表わすものとし、、nは1〜6なる整
数であるものとする。)で示される、いわゆるアクリレ
−ト系単量体などで代表されるビニル系の化合物であ
る。
【0039】具体的には、2,3−カーボネートプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−メチル−2,3−カーボ
ネートプロピル(メタ)アクリレート、4−メチル−
3,4−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、3
−メチル−3,4−カーボネートブチル(メタ)アクリ
レート、5−エチル−5,6−カーボネートヘキシル
(メタ)アクリレート、7,8−カーボネートオクチル
(メタ)アクリレートの如き、各種の(メタ)アクリレ
ート系;
【0040】あるいは、2,3−カーボネートプロピル
ビニルエーテル、メチル−2,3−カーボネートプロピ
ルマレートまたはメチル−2,3−カーボネートプロピ
ルクロトネートの如き、各種のビニル系などの、種々の
化合物である。
【0041】そして、これらのビニル系の化合物の使用
量としては、全単量体量(100重量部)を基準とし
て、1〜70重量部なる範囲内が、好ましくは、5〜4
5重量部なる範囲内が適切である。
【0042】1重量部未満の場合には、どうしても、か
かる化合物の効果が期待できなくなるし、一方、70重
量部を超えて余りに多く用いると、残存するシクロカ−
ボネ−ト基によって、硬くて、脆い塗膜となり易くなる
ので、いずれの場合も好ましくない。
【0043】また、分子中に、それぞれ、2個以上の2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基(シクロ
カーボネート基)を有し、かつ、少なくとも2個のカル
ボキシル基を持ったビニル共重合体を得るに当たって用
いられる、カルボキシル基含有不飽和単量体類として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
【0044】(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸もしくはイタコン酸の如き、各種のα,β−エチレン
性不飽和モノ−ないしはジカルボン酸類;マレイン酸、
フマル酸もしくはイタコン酸の如き、各種のα,β−エ
チレン性不飽和二塩基酸と、炭素数が1〜4なる1価ア
ルコ−ルとの種々のハ−フエステル化物;
【0045】または2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレ−トの如き、各種の水酸基含有ビニル単量体類と、
無水フタル酸の如き、各種の酸無水物類とを付加せしめ
ることによって得られる、種々の化合物などである。
【0046】さらには、2個以上のシクロカーボネート
基を有し、かつ、少なくとも2個の酸無水基をも有する
ビニル共重合体を得るに当たって用いられる、酸無水基
含有不飽和単量体として特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、無水マレイン酸または無水イタコン酸
の如き、それ自体が、共重合可能なるものであってもよ
いし、多価カルボン酸モノエステル基含有不飽和単量体
を、脱アルコ−ル化せしめることによって得られるよう
なものであってもよい。
【0047】さらに、2個以上のシクロカーボネート基
を有し、かつ、カルボキシル基と水酸基とを有するビニ
ル系共重合体を得るに当たって用いられる、水酸基を有
する不飽和基含有単量体類として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートもしくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
トの如き、各種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート類;
【0048】2−ヒドロキシエチルビニルエーテルもし
くは4−ヒドロキシアルキルビニルエーテルの如き、各
種のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;またはアリ
ルアルコールもしくはヒドロキシエチルアリルエーテル
の如き、各種のアリル化合物などをはじめ、
【0049】あるいは、「プラクセル FMもしくはF
Aモノマー」〔ダイセル化学(株)製の、カピロラクト
ン付加モノマー類〕などであり、さらには、上掲した如
き、各種の不飽和基含有単量体類に対して、ε−カプロ
ラクトンを付加反応せしめることによって得られるよう
な、種々の化合物などである。
【0050】かくて、水酸基の導入により、シクロカー
ボネート基との反応が起こって、架橋密度の増大化をも
たらし、ひいては、とりわけ、耐溶剤性ならびに耐候性
などを向上化せしめることが出来る処となり、本発明の
効果を、一層、高めることになるので望ましい。
【0051】2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−
イル基(シクロカーボネート基)を有する不飽和単量体
と共重合可能なるその他のビニル単量体として、特に代
表的なもののみを挙げるにとどめれば、炭素数が1〜2
2なるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー
ト類をはじめとする、2−エトキシエチル(メタ)アク
リレートもしくはシクロヘキシル(メタ)アクリレート
の如き、反応性極性基不含の各種(メタ)アクリレート
類;
【0052】スチレン、tert−ブチルスチレン、α
−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き、各種
の芳香族ビニル単量体類;または(メタ)アクリルアミ
ドもしくはN−アルコキシメチル化(メタ)アクリルア
ミドの如き、各種の(メタ)アクリルアミド類;
【0053】あるいは、テトラフルオロエチレンもしく
はヘキサフルオロプロピレンの如き、各種の含フッ素ビ
ニル単量体類などをはじめ、(メタ)アクリロニトリル
に代表される、各種のシアノ基含有ビニル単量体類、酢
酸ビニルに代表される、各種のビニルエステル類または
各種の燐酸基含有(メタ)アクリレ−ト類などである。
【0054】上掲された如き各種の単量体を用いて、当
該ビニル共重合体(A)を調製するには、溶液重合法や
非水分散重合法などの、公知慣用のいずれの重合法をも
適用し得るが、溶液ラジカル重合法によるのが、最も簡
便であるので、推奨することにする。
【0055】ここにおいて、此の溶液ラジカル重合法を
駆使するに際して用いられる溶剤類として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、n−ヘキサンもしくはオクタンの
如き、各種の炭化水素系溶剤;
【0056】酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル
もしくは酢酸アミルの如き、各種のエステル系溶剤;ま
たはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチルアミルケトンもしくはシクロヘキサノン
の如き、各種のケトン系溶剤などであり、これらは単独
使用でも2種以上の併用でもよい。
【0057】また、ラジカル重合開始剤として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、アゾビスイソブ
チロニトリルで代表されるアゾ系;またはベンゾイルパ
−オキサイドで代表される過酸化物系などを代表とす
る、公知慣用の種々の化合物などである。
【0058】さらに、必要に応じて、分子量調整剤とし
て、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、2
−メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、
3−メルカプトプロピオン酸またはα−メチルスチレン
ダイマ−の如き、公知慣用の各種の連鎖移動剤をも用い
ることが出来る。
【0059】かくして得られる当該ビニル共重合体
(A)の数平均分子量としては、800〜50,000
なる範囲内が、さらに好ましくは、1,000〜30,
000なる範囲内が適切である。
【0060】800未満である場合には、どうしても、
所望の性能を持ったものが得られ難くなるし、一方、5
0,000を超えて余りに高くなる場合には、どうして
も、作業性などに悪影響を及ぼすことになるので、いず
れの場合も好ましくない。
【0061】次いで、本発明において用られる、前記し
た、一分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合
物(B)を得るに当たって用いられる、カルボキシル基
含有不飽和単量体類として特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
フマル酸もしくはイタコン酸の如き、各種のα,β−エ
チレン性不飽和モノ−ないしはジカルボン酸類;
【0062】マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸
の如き、各種のα,β−エチレン性不飽和二塩基酸と、
炭素数が1〜4なる1価アルコ−ルとのハ−フエステル
化物;または2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−
トの如き、各種の水酸基含有ビニル単量体類と、無水フ
タル酸の如き、各種の酸無水物類とを付加せしめること
によって得られる、種々の化合物などである。
【0063】上記化合物(B)を得るに当たって用いら
れる、カルボキシル基含有不飽和単量体と共重合可能な
るその他のビニル単量体類として、特に代表的なものの
みを挙げるにとどめれば、炭素数が1〜22なるアルキ
ル基を有するアルキル(メタ)アクリレートなどをはじ
めとする、2−エトキシエチル(メタ)アクリレートも
しくはシクロヘキシル(メタ)アクリレートの如き、反
応性極性基不含の各種の(メタ)アクリレート類;
【0064】スチレン、tert−ブチルスチレン、α
−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き、各種
の芳香族ビニル単量体類;(メタ)アクリルアミドもし
くはN−アルコキシメチル化(メタ)アクリルアミドの
如き、各種の(メタ)アクリルアミド類;
【0065】あるいは、テトラフルオロエチレンもしく
はヘキサフルオロプロピレンの如き、各種の含フッ素ビ
ニル単量体などをはじめ、(メタ)アクリロニトリルに
代表される、各種のシアノ基含有ビニル単量体類、酢酸
ビニルに代表される、各種のビニルエスエル類または各
種の燐酸基含有(メタ)アクリレ−ト類などである。
【0066】また、水酸基を有する不飽和基含有単量体
類をも用いることも出来るが、該水酸基含有単量体類と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートもしくは3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレートの如き、各種のヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート類;
【0067】2−ヒドロキシエチルビニルエーテルもし
くは4−ヒドロキシアルキルビニルエーテルの如き、各
種のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;またはアリ
ルアルコールもしくはヒドロキシエチルアリルエーテル
の如き、各種のアリル化合物;
【0068】あるいは、「プラクセル FMもしくはF
Aモノマー」〔ダイセル化学(株)製の、カピロラクト
ン付加モノマー類〕などであり、さらには、上掲した如
き、各種の不飽和基含有単量体類に対して、ε−カプロ
ラクトンを付加反応せしめることによって得られるよう
な化合物などである。
【0069】上掲された如き、各種の単量体類を用い
て、当該化合物(B)を調製するには、溶液重合法や非
水分散重合法などのような、公知慣用のいずれの重合法
をも適用し得るが、溶液ラジカル重合法によるのが、最
も簡便である。
【0070】この際に用いられる溶剤類として特に代表
的なものは、すでに掲げられたような、炭化水素系溶
剤、エステル系溶剤またはケトン系溶剤などであり、こ
れらは、単独使用でも2種以上の併用でもよいことは、
勿論である。
【0071】また、この際に用いられるラジカル重合開
始剤として特に代表的なものは、前掲した如きアゾ系ま
たは過酸化物系などを代表とする、公知慣用の化合物な
どである。
【0072】さらに、必要に応じて、分子量調整剤とし
て、前掲したような公知慣用の、各種の連鎖移動剤をも
用いることが出来できる。
【0073】かくして得られる当該化合物(B)の数平
均分子量としては、800〜50,000なる範囲内
が、さらに好ましくは、1,000〜30,000なる
範囲内が適切である。
【0074】800未満である場合には、どうしても、
所期の性能を持ったものが得られ難くなるし、一方、5
0,000を超えて余りに高くなる場合には、どうして
も、作業性などに悪影響を及ぼすことになるので、いず
れの場合も好ましくない。
【0075】また、当該化合物(B)として、二塩基酸
であるイソフタル酸またはテレフタル酸や、アジピン酸
またはセバチン酸の如き、いわゆる低分子量の化合物な
ども使用することが出来る。
【0076】次いでまた、前記した、水酸基と反応する
硬化剤(C)としては、アミノ樹脂、多価カルボン酸無
水物、ポリイソシアネート化合物および/またはブロッ
ク・イソシアネート化合物などのような、公知の化合物
を用いることが出来る。
【0077】ここで言う上記アミノ樹脂(アミノプラス
ト)とは、尿素樹脂、メラミン樹脂およびベンゾグアナ
ミン樹脂などを総称するものである。
【0078】さらに詳細には、尿素、メラミンおよび/
またはベンゾグアナミンなどの各種のアミノ基含有化合
物を主成分として、ホルムアルデヒドの如き、各種のホ
ルムアルデヒド放出物質と、脂肪族アルコール類とを付
加縮合せしめることによって得られるようなものであ
る。
【0079】その際における、いわゆるエーテル化に用
いられる、上記脂肪族アルコールとして特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、イソブタノールまたはn−ブタ
ノールなどであり、これらは、単独使用でも、あるいは
2種以上の併用でもよい。
【0080】前記した多価カルボン酸無水物として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、無水トリメ
リット酸、無水ピロメリット酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ヘット酸、無水
ハイミック酸〔「ハイミック酸」は、日立化成工業
(株)の登録商標である。〕、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水グリセロールトリス(トリメリテート)
または無水エチレングリコールジ(トリメリテート)な
どである。
【0081】また、前掲したポリイソシアネート化合物
のうちでも特に代表的なものとしては、トリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの如
き、各種の芳香族系ジイソシアネート;ヘキサメチレン
ジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネー
トの如き、各種の脂肪族系ジイソシアネート;
【0082】イソホロンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキサン−2,4(ないしは2,6)−ジイソシアネ
ート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシ
アネート)、1,3−(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサンの如き、各種の脂環式系ジイソシアネート;
【0083】これら上掲の各種のポリイソシアネート化
合物と、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールまたはポリカプロラクト
ンポリオールの如き、各種のポリエーテルポリオール、
あるいはトリメチロールエタンまたはトリメチロールプ
ロパンの如き、各種の多価アルコールや、
【0084】イソシアネート基と反応し得る官能基を有
する、低分子量のポリエステル樹脂(油変性タイプをも
含む。)や、水酸基含有アクリル系共重合体(アクリル
ポリオール)などとの、種々の付加生成物類;
【0085】さらには、ビュレット構造を持ったイソシ
アネ−ト化合物;あるいは2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート〜ヘキサメチレンジイソシアネート等
モル付加物;またはイソシアネートエチルメタクリレー
トの如き、各種のイソシアネート基含有単量体類と共重
合性不飽和基を有するビニル単量体類とを必須成分とし
た共重合体類;
【0086】さらにはまた、特開昭61−72013号
公報に開示されているような、C2 〜C8 なるアルキレ
ン、シクロアルキレンおよび/またはアラルキレンジイ
ソシアネート類と、C10〜C40なるジオール類とを、イ
ソシアヌレート化触媒の存在下で以て反応させて得られ
るような、イソシアヌレート環を有し、かつ、非極性有
機溶剤に可溶なるポリイソシアネート化合物などであ
る。
【0087】さらに、前記したブロック・イソシアネー
ト化合物としては、上述した如き各種のポリイソシアネ
ート化合物を、活性水素含有化合物で以てブロック化せ
しめることによって得られるような形の、種々のものが
使用される。
【0088】かかるブロック化に際して使用される、上
記活性水素基含有化合物として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、フェノール、クレゾールの如
き、各種のフェノール系;メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ベンジルアルコールの如きアルコール類;
マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチルの如き、各種の活
性メチレン系化合物;
【0089】またはホルムアルドオキシム、アセトアル
ドオキシム、メチルエチルケトオキシムの如き、各種の
オキシム類とか、 −カプロラクタムなどであり、これ
らの種々の化合物が、主に用いられてはいるが、特に限
定されるものではない。
【0090】次いで、前述した2−オキソ−1,3−ジ
オキソラン−4−イル基(シクロカーボネート基)含有
ビニル系共重合体(A)と、上述した、水酸基と反応す
る硬化剤(C)との使用比率としては、第一成分たるビ
ニル共重合体(A)の100重量部に対して、第三成分
たる硬化剤(C)の1〜100重量部となる割合が適当
であり、好ましくは、5〜70重量部となる割合が適切
である。
【0091】硬化剤(C)の使用量として、100重量
部を超えて余りに、この使用比率が大となる場合には、
本発明の特徴が出にくいものとなってしまうので、好ま
しくない。
【0092】続いて、本発明の方法を実施するに当たっ
て用いられる、前記したエポキシ基および加水分解性シ
リル基を、一分子中に1個以上有する化合物(D)につ
いて説明することにする。
【0093】該化合物としては、たとえば、それぞれ、
下記一般式〔III〕
【0094】
【化11】
【0095】で示される脂環式エポキシ基と、下記一般
式〔II〕
【0096】
【化12】
【0097】(ただし、式中のR4 は水素原子またはア
ルキル基、アリール基もしくはアラルキル基の一価の有
機基を表わすものとし、また、R5 はハロゲン原子また
はアルコキシル基、アシロキシ基、フェノキシ基、イミ
ノオキシ基もしくはアルケニルオキシ基を表わすものと
し、aは0、1または2なる自然数であるものとす
る。)で示される加水分解性シリル基とを併せ有する化
合物が挙げられる。
【0098】それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、β−3,4−エポキシシクロヘ
キシルエチルトリメトキシシラン、β−3,4−エポキ
シシクロヘキシルエチルトリエトキシシランまたはγ−
イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどをはじ
め、
【0099】さらには、γ−イソシアネートプロピルト
リイソプロペニルオキシシランと、β−3,4−エポキ
シシクロヘキシルエタノールとの付加物などのようなも
のが挙げられる。
【0100】また、γ−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリイソプロペニルオキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
イミノオキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニル(トリス−β−メトキシ
エトキシ)シランまたはビニルトリアセトキシシランの
如き、各種の加水分解性シリル基を有するビニル系単量
体類と、
【0101】β−3,4−エポキシシクロヘキシルメタ
ノールと、(メタ)アクリル酸のエステル化物と、共重
合可能なるその他の単量体類との共重合によって、脂環
式エポキシ基と加水分解性シリル基を有するビニル系共
重合体を得ることも出来る。
【0102】エポキシ基としてのグリシジル基と、加水
分解性シリル基とを併せ有する化合物として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイ
ソプロペニルオキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリイミノオキシシランまたはγ−イソシアネートプロ
ピルトリメトキシシランなどと、グリシドールとの付加
物;あるいはγ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どと、ジエポキシ化合物との付加物などが挙げられる。
【0103】前記した脂環式エポキシ基および加水分解
性シリル基を併せ有するビニル系共重合体と同様の方法
で以て、グリシジル基を有する重合性単量体類と、前記
した加水分解性シリル基を有する重合性単量体類とを、
さらには、共重合可能なその他の単量体類をも共重合せ
しめることによってもまた、得ることが出来る。
【0104】かかるグリシジル基を有する単量体類とし
ては、グリシジル(メタ)アクリレートや、1−メチル
グリシジル(メタ)アクリレートなどが、特に代表的な
ものではあるが、これらのもののみに、決して、限定さ
れるものではない。
【0105】次いで、本発明において用られる、前記硬
化触媒(E)として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、テトラメチルアンモニウムフロライド、テ
トラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジ
ルアンモニウムハイドロキサイド、2−ヒドロキシピリ
ジン、トリメチルアンモニウムメトキサイド、フェニル
トリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチ
ルアンモニウムブロマイド、フェニルトリメチルアンモ
ニウムハイドロキサイド、フェニルトリメチルアンモニ
ウムヨ−ダイド、フェニルトリメチルアンモニウムブロ
マイド、ホスフォコリンクロライドナトリウム塩などを
はじめ、
【0106】ステアリルアンモニウムブロマイド、テト
ラ−n−ブチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラ
−n−ブチルアンモニウムフォスフェ−ト、テトラ−n
−ドデシルアンモニウムトリクロライド、テトラエチル
アンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニ
ウムテトラフルオロボレ−ト、アセチルコリンブロマイ
ド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、ベンジルコリンブロマイド、ベンジル−n−ブチル
アンモニウムブロマイド、ベタイン、ブチリルクロライ
ド、ビス(テトラ−n−ブチルアンモニウム)ジクロメ
−トもしくはトリメチルビニルアンモニウムブロマイド
の如き、各種の4級アンモニウム塩類;
【0107】アリルトリフェニルホスフォニウムクロラ
イド、n−アミルトリフェニルホスフォニウムブロマイ
ド、ベンジルトリフェニルホスフォニウムクロライド、
ブロモメチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド、
2−ジメチルアミノエチルトリフェニルホスフォニウム
ブロマイド、エトキシカルボニルホスフォニウムブラマ
イド、n−ヘプチルトリフェニルホスフォニウムブロマ
イド、メチルトリフェニルホスフォニウムブロマイド、
テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスフォニウムサルフ
ェートもしくはテトラフェニルホスフォニウムブロマイ
ドの如き、各種のホスフォニウム塩類;
【0108】あるいは、燐酸、p−トルエンスルホン酸
もしくはジメチル硫酸の如き、各種の酸触媒;1,8−
ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7もしくは
1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタンの如
き、各種の塩基性触媒;または炭酸カルシウムの如き、
各種の炭酸塩などである。
【0109】当該硬化触媒(E)の使用量としては、前
述したビニル系共重合体(A)の固形分重量100重量
部に対して、0.01〜10重量部なる範囲内が適切で
あり、好ましくは、0.1〜5重量部なる範囲内が適切
である。
【0110】かかる使用量は、前述のビニル系共重合樹
脂が塗膜を形成する際の、焼き付け温度に大きな因子と
して作用するものであるが、特に、0.01重量部未満
の場合には、どうしても、架橋反応が充分に進行し難く
なるし、一方、10重量部を超えて多くなり過ぎると、
熱硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性ならびに塗膜の耐水性
などが、著しく、低下するようになるので、いずれの場
合も好ましくない。
【0111】次には、光や熱などからの損傷を防ぐとい
う目的で使用される、前記したO−ヒドロキシフェニル
−S−トリアジン骨格を持つ安定化剤(F)について説
明することにする。
【0112】本発明の硬化性樹組成物を用いての熱硬化
は、硬化触媒によつて促進され、しかも、低温硬化も可
能となるが、かかる硬化触媒として、本発明において用
いられるような、上掲した如き、各種の4級アンモニウ
ム塩類や、アミン類またはホスフイン類などと、
【0113】特に、自動車用トップクリヤーのように、
長期耐候性が要求され、硬化塗膜の光安定性などを高め
る為に添加される光安定化剤(紫外線吸収剤)とが共存
する場合には、これらの硬化触媒と光安定化剤との相互
作用によって、硬化過程において、あるいは硬化後にお
いて、
【0114】硬化塗膜の変色を誘発するばかりか、硬化
阻害をも惹き起こして、著しく、塗膜諸性能を劣化させ
るという欠点があったが、このような弊害を惹起する光
安定化剤は、最も広範囲に使用されている部類の2−
(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類であ
る。
【0115】上述のような種々の弊害を惹き起こさない
という、特殊な光安定化剤を探求した結果、ここに、O
−ヒドロキシフェニル−S−トリアジン系の誘導体が、
極めて、上記した変色に関して良好なものであって、し
かも、硬化阻害を惹き起こさないばかりか、他の光安定
化剤(紫外線吸収剤)を添加したとき以上に、低温硬化
性を向上化せしめることが出来る、ということを見出し
た。
【0116】光や熱などからの損傷を防ぐO−ヒドロキ
シフェニル−S−トリアジン骨格を持つ安定化剤(F)
として、特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、
【0117】
【化13】
【0118】なる一般式〔V〕で以て示されるような化
合物であって、それらのうちでも、此の一般式中におけ
る「R」が、それぞれ、R=H;
【0119】R=−C817
【0120】R=−CH2CH(OH)CH2OC49
【0121】R=−CH2CH(OH)CH2OCH(C
25)(C49
【0122】またはR=−CH2CH(OH)CH2
(CH21214−CH3
【0123】で以て代表されるような、一群の化合物類
などである。
【0124】当該安定化剤(F)の使用量としては、2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基(シクロ
カーボネート基)含有ビニル系共重合体(A)の固形分
100重量部に対して、0.3〜10重量部なる範囲内
が適切である。
【0125】かくして得られる硬化性樹脂組成物には、
さらに、必要に応じて、レベリング剤または紫外線吸収
剤、さらには、光安定化剤の如き、公知慣用の各種の添
加剤類や可塑剤などを配合せしめたり、さらにはまた、
ポリエステル樹脂の如き、各種の樹脂類をも添加し配合
せしめることも出来る。
【0126】さらに、本発明においては、2コート1ベ
ーク方式、2コート2ベーク方式で、またはオーバーコ
ート方式で以て積層塗膜を形成するに当たり、クリヤー
コートとして、以上に記述して来たような、種々の、シ
クロカーボネート基およびカルボキシル基を有するビニ
ル系共重合体(A)を、ベース樹脂成分として含んで成
る、各種の硬化性樹脂組成物を用いることが出来る。
【0127】こうした、本発明の塗装仕上げ方法を実施
するに当たって、ベースコート用の塗料組成物として
は、塗膜を形成し得るものでさえあれば、特に限定され
るものではないが、それらのうちでも特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、
【0128】水酸基を有する樹脂類と、メラミン樹脂類
とから構成される樹脂組成物;水酸基を有する樹脂類
と、ポリイソシアネート化合物と構成される樹脂組成
物;カルボキシル基を有する樹脂類と、エポキシ基を有
する樹脂類とから構成される樹脂組成物をはじめ、
【0129】さらには、加水分解性シリル基を有する樹
脂類などであり、あるいは、これらの2種以上の併用系
などであり、さらにはまた、有機顔料、無機顔料または
金属顔料の如き、各種の顔料類などの、少なくとも1種
を配合せしめた形のものなどである。
【0130】なお、2コート1ベーク方式または2コー
ト2ベーク方式などで以て、積層塗膜を形成するに当た
って、焼き付けを行なう際の条件としては、一般には、
100〜180℃程度の温度で以て、20〜40分間程
度の時間が適している。
【0131】かくして得られる、本発明の硬化性樹脂組
成物は、鉄と非鉄金属とを問わず、広範囲なる素材に対
して利用できるが、2コート1ベーク方式、2コート2
ベーク方式またはオーバーコート方式なる積層塗装法
(積層塗膜形製法)に従う場合には、概して、素材も一
層、限定的となるし、主として、自動車用などをはじめ
とする、いわゆる運転機械や構造機械などに、用途も限
定され得よう。
【0132】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明することにするが、本発明
は、決して、これらの実施例のみに限定されるものでは
ない。以下において、部および%は、特に断りの無い限
り、すべて重量基準であるものとする。
【0133】参考例1 〔分子中にシクロカーボネート
基を有するビニル系共重合体(A)の調製例〕
【0134】温度計、冷却管、撹拌機および窒素ガス導
入管を備えた4つ口のフラスコに、キシレンの500部
および酢酸n−ブチルの300部を仕込んで、120℃
にまで昇温した処へ、2,3−カーボネートプロピルメ
タクリレートの300部、メチルメタクリレートの20
0部、スチレンの200部およびn−ブチルメタクリレ
ートの300部からなる混合物と、キシレンの200部
と、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の10部
およびtert−ブチルパ−オキシ−2−エチル−ヘキ
サノエートの20部との混合物とを、同温度で、5時間
かけて滴下し、
【0135】滴下終了後も、同温度に、7時間のあいだ
保持して反応を続行させ、不揮発分が50.4%で、2
5℃におけるガ−ドナー粘度(以下、粘度と略記す
る。)がT−Uで、かつ、数平均分子量が12,000
なる、目的樹脂の溶液を得た。以下、これを樹脂(A−
1)と略記する。
【0136】参考例2〔分子中にシクロカーボネート基
およびカルボキシル基を併有するビニル系共重合体
(A)の調製例〕
【0137】温度計、冷却管、攪拌機および窒素ガス導
入管を備えた四ツ口フラスコに、キシレンの500部お
よびn−ブタノールの300部を仕込んで、120℃に
まで昇温し、2,3−カーボネートプロピルメタクリレ
ートの300部、メタクリル酸の120部、スチレンの
200部およびn−ブチルメタクリレートの380部か
らなる混合物と、キシレンの200部と、AIBNの1
0部およびtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエートの20部とからなる混合物とを、同温度
で、5時間かけて滴下した。
【0138】滴下終了後も、同温度に、7時間のあいだ
保持して、反応を継続せしめることにより、不揮発分が
50.4%で、粘度がM−Nで、かつ、数平均分子量が
11,000なる、目的共重合体の溶液を得た。以下、
これを樹脂(A−2)と略記する。
【0139】参考例3(水酸基をも有するシクロカーボ
ネート基含有アクリル系樹脂の調製例) 単量体混合物として、2,3−カーボネートブチルアク
リレートの250部と、スチレンの150部と、イソブ
チルメタアクリレートの300部と、2−エチルヘキシ
ルメタクリレートの150部と、4−ヒドロキシブチル
メタクリレートの50部と、メタクリル酸の100部と
からなる混合物を用いるように変更した以外は、参考例
2と同様にして、不揮発分が50.6%で、かつ、粘度
がLなる、目的共重合体の溶液を得た。以下、これを樹
脂(A−3)と略記する。
【0140】参考例4 〔一分子中に2個以上のカルボ
キシル基を有する化合物(B)の調製例〕
【0141】温度計、冷却管、攪拌機および窒素ガス導
入管を備えた四ツ口フラスコに、キシレンの500部お
よびn−ブタノールの300部を仕込んで、125℃に
まで昇温し、メタクリル酸の200部、スチレンの20
0部およびn−ブチルメタクリレートの380部と2−
エチルヘキシルメタクリレートの120部とからなる混
合物と、
【0142】キシレンの200部と、AIBNの10部
およびtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエートの30部とからなる混合物とを、同温度で、8
時間に亘って滴下した。
【0143】滴下終了後も、同温度に、7時間のあいだ
保持して、反応を継続せしめることによって、不揮発分
が50.4%で、粘度がM−Nで、かつ、数平均分子量
が3,000なる、目的共重合体の溶液を得た。以下、
これを樹脂(B−1)と略記する
【0144】参考例 5(脂環式エポキシ基と加水分解
性シリル基を併有するアクリル系樹脂の調製例)
【0145】「サイクロマー M−100」〔ダイセル
化学(株)製の脂環式エポキシ基含有重合性単量体〕の
200部と、さらに、メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシランの200部およびn−ブチルメタクリ
レートの100部の混合物とを用意した。
【0146】次いで、予め、仕込んでおいたキシレンの
800部およびn−ブタノールの360部の混合液中
に、125℃にまで昇温したのち、8時間に亘って、上
記の重合用単量体の混合物を滴下して、反応を行なうこ
とによって、不揮発分が30%で、かつ、粘度がA4
る樹脂の溶液を得た。
【0147】かくして得られた樹脂の数平均分子量は、
1,000であった。以下、これを樹脂(D−1)と略
記する。
【0148】参考例6(同上) 「サイクロマー M−101」の220部と、さらに、
メタクリロイルオキシプロピル−エチル−ジエトキシシ
ランの250部、スチレンの200部、n−ブチルアク
リレートの200部およびメチルメタクリレートの13
0部とを用いるように変更した以外は、参考例5と同様
にして、重合反応を行なうことによって、不揮発分が3
0%で、粘度がA5 で、かつ、分子量が950なる、樹
脂の溶液を得た。以下、これを樹脂(D−2)と略記す
る。
【0149】実施例1 シクロカーボネート基含有ビニル系共重合体の一つであ
る、参考例1で得られた樹脂(A−1)の1,000部
に、シクロカーボネート基用の硬化触媒の一つである、
テトラブチルアンモニウムプロピオネートの5部と、O
−ヒドロキシフェニル−S−トリアジン誘導体の一つで
あって、次の化学構造式〔VI〕で以て示される「CG
L−400」(スイス国チバ・ガイギー社製の光安定
剤)の8部とを、常法により、混練せしめることによっ
て、目的とする硬化性樹脂組成物を得た。
【0150】
【化14】
【0151】ここに得られた硬化性樹脂組成物について
の、それぞれ、性状値としての「ゲル分率(%)」なら
びに性能としての「貯蔵安定性」のデータを、まとめ
て、第1表に示す。
【0152】なお、此の貯蔵安定性は、後述するよう
な、「フォード・カップ No.4」で以て「30秒」
という一定の初期粘度を有する各試験体を、50℃で1
カ月間という一定期間のあいだ保存し貯蔵せしめたのち
における、いわゆる経時粘度(「秒数」で以て表示され
る。)を測定するという方法に依った。
【0153】次いで、かくして得られた熱硬化性樹脂組
成物を、それぞれ、2コート1ベーク方式(2C1Bと
略記する。)で以て積層塗膜を形成するに際してのクリ
ヤー塗料として用い、此のクリヤー塗料と、後述するベ
ース塗料Aとの組み合わせにおいて、目的とする塗膜形
成方法を行った。
【0154】つまり、まず、所定のベース塗料(本例で
は、ベース塗料A)を被塗物(基材)上に塗装し、次い
で、ウェット状態で、此のベースコート塗装面上に、上
記した熱硬化性樹脂組成物をクリヤー塗料として用い
て、該塗料を塗装せしめ、しかるのち、140℃で20
分間という条件で、焼き付けを行なって架橋せしめると
いう、いわゆる2コート1ベーク方式で以て、塗膜の形
成を実施した。
【0155】このようにして得られた硬化塗膜について
行った諸物性ならびに諸性能の評価判定の結果を、まと
めて、同表に示す。
【0156】なお、ベース塗料Aとしては、「アクリデ
ィック KJ−204」〔大日本インキ化学工業(株)
製の水酸基含有アクリル樹脂;不揮発分=50%〕と、
「スーパーベッカミン L−117−60」(同上社製
のブチルエーテル化メラミン樹脂;不揮発分=60%)
と、「アルミペースト 7160NS」〔東洋アルミニ
ウム(株)製のアルミニウム・ペースト〕、「ファスト
ゲン・スーパー・レッド BN」〔大日本インキ化学工
業(株)製〕とを用いて得られる、いわゆるメタリック
・ベース塗料を用いたものであるが、この際のアルミニ
ウムの顔料重量濃度(PWC)は13%であったし、赤
顔料のPWCは15%であった。
【0157】ベース塗料Bとしては、「ベッコライト
GF−542」〔大日本インキ化学工業(株)製の水酸
基含有ポリエステル樹脂;不揮発分=65%〕と、「ス
ーパーベッカミン L−117−60」と、カーボン・
ブラックとを用いて得られる、PWCが5%なる形のも
のであるし、
【0158】ベース塗料Cとしては、スチレン:メチル
メタクリレート:n−ブチルアクリレート:メタクリル
酸:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート=10:4
0:43:2:5(重量比)なる組成で、かつ、不揮発
分が40%なる水酸基含有ビニル系共重合体エマルジョ
ンと、「サイメル C−325」〔(有)三井サイアナ
ミッド製のメチルエーテル化メラミン樹脂;不揮発分=
80%〕と、「ディスパロン #6900−20X」
〔楠本化成(株)製のチキソ剤;不揮発分=20%〕
と、「アルミペースト WZ7160」〔東洋アルミニ
ウム(株)製のアルミニウム・ペースト〕とを用いて得
られる、いわゆるメタリック・ベース塗料を用いたもの
であるし、
【0159】ベース塗料Dとしては、参考例2で得られ
た樹脂(A−2)と、トリメチルベンジルアンモニウム
ハイドロオキサイドとを、実施例2と同様にして用い、
さらに、「アルミペースト 7160NS」(同上社製
品)とを用いて得られる、いわゆるメタリック・ベース
塗料を用いたものである。
【0160】実施例2〜16 参考例1〜6で得られた、それぞれの成分化合物と、さ
らには、硬化触媒(E)と、光ないしは熱などからの損
傷を防ぐO−ヒドロキシフェニル−S−トリアジン骨格
を持つ光安定剤(F)とを、適宜、第1表に示されるよ
うな組み合わせと、配合割合とで以て、常法により、混
練せしめることによって、目的とする硬化性樹脂組成物
を得た。
【0161】次いで、かくして得られた熱硬化性樹脂組
成物を、それぞれ、2C1Bまたは2コート2ベーク方
式(2C2Bと略記する。)で以て積層塗膜を形成する
に際してのクリヤー塗料として用い、これらの各クリヤ
ー塗料と、後述する各ベース塗料との、適宜の組み合わ
せにおいて、実施例1と同様にして、目的とする塗膜形
成方法を行った。
【0162】ただし、これらのうちの2C2Bなる方式
による場合には、まず、所定のベース塗料を被塗物(基
材)上に塗装し、140℃で20分間という条件で、焼
き付けを行なって架橋せしめ、次いで、此の架橋塗膜上
に、上記した熱硬化性樹脂組成物をクリヤー塗料として
用いて、該塗料を塗装し、しかるのち、140℃で20
分間という条件で、焼き付けを行なって架橋せしめると
いう、いわゆる2コート2ベーク方式で以て、塗膜の形
成を実施した。
【0163】以上のようにして得られた、各熱硬化性樹
脂組成物の性状値としての、「ゲル分率(%)」および
貯蔵安定性のデータ、ならびに各硬化塗膜についての諸
物性および諸性能の評価判定の結果を、まとめて、同表
に示す。
【0164】比較例1〜6 実施例1〜16に記述されている本発明品のうちの6
品、つまり、それぞれ、六つの硬化性樹脂組成物と、該
樹脂組成物をクリヤー塗料として用いて得られた硬化塗
膜とを選び出し、主として、本発明において用いられ
る、O−ヒドロキシフェニル−S−トリアジン骨格を持
つ安定剤(F)と、従来型のベンゾトリアゾール系の紫
外線吸収剤との対比(格別顕著なる効果上の差異の有無
の別)を検証するべく、第1表に示す通りの配合割合に
従って、都合、六つの対照用樹脂組成物を調製した。
【0165】次いで、かくして得られた、それぞれの対
照用硬化性樹脂組成物を、それぞれ、2C1Bで以て積
層塗膜を形成するに際してのクリヤー塗料として用い、
これらの各クリヤー塗料と、各ベース塗料との、適宜の
組み合わせにおいて、実施例1と同様にして、対照用の
塗膜形成方法を行った。
【0166】以上のようにして得られた、それぞれの対
照用硬化性樹脂組成物の性状値としての、「ゲル分率
(%)」および貯蔵安定性のデータ、ならびに各対照用
硬化塗膜についての諸物性および諸性能の評価判定の結
果を、まとめて、同表に示す。
【0167】比較例7 「アクリディック 52−748」〔大日本インキ化学
工業(株)製の水酸基含有アクリル樹脂;不揮発分=5
0%〕と、「スーパーベッカミン L−117−60」
とを、前者:後者の固形分重量比が70:30となるよ
うな比率で以て配合せしめて得られる、いわゆるアクリ
ル樹脂/メラミン樹脂系の焼き付け塗料を調製した。
【0168】かくして得られた対照用の硬化性樹脂組成
物の性状値としての、「ゲル分率(%)」および貯蔵安
定性のデータ、ならびに該樹脂組成物をクリヤー塗料と
して用いて得られた対照用硬化塗膜についての諸物性お
よび諸性能の評価判定の結果を、まとめて、同表に示
す。
【0169】
【表1】
【0170】《第1表の脚注》表中の各成分の配合割合
を示す数値は、いずれも、重量部数である。
【0171】なお、「ベース塗料A、B、CおよびD」
なる各ベース塗料として表示されている丸印(○)は、
その該当するベース塗料を使用していることを意味する
ものである。
【0172】「E−1」は、前述した通りのテトラブチ
ルアンモニウムプロピオネートである。
【0173】「E−2」は、シクロカーボネート基用の
硬化触媒(E)の一つとしての、トリメチルベンジルア
ンモニウムクロライドである。
【0174】「F−1」は、前述した通りの「CGL−
400」である。
【0175】
【表2】
【0176】《第1表の脚注》「B−2」は、一分子中
に2個以上のカルボキシル基を有する化合物(B)の一
つとしての、アジピン酸である。
【0177】「C−1」は、水酸基と反応する硬化剤
(C)の一つとしての、「スーパーベッカミン L−1
17−60」〔大日本インキ化学工業(株)製のメラミ
ン樹脂;不揮発分=60%〕である。
【0178】「C−2」は、水酸基と反応する硬化剤
(C)の一つとしての、「バーノック DN−950」
(同上社製のポリイソシアネート化合物;不揮発分=7
5%)である。
【0179】「C−3」は、水酸基と反応する硬化剤
(C)の一つとしての、「バーノック DN−550」
(同上社製のブロック・イソシアネート化合物;不揮発
分=55%)である。
【0180】
【表3】
【0181】《第1表の脚注》「D−3」は、一分子中
に1個以上のエポキシ基および加水分解性シリル基を併
せ有する化合物(D)としての、3,4−エポキシシク
ロヘキシルエチルトリメトキシシランである。
【0182】
【表4】
【0183】
【表5】
【0184】《第1表の脚注》「UVA1」は、本発明
において用いられる、O−ヒドロキシフェニル−S−ト
リアジン誘導体との対比で以て使用する、つまり、対照
用の化合物としての、「チヌビン 900」(スイス国
チバ・ガイギー社製の、ベンゾトリアゾール系の紫外線
吸収剤)である。
【0185】
【表6】
【0186】
【表7】
【0187】《第1表の脚注》「アクリディック 52
−748」ならびに「スーパーベッカミン L−117
−60」は、共に、前出の通りである。
【0188】次に、上記第1表に示されるような塗装仕
上げ方法によって得られた、焼き付けされた、それぞれ
の硬化塗膜についての、諸性能の評価判定試験の結果
を、まとめて、第2表に示す。
【0189】
【表8】
【0190】《第2表の脚注》諸性状値の測定項目なら
びに諸物性および諸性能の評価判定試験の項目と、それ
らの測定ないしは評価判定試験の要領は、次の通りであ
る。
【0191】光 沢………60度鏡面反射率
(%)で以て表示した。
【0192】硬 度………三菱ユニ〔三菱鉛筆
(株)製品〕を用いての、塗膜が傷付き始める時点の鉛
筆の硬度を以て表示した。
【0193】耐 衝 撃 性………デユポン式衝撃試験
で、1/2インチ・ノッチ付き、荷重を500gとして
行なった。
【0194】耐 酸 性………5%H2SO4水溶液
のO.2ミリリットルを滴下してから、80℃で30分
間の乾燥を行なったのちの、塗膜の状態の変化を、目視
により判定した。
【0195】耐アルカリ性…………5%NaOH水溶液
のO.2ミリリットルを滴下してから、80℃で30分
間の乾燥を行なったのちの、塗膜の状態の変化を、目視
により判定した。
【0196】耐 擦 り 傷 性………フェルトに、5%ク
レンザーを含浸させ、荷重として、1Kgをかけた状態
で、30往復させたのちの、塗面の光沢保持率(%)で
以て表示した。
【0197】耐 溶 剤 性………キシレン・ラビング
試験であって、キシレンを含浸したフェルトで以て、1
0往復のラビングを行なったのちの塗膜の状態の変化
を、目視により判定した。
【0198】*1)耐黄変性………ブリキ板上に、耐熱
性の良好なる白色塗料を塗布し、硬化せしめて得られた
白色板に、第1表に示される通りの配合割合になる、い
わゆるクリヤー塗料のみを塗布し、140℃で20分間
のあいだ硬化せしめたフィルムと、上記白色板との色差
(△b)を、焼き付けの1時間後に測定して、その値を
表示した。
【0199】なお、その際のフィルム膜厚としては、5
0±5ミクロン(μm)に保持した。
【0200】耐 候 性………促進耐候性試験機で
以て、3,000時間のあいだ曝露を行なったのちの、
光沢保持率(%)を以て表示した。
【0201】ゲ ル 分 率………第1表に示される通
りの配合割合になる、いわゆるクリヤー塗料のみを、1
40℃で20分間のあいだ硬化せしめ、次いで、かくし
て得られた硬化塗膜を、アセトン中に、24時間のあい
だ浸漬せしめることによって、初期塗膜重量と、浸漬後
の塗膜重量との変化の度合いを測定し、浸漬前後の変化
比率(%)を以て表示した。
【0202】*2)貯蔵安定性……まず、「初期粘度」
としては、「フォード・カップNo.4」により、30
秒という一定の値に設定せしめ、次いで、「経時粘度」
としては、50℃に1カ月間のあいだ保持したのちに、
此の「フォード・カップNo.4」による粘度を測定し
て、経時後の粘度を表示するが、初期粘度と経時粘度と
の差異の大小を見るものとする。
【0203】
【表9】
【0204】
【表10】
【0205】
【表11】
【0206】
【表12】
【0207】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、熱硬化性
の樹脂組成物として、とりわけ、耐熱黄変性にも優れる
し、はたまた、一液型塗料として、貯蔵安定性にも優れ
るし、作業性もまた良好であるといった、極めて実用性
の高いものであるし、
【0208】加えて、こうした熱硬化性樹脂組成物を用
いて行なう、本発明の塗膜形成方法に従えば、とりわ
け、耐熱黄変性、耐酸性、耐侯性、耐擦傷性ならびに塗
膜外観などに優れる塗膜を、就中、平滑性に優れる塗膜
を与えるというものである。
【0209】したがって、本発明の塗料用熱硬化性樹脂
組成物を用いた塗装仕上げ方法は、特に、自動車用など
として、新機軸を拓くものであると言えよう。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】(ただし、式中のR、R1 、R2 およびR
3 は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい、
水素原子または炭素数が4以下なるアルキル基を表わす
ものとし、また、R6 は水素原子または炭素数が1〜4
なるアルキル基を表わすものとし、さらに、nは1〜6
なる整数であるものとする。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/3492 KBN C08L 37/00 LJX 101/06 LTB C09D 137/00 PGL 157/10 PDE

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一分子中に少なくとも2個の、一般式
    〔I〕 【化1】 (ただし、式中のR1 、R2 およびR3 は、それぞれ、
    同一であっても異なっていてもよい、水素原子または炭
    素数が4以下の低級アルキル基を表わすものとする。)
    で示される2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
    ル基を有するビニル系共重合体(A)と、1種以上の2
    −オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の硬化触
    媒(E)と、O−ヒドロキシフェニル−S−トリアジン
    骨格を持つ安定化剤(F)とを含有することを特徴とす
    る、硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 一分子中に少なくとも2個の、一般式
    〔I〕 【化2】 (ただし、式中のR1 、R2 およびR3 は、それぞれ、
    同一であっても異なっていてもよい、水素原子または炭
    素数が4以下の低級アルキル基を表わすものとする。)
    で示される2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
    ル基とカルボキシル基とを併せ有するビニル系共重合体
    (A)と、1種以上の2−オキソ−1,3−ジオキソラ
    ン−4−イル基の硬化触媒(E)と、O−ヒドロキシフ
    ェニル−S−トリアジン骨格を持つ安定化剤(F)とを
    含有することを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一分子中に少なくとも2個の、一般式
    〔I〕 【化3】 (ただし、式中のR1 、R2 およびR3 は、それぞれ、
    同一であっても異なっていてもよい、水素原子または炭
    素数が4以下の低級アルキル基を表わすものとする。)
    で示される2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
    ル基とカルボキシル基と水酸基とを併せ有するビニル系
    共重合体(A)と、1種以上の2−オキソ−1,3−ジ
    オキソラン−4−イル基の硬化触媒(E)と、O−ヒド
    ロキシフェニル−S−トリアジン骨格を持つ安定化剤
    (F)とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 一分子中に少なくとも2個の、一般式
    〔I〕 【化4】 (ただし、式中のR1 、R2 およびR3 は、それぞれ、
    同一であっても異なっていてもよい、水素原子または炭
    素数が4以下の低級アルキル基を表わすものとする。)
    で示される2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
    ル基とカルボキシル基と水酸基とを併せ有するビニル系
    共重合体(A)と、一分子中に2個以上のカルボキシル
    基を有する化合物(B)および/または水酸基と反応す
    る硬化剤(C)と、1種以上の2−オキソ−1,3−ジ
    オキソラン−4−イル基の硬化触媒(E)と、O−ヒド
    ロキシフェニル−S−トリアジン骨格を持つ安定化剤
    (F)とを含有することを特徴とする、硬化性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 一分子中に少なくとも2個の、一般式
    〔I〕 【化5】 (ただし、式中のR1 、R2 およびR3 は、それぞれ、
    同一であっても異なっていてもよい、水素原子または炭
    素数が4以下の低級アルキル基を表わすものとする。)
    で示される2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イ
    ル基とカルボキシル基と水酸基とを併せ有するビニル系
    共重合体(A)と、一分子中に2個以上のカルボキシル
    基を有する化合物(B)および/または水酸基と反応す
    る硬化剤(C)と、一分子中に1個以上のエポキシ基お
    よび一般式〔II〕 【化6】 (ただし、式中のR4 は水素原子またはアルキル基、ア
    リール基もしくはアラルキル基の1価の有機基を表わす
    ものとし、また、R5 はハロゲン原子またはアルコキシ
    ル基、アシロキシ基、フェノキシ基、イミノオキシ基も
    しくはアルケニルオキシ基を表わすものとし、aは0、
    1または2なる自然数を表わすものとする。)で示され
    る加水分解性シリル基を有する化合物(D)と、1種以
    上の2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の
    硬化触媒(E)と、O−ヒドロキシフェニル−S−トリ
    アジン骨格を持つ安定化剤(F)とを含有することを特
    徴とする、硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記したビニル系共重合体(A)が、分
    子中にカルボキシル基および/または酸無水基を有する
    ものである、請求項1〜5に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記した化合物(D)が、一般式〔II
    I〕 【化7】 で示される脂環式エポキシ基を有するものである、請求
    項5に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記した水酸基と反応する硬化剤(C)
    が、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物およびブロ
    ックイソシアネート化合物よりなる群から選ばれる、1
    種以上の化合物である、請求項4または5に記載の硬化
    性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載の硬化性樹脂組成物
    を、クリヤーコートとして用いることを特徴とする、2
    コート1ベーク方式または2コート2ベーク方式あるい
    はオーバー・コート方式による積層塗膜形成方法。
JP27428793A 1993-11-02 1993-11-02 硬化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法 Expired - Fee Related JP3353850B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27428793A JP3353850B2 (ja) 1993-11-02 1993-11-02 硬化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27428793A JP3353850B2 (ja) 1993-11-02 1993-11-02 硬化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07126480A true JPH07126480A (ja) 1995-05-16
JP3353850B2 JP3353850B2 (ja) 2002-12-03

Family

ID=17539552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27428793A Expired - Fee Related JP3353850B2 (ja) 1993-11-02 1993-11-02 硬化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3353850B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015229714A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 大日精化工業株式会社 ポリヒドロキシウレタンの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015229714A (ja) * 2014-06-04 2015-12-21 大日精化工業株式会社 ポリヒドロキシウレタンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3353850B2 (ja) 2002-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5376706A (en) Anhydride epoxy coating composition modified with a silane polymer
KR100718523B1 (ko) 도료 조성물
US5369153A (en) Acid-epoxy-melamine coating composition modified with a silane polymer
JPH06508391A (ja) 顔料/バインダー比の高いポリエステルをベースとするコーティング用組成物
DE69806641T3 (de) Vernetzbare verfilmende Zusammensetzungen
JPH03277645A (ja) 硬化性樹脂組成物
EP0355043A1 (en) Multi-component coating composition comprising an anhydride containing polymer, a glycidyl component and a phosphonium catalyst
US5376704A (en) Water-borne coating compositions comprising half esters of anhydride polymers crosslinked by epoxies
JPH06501036A (ja) アクリロシラン、アクリルポリオール及び架橋剤の自動車用透明コーティング組成物
JP3448835B2 (ja) 硬化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法
KR100305451B1 (ko) 경화성 수지 조성물, 도료 조성물, 도장 방법 및 도장품
JP3801347B2 (ja) 塗装仕上げ方法及び塗装物品
JP3353850B2 (ja) 硬化性樹脂組成物ならびにそれを用いた塗膜形成方法
JP3008508B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
EP1041115B1 (en) Curable resin composition
JPH1088065A (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物およびそれを用いてなる塗装物
US6239229B1 (en) Heat-hardenable paint compositions
JPH11148049A (ja) 塗料組成物、塗装物及び無機酸化物ゾルの製造方法
JP3451784B2 (ja) 熱硬化性塗料組成物
JP3153971B2 (ja) ポリウレタン用プライマー
JPH0247175A (ja) 耐チッピング性アクリル系ベース塗料組成物
JPH09249758A (ja) 自動車プラスチック部材用上塗り塗料用樹脂組成物およびその塗装仕上げ方法
JP3084736B2 (ja) クリアーコート塗料用樹脂組成物および積層塗装方法
JP2990802B2 (ja) 一液型ベース塗料組成物及びそれを用いた塗膜形成方法
JP3118521B2 (ja) 塗装仕上げ方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080927

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees