JPH07126429A - 反応処理方法、反応処理装置及びシールリング - Google Patents

反応処理方法、反応処理装置及びシールリング

Info

Publication number
JPH07126429A
JPH07126429A JP27265693A JP27265693A JPH07126429A JP H07126429 A JPH07126429 A JP H07126429A JP 27265693 A JP27265693 A JP 27265693A JP 27265693 A JP27265693 A JP 27265693A JP H07126429 A JPH07126429 A JP H07126429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
passage
region
hydrolysis
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27265693A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadao Ikeda
貞雄 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP27265693A priority Critical patent/JPH07126429A/ja
Publication of JPH07126429A publication Critical patent/JPH07126429A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】加水分解領域5における圧力の安定化を図るこ
とにより加水分解条件の安定化を図り、高品位の再生樹
脂組成物を得るのに有利な方法を提供する。 【構成】シリンダ1では供給口2、溶融領域4、加水分
解領域5、脱気領域6、混練領域7、吐出口3が直列に
配置されている。給水部1k、1m、1nから通路1a
には水が供給される。第1導通路1rは加水分解領域5
Aに接続され、第2導通路1sは加水分解領域5Bに接
続され、第3導通路1tは加水分解領域5Cに接続され
ている。圧力調整手段60はピストン60fとバネ60
kとをもつ。加水分解領域5における圧力は導通路1
r、1s、1tを介して圧力調整手段60の圧力室60
dに作用する。ピストン60fの受圧力がバネ60kに
打ち勝つと、ピストン60fが矢印M2方向に移動し、
加水分解領域5における過圧は緩和される。これにより
加水分解領域5における圧力の脈動は軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反応処理方法、反応処理
装置及びシールリングに関する。本発明は、例えば加水
分解可能な熱硬化性樹脂を含む樹脂廃材を加水分解処理
して熱硬化性樹脂を加水分解反応により低分子量化し、
これにより再生樹脂組成物を得る再生技術に適用でき
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ウレタン塗膜やアミノ樹脂系塗膜
等の熱硬化性樹脂系塗膜を備えた熱可塑性樹脂からなる
樹脂廃材を加水分解処理してその熱硬化性樹脂系塗膜を
加水分解反応により低分子量化して微細とし、塗膜の異
物性を低減させ、これにより力学的性質の高い再生樹脂
組成物を得る再生技術が出願人により開発されている
(特公平5−801232号公報)。
【0003】このものでは、加水分解領域及び吐出口を
備えた通路を有する押出装置を用い、押出装置の通路に
供給した熱硬化性樹脂系塗膜を含む樹脂材料を通路の上
流から下流に送給すると共に、通路内に水や水蒸気を供
給し、通路の加水分解領域において塗膜を高温高圧の条
件で加水分解反応させて低分子量化し、更に、低分子量
化した微細な塗膜を含む再生樹脂組成物を押出装置の先
端の吐出口からストランドとして吐出することにしてい
る。
【0004】このものでは、押出装置の加水分解領域に
おいてその軸方向で圧力が均一とならず、サージング現
象が生じる。例えば、加水分解を行う水をシリンダ内に
1箇所または数箇所から供給すると、加水分解領域の軸
長方向において水の分布は必ずしも均一とはならず、こ
れらの影響で圧力が均一とならない。更に送給量のむ
ら、通路の流れ方向における圧力アンバランス等の影響
をも受けて、加水分解領域の軸長方向において圧力が均
一とならない。
【0005】殊に、加水分解反応の効率を上げて生産性
を高めるべく、加水分解領域における圧力を高めてその
領域を高温化したり、単位時間あたりの材料処理量を増
加したりすると、加水分解領域の軸長方向において圧力
が一層不均一となり易い。この場合、加水分解反応の条
件が不安定となり、高品位の再生樹脂組成物を得るのに
好ましくない。更に押出装置のベント穴から樹脂が排出
したり、押出装置の先端の吐出口から吐出されるストラ
ンドの径が変動し、場合によってはストランドが切れた
りする問題が生じる。
【0006】また加水分解反応を意図するものではない
が、押出装置の分野ではシリンダ内の圧力を調整するも
のとして従来より以下の様な公知技術が開示されてい
る。即ち、実開昭58−171330号公報には、押出
装置のシリンダの横断面円形状の通路のうち軸長方向に
おける一部に円錐孔を同軸的に形成し、通路内に配置し
たスクリュの一部に円盤状のリング体を固定した技術が
開示されている。このものでは、油圧力によりスクリュ
を軸長方向に移動させてリング体を軸長方向に変位さ
せ、これによりリング体と円錐孔の内壁面との間の隙間
である樹脂流路面積の大きさを調整し、以て混練特性を
調整する。
【0007】また実開平4−77428号公報には、押
出装置のシリンダの通路の軸長方向における一部に拡径
状の内周面で区画された逃がし溝を同軸的に形成し、そ
の逃がし溝内にスクリュを配置した技術が開示されてい
る。このものではシリンダを軸長方向に移動させること
により、逃がし溝を軸長方向に移動させ、逃がし溝の内
壁面とスクリュとの間の隙間である樹脂流路面積の大き
さを調整し、以て混練特性を調整する技術が開示されて
いる。
【0008】また実開昭64−40517号公報には、
シリンダの通路の先端の材料吐出室にギヤポンプを配置
し、樹脂吐出室に可動ピストンを装備した技術が開示さ
れている。このものでは、ピストンを前進させて材料吐
出室に進入させ材料吐出室の容積を小さくし、あるい
は、ピストンを後退させて材料吐出室から退避させて材
料吐出室の容積を大きくし、これにより材料吐出室の容
積を可変とし、ギヤポンプの吸込側の樹脂圧力を調整す
る。
【0009】ところで上記した実開昭58−17133
0号公報に係る技術では、スクリュを軸長方向に移動さ
せるだけであり、シリンダの通路の容積自体は実質的に
変化するものではなく、圧力調整量としては微小であり
充分ではない。同様に、実開平4−77428号公報に
係る技術でも、シリンダを軸長方向に移動させるだけで
あり、シリンダの通路の容積自体は実質的に変化するも
のではなく、圧力調整量は微小であり充分ではない。
【0010】更に実開昭64−40517号公報に係る
技術では、通路の先端の樹脂吐出室の容積を可変とする
ものであるが、加水分解領域における圧力の調整、加水
分解条件の安定化を図るものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】請求項1は、加水分解
領域における圧力の安定化を図ることにより加水分解条
件の安定化を図り、高品位の再生樹脂組成物を得るのに
有利な反応処理方法を提供することを目的とする。請求
項2及び請求項3は、反応領域における局部的な過圧を
軽減または回避でき、反応領域における圧力の安定化に
有利な反応処理装置を提供することを目的とする。
【0012】請求項4は、上流側と下流側との差圧の緩
和に有利なシールリングを提供することを目的とするに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の反応処理方法
は、少なくとも一部に高圧に維持される加水分解領域を
備えると共に材料が吐出される吐出口を備えた通路を有
する機体と、機体の加水分解領域における過圧を緩和可
能な圧力調整手段とを用い、機体の通路に供給した加水
分解可能な熱硬化性樹脂を含む材料を通路の上流から下
流に送給すると共に、通路の加水分解領域において材料
の熱硬化性樹脂を加水分解反応させる工程と、加水分解
した材料を機体の吐出口から吐出する工程とを実施する
反応処理方法であって、加水分解領域における過圧を圧
力調整手段で緩和し、加水分解領域における圧力の適圧
化を図ることを特徴とするものである。
【0014】請求項2の反応処理装置は、請求項1の方
法の実施に使用できるものであり、直列に連続した少な
くとも2個の反応領域を有する機体と、各反応領域を連
通し各反応領域の圧力の平均化を図る導通路とを具備す
ることを特徴とするものである。請求項3の反応処理装
置は、請求項1の方法の実施に使用できるものであり、
反応領域を有する機体と、容積可変の圧力室を備えた圧
力調整手段と、機体の反応領域と圧力調整手段の圧力室
とを連通し、反応領域における過圧を圧力室に導き反応
領域の過圧を抑制する導通路とを具備することを特徴と
するものである。
【0015】請求項4のシールリングは、請求項1の方
法の実施に使用できるものであり、機体の通路内に回転
可能に配置され通路内を塞いでその流路面積を減少させ
る回転体と、回転体に設けられ通路における回転体の上
流と下流とを連通する連通路と、連通路に設けられ通路
における回転体の上流と下流との差圧に基づき駆動し、
駆動に伴い連通路の開口量を調整する圧力応答式の閉鎖
部とを具備することを特徴とするものである。
【0016】
【作用】請求項1の方法で用いる材料は、加水分解可能
な熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを主要成分とするもの
であり、熱硬化性樹脂系の塗膜が熱可塑性樹脂の基材に
積層されたものを採用できる。塗膜は、アクリル・メラ
ミン系、アルキッド・メラミン系、ウレタン系等を採用
できる。例えば塗膜は主剤としてアルキッド樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキル樹脂等を用い硬化剤としてメラ
ミン等のアミノ樹脂を用いたものを採用できる。これら
は加水分解して三次元網目構造が破壊されて低分子量化
する塗膜である。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性をも
てば特に制限されるものではないが、たとえば、ポリプ
ロピレン、エラストマー変性ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹
脂などか挙げられる。なお加水分解条件に対して弱い樹
脂は好ましくない。
【0017】請求項1の方法によれば、加水分解領域に
おける過圧は圧力調整手段で緩和されるので、加水分解
領域における圧力の適圧化、安定化を図り得、これによ
り加水分解領域における温度が適正化する。圧力調整手
段としては、後述する実施例で例示する様に、圧力応答
式のピストン、球、弁、蛇腹構造等を備えたもの等を採
用できる。
【0018】請求項1の方法においては、加水分解は圧
力10〜100kgf/cm2 、樹脂温度も180〜2
80°Cで行い得、シリンダに供給する加水分解剤とし
ては水を採用できる。加水分解領域における水の形態
は、基本的には、加水分解領域における圧力と温度に応
じた形態となり、液状の水、水蒸気、液状の水及び水蒸
気が共存した形態が考えられる。加水分解領域が飽和蒸
気圧以上に保たれる際には、液状の水及び水蒸気の形態
で存在すると考えられる。水の添加量は樹脂材料100
重量部に対して7〜40重量部にできる。
【0019】また請求項2の装置によれば、反応領域は
少なくとも2個設けられており、各反応領域は互いに連
通するので、各反応領域における圧力は平均化され、局
部的な異状圧力や過圧は軽減または回避される。反応領
域は加水分解反応が生じる領域にできる。請求項3の装
置によれば、反応領域における過圧は圧力調整手段によ
り抑制される。
【0020】請求項4のシールリングによれば、通路に
おける回転体の上流と下流との差圧に基づき駆動する圧
力応答式の閉鎖部により、連通路の開口量は調整され、
その連通路を介して材料が下流側に流れるので、回転体
の上流と下流との差圧が緩和される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の各実施例を説明する。 (実施例1)本発明の実施例1を図1〜図3を参照して
説明する。以下、この例にかかる全体説明を先ず行い、
後で要部説明を行う。 <全体説明>実施例1で用いる押出装置をスクリュ列と
共に図1に模式的に示し、押出装置の横断面を図2に模
式的に示し、圧力特性を図3に示す。この例では二軸ス
クリュ押出装置(TEX44型:株式会社日本製鋼所
製)を用いる。二軸スクリュ押出装置は、スクリュ外径
44mm、2個並設したスクリュ列が同じ方向に回転す
る同方向回転式である。
【0022】この押出装置は、図1に示す様に、軸長方
向にのびる通路1aをもつ機体としてのシリンダ1と、
シリンダ1の通路1aの一端に形成され廃材からなる樹
脂材料を供給する供給口2と、シリンダ1の通路1aの
他端に形成され再生樹脂組成物が吐出される吐出口3
と、シリンダ1の通路1a内に水を供給する第1給水部
1k、第2給水部1m、第3給水部1nとを有する。
【0023】シリンダ1の通路1a内においては、スク
リュ列により上流から下流にかけてつまり矢印U1方向
に向けて供給口2から吐出口3に至る間に、溶融領域
4、加水分解領域5、脱気領域6、混練領域7、吐出口
3が直列に配置されている。図1に示す様に駆動軸1y
には順送りフルフライト50、逆送りフルフライト5
2、ニーディングディスク54、56、58等が直列に
適宜の組合せで配置されており、駆動軸1yが回転する
とこれらが回転する。供給口2の直下には、送給性の高
い順送りフルフライト50が配置されている。
【0024】この例では塗膜付き樹脂廃材である車両の
バンパを粉砕機で約5mm角の大きさに粉砕した粉砕品
0 を用いる。この粉砕品W0 からなる樹脂廃材は熱可
塑性樹脂であるポリプロピレンの表出面にアクリル・メ
ラミン系の塗膜が積層されたものである。粉砕品W0
時間当り50kg供給口2から通路1a内に供給する。
【0025】またこの例では第1給水部1k〜第3給水
部1nから通路1a内には、加水分解反応を行う水が供
給される。供給される水の合計量は、樹脂材料の100
重量部に対して10重量部である。この例では水は加水
分解に必要な量以上添加し、スクリュの剪断発熱による
樹脂材料の過度の発熱を抑制し、樹脂材料特に基材であ
る熱可塑性樹脂の熱劣化を防止する。
【0026】以下に各工程ごとのスクリュ列および作用
を記す。実施例1におけるシリンダ1の溶融領域4にお
けるスクリュ列は、2条ねじニーディングディスク5
4、56、58を組合せて構成されている。(図1参
照)。この工程ではスクリュ列の回転による剪断摩擦
と、ヒータにより加熱したシリンダ1からの伝熱によ
り、樹脂を溶融する。この時、樹脂材料の表面に付着し
ている塗膜はニーディングディスク54、56、58に
よる剪断摩擦によって機械的に破砕されて小さな切片と
なり表面積が増加するため、水や水蒸気と塗膜との接触
効率が向上する。このように小さな切片となった塗膜
は、溶融した樹脂中に分散して下流つまり加水分解領域
5に送給される。
【0027】シリンダ1の加水分解領域5では最上流側
と最下流側にそれぞれシールリング10、11を設けて
シール性を高めることにより、加水分解領域5の圧力を
高圧、即ち10〜100kgf/cm2 に維持する。こ
の様に高圧に維持するため、加水分解領域5における樹
脂温度は従来技術よりも高温領域である180〜280
°Cに維持できる。従って従来技術よりも高温領域での
加水分解が可能となり、加水分解反応を促進させて効率
よくなし得、加水分解時間を短縮し得る。
【0028】加水分解領域5は直列に配置された反応領
域5A、5B、5Cを含む。加水分解領域5Aにおける
スクリュ列20は、まず第1給水部1kの直下に順送り
ニーディングディスク54を組み、次に逆送りニーディ
ングディスク56、直交ニーディングディスク58を組
み合わせて構成されている。加水分解領域5Aにおける
スクリュ列30は、逆送りフライト52を上流側にシー
ルリング13を下流側に組み合わせて構成されている。
スクリュ列30を構成するシールリング13は、樹脂材
料の下流側への送給を抑制する抵抗体として機能する。
同様にスクリュ列30を構成する逆送りフライト52
も、樹脂材料の上流側への送給性があるので抵抗体とし
て機能する。この様な構成により、スクリュ列30とス
クリュ列20における空隙部分において樹脂材料が充填
され易くなり、これによりスクリュ列30とスクリュ列
20の空隙部分において樹脂充填率が高い高充填領域が
形成される。
【0029】上記した高充填領域よって、加水分解領域
5におけるシール性が高まり、圧力を高圧に保持するこ
とができる。これは後述する様に図3の特性線における
山部A1〜A3から理解できる。ちなみに樹脂材料の供
給量が時間当り50kgの場合、第1給水部1k付近の
通路1aの圧力は50〜60kg/cm2 であった。こ
の様に樹脂充填率が高い高充填領域を構成するスクリュ
列20、30と同様の組合せで図1のように直列に繰り
返して配置し、以て反応領域5B、反応領域5Cにおい
てもスクリュ列20、30は配置されている。そして送
給性が高くて送給手段として機能する順送りフルフライ
ト50(即ち、スクリュ列40)を、スクリュ列20、
30の上流側に配置し、樹脂材料の下流側への送給能力
を確保する。
【0030】なお逆送りフライト52等の様に送給性が
ないものの場合には、加水分解領域5における樹脂材料
の滞留時間を延長させることができ、加水分解時間を確
保し得る利点が得られる。この例では図1から理解でき
る様に、第1給水部1k、第2給水部1m、第3給水部
1nから水が加水分解領域5に供給される。供給された
水は、スクリュ列20、30の駆動により、溶融してい
る樹脂材料中に分散される。これにより樹脂材料に分散
されている細かな塗膜と液状の水あるいは水蒸気とが効
果的に接触することから、加水分解反応が効率よく起こ
り、スクリュ列20、30の混練作用により塗膜はその
分子鎖が切断され低分子量化し、溶融領域4で存在した
時よりもさらに細かくなる。
【0031】また加水分解領域5における圧力が飽和蒸
気圧以上に保たれている場合には、液状の水及び水蒸気
が樹脂材料中に存在しているものと考えられる。またシ
リンダ1の圧力が飽和蒸気圧よりも低圧に保たれている
場合には、高温に加熱された水は、水蒸気化する時間が
あれば、水蒸気として樹脂材料中に存在しているものと
考えられる。
【0032】この例では図1から理解できる様に、第1
給水部1kから水が加水分解領域5Aに供給され、第2
給水部1mから水が加水分解領域5Bに供給され、第3
給水部1nら水が加水分解領域5Cに供給される。この
様に給水部は前記した高充填領域と同数個装備されてい
る。加水分解を効果的に行うと共に、樹脂材料の過熱を
抑えるためである。しかも第1給水部1kは加水分解領
域5Aにおいてその上流側に配置され、第2給水部1m
は加水分解領域5Bにおいてその上流側に配置され、第
3給水部1nは加水分解領域5Cにおいてその上流側に
配置されている。その理由は、シリンダ1の軸長方向の
短縮化を図りつつ、各反応領域5A、5B、5Cにおい
て加水分解が行われる距離をできるだけ長く確保するた
めである。
【0033】シリンダ1の脱気領域6では第1給水部1
k、第2給水部1m、第3給水部1nより添加された水
分はベント穴1vよりシリンダ1外方に排出する。この
脱気工程ではシリンダ1の圧力が大気開放のため実質的
に大気圧となり、水は水蒸気としてベント穴1vより排
出される。さらに樹脂の分解成分の一部も蒸気とともに
排出される。このことは、塗膜が付着していない樹脂材
料で同様な試験を実施した場合には、ベント穴1vから
の排気物は透明であるが、当排気物は若干白色であるこ
とから証明される。
【0034】混練領域7におけるシリンダ1の温度を樹
脂の融点以下に設定している。この様に低温のため樹脂
材料の粘性が高くなり、スクリュによる剪断力が大きく
なり、これにより塗膜への機械的破砕力が増加し、低分
子量化した塗膜はさらに一層微細化される利点が得られ
る。混練領域7におけるスクリュ列は図1に示すごと
く、順送りフルフライト50、順送りニーディングディ
スク54、逆送りニーディングディスク56、直交ニー
ディングディスク58、さらに順送りフルフライト50
の順で構成した。
【0035】以上の様にして得られた再生樹脂組成物は
スクリーンメッシュを通してシリンダ1の吐出口3のダ
イスからストランドとして吐出され、水により冷却さ
れ、ストランドカッター(図示せず)にて長さ約3mm
に切断され、ペレット化される。なおこの例では再生に
要する処理時間(滞留時間)は2〜3分間程度と短時間
である。 <要部説明>この例では図1に示す様に第1導通路1r
の一端は加水分解領域5Aにおいて順送りフルフライト
50の上方に接続されている。第2導通路1sの一端は
加水分解領域5Bにおいて順送りフルフライト50の上
方に接続されている。第3導通路1tの一端は加水分解
領域5Cにおいて順送りフルフライト50の上方に接続
されている。各導通路1r、1s、1tが順送りフルフ
ライト50の上方に配置されているのは、順送りフルフ
ライト50は下流側への送給能力が高いため、順送りフ
ルフライト50における樹脂充填率は低く、そのため各
導通路1r、1s、1tへの樹脂の進入を回避し易いか
らである。また図2に示す様に通路1aは横断面におい
て『∞』状をなしており、互いに連設された第1通路1
1 と第2通路1a2 とからなる。そして図2に示す様
に第1導通路1rの先端開口1uは、第2通路1a2
上部内壁面において、第1通路1a1 と第2通路1a2
との境界域に寄せて、かつほぼ直交する様に形成されて
いる。その理由は、図2から理解できる様に並設された
フルフライト50の位相が90°ずれているため、フル
フライト50が並設状態で回転しても開口1u付近の空
洞容積変化は少なく、そのため開口1u付近の高圧化が
抑制され、溶融樹脂が第1導通路1rに進入することを
抑制できるからである。第2導通路1s、第3導通路1
tも同様な構造にされている。
【0036】更にこの例では図1に示す様に圧力調整手
段60が設けられている。図1においては圧力調整手段
60は図面作成の便宜上シリンダ1に比較して拡大して
示されている。圧力調整手段60はシリンダ1に対して
別体としてまたは一体的に装備されている。圧力調整手
段60は、室60aをもつハウジング60bと、室60
a内に矢印M1、M2方向にスライド可能に配置され室
60aを圧力室60dとバネ室60eとに区画するピス
トン60fと、ピストン60fに連設された駆動確認ロ
ッド60hと、ピストン60fに装備されたリング状の
シール60iと、ハウジング60bに装備されたシール
60jと、バネ室60eに配置されピストン60fを矢
印M1方向に付勢するバネ60kと、バネ室60eに配
置され押圧部60mと、押圧部60mに連設された雄螺
子60nをもつ調整ロッド60pと、調整ロッド60p
の雄螺子60nに螺合する調整ナット60rと、圧力P
nをバネ室60eに補充する補充口60sとを備えてい
る。
【0037】圧力室60d側のピストン60fの端面の
受圧面積に基づく受圧力をF1とし、バネ60kの付勢
力及び補充圧Pn の和をF2とすると、ピストン60f
の駆動力はF1とF2との差に起因する。なお場合によ
っては補充口60s、圧力P n は廃止しても良い。ここ
で、調整ナット60rを緩めて調整ロッド60pをその
軸長方向に移動させれば、バネ60kによる付勢力を調
整できる。圧力調整手段60の圧力室60dは第1導通
路1r、第2導通路1s、第3導通路1tに共通路1w
を介して連通している。
【0038】この例ではシリンダ1の通路1aの加水分
解領域5において過圧すなわち急激な圧力変動が生じる
と、導通路1r、1s、1t自体の容積では緩和しきれ
ないため、その圧力に応じてピストン60fが矢印M
1、M2方向に駆動する。この様にピストン60fが駆
動すると圧力室60dの容積が可変することで圧力変動
が緩和される。
【0039】即ち、加水分解領域5における圧力は導通
路1r、1s、1tを介して圧力調整手段60の圧力室
60dに作用する。ピストン60fの受圧力F1がF2
に打ち勝つと、ピストン60fがバネ60kに抗して矢
印M2方向に移動し、これにより圧力室60dの容積が
大きくなり、加水分解領域5における過圧は緩和され
る。また加水分解領域5において急激な圧力低下が生じ
た場合には、ピストン60fはバネ60kの付勢力によ
り矢印M1方向に移動し、同様に圧力変動は緩和され
る。これにより加水分解領域5における圧力の適圧化、
即ち圧力の脈動の軽減を期待できる。
【0040】図3はシリンダ1の通路1aの軸長方向に
おける圧力特性を示す。縦軸が圧力で横軸が通路1aの
長さを示す。脱気工程6では大気開放のため圧力が低い
ものである。ここで図3の特性線T3、T4は加水分解
領域5の特性を示し、特性線T3は圧力調整した場合を
示し、特性線T4は圧力調整しない場合を示す。特性線
T4から理解できる様に過圧部としての山部A1、A
2、A3、谷部B1、B2、B3を呈する。山部A1、
A2、A3は下流への抵抗性の高いシールリング13、
逆送給性をもつ逆送りフライト52の影響によるもの、
供給された水の蒸気化の影響によるもの等と考えられ
る。谷部B1、B2、B3は送給能力の高い順送りフル
フライト50の影響によるものと考えられる。特性線T
3、T4から理解できる様にこの例では加水分解領域5
における圧力変動は緩和される。この結果、加水分解条
件の安定化が図られる。
【0041】またこの例では図1から理解できる様に第
1導通路1r、第2導通路1s、第3導通路1tは互い
に連通しているので、加水分解領域5A、5B、5Cに
おける圧力は平均化し易いため、圧力変動の軽減に一層
貢献できる。更に、この例では圧力調整手段60ではピ
ストン60fの移動につれて駆動確認ロッド60hが前
進後退するので、駆動確認ロッド60hの前進後退量の
目視や測定によって、加水分解領域5における過圧状況
や圧力の緩和状況を把握できる利点が得られる。この場
合、過圧状況や圧力の緩和状況に応じて、供給口2への
投入量を変更する等処理条件を変更したり、調整ナット
60rを緩めて調整ロッド60pを移動させてバネ60
kの付勢力を調整したりできる。
【0042】(実施例2)実施例2を図4及び図5に示
す。この例の構成は基本的には実施例1と同様であり、
従って基本的には実施例1と同様の作用効果を奏する。
この例でも第1導通路1r、第2導通路1s、第3導通
路1tは互いに連通している。よって直列に配置されて
いる加水分解領域5の各反応領域5A、5B、5Cにお
ける圧力の平均化を図り得る。
【0043】更に、この例では第1導通路1r、第2導
通路1s、第3導通路1tの一端側には箱部63が設け
られている。箱部63にはヒータ64が装備されてい
る。加水分解領域5において過圧が発生した際には、箱
部63による圧力緩和作用が期待できる。従ってこの例
では導通路1r、1s、1t、箱部63が圧力調整手段
として機能する。
【0044】この例では第1導通路1r、第2導通路1
s、第3導通路1tに樹脂が進入しようとしても、その
樹脂は箱部63の室空間に収納されるので、流路面積の
小さな第1導通路1r、第2導通路1s、第3導通路1
tにおける樹脂詰まりを回避し易い。更にヒータ64を
駆動させれば、箱部63の室空間に収納された樹脂を溶
融させ得、導通路1r、1s、1tの機能の確保に有利
である。
【0045】(実施例3)実施例3の要部を図6に示
す。この例の構成は基本的には実施例2と同様であり、
従って基本的には実施例2と同様の作用効果を奏する。
但しこの例では箱部65は蛇腹部65cをもち伸縮自在
とされ、蛇腹部65cの伸縮に伴い容積を変化させ得る
ため、導通路1r、1s、1tに進入しようとする樹脂
を収納するのに一層有利である。この箱部65に前述同
様にヒータを装備することもできる。
【0046】(実施例4)実施例4の要部を図7に示
す。この例の構成は基本的には実施例1と同様であり、
基本的には実施例1と同様の作用効果を奏する。但しこ
の例ではコンプレッサ等の圧力源68aが装備されてい
る。圧力源68aはレリーフバルブ68b、逆止弁68
c、圧力計68eを介して、更に、第1導通路1r、第
2導通路1s、第3導通路1tを介して加水分解領域5
に接続されている。従って圧力源68aから所定の設定
圧P4が加水分解領域5に作用する。なお設定圧P4
は、シールリング10、11間の圧力よりも小さく設定
する。
【0047】この例では、設定圧P4が加水分解領域5
に常時作用しているので、加水分解領域5での大きな圧
力低下が防止される。従って加水分解領域5における温
度の維持に有利であり、加水分解反応の低下を抑制でき
る。この例においても前記した圧力調整手段60が装備
されているため、加水分解領域5における圧力変動は圧
力調整手段60で前述の様に緩和される。
【0048】(実施例5)実施例5の要部を図8、図9
に示す。シールリング70は、駆動軸1yに連結されて
通路1a内に回転可能にかつ同軸的に配置されている。
シールリング70は、通路1a内を塞いでその流路面積
を大きく減少させるものである。図9に示す様に、シー
ルリング70を構成する回転体70aには連通路71が
軸長方向に形成されている。連通路71は、回転体70
aの上流M1と下流M2とを連通するものである。連通
路71は小径路71aと円錐路71bと大径路71cと
からなる。大径路71cには圧力応答式の閉鎖部として
の球72、ストッパ73、バネ74が装備されている。
通常の状態では球72はバネ74の付勢力で矢印K2方
向に付勢され円錐路71bの壁面に着座しており、連通
路71を閉鎖している。シールリング70とシリンダ1
の通路1aの内壁面との間には、通常の状態の際に樹脂
材料が流れる流路76が形成されている。
【0049】そして、通路1aにおいて回転体70aの
上流M1側の圧力と下流M2側の圧力との差圧に基づ
き、球72がバネ74の付勢力に抗して矢印K1方向に
移動し、連通路71の開口量を大きくする。これにより
上流M1側の溶融状態の樹脂は流路76を通過する他
に、連通路71をも通過することができるので、シール
リング70の上流M1と下流M2との圧力差が緩和また
は解消され、圧力むら及び流量むらが調整される。した
がって加水分解領域5における加水分解条件の安定化に
有利である。この例では連通路71、球72、バネ74
は圧力調整手段として機能する。この様な圧力調整手段
を備えたシールリング70は、加水分解処理を行わない
通常の押出装置にも適用できることは勿論である。
【0050】ところでシリンダ1の周囲やシリンダ1の
壁体の内部には、樹脂を溶融するヒータが埋設されてい
るのが一般的である。この点この例の様にシールリング
70の内部に圧力調整手段を装備すれば、設計の際にヒ
ータとの干渉を考慮せずとも良い利点が得られる。なお
押出装置の使用終了に伴い、連通路71に樹脂が固化状
態で残留するが、押出装置の再度の使用に伴い、通路1
a内は高温となるので、残留固化した樹脂は溶融する。
【0051】(実施例6)実施例6の要部を図10に示
す。この例は図10に示す例と基本的には同様の構成で
あり、図10に示す同様の効果を奏する。シールリング
75を構成する回転体75aには連通路78が形成され
ている。連通路78は、回転体75aの上流M1と下流
M2とを連通するものである。連通路78は軸直角方向
にのびる第1路78aと軸長方向にのびる第2路78b
とを備えている。第1路78aには圧力応答式の閉鎖部
としてのピストン79、バネ80、ストッパピン81が
装備されている。更にバネ80側と流路76とを連通す
る負圧抑制路76wが形成されている。通常の状態では
バネ80の付勢力でピストン79はストッパピン81に
当たり、連通路78の第2路78bを閉鎖している。
【0052】ピストン79の端面79tの受圧面積に基
づく受圧力をF5とし、バネ80の付勢力をF6とする
と、ピストン79の駆動力はF5とF6との差に起因す
る。従って、シールリング75の上流M1側の圧力が下
流M2側の圧力よりも高くなりF5がF6に打ち勝った
場合には、ピストン79がバネ80の付勢力に抗して矢
印K4方向に移動し、連通路78の第2路78bの開口
量を大きくする。これにより上流M1側の溶融状態の樹
脂は連通路78をも通過することができるので、シール
リング75の上流M1と下流M2との圧力差が緩和また
は解消され、圧力むら及び流量むらが調整される。した
がって加水分解領域5における加水分解条件の安定化に
有利である。
【0053】この例では連通路78、ピストン79、バ
ネ80は圧力調整手段として機能する。この様な圧力調
整手段を備えたシールリング75は、加水分解処理を行
わない通常の押出装置にも適用できることは勿論であ
る。 (実施例7)実施例7の要部を図11、図12に示す。
シールリング84は、駆動軸1yに固定された回転体8
4aと、回転体84aにストッパ84xを介して嵌合さ
れ軸長方向つまり矢印N1、N2方向に移動可能なリン
グ状をなす可動リング84bとからなる。回転体84a
の径外方向に延設された延設部84fには第1連通路8
5xが軸長方向に形成され、更に閉鎖部としての円錐ロ
ッド86が保持されている。可動リング84bには円錐
状の第2連通路85yが形成されている。延設部84f
と可動リング84bとの間にバネ87が介装され、バネ
87の付勢力により可動リング84bは矢印N2方向に
付勢されており、これにより通常の使用状態においては
図11に示す様に可動リング84bの第2連通路85y
の円錐状の内壁面と円錐ロッド86の円錐面とが密着
し、第2連通路85yは閉鎖されている。
【0054】上流M1側と下流M1側との差圧及び可動
リング84bの受圧面積に基づく可動リング84bの受
圧力をF7とし、バネ87の付勢力をF8とすると、可
動リング84bの駆動力はF7とF8との差に起因す
る。そしてシールリング84の上流M1側と下流M2側
との差圧に基づき、可動リング84bがバネ87の付勢
力に抗して可動リング84bは矢印N1方向に移動し、
第2連通路85yの開口量を大きくする。これにより上
流M1側の溶融状態の樹脂は第2連通路85y及び第1
連通路85xを通過することができるので、圧力差が緩
和され、圧力むら及び流量むらが調整される。したがっ
て加水分解領域5における加水分解条件の安定化に有利
である。なお可動リング84bの軸長方向にのびるスラ
イド部84kが回転体84aの外周面84rにそって嵌
合しつつ移動するものである。
【0055】この例では連通路85、可動リング84
b、円錐ロッド86、バネ87は圧力調整手段として機
能する。この様な圧力調整手段を備えたシールリング8
4は、加水分解処理を行わない通常の押出装置にも適用
できることは勿論である。 (実施例8)実施例8の要部を図13、図14に示す。
この例ではシリンダ1の壁の内部に主導通路90を軸長
方向に延ばして形成し、更に副導通路91及び副導通路
92により主導通路90と通路1aとを連通させる。主
導通路90にストッパ94及び栓95が装備され、更に
主導通路90には閉鎖部としての球96が矢印L1、L
2方向に移動可能に装備されており、更に主導通路90
には第1バネ97、第2バネ98が装備されている。副
導通路91及び副導通路92は互いに逆方向に傾斜して
いるので、両者の開口91f、92fは互いに遠ざかる
ことができ、上流M1と下流M2との間の距離を長くす
るのに有利である。
【0056】上流M1側が下流M2側よりも高圧の場合
には、球96が第2バネ98を弾性収縮させつつ矢印L
1方向に移動するので、溶融した樹脂は副導通路91を
通過して主導通路90に至り、更に副導通路92から通
路1aに戻り、これにより上流M1側の圧力が緩和され
る。この様にシリンタ1の壁体の内部に設けた球96、
第1バネ97、第2バネ98が圧力調整手段として機能
する。この様な圧力調整手段を備えたシリンダ1は、加
水分解処理を行わない通常の押出装置にも適用できるこ
とは勿論である。
【0057】なお押出装置の使用終了に伴い、主導通路
90、副導通路91及び副導通路92で樹脂が固化して
残留するが、押出装置の再度の使用に伴い、通路1a内
は高温となるので、残留固化した樹脂は排出される。更
に主導通路90の近傍にヒータを装備した場合には、主
導通路90の樹脂の溶融に一層有利である。 (実施例9)実施例9の要部を図15に示す。この例で
も図13に示した実施例と基本的には同様の構成であ
り、従って同様の作用効果を奏する。この例でもシリン
ダ1の壁の内部に主導通路90を軸長方向に延ばして形
成し、更に副導通路91及び副導通路92により主導通
路90と通路1aとを連通させる。主導通路90に主導
通路90には閉鎖部としてのピストン99が矢印L1、
L2方向に移動可能に装備されており、更に主導通路9
0にはバネ98、蓋95が装備されている。
【0058】上流M1側が下流M2側よりも高圧の場合
には、ピストン99がバネ98を弾性収縮させつつ矢印
L1方向に移動するので、溶融した樹脂は副導通路91
を通過して主導通路90に至り、更に副導通路92から
通路1aに戻り、これにより上流M1側の圧力が緩和さ
れる。この様な圧力調整手段を備えたシリンダ1は、加
水分解処理を行わない通常の押出装置にも適用できるこ
とは勿論である。
【0059】(他の例)その他、本発明に係る方法、装
置及びシールリングは上記しかつ図面に示した実施例の
みに限定されるものではなく、例えば加水分解条件は上
記した条件に限定されるものではなく、またシリンダ1
におけるスクリュ配列も図1に示す形態に限定されるも
のではなく、要旨を逸脱しない範囲内で必要に応じて適
宜変更して実施し得るものである。
【0060】
【発明の効果】請求項1の方法によれば、加水分解領域
における過圧を軽減または回避できて圧力の適正化、安
定化を図り得、これにより加水分解領域における温度が
適正化、安定化し、以て加水分解条件の適正化、安定化
が図れる。従って塗膜等の熱硬化性樹脂の加水分解反応
が良好に行われ、これにより加水分解領域における熱硬
化性樹脂の低分子量化が良好に実施され、高品位の再生
樹脂組成物を得るのに有利となる。
【0061】請求項2の装置によれば、各反応領域の圧
力は平均化されて局部的な過圧は軽減または回避され
る。従って請求項2の装置を加水分解を行う装置に適用
すれば、加水分解領域となる反応領域の圧力の適圧化、
安定化を図り得、これにより温度等の加水分解条件が適
正化、安定化し、高品位の再生樹脂組成物を得るのに一
層有利となる。
【0062】請求項3の装置によれば、反応領域におけ
る過圧は圧力調整手段により抑制され、反応領域におけ
る温度も適正化、安定化する。従って請求項3の装置を
加水分解を行う装置に適用すれば、加水分解領域となる
反応領域の圧力の適圧化、安定化を図り得、これにより
温度等の加水分解条件が適正化、安定化し、高品位の再
生樹脂組成物を得るのに一層有利となる。
【0063】請求項4のシールリングによれば、シール
リングの上流側と下流側との差圧に基づき、連通路の開
口量は調整されるので、シリンダの通路における圧力の
適正化、安定化が図られる。従って請求項4のシールリ
ングを加水分解を行う装置に適用すれば、加水分解の際
の圧力の適正化、安定化を図り得、これにより温度等の
加水分解条件が適正化、安定化し、高品位の再生樹脂組
成物を得るのに一層有利となる。更にシールリング自体
に圧力調整手段が装備されているので、シリンダ壁の外
方から緩和せずとも良く、シリンダ壁に埋設されるヒー
タとの干渉を考慮せずとも良い利点が得られる。
【0064】請求項2、請求項3に係る装置、請求項4
に係るシールリングは、加水分解反応を行わない通常の
押出装置等にも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のシリンダのスクリュ配列、圧力調整
手段を示す構成図である。
【図2】図1に示すシリンダの横断面図である。
【図3】実施例1のシリンダの圧力特性を示すグラフで
ある。
【図4】実施例2のシリンダのスクリュ配列、圧力調整
手段を示す構成図である。
【図5】図4に示す箱部付近におけるシリンダの横断面
図である。
【図6】実施例3の箱部を模式的に示す断面図である。
【図7】実施例4のシリンダのスクリュ配列、圧力調整
手段を示す構成図である。
【図8】実施例5のシールリング付近におけるシリンダ
の横断面図である。
【図9】実施例5のシールリング付近の要部における拡
大断面図である。
【図10】実施例6のシールリング付近の要部における
拡大断面図である。
【図11】実施例7のシールリング付近の要部における
閉鎖状態の拡大断面図である。
【図12】実施例7のシールリング付近の要部における
開放状態の拡大断面図である。
【図13】実施例8の圧力調整手段付近を示す断面図で
ある。
【図14】実施例8のシリンダの横断面図である。
【図15】実施例9の圧力調整手段付近を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
図中、1はシリンダ、1aは通路、5は加水分解領域、
1rは第1導通路、1sは第2導通路、1tは第3導通
路、60は圧力調整手段、60fはピストン、63は箱
部、70はシールリング、71は連通路、72は球、7
4はバネ、75はシールリング、78は連通路、79は
ピストン、80はバネ、84はシールリング、85xは
第1連通路、85yは第2連通路、86は円錐ロッド、
87はバネ、90は主導通路、91、92は副導通路、
球96を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部に高圧に維持される加水分
    解領域を備えると共に材料が吐出される吐出口を備えた
    通路を有する機体と、該機体の加水分解領域における過
    圧を緩和可能な圧力調整手段とを用い、 該機体の通路に供給した加水分解可能な熱硬化性樹脂を
    含む材料を該通路の上流から下流に送給すると共に、該
    通路の加水分解領域において材料の熱硬化性樹脂を加水
    分解反応させる工程と、 加水分解した材料を該機体の吐出口から吐出する工程と
    を実施する反応処理方法であって、 該加水分解領域における過圧を圧力調整手段で緩和し、
    該加水分解領域における圧力の適圧化を図ることを特徴
    とする反応処理方法。
  2. 【請求項2】直列に連続した少なくとも2個の反応領域
    を有する機体と、 各該反応領域を連通し各該反応領域の圧力の平均化を図
    る導通路とを具備することを特徴とする反応処理装置。
  3. 【請求項3】反応領域を有する機体と、 容積可変の圧力室を備えた圧力調整手段と、 該機体の反応領域と該圧力調整手段の圧力室とを連通
    し、該反応領域における過圧を該圧力室に導き該反応領
    域の過圧を抑制する導通路とを具備することを特徴とす
    る反応処理装置。
  4. 【請求項4】機体の通路内に回転可能に配置され該通路
    内を塞いでその流路面積を減少させる回転体と、 該回転体に設けられ該通路における回転体の上流と下流
    とを連通する連通路と、 該連通路に設けられ該通路における該回転体の上流と下
    流との差圧に基づき駆動し、駆動に伴い該連通路の開口
    量を調整する圧力応答式の閉鎖部とを具備することを特
    徴とするシールリング。
JP27265693A 1993-10-29 1993-10-29 反応処理方法、反応処理装置及びシールリング Pending JPH07126429A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27265693A JPH07126429A (ja) 1993-10-29 1993-10-29 反応処理方法、反応処理装置及びシールリング

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27265693A JPH07126429A (ja) 1993-10-29 1993-10-29 反応処理方法、反応処理装置及びシールリング

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07126429A true JPH07126429A (ja) 1995-05-16

Family

ID=17516968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27265693A Pending JPH07126429A (ja) 1993-10-29 1993-10-29 反応処理方法、反応処理装置及びシールリング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07126429A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111808318A (zh) * 2020-08-22 2020-10-23 广州万容材料科技有限公司 一种可降解环保塑料设备

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111808318A (zh) * 2020-08-22 2020-10-23 广州万容材料科技有限公司 一种可降解环保塑料设备
CN111808318B (zh) * 2020-08-22 2021-11-09 广州万容材料科技有限公司 一种降解密度大于水的环保塑料设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2595455A (en) Extruder
JP2963380B2 (ja) 熱可塑性樹脂の造粒方法および造粒装置
KR102306132B1 (ko) 스퀴징-롤러 조립기, 스퀴징-롤러를 포함하는 조립 시스템 및 스퀴징-롤러 조립기의 용도
EP0007752B1 (en) Plastics extrusion apparatus and method of extruding plastics
KR20060015360A (ko) 펠렛제조기의 유수 가이드
JP3678441B2 (ja) 熱可塑性合成樹脂またはゴム用の押出し機の溶融物シール装置
JPH0454573B2 (ja)
CN102026791A (zh) 空心颗粒的挤出方法和设备
KR102419982B1 (ko) 마스터 뱃치 제조용 플라스틱 압출 시스템
CN107775925A (zh) 聚氯乙烯的加工方法
JPH07126429A (ja) 反応処理方法、反応処理装置及びシールリング
FR2859659A1 (fr) Procede et extrudeuse pour fabriquer une matiere plastique syntactique
JPH11513626A (ja) 押出機
EP3549738B1 (de) Verfahren zur herstellung von kugelförmigen polymerpartikeln, und darauf bezogene verwendung
US20150233413A1 (en) Liner for a string trimmer transmission assembly
WO2002057065A1 (fr) Extrudeuse degazeuse
JP2013528515A (ja) 混合及び/又は可塑化により材料を処理する装置
EP1334813A1 (en) Low turbulent flow high speed cutter knife
FR2500013A1 (fr) Procede et appareil pour filer les fibres
US6286988B1 (en) Extrusion head having toothed wheels with mixing device and adjustable shear effect
JP6758790B2 (ja) 発泡成形用の射出成形機のスクリュおよび射出成形機
DE3227983A1 (de) Beschickungseinrichtung fuer plastverarbeitungsmaschinen, insbesondere extruder
AU2006207806B2 (en) Strand shaping part and method for starting the same
JP2011088332A (ja) ハングリー成形装置
US4859069A (en) Extrusion apparatus