JPH07126243A - チオグリセロール誘導体 - Google Patents

チオグリセロール誘導体

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JPH07126243A
JPH07126243A JP6216427A JP21642794A JPH07126243A JP H07126243 A JPH07126243 A JP H07126243A JP 6216427 A JP6216427 A JP 6216427A JP 21642794 A JP21642794 A JP 21642794A JP H07126243 A JPH07126243 A JP H07126243A
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JP
Japan
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group
acid
reaction
compound
formula
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Abandoned
Application number
JP6216427A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Aono
哲也 青野
Kouichi Yukishige
浩一 幸重
Seiichi Tanida
清一 谷田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】免疫増強剤および血小板減少症予防・治療剤と
して有用な化合物を提供する。 【構成】一般式I 〔式中、R1およびR2は、置換カルバモイル基またはア
シル基で少なくとも一方が置換カルバモイル基を、R3
およびR4は同一または異って水素またはアルキル基
を、R5は保護されていてもよいアミノ基を、Xはカル
ボニル基,スルホニル基または式−CONH−(C
2n−NHCO−で表される基(nは1〜10の整
数)を、Yは保護基を有していてもよい1〜7個のアミ
ノ酸からなりスルホン酸アミド結合を介していてもよい
アミノ酸配列を示す〕で表わされる化合物またはその
塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規チオグリセロール誘
導体に関する。本発明のチオグリセロール誘導体は、免
疫増強作用を示し、例えば種々の原因によって引き起こ
される白血球減少症、白血球の減少に起因する疾患、骨
髄細胞や白血球の増加を必要とする疾患、血小板減少
症、血小板の減少に起因する疾患、治療上巨核球や血小
板の増加を必要とする疾患等の予防・治療剤等の治療剤
として有用である。
【0002】
【従来の技術】白血球増加活性を有するチオグリセロー
ル化合物としては、特開平4−46194号公報には、
下式で示されるWS−1279A物質が記載されてい
る。
【化4】 またWS−1279Aの合成に関しては、津田ら〔ケミ
カル・ファルマシウチカル・ビュレチン(Chem. Pharm.
Bull.),39巻,607〜611頁(1991年)。〕
および阿知波ら〔特開平4−99796号公報,ケミカ
ル・ファルマシウチカル・ビュレチン(Chem. Pharm. B
ull.),39巻,2590〜2596頁(1991
年),ペプチド・ケミストリー(Peptide Chemistry),
361〜366頁(1991年)。〕により報告されてい
る。その他、特開昭54−9224号公報,特公昭63
−60760号公報,特開昭59−139348号公
報,特開平2−6410号公報,特開平4−9397号
公報等には、チオグリセロール化合物の記載があるが、
いずれも白血球増加活性に関する記載はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】癌に対する化学治療法
や放射線療法を実施すると、患者に重篤な白血球減少症
が引き起こされ、これによって、感染やその他の諸疾患
に対する抵抗力が衰え、十分な治療効果が得られなくな
ることが治療上の大きな問題となっている。このため、
白血球数の回復を促進する薬剤が切望されている。ま
た、骨髄移植による治療、骨髄異形成症候群や再生不良
性貧血症等の治療に於いても白血球を速やかに回復させ
る事のできる薬剤が求められている。さらに、骨髄移植
後の血小板減少症や血小板減少を伴う自己免疫疾患、例
えば再生不良性貧血症、突発性血小板減少性紫斑点症等
の分野などでもこの種の薬剤を用い得る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、種々の化合物をデザイン・合成し、それらの
白血球減少回復活性を調べた。その結果、チオグリセロ
ール誘導体が、マウスの骨髄細胞の増加を促進し、末梢
血の白血球数を増加させ、免疫を増強させることを見出
した。これらの知見に基づき、更に研究を重ねた結果、
本発明を完成した。すなわち本発明は、(1)一般式
【化5】 〔式中、R1およびR2は、置換カルバモイル基またはア
シル基で少なくとも一方が置換カルバモイル基を、R3
およびR4は同一または異って水素またはアルキル基
を、R5は保護されていてもよいアミノ基を、Xはカル
ボニル基,スルホニル基または式−CONH−(C
2n−NHCO−で表される基(nは1〜10の整
数)を、Yは保護基を有していてもよい1〜7個のアミ
ノ酸からなりスルホン酸アミド結合を介していてもよい
アミノ酸配列を示す〕で表わされる化合物またはその
塩、(2)アシル基が炭素数6から26の脂肪族アシル
基である第1項記載の化合物、(3)置換カルバモイル
基における置換基が炭素数4から24の脂肪族炭化水素
基である第1項記載の化合物、(4)R3およびR4が水
素である第1項記載の化合物、(5)Yで示されるアミ
ノ酸配列が1〜5個のアミノ酸からなる第1項記載の化
合物、(6)一般式
【化6】 〔式中、R1およびR2は、置換カルバモイル基またはア
シル基で少なくとも一方が置換カルバモイル基を、R3
およびR4は同一または異って水素またはアルキル基
を、R5は保護されていてもよいアミノ基を、Xはカル
ボニル基,スルホニル基または式−CONH−(C
2n−NHCO−で表される基(nは1〜10の整
数)を示す〕で表わされる化合物またはその塩と一般式 H−Y 〔III〕 〔式中、Yは保護基を有していてもよい1〜7個のアミ
ノ酸からなりスルホン酸アミド結合を介していてもよい
アミノ酸配列を示す〕で表わされる化合物またはその塩
とを縮合反応させ、ついで所望により脱保護基反応に付
すことを特徴とする第1項記載の化合物の製造法、
(7)一般式
【化7】 〔式中、R3およびR4は同一または異って水素またはア
ルキル基を、R5は保護されていてもよいアミノ基を、
Xはカルボニル基,スルホニル基または式−CONH−
(CH2n−NHCO−で表される基(nは1〜10の
整数)を、Yは保護基を有していてもよい1〜7個のア
ミノ酸からなりスルホン酸アミド結合を介していてもよ
いアミノ酸配列を示す〕で表わされる化合物またはその
塩をカルバモイル化反応またはアシル化およびカルバモ
イル化反応に付し、ついで所望により脱保護基反応に付
すことを特徴とする第1項記載の化合物の製造法、
(8)第1項記載の化合物を含有してなる免疫増強剤、
および(9)第1項記載の化合物を含有してなる血小板
減少症予防・治療剤に関する。
【0005】一般式〔I〕において、R1およびR2で表
わされる置換カルバモイル基における置換基は、好まし
くは直鎖もしくは分枝状または飽和もしくは不飽和の炭
化水素基である。該炭化水素基としては、例えば炭素数
4〜24の脂肪族炭化水素基(例、ブチル,ペンチル,
ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ノニル,デシル,ウン
デシル,ドデシル,トリデシル,テトラデシル,ペンタ
デシル,ヘキサデシル,ヘプタデシル,オクタデシル,
ノナデシル,エイコシル等の直鎖アルキル基,3,7,1
1−トリメチルドデシル,3,7,11,15−テトラメ
チルヘキサデシル,12−シクロヘキシルドデシル等の
分枝状アルキル基,ゲラニル,ファルネシル,ゲラニル
ゲラニル,4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリ
デカトリエニル等のアルケニル基等)が挙げられる。上
記置換基は、さらに好ましくは炭素数8〜22の脂肪族
炭化水素基(例、オクチル,ノニル,デシル,ウンデシ
ル,ドデシル,トリデシル,テトラデシル,ペンタデシ
ル,ヘキサデシル,ヘプタデシル,オクタデシル,ノナ
デシル,エイコシル等の直鎖アルキル基,3,7,11−
トリメチルドデシル,3,7,11,15−テトラメチル
ヘキサデシル,12−シクロヘキシルドデシル等の分枝
状アルキル基,ゲラニル,ファルネシル,ゲラニルゲラ
ニル,4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカ
トリエニル等のアルケニル基等)である。上記置換基
は、特に好ましくは炭素数10〜20の脂肪族炭化水素
基(例、デシル,ウンデシル,ドデシル,トリデシル,
テトラデシル,ペンタデシル,ヘキサデシル,ヘプタデ
シル,オクタデシル,ノナデシル,エイコシル等の直鎖
アルキル基,3,7,11−トリメチルドデシル,3,7,
11,15−テトラメチルヘキサデシル,12−シクロ
ヘキシルドデシル等の分枝状アルキル基,ゲラニル,フ
ァルネシル,ゲラニルゲラニル,4,8,12−トリメチ
ル−3,7,11−トリデカトリエニル等のアルケニル基
等)である。
【0006】一般式〔I〕において、R1,R2で表わさ
れるアシル基としては、例えば飽和または不飽和の脂肪
族アシル基が挙げられる。該アシル基は、好ましくは炭
素数6〜26の脂肪族アシル基(例、オクタノイル,ド
デカノイル,トリデカノイル,テトラデカノイル,ペン
タデカノイル,ヘキサデカノイル,ヘプタデカノイル,
オクタデカノイル,ノナデカノイル,ノコサノイル,テ
トラコサノイル,ミリストレオイル,オレオイル,パル
ミトレオイル,エテイドイル,シス,シス−9,12−
オクタデカジエノイル,9,12,15−オクタデカトリ
エノイル,9,11,13−オクタデカトリエノイル,
5,8,11,14−イコサテトラエノイル,シス−15
−テトラコサエノイル基等)である。上記アシル基は、
さらに好ましくは炭素数8〜24の脂肪族アシル基
(例、オクタノイル,ドデカノイル,トリデカノイル,
テトラデカノイル,ペンタデカノイル,ヘキサデカノイ
ル,ヘプタデカノイル,オクタデカノイル,ノナデカノ
イル,ノコサノイル,テトラコサノイル,ミリストレオ
イル,オレオイル,パルミトレオイル,エテイドイル,
シス,シス−9,12−オクタデカジエノイル,9,1
2,15−オクタデカトリエノイル,9,11,13−オ
クタデカトリエノイル,5,8,11,14−イコサテト
ラエノイル,シス−15−テトラコサエノイル基等)で
ある。上記アシル基は、特に好ましくは炭素数10〜2
0の脂肪族アシル基(例、ドデカノイル,トリデカノイ
ル,テトラデカノイル,ペンタデカノイル,ヘキサデカ
ノイル,ヘプタデカノイル,オクタデカノイル,ノナデ
カノイル,ノコサノイル,ミリストレオイル,オレオイ
ル,パルミトレオイル,エテイドイル,シス,シス−
9,12−オクタデカジエノイル,9,12,15−オク
タデカトリエノイル,9,11,13−オクタデカトリエ
ノイル,5,8,11,14−イコサテトラエノイル,シ
ス−15−テトラコサエノイル基等)である。
【0007】上記したR1,R2で表わされる置換カルバ
モイル基における置換基およびアシル基は、さらに置換
基を有していてもよい。このような置換基としては、例
えばハロゲン原子(例、フッ素,塩素など)などが挙げ
られる。
【0008】一般式〔I〕において、R3またはR4で表
わされるアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル
基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピ
ル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,ペンチル,イ
ソペンチル,1−エチルプロピル,ヘキシル,イソヘキ
シル基等)が好ましい。上記アルキル基は、さらに好ま
しくは炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル,エ
チル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,
sec−ブチル基等)である。上記アルキル基は、特に好
ましくはメチルまたはエチルである。
【0009】一般式〔I〕において、R5で表される保
護されていてもよいアミノ基における保護基としては、
例えばウレタン型保護基(例、カルボベンゾキシ,t−
ブチルオキシカルボニル,アリルオキシカルボニル,t
−アミルオキシカルボニル,イソボルニルオキシカルボ
ニル,4−メトキシベンジルオキシカルボニル,2−ク
ロルベンジルオキシカルボニル,アダマンチルオキシカ
ルボニル,9−フルオレニルメチルオキシカルボニル,
2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルなど)、
アシル型保護基(例、ホルミル,トリフルオロアセチ
ル,クロロアセチル,フタリル,トシル,2−ニトロス
ルフェニル,4−メトキシ−2−ニトロスルフェニル,
ベンゾイルなど)、アルキル型保護基(例、トリチル,
ベンジルなど)などが挙げられる。上記保護基は、好ま
しくはウレタン型保護基(例、カルボベンゾキシ,t−
ブチルオキシカルボニル,アリルオキシカルボニル,t
−アミルオキシカルボニル,イソボルニルオキシカルボ
ニル,4−メトキシベンジルオキシカルボニル,2−ク
ロルベンジルオキシカルボニル,アダマンチルオキシカ
ルボニル,9−フルオレニルメチルオキシカルボニル,
2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルなど)で
ある。上記保護基は、特に好ましくは、例えば9−フル
オレニルメチルオキシカルボニルなどである。
【0010】一般式〔I〕において、Xは好ましくはカ
ルボニル基またはスルホニル基である。Xはさらに好ま
しくはカルボニル基である。
【0011】一般式〔I〕において、Yで表されるアミ
ノ酸配列中、アミノ酸は非天然型または天然型のアミノ
酸のいずれであってもよい。天然型アミノ酸としては、
蛋白質を構成するアミノ酸または微生物代謝産物あるい
は動植物成分として天然界から得られるアミノ酸が挙げ
られる。蛋白質を構成するアミノ酸としては、例えば脂
肪族モノアミノカルボン酸(例、グリシン,アラニン,
バリン,ロイシン,イソロイシンなど)、脂肪族オキシ
アミノ酸(例、セリン,スレオニンなど)、酸性アミノ
酸(例、アスパラギン酸,グルタミン酸など)、酸性ア
ミノ酸アミド(例、アスパラギン,グルタミンなど)、
芳香族アミノ酸(例、フェニルアラニン,チロシン,ト
リプトファンなど)、イミノカルボン酸(例、プロリ
ン,ヒドロキシプロリンなど)、塩基性アミノ酸(例、
アルギニン,リジン,ヒスチジンなど)、含硫アミノ酸
(例、メチオニン,シスチン,システインなど)などが
挙げられる。微生物代謝産物あるいは動植物成分として
天然界から得られるアミノ酸としては、例えば脂肪族モ
ノアミノカルボン酸(例、L−α−アミノ酪酸,γ−ア
ミノ酪酸,β−アミノイソ酪酸,β−アラニン,ホモセ
リン,α−メチル−D−セリン,O−カルバミル−D−
セリン,δ−ハイドロキシ−γ−オキソ−ノルバリンな
ど)、モノアミノジカルボン酸(例、L−α−アミノア
ジピン酸,L−テアニン,L−γ−メチレングルタミン
酸,L−γ−メチルグルタミン酸など),ジアミノモノ
カルボン酸(例、L−オルニチン,β−リジン,α,β
−ジアミノプロピオン酸,L−α,γ−ジアミノ酪酸な
ど)、ジアミノジカルボン酸(例、ジアミノピメリン酸
など)、含スルホン酸アミノ酸(例、システイン酸な
ど)、芳香族アミノ酸(例、キヌレニン,3,4−ジオ
キシフェニル−L−アラニンなど)、複素環アミノ酸
(例、2,3−ジカルボキシアジリヂン,〔S〕−2−
アミノ−3−(イソキサゾリン−5−オン−4−イル)
−プロピオン酸,アンチカプシンなど)、塩基性アミノ
酸(例、L−4−オキサリジン,L−4−オキソリジ
ン,〔3R,5R〕−3,6−ジアミノ−5−ハイドロ
キシヘキサン酸など)、含硫アミノ酸(例、ランチオニ
ン,S−メチル−L−システインなど)、環状アミノ酸
(例、ピペコリン酸,アゼチジン−2−カルボン酸,
〔1R,2S〕−2−アミノシクロペンタン−1−カル
ボン酸など)、特殊官能基置換アミノ酸(例、シトルリ
ン,アラノシン,L−アザセリンなど)、スルホン酸型
アミノ酸(例、タウリン,スルファニル酸など)などが
挙げられる。
【0012】非天然型アミノ酸は、好ましくは一般式 NHR6−W−COOH 〔V〕 〔式中、R6は水素又は低級アルキル基を、Wは置換基
を有していてもよい2価の炭化水素基を表わす〕で表わ
される脂肪族または芳香族アミノ酸を示す。一般式
〔V〕において、R6で表わされる低級アルキル基とし
ては、メチル,エチル,プロピル等があげられる。一般
式〔V〕において、Wで表わされる2価の炭化水素基と
しては、例えば2価の脂肪族炭化水素基,2価の芳香族
炭化水素基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基と芳香
族炭化水素基とが組合わさって2価の基を形成していて
もよい。ここにおいて、2価の脂肪族炭化水素基として
は、−Cm2m−(2≦m≦15,mは自然数)で表わ
される直鎖状または分枝状の飽和炭化水素基(例、エチ
レン,トリメチレン,テトラメチレン,ペンタメチレ
ン,ヘキサメチレン,ヘプタメチレン,オクタメチレ
ン,ノナメチレン,デカメチレン,ウンデカメチレン,
ドデカメチレン,トリデカメチレン,テトラデカメチレ
ン,ペンタデカメチレン,エチルエチレン,プロピレン
など),−Cp2(p-q)−(2≦p≦15,p>q,p
およびqは自然数)で表わされる直鎖または分枝状の不
飽和炭化水素基(例、プロペニレン,ビニレン等),−
r2(r-1)−(r≧3,rは自然数)で表わされる脂
肪族環状炭化水素基(例、シクロヘキシレン,シクロペ
ンチレン等)などがあげられる。2価の脂肪族炭化水素
基は、好ましくは−Cm2m−(1≦m≦15,mは整
数)で表わされる直鎖または分枝状の飽和炭化水素基で
ある。
【0013】2価の芳香族炭化水素基としては、例えば
ベンゼン,ピリジン,フラン,チアゾール,チオフェ
ン,ビフェニル等に対応するフェニレン,ピリジレン,
フリレン,チアゾリレン,チエニレン,ビフェニレン等
があげられる。該芳香族炭化水素基は、環内にアミドま
たはイミド結合を有する複素環と縮合していてもよい。
この際、結合手は芳香族炭化水素基および複素環上のい
ずれにあってもよい。上記複素環としては、例えば2−
ピロリドン、1−ピロリン−2−オン、スクシンイミド
等の5員環、2−(5H,6H)ピリジノン,2−(3H,
4H)ピリジノン,2−ピペリジノン,グルタルイミド
等の6員環が挙げられる。複素環は、好ましくは例えば
2−ピロリドン、1−ピロリン−2−オン、スクシンイ
ミド等の5員環である。縮合環の好ましい例としては、
例えばインドリン−2−オン,イソインドリン−1−オ
ン,フタルイミド,2−キノロン,1−イソキノロン,
2−(3H,4H)キノリノン,1−(3H,4H)イソキノ
リノン,4H−イソキノリノン−1,3−ジオン等が挙
げられる。縮合環は、さらに好ましくは、例えばインド
リン−2−オン,イソインドリン−1−オン,フタルイ
ミド等である。2価の縮合環基は、例えば式
【化8】
【化9】 で表される基である。2価の芳香族炭化水素基は、好ま
しくは炭素数6ないし12の芳香族炭化水素基、例えば
フェニレン,ビフェニレン等である。
【0014】脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが
組合わさって2価の基を形成する場合、該脂肪族炭化水
素基は、好ましくは−Cm2m−(1≦m≦15,mは
整数)で表わされる直鎖または分枝状の飽和炭化水素基
(例、メチレン,エチレン,トリメチレン,テトラメチ
レン,ペンタメチレン,ヘキサメチレン,ヘプタメチレ
ン,オクタメチレン,ノナメチレン,デカメチレン,ウ
ンデカメチレン,ドデカメチレン,トリデカメチレン,
テトラデカメチレン,ペンタデカメチレン,エチルエチ
レン,プロピレンなど)である。脂肪族炭化水素基は、
特に好ましくはメチレンまたはエチレンである。芳香族
炭化水素基は、好ましくは炭素数6ないし12の芳香族
炭化水素基、例えばベンゼン,ビフェニル等に対応する
フェニレン,ビフェニレン等である。
【0015】一般式〔V〕において、Wで表わされる2
価の炭化水素基における置換基としては、例えばカルボ
キシル基,アミノ基,スルホ基,ハロゲン原子(例、塩
素,フッ素等)等が挙げられる。該置換基は、好ましく
はカルボキシル基またはハロゲン原子(例、塩素,フッ
素等)である。
【0016】一般式〔I〕において、Yで表されるアミ
ノ酸配列は、さらに1〜5個のアミノ酸からなることが
好ましい。
【0017】一般式〔I〕において、Yで表されるアミ
ノ酸配列中、保護基とは、ペプチド合成においてアミノ
基,カルボキシル基またはヒドロキシル基の保護のため
公知のもので、例えば加水分解、加水素分解、還元、ア
ミノリシスまたはヒドラジノリシスなどによって脱離さ
れる保護基である。アミノ基の保護基は、前記した保護
されていてもよいアミノ基における保護基と同様のもの
が用いられる。
【0018】カルボキシル基は、例えばアミド基、ヒド
ラジド基又はエステルに変換することによって保護され
る。アミド基又はヒドラジド基は置換されているのが好
ましい。アミド基は例えばアルコキシ基で置換されてい
てもよいC7-19アラルキル基(例、3,4−ジメトキシ
ベンジル基又はビス−(p−メトキシフェニル)−メチ
ル基など)で置換されているのが好ましい。ヒドラジド
基は例えばハロゲン(例、フッ素,塩素,臭素など)、
6-12アリール基(例、フェニル,p−ビフェニリルな
ど)で置換されていてもよいC1-6アルキルオキシカル
ボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル基,トリクロ
ロエチルオキシカルボニル基,tert−ブチルオキシカル
ボニル基,2−(p−ビフェニリル)−イソプロピルオ
キシカルボニル基など)、ハロゲン化C2-6アルカノイ
ル基(例、トリフルオロアセチル基など)、C7-19アラ
ルキル基(例、トリチル基など)などで置換されている
のが好ましい。さらにカルボキシル基は、例えば置換さ
れていてもよい低級アルコール(例、メタノール,エタ
ノール,シアノメチルアルコール,ベンゾイルメチルア
ルコール,tert−ブタノールなど)、アルアルカノール
〔例、低級アルキル基,低級アルコキシ基もしくはハロ
ゲン原子によって置換されていてもよいベンジルアルコ
ール又はベンズヒドロール類(例、ベンズヒドロール,
p−ニトロベンジルアルコール,p−メトキシベンジル
アルコール,2,4,6−トリメチルベンジルアルコール
など)など〕、電子吸引性置換基で置換されていてもよ
いフェノール及びチオフェノール(例、チオフェノー
ル,チオクレゾール,p−ニトロチオフェノール,2,
4,5−及び2,4,6−トリクロロフェノール,p−シ
アノフェノール,p−メタンスルホニルフェノールな
ど、更にN−ヒドロキシイミド(例、N−ヒドロキシス
クシンイミド,N−ヒドロキシフタルイミドなど)、N
−ヒドロキシピペリジン、8−ヒドロキシキノリンなど
によりエステル化されていることが好ましい。
【0019】中性条件下で脱離しうるカルボキシル基の
特別の保護基はドイツ連邦共和国特許出願公開第270
6490号公報に記載されているヒドロカルビル−シリ
ル−エチル基(例、2−(トリメチルシリル)−エチル
基など)である。ヒドロキシ基は、例えばアシル化また
はエーテル化によって保護することができる。アシル化
する場合のアシル基としては、特に炭酸から誘導される
基(例、ベンジルオキシカルボニル基又はエチルオキシ
カルボニル基など)が適当である。エーテル化に適当な
基は、例えばベンジル基、テトラヒドロピラニル基又は
tert−ブチル基である。更に、ヒドロキシ基の保護には
ケミシェ・ベリヒテ(Chem. Ber.)100巻(196
7)、3838〜3849に記載されている2,2,2−
トリフルオロ−1−tert−ブチルオキシカルボニルアミ
ノエチル基又は2,2,2−トリフルオロ−1−ベンジル
オキシカルボニルアミノエチル基が適当である。
【0020】一般式〔I〕において、Yで表されるアミ
ノ酸配列中、スルホン酸アミド結合は、好ましくは式 −SO2NH− 〔VI〕 で表わされる。上記したYで表されるアミノ酸配列にお
いて、アミノ酸がスルホン酸型アミノ酸である場合、該
アミノ酸配列はスルホン酸アミド結合を有する。
【0021】化合物〔I〕またはその塩の好ましい例と
しては、例えば〔2(R)−アミノ−7−オクタデシルカ
ルバモイルオキシ−6(R)−パルミトイルオキシ−4−
チアヘプタノイル〕−L−グルタミン酸ジt−ブチルエ
ステル、〔2(R)−アミノ−7−オクタデシルカルバモ
イルオキシ−6(R)−パルミトイルオキシ−4−チアヘ
プタノイル〕−L−グルタミン酸、6−〔2(R)−ア
ミノ−6,7−ビス((11−シクロヘキシルウンデカ
ニル)カルバモイルオキシ)−4−チアヘプタノイルア
ミノ〕ヘキシルカルバモイルグルタミン酸またはそれら
の塩等が挙げられる。
【0022】一般式〔I〕で表される化合物またはその
塩は、例えば一般式
【化10】 〔式中、R1およびR2は、置換カルバモイル基またはア
シル基で少なくとも一方が置換カルバモイル基を、R3
およびR4は同一または異って水素またはアルキル基
を、R5は保護されていてもよいアミノ基を、Xはカル
ボニル基,スルホニル基または式−CONH−(C
2n−NHCO−で表される基(nは1〜10の整
数)を示す〕で表わされる化合物またはその塩と一般式 H−Y 〔III〕 〔式中、Yは保護基を有していてもよい1〜7個のアミ
ノ酸からなりスルホン酸アミド結合を介していてもよい
アミノ酸配列を示す〕で表わされる化合物またはその塩
とを縮合反応させ、ついで所望により脱保護基反応に付
すことにより製造される。
【0023】本反応は、通常、反応を阻害しない溶媒中
で行われる。該溶媒は、ペプチド縮合反応に使用し得る
ことが知られているものから適宜選択される。このよう
な溶媒としては、例えばアミド類(例、無水または含水
のホルムアミド,ジメチルホルムアミド,N−メチルピ
ロリドン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキ
シド等)、芳香族アミン類(例、ピリジン等)、ハロゲ
ン化炭化水素類(例、クロロホルム,ジクロロメタン
等)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、エステ
ル類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル等)などが挙げられ
る。これらの溶媒は、1種または2種以上を適宜の割合
で混合して用いてもよい。反応温度は、ペプチド結合形
成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜
選択される。具体的には、例えば通常約−20℃〜40
℃の範囲から適宜選択される。反応時間は、ペプチド結
合形成反応に要することが知られている範囲から適宜選
択される。具体的には、例えば数分〜48時間程度の範
囲から適宜選択される。化合物〔III〕またはその塩の
使用量は、化合物〔II〕またはその塩1モルに対して、
通常約1〜5倍モル、好ましくは約1〜2倍モルであ
る。
【0024】脱保護基反応は、自体公知の方法、例えば
ペプチド化学において常用の方法により行う。例えばウ
レタン型保護基で保護されたアミノ基の脱保護基反応
は、無溶媒もしくは反応に悪影響を与えない溶媒中で、
酸と接触することにより行われる。該溶媒としては、ハ
ロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン,クロロホル
ム,1,2−ジクロロエタンなど)、アルコール類
(例、メタノール,エタノールなど)、水等、もしくは
これらの適宜の割合の混合物が用いられる。酸として
は、例えばハロ酢酸(例、トリフルオロ酢酸など)、ハ
ロゲン化水素酸(例、塩化水素酸,臭化水素酸など)等
が用いられる。
【0025】N−ベンジルオキシカルボニル基,N−4
−メトキシベンジルオキシカルボニル基は、例えばパラ
ジウム触媒、例えばパラジウム/硫酸バリウム、パラジ
ウム黒又はロジウム触媒を用いて接触水素添加によって
除去するのが有利である。その際文献から公知の溶剤、
例えば環状エーテル(例、テトラヒドロフランなど)を
場合により他の不活性溶剤〔例、低級脂肪族酸アミド
(例、ジメチルホルムアミドなど)など〕と混合して使
用する。N−9−フルオリレニルオキシカルボニル基
は、例えばジエチルアミン,ピペリジン,モルホリン,
4−ジメチルアミノピリジン,ジシクロヘキシルアミン
などの有機アミン類を用いて除去するのが有利である。
反応は、反応に悪影響を与えない溶媒中で行われる。該
溶媒としては、例えばアミド類(例、ジメチルホルムア
ミド,アセトアミドなど)、アルコール類(例、メタノ
ール,エタノールなど)等、もしくはこれらの適宜の割
合の混合物が用いられる。
【0026】N−2,2,2−トリクロロエチルオキシカ
ルボニル基は、有機カルボン酸(例、酢酸,プロピオン
酸など)と共に、金属(例、亜鉛など)を用いて除去す
るのが有利である。反応は、反応に悪影響を与えない溶
媒中で行われる。該溶媒としては、上記有機カルボン
酸、アルコール類(例、メタノール,エタノールな
ど)、水等、もしくはこれらの適宜の割合の混合物が用
いられる。アシル化ヒドロキシ基の脱保護基反応(脱ア
シル化反応)は、反応に悪影響を与えない溶媒中で、酸
と接触することにより行われる。該溶媒としては、ハロ
ゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン,クロロホル
ム,1,2−ジクロロエタンなど)、アルコール類
(例、メタノール,エタノールなど)、水等もしくはこ
れらの適宜の割合の混合物が用いられる。酸としては、
例えばハロ酢酸(例、トリフルオロ酢酸など)、ハロゲ
ン化水素酸(例、塩化水素酸,臭化水素酸など)等が用
いられる。
【0027】O−ベンジル基は、例えばパラジウム触
媒、例えばパラジウム/硫酸バリウム、パラジウム黒又
はロジウム触媒を用いて接触水素添加によって除去する
のが有利である。その際文献から公知の溶剤、例えばア
ルコール類(例、エタノールなど)、環状エーテル
(例、テトラヒドロフランなど)などを場合により他の
不活性溶剤〔例、低級脂肪族酸アミド(例、ジメチルホ
ルムアミドなど)など〕と混合して使用する。O−テト
ラヒドロピラニル基またはO−tert−ブチル基は、上記
脱アシルと同様に、酸による加水分解により行うことが
できる。カルボキシル保護基の脱離は、上記と同様に、
酸による加水分解により行うことができる。また、例え
ばベンジルエステルは、前記のO−ベンジル基脱離の場
合と同様に接触水素添加によって脱離することができ
る。2−(トリメチルシリル)−エチル基は中性条件下
に、例えば弗化水素酸の塩、例えば特に第四級窒素塩基
と弗化水素酸の塩(例、テトラエチルアンモニウムフル
オリドなど)を適当な溶剤中で作用させることによって
脱離させることができる。
【0028】また、一般式〔I〕で表される化合物また
はその塩は、例えば一般式
【化11】 〔式中、R3およびR4は同一または異って水素またはア
ルキル基を、R5は保護されていてもよいアミノ基を、
Xはカルボニル基,スルホニル基または式−CONH−
(CH2n−NHCO−で表される基(nは1〜10の
整数)を、Yは保護基を有していてもよい1〜7個のア
ミノ酸からなりスルホン酸アミド結合を介していてもよ
いアミノ酸配列を示す〕で表わされる化合物またはその
塩をカルバモイル化反応またはアシル化およびカルバモ
イル化反応に付し、ついで所望により脱保護基反応に付
すことによっても製造される。
【0029】アシル化反応は、例えば一般式 R−Z 〔VII〕 〔式中、Rは前記R1またはR2で示されるアシル基と同
意義を、Zはハロゲン原子(例、塩素、臭素等)または
水酸基を示す〕で表される化合物を用いることにより行
われる。アシル化反応は、通常、反応を阻害しない溶媒
中で行われる。反応を阻害しない溶媒としては、例えば
ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム,ジクロロメ
タン等)、芳香族炭化水素類(例、べンゼン,トルエ
ン,キシレン等)、アミド類(例、ジメチルホルムアミ
ド,ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドン
等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド
等)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、ピリジ
ンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種または2種
以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。反応の際、
反応速度促進の目的で塩基(トリエチルアミン,N,N
−ジメチルアニリン,4−ジメチルアミノピリジン,ピ
リジン等)を存在させることが好ましい。Zが水酸基で
ある場合、反応は縮合剤の存在下で行う。このような縮
合剤としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、1,1'−カルボニールイミダゾール、N−ハイドロ
キシコハク酸イミド等が挙げられる。化合物〔VII〕の
使用量は、化合物〔IV〕またはその塩1モルに対して、
通常約1〜10倍モル、好ましくは約1〜5倍モルであ
る。反応温度は、通常約0℃〜80℃である。反応時間
は、反応条件によって異なるが、通常約1〜48時間程
度である。
【0030】カルバモイル化反応は、R1またはR2で表
される置換カルバモイル基に対応するイソシアネートを
用いることにより行われる。カルバモイル化反応は、通
常、反応を阻害しない溶媒中で行われる。反応を阻害し
ない溶媒としては、例えばハロゲン化炭化水素類(例、
クロロホルム,ジクロロメタン等)、芳香族炭化水素類
(例、べンゼン,トルエン,キシレン等)、アミド類
(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,
N−メチルピロリドン等)、スルホキシド類(例、ジメ
チルスルホキシド等)、エーテル類(例、テトラヒドロ
フラン,ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニト
リル等)、ピリジンなどが挙げられる。これらの溶媒
は、1種または2種以上を適宜の割合で混合して用いて
もよい。反応の際、反応速度促進の目的で塩基(トリエ
チルアミン,N,N−ジメチルアニリン,4−ジメチル
アミノピリジン,ピリジン,二塩化ジ−n−ブチルスズ
等)を存在させることが好ましい。上記したイソシアネ
ートの使用量は、化合物〔IV〕またはその塩1モルに対
して、通常約1〜10倍モル、好ましくは約1〜5倍モ
ルである。反応温度は、通常約0℃〜150℃である。
反応時間は、反応条件によって異なるが、通常約1〜2
4時間程度である。R1とR2とが、異なる基である場
合、上記した反応を2回に分けて行えばよい。このよう
なアシル化またはカルバモイル化反応についで、所望に
より脱保護基反応を行う。該脱保護基反応は、上記した
脱保護基反応と同様にして行う。
【0031】化合物〔I〕またはその塩の製造法を例示
したが、たとえばYで表されるアミノ酸配列の導入時期
は上記したものに限定されるものではなく、必要に応じ
て導入時期を変えてもよい。また、Yで表されるアミノ
酸配列を構成するアミノ酸の保護基等は、必要に応じて
保護基の導入、保護基の脱離を行なえばよい。さらにR
5で表される保護されていてもよいアミノ基について
も、必要に応じて保護基の導入、保護基の脱離を任意の
段階で行えばよい。
【0032】かくして得られた化合物〔I〕またはその
塩は、通常の分離、精製手段(例、抽出,分配,再沈
殿,クロマトグラフィー,再結晶等)により単離する事
ができる。なお、化合物〔I〕にジアステレオマーが存
在する場合、所望により前記分離手段、精製手段によ
り、それぞれを単離する事ができる。勿論、いずれの異
性体も本発明の化合物に含まれる。化合物〔I〕がラセ
ミ体として得られた場合、光学分割によりそれらをd
体、l体に分離する事ができる。
【0033】化合物〔I〕は、自体公知の方法により塩
基との塩、とりわけ薬学的に許容される塩基との塩とす
ることができる。該塩基としては、アルカリ金属(例、
ナトリウム,カリウム等)、アルカリ土類金属(例、カ
ルシウム,マグネシウム等)、有機塩基(例、トリエチ
ルアミン,ピペリジン等)などが挙げられる。化合物
〔I〕は、さらに、酸付加塩、とりわけ薬理学的に許容
される酸付加塩としても得ることができる。該酸として
は、例えば無機塩(例、塩酸,硫酸,リン酸等)あるい
は有機酸(例、酢酸,プロピオン酸,クエン酸,酒石
酸,リンゴ酸,蓚酸等)などが挙げられる。前記した化
合物〔II〕,〔III〕,〔IV〕の塩についても上記した
化合物〔I〕の塩と同様のものが用いられる。
【0034】化合物〔II〕またはその塩は、例えば次の
反応式で示される方法によって製造することができる。
【化12】 〔式中、R1,R2,R3,R4,R5,Xは前記と同意義
を、Aはヨウ素,臭素または式R'−SO2O−(式中、
R’はメチル,フェニル,p−トリル等を示す)で表さ
れる基を示す〕上記反応は、通常反応を阻害しない溶媒
中で行われる。反応を阻害しない溶媒としては、例えば
ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム,ジクロロメ
タン等)、芳香族炭化水素類(例、べンゼン,トルエ
ン,キシレン等)、アミド類(例、無水または含水のホ
ルムアミド,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトア
ミド,N−メチルピロリドン等)、スルホキシド類
(例、ジメチルスルホキシド等)、エーテル類(例、テ
トラヒドロフラン,ジオキサン等)、ニトリル類(例、
アセトニトリル等)、ピリジンなどが挙げられる。これ
らの溶媒は、1種または2種以上を適宜の割合で混合し
て用いてもよい。反応の際、反応速度促進の目的で塩基
(トリエチルアミン,ジイソプロピルエチルアミン,
N,N−ジメチルアニリン,4−ジメチルアミノピリジ
ン,ピリジン等)を存在させることが好ましい。反応温
度は、通常約0℃〜150℃である。反応時間は、反応
条件によって異なるが、通常約1〜48時間程度であ
る。
【0035】さらに具体的には、例えばR3およびR4
水素であり、Xがカルボニル基である化合物〔II〕また
はその塩は、ケミカル・ファルマシウチカル・ビュレチ
ン(Chem. Pharm. Bull.),39巻,2590〜259
6頁(1991年)、ペプチド・ケミストリー(Peptid
e Chemistry),37〜42頁(1990年)に記載の
方法あるいはこれに準じた方法により製造することがで
きる。
【0036】化合物〔IV〕またはその塩は、例えば次の
反応式で示される方法によって製造することができる。
【化13】 〔式中、R3,R4,R5,X,Yは前記と同意義を、A
はヨウ素,臭素または式R'−SO2O−(式中、R’は
メチル,フェニル,p−トリル等を示す)で表される基
を示す〕上記反応は、前記した化合物〔II〕またはその
塩の場合と同様にして行われる。
【0037】上記した原料化合物である化合物〔VIII〕
〜〔XI〕および〔VIII'〕〜〔XI'〕またはその塩〔以
下、単に化合物〔VIII〕,〔IX〕,〔X〕,〔XI〕,
〔VIII'〕,〔IX'〕,〔X'〕,〔XI'〕と略称する〕
は、自体公知の方法(例えば市販試薬を用いる方法,参
考例に記載の方法など)により得られる。これらの塩
は、前記した化合物〔I〕の塩と同様のものが用いられ
る。例えば化合物〔VIII〕,〔VIII'〕,〔X〕,
〔X'〕は、〔ルイス・モロダー,ハンス−ジュルゲン
・ムジョール,ガブリエル・シグルミュラー、シンセシ
ス、889頁,(1990年)(Luis Moroder, Hans-J
urgen Musiol and Gabriele Siglmuller, Synthesis, 8
89 (1990))〕、〔ジャーナル・オブ・オーガニック・
ケミストリー(Journal of Organic Chemistry), Vol
47, No. 18, 1982,3581-3585〕,〔ジャーナル・オブ・
ファーマシュウティカル・サイエンシズ(Journal of P
harmaceutical Sciences), Vol 70, No. 10, 1981, 11
54-1156〕などに記載された方法あるいはこれに準じた
方法により製造できる。
【0038】化合物〔IX〕,〔IX'〕は、例えばペプ
チド・ケミストリー(Peptide Chemistry),37〜4
2頁(1990年)、〔アンゲバンテ・ヘミー・インタ
ーナショナル・エディション・イン・イングリッシュ
(Angew. Chem. internat. Edit.), Vol 14, (1975),
No. 5, 330-336〕、〔リービッヒ・アナーレン・デア・
ヘミー(Liebigs. Ann. Chem.), 1977, 806-810)〕な
どに記載された方法あるいはこれに準じた方法により製
造できる。
【0039】化合物〔IX〕は、例えば次の反応式で示
される方法によって製造することができる。
【化14】 〔式中、R''はメチル,エチル等のアルキル基を、その
他の記号は前記と同意義を示す〕ここにおいて、反応A
は通常反応を阻害しない溶媒中、塩基の存在下に行われ
る。反応を阻害しない溶媒としては、例えばアミド類
(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,
N−メチルピロリドン等)、ハロゲン化炭化水素類
(例、クロロホルム,ジクロロメタン等)などが挙げら
れる。上記塩基としては、例えば水酸化アルカリ金属
(例、水酸化カリウム等),アルカリ金属炭酸塩(例、
炭酸カリウム等),ピリジン等が挙げられる。反応温度
は、通常約0℃〜150℃である。反応時間は、反応条
件によって異なるが通常約1〜24時間程度である。ま
た、反応Bは通常反応を阻害しない溶媒中、水および塩
基の存在下に行われる。反応を阻害しない溶媒として
は、例えばアルコール類(例、メタノール,エタノール
等),水−アルコール類(例、メタノール,エタノール
等)混合溶媒などが挙げられる。上記塩基としては、例
えば水酸化アルカリ金属(例、水酸化ナトリウム,水酸
化カリウム等),アルカリ金属のアルコラート(例、ナ
トリウムメトキシド等)などが挙げられる。反応温度
は、通常約0℃〜50℃である。反応時間は、反応条件
によって異なるが通常約1〜10時間程度である。
【0040】化合物〔IX'〕は、例えば次の反応式で示
される方法によって製造することができる。
【化15】 〔式中、R''はメチル,エチル等のアルキル基を、A'
はヨウ素または臭素を、その他の記号は前記と同意義を
示す〕ここにおいて、反応Cは通常反応を阻害しない溶
媒中で行われる。反応を阻害しない溶媒としては、例え
ばハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム,ジクロロ
メタン等)、芳香族炭化水素類(例、べンゼン,トルエ
ン,キシレン等)、アミド類(例、ジメチルホルムアミ
ド,ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドン
等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド
等)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン,ジオキサ
ン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、ピリジ
ンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種または2種
以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。反応の際、
反応速度促進の目的で塩基(トリエチルアミン,N,N
−ジメチルアニリン,4−ジメチルアミノピリジン,ピ
リジン等)を存在させることが好ましい。反応温度は、
通常約0℃〜室温である。反応時間は、反応条件によっ
て異なるが通常約1〜10時間程度である。
【0041】反応Dは通常反応を阻害しない溶媒中、酸
性条件下に行われる。反応を阻害しない溶媒としては、
例えば水−アルコール類(例、メタノール,エタノール
等)混合溶媒、エーテル類(例、テトラヒドロフラン,
ジオキサン等)などが挙げられる。反応温度は、通常約
0℃〜室温である。反応時間は、反応条件によって異な
るが通常約1〜10時間程度である。反応Eはハロゲン
化剤を用いて、反応を阻害しない溶媒中で行われる。該
反応の具体例としては、例えばハロゲン化リン(例、三
臭化リン,三塩化リン,五臭化リン,五塩化リン等)を
用いて、石油エーテルやハロゲン化炭化水素類(例、ク
ロロホルム,ジクロロメタン等)等の溶媒中で行う反
応、ホスホン酸トリフェニル,トリフェニルホスフィン
等を用いてハロゲン化アルキル(例、四塩化炭素,四臭
化炭素等)等の溶媒中で行う反応、ジフェニルトリハロ
ゲノホスホラン,トリフェニルホスフィンジハロゲニド
等を用いてアミド類(例、ジメチルホルムアミド,ジメ
チルアセトアミド,N−メチルピロリドン等)等の溶媒
中で行う反応、塩化スルホニル,ハロゲン化チオニル等
を用いてアミン類(例、ピリジン等)の溶媒中で行う反
応等が挙げられる。この際、反応温度は、約−30℃〜
50℃である。反応時間は、通常約20分〜3時間程度
である。反応Eは前記した反応Dと同様にして行われ
る。
【0042】化合物〔XI〕および〔XI'〕は、それぞ
れ上記化合物〔IX〕または〔IX'〕と化合物〔III〕ま
たはその塩とを用いて、前記した化合物〔II〕またはそ
の塩と化合物〔III〕またはその塩との反応と同様に反
応を行うことにより製造される。
【0043】一般式〔III〕で表される化合物またはそ
の塩は、Yで表わされるアミノ酸配列中のペプチド結合
の任意の位置で2分される2種のフラグメントの一方に
相当する反応性カルボキシル基を有する原料と、他方の
フラグメントに相当する反応性アミノ基を有する原料と
をペプチド合成の常套手段を用いて縮合させることによ
り製造し得る。ペプチド合成の常套手段としては、例え
ば液相合成法、固相合成法のいずれによってもよい。そ
のようなペプチド合成の手段は、任意の公知の方法に従
えばよく、たとえば、エム・ボンドスキイ(M. Bondask
y)およびエム・オンデッテイ(M. Ondetti)著、ペプ
チド・シンセシス(Peptide Synthesis)、インターサ
イエンス、ニューヨーク、1966年;エフ・エム・フ
ィン(F. M. Finn)およびケイ・ホフマン(K. Hofman
n)著、ザ・プロテインズ(The Proteins)、第2巻、
エイチ・ネンラス(H. Nenrath)およびアール・エル・
ヒル(R. L. Hill)編集、アカデミックプレスインク、
ニューヨーク、1976年:泉屋伸夫他著、「ペプチド
合成の基礎と実験」丸善(株)1985年;矢島治明、
榊原俊平他著、生化学実験講座1、日本生化学会編、東
京化学同人 1977年;木村俊他著、続生化学実験講
座2、日本生化学会編、東京化学同人 1987年;ジ
ェイ・エム・スチワート(J. M. Stewart)およびジェ
イ・デイ・ヤング(J. D. Young)著、ソリッド・フェ
イズ・ペプチド・シンセシス(Solid Phase Peptide Sy
nthesis)、ピアスケミカルカンパニー、イリノイ、1
984年などに記載された方法またはそれに準じた方法
により製造される。該方法の具体例として、例えば、ア
ジド法、クロライド法、酸無水物法、混合酸無水物法、
DCC法、活性エステル法、ウッドワード試薬Kを用い
る方法、カルボニルイミダゾール法、酸化還元法、DC
C/HONB法、DIC/HONB法、DCC/HON
B法、BOP試薬を用いる方法などが挙げられる。
【0044】本明細書において、アミノ酸,ペプチドに
関し、略号で表示する場合、IUPAC−IUBコミッ
ション・オン・バイオケミカル・ノーメンクラチャー
(Commision on Biochemical Nomenclature)による略
号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものと
し、また、アミノ酸に光学異性体があり得る場合、特に
明示しなければL体を示すものとする。また、本明細書
中の化合物の基本骨格となる化合物は次式で表される、
2−アミノ−6,7−ジヒドロキシ−4−チアヘプタン
酸である。
【化16】
【0045】本発明の化合物〔I〕またはその塩(以
下、本発明化合物と略称する)は免疫増強作用(例、骨
髄細胞増殖促進作用、白血球増加作用等)および血小板
減少症回復作用を有する。本発明化合物は、例えば哺乳
動物(例、マウス,イヌ,ブタ,ウシ,ウマ,サル,ヒ
トなど)の癌の放射線療法や化学療法などによって生じ
る白血球減少症の治療・予防剤として、また、骨髄移植
による治療,骨髄異形成症候群や再生不良性貧血症の治
療時における免疫増強剤として、さらには、血小板減少
症の予防・治療剤として用いられる。本発明化合物は、
被験者の免疫活性レべルを測定するための診断試験にお
いても用いられる。本発明の免疫増強剤は、細菌性疾患
(例、百日咳,ジフテリア,破傷風等),ウィルス性疾
患(例,麻疹,流行性耳下腺炎,風疹,ポリオ,ヘルペ
ス等),真菌感染症(例、カンジダ症,アスペルギルス
症等),リケッチア症(例、発疹チフス等)等の感染
症、腫瘍等の予防・治療剤として用いられる。本発明化
合物は、免疫アジュバント(抗原と混合した場合に、抗
原性を高め、優れた免疫応答を与える物質)としても用
いられる。
【0046】本発明化合物は、毒性も低く安全に用いら
れる。本発明化合物を例えばヒトまたはヒト以外の哺乳
動物に投与する場合は、それ自体あるいは適宜の薬理学
的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、医薬組
成物として経口または非経口投与することができる。上
記医薬組成物としては、経口投与製剤(例、散剤、顆粒
剤、カプセル剤、錠剤)、非経口投与製剤、例えば注射
剤、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤な
ど)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)などが挙げられ
る。これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用い
られる自体公知の方法により製造することができる。
【0047】例えば経口投与製剤は、本発明化合物を例
えば賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤
(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、
デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセル
ロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸
マグネシウム、ポリエチレングリコール6000など)
などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマ
スキング,腸溶性あるいは持続的の目的のため自体公知
の方法で、コーティング剤を用いてコーティングするこ
とにより製造することができる。コーティング剤として
は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコー
ル、ツイーン80,ブルロニックF68,セルロースア
セテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテー
トサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイ
ツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合)およびベンガ
ラ等の色素が用いられる。
【0048】非経口投与製剤、例えば注射剤は、本発明
化合物を、例えば分散剤〔例、ツイーン(Tween)80
(アトラスパウダー社製、米国),HCO 60(日光
ケミカルズ製),ポリエチレングリコール、カルボキシ
メチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど〕、保存
剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジル
アルコールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マ
ンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に
水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、
コーン油などの植物油、プロピレングリコールなどに溶
解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形することに
より製造することができる。
【0049】さらに、本発明化合物は、固状、半固状ま
たは液状の外用投与剤とすることができる。たとえば、
上記固状のものとしては、本発明化合物をそのまま、あ
るいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、デンプ
ン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム
類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)などを
添加、混合して粉状の組成物とする。上記液状のものと
しては、注射剤の場合とほとんど同様で、油性あるいは
水性懸濁剤とする。半固状の場合は、水性または油性の
ゲル剤、あるいは軟骨状のものがよい。また、これらは
いずれもpH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩
酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ
安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザル
コニウムなど)などを加えてもよい。また、本発明化合
物は、油性または水性の固状,半固状あるいは液状の坐
剤として用いることができる。この際用いる油性基剤と
しては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ
脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製)な
ど〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナマイト
ノーベル社製)など〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、
大豆油、綿実油など)などが挙げられる。また、水性基
剤としては、たとえばポリエチレングリコール類、プロ
ピレングリコール、水性ゲル基剤としては、たとえば天
然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリ
ル酸重合体などが挙げられる。
【0050】本発明化合物をヒトに用いる場合の投与量
は対象の疾患、投与経路、投与する患者個々の年齢及び
疾病の程度によって変動し得るが、一般に通常の成人患
者(体重50kg)に対し、有効成分1日約0.001〜
300mg、好ましくは約0.001〜100mgが用いら
れる。
【0051】
【実施例】以下に参考例および実施例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。%は特記しない限り重量%を
示す。シリカゲルカラムにおいて、混合比を示した数値
は各溶媒の容量混合比であり、シリカゲルはシリカゲル
60(商品名)(メルク社製,米国)を使用した。ま
た、参考例および実施例中の略号は次の意味を有する。 s:シングレット,d:ダブレット,t:トリプレッ
ト,q:クワルテット,dd:ダブルダブレット,d
t:ダブルトリプレット,m:マルチプレット,br:
幅広い,J:カップリング定数,DMSO−d6:重ジ
メチルスルホキシド,CDCl3:重クロロホルム 参考例1N,N’−ビス(トリクロロエトキシカルボニル)−L
−シスチン L−シスチン(10g)の1N−水酸化ナトリウム水溶
液(200ml)溶液にトリクロロエトキシカルボニルク
ロリド(21.6g)のテトラハイドロフラン(10m
l)を0℃で加え室温で3時間撹拌した。反応液を塩酸
にて酸性にしジクロロメタンで抽出して水洗後硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮して無色アモルフ
ァスの表題化合物(15.44g;収率63%)を得
た。 IR(KBr)ν: 3400, 3330, 1720, 1520, 1400, 1330,
1230, 1150, 1090, 1045, 820, 720 cm-1.1 H−NMR(DMSO-d6)δ: 2.91(2H,dd,J=13.6,9.8H
z), 3.25(2H,dd,J=13.6,4.0Hz), 4.29(2H,m), 4.80(4H,
s), 7.98(2H,d,J=8.0Hz).
【0052】参考例2N,N’−ビス(トリクロロエトキシカルボニル)−L
−シスチニル−ビス−L−グルタミン酸ジt−ブチルエ
ステル 参考例1で得られたN,N’−ビス(トリクロロエトキ
シカルボニル)−L−シスチン(2.0g),L−グル
タミン酸ジt−ブチルエステル塩酸塩(2.20g),
ジエチルフォスフォロシアニデート(1.65g),ト
リエチルアミン(2.05g)のジメチルホルムアミド
(20ml)溶液を室温で30分間撹拌した。反応液を減
圧濃縮して得られた残渣をCHCl3で希釈して水洗後硫
酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮して無色結
晶の表題化合物(2.11g,収率58%)を得た。 IR(KBr)ν: 3330, 2980, 1730, 1665, 1530, 1390,
1370, 1250, 1150, 1120 cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.43(18H,s), 1.47(18H,s),
1.80-2.40(8H,m), 2.87(2H,dd,J=14.8,11.2Hz), 3.10(2
H,dd,J=14.8,3.4Hz), 4.54(2H,m), 4.93(4H,s), 5.13(2
H,m), 6.08(2H,d,J=9.4Hz), 7.85(2H,d,J=8.4Hz).
【0053】参考例32(R)−トリクロロエトキシカルボニルアミノ−6
(R),7−ジヒドロキシ−4−チアヘプタノイル−L−
グルタミン酸ジt−ブチルエステル 参考例2で得られたN,N’−ビス(トリクロロエトキ
シカルボニル)−L−シスチニル−ビス−L−グルタミ
ン酸ジt−ブチルエステル(1.0g),ジチオエリス
リトール(718mg),トリエチルアミン(376mg)
のジクロロメタン(15ml)溶液を室温で1時間撹拌し
た。溶媒を5%KHSO4 水溶液、水で洗浄し硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮して得られた残渣と
2(R),3−ジヒドロキシヨードプロパン(565m
g),ジイソプロピルエチルアミン(900mg)のジメ
チルホルムアミド(20ml)溶液を室温で一晩撹拌し
た。溶媒を減圧濃縮後得られた残渣をシリカゲルカラム
(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)にて精製して、
無色固体の表題化合物(948mg;収率83%)を得
た。 IR(KBr)ν:3330, 2975, 2925, 1730, 1665, 1530,
1365, 1250, 1150 cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ: 1.45(9H,s), 1.47(9H,s), 1.
85-2.45(4H,m), 2.65-3.10(4H,m), 3.50-4.00(4H,m),
4.40-4.55(2H,m), 4.75(2H,s), 6.33(1H,d,J=8.0Hz),
7.45(1H,d,J=7.4Hz).
【0054】参考例42(R)−トリクロロエトキシカルボニルアミノ−7−オ
クタデシルカルバモイルオキシ−6(R)−ヒドロキシ−
4−チアヘプタノイル−L−グルタミン酸ジt−ブチル
エステル 参考例3で得られた2(R)−トリクロロエトキシカルボ
ニルアミノ−6(R),7−ジヒドロキシ−4−チアヘプ
タノイル−L−グルタミン酸ジt−ブチルエステル(5
00mg),ジメチルアミノピリジン(220mg),オク
タデシルイソシアネート(603mg)のジクロロエタン
(20ml)溶液を100℃で2日間撹拌した。溶媒を減
圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラム(n−ヘキ
サン:酢酸エチル=5:1→1:1)にて精製して、無
色ワックス状の表題化合物(383mg;収率52%)を
得た。 IR(Neat)ν: 3330, 2920, 2850, 1730, 1700, 167
0, 1530, 1460, 1360,1250, 1150 cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ: 0.88(3H,t,J=6.8Hz), 1.26
(30H,s), 1.45(9H,s),1.47(9H,s), 1.40-1.60(2H,m),
1.70-2.20(2H,m), 2.25-2.40(2H,m), 2.65-2.85(2H,m),
2.92(1H,dd,J=14.0,7.0Hz), 3.07(1H,dd,J=14.0,5.4H
z), 3.17(2H,q,J=6.6Hz), 3.64(1H,brs), 3.95-4.25(3
H,m), 4.40-4.55(2H,m), 4.75(2H,s), 5.02(1H,m), 6.2
7(1H,d,J=6.6Hz), 7.25(1H,d,J=7.6Hz).
【0055】参考例52(R)−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニ
ル)アミノ−6,7−ビス((11−シクロヘキシルウ
ンデカニル)カルバモイルオキシ)−4−チアヘプタン
酸 t−ブチルエステル 2(R)−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニ
ル)アミノ−6,7−ジヒドロキシ−4−チアヘプタン
酸 t−ブチルエステル(237mg、0.5mM)、1
1−シクロヘキシルウンデシルイソシアナート(290
mg、1.00mM)をジクロロメタン(2.0ml)に溶
かし、ジ−n−ブチルジクロロスズ(319mg、1.0
5mM)を加え、40℃で2時間かきまぜた。反応液に
n−ヘキサン(2ml)を加え、シリカゲルカラム(10
g)(n−ヘキサン:クロロホルム=1:4)で精製
し、表題化合物を無色固形物(508mg、収率96.6
%)として得た。 IR(neat)ν:3330, 2920, 2850, 1700, 1520, 144
0, 1360, 1340, 1310,1240, 1150, 1045, 750, 730cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.864(2H,m), 1.176(10H,m),
1.237(36H,s), 1.443(4H,m), 1.492(H,s), 1.636(10H,
m), 2.799(2H,d,J=6.2Hz), 3.106(6H,m), 4.15-4.43(7
H,m), 4.548(1H,m), 4.931(3H,m), 5.815(1H,d,J=7.8H
z), 7.313(2H,t,J=7.2Hz), 7.400(2H,t,J=7.2Hz), 7.61
0(2H,d,J=7.2Hz), 7.762(2H,d,J=7.2Hz)
【0056】参考例6N−パルミトイル−L−シスチンジ−t−ブチルエステ
L−シスチンジ−t−ブチルエステル(10g)、ピリ
ジン(14.3g)のジクロロメタン(150ml)溶液
に、氷冷下、塩化パルミトイル(11.92g)のジク
ロロメタン(10ml)溶液を加え、室温で一晩撹拌し
た。反応液をジクロロメタンで希釈し、1規定塩酸、1
規定水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫
酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、得られた残
渣をシリカゲルカラム(ジクロロメタン:酢酸エチル=
3:1)で精製して表題化合物(6.82g;収率46
%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=7.2Hz), 1.25(4
8H,s), 1.48(18H,s),1.62(4H,m), 2.24(4H,t,J=6.6Hz),
3.19(4H,d,J=5.0Hz), 4.75(2H,dt,J=7.2, 5.0Hz), 6.4
4(2H,d,J=7.2Hz)
【0057】参考例7(2R,6R)−6,7−ジヒドロキシ−2−パルミト
イルアミノ−4−チアヘプタン酸−t−ブチルエステル 参考例6で得られたN−パルミトイル−L−シスチンジ
−t−ブチルエステル(2.0g)、ジチオエリスリト
ール(2.0g)、トリエチルアミン(0.974g)
のジクロロメタン(40ml)溶液をアルゴン雰囲気下室
温で4時間撹拌した。反応液をジクロロメタンで希釈
し、5%クエン酸、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
した後、溶媒を濃縮してN−パルミトイル−L−システ
イン−t−ブチルエステルを得た。本化合物は空気酸化
を受けやすいため精製を行わず次の反応に使用した。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(3H,t,J=6.8Hz), 1.25(2
4H,s), 1.50(9H,s), 1.60-1.70(2H,m), 2.25(2H,t,J=7.
6Hz), 2.90-3.05(2H,m), 4.76(1H,dt,J=7.2, 3.6Hz),
6.31(1H,d,J=7.2Hz) 上記したN−パルミトイル−L−システイン−t−ブチ
ルエステル、(R)−(−)−3−ヨード−1,2−プ
ロパンジオール(975mg)、ジイソプロピルエチルア
ミン(2.2g)のジメチルホルムアミド(20ml)溶
液を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下濃縮し、ジクロ
ロメタンを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を濃縮し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラム(ジクロロメタン:メタノール=40:1→
10:1)で精製して表題化合物(1.275g;収率
54%)を得た。 IR(KBr)ν:3350, 2920, 2850, 1730, 1650, 1620,
1520, 1465, 1370, 1215, 1160cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(3H,t,J=6.8Hz), 1.25(2
4H,s), 1.49(9H,s), 1.64(2H,brt,J=7.0Hz), 2.25(2H,
t,J=7.2Hz), 2.63(1H,dd,J=8.4, 13.8Hz), 2.82(1H,dd,
J=4.0, 13.8Hz), 2.89(1H,dd,J=6.2, 14.0Hz), 3.04(1
H,dd,J=4.6, 14.0Hz), 3.53(1H,dd,J=6.0, 11.2Hz), 3.
71(1H,dd,J=3.6, 11.2Hz), 3.78(1H,m), 4.75(1H,ddd,J
=4.6, 6.2, 7.8Hz), 6.36(1H,d,J=7.8Hz)
【0058】参考例8(2R,6R)−6,7−ビス(オクタデシルカルバモ
イルオキシ)−2−パルミトイルアミノ−4−チアヘプ
タン酸−t−ブチルエステル (ジカルバモイル体)およ
(2R,6R)−6−ヒドロキシ−7−オクタデシル
カルバモイルオキシ−2−パルミトイルアミノ−4−チ
アヘプタン酸−t−ブチルエステル(モノカルバモイル
体) 参考例7で得られた(2R,6R)−6,7−ジヒドロ
キシ−2−パルミトイルアミノ−4−チアヘプタン酸−
t−ブチルエステル(300mg)、ジメチルアミノピリ
ジン(187mg)のクロロホルム(4ml)溶液にオクタ
デシルイソシアネート(452mg)を加え、80℃で1
日撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、水で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を濃縮して得ら
れた残渣をシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチ
ル=4:1→1:1)で精製して表題化合物のジカルバ
モイル体(242mg;収率37%)およびモノカルバモ
イル体(301mg;収率53%)を得た。 ジカルバモイル体 IR(KBr)ν:3330, 2920, 2850, 1735, 1700, 1645,
1530, 1460, 1250, 1160cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(9H,t,J=6.6Hz), 1.26(8
8H,s), 1.48(9H,s), 1.50-1.70(2H,m), 2.23(2H,t,J=7.
5Hz), 2.76(2H,d,J=6.4Hz), 2.90-3.20(6H,m),4.15-4.3
5(2H,m), 4.73(1H,m), 4.90-5.15(3H,m), 6.45(1H,d,J=
7.0Hz) モノカルバモイル体 IR(KBr)ν:3400, 3330, 2920, 2850, 1735, 1700,
1645, 1540, 1465, 1370, 1250, 1155cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=6.8Hz), 1.26(5
6H,s), 1.49(9H,s), 1.55-1.75(2H,m), 2.24(2H,t,J=7.
2Hz), 2.62(1H,dd,J=13.8, 7.6Hz), 2.77(1H,dd,J=13.
8, 4.8Hz), 2.97(1H,dd,J=14.0, 5.4Hz), 3.06(1H,dd,J
=14.0, 4.8Hz),3.16(2H,q,J=6.6Hz), 3.43(1H,brs), 3.
88(1H,m), 4.10(1H,dd,J=11.6, 5.4Hz),4.20(1H,dd,J=1
1.6, 4.2Hz), 5.02(1H,m), 6.41(1H,d,J=7.4Hz)
【0059】参考例9(2R,6R)−6−パルミトイルオキシ−7−オクタ
デシルカルバモイルオキシ−2−パルミトイルアミノ−
4−チアヘプタン酸−t−ブチルエステル 参考例8で得られた(2R,6R)−6−ヒドロキシ−
7−オクタデシルカルバモイルオキシ−2−パルミトイ
ルアミノ−4−チアヘプタン酸−t−ブチルエステル
(140mg)、ジメチルアミノピリジン(26mg)のジ
クロロメタン(5ml)溶液に塩化パルミトイル(54m
g)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液をジクロロメ
タンで希釈し、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を濃縮して得
られた残渣をシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エ
チル=6:1)で精製して表題化合物(123mg;収率
67%)を得た。 IR(KBr)ν:3400, 3350, 2920, 2850, 1735, 1710,
1640, 1510, 1470, 1400, 1370, 1240, 1220, 1160cm
-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(9H,t,J=6.6Hz), 1.26(8
0H,s), 1.48(9H,s), 1.55-1.70(4H,m), 2.24(2H,t,J=8.
0Hz), 2.31(2H,t,J=7.4Hz), 2.74(2H,d,J=6.6Hz), 2.98
(1H,dd,J=14.0, 5.2Hz), 3.11(1H,dd,J=14.0, 4.6Hz),
3.15(1H,q,J=6.6Hz), 4.16(1H,dd,J=12.0, 5.2Hz), 4.3
1(1H,dd,J=12.0, 4.0Hz), 4.70(1H,m),5.00-5.25(2H,
m), 6.39(1H,d,J=7.0Hz)
【0060】実施例1〔2(R)−トリクロロエトキシカルボニルアミノ−6
(R),7−ビス(オクタデシルカルバモイルオキシ)−
4−チアヘプタノイル〕−L−グルタミン酸ジt−ブチ
ルエステル 参考例3で得られた2(R)−トリクロロエトキシカルボ
ニルアミノ−6(R),7−ジヒドロキシ−4−チアヘプ
タノイル−L−グルタミン酸ジt−ブチルエステル(5
00mg),ジメチルアミノピリジン(220mg),オク
タデシルイソシアネート(603mg)のジクロロエタン
(20ml)溶液を100℃で2日間撹拌した。溶媒を減
圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラム(n−ヘキ
サン:酢酸エチル=5:1→3:1→1:1)にて精製
して、無色固体の表題化合物(320mg;収率32%)
を得た。 IR(KBr)ν:3320, 2920, 2850, 1730, 1690, 1650,
1540, 1530, 1460, 1365, 1250, 1150cm-11 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=6.6Hz), 1.26(6
0H,s), 1.45(9H,s), 1.46(9H,s), 1.40-1.60(4H,m), 1.
70-2.40(4H,m), 2.70-3.03(4H,m), 3.10-3.20(4H,m),
4.00-4.55(4H,m), 4.74(2H,s), 5.00(1H,m), 5.12(1H,
m), 5.23(1H,m),6.18(1H,d,J=7.6Hz), 7.37(1H,m).
【0061】実施例2〔2(R)−トリクロロエトキシカルボニルアミノ−7−
オクタデシルカルバモイルオキシ−6(R)−パルミトイ
ルオキシ−4−チアヘプタノイル〕−L−グルタミン酸
ジt−ブチルエステル 参考例4で得られた2(R)−トリクロロエトキシカルボ
ニルアミノ−7−オクタデシルカルバモイルオキシ−6
(R)−ヒドロキシ−4−チアヘプタノイル−L−グルタ
ミン酸ジt−ブチルエステル(383mg),ジメチルア
ミノピリジン(72mg),塩化パルミトイル(135m
g)のジクロロメタン(6ml)溶液を室温で3時間撹拌
した。溶媒を減圧濃縮後得られた残渣をシリカゲルカラ
ム(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し
て、無色ワックス状の表題化合物(425mg;収率88
%)を得た。 IR(Neat)ν:3300,2920, 2850, 1730, 1670, 1530,
1460, 1365, 1250, 1150cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=6.6Hz), 1.26(5
4H,s), 1.45(9H,s), 1.47(9H,s), 1.40-1.70(4H,m), 1.
80-2.20(2H,m), 2.25-2.40(4H,m), 2.82(2H,d,J=5.4H
z), 2.98(2H,d,J=5.8Hz), 3.16(2H,q,J=6.4Hz), 4.10-
4.50(4H,m), 4.75(2H,s), 5.00(1H,t,J=5.6Hz), 5.17(1
H,m), 6.09(1H,d,J=7.8Hz), 7.10(1H,d,J=8.4Hz).
【0062】実施例3〔2(R)−アミノ−6(R),7−ビス(オクタデシルカ
ルバモイルオキシ)−4−チアヘプタノイル〕−L−グ
ルタミン酸ジt−ブチルエステル酢酸塩 実施例1で得られた2(R)−トリクロロエトキシカルボ
ニルアミノ−6(R),7−ビス(オクタデシルカルバモ
イルオキシ)−4−チアヘプタノイル−L−グルタミン
酸ジt−ブチルエステル(230mg),亜鉛(1.0
g)の酢酸(4ml)溶液を室温で6時間撹拌後、亜鉛を
ろ去した後溶媒を減圧留去して得られた残渣をジクロロ
メタンに溶解させ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄
した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去
して無色粉末の表題化合物(149mg;収率72%)を
得た。 IR(Neat)ν:3320, 2920, 2850, 1730, 1715, 169
0, 1650, 1540, 1460,1365, 1260, 1150cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=6.6Hz), 1.25(6
0H,s), 1.45(9H,s), 1.47(9H,s), 1.40-1.70(4H,m), 1.
80-2.35(4H,m), 2.09(3H,s), 2.45-2.90(2H,m), 3.05-
3.20(4H,m), 3.39(1H,m), 3.50-3.65(2H), 4.15-4.55(6
H,m), 5.00-5.15(2H,m), 5.40(1H,m), 7.93(1H,d,J=8.2
Hz).
【0063】実施例4〔2(R)−アミノ−6(R),7−ビス(オクタデシルカ
ルバモイルオキシ)−4−チアヘプタノイル〕−L−グ
ルタミン酸塩酸塩 実施例3で得られた2(R)−アミノ−6(R),7−ビス
(オクタデシルカルバモイルオキシ)−4−チアヘプタ
ノイル−L−グルタミン酸ジt−ブチルエステル酢酸塩
(100mg)のクロロホルム(2ml)−酢酸エチル(2
ml)溶液に4N−塩酸酢酸エチル溶液(4ml)を加え室
温で3時間撹拌後、溶媒を減圧留去して無色粉末の表題
化合物(76mg;収率100%)を得た。 IR(KBr)ν:2917, 2850, 1697, 1660, 1564, 1544,
1535, 1469, 1274cm-1.1 H−NMR(CDCl3-TFA)δ:0.88(6H,t,J=6.8Hz), 1.
25(60H,s), 1.40-1.55(4H,m), 1.80-2.40(4H,m), 2.45-
2.65(2H,m), 2.70-2.90(2H,m), 3.00-3.25(4H,m), 3.45
-3.65(1H,m), 4.05-4.35(2H,m), 4.56(1H,m), 5.10(1H,
m).
【0064】実施例5〔2(R)−アミノ−7−オクタデシルカルバモイルオキ
シ−6(R)−パルミトイルオキシ−4−チアヘプタノイ
ル〕−L−グルタミン酸ジt−ブチルエステル 実施例2で得られた2(R)−トリクロロエトキシカルボ
ニルアミノ−7−オクタデシルカルバモイルオキシ−6
(R)−パルミトイルオキシ−4−チアヘプタノイル−L
−グルタミン酸ジt−ブチルエステル(325mg),亜
鉛(1.5g)の酢酸(4ml)溶液を室温で6時間撹拌
後、亜鉛をろ去した後溶媒を減圧留去して得られた残渣
をジクロロメタンに溶解させ飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒
を減圧留去して無色ワックス状の表題化合物(276m
g;収率100%)を得た。 IR(Neat)ν:3330, 2920, 2850, 1730, 1670, 153
0, 1515, 1460, 1365,1250, 1150cm-1.1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=6.6Hz), 1.25(5
4H,s), 1.45(9H,s), 1.47(9H,s), 1.40-1.70(4H,m), 1.
80-2.20(2H,m), 2.25-2.40(4H,m), 2.60-2.85(2H,m),
3.10-3.20(4H,m), 3.53(1H,dd,J=8.8,3.4Hz), 4.15(1H,
dd,J=11.6,5.0Hz), 4.33(1H,dd,J=11.6,4.2Hz), 4.45(1
H), 5.00-5.25(2H), 7.90(1H,d,J=8.0Hz).
【0065】実施例6〔2(R)−アミノ−7−オクタデシルカルバモイルオキ
シ−6(R)−パルミトイルオキシ−4−チアヘプタノイ
ル〕−L−グルタミン酸塩酸塩 実施例5で得られた2(R)−アミノ−7−オクタデシル
カルバモイルオキシ−6(R)−パルミトイルオキシ−4
−チアヘプタノイル−L−グルタミン酸ジt−ブチルエ
ステル(150mg)のクロロホルム(1ml)溶液に4N
−塩酸酢酸エチル溶液(4ml)を加え室温で3時間撹拌
後、溶媒を減圧留去して無色粉末の表題化合物(129
mg;収率93%)を得た。 IR(KBr)ν:2917, 2850, 1727, 1695, 1550, 1469,
1267, 1245, 1172cm-1.1 H−NMR(CDCl3-TFA)δ:0.88(6H,t,J=6.8Hz), 1.
25(54H,s), 1.40-1.70(4H,m), 1.90-3.30(13H,m), 3.00
-4.70(3H,m), 5.20(1H,m), 7.95(1H,m).
【0066】実施例76−〔2(R)−(9−フルオレニルメチルオキシカル
ボニル)アミノ−6,7−ビス((11−シクロヘキシ
ルウンデカニル)カルバモイルオキシ)−4−チアヘプ
タノイルアミノ〕ヘキシルカルバモイルグルタミン酸
ジt−ブチルエステル 参考例5で得られた2(R)−(9−フルオレニルメチ
ルオキシカルボニル)アミノ−6,7−ビス((11−
シクロヘキシルウンデカニル)カルバモイルオキシ)−
4−チアヘプタン酸 t−ブチルエステル(318mg、
1.5mM)をトリフルオロ酢酸(3ml)に溶かし、室
温で1時間かきまぜた。反応液を減圧下に濃縮乾固し
た。残渣は精製することなく、次の反応に用いた。残渣
及び(6−アミノヘキシルカルバモイル)グルタミン酸
ジt−ブチルエステル(221mg、0.505mM)
をジメチルホルムアミド(5ml)に溶かし、ジエチルシ
アノりん酸(106mg、0.65mM)を加え、氷冷下
トリエチルアミン(0.275ml、2.0mM)を滴下
して、そのまま1時間かきまぜた。反応液を減圧下に濃
縮乾固し、残渣をシリカゲルカラム(10g)(メタノ
ール:クロロホルム=1:49)で精製して、表題化合
物を無色固形物(604mg、収率92.6%)として得
た。 IR(neat)ν:3300, 2920, 2850, 1720, 1690, 164
0, 1530, 1445, 1360,1255, 1150, 1030cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.860(2H,t,J=10.0Hz), 1.23
4(50H,m), 1.360(8H,m), 1.435(9H,s), 1.449(9H,s),
1.681(10H,m), 1.78-2.20(2H,m), 2.300(2H,m),2.850(3
H,m), 3.153(5H,m), 3.300(2H,d,J=7.6Hz), 3.97-4.65
(8H,m), 4.87-5.24(3H,m), 5.326(1H,d,J=8.4Hz), 5.64
1(1H,bs), 6.195(1H,d,J=8.6Hz), 7.314(2H,t,J=7.2H
z), 7.411(2H,t,J=7.2Hz), 7.570(2H,d,J=7.2Hz), 7.76
9(2H,d,J=7.2Hz)
【0067】実施例86−〔2(R)−アミノ−6,7−ビス((11−シク
ロヘキシルウンデカニル)カルバモイルオキシ)−4−
チアヘプタノイルアミノ〕ヘキシルカルバモイルグルタ
ミン酸 ジt−ブチルエステル 実施例7で得られた6−〔2(R)−(9−フルオレニ
ルメチルオキシカルボニル)アミノ−6,7−ビス
((11−シクロヘキシルウンデカニル)カルバモイル
オキシ)−4−チアヘプタノイルアミノ〕ヘキシルカル
バモイルグルタミン酸 ジt−ブチルエステル(600
mg、0.444mM)をピペリジン(4ml)に溶かし、
室温で2時間かきまぜ、反応液を減圧下に濃縮乾固し
た。残渣をアンモニア処理したシリカゲルカラム(10
g)(メタノール:クロロホルム=1:49)で精製し
て表題化合物を無色固形物(317mg、収率63.2
%)として得た。 IR(neat)ν:3320, 2920, 2850, 1730, 1650, 155
0, 1450, 1360, 1250,1150cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.863(2H,m), 1.176(10H,s),
1.249(40H,s), 1.438(9H,s), 1.459(9H,s), 1.500(8H,
m), 1.659(10H,s), 1.80-2.20(2H,m), 2.315(2H,m), 2.
50-3.00(4H,m), 3.166(10H,m), 3.545(2H,m), 4.00-4.4
2(4H,m), 4.820(1H,bs), 5.035(1H,bs), 5.162(2H,d,J=
8.2Hz), 5.390(1H,m), 7.519(1H,m) 実施例96−〔2(R)−アミノ−6,7−ビス((11−シク
ロヘキシルウンデカニル)カルバモイルオキシ)−4−
チアヘプタノイルアミノ〕ヘキシルカルバモイルグルタ
ミン酸・トリフルオロ酢酸塩 実施例8で得られた6−〔2(R)−アミノ−6,7−
ビス((11−シクロヘキシルウンデカニル)カルバモ
イルオキシ)−4−チアヘプタノイルアミノ〕ヘキシル
カルバモイルグルタミン酸 ジt−ブチルエステル(5
2mg、0.046mM)をトリフルオロ酢酸(1ml)に
溶かし、室温で1時間かきまぜた。反応液を減圧下に濃
縮乾固し、残渣にトルエン(1ml)を加え、再び減圧下
に濃縮乾固した。本操作をもう一度繰り返し、表題化合
物を無色固形物(45mg、収率100%)として得た。 IR(neat)ν:3320, 3080, 2920, 2850, 1700, 154
0, 1450, 1420, 1350,1250, 1200, 1180, 1135, 1030cm
-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.845(2H,m), 1.176(10H,m),
1.248(40H,s), 1.470(8H,m), 1.675(10H,m), 1.70-2.2
0(2H,m), 2.320(2H,m), 2.775(2H,m), 3.115(8H,m), 3.
500(2H,m), 3.97-4.43(4H,m), 5.030(1H,bs), 5.380(1
H,m), 6.600(3H,bs), 7.570(1H,bs), 7.900(1H,bs), 8.
100(1H,bs)
【0068】実施例10〔(2R,6R)−6,7−ビス(オクタデシルカルバ
モイルオキシ)−2−パルミトイルアミノ−4−チアヘ
プタノイル〕グリシルグリシルグリシル−L−グルタミ
ン酸ジ−t−ブチルエステル 参考例8で得られた(2R,6R)−6,7−ビス(オ
クタデシルカルバモイルオキシ)−2−パルミトイルア
ミノ−4−チアヘプタン酸−t−ブチルエステル(23
5mg)のジクロロメタン(1ml)溶液にトリフルオロ酢
酸(4ml)を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧
下濃縮し、得られた残渣およびグリシルグリシルグリシ
ル−L−グルタミン酸ジ−t−ブチルエステル塩酸塩
(112mg)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に
シアノりん酸ジエチル(55mg)を加え、10分間撹拌
し、トリエチルアミン(88mg)を加え、室温で一晩撹
拌した。減圧下溶媒を濃縮し、クロロホルムで希釈し、
水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ク
ロロホルム:メタノール=50:1)で精製して表題化
合物(240mg;収率77%)を得た。 IR(KBr)ν:3300, 2920, 2850, 1730, 1690, 1625,
1520cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(9H,t,J=6.8Hz), 1.26(8
0H,s), 1.44(9H,s), 1.47(9H,s), 1.80-2.35(6H,m), 2.
70-3.20(8H,m), 3.85-4.30(8H,m), 4.48(1H,m), 4.79(1
H,m), 5.05-5.25(2H,m), 5.79(1H,m), 6.90-7.05(3H,
m), 7.48(1H,m),8.10(1H,m)
【0069】実施例11〔(2R,6R)−6,7−ビス(オクタデシルカルバ
モイルオキシ)−2−パルミトイルアミノ−4−チアヘ
プタノイル〕グリシルグリシルグリシル−L−グルタミ
ン酸 実施例10で得られた〔(2R,6R)−6,7−ビス
(オクタデシルカルバモイルオキシ)−2−パルミトイ
ルアミノ−4−チアヘプタノイル〕グリシルグリシルグ
リシル−L−グルタミン酸ジ−t−ブチルエステル(2
35mg)のジクロロメタン(1ml)溶液にトリフルオロ
酢酸(4ml)を加え、室温で1時間撹拌した。減圧下溶
媒を濃縮し、得られた残渣をクロロホルム(1ml)に溶
解し、メタノール(15ml)を加えて−20℃で1時間
放置した。生じた結晶を濾取し、メタノールで洗浄し、
乾燥して表題化合物(202ml;収率93%)を得た。 IR(KBr)ν:3315, 2920, 2852, 1695, 1647, 1543,
1463, 1259cm-1 1 H−NMR(CDCl3-TFA)δ:0.88(9H,t,J=6.8Hz), 1.
25(84H,s), 1.40-1.70(6H,m), 2.00-2.40(2H,m), 2.31
(2H,t,J=7.6Hz), 2.45-2.55(2H,m), 2.70-3.00(4H,m),
3.13(4H,t,J=7.2Hz), 3.90-4.35(8H,m), 4.55-4.80(2H,
m), 5.00-5.20(2H,m), 5.98(1H,brs), 7.30(1H,brs),
7.65-7.85(3H,m), 7.98(1H,brs) 実施例12〔(2R,6R)−6−パルミトイルオキシ−7−オク
タデシルカルバモイルオキシ−2−パルミトイルアミノ
−4−チアヘプタノイル〕グリシルグリシルグリシル−
L−グルタミン酸ジ−t−ブチルエステル 参考例9で得られた(2R,6R)−6−パルミトイル
オキシ−7−オクタデシルカルバモイルオキシ−2−パ
ルミトイルアミノ−4−チアヘプタン酸−t−ブチルエ
ステル(115mg)のジクロロメタン(1ml)溶液にト
リフルオロ酢酸(4ml)を加え、室温で2時間撹拌し
た。溶媒を減圧下濃縮し、得られた残渣およびグリシル
グリシルグリシル−L−グルタミン酸ジ−t−ブチルエ
ステル塩酸塩(63mg)のジメチルホルムアミド(8m
l)溶液にシアノりん酸ジエチル(30mg)を加え、1
0分間撹拌し、トリエチルアミン(46mg)を加え、室
温で一晩撹拌した。減圧下溶媒を濃縮し、クロロホルム
で希釈し、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を濃縮した。得られた残渣をシリカゲル
カラム(クロロホルム:メタノール=30:1)で精製
して表題化合物(128mg;収率83%)を得た。 IR(KBr)ν:3300, 2920, 2850, 1735, 1700, 1630,
1520, 1465, 1455, 1430, 1365, 1250, 1150cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(9H,t,J=6.8Hz), 1.25(8
0H,s), 1.43(9H,s), 1.48(9H,s), 1.50-1.70(4H,m), 1.
80-2.25(2H,m), 2.25-2.40(6H,m), 2.70-2.80(2H,m),
2.85-3.00(2H,m), 3.13(2H,q,J=6.0Hz), 4.10-4.50(8H,
m), 4.54(1H,m),4.99(1H,m), 5.12(1H,m), 5.22(1H,t,J
=5.0Hz), 7.54(1H,brs), 7.70-8.10(3H,m), 8.20(1H,br
s)
【0070】実施例13〔(2R,6R)−6−パルミトイルオキシ−7−オク
タデシルカルバモイルオキシ−2−パルミトイルアミノ
−4−チアヘプタノイル〕グリシルグリシルグリシル−
L−グルタミン酸 実施例12で得られた〔(2R,6R)−6−パルミト
イルオキシ−7−オクタデシルカルバモイルオキシ−2
−パルミトイルアミノ−4−チアヘプタノイル〕グリシ
ルグリシルグリシル−L−グルタミン酸ジ−t−ブチル
エステル(125mg)のジクロロメタン(1ml)溶液に
トリフルオロ酢酸(3ml)を加え、室温で1時間撹拌し
た。減圧下溶媒を濃縮し、得られた残渣をクロロホルム
(1ml)に溶解し、メタノール(15ml)−水(1ml)
を加えて−20℃で1時間放置した。生じた結晶を濾取
し、少量のメタノールで洗浄し、乾燥して表題化合物
(111mg;収率97%)を得た。 IR(KBr)ν:3307, 2920, 2852, 1730, 1645, 1533,
1463, 1419, 1251, 1178cm-1 1 H−NMR(CDCl3-CD3OD)δ:0.88(9H,t,J=6.8Hz),
1.27(80H,s), 1.40-1.70(4H,m), 2.00-2.50(8H,m), 2.6
5-3.00(4H,m), 3.05-3.20(2H,m), 3.65-4.25(8H,m), 4.
50-4.65(2H,m), 5.17(1H,m)
【0071】実施例14〔(2R,6R)−6,7−ビス(オクタデシルカルバ
モイルオキシ)−2−トリクロロエトキシカルボニルア
ミノ−4−チアヘプタノイル〕−L−グルタミン酸 実施例1で得られた〔(2R,6R)−6,7−ビス
(オクタデシルカルバモイルオキシ)−2−トリクロロ
エトキシカルボニルアミノ−4−チアヘプタノイル〕−
L−グルタミン酸ジ−t−ブチルエステル(89mg)の
ジクロロメタン(2ml)−トリフルオロ酢酸(4ml)溶
液を室温で3時間撹拌後、溶媒を減圧留去し、得られた
残渣をクロロホルム−メタノール−水から結晶化させ、
無色粉末の表題化合物(72mg;収率90%)を得た。 IR(KBr)ν:3320, 2920, 2850, 1700, 1690, 1650,
1540, 1460, 1260cm-1 1 H−NMR(CDCl3-TFA)δ:0.88(6H,t,J=6.6Hz), 1.
25(60H,s), 1.40-1.55(4H,m), 2.10-2.45(2H,m), 2.61
(2H,t,J=6.4Hz), 2.75-2.85(2H,m), 2.90-3.10(2H,m),
3.16(4H,q,J=7.6Hz), 4.10-4.60(4H,m), 4.74(2H,s),
5.15(1H,m),6.42(1H,d,J=6.8Hz)
【0072】実施例15〔(2R,6R)−6−パルミトイルオキシ−7−オク
タデシルカルバモイルオキシ−2−トリクロロエトキシ
カルボニルアミノ−4−チアヘプタノイル〕−L−グル
タミン酸 実施例2で得られた〔(2R,6R)−6−パルミトイ
ルオキシ−7−オクタデシルカルバモイルオキシ−2−
トリクロロエトキシカルボニルアミノ−4−チアヘプタ
ノイル〕−L−グルタミン酸ジ−t−ブチルエステル
(100mg)のジクロロメタン(1ml)−トリフルオロ
酢酸(3ml)溶液を室温で3時間撹拌後、溶媒を減圧留
去し、得られた残渣をクロロホルム−メタノール−水か
ら結晶化させ、無色粉末の表題化合物(60mg;収率6
7%)を得た。 IR(KBr)ν:3400, 2920, 2850, 1720, 1670, 1530,
1465, 1240cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=6.6Hz), 1.26(5
4H,s), 1.35-1.70(4H,m), 2.10-2.40(4H,m), 2.50-2.60
(2H,m), 2.70-2.85(2H,m), 2.90-3.00(2H,m),3.05-3.20
(2H,m), 4.20-4.30(2H,m), 4.47(1H,m), 4.61(1H,m),
4.75(2H,s), 4.97(1H,brs), 5.20(1H,m), 6.19(1H,d,J=
7.2Hz), 7.60(1H,d,J=6.0Hz) 実施例16〔(2R,6R)−6,7−ビス(オクタデシルカルバ
モイルオキシ)−2−アセチルアミノ−4−チアヘプタ
ノイル〕−L−グルタミン酸ジ−t−ブチルエステル 実施例3で得られた〔(2R,6R)−6,7−ビス
(オクタデシルカルバモイルオキシ)−2−アミノ−4
−チアヘプタノイル〕−L−グルタミン酸ジ−t−ブチ
ルエステル酢酸塩(62mg)、トリエチルアミン(40
mg)のジクロロメタン(2ml)溶液に無水酢酸(40m
g)を加え、室温で1時間撹拌後、溶媒を減圧濃縮し、
得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:1)で精製して、無色ワックス状の表題化合物
(56mg;収率92%)を得た。 IR(Neat)ν:3320, 2920, 2850, 1730, 1690, 164
0, 1540, 1460, 1370,1250, 1150cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=6.6Hz), 1.25(6
0H,s), 1.44(9H,s), 1.46(9H,s), 1.40-1.60(4H,m), 1.
70-2.25(2H,m), 2.04(3H,s), 2.25-2.40(2H,m), 2.70-
2.95(4H,m), 3.15(4H,q,J=6.6Hz), 4.05-4.50(3H,m),
4.69(1H,m), 5.00-5.20(2H,m), 5.28(1H,brs), 6.66(1
H,d,J=7.6Hz), 7.39(1H,d,J=8.2Hz)
【0073】実施例17〔(2R,6R)−6,7−ビス(オクタデシルカルバ
モイルオキシ)−2−アセチルアミノ−4−チアヘプタ
ノイル〕−L−グルタミン酸 実施例16で得られた〔(2R,6R)−6,7−ビス
(オクタデシルカルバモイルオキシ)−2−アセチルア
ミノ−4−チアヘプタノイル〕−L−グルタミン酸ジ−
t−ブチルエステル(55mg)のクロロホルム(0.5
ml)−トリフルオロ酢酸(3ml)溶液を室温で2時間撹
拌後、溶媒を減圧留去して、無色粉末の表題化合物(5
0mg;収率100%)を得た。 IR(KBr)ν:3320, 2917, 2850, 1735, 1697, 1656,
1562, 1554, 1469, 1294, 1166cm-1 1 H−NMR(CDCl3-THA)δ:0.88(6H,t,J=6.8Hz), 1.
25(60H,s), 1.40-1.55(4H,m), 2.16(3H,s), 2.10-2.40
(2H,m), 2.59(2H,t,J=6.2Hz), 2.70-3.00(4H,m), 3.14
(4H,t,J=6.8Hz), 4.10-4.40(2H,m), 4.65-4.90(2H,m),
5.12(1H,m) 実施例18〔(2R,6R)−6−パルミトイルオキシ−7−オク
タデシルカルバモイルオキシ−2−アセチルアミノ−4
−チアヘプタノイル〕−L−グルタミン酸ジ−t−ブチ
ルエステル 実施例5で得られた〔(2R,6R)−6−パルミトイ
ルオキシ−7−オクタデシルカルバモイルオキシ−2−
アミノ−4−チアヘプタノイル〕−L−グルタミン酸ジ
−t−ブチルエステル(126mg)、トリエチルアミン
(120mg)のジクロロメタン(6mg)溶液に塩化アセ
チル(80mg)を加え、室温で1時間撹拌後、溶媒を減
圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム(クロロホ
ルム:メタノール=50:1)で精製して、無色ワック
ス状の表題化合物(131mg;収率100%)を得た。 IR(Neat)ν:3300, 2920, 2850, 1735, 1705, 164
0, 1540, 1465, 1370,1250, 1150cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=6.8Hz), 1.25(5
4H,s), 1.44(9H,s), 1.47(9H,s), 1.40-1.70(4H,m), 1.
85-2.20(2H,m), 2.05(3H,s), 2.25-2.40(4H,m), 2.75-
3.00(4H,m), 3.15(4H,q,J=6.6Hz), 4.10-4.35(2H,m),
4.44(1H,m), 4.62(1H,m), 5.10-5.25(2H,m), 6.72(1H,
d,J=6.6Hz), 7.20(1H,d,J=7.6Hz)
【0074】実施例19〔(2R,6R)−6−パルミトイルオキシ−7−オク
タデシルカルバモイルオキシ−2−アセチルアミノ−4
−チアヘプタノイル〕−L−グルタミン酸 実施例18で得られた〔(2R,6R)−6−パルミト
イルオキシ−7−オクタデシルカルバモイルオキシ−2
−アセチルアミノ−4−チアヘプタノイル〕−L−グル
タミン酸ジ−t−ブチルエステル(130mg)のクロロ
ホルム(0.5ml)−トリフルオロ酢酸(3ml)溶液を
室温で2時間撹拌後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣
をクロロホルム−メタノール−水から結晶化させ、無色
粉末の表題化合物(97mg;収率84%)を得た。 IR(Neat)ν:2920, 2852, 1727, 1662, 1537, 146
3, 1419, 1255, 1184cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(6H,t,J=6.8Hz), 1.25(5
4H,s), 1.40-1.70(4H,m), 1.90-2.55(6H,m), 2.07(3H,
s), 2.65-2.80(2H,m), 2.90-3.00(2H,m), 3.10-3.25(2
H,m), 4.10-4.35(2H,m), 4.58(1H,m), 4.72(1H,m), 5.1
0-5.25(2H,m), 7.08(1H,d,J=7.6Hz), 7.69(1H,d,J=7.8H
z)
【0075】上記実施例で得られた本発明の化合物
〔I〕またはその塩の構造を表1および2にまとめて示
す。
【表1】
【表2】
【0076】試験例1 本発明の化合物のマウス骨髄細胞の増殖促進作用を表3
に示す。BALB/c マウス骨髄細胞2×106/ml,
2mM L−グルタミン、20μg/ゲンタミシン(フロ
ー・ラボラトリーズ社製、スコットランド),10%牛
胎児血清〔バイオ ウイッタカー社製、米国〕を含むR
PMI 1640培地〔バイオ ウイッタカー社製、米
国〕に試験化合物を適宜の濃度加え、37℃,5%炭酸
ガスで3日間培養した後、MTT還元法〔多田ら、ジャ
ーナル・オブ・イムノロジカル・メソーズ(Journal of
Immunologival Methods)第93巻、157頁、198
6年〕で骨髄細胞の増殖を測定した。
【表3】 マウス骨髄細胞増殖促進作用 化合物番号 最小有効濃度(MEC,ng/ml)*1 実施例5の化合物 0.31 実施例6の化合物 0.31 実施例9の化合物 0.39 *1 化合物無添加区の増殖を1とし、1.3倍以上の増殖を示した濃度で表示
【0077】試験例2 本発明の化合物の白血球増加作用を表4に示す。6週令
の雌性CDF1/Crjマウス(1群5匹)に、生理食塩
水に溶解したサイクロフォスファミド(cyclophosphami
de)を150mg/kgの投与量で経口投与し、その翌日か
ら、5%グルコースに懸濁した化合物を下記投与量で1
日1回5日間皮下投与した。投与終了の翌日に、EDT
A処理したガラスキャピラールを用いて眼窩静脈より末
梢血約100μl を採取し、全自動多項目血球計数装置
(東亜医用電子 Sysmex K−2000)を用いて白血球
数を測定した。
【表4】 白血球増加作用 薬剤 投与量(mg/kg/day) 白血球数(%)*1 実施例6の化合物 0.031 117 *1 サイクロフォスファミドの代わりに生理食塩水を
体重20g当たり0.2mlを経口投与し、その翌日か
ら、同用量の5%グルコースを1日1回5日間皮下投与
したマウスの白血球数を100%として表示。なお、サ
イクロフォスファミドを150mg/kgの投与量で経口投
与し、その翌日から、体重20gあたり0.2mlの5%
グルコースを1日1回5日間皮下投与したマウスの白血
球数の平均値と標準偏差を実験を通じ41±11%であ
った。
【0078】製剤例1 実施例4の化合物を用いて、下記に示す処方の全成分を
混和し、ゼラチンカプセルに充填し、カプセル1個当た
り、30mgの該化合物を含有するカプセル剤を製造し
た。 実施例4の化合物 30mg 乳 糖 100mg コーンスターチ 40mg ステアリン酸マグネシウム 10mg 合 計 180mg
【0079】製剤例2 実施例4の化合物とステアリン酸マグネシウムを可溶性
デンプンの水溶液で顆粒化し、乾燥後、乳糖およびコー
ンスターチと混合した。混合物を圧縮成型し、下記に示
す処方の錠剤を製造した。 実施例4の化合物 30mg 乳 糖 65mg コーンスターチ 30mg 可溶性デンプン 35mg ステアリン酸マグネシウム 20mg 合 計 180mg
【0080】製剤例3 実施例4の化合物を30%(W/V)ポリエチレングリ
コール400を含む生理食塩水に溶解して該化合物の
0.05%溶液を調整し、滅菌瀘過して、バイアルに3
0mlずつ分注した。バイアル1個当たり、15mgの
化合物を含有する静注剤を製造した。
【0081】
【発明の効果】本発明の化合物〔I〕またはその塩は、
免疫増強作用を有し、癌の化学治療や放射線治療時に引
き起こされる白血球減少症の治療・予防剤として、ま
た、骨髄移植による治療,骨髄異形成症候群や再生不良
性貧血症等の治療時における免疫増強剤として、さらに
は血小板減少症の予防・治療剤として用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 ABY C07C 317/18 7419−4H C07K 5/062 8318−4H 5/083 8318−4H 5/103 ZNA 8318−4H 7/06 8318−4H

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、R1およびR2は、置換カルバモイル基またはア
    シル基で少なくとも一方が置換カルバモイル基を、R3
    およびR4は同一または異って水素またはアルキル基
    を、R5は保護されていてもよいアミノ基を、Xはカル
    ボニル基,スルホニル基または式−CONH−(C
    2n−NHCO−で表される基(nは1〜10の整
    数)を、Yは保護基を有していてもよい1〜7個のアミ
    ノ酸からなりスルホン酸アミド結合を介していてもよい
    アミノ酸配列を示す〕で表わされる化合物またはその
    塩。
  2. 【請求項2】アシル基が炭素数6から26の脂肪族アシ
    ル基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】置換カルバモイル基における置換基が炭素
    数4から24の脂肪族炭化水素基である請求項1記載の
    化合物。
  4. 【請求項4】R3およびR4が水素である請求項1記載の
    化合物。
  5. 【請求項5】Yで示されるアミノ酸配列が1〜5個のア
    ミノ酸からなる請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】一般式 【化2】 〔式中、R1およびR2は、置換カルバモイル基またはア
    シル基で少なくとも一方が置換カルバモイル基を、R3
    およびR4は同一または異って水素またはアルキル基
    を、R5は保護されていてもよいアミノ基を、Xはカル
    ボニル基,スルホニル基または式−CONH−(C
    2n−NHCO−で表される基(nは1〜10の整
    数)を示す〕で表わされる化合物またはその塩と一般式 H−Y 〔式中、Yは保護基を有していてもよい1〜7個のアミ
    ノ酸からなりスルホン酸アミド結合を介していてもよい
    アミノ酸配列を示す〕で表わされる化合物またはその塩
    とを縮合反応させ、ついで所望により脱保護基反応に付
    すことを特徴とする請求項1記載の化合物の製造法。
  7. 【請求項7】一般式 【化3】 〔式中、R3およびR4は同一または異って水素またはア
    ルキル基を、R5は保護されていてもよいアミノ基を、
    Xはカルボニル基,スルホニル基または式−CONH−
    (CH2n−NHCO−で表される基(nは1〜10の
    整数)を、Yは保護基を有していてもよい1〜7個のア
    ミノ酸からなりスルホン酸アミド結合を介していてもよ
    いアミノ酸配列を示す〕で表わされる化合物またはその
    塩をカルバモイル化反応またはアシル化およびカルバモ
    イル化反応に付し、ついで所望により脱保護基反応に付
    すことを特徴とする請求項1記載の化合物の製造法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の化合物を含有してなる免疫
    増強剤。
  9. 【請求項9】請求項1記載の化合物を含有してなる血小
    板減少症予防・治療剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302636A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Neos Co Ltd 抗菌剤
US20130065861A1 (en) * 2010-03-23 2013-03-14 Irm Llc Compounds (cystein based lipopeptides) and compositions as tlr2 agonists used for treating infections, inflammations, respiratory diseases etc.

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