JPH07125440A - ポリウレタン記録媒体 - Google Patents

ポリウレタン記録媒体

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JPH07125440A
JPH07125440A JP5297522A JP29752293A JPH07125440A JP H07125440 A JPH07125440 A JP H07125440A JP 5297522 A JP5297522 A JP 5297522A JP 29752293 A JP29752293 A JP 29752293A JP H07125440 A JPH07125440 A JP H07125440A
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JP
Japan
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shape
compound
acid
compounds
transition point
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JP5297522A
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English (en)
Inventor
Yukihiro Okubo
幸浩 大久保
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07125440A publication Critical patent/JPH07125440A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリウレタン架橋成形体がTg以上の温度で
変形を加えられ、そのままTg以下に急冷して固定され
た形状が、再びTg以上に加熱された部分のみ元の形状
に戻る性質を利用した形状差による記録媒体を提供する
こと。 【構成】 硬化性ウレタン組成物を硬化して第1形状の
架橋成形体を得た後、そのガラス転移点以上の温度で全
体を第2形状に変形させ、これを変形させたままガラス
転移点以下の温度に急冷して第2形状を固定し、その
後、第2形状の一部を局部的にガラス転移点以上に加熱
し、部分的に第1形状に戻すことにより、第1形状と第
2形状の形状差によって局部加熱した図形を記録し、こ
の記録を消去する場合は、全体をガラス転移点以上に加
熱して全体を第1形状に戻すことを特徴とするポリウレ
タン記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン記録媒体に
関し、ポリウレタンの形状記憶性能を利用して、所望の
図形を記録および消去するための、ポリウレタン記録媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】形状記憶性ポリウレタンとしては、特定
の結晶性ポリマージオールを用いる方法(特開平1−2
82209号公報)、発泡体(特開平2−92912号
公報)、線状ポリウレタンエラストマー(特開昭61−
293214号公報、特開平2−92914号公報)、
フィルム(特開平2−1063254号公報)などが公
知であるが、これらの発明において、所望の図形に局部
的にガラス転移点(以下、Tgと記す。)以上に加熱
し、非加熱部分との形状差によって、その図形を記録す
る方法は提案されていない。また、1992年第23回
画像工学コンファレンス論文集の321〜324ページ
(以下、文献Aとする。)には、ポリウレタンの5μm
厚塗膜の所望部位をレーザーで局部的に加熱し、その熱
膨脹により膜がドーム型に形成(第2形状)されること
で記録を行ない、再びガラス転移点以上に全体を加熱す
ることで記録が消去できることが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法から
は、本発明における、まず第1形状架橋成形体の全体を
第2形状に固定した後、所望の図形部分を局部的に加熱
して第1形状に戻し、その形状差によって記録する方法
を類推することは困難である。文献Aで示された方法
は、熱膨脹によりドーム形に第2形状とする必要から膜
厚の制限があり、塗膜としては使用可能でも成形体全般
には応用できない。本発明の目的は、塗膜、フィルム、
ブロックなどの形状によらず、その表面に所望の図形を
記録し、かつ消去できるポリウレタン記録媒体を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のポリウレタン記
録媒体は、硬化性ウレタン組成物を硬化して第1形状の
架橋成形体を得た後、そのガラス転移点(以下、Tgと
いう)以上の温度で全体を第2形状に変形させ、これを
変形させたままTg以下の温度に急冷して第2形状を固
定し、その後、第2形状の一部を局部的にTg以上に加
熱し、部分的に第1形状に戻すことにより、第1形状と
第2形状の形状差によって局部加熱した図形を記録し、
この記録を消去する場合は、全体をTg以上に加熱して
全体を第1形状に戻すことを特徴とする。以下、本発明
について具体的に説明する。
【0005】本発明において用いられる硬化性ウレタン
組成物としては、イソシアネート基を2つ以上含有する
ポリイソシアネート化合物を主成分とする第1成分と、
イソシアネート基と反応可能な活性水素を2つ以上含有
する化合物を主成分とする第2成分とからなる2液型硬
化性ウレタン組成物、前記第1成分に三量化触媒および
必要に応じて固体の活性水素含有物を添加した1液型加
熱硬化性ウレタン組成物、前記第1成分に必要に応じて
湿気硬化用触媒を添加した1液型湿気硬化性ウレタン組
成物などが挙げられる。第1成分のイソシアネート基を
2つ以上含有する。
【0006】前記第1成分のポリイソシアネート化合物
は、イソシアネート基を2つ以上有し、例えば脂肪族、
芳香族、脂環式などの各種のポリイソシアネート化合物
を挙げることができる。かかるポリイソシアネート化合
物としては、例えばキシリレンジイソシアネート、ポリ
フェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、ナフタレンジイソシアネート、水添ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートな
どのジイソシアネート化合物、あるいはこれらの重合物
を挙げることができ、さらに、分子内にアロファネート
結合、イソシアヌレート結合、カルボジイミド結合など
を含有し、分子中に複数のイソシアネート基を有する化
合物、例えば上記ジイソシアネート化合物の二量化物や
三量化物、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネ
ートなどを用いることもできる。これらのポリイソシア
ネート化合物は、単独でもしくは2種類以上組み合わせ
て用いることができる。3官能以上のポリソシアネート
化合物の使用量は、通常、全イソシアネート化合物の1
〜80モル%、好ましくは10〜60モル%である。
【0007】2液型硬化性ウレタン組成物の場合で、か
つ第2成分が2官能性化合物の場合および1液型湿気硬
化性ウレタン組成物の場合には、ポリウレタン架橋成形
体を得るために3官能以上のポリイソシアネート化合物
を含むことが必要である。さらにまた、本発明において
はポリイソシアネート化合物として、ポリイソシアネー
トとポリオールとを反応させて得られる、分子中に複数
のイソシアネート基を有するポリイソシアネートプレポ
リマーを用いることもできる。かかるプレポリマーは、
例えば上記のようなポリイソシアネートと、後述するポ
リオールおよび必要に応じてポリアミン化合物とを、例
えば20〜90℃で1〜6時間反応させることによって
得ることができる。
【0008】本発明において2液型硬化性ウレタン組成
物において用いられる第2成分の活性水素を2つ以上含
有する化合物としては、水酸基、チオール基、アミノ
基、カルボキシル基などを分子中に複数有する化合物が
用いられ、特に2つの成分の混合や成形の作業性からポ
リオール化合物、必要に応じてポリアミン化合物が好適
である。
【0009】ポリオール化合物の具体例としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、グリセリン、1,
3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘ
キサントリオール、ペンタエリスリトール誘導体、ソル
ビトール、ネオペンチルグリコールなどの多価アルコー
ル類;前記多価アルコール類と、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの
付加重合により得られるポリエーテルポリオール;前記
多価アルコール類と、マレイン酸、コハク酸、アジピン
酸、セバジン酸、酒石酸、テレフタル酸、イソフタル酸
などの多塩基酸類との縮合反応により得られるポリエス
テルポリオール;ε−カプロラクトン、γ−バレロラク
トンなどのラクトン類に開環重合により得られるポリエ
ステルポリオール;アクリル酸ヒドロキシエチル、アク
リル酸ヒドロキシブチル、トリメチロールプロパンモノ
アクリレートなどの水酸基を含有する重合性モノマーを
単独で重合して、またはこれらと共重合可能なモノマ
ー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アク
リロニトリル、α−メチルスチレンなどとを共重合して
得られるアクリルポリオール;ヒマシ油もしくはその誘
導体;両末端にエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどとを反応
させて得られるエポキシポリオールなどを挙げることが
できる。これらのポリオール化合物は、単独もしくは2
種類以上で組み合わせて用いることができる。第1成分
が2官能性化合物の場合には、ポリウレタン架橋成形体
を得るために3官能以上のポリオール化合物を含むこと
が必要である。
【0010】ポリアミン化合物の具体例としては、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレン
ヘキサミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシレン
ジアミン、イソホロンジアミン、メラミンおよびこれら
の誘導体などの脂肪族ポリアミン化合物;o−フェニレ
ンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレン
ジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,
4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル、2,4−ジアミノジフェニルア
ミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノ
ナフタレン、2,4−ジアミノトルエンなどの芳香族ポ
リアミン化合物を挙げることができる。2液型硬化性ウ
レタン組成物中の第1成分と第2成分の割合はモル比で
通常。1/10〜10/1である。
【0011】また、本発明の2液型硬化性ウレタン組成
物の第2成分には、ポリウレタン成形時の硬化を促進さ
せるために、硬化用触媒が添加されていてもよい。かか
る硬化用触媒としては、例えば酢酸第一すず、オクタン
酸第一すず、ラウリン酸第一すず、オレイン酸第一すず
などのカルボン酸第一すず;ジブチルチンアセテート、
ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマレエート、
ジブチルチンジ−2−エチル−ヘキソエート、ジラウリ
ルチンジアセテート、ジオクチルチンジアセテートなど
のカルボン酸のジアルキルすず塩;水酸化トリメチルす
ず、水酸化トリブチルすず、水酸化トリオクチルすずな
どの水酸化トリアルキルすず;酸化ジブチルすず、酸化
ジオクチルすず、酸化ジラウリルすずなどの酸化ジアル
キルすず;二塩化ジブチルすず、二塩化ジオクチルすず
などの塩化ジアルキルすず;トリエチルアミン、ベンジ
ルジメチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス(2−
ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N′,
N′,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、テト
ラメチルブタンジアミン、2−メチル−トリエチレンジ
アミンなどの第3級アミン;1,8−ジアザ−ビシクロ
(5.4.0)ウンデセン−7(以下、(「DBU」と
略す。)のフェノール塩、ステアリン酸塩、オレイン酸
塩、ギ酸塩などのDBU塩;ビス−4−(2,6−ジメ
チルモルホリノ)エチルエーテル、ビス−2−(3,5
−ジメチルモルホリノ)エチルエーテル、4,4′−ジ
モルホリノジエチルエーテルなどのモルホリン化合物を
用いることができる。
【0012】本発明おいて1液型加熱硬化性ウレタン組
成物に用いられる三量化触媒としては、常温で固体の触
媒が好ましく、1,8−ジアザ−ジシクロ(5.4.
0)ウンデセン−7(以下、「DBU」と略す。)の塩
類、例えばオルソフタル酸モノDBU塩、アジピン酸モ
ノDBU塩、フェノールノボラック樹脂の部分DBU塩
などのDBU塩類;鉄(III)アセチルアセトナー
ト、マンガン(III)アセチルアセトナート、亜鉛
(II)アセチルアセトナートなどのアセチルアセトナ
ート類;2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイ
ミダゾールなどのイミダゾール類;エポキシ樹脂の硬化
促進剤を挙げることができる。これらの促進剤のなか
で、DBU塩類、特にフェノールノボラック樹脂のDB
U塩は、加熱硬化性と貯蔵安定性の点で好ましい。これ
ら硬化促進剤は市販品としても入手することができ、例
えば「U−CAT SA−831」、「U−CAT S
A−841」〔以上、すべてサンアプロ(株)製〕など
を挙げることができる。上記の三量化触媒は、ポリイソ
シアネート化合物100重量部に対して0.1〜35重
量部、特に0.1〜20重量部の割合で分散含有されて
いることが好ましく、この場合には、得られる1液型加
熱硬化性ウレタン組成物は、貯蔵安定性が損なわれず
に、加熱硬化性が付与されたものとなる。
【0013】また、本発明において1液型加熱硬化性ウ
レタン組成物に、必要に応じて添加される固体の活性水
素含有化合物としては、下記に示す化合物〜化合物
からなる群より選ばれた少なくとも1種の固形成分(以
下、これを「特定固形化合物」という。)が分散含有さ
れていることが好ましい。 化合物 ヒドラジノ基、第一アミド基、第一チオアミ
ド基およびスルファモイル基から選ばれる少なくとも1
種の官能基を有する固形の多官能化合物 化合物 アミジノ基を有する固形の化合物 化合物 複数環および複数の活性水素を有する固形の
化合物
【0014】上記の化合物は、ヒドラジノ基、第一ア
ミド基、第一チオアミド基およびスルファモイル基以外
に、イソシアネート基と反応を有する基、例えばアミノ
基、水酸基などを有していてもよい。また、上記の化合
物もイソシアネート基と反応性を有する基を有してい
てもよい。
【0015】ヒドラジノ基を有する固形の多官能化合物
の例としては、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒ
ドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒ
ドラジド、ヘキサデカン二酸ジヒドラジド、エイコサン
二酸ジヒドラジド、カルボン酸ジヒドラジド、アゼライ
ン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、イソフタル
酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ヘキサヒ
ドロイソフタル酸ジヒドラジド、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸ジヒドラジド、メチルアミノジプロピオン酸ジヒド
ラジド、フェニルアミノプロピオン酸ジヒドラジド、メ
チルアミノジ酪酸ジヒドラジド、エチルアミノジ吉草酸
ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチ
ル)−5−イソプロピルヒダントインなどの分子内に2
個のヒドラジノ基を有する化合物;クエン酸トリヒドラ
ジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジドな
どの分子内に3個以上のヒドラジノ基を有する化合物;
セミカルバジドなどの分子内にヒドラジノ基とアミノ基
とを有する化合物;サリチル酸ヒドラジド、p−オキシ
安息香酸ヒドラジドなどの分子内にヒドラジノ基と水酸
基を有する化合物を挙げることができる。
【0016】第一アミド基を有する固形の多官能化合物
の例としては、コハク酸ジアミド、アジピン酸ジアミ
ド、マレイン酸ジアミド、マロン酸ジアミド、セバシン
酸ジアミド、ドデカン二酸ジアミド、ヘキサデカン二酸
ジアミド、エイサカン二酸ジアミド、ビウレット、イソ
フタル酸ジアミドなどの分子内に2個以上の第一アミド
基を有する化合物;クエン酸トリアミド、シクロヘキサ
ントリカルボン酸トリアミドなどの分子内に3個以上の
第一アミド基を有する化合物;尿素などの分子内に第一
アミド基とアミノ基とを有する化合物;オキサミックヒ
ドラジドなどの分子内にヒドラジ基と第一アミド基を有
する化合物を挙げることができる。
【0017】第一チオアミド基を有する固形の多官能化
合物の例としては、コハク酸ジチオアミド、アジピン酸
ジチオアミド、マレイン酸ジチオアミド、マロン酸ジチ
オアミド、セバシン酸ジチオアミド、ドデカン二酸ジチ
オアミド、ヘキサデカン二酸ジチオアミド、エイコサン
二酸ジチオアミド、イソフタル酸ジチオアミドなどの分
子内に2個以上の第一チオアミド基を有する化合物;ク
エン酸トリチオアミド、シクロヘキサントリカルボン酸
トリチオアミドなどの分子内に3個以上の第一チオアミ
ド基を有する化合物;チオ尿素などの分子内に第一チオ
アミド基とアミノ基とを有する化合物を挙げることがで
きる。
【0018】スルファモイル基を有する固形の多官能化
合物の例としては、ブタンジスルファミド、ヘキサンジ
スルファミド、ベンゼンジスルファミドなどの分子内に
2個以上のスルファモイル基を有する化合物を挙げるこ
とができる。
【0019】化合物のアミジノ基を有する固形の化合
物の例としては、ジシアンジアミド、シクロヘキサンカ
ルボキサミジンなどの分子内に1個のアミジノ基を有す
る化合物;ペンタンジアミジン、オキサルジアミジン、
イソフタルジアミジン、ビグアニドなどの分子内に2個
のアミジノ基を有する化合物;1,1,3,3−プロパ
ンテトラカルボキサミジンなどの分子内に3個以上のア
ミジノ基を有する化合物;グアニジンなどの分子内にア
ミジノ基とアミノ基を有する化合物;3−グアニジノプ
ロピオナミドなどの分子内にアミジノ基と第一アミド基
を有する化合物を挙げることができる。
【0020】化合物の複数環および複数の活性水素を
有する固形の化合物は、活性水素を有する基としてアミ
ノ基を有することが好ましく、例えばメラミン、モノメ
チロールメラミン、ジアリルメラミン、アミノイミダゾ
イルメラミン、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイ
ミダゾリル−(1)]−エチルトリアジン、2,4−ジ
アミノ−6−[2−エチル−4−メチルイミダゾリル−
(1)]−エチルトリアジン、2,4−ジアミノ−6−
[2−ウンデシルイミダゾリル−(1)]−エチルトリ
アジン、ベンゾグアナミン、トリチオシアヌル酸および
これらの誘導体などを挙げることができる。
【0021】上記の特定固形化合物のうち、特に好まし
いものとしては、アジピン酸ジヒドラジド、エイコサン
二酸ジヒドラジド、メラミン、アミノイミダゾイルメラ
ミンなどを挙げることができる。また、特定固形化合物
は、単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いること
ができる。特定固形化合物は、ポリイソシアネート化合
物の有するイソシアネート基と、当該特定固形化合物の
有するイソシアネート基と反応性を有する基の総量との
当量比(イソシアネート基/イソシアネートと反応性を
有する基)が、通常、0.3〜20、好ましくは0.5
〜15となるように使用される。
【0022】本発明においては、特定固形化合物ととも
に、ヒドラジノ基、第一アミド基、第一チオアミド基、
スルファモイル基、アミジノ基および複数環を有さない
固形のポリヒドロキシ化合物を併用してもよい。この固
形のポリヒドロキシ化合物を併用する場合において、ウ
レタンプレポリマーの有するイソシアネート基と、当該
ヒドロキシ化合物の有する水酸基との当量比(NCO/
OH)は2.5以上であることが好ましい。この当量比
が2.5未満の場合には、水酸基の割合が大きいため、
得られる組成物の貯蔵安定性が低下することとなる。
【0023】固形のポリヒドロキシ化合物の具体例とし
ては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリストール、コーンでんぷんのメチル
アルファグルコシド、コーンでんぷん、ショ糖、ラクト
ース、d−マンニトール、無水ソルビトール、ドゥルシ
トール、エリスリトール、イソプロピリデン−ビス(β
−ヒドロキシエトキシフェノール)、1,4−ジ(β−
ヒドロキシエトキシ)フェノール、5−メチロール−5
−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエ
チル)−1,3−ジオキサン、5,5−ジメチロール−
2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−
1,3−ジオキサンなどを挙げることができる。
【0024】本発明における特定固形化合物は、得られ
る組成物の硬化処理温度以上の融点、例えば60℃以上
の融点を有することが好ましいが、硬化処理が通常、7
0〜150℃で行なわれることから、70〜200℃程
度の融点を有する化合物が特に好ましい。また、特定固
形化合物は、ポリイソシアネート化合物中に分散される
ものであるため、微細に粉砕されていることが好まし
く、特に50μ程度以下の粒度を有するものが好まし
い。
【0025】本発明において1液型加熱硬化性ウレタン
組成物には、さらに必要に応じて高沸点極性化合物が含
有されていることが好ましい。この高沸点極性化合物
は、その融点が得られる組成物のための硬化処理温度以
下のものであり、かつその沸点が硬化処理温度以上ある
いは当該組成物が適用される個所の温度以上のものであ
ることが好ましい。この高沸点極性化合物を選択するこ
とにより、本発明の組成物の硬化温度および速度を制御
することができる。
【0026】かかる高沸点極性化合物としては、例えば
プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バ
レロラクトン、δ−バレロラクトン、N−メチル−ε−
カプロラクタム、N−メチルピロリドン、シクロヘキサ
ン、フルフラール、N−メチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテ
ート、アセトニルアセトン、メチルシアノアセテート、
テトラメチルウレア、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど
の融点が20℃未満の化合物、エチレンカーボネート、
α−ピペリドン、スルホレン、サクシノニトリル、ジア
ミノマレオニトリル、p−ニトロアニソール、カルバミ
ン酸メチル、カルバミン酸イソプロピル、アセトアミ
ド、N−メチルアセトアミド、無水コハク酸、ジフェニ
ルカーボネートなどの融点が20℃以上の化合物などを
挙げることができる。これらのうちでは、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネートなどの炭酸エステル
類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バ
レロラクトンなどのラクトン類が好ましい。上記の高沸
点極性化合物は、単独でもしくは2種以上組み合わせて
用いることができる。また、高沸点極性化合物は、ポリ
イソシアネート化合物の100重量部に対して0.1〜
30重量部、特に0.1〜10重量部であることが好ま
しく、この場合には、さらに短時間で硬化させることが
でき、貯蔵安定性も比較的よい組成物を得ることができ
る。
【0027】本発明において1液型加熱硬化性ウレタン
組成物は、比較的低い温度による加熱処理によって短時
間で初期強度が発現される程度に硬化するが、その後、
さらに加熱処理と続けることおよび/または湿気を与え
ることにより硬化反応を完了させることができる。本発
明において1液型湿気硬化性ウレタン組成物に、必要に
応じて添加される湿気硬化用触媒としては、前記第2成
分に添加し得る触媒を挙げることができる。これらの触
媒のうち、特に湿気硬化を促進するビス(2−ジメチル
アミノエチル)エーテル、N,N,N′,N′,N″−
ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス−4−(2,
6−ジメチルモルホリノ)エチルエーテルが好ましい。
【0028】本発明の硬化性ウレタン組成物は、必要に
応じて充填材を加えることができる。充填材の例として
は、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、合成シリカ、合
成ゼオライト、ベントナイト、亜鉛華、二酸化チタン、
乾燥カーボンブラック、ガラス粒子、およびこれらを表
面処理したものを挙げることができる。以上のほかに、
本発明の硬化性ウレタン組成物には、必要に応じて着色
剤、安定剤、可塑剤、増粘剤、タレ防止剤、非極性溶媒
などを添加することができる。
【0029】本発明における第1形状の架橋成形体は、
2液硬化性ウレタン組成物の場合には、第1成分と第2
成分をよく混合後、1液型加熱硬化性ウレタン組成物お
よび1液型湿気硬化性ウレタン組成物の場合は、そのま
ま型に注型し、あるいは塗布して硬化させることで、あ
るいは塊状やシート状に硬化させた後、所定の形に切り
出し、第1形状を得る。この際、水あるいはその他の発
泡剤を用いて発泡体としてもよい。こうして得られた第
1形状の成形体を、そのTg以上の温度に加熱し、変形
を加えて第2形状とする。加熱の方法は、加熱気体中、
加熱液体中、水蒸気中などに成形物を置くことでなさ
れ、特に制限はない。変形を加える方法は、道具もしく
は素手で行なうことができ特に制限はない。Tgが室温
以下の場合は室温、あるいはTg以上室温未満の温度で
変形を加えることもできる。こうして第2形状に変形し
たままで、成形体のTg未満の温度に急冷し、変形を加
えていた力を除いて、第2形状の成形体を得る。Tgが
室温以下の場合は、使用するまでTg以下の温度に保
つ。冷却温度が室温以上の場合は、急冷後そのまま室温
で放置してよい。
【0030】本発明の第2形状の架橋成形体の所定部位
の変形を取り除き、所定部位のみ第1形状に戻すには、
その所定部位のみを局部的にTg以上の温度に加熱すれ
ばよく、加熱された部位は自動的に第1形状に回復し、
非加熱部位は第2形状のまま残る。これによって、所定
部位とその他の部位とに形状差が生じ、所定の図形が記
録される。局部的に加熱する方法は、その形状に合わせ
て、熱風、ヒーター、可視光、赤外光、レーザーなどか
ら選択すればよく、特に制限されない。記録を消去する
ときは、成形体全体をTg以上に加熱し、全体を第1形
状に戻すことで行なわれる。
【0031】
【実施例】
実施例1 分子量2,000の2官能ポリエーテルジオール「エク
セノール2020」〔旭硝子(株)〕42部と、ポリメ
リック4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
「スミジュール44V−20」〔住友バイエルウレタン
(株)製〕13部と、カルボジイミド変性4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート「アイソネート143
L」〔化成アップジョン(株)製〕22部とを90℃で
2時間反応させ、乾燥したタルク23部を加えて第1成
分とした。分子量500の4官能ポリエーテルポリオー
ル「エクセノール600NE」〔旭硝子(株)製〕90
部と、乾式シリカ微粉末「アエロジル200」〔日本ア
エロジル(株)製〕10部と、トリエチレンジアミン
「DABCO」〔三共エアープロダクト(株)製〕0.
2部を混合し、第2成分とした。第1成分と第2成分を
重量で4対1に混合し、2液型硬化性ウレタン組成物と
し、1mm厚シート用型に流し込み、室温で1日放置し
て第1形状が平らなシート状の成形物を得た。このシー
トの1部を切り出して、DMTA〔ポリマーラボラトリ
ーズ社製〕で粘弾性特性を測定し、Tgが60℃と測定
された。
【0032】実施例2 数平均分子量が5,000の3官能性ポリエーテルポリ
オール「エクセノール823」〔旭硝子(株)〕28部
と、ポリメリック4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート「スミジュール44V−20」〔住友バイエル
ウレタン(株)製〕9部とを90℃で2時間反応させて
複数のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化
合物を得た。このポリイソシアネート化合物にフタル酸
ジオクチル11部、炭酸カルシウム20部、合成ゼオラ
イト「5A」26部およびタルク6部を加えて配合物を
調製した。この配合物100部に対して、フェノールノ
ボラック樹脂の部分DBU塩「U−CAT SA83
1」〔サンアプロ(株)製〕4部を加え、1液型加熱硬
化性ウレタン組成物を得た。この組成物を1mm厚シー
ト用型に流し込み、90℃で30分間加熱し、第1形状
が平らなシート状の成形物を得た。実施例1と同様にし
てTgを測定し、50℃と測定された。
【0033】実施例3 実施例2の合成ゼオライト「5A」の代りに炭酸カルシ
ウムを26部、フェノールノボラック樹脂の部分DBU
塩の代りにビス−4−(2,6−ジメチルモルホリノ)
エチルエーテル「U−CAT 2041」〔サンアプロ
(株)製〕1.0部を加えて1液型湿気硬化性ウレタン
組成物を得た。この組成物を1mm厚シート用型に流し
込み、23℃、60%で3日間放置し、第1形状が平ら
なシート状の成形物を得た。実施例1と同様にしてTg
を測定し、45℃と測定された。
【0034】試験例 実施例1〜3で得た1mm厚シートを2mm厚鋼板に乗
せ、80℃に加熱後、それぞれのシートの上に剣山を、
針がシートの方になるようにさかさまに置き、さらにそ
の上に2kgの重りを置いた。1分間放置後、剣山と重
りを乗せたまま、冷水中に入れ急冷した。シートには剣
山の針の先の部位に0.1mm深さのくぼみが多数固定
され、第2形状となった。この第2形状のシートに、1
00℃に加熱した2cm×2cn×2cmの鋼ブロック
を5秒間乗せた後取り除いた。ブロックを乗せた部位は
局部的にTg以上に加熱され、剣山の針のくぼみが消え
て第1形状の平らな面に戻り、周囲の第2形状と明確な
形状差を生じ、2cm×2cmの正方形の図形が記録さ
れた。シート全体を再び80℃に加熱したところ、全体
が第1形状に戻り、平らとなって記録が消去された。
【0035】
【発明の効果】本発明によるポリウレタン記録媒体は、
用途に応じて任意の形状で使用でき、またTgを幅広く
設定でき、第1形状架橋成形体をTg以上の温度で変形
し、そのままTg以下に急冷することで第2形状とな
し、それを局部的に加熱することで加熱部位のみ第1形
状に戻る性質を利用して、第2形状と第1形状の形状差
を利用した記録媒体であり、印刷版、点字標示物、光メ
モリー、玩具、教材など、種々の分野で有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性ウレタン組成物を硬化して第1形
    状の架橋成形体を得た後、そのガラス転移点以上の温度
    で全体を第2形状に変形させ、これを変形させたままガ
    ラス転移点以下の温度に急冷して第2形状を固定し、そ
    の後、第2形状の一部を局部的にガラス転移点以上に加
    熱し、部分的に第1形状に戻すことにより、第1形状と
    第2形状の形状差によって局部加熱した図形を記録し、
    この記録を消去する場合は、全体をガラス転移点以上に
    加熱して全体を第1形状に戻すことを特徴とするポリウ
    レタン記録媒体。
JP5297522A 1993-11-02 1993-11-02 ポリウレタン記録媒体 Pending JPH07125440A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006503170A (ja) * 2002-10-11 2006-01-26 ユニバーシティ オブ コネチカット ナノ構造ハードセグメントを持つ半結晶質熱可塑性ポリウレタンに基づく形状記憶ポリマー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006503170A (ja) * 2002-10-11 2006-01-26 ユニバーシティ オブ コネチカット ナノ構造ハードセグメントを持つ半結晶質熱可塑性ポリウレタンに基づく形状記憶ポリマー

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