JPH07125027A - 成形機の型開閉制御方法 - Google Patents

成形機の型開閉制御方法

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JPH07125027A
JPH07125027A JP27819893A JP27819893A JPH07125027A JP H07125027 A JPH07125027 A JP H07125027A JP 27819893 A JP27819893 A JP 27819893A JP 27819893 A JP27819893 A JP 27819893A JP H07125027 A JPH07125027 A JP H07125027A
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speed
opening
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Nobuyuki Nakamura
伸之 中村
Takeshi Arai
健 荒井
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Nissei Plastic Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型の開閉操作時のオープン制御とクローズ
ド制御との切り換え点における衝撃力を緩和し、また、
金型の停止位置を精度よく行ない得る成形機の型開閉制
御方法を提供することを目的とする。 【構成】 補助シリンダー7のオープン制御による型開
閉工程中において金型(2)の移動速度を検出するとと
もに、前記型締めシリンダー5に併設されたサーボ弁8
の弁開度を、前記金型の移動速度に応じて調整しておく
とともに、このサーボ弁への作動油の供給を停止してお
き、前記金型が型開閉工程の終端近傍まで移動させられ
た際に、前記サーボ弁へ作動油を供給するとともに、こ
のサーボ弁による速度制御の前半をオープン制御によっ
て行ない、ついで、金型の速度情報をフィードバック信
号として、前記サーボ弁による速度制御をデジタルサー
ボによりクローズド制御することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形機の型開閉制御方
法に係わり、特に、金型の型締めを行なう型締めシリン
ダーと、前記金型の開閉をなす補助シリンダーとを備え
た成形機における型開閉制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、成形機、例えば、射出成形機にお
ける金型の開閉操作として、補助シリンダーにより前記
金型を高速移動させたのちに、この高速移動領域の終端
部近傍位置において、型締めシリンダーによる型締め操
作に移行させるようにしたものが知られている。
【0003】そして、前者の補助シリンダーによる金型
の高速移動は、金型の位置を制御因子として、この情報
に基づき、補助シリンダーへ供給される作動油圧力をオ
ープン制御することによって行なわれ、後者の型締めシ
リンダーによる型締め操作は、前記金型が所定位置に至
ったのちに、金型の速度情報、位置情報、および、型締
め圧力等のフィードバック信号により、前記型締めシリ
ンダーに作動油を供給するサーボ弁をクローズド制御す
ることによって行なわれている。
【0004】このような2段階の操作により、単純な金
型の移動を補助シリンダーによって高速で行ない、ま
た、位置や圧力の管理精度を要求される型締め時におい
ては、前記サーボ弁の作動を、アナログサーボによるク
ローズド制御によって高精度に制御することにより、金
型の型締め精度を確保しつつ、開閉時間を極力短縮する
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の技術においては、つぎのような改善すべき問題点
が残されている。すなわち、従来の技術においては、図
1に示すように、まず、補助シリンダーに設定された流
量の作動油が供給されることにより、金型の移動が開始
され、この金型が、作動油の供給開始からある時間経過
後に所定の速度となされる。そして、金型が所定の位置
まで移動させられると、その位置情報に基づき、作動油
を圧送するポンプがオープン制御されることによって、
前記作動油の供給量が減少させられることにより前記金
型の移動速度が減速され、さらに、所定の位置に至った
時点で前記作動油の供給量が一定に保持されることによ
り、金型の速度が低速で一定に保持される。
【0006】このような低速状態で、前記金型がさらに
所定の位置(図1にAで示す制御切り換え点)へ移動さ
せられると、前記補助シリンダーによる金型の移動操作
が停止されるとともに、型締めシリンダーによる型締め
操作へ移行させられる。そして、この型締め操作におい
て、前記型締めシリンダーへ作動油を供給するサーボ弁
が、前記金型の速度をフィードバック信号としたアナロ
グサーボによるクローズド制御による速度制御がなさ
れ、その後に、位置情報をフィードバック信号としたク
ローズド制御による位置制御を経て、型締め圧力をフィ
ードバック信号としたクローズド制御による圧力制御が
行なわれる。
【0007】ここで、金型の移動が前記制御切り換え点
Aに至るまでは前述したようにオープン制御によって行
なわれており、サーボ弁は作動させられていない。そし
て、前記制御切り換え点Aに達しクローズド制御を開始
する場合、サーボ弁の制御がアナログサーボによる制御
であることから、サーボ弁の作動開始位置(制御開始時
における開度)が不明であり、したがって、開度0の状
態から制御が開始される。一方、前記金型は、制御切り
換え点Aに至った際においても前記速度で継続して移動
させられており、この状態で作動油の供給を補助シリン
ダーから型締めシリンダーへ切り換えると、サーボ弁の
開度が0であることから、型締めシリンダーへの作動油
の供給が前述した金型の移動速度に見合わず、この結
果、金型が急激に減速させられることとなって、成形機
に衝撃を与えてしまうといった問題点が生じる。
【0008】また、このような問題点を解消するため
に、図1にBで示すように、金型の移動を一旦停止させ
ることが考えられるが、動作が不連続になるばかりでな
く、成形サイクルが長くなり、生産性の低下を招いてし
まう。
【0009】さらに、型開きを行なう場合、型開き終端
部における金型の移動制御が、補助シリンダーにおける
オープン制御によって行なわれることから、その停止位
置の制御精度が低いといった問題点があり、成形品取り
出し機との位置関係が一定せず、その自動化の障害とな
っている。
【0010】本発明は前述した従来の問題点に鑑みてな
されたもので、金型の開閉操作時におけるオープン制御
とクローズド制御との切り換え点における衝撃力を緩和
することのできる型開閉制御方法を提供することを目的
とし、また、他の目的は、型開き時における金型の停止
位置を精度よく行ない得る成形機の型開閉制御方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、金型の型締めを行なう型締めシリン
ダーと、前記金型の開閉をなす補助シリンダーとを備え
た成形機における型開閉制御方法であって、前記補助シ
リンダーのオープン制御による型開閉工程中において金
型の移動速度を検出するとともに、前記型締めシリンダ
ーに併設されたサーボ弁の弁開度を、前記金型の移動速
度に応じて調整しておくとともに、このサーボ弁への作
動油の供給を停止しておき、前記金型が型開閉工程の終
端近傍まで移動させられた際に、前記サーボ弁へ作動油
を供給するとともに、このサーボ弁による速度制御の前
半をオープン制御によって行ない、ついで、金型の速度
情報をフィードバック信号として、前記サーボ弁による
速度制御をデジタルサーボによりクローズド制御するこ
とを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に係わる成形機の型開閉制御方法によれ
ば、型締め時においては、補助シリンダーによって移動
させられる金型の移動速度を検出するとともに、この移
動速度に応じた弁開度をサーボ弁に与えておき、補助シ
リンダーによる金型の移動操作が完了した時点でサーボ
弁を介して型締めシリンダーへ作動油を供給する。この
とき、前記サーボ弁が金型の移動速度に応じた弁開度と
なされていることから、型締めシリンダーに供給される
作動油量が、前記金型の移動速度に見合った量に調整さ
れて、この金型の移動速度の変化が抑制される。したが
って、円滑な金型の移動が継続して行なわれ、金型や成
形機の他の構成部材に衝撃が加わることが抑制される。
【0013】また、型締めシリンダーへの作動油の供給
が行なわれたのちしばらくは、この作動油の供給量を調
整するサーボ弁の制御がオープン制御となされ、このの
ちに、金型の移動速度や位置、あるいは、型締め圧力を
フィードバック信号としたクローズド制御により型締め
を行なうことから、前記オープン制御の間において、前
記型締めシリンダーへ供給された作動油の圧力変動が抑
さえられ、クローズド制御が精度よく行なわれる。
【0014】さらに、前記サーボ弁の制御がデジタルサ
ーボによって行なわれていることから、前記サーボ弁の
開度が一義的に検出される。したがって、その開度調整
が精度よく行なわれることとなり、この点からも、前述
したオープン制御からクローズド制御への移行の際の衝
撃が緩和される。
【0015】一方、型開き時においては、サーボ弁によ
って型締めシリンダーの圧抜きが行なわれたのちに、補
助シリンダーへの作動油の供給がオープン制御によって
行なわれて、金型が開方向へ移動させられる。そして、
この金型が、停止位置近傍まで移動させられると、その
移動速度に見合った作動油量を前記型締めシリンダーへ
供給すべく、サーボ弁の開度が調整され、金型が所定位
置まで移動させられた時点で、前記サーボ弁から作動油
が型締めシリンダーへ供給されるとともに、このサーボ
弁がクローズド制御されることにより、前記金型が高精
度に位置制御され、所定の位置に停止させられる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
まず、本発明方法の説明に先立って、本発明を有効に実
施し得る型締め装置の一例について説明する。図2中、
符号1は、本発明が適用された成形機の型締め装置を示
し、この型締め装置1は、可動金型(図示略)が取り付
けられる可動盤2を開閉させるもので、一端部が前記可
動盤2に固定された型締めラム3と、この型締めラム3
が挿通されるとともに、その略中間部に設けられている
第1ピストン4によって一対の油圧室5a・5bが形成
された型締めシリンダー5と、この型締めシリンダー5
と直列状態に設けられ、前記型締めラム3が挿通される
とともに、この型締めラム3の他端部に設けられている
第2ピストン6によって一対の油圧室7a・7bが形成
された補助シリンダー7と、前記型締めシリンダー5へ
供給される作動油の制御をなすサーボ弁8と、型締めシ
リンダー5の両油圧室5a・5bの連通およびその遮断
を行なうバイパス弁9と、前記サーボ弁8のPポートと
タンク10との間に介装されたチェック弁11と、前記
補助シリンダー7へ供給される作動油の制御をなす型開
閉弁12と、前記サーボ弁8の制御を行なうデジタルサ
ーボ制御装置13とによって概略構成されている。
【0017】デジタルサーボ制御装置13は、前記型締
めシリンダー5の両油圧室5a・5bの圧力を差動アン
プ14によって検出することにより型締め力を検出し、
この差動アンプ14の出力はA/D変換器15を介して
デジタルサーボ演算処理部24に送信される。そして、
可動盤2の位置検出器17によって得られた位置情報お
よび速度変換器18によって得られた速度情報も前記デ
ジタルサーボ演算処理部24に送信される。さらに、主
コントローラー(図示略)より発進される圧力指令2
5、速度指令26、位置指令27、制御モードコマンド
28もデジタルサーボ演算処理部24に送信される。こ
れにより、各々の制御モードにしたがって、所定のアル
ゴリズムにより、指令値との偏差をなくすべ操作量が算
出され、この算出結果がD/A変換器22を介してコン
トロールアンプ23に供給され、増幅されて操作量とし
てサーボ弁8に与えられる。
【0018】ついで、このように構成された型締め装置
1の作用とともに、本実施例における型開閉制御方法に
ついて説明する。
【0019】まず、型締めの指令が出されると、油圧ポ
ンプが作動させられるとともに、型開閉弁12へ駆動信
号が出力されて補助シリンダー7へ作動油が供給され
る。このとき、前記型締めシリンダー5に装着されてい
るバイパス弁9は、図3に示すようにONの状態に保持
されて、型締めシリンダー5の両油圧室5a・5bが連
通されており、両油圧室5a・5b間の作動油の流れが
自由で、第1ピストン4の移動が自由な状態となされて
いるとともに、切り替え弁29がOFFとなされてサー
ボ弁8への作動油の供給が停止されている。これによっ
て、可動盤2が型締め方向へ移動させられる。
【0020】このような補助シリンダー7による可動盤
2の移動に際し、前記油圧ポンプがオープン制御され
て、この油圧ポンプからの作動油の吐出量が所定量に調
整されることにより、図3に示すように、可動盤2が急
激に加速されたのちに所定の速度で高速度で移動させら
れる(以降、この領域を高速型閉じ領域と称す)。
【0021】このような高速型閉じ領域を通過すると、
前記位置検出器17からの位置信号に基づいて前記油圧
ポンプにおける吐出量が絞られることにより、可動盤2
が所定速度まで減速されたのちに、この減速された所定
の速度で所定距離移動させられる(以降、この領域を低
速型閉じ領域と称す)。
【0022】そして、可動盤2が高速型閉じ領域から低
速型閉じ領域に達すると、このときの可動盤2の速度
が、速度変換器18において位置検出器17からの信号
に基づいて連続的に演算され、その速度信号がデジタル
サーボ演算処理部24へ出力されるとともに、このデジ
タルサーボ演算処理部24において算出された操作量
が、速度制御部19からデジタルスイッチ21、D/A
変換器22、および、コントロールアンプ23を経てサ
ーボ弁8へ出力されて、前記可動盤2の速度に見合う作
動油量の供給を前記サーボ弁8によって確保すべく、こ
のサーボ弁8の開度が、前記可動盤2の減速状況に応じ
て連続的に調整される。このときも、切り替え弁29が
OFFに保持されて、このサーボ弁8への作動油の供給
は行なわれていない。
【0023】この状態で可動盤2の移動が継続されて所
定の位置(すなわち制御切り換え点A)まで移動させら
れると、型開閉弁12が閉じられて補助シリンダー7の
両油圧室7a・7bがタンク10へ連通させられるとと
もに、バイパス弁9が閉じられて型締めシリンダー5の
両油圧室5a・5bの連通が遮断され、同時に前記サー
ボ弁8を介して型締めシリンダー5へ作動油の供給が開
始されて、デジタルサーボ制御装置13による速度制御
が開始される。
【0024】ここで、前記型締めシリンダー5へ供給さ
れる作動油量は、サーボ弁8の開度によって決まるが、
このサーボ弁8の開度が、前記可動盤2の速度に見合っ
た作動油量を確保する開度に調整されて待機状態となさ
れていることから、型締めシリンダー5へ供給される作
動油量が、前記可動盤2の移動速度を保持する量となさ
れる。しかも、サーボ弁8がデジタルサーボによって制
御されていることから、このサーボ弁8の開度も正確に
把握されており、前述した開度調整が精度よく行なわれ
る。
【0025】この可動盤2の速度に見合った作動油量を
供給するためのサーボ弁8の開度は、次の3式で求めら
れる。サーボ弁8を流れる作動油流量と可動盤2の速度
との関係は、 Q=Vf×S ・・・・・・・・・・・・(1) となる。但し、 Q ;可動盤2の現在速度に見合うサーボ弁流量 Vf;可動盤2の現在速度 S ;型締めシリンダー5の第1ピストン4の受圧面積 また、前記流量Qとサーボ弁8の開度との関係は、 Q=CA×√(2ΔP÷2ρ) ・・・・・・・・・・・・(2) となる。但し、 C ;サーボ弁8の流量計数 A ;サーボ弁8の開度 ΔP;サーボ弁8の差圧 ρ ;作動油の粘性 よって、 A=(Vf×S)/{CA×√(2ΔP÷2ρ)} ・・・・(3)
【0026】そして、このような速度制御は、その前半
の、前記可動盤2が所定位置に至るまではオープン制御
部30によるオープン制御によって行なわれる(この領
域を図3に示すように、オープン制御領域Oと称す)。
このようなオープン制御領域Oを設けるのは、前記サー
ボ弁8を介して供給される作動油の圧力が、供給の初期
段階において圧力変動を伴うために、その圧力変動を安
定化させるためのものである。
【0027】一方、前述したように、バイパス弁9を閉
とした際に、第1ピストン4の慣性力によって高圧側の
油圧室5aの圧力が低下して、過渡的に作動油の動きが
不安定になるが、本実施例においては、サーボ弁8のP
ポートとタンク10との間にチェック弁11が設けられ
ていることにより、圧力変動時において、作動油が前記
チェック弁11を介してタンク10からサーボ弁8のP
ポートへ吸い上げられることにより、前述した圧力低下
が抑制されて、作動油の不安定な動きが早期に安定化さ
れる。
【0028】このような、オープン制御領域Oを経たの
ちに、クローズド制御による速度制御へ移行し、切り替
え弁29が開状態となり圧油がサーボ弁8に供給され
る。したがって、オープン制御領域Oからクローズド制
御領域Cへ切り換えられる際の衝撃が、前述したサーボ
弁8およびチェック弁11の作用によって十分に緩和さ
れ、以降の制御は全てクローズド制御によって行なわれ
る。このクローズド制御による速度制御は、位置検出器
17からの位置信号に基づいて、速度変換器18におい
て可動部材2の移動速度が演算されるとともに、この移
動速度がフィードバック信号としてデジタルサーボ演算
処理部24へ入力され、このデジタルサーボ演算処理部
24において、予め入力されている速度指令26と前記
フィードバック信号との比較が行なわれ、その補正信号
が生成される。そして、この補正信号が速度制御部1
9、デジタルスイッチ21、D/A変換器22およびコ
ントロールアンプ23を介して、前記サーボ弁8へ出力
されることにより、前記可動部材2が予め設定された速
度にクローズド制御される。
【0029】このような速度制御が完了したのちは、従
来と同様にして前記可動盤2を、位置検出器17からの
位置情報と位置指令27とによるクローズド制御により
位置制御を行ない、さらに、差動アンプ14からA/D
変換器15を経て入力される型締め圧力情報と圧力指令
25とによる、型締め圧力等を制御する圧力制御へ移行
されるが、これらの各制御信号は、前記位置検出器17
からの位置情報に基づいたデジタルスイッチ21によっ
て切り替えられて、前記サーボ弁8へ出力される。
【0030】ついで、型開き操作について説明する。ま
ず、図4に示すように、型締め状態から、クローズド制
御されているサーボ弁8により、型締めシリンダー5に
供給されている作動油の圧力が抜かれ、こののちに、サ
ーボ弁8がOFFとなされるとともにバイパス弁9が作
動させられて、型締めシリンダー5の両油圧室5a・5
bが連通させられる。
【0031】ついで、オープン制御されたポンプによっ
て所定量に調整された作動油が補助シリンダー7へ供給
されて、この補助シリンダー7によって、前記可動部材
2が型開き方向へ低速で移動させられ(この領域を、図
4に、初期型開き領域として示した)、所定位置まで移
動させられた際に、前記ポンプからの作動油の供給量が
増加させられることにより、高速で開方向へ移動させら
れる(この領域を、図4に、高速型開き領域として示し
た)。このような高速型開き領域を経て、可動盤2がそ
のの停止位置に近づくと、ポンプからの作動油の供給量
が減少させられることにより、図4に低速型開き領域と
して示すように、可動盤2が所定の速度まで減速させら
れる。
【0032】そして、この低速型開き領域に至った際
に、位置検出器17からの信号に基づいて検出されてい
る可動盤2の速度情報により、前記サーボ弁8が、可動
盤2の速度に見合った作動油量を型締めシリンダー5へ
供給し得る程度に開度調整されて、待機状態となされ
る。
【0033】これより、前記可動盤2が所定位置に到達
すると、型開閉弁12によって補助シリンダー7の両油
圧室7a・7bがタンク10へ連通させられるととも
に、ポンプによる補助シリンダー7への作動油の供給が
停止され、また、バイパス弁9による、型締めシリンダ
ー5の両油圧室5a・5bの連通が遮断された状態とな
されるとともに切り換え弁30がONとなされ、この状
態において、サーボ弁8へ作動油が供給されて、このサ
ーボ弁8による速度制御へ移行させられる。
【0034】このような速度制御に移行させられる際
に、前記サーボ弁8の開度が、型締め時と同様に、既
に、可動盤2の速度に見合った作動油の供給を行ない得
るような開度に調整されていることから、この作動油に
よって作動させられる型締めシリンダー5の型開き方向
への移動速度が、前記可動盤2の移動速度にほぼ一致さ
せられ、この結果、サーボ弁8による速度制御への移行
時においても、可動盤2等への衝撃が抑制される。
【0035】そして、このサーボ弁8による速度制御
は、その前半において、前述した型締め時と同様にオー
プン制御部30によってオープン制御され(図4中にオ
ープン制御領域Oとして示した)、こののちに、クロー
ズド制御(図4中にクローズド制御領域Cとして示し
た)による速度制御へ移行され、さらに、クローズド制
御のもとに位置制御が行なわれて、前記可動盤2が所定
位置に停止される。
【0036】このような型開き操作時においても、サー
ボ弁8による速度制御の前半部分においてオープン制御
が行なわれて、型締めシリンダー5へ供給される作動油
の圧力変動が安定化されたのちにクローズド制御に移行
させられる。また、バイパス弁9による型締めシリンダ
ー5の両油圧室5a・5b間の連通遮断時に発生する作
動油の不安定な動きも、作動油が前記チェック弁11を
介してタンク10からサーボ弁8のPポートへ吸い上げ
られることにより、早期に安定化される。したがって、
オープン制御からクローズド制御へ移行する際の衝撃が
十分に緩和される。
【0037】一方、速度制御が終了したのちに、前記可
動盤2は、位置検出器17からの位置情報と位置指令信
号とに基づき、クローズド制御のもとに位置制御される
ことから、可動盤2が正確な位置に停止される。
【0038】これによって、例えば、成形品の取り出し
機等の他の機器との位置決めが確実に行なわれる。
【0039】このように本実施例によれば、可動盤2の
移動時のオープン制御とクローズド制御との切り換え点
における移動速度の変化が抑制されて、型開閉時におけ
る可動盤2の移動が円滑に行なわれ、かつ、バイパス弁
9の作動による作動油の不安定な動きが早期に安定化さ
れ、可動盤2や他の構成部材へ衝撃が加わることが抑制
される。
【0040】さらに、型開放時において、その最終段階
における位置制御をサーボ弁を用いたクローズド制御に
よって行なうことにより、可動盤2の停止位置の制御が
高精度に行なわれる。
【0041】なお、前記実施例において示した各構成部
材の諸形状や寸法等は一例であって、適用する成形機の
種類や設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる成
形機の型開閉制御方法は、金型の型締めを行なう型締め
シリンダーと、前記金型の開閉をなす補助シリンダーと
を備えた成形機における型開閉制御方法であって、前記
補助シリンダーのオープン制御による型開閉工程中にお
いて金型の移動速度を検出するとともに、前記型締めシ
リンダーに併設されたサーボ弁の弁開度を、前記金型の
移動速度に応じて調整しておくとともに、このサーボ弁
への作動油の供給を停止しておき、前記金型が型開閉工
程の終端近傍まで移動させられた際に、前記サーボ弁へ
作動油を供給するとともに、このサーボ弁による速度制
御の前半をオープン制御によって行ない、ついで、金型
の速度情報をフィードバック信号として、前記サーボ弁
による速度制御をデジタルサーボによりクローズド制御
することを特徴とするもので、つぎのような優れた効果
を奏する。
【0043】補助シリンダーによって移動させられてい
る金型の速度に応じて、サーボ弁の開度を調整しておく
ことにより、補助シリンダーによる金型の移動操作から
型締めシリンダーによる金型の移動操作に切り換える時
点において、前記型締めシリンダーへ、現在の金型速度
に見合った量の作動油を即座に供給することができ、こ
れによって、オープン制御からクローズド制御への切り
換え時における金型速度の変動を抑制して、型開閉時
に、金型ないしはその他の構成部材に衝撃を与えること
を軽減することができる。
【0044】しかも、型締めおよび型開きの金型停止位
置の制御を、金型の位置情報に基づきクローズド制御に
よって行なうことから、それぞれにおける金型停止位置
の制御が高精度に行なえ、これによって、固定金型に対
する可動金型の停止時における位置関係や、金型と製品
取り出し装置等の他の機器との位置関係を高精度に制御
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の成形機における型閉じ操作のタイミング
チャートである。
【図2】本発明を実施するための装置の一例を示す該略
図である。
【図3】本発明の一実施例を説明するための、型閉じ操
作のタイミングチャートである。
【図4】本発明の一実施例を説明するための、型開き操
作のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 型締め装置 2 可動盤(金型) 5 型締めシリンダー 7 補助シリンダー 8 サーボ弁 11 チェック弁 12 型開閉弁 13 デジタルサーボ制御装置 17 位置検出器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型の型締めを行なう型締めシリンダー
    と、前記金型の開閉をなす補助シリンダーとを備えた成
    形機における型開閉制御方法であって、前記補助シリン
    ダーのオープン制御による型開閉工程中において金型の
    移動速度を検出するとともに、前記型締めシリンダーに
    併設されたサーボ弁の弁開度を、前記金型の移動速度に
    応じて調整しておくとともに、このサーボ弁への作動油
    の供給を停止しておき、前記金型が型開閉工程の終端近
    傍まで移動させられた際に、前記サーボ弁へ作動油を供
    給するとともに、このサーボ弁による速度制御の前半を
    オープン制御によって行ない、ついで、金型の速度情報
    をフィードバック信号として、前記サーボ弁による速度
    制御をデジタルサーボによりクローズド制御することを
    特徴とする成形機の型開閉制御方法。
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