JPH0712440A - 冷蔵庫の給水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、給水管等の内部に形成する水膜の
有無に関係なく給水動作が確実に提供可能な冷蔵庫の給
水装置を提供することを目的としたものである。 【構成】 製氷容器と、製氷容器の温度を検知する検知
手段と、オリフィスを有する区画壁により計量室と予備
室に区画した水受け皿と、予備室の上部開口部に対向し
た給水口を有する給水タンクと、計量室の水を揚水する
ための給水ポンプと、給水ポンプより前記製氷容器へ給
水する給水管と、給水ポンプの第１の作動時間の後、第
２の作動時間を設定した給水制御手段で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、製氷容器内に水を給水
したのち製氷し、その製氷完了を検知したのちに製氷皿
から氷を取り出すようにした冷蔵庫の給水装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】例えば冷蔵庫に付設される自動製氷装置
は従来、特開平１−２３４７７１号公報に記すが如く構
造のものがよく知られており、図４から図６に従い説明
する。

【０００３】１は冷蔵庫本体で外箱２，内箱３および前
記外箱２，内箱３間に充填された断熱材４により構成し
ている。５は前記冷蔵庫本体１の内部を上下に区画する
区画壁であり、上部に冷凍室６、下部に冷蔵室７を区画
形成している。８は前記冷凍室６の背面に備えた冷凍サ
イクルの冷却器であり、９は前記冷却器８で冷却した冷
気を前記冷凍室６および冷蔵室７内に強制通風するため
の送風機である。

【０００４】次に１０は前記冷凍室６内に備えた自動製
氷機であり、モータ７，減速ギヤ郡を（図示せず）等を
内蔵した駆動装置１１、中央部に指示軸１２を連結固定
した製氷容器１３、前記駆動装置１１に前記製氷容器１
３を軸支させるためのフレーム１４等より構成される。
１５は前記製氷容器１３を歪み変形させて離氷を行わせ
るために、前記フレーム１４の一部に設けたストッパー
である。１６は前記製氷容器１３の裏面に設けた温度セ
ンサーであり、１７は前記自動製氷機１０の下方に備え
た貯氷箱である。１８は給水装置であり前記冷蔵室７の
一画に備えられている。

【０００５】次に前記給水装置１８の具体的構成につい
て図５で説明する。１９は着脱自在に備えられた製氷用
の水を給水するための給水タンクで、２０は前記給水タ
ンクの給水口であり弁２１により開閉される。２２は前
記給水タンク１９の給水口２０の下方に設けた水受け皿
であり、オリフィス部２３を有する仕切壁２４により計
量室２５と予備室２６とに区画されている。さらに２７
は前記水受け皿２２の計量室２５の水を揚水するための
給水ポンプであり、２８は揚水高さに対する給水流量調
整と安定のために給水ポンプ２７内の吐出口近くに設け
られた絞り弁である。２９は前記給水ポンプ２７に連結
してその出口を前記自動製氷機１３の製氷容器１３に臨
ませるように配設した給水管である。

【０００６】図６は給水ポンプ２７の給水制御手段３０
の機能ブロック図であり、３１は離氷完了信号回路、３
２は保水完了信号回路、３３は給水タイマー回路、３４
は駆動回路である。

【０００７】かかる構成において、水を満した給水タン
ク１９の給水口２０を下向きにセットすると弁２１が押
しあげられて給水口２０が開口され予備室２６からオリ
フィス部２３を通過し計量室２５に移動して水受け皿２
２内に水が満たされる。このときの水面Ａは給水口２０
の下端の位置まで上昇し停止する。このとき保水完了信
号回路３２が動作し、離氷完了信号回路３１が動作状態
であれば給水タイマー回路３３が作動し一定時間駆動回
路３４を動作させ給水ポンプ２７が作動し、給水ポンプ
２７内に設けた絞り弁２８部を経由し一定の水圧を有す
る水が給水管２９を介して製氷容器１３内に一定量給水
される。

【０００８】こうして製氷皿１３内に満たされた水は冷
凍室６内での冷却作用によって氷結され、氷が生成され
る。そして温度センサー１６が一定温度以下になると製
氷終了を検知し駆動装置１１の回転作用によって製氷容
器１３が支持軸１２を中心として回動反転させ、ストッ
パー１５に製氷容器１３の一部が当接することによって
製氷容器１３が歪み、変形を生じて製氷容器１３内の氷
が離氷され貯氷箱１６内に落下して貯氷され、離氷作用
の終了した製氷容器１３は再び駆動装置１１に逆回転作
用によって元の状態に復帰する。

【０００９】このとき離氷完了信号回路３１の動作によ
り再び給水タイマー回路３３が作動し一定時間駆動回路
３４を動作させ給水ポンプ２６が作動することで給水さ
れる。以後この作用を給水タンク１８内の水を使い切る
まで繰り返し、製氷容器１３の裏面に設けた温度センサ
ー１６が給水動作後一定温度以上に上昇しない場合は給
水タンク１８内の水が空になったとして水無し状態を表
示灯（図示せず）にて報知し、再び給水タンク１８内を
満水にして使用するものである。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の給水方法では給水タンク１８内が貯水状態であって
も給水ポンプ２７を駆動して給水タンク１８の水を製氷
容器１３へ給水した後、該給水ポンプ２７を停止すると
給水管２９内の水が水受け皿２３内に戻されるが、この
とき、給水管２９内や給水ポンプ２７の絞り弁部２８等
に表面張力等により水膜３５が形成される。この後、再
び給水ポンプ２７を駆動すると、給水ポンプ２７により
揚水された水の先端部３６と前記水膜３５との間に空気
層３７が生じるため、ここで水の流通が阻害され給水不
足となったり、給水されず製氷容器１３の裏面に設けた
温度センサー１６が給水動作後一定温度以上に上昇せ
ず、給水タンク１８内が空になったとして表示灯が報知
することが往々にして発生する問題を有していた。

【００１１】本発明は上記問題に鑑み、揚水能力の高い
給水ポンプを使用することなく、給水動作が常に安定し
た冷蔵庫の給水装置を提供することを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の冷蔵庫の給水装置は、製氷容器と、製氷容器
の温度を検知する検知手段と、オリフィスを有する区画
壁により計量室と予備室に区画した水受け皿と、予備室
の上部開口部に対向した給水口を有する給水タンクと、
計量室の水を揚水するための給水ポンプと、給水ポンプ
より前記製氷容器へ給水する給水管と、給水ポンプを第
１の時間動作させた後、第２の時間動作させる給水制御
手段を有し、前記第１の時間または第２の時間のずれか
を製氷容器内へ給水しない時間動作の範囲内に設定し、
他方の時間動作を製氷容器へ正規に給水する動作時間に
設定したものである。

【００１３】

【作用】本発明は上記した構成によって給水ポンプを一
定時間作動させ、停止した直後に、再度正規の給水動作
を行うことにより給水パイプ内や給水ポンプの絞り弁部
に表面張力等により形成された水膜と給水ポンプの初期
駆動により、給水ポンプにより揚水された水の先端部と
前記水膜との間に圧力の高い空気層が生じるが、一旦停
止することにより給水径路内に入った水が水受け皿へ戻
るとき空気層の圧力が低下し、水膜も戻るようになり、
該水膜が除去される。そしてこの直後に再び給水ポンプ
を作動させ正規の給水動作が行われるため、給水タンク
内の水がなくなるまで製氷容器への給水が確実に行われ
るものである。

【００１４】

【実施例】以下本発明の冷蔵庫の給水装置についての実
施例を図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一
構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略
する。

【００１５】図１は第１の実施例を示す給水ポンプ２７
の給水制御の機能ブロック図であり、３８は第１の給水
タイマー回路であり、３９は第２の給水タイマー回路で
ある。図２は上記各給水タイマー回路３８，３９の設定
時間チャート図を示したもので、例えば第１の給水タイ
マー回路を１秒、第２の給水タイマー回路を正規の給水
時間６．５秒に設定している。

【００１６】上記構成により、第１の給水タイマー回路
３８により１秒間給水ポンプ２７を作動すると、給水管
２９や給水ポンプ２７の絞り弁部２８に形成された水膜
がある場合、揚水された水の先端部と前記水膜との間に
圧力の高い空気層が生じるが、一旦停止することにより
給水径路内に入った水が水受け皿へ戻るとき空気層の圧
力が低下することにより、水膜も戻るようになり除去さ
れる。さらに第２の給水タイマー回路３７により６．５
秒間正規の給水動作が行われ規定の給水量が製氷容器に
給水することができるものである。

【００１７】図３は本発明の第２の実施例を示す給水ポ
ンプ２７の給水制御の機能ブロック図であり、基本構成
は第１の実施例とほぼ同じで、異なる点は給水ポンプ２
７に直流モータを用い、回転方向を可変するものであ
り、４２は正回転駆動回路、４０は逆回転駆動回路であ
り４１は給水ポンプ２７の駆動源である直流モータであ
る。

【００１８】以上の構成により、給水管２９や給水ポン
プ２７の絞り弁部２８に形成された水膜３５がある場
合、第１の給水タイマー回路３８が作動し逆回転駆動回
路４０により、直流モータ４１を１秒間逆回転方向に作
動する。このとき内部が減圧するため水膜３５が切れ除
去される。さらに第２の給水タイマー回路３９が作動し
正回転駆動回路４２により、６．５秒間正回転方向に直
流モータ４１を作動させ、通常の給水動作を行い規定の
給水量を製氷容器に給水することが継続できるものであ
る。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明は製氷容器と、前記
製氷容器の温度を検知する温度検知手段と、オリフィス
を有する区画壁により計量室と予備室に区画した水受け
皿と、前記予備室の上部開口部に対向した給水口を有す
る給水タンクと、前記計量室の水を揚水するための給水
ポンプと、前記給水ポンプより前記製氷容器へ給水する
給水管と、前記給水ポンプの第１の時間動作させた後、
第２の時間動作させる給水制御手段を有し、前記第１ま
たは第２の時間動作のいずれかを製氷容器内へ給水しな
い時間動作の範囲内に設定し、他の一方を製氷容器へ正
規の給水時間動作に設定した冷蔵庫の給水装置により、
給水管等の内部に形成する水膜有無に関係なく給水動作
が確実に提供できるものである。

【００２０】さらに、給水ポンプの駆動源に直流モータ
で構成し第１の時間動作に逆回転させ、第２の時間動作
に正規回転させてなる給水制御手段を有する冷蔵庫の給
水装置により揚水能力の高い給水ポンプを採用すること
なく簡単な制御であり水膜が形成しやすい細い給水管
や、給水管の曲がりに対し、また給水ポンプの狭い絞り
弁でも確実に給水動作が可能となり、生産性、各種取り
付けによるばらつきにも対応できるなど実用効果は著し
いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す給水ポンプの給水制御
の機能ブロック図

【図２】本発明の実施例を示す給水タイマー回路の設定
時間チャート図

【図３】本発明の第２の実施例を示す給水ポンプの給水
制御の機能ブロック図

【図４】従来の給水装置を備えた冷蔵庫の断面図

【図５】図４の給水装置の拡大断面図

【図６】従来の給水ポンプの給水制御の機能ブロック図

【符号の説明】

１３ 製氷容器 １６ 温度センサー １９ 給水タンク ２０ 給水口 ２２ 水受け皿 ２３ オリフィス ２４ 区画壁 ２５ 計量室 ２６ 予備室 ２７ 給水ポンプ ２９ 給水管 ３０ 給水制御手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 製氷容器と、前記製氷容器の温度を検知
   する温度検知手段と、オリフィスを有する区画壁により
   計量室と予備室に区画した水受け皿と、前記予備室の上
   部開口部に対向した給水口を有する給水タンクと、前記
   計量室の水を揚水するための給水ポンプと、前記給水ポ
   ンプより前記製氷容器へ給水する給水管と、前記給水ポ
   ンプを第１の時間動作させた後、第２の時間作動させる
   給水制御手段とを有し、前記第１または第２の時間のい
   ずれか一方を製氷容器内へ給水しない動作時間の範囲内
   に設定し、他方を前記製氷容器へ正規の給水動作時間に
   設定してなる冷蔵庫の給水装置。
2. 【請求項２】 給水ポンプの駆動源に直流モータで構成
   し、前記モータを第１の動作時間において逆回転させ、
   第２の動作時間には正規回転させてなる給水制御手段を
   有する請求項１記載の冷蔵庫の給水装置。