JPH07123770A - モータの制御装置 - Google Patents

モータの制御装置

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JPH07123770A
JPH07123770A JP5268728A JP26872893A JPH07123770A JP H07123770 A JPH07123770 A JP H07123770A JP 5268728 A JP5268728 A JP 5268728A JP 26872893 A JP26872893 A JP 26872893A JP H07123770 A JPH07123770 A JP H07123770A
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JP
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motor
mover
drive
signal
command
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Application number
JP5268728A
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English (en)
Inventor
Masahiro Yasohara
正浩 八十原
Yoshinori Isomura
宜典 礒村
Hiromitsu Nakano
博充 中野
Kenichiro Takahashi
健一郎 高橋
Kiyoto Owatari
清人 尾渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種OA機器に使用されるモータの制御装置
において、安価で位置および速度を高品位に制御するモ
ータの制御装置を提供することを目的とする。 【構成】 モータと、可動子の位置に応じた連続的周期
信号を出力する検出手段6と、検出手段6の出力を指令
手段の重み付け指令信号にもとづき、重み付け合成演算
する演算手段8と、演算手段8の出力をトルク指令信号
としてそれに応じた駆動トルクを前記モータに供給する
駆動手段5により構成し、演算手段8からのトルク指令
信号により、前記モータの可動子の駆動トルクを制御
し、演算手段8からのトルク指令信号を指令手段7から
の重み付け指令信号により制御することにより、前記モ
ータの可動子の位置あるいは速度を制御するように構成
したモータの制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PPCやプリンターな
どのOA機器に搭載されるモータの制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、PPCやプリンターなどのOA機
器はカラー化,デジタル化あるいは小形化,低価格化の
傾向があり、これに伴いこれらの機器に搭載されるモー
タとしては、高性能な位置制御および速度制御が可能で
小形,低価格化が実現できるものが必要とされている。
【0003】従来、このような位置制御および速度制御
が可能なモータとしてはステッピングモータあるいはD
Cサーボモータがあり、PPCのスキャナー部などに使
用されている。
【0004】このようなモータの制御装置としては、例
えば以下に示すようなものがある。図5は従来のモータ
の制御装置の回路構成図であり、特にステッピングモー
タの制御装置を示したものである。
【0005】図5において、10はステッピングモータ
であり、その各相巻線コイルには励磁回路11が接続さ
れている。12は分配回路であり、指令パルス信号の入
力に応じて前記励磁回路11に励磁指令信号を出力す
る。
【0006】以上のように構成された従来のモータの制
御装置について、以下その動作について説明する。
【0007】ステッピングモータ10は複数相の巻線コ
イルを有しており、その各相巻線コイルのいずれかに励
磁電流を供給することにより、位置制御が可能となるよ
うに構成されている。
【0008】ステッピングモータ10の各相巻線コイル
へ供給する励磁電流は励磁回路11より供給されるがそ
の際、分配回路12からの励磁指令信号にもとづき各相
巻線コイルのうちいずれかのコイルが選択され、励磁電
流が供給される。
【0009】分配回路12は、指令パルス信号にもとづ
き上記励磁コイルの選択を順次切り替え、前記励磁回路
11に励磁指令信号を出力する。
【0010】すなわち、指令パルス信号が入力されるご
とにステッピングモータ10の励磁される巻線コイルが
順次切り替わり、これにより指令パルス信号に応じて位
置制御を実現している。
【0011】また、指令パルス信号を一定時間間隔ごと
に入力することにより、これに同期して位置の移動を行
わせることも可能であり、これにより指令パルス信号の
周波数に応じて速度制御を行うこともできる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、以下に示すような課題がある。
【0013】まず、図5に示した従来のモータの制御装
置においては、位置制御を行うために各相巻線コイルの
いずれかに励磁電流を供給し続け、ステッピングモータ
に保持トルクを持続発生させる必要がある。
【0014】このため、モータあるいは励磁回路の電力
損失による発熱が大きく、効率的にも極めて低いものと
なる。
【0015】また、指令パルスの連続入力により速度制
御を行おうとした場合においても以下の不具合がある。
【0016】まず、指令パルスの入力間隔を時間的に短
くステッピングモータを高速で回転駆動しようとした場
合、各相巻線コイルの励磁電流を高速で切り替える必要
があるが、この場合、巻線コイルのインダクタンスの影
響により各巻線コイルの励磁電流を速やかに切り替える
には限界があり、この限界に達すると駆動トルクを失い
モータは指令パルスに対して追従できなくなる。
【0017】つまり、高速回転駆動への追従性において
問題がある。また、上記励磁電流の高速切り替え限界内
においても巻線コイルの励磁電流の切り替えは可聴周波
数域となることが多く、これに伴う巻線コイルの振動に
より大きな騒音が発生する。
【0018】さらに、指令パルスの入力時間間隔が比較
的長く、上記巻線コイルの励磁電流の切り替えが可聴周
波数域以下となった場合、可動子の保持トルク特性が本
質的に有しているリップル特性により可動子が振動し、
モータとして低速回転駆動を行った場合大きな振動を発
生するという問題を有している。
【0019】一方、速度制御モータとして直流モータあ
るいはブラシレスモータに速度検出器として周波数発電
機(いわゆるFG)を出力軸に付加し、前記周波数発電
機から出力される可動子の速度に応じた周波数信号をフ
ィードバック制御するものがあるが、この場合、可動子
の速度検出は周波数発電機の周期ごとに行われるため低
速制御においてはその検出性能が不十分となり、モータ
の駆動電力を制御するフィードバック信号(トルク指令
信号)にリップルが発生し、その結果、制御が不安定と
なってしまう。
【0020】この種のモータの低速制御を安定に行おう
とすると、周波数発電機を高分解能化する必要がある
が、周波数発電機は一般に多極着磁されたFG磁石とそ
の磁束の時間的変化を検出するFGコイルにより構成さ
れる。その構成上、高分解能化に伴いFG磁石の着磁エ
ネルキーが減少し、FG磁石とFGコイルとの空隙も量
産性を犠牲にするぼどに微小化しなければならなくな
り、現実的に周波数発電機の高分解能化には限界があ
る。
【0021】そして、言及するまでもなく周波数発電機
はモータ停止時においては出力は発生せず、これにより
制御されるモータを位置制御することは不可能である。
【0022】一方、位置制御から速度制御に至るまで制
御可能なモータとして、直流モータあるいはブラシレス
モータに位置検出器としてエンコーダを出力軸に付加
し、前記エンコーダから出力される可動子の位置に応じ
たパルス信号をフィードバック制御するいわゆるDCサ
ーボモータあるいはACサーボモータがあるが、これら
のサーボモータの場合、十分な位置制御特性および低速
制御特性を得るために、高分解能のエンコーダが必要で
ある。そして、そのエンコーダ部は極めて高価であり、
PPCなどのOA機器を中心とする民生分野においては
価格的に十分な普及を実現できるレベルにはない。
【0023】以上のように従来のモータの制御装置は、
多くの問題点を有していた。本発明は上記従来の問題点
を解決するもので、効率良く低発熱で位置制御を行い、
速度制御においても指令信号に対する高速追従性に優れ
低速から高速に至るまで低振動かつ低騒音の駆動が実現
でき、さらに低価格化が可能なモータの制御装置を提供
することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のモータの制御装置は、可動子と固定子のいず
れか一方に多極着磁された永久磁石、他方に駆動コイル
を有し前記駆動コイルへの駆動電力に応じて前記可動子
の駆動トルクが制御可能なモータと、前記モータの可動
子の位置に応じた複数相の連続的かつ周期的な信号を出
力する検出手段と、前記検出手段の複数相の信号出力を
合成演算することにより、前記可動子の位置に応じた分
布特性を有する信号を出力する演算手段と、前記演算手
段の信号出力を制御する指令手段とにより構成し、前記
演算手段からの信号出力により前記モータの可動子の駆
動トルクを制御し、前記指令手段により前記演算手段の
信号出力の分布特性を制御することにより、前記モータ
の可動子の位置あるいは速度を制御するように構成して
いる。
【0025】より具体的には、可動子と固定子のいずれ
か一方に多極着磁された永久磁石、他方に駆動コイルを
有し、前記駆動コイルへの駆動電力に応じて前記可動子
の駆動トルクが制御可能なモータと、トルク指令信号に
より前記モータの駆動コイルへの駆動電力を制御する駆
動手段と、前記モータの可動子の位置に応じた複数相の
連続的かつ周期的な信号を出力する検出手段と、前記検
出手段の複数相の信号出力に、それぞれ所定値の乗算を
行うための重み付け指令信号を出力する指令手段と、前
記指令手段からの重み付け指令信号にもとづき、前記検
出手段の複数相の信号出力にそれぞれ所定の重み付けを
行い、これらを合成しその合成結果を前記駆動手段への
トルク指令信号として出力する演算手段とにより構成
し、前記演算手段からのトルク指令信号により、前記モ
ータの可動子の駆動トルクを制御し、前記演算手段から
のトルク指令信号を前記指令手段からの重み付け指令信
号により制御することにより、前記モータの可動子の位
置あるいは速度を制御するように構成している。
【0026】
【作用】この構成によって、駆動コイルへの駆動電力に
応じて可動子の駆動トルクが制御可能なモータを駆動源
とし、検出手段より出力される前記可動子の位置に応じ
た複数相の連続的かつ周期的な信号を、指令手段からの
重み付け指令信号にもとづき演算手段により効率的に処
理し、その処理結果であるトルク指令信号により駆動源
である前記モータの駆動トルクを制御し、そのトルク指
令信号を指令手段からの重み付け指令信号により制御
し、前記モータの位置あるいは速度を制御するので上述
した目的である効率良く低発熱で位置制御を行い、速度
制御においても指令信号に対する高速追従性に優れ、低
速から高速に至るまで低振動かつ低騒音の駆動が実現で
き、さらに低価格化を可能としている。
【0027】
【実施例】(実施例1)以下本発明の一実施例につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0028】図1は本発明のモータの制御装置の一実施
例を示すものである。図1において、1は永久磁石より
成る可動子であり、2〜4は図示していない固定子が有
している駆動コイルであり、上記1〜4は図示していな
いモータの構成要素となっている。5は駆動手段であ
り、前記駆動コイル2〜4に接続され、同駆動コイル2
〜4の励磁の切り替え、つまり転流制御を行うとともに
トルク指令信号Tに応じて前記駆動コイル2〜4への駆
動電力を制御するように構成している。6は可動子の位
置に応じた信号S1,S2を出力する検出手段であり、
その出力は演算手段8に入力されている。7は指令手段
であり、前記検出手段6の信号出力S1,S2それぞれ
に対する重み付け指令信号G1,G2を前記演算手段8
に出力する。前記演算手段8は、前記信号出力S1,S
2を前記重み付け指令信号G1,G2にもとづき重み付
け合成演算し、その結果をトルク指令信号Tとして前記
駆動手段5に出力する。
【0029】以上のように構成されたモータの制御装置
について、その動作を説明する。図2は図1におけるモ
ータの制御装置の動作説明図であり、演算手段8が指令
手段7の重み付け指令信号G1,G2にもとづき、検出
手段6の信号出力S1,S2を重み付け合成演算し、そ
の結果であるトルク指令信号Tを示したものである。
【0030】図2に示すように、トルク指令信号Tは詳
細は後述するが、上記演算の結果可動子の位置θに応じ
た周期的な分布特性を持つようになる。
【0031】そしてその分布特性は、指令手段7の重み
付け指令信号G1,G2の値により制御可能であり、重
み付け指令信号G1,G2により一義的にトルク指令信
号Tの可動子位置に対する分布特性が決定される。
【0032】一方、1〜4の各構成要素により構成され
たモータは、例えばいわゆる直流モータあるいはブラシ
レスモータであって、トルク指令信号Tに応じて駆動手
段5により駆動コイル2〜4への駆動電流が制御された
場合、その駆動電流に概略比例した駆動トルクがモータ
に発生するものである。すなわち、トルク指令信号Tに
よりモータの駆動トルクが線形制御されるように構成さ
れている。
【0033】このようなトルク指令信号Tの分布特性の
もと、まずモータの位置制御における動作について説明
する。
【0034】位置制御は、重み付け指令信号G1,G2
を一定値とし、トルク指令信号Tの分布特性を時間的に
静止させることにより実現できる。このトルク指令信号
Tの静止分布をtとする。
【0035】上記静止分布tの発生により、可動子1が
初期状態として図2のB点に停止していたとすると、T
bなる大きさで正方向のトルク指令信号が演算手段8よ
り駆動手段5に出力される。このとき駆動手段5は、駆
動コイル2〜4のうち転流制御により選択された駆動コ
イルに対してTbに応じた駆動電流を供給する。
【0036】ここで、転流制御は可動子1の位置に応じ
てモータが最も効率良く、図2のA点の方向に向けて駆
動されるように、駆動コイル2〜4のうち通電すべき駆
動コイルを選択するように行われる。
【0037】その結果、モータはTbに応じた駆動トル
クを発生し、可動子1はB点よりA点に向けて移動を始
める。
【0038】やがて可動子1はA点に達するが、可動子
1が有する慣性によりA点を通り過ぎてしまう。
【0039】A点を通り過ぎ、例えばC点に達した場
合、演算手段8はTcなる大きさで負方向のトルク指令
信号を駆動手段5に出力する。このとき駆動手段5は、
駆動コイル2〜4のうち転流制御により選択された駆動
コイルに対してTcに応じた駆動電流を供給する。
【0040】ここで、転流制御は可動子1の位置に応じ
てモータが最も効率良く、図2のA点の方向に向けて駆
動されるように、駆動コイル2〜4のうち通電すべき駆
動コイルを選択するように行われる。
【0041】その結果、モータにはTcに応じた駆動ト
ルクが発生し、すなわち可動子1にはC点よりA点に向
けた駆動トルクが作用することになる。
【0042】したがって、可動子1はA点に安定して停
止するように位置制御されることになる。
【0043】そして駆動コイルに対して供給される駆動
電流は、静止分布tに沿って可動子1の位置に応じて加
減され、安定点であるA点においては駆動コイルの駆動
電流は零となる。
【0044】つまり、位置制御が完了し安定点であるA
点に可動子1が停止するとモータの駆動コイルへの電力
供給は零となり、従来のステッピングモータのように保
持トルクを維持するための各相巻線コイルへの励磁電流
は供給されない。
【0045】したがって、電力損失による発熱が少なく
高効率である。次に、モータの速度制御における動作に
ついて説明する。
【0046】速度制御は、重み付け指令信号G1,G2
の値を変化させ、トルク指令信号Tの分布特性を時間的
に変化させることにより実現できる。
【0047】図3は、このトルク指令信号Tの分布特性
の時間的変化を示したものである。つまり、上述の重み
付け指令信号G1,G2を可変することにより、トルク
指令信号Tの可動子位置に対する分布特性がt1よりt
2に変化した場合の様子を示したものである。
【0048】図3に示すように、上記分布特性がt1よ
りt2に変化すると、可動子1の停止に際しての安定点
はA1よりA2に変化する。したがって、可動子1はA
1からA2に向かって移動しようとする。
【0049】このようなトルク指令信号の分布特性の変
化を継続させることにより、可動子1の位置の移動つま
り速度制御が可能となる。
【0050】実際の速度制御に際しては、可動子に作用
する外部からの負荷に打ち勝ってモータの駆動を維持さ
せるために、外部負荷に応じた駆動トルクが必要であ
る。したがって、この駆動トルクに相当するトルク指令
信号としてTsが発生する動作点に可動子1の瞬間的な
位置が制御される。
【0051】すなわち、トルク指令信号の分布特性がt
1である瞬間可動子1は動作点S1に位置し、分布特性
がt2である瞬間可動子1は動作点S2に位置するよう
に制御される。
【0052】そして、可動子1の位置の変化すなわち速
度は、トルク指令信号の分布特性の時間的変化と同期し
制御される。
【0053】したがって、指令手段7の重み付け指令信
号G1,G2により、トルク指令信号Tの分布特性を時
間的にゆっくりと変化させることによりモータの低速制
御が実現でき、時間的に速く変化させることによりモー
タの高速制御が実現できる。
【0054】また、トルク指令信号Tの分布特性の時間
的変化は、図3に示したt1からt2への変化のよう
に、可動子位置上をスライドさせるように起こるため
(詳細は後述)モータに駆動トルクを発生させるための
トルク指令信号Tsにリップルが発生せず、低振動,低
騒音のモータ駆動が実現できる。
【0055】つまり、低速から高速に至るまで低振動か
つ低騒音の速度制御が可能となる。以下に、先に述べた
トルク指令信号Tの分布特性の発生原理について説明す
る。
【0056】トルク指令信号Tは、指令手段7の重み付
け指令信号G1,G2にもとづき、検出手段6の信号出
力S1,S2を(数1)のごとく合成演算することによ
り得ることができる。
【0057】
【数1】
【0058】ここで、検出手段6の信号出力S1,S2
として、(数2),(数3)のごとく互いに90度(電
気角)の位相差を有する正弦波信号が出力されるものと
する。
【0059】
【数2】
【0060】
【数3】
【0061】このような正弦波信号出力を得る方法とし
ては、可動子に連結された多極着磁された永久磁石の表
面磁束を磁気抵抗素子(MR素子)により検出する方法
が一般的であるが、例えば図4に示すように、多極着磁
された永久磁石の表面磁束を極歯構造を有する磁性体に
より集束し、磁気電気変換素子(例えばホール素子)に
より検出する方法も考えられる。
【0062】なお、(数2),(数3)におけるθは可
動子の位置(電気角)である。一方、指令手段7の重み
付け指令信号G1,G2として、(数4),(数5)の
ごとく互いに90度の位相差を有する正弦波信号が出力
されるものとする。
【0063】
【数4】
【0064】
【数5】
【0065】このような正弦波信号出力は、正弦波発生
器を電気回路にて構成し得ることは容易である。
【0066】なお、(数4),(数5)におけるφは可
動子の停止位置目標を与える位置指令である。
【0067】(数2),(数3),(数4),(数5)
により、(数1)は(数6)のごとく表される。
【0068】
【数6】
【0069】(数6)によると、トルク指令信号Tは可
動子の位置θと位置指令φとの差の関数となり、図2に
示したような可動子の位置θに応じた周期的な分布特性
を有するようになる。
【0070】そしてその分布特性は、可動子の位置指令
φにより可動子の位置上を空間的にスライドさせるごと
く、制御することが可能であることを示している。
【0071】例えば、図3において可動子の位置指令φ
としてφ1からφ2へ連続的になめらかに変化させるこ
とにより、分布特性をt1からt2へ連続的にスライド
させることができ、トルク指令信号にリップルのない、
なめらかな低振動,低騒音な速度制御を実現することが
できる。
【0072】そして、上記スライド動作をゆっくりと行
うことにより低速制御が実現でき、速く行うことにより
高速制御が実現できる。
【0073】また図3において、可動子の位置指令φと
してφ1からφ2へ離散的に変化させることにより、分
布特性をt1からt2へ離散的にスライドさせることも
可能であり、この場合、ステッピングモータのごとくモ
ータのステップ駆動も実現できる。
【0074】また、図2のように可動子の位置指令φを
時間的に静止させることにより、位置決め制御も実現で
きる。
【0075】その分布特性の具体的な制御は、上記位置
指令φから(数4),(数5)により導かれる重み付け
指令信号G1,G2の値により(数1)の演算処理が演
算手段8によりなされ行われるものである。
【0076】また、上述したトルク指令信号Tが可動子
1の位置θに応じた分布特性を有するのは(数6)の導
出の過程により明らかなように、検出手段6の出力が
(数2),(数3)に示されるように可動子1の位置に
応じた連続的かつ周期的な信号であるからである。仮に
いわゆる位置検出器としてのエンコーダのように矩形波
あるいはパルス状の離散的な信号であれば、上述のよう
な演算処理はモータ制御において意味を持たないものと
なる。
【0077】以上のように本実施例によれば、駆動コイ
ル2〜4への駆動電力に応じて可動子1の駆動トルクが
制御可能な直流モータあるいはブラシレスモータを駆動
源とし、前記可動子1の位置に応じた2相の互いに電気
角90度の位相差を有する正弦波信号S1,S2を出力
する検出手段6と、前記検出手段6の各出力にそれぞれ
重み付けを行うための2相の互いに90度の位相差を有
する正弦波信号である重み付け指令信号G1,G2を出
力する指令手段7と、前記信号出力S1,S2を前記重
み付け指令信号G1,G2にもとづき(数1)により重
み付け合成演算し、その結果、前記可動子1の位置に応
じた分布特性を有するトルク指令信号Tを出力する演算
手段8とを設け、前記演算手段8のトルク指令信号Tに
より前記駆動源であるモータの駆動トルクを制御し、ま
た、前記指令手段7の重み付け指令信号G1,G2によ
り前記トルク指令信号Tの分布特性をスライドさせるご
とく制御することによりモータの位置あるいは速度を制
御するので、効率良く低発熱で位置制御を行い、速度制
御においても低速から高速に至まで低振動かつ低騒音の
制御が実現できる。
【0078】つまり、位置制御においては従来のステッ
ピングモータのように保持トルクを維持するために巻線
コイルへの励磁電流を供給し続ける必要はなく、可動子
が安定点(A点)に達すればモータへの電力供給は零と
なり、高効率,低発熱が実現できる。
【0079】なお、外部からの負荷により可動子が安定
点からズレを生じた場合、そのズレ量に応じた電力がモ
ータに供給されることはいうまでもない。
【0080】また、速度制御においては従来のDCサー
ボモータや速度制御モータのように高分解能のエンコー
ダあるいは周波数発電機を用いなくとも、指令手段7か
ら出力される重み付け指令信号G1,G2により、可動
子の位置に応じた分布特性を有するトルク指令信号Tを
スライドさせるごとく制御するので、低速域の制御にお
いても十分な制御性能を実現することができる。
【0081】そして、高速追従性においても駆動源とし
て直流モータあるいはブラシレスモータを用いることに
より、ステッピングモータのように巻線コイルの高速切
り替えを行わなくともモータの高速駆動は可能であり、
指令手段7の重み付け指令信号G1,G2によるトルク
指令信号Tの制御速度を上げることにより、高速化が可
能である。
【0082】したがって、極めて高い高速追従性が実現
できる。また、検出手段6においては可動子に連結され
た多極着磁された永久磁石の表面磁束を磁気抵抗素子
(MR素子)により検出する方法や、図4に示すような
多極着磁された永久磁石の表面磁束を極歯構造を有する
磁性体により集束し、磁気電気変換素子(例えばホール
素子)により検出する方法により具現化を行えば、DC
サーボモータのような高価な位置検出器としてのエンコ
ーダを用いる必要はなく、安価に位置を検出する手段を
実現できその結果、安価なモータの制御装置が実現でき
る。
【0083】なお、本実施例において、検出手段6の出
力信号S1,S2として互いに電気角で90度の位相差
を有する2相の正弦波信号である場合を示したが、その
出力信号は必ずしも2相に限定されるべきものではない
し、また正弦波に限られるものでもない。
【0084】例えば、検出手段6の出力信号を互いに電
気角で360度/n(nは3以上の自然数)の位相差を
有するn相の正弦波とし、指令手段7の重み付け指令信
号として、前記n相の検出手段6の出力信号それぞれに
対応してn相分、互いに360度/nの位相差を有する
正弦波信号を出力するようにしても、同様の目的,効果
を実現することができる。
【0085】また、検出手段6の出力信号が正弦波でな
くとも、結果として演算手段8にて可動子の位置に応じ
た分布特性を有するトルク指令信号Tを得ることができ
れば本発明の目的,効果を実現することができ、そのた
めには指令手段7からの重み付け指令信号を本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で正弦波にこだわることなく変形さ
せてもよい。
【0086】このことは、量産時何らかの影響で検出手
段6の出力に歪みを生じた場合においても、その歪みは
指令手段7の重み付け指令信号により補正可能であるこ
とを意味している。
【0087】また、本実施例において指令手段7からの
重み付け指令信号G1,G2は、検出手段6の複数相の
出力信号S1,S2にそれぞれ対応して出力され、各重
み付け指令信号G1,G2を可動子の位置指令φに対し
て(数4),(数5)によりともに変化させる場合を示
したが、いずれか一方の重み付け指令信号のみを変化さ
せてもトルク指令信号Tの制御は可能である。そして、
この場合においても既に上述のとおり、検出手段の出力
信号は必ずしも2相に限定されるものではないし、また
正弦波に限られるものでもない。
【0088】さらに、検出手段6の分解能を従来のDC
サーボモータに使用されるエンコーダのように機械的に
高分解能化しなくとも、例えば1回転当たり1周期の出
力であっても、トルク指令信号Tの空間的な分布特性を
制御する指令手段7の重み付け指令信号の出力分解能を
電気的に高分解能化することにより、位置決め制御の高
分解能化と、位置制御から低速ないし高速にいたるまで
の速度制御を限りなく高品位に実現させることができ
る。
【0089】なお、検出手段6の複数相の出力信号S
1,S2にそれぞれ対応した重み付け指令信号G1,G
2による重み付けは、(数1)に示すようにS1,S2
にそれぞれG1,G2を乗算することにより行うが、乗
算による重み付けは具体的には乗算回路あるいは電圧制
御増幅器(VCA)などにより具現化は容易である。
【0090】
【発明の効果】以上のように本発明は、可動子と固定子
のいずれか一方に多極着磁された永久磁石、他方に駆動
コイルを有し、前記駆動コイルへの駆動電力に応じて前
記可動子の駆動トルクが制御可能なモータと、前記モー
タの可動子の位置に応じた複数相の連続的かつ周期的な
信号を出力する検出手段と、前記検出手段の複数相の信
号出力を合成演算することにより、前記可動子の位置に
応じた分布特性を有する信号を出力する演算手段と、前
記演算手段の信号出力を制御する指令手段とにより構成
し、前記演算手段からの信号出力により、前記モータの
可動子の駆動トルクを制御し、前記指令手段により前記
演算手段の信号出力の分布特性を制御することにより、
前記モータの可動子の位置あるいは速度を制御するの
で、またより具体的には可動子と固定子のいずれか一方
に多極着磁された永久磁石、他方に駆動コイルを有し、
前記駆動コイルへの駆動電力に応じて前記可動子の駆動
トルクが制御可能なモータと、トルク指令信号により前
記モータの駆動コイルへの駆動電力を制御する駆動手段
と、前記モータの可動子の位置に応じた複数相の連続的
かつ周期的な信号を出力する検出手段と、前記検出手段
の複数相の信号出力にそれぞれ所定値の乗算を行うため
の重み付け指令信号を出力する指令手段と、前記指令手
段からの重み付け指令信号にもとづき、前記検出手段の
複数相の信号出力にそれぞれ所定の重み付けを行い、こ
れらを合成しその合成結果を前記駆動手段へのトルク指
令信号として出力する演算手段とにより構成し、前記演
算手段からのトルク指令信号により、前記モータの可動
子の駆動トルクを制御し、前記演算手段からのトルク指
令信号を前記指令手段からの重み付け指令信号により制
御することにより、前記モータの可動子の位置あるいは
速度を制御するので、効率良く低発熱で位置制御を行
い、速度制御においても指令信号に対する高速追従性に
優れ、低速から高速に至るまで低振動かつ低騒音の駆動
が実現でき、さらに低価格化が可能な優れたモータの制
御装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるモータの制御装置を
示す図
【図2】本発明の一実施例におけるモータの動作説明図
【図3】本発明の一実施例におけるモータの動作説明図
【図4】検出手段の具体的構成例を示す図
【図5】従来のモータの制御装置を示す図
【符号の説明】
1 可動子 2,3,4 駆動コイル 5 駆動手段 6 検出手段 7 指令手段 8 演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 健一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 尾渡 清人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可動子と固定子のいずれか一方に多極着磁
    された永久磁石、他方に駆動コイルを有し、前記駆動コ
    イルへの駆動電力に応じて前記可動子の駆動トルクが制
    御可能なモータと、前記モータの可動子の位置に応じた
    複数相の連続的かつ周期的な信号を出力する検出手段
    と、前記検出手段の複数相の信号出力を合成演算するこ
    とにより、前記可動子の位置に応じた分布特性を有する
    信号を出力する演算手段と、前記演算手段の信号出力を
    制御する指令手段とにより構成し、前記演算手段からの
    信号出力により、前記モータの可動子の駆動トルクを制
    御し、前記指令手段により前記演算手段の信号出力の分
    布特性を制御することにより、前記モータの可動子の位
    置あるいは速度を制御するモータの制御装置。
  2. 【請求項2】可動子と固定子のいずれか一方に多極着磁
    された永久磁石、他方に駆動コイルを有し、前記駆動コ
    イルへの駆動電力に応じて前記可動子の駆動トルクが制
    御可能なモータと、トルク指令信号により前記モータの
    駆動コイルへの駆動電力を制御する駆動手段と、前記モ
    ータの可動子の位置に応じた複数相の連続的かつ周期的
    な信号を出力する検出手段と、前記検出手段の複数相の
    信号出力に、それぞれ所定値の乗算を行うための重み付
    け指令信号を出力する指令手段と、前記指令手段からの
    重み付け指令信号にもとづき、前記検出手段の複数相の
    信号出力にそれぞれ所定の重み付けを行いこれらを合成
    し、その合成結果を前記駆動手段へのトルク指令信号と
    して出力する演算手段とにより構成し、前記演算手段か
    らのトルク指令信号により、前記モータの可動子の駆動
    トルクを制御し、前記演算手段からのトルク指令信号を
    前記指令手段からの重み付け指令信号により制御するこ
    とにより、前記モータの可動子の位置あるいは速度を制
    御するモータの制御装置。
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