JPH0712362Y2 - 画像形成装置の転写域へのシート供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、静電写真複写機やファクシミリ等の画像形成
装置に装備される転写域へのシート供給装置に関する。

〔従来の技術〕

例えば静電写真複写機における転写域へのシートの搬送
装置として、感光体の転写域上流側近傍に、シートの巾
方向中央側を搬送するローラ式のシート搬送手段を設け
ると共に、該シート搬送手段によって搬送されるシート
を感光体表面に向けて案内する上下部のガイド板を配設
して、特に軟質シートに対する白抜けと称される転写不
良が生じ難く構成されたものがある。

即ち、上記のシート搬送手段として、互いに当接する複
数のローラ対を所定間隔を隔ててシート全巾にわたって
設ける構成とした場合、シートの搬送に伴って隣るロー
ラ対間でシートの撓みが発生し易くなり、特に軟質シー
トの場合に顕著であって、このようにシートの撓みが生
じると、その撓み面部に対する転写が達成されなくなる
ことから、所謂白抜けと称される転写不良を生じる。

しかし、前記シートの搬送を巾方向中央側に特定すると
シートの撓み原因がなくなることから従来では、シート
の巾方向中央側を搬送させるようにシート搬送手段が設
けられているのである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、例えばA₀やA₁といった特に巾広サイズのシー
トや腰の弱いシート等を搬送対象にした時に、第５図に
示すように、搬送されるシートａの巾方向両側がシート
搬送手段Ａから垂れ下がってしまって、巾方向中央側に
比べて巾方向両側のシート部分が遅れて転写されること
で、所謂画像歪を生じることがあった。

あるいは、巾狭のシートや腰の強いシートであっても、
長時間の放置によって巾方向両側が下向きにカールして
いたり、表面が巾方向で波打ち状態になっている場合に
は、上記と同様の画像歪を生じるものであった。

本考案は、かゝる実情に鑑みて成されたものであって、
シートの巾方向中央側を特定して搬送させる構成の有利
さを生かしながら、上記の画像歪を生じさせないように
することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本考案は、冒頭に記載した
シート供給装置において、前記シートの先端を上部側の
ガイド板に向けて案内する可撓性の中間ガイド板を、前
記搬送手段両側の下部側ガイド板に連設すると共に、該
中間ガイド板の下流側縁部を前記上部側ガイド板に近接
または当接させた点に特徴を有する。

〔作用〕

上記の特徴構成によれば、搬送対象のシートが巾広サイ
ズのものや軟質のものであっても、あるいは、シートが
巾方向でカールしていても、該シートの巾方向両側の垂
れ下がりが中間ガイド板によって阻止される。

また、シートが巾方向で波打っていても、該シートが上
部側ガイド板と中間ガイド板の間を通過する際に、該シ
ートが引き伸ばされて波打ちが矯正される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第２図は画像形成装置の一例の静電写真複写機を示し、
原稿押圧装置１を上部に備えた装置本体２に感光体３を
横架すると共に、この感光体３のまわりに、帯電装置
４、現像装置５、転写装置６、シート分離装置７、クリ
ーニング装置８をその順に配置し、かつ、前記装置本体
２の上部空間に露光装置９を設けると共に、装置本体２
の下部空間にシートａの収容部10を設け、更に、該シー
ト収容部10の重送防止装置11から前記転写装置６にわた
ってシート搬送装置12を設けると共に、転写・分離後の
シートａを定着装置13に搬送するシート搬送装置14と、
定着後のシートａを装置外に繰り出すためのシート排出
装置15を設けてある。

前記転写装置６に対するシート搬送装置12の下流側部分
には、前記転写装置６による転写域に向けてシートａを
供給するためのシート供給装置16が設けられている。

即ち、第１図及び第3,4図に示すように、互いに当接す
るローラ対17の複数を同芯状に配置して成るローラ式の
搬送手段18を、前記転写域の上流側近傍で且つシートａ
の巾方向中央側に相当する部位に配置すると共に、前記
シートａを前記感光体３に向けて案内する夫々が金属製
の上下部のガイド板19,20を、前記ローラ式搬送手段18
と転写装置６との間に設け、かつ、前記シートａの先端
を上部側のガイド板19に向けて案内する可撓性の中間ガ
イド板（例えばポリエステルフィルム）21を、前記下部
側ガイド板20に対してそれの搬送手段18両側の面部に連
設すると共に、該中間ガイド板21をやゝ撓み変形させて
当該中間ガイド板21の下流側縁部を前記上部側ガイド板
19に付勢当接させてある。

上記の構成によれば、前記ローラ式の搬送手段18がシー
トａの巾方向中央側に搬送作用することで、巾方向での
シートａの撓みが生じ難くなり、転写時における所謂白
抜けの転写不良が防止される。

また、搬送対象のシートａが軟質や巾広サイズである場
合のシート両側の垂れ下がりや、シートａの巾方向両側
が下向きにカールしているシート両側の垂れ下がりが、
何れも前記中間ガイド板21によって阻止され、所謂画像
歪の発生が防止される。

更に、シートａが巾方向で波打っていても、該シートａ
が上部側ガイド板19と中間ガイド板21の間を通過する際
に、当該シートａが引き伸ばされて波打ちが矯正される
ことになり、而して、波打ちシートａについても画像歪
が防止される。

そして、転写域においてシートａが感光体３の表面に静
電吸着され且つ該シートａに張力が働くと、その張力の
作用で前記中間ガイド板21が下部側ガイド板20に当接す
るまで撓み、該シートａに無理な力がかかる不都合が防
止される。

尚、中間ガイド板21をやゝ撓み変形させて、その下流側
縁部を上部側ガイド板19に付勢当接させているが、単に
当接させるだけであっても良く、あるいは、前記上部側
ガイド板19との間に小間隙が形成されるように、該中間
ガイド板21の下流側縁部を上部側ガイド板19に近接させ
る配置形態とするも良い。

また、上記の中間ガイド板21を搬送手段18の両側範囲の
全巾にわたって設けているが、前記両側範囲の内の中央
部分や巾方向の何れか一方に偏った部分、あるいは、前
記両側範囲の内の両側部分等の特定範囲にのみ、前記中
間ガイド板21を設ける構成とするも良い。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案による画像形成装置の転写域
へのシート供給装置は、所謂白抜けの転写不良を抑止さ
せるようにシートの巾方向中央側を搬送させる形態をと
りながらも、搬送手段の両側に可撓性を有する中間ガイ
ド板を設けたことで、巾広サイズのシートや腰の弱いシ
ートを搬送対象にした際のシート両側の垂れ下がりを効
果的に防止でき、あるいは、巾方向両側が下方にカール
しているシートを搬送対象にした際のシート両側の垂れ
下がりも効果的に防止でき、更には、巾方向で波打ち状
態のシートを搬送対象にした場合に、そのシートの波打
ちも矯正させることができるようになり、所謂画像歪の
発生を確実に防止できるに至ったのである。

【図面の簡単な説明】 第１図は転写域へのシート供給装置を示す詳細図、第２
図は画像形成装置の一例の静電写真複写機の概略縦断側
面図、第３図はシート供給装置の斜視図、第４図はシー
トの供給状態を示す説明図である。そして第５図は従来
例の説明図である。 ３…感光体、18…搬送手段、19…上部側ガイド板、20…
下部側ガイド板、21…中間ガイド板、ａ…シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】感光体の転写域上流側近傍に、シートの巾
   方向中央側を搬送する搬送手段を設けると共に、該搬送
   手段によって搬送されるシートを感光体表面に向けて案
   内する上下部のガイド板を配置した画像形成装置の転写
   域へのシート供給装置であって、前記シートの先端を上
   部側のガイド板に向けて案内する可撓性の中間ガイド板
   を、前記搬送手段両側の下部側ガイド板に連設すると共
   に、該中間ガイド板の下流側縁部を前記上部側ガイド板
   に近接または当接させてあることを特徴とする画像形成
   装置の転写域へのシート供給装置。