JPH07121884B2 - ジビニルベンゼンの製造方法 - Google Patents
ジビニルベンゼンの製造方法Info
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- JPH07121884B2 JPH07121884B2 JP4283523A JP28352392A JPH07121884B2 JP H07121884 B2 JPH07121884 B2 JP H07121884B2 JP 4283523 A JP4283523 A JP 4283523A JP 28352392 A JP28352392 A JP 28352392A JP H07121884 B2 JPH07121884 B2 JP H07121884B2
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- C07C5/32—Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms by dehydrogenation with formation of free hydrogen
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Description
方法に関するものである。
ているため各種樹脂の架橋剤等として有用であり、イオ
ン交換樹脂原料等の他、各種樹脂の改質原料として使用
されている。ジビニルベンゼンはジエチルベンゼンを脱
水素することにより製造できる。例えば、特開昭62−
29537号公報には、93%−パラジエチルベンゼン
をアルカリ性脱水素触媒を用いて、温度620〜630
℃、スチーム/ジエチルベンゼン比(以下、S/D比と
いう)2〜4(重量比)の条件で脱水素すると、転化率
約80%、パラジビニルベンゼン収率約38重量%、パ
ラエチルビニルベンゼン収率約30重量%という結果に
なったことが記載されている。また、特開昭62−45
542号公報には、ジエチルベンゼンを、触媒層入口温
度620℃、ジエチルベンゼン基準LHSV1hr-1、
S/D比3の条件で脱水素して、転化率約78%、ジビ
ニルベンゼン選択率(モル)約55%でジビニルベンゼ
ンを得ることが記載されている。
うので、脱水素反応生成ガスを凝縮器で冷却凝縮してジ
ビニルベンゼンを回収する必要がある。しかし、ジビニ
ルベンゼンは反応性が高く、重合してポリマーとなりや
すいため、脱水素反応生成ガスを冷却凝縮して回収しよ
うとすると、凝縮器でポリマーが析出して凝縮器の伝熱
面内壁に付着するため、工業的に行う場合、長時間安定
的に連続運転するのが困難であった。そして、凝縮器伝
熱面内壁に付着したポリマーは通常の溶媒には極めて溶
解しにくいため、これが蓄積し、微量の重合であっても
長期には運転不能とならしめる事故が発生するという重
大な問題があった。
重合を抑制するために重合防止剤の添加などを検討した
が、満足する効果は得られなかった。そのため、従来
は、高濃度のジビニルベンゼンを回収しようとする場合
でも、脱水素を低転化率で行い、ジビニルベンゼン濃度
が低い反応生成ガスを得、これを凝縮してから蒸留して
高濃度のジビニルベンゼンとすることが行われており、
これは、蒸留の負荷が大きいだけでなく、蒸留中にも重
合物が生成するため、その防止をはかる必要があった。
ゼンを原料としてジビニルベンゼンを収量よく製造する
ことを目的とする。そして、ジエチルベンゼンの脱水素
反応生成ガスを凝縮する際に、ジビニルベンゼンの重合
を可及的に防止し、また、凝縮器の伝熱面内壁へのポリ
マーの付着を防止して長時間の安定運転を可能にするこ
とを目的とする。
を達成するために鋭意研究を行った結果、脱水素反応生
成ガスが冷却され凝縮する凝縮器内部において、ジビニ
ルベンゼンが重合してポリマーになりやすく、ここでの
重合防止が重要であることを見出すとともに、ポリマー
が付着しやすい凝縮器内部に高沸点油を噴霧することに
より、凝縮器の閉塞が防止され、長期間に亘って安定し
た連続運転が可能になること、その結果、脱水素を高転
化率、高選択率で行うことが可能になることを見出して
本発明を完成した。
気相接触脱水素反応生成ガスを、凝縮器に導入して凝縮
させ、これを凝縮させて脱水素油を回収するにあたり、
凝縮器内部にジビニルベンゼンより沸点が高い高沸点油
を噴霧して反応生成ガスと接触させることからなるジビ
ニルベンゼンの製造方法である。また、高沸点油と同時
に水を凝縮器内部に噴霧して反応生成ガスと接触させる
ジビニルベンゼンの製造方法である。
ベンゼンからジビニルベンゼンを製造するための脱水素
反応は、気相で水蒸気と共にジエチルベンゼンを、脱水
素触媒、例えば酸化鉄系触媒と接触させることにより可
能である。本発明は、脱水素反応を転化率70%以上好
ましくは80%〜90%となるように行う場合に特に有
効であり、中でも、脱水素反応のジビニルベンゼン選択
率が40重量%以上となるように行う場合に有効であ
る。脱水素反応のその他の条件は公知の条件の範囲でよ
い。
以上の温度で行われるので、反応器から流出する反応生
成物はガス状であり、この反応生成ガスを凝縮し、更に
油水分離して脱水素油として回収する。反応生成ガスの
凝縮に使用する凝縮器は、特に限定はなく、形状等は任
意であり、公知の熱交換器を使用できる。しかしなが
ら、本発明者らの知見によればガスから液に変化する付
近での重合が激しく、この部分の重合を防止することが
最も重要であることが認められた。
する際に高沸点油を凝縮器内部に噴霧して、反応生成ガ
スと接触させて急冷するものである。高沸点油の噴霧は
反応生成ガスが凝縮を開始する直前又は直後に行うのが
よく、また、反応生成ガスの温度低下を十分大きくする
ためには高沸点油の噴霧量を反応生成ガス100重量部
当たり10〜100重量部とするのがよい。なお、本発
明でいう反応生成ガスは反応器から流出するガスであっ
て、反応原料であるジエチルベンゼンに由来する反応生
成物及び未反応物であって、ジビニルベンゼンの他、エ
チルビニルベンゼン等の副生物、未反応ジエチルベンゼ
ンや反応原料中に含まれる不純物に由来する成分を含
む。しかし、反応系に添加されるスチ−ム等は含まな
い。
を急冷したとしても多少の重合は避けられないので、こ
の重合物が凝縮器の伝熱面に付着するのを防止すること
も重要である。そのためには、一定以上の線速度で高沸
点油を伝熱面上に流すことが有効である。従って、高沸
点油の噴霧量、噴霧速度等の噴霧条件は凝縮器の構造に
より異なるが、伝熱面の壁を全面に渡って、高沸点油で
常時洗い流せる条件とするのがよい。
ベンゼンより沸点が高いものであり、具体的には沸点が
200℃以上好ましくは、好ましくは230℃以上、よ
り好ましくは250℃以上の高沸点油である。また、飽
和芳香族炭化水素が好ましく、例えば、ジフェニルエタ
ン、アルキルジフェニルエタン、テトラエチルベンゼ
ン、アルキルベンゼンを脱アルキルする際に副生する残
油、石炭の急速熱分解油等の芳香族炭化水素又はこれら
を主とする留分がある。これらは安定で、生成するポリ
マ−を溶解する能力も優れ、重合防止効果もある。ま
た、その他、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、
エチルナフタレン、エチルビフェニル、メチルジフェニ
ルエ−テル等も高沸点油として挙げられる。ここで、ジ
ビニルベンゼンとほぼ等しい沸点を有する高沸点油を使
用すると蒸留分離が困難となる。
しいが、パラジビニルベンゼンの濃度が高いと結晶が析
出したりする恐れがあるので、常温付近、例えば0〜5
0℃程度とすることが好ましい。また、高沸点油と同時
に水を噴霧してもよい。水は比較的低沸点であるが、そ
の蒸発潜熱よる冷却効果が大きい。この水としては、反
応生成ガスを凝縮させて得られる脱水素油を含む凝縮液
から分離される凝縮水とすれば、その有効利用が図れ
る。水の噴霧量は反応生成ガス100重量部当たり、0
〜100重量部の範囲である。
ンゼンの他に、未反応物、高沸点油、ポリマ−、水分等
を含んでいるので、必要により油水分離、固形物分離等
をしたのち、蒸留してジビニルベンゼンを精製すること
が有利である。蒸留では、ジビニルベンゼンを留出さ
せ、高沸点油は残渣として残すことが好ましい。分離さ
れた高沸点油は循環使用してもよいし、燃料油等として
もよい。
で且つ重合防止剤の存在下に行う。この蒸留は一塔の蒸
留塔だけで行っても、二塔以上の蒸留塔を使用して行っ
てもよいが、いずれにしてもジビニルベンゼンより低沸
点分と高沸点分とを可及的に分離する。反応条件にもよ
るが、本発明の方法を採用すればジビニルベンゼン留分
のジビニルベンゼン含有量が80〜98重量%、エチル
ビニルベンゼン含有量が2〜20重量%、飽和化合物含
有量が1重量%以下となるようなジビニルベンゼンを得
ることが可能となる。ジビニルベンゼン留分には蒸留し
た直後に重合防止剤を100〜5000ppm(重量)
添加するのがよい。
る。エチルベンゼン製造工程からのポリエチルベンゼン
留分を水蒸気とともに加熱器を経由させてから反応器に
装入し、脱水素触媒に接触させて脱水素する。脱水素反
応生成ガスを反応器から抜き出して凝縮器へ装入し、凝
縮器内の予備冷却部で凝縮しない程度まで冷却した後、
凝縮部で更に冷却して凝縮する。一方、高沸点油を常温
付近まで冷却してから脱水素反応生成ガスを凝縮する凝
縮器内に噴霧して予備冷却部から凝縮部に流入する脱水
素反応生成ガスに接触させる。
分を分離したのち、油分を蒸留塔に装入し、塔頂又は塔
上部からジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン等の
留分を、塔底又は塔下部から高沸点留分を取り出す。そ
して、必要によりジビニルベンゼンを含有する留分を更
に蒸留して高濃度のジビニルベンゼンを得る。
詳しく説明する。 実施例1 600℃で反応器から流出するジエチルベンゼンの脱水
素反応生成ガス(ジビニルベンゼン45%、エチルビニ
ルベンゼン25%)を上記例のように凝縮器に装入し
た。一方、ベンゼンをエチレンでエチル化して得られた
エチル化反応生成物を蒸留して、エチルベンゼンまでの
留分を回収した後のポリエチルベンゼン留分を蒸留し
て、ジエチルベンゼンと、ジフェニルエタン及びエチル
ジフェニルエタンを主とする高沸点油(組成:ジフェニ
ルエタン28%、エチルジフェニルエタン46%)とを
回収し、この高沸点油を脱水素反応生成ガスを凝縮する
凝縮器内部に噴霧する高沸点油として使用した。高沸点
油の噴霧量は、凝縮器内部で単位時間当たりに凝縮する
反応生成ガス100重量部に対して、20重量部となる
ように調節した。この実施例では、3カ月間に渡って連
続運転したが、ポリマーによる凝縮器の閉塞は起こらな
かった。
を分離した後、油分を減圧下で蒸留し、ジビニルベンゼ
ン81.5重量%、エチルジビニルベンゼン18.1重
量%、その他0.4%以下のジビニルベンゼンを得た。
蒸留にあたっては重合防止剤を添加して蒸留塔の閉塞を
防止した。
く同じ条件でジビニルベンゼンを製造したところ、ほぼ
1週間で凝縮器が閉塞し、それ以上の連続運転は不可能
であった。
転化率、高選択率で脱水素しても凝縮器が閉塞すること
がないので、高濃度のジビニルベンゼンを効率よく製造
でき、しかも、長期間の連続運転を安定して行うことが
できる。
Claims (3)
- 【請求項1】ジエチルベンゼンの気相接触脱水素反応生
成ガスを、凝縮器に導入して、これを凝縮させて脱水素
油を回収するにあたり、凝縮器内部にジビニルベンゼン
より沸点が高い高沸点油を噴霧して反応生成ガスと接触
させることを特徴とするジビニルベンゼンの製造方法。 - 【請求項2】ジエチルベンゼンの気相接触脱水素反応生
成ガスを、凝縮器に導入して、これを凝縮させて脱水素
油を回収するにあたり、ジビニルベンゼンより沸点が高
い高沸点油と水とを凝縮器内部に噴霧して反応生成ガス
と接触させることを特徴とするジビニルベンゼンの製造
方法。 - 【請求項3】反応生成ガス100重量部当たり、高沸点
油を10〜100重量部、水を0〜100重量部噴霧す
る請求項1又は2記載のジビニルベンゼンの製造方法。
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